特開2015-140804(P2015-140804A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-140804浮力駆動の運動エネルギー発生装置およびその運動エネルギー発生の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-140804(P2015-140804A)
(43)【公開日】2015年8月3日
(54)【発明の名称】浮力駆動の運動エネルギー発生装置およびその運動エネルギー発生の方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/04 20060101AFI20150707BHJP
【FI】
   F03B17/04
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2014-92527(P2014-92527)
(22)【出願日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】103103352
(32)【優先日】2014年1月29日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】103106776
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514108827
【氏名又は名称】戴 春毅
(71)【出願人】
【識別番号】514107509
【氏名又は名称】黄 玉蓉
(71)【出願人】
【識別番号】514107510
【氏名又は名称】戴 冠禹
(71)【出願人】
【識別番号】514107521
【氏名又は名称】戴 承堯
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(74)【代理人】
【識別番号】100186886
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 嗣畝子
(72)【発明者】
【氏名】戴 春毅
(72)【発明者】
【氏名】黄 文崇
(72)【発明者】
【氏名】陳 文官
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA10
3H074AA15
3H074AA18
3H074BB11
3H074CC01
(57)【要約】
【課題】従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置が有していた運動エネルギー発生の効率がよくないという問題点を解決する。
【解決手段】基座1には一個の液体タンク11が含まれる。回転子2には一個の回転本体21と一個の軸部22が含まれ、軸部22は回転本体21と液体タンク11を結合し、回転本体21は軸部22によって回転自在に液体タンク11の中に設けられる。浮子3は伸縮自在に回転本体21に設けられる。伸縮制御モジュール4は液体タンク11の中に設けられることにより、回転本体21は回転時において浮子3が回転本体21に対して伸縮するように構成されている。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個の基座(1)、一個の回転子(2)、少なくとも一個の浮子(3)および一個の伸縮制御モジュール(4)が含まれる浮力駆動の運動エネルギー発生装置であって、基座(1)には一個の液体タンク(11)が含まれ、回転子(2)には一個の回転本体(21)と一個の軸部(22)が含まれ、軸部(22)は回転本体(21)と液体タンク(11)を結合し、回転本体(21)は軸部(22)の回転軸線を中心に回転自在に液体タンク(11)の中に設けられ、浮子(3)は伸縮自在に回転本体(21)に設けられ、伸縮制御モジュール(4)は液体タンク(11)の中に設けられることにより、回転本体(21)は回転時において少なくとも一個の浮子(3)が回転本体(21)に対して伸縮するのを制御することを特徴とする浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項2】
液体タンク(11)は液体を収容するのに用いられ、回転本体(21)の内部は中空で物質を収容し、上記物質の密度は液体タンク(11)の中に収容される上記液体の密度より小さく、上記液体の中において回転本体(21)を浮き上がらせるのに充分な浮力を発生することを特徴とする請求項1に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項3】
液体タンク(11)は液体を収容するのに用いられ、回転本体(21)の密度は液体タンク(11)の中に収容される上記液体の密度より小さく、上記液体の中において回転本体(21)を浮き上がらせるのに充分な浮力を発生することを特徴とする請求項1に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項4】
少なくとも一個の浮子(3)は伸縮自在に回転本体(21)の外表面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項5】
回転本体(21)の外表面には二個の相対する端面(21a)と一個の外周面(21b)が含まれ、外周面(21b)は二個の端面(21a)と連接し、少なくとも一個の浮子(3)は伸縮自在に回転本体(21)の外周面(21b)に設けられることにより、回転本体(21)の半径方向において伸縮の変位を発生することを特徴とする請求項4に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項6】
基座(1)には他に二個の軸固定部(12)が含まれ、二個の軸固定部(12)はそれぞれ液体タンク(11)の二個の相対する外側の表面に設けられ、さらに同じ軸で相対するように形成され、回転子(2)の軸部(22)は二個の回転軸(22a、22b)からなり、二個の回転軸(22a、22b)にはそれぞれ一個の軸孔(221)が含まれ、二個の回転軸(22a、22b)はそれぞれ一端から回転本体(21)の二個の端面(21a)に設けられ、そして二個の回転軸(22a、22b)はそれぞれ他端から液体タンク(11)を貫穿して通過し、二個の軸固定部(12)まで連接されることにより、二個の軸孔(221)によって回転本体(21)の内部と液体タンク(11)の外部を連通することを特徴とする請求項5に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項7】
少なくとも一個の浮子(3)には一個の第一浮子(3a)が含まれ、回転本体(21)の外周面(21b)には一個の第一溝口(211a)が設けられ、第一浮子(3a)には一個のカバー(31)と一個の隔離部材(32)が含まれ、カバー(31)の一端は開放状に形成され、カバー(31)は第一溝口(211a)に設けられ、かつ開口端は回転本体(21)の内部に向くように形成され、カバー(31)は隔離部材(32)によって回転本体(21)と互いに連接することにより、第一溝口(211a)を密封することを特徴とする請求項5に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項8】
第一浮子(3a)のカバー(31)の外端面は円弧状に形成され、かつ弧度は回転本体(21)の外周面(21b)の弧度と同じになり、カバー(31)が回転本体(21)の外周面(21b)に対して最大縮入量に形成される時、カバー(31)の外端面と回転本体(21)の外周面(21b)は連続の円弧面に形成されることを特徴とする請求項7に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項9】
伸縮制御モジュール(4)には一個の制御導引部材(41)と一個の第一平衡ユニット(42a)が含まれ、制御導引部材(41)は液体タンク(11)の内壁に設けられ、第一平衡ユニット(42a)は回転本体(21)の内部に設けられ、第一浮子(3a)を作動させて制御導引部材(41)に接触するように維持することを特徴とする請求項7に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項10】
第一平衡ユニット(42)には一個の第一支持座(421)、一個の第二支持座(422)と一個の弾性復元部材(423)が含まれ、第一支持座(421)は回転本体(21)の内壁に結合され、第二支持座(422)はカバー(31)の内壁に結合され、弾性復元部材(423)の両端はそれぞれ第一支持座(421)と第二支持座(422)に当接することを特徴とする請求項9に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項11】
制御導引部材(41)は環状で回転本体(21)の外部を囲むように形成され、制御導引部材(41)は順序に従って互いに連接する一個の第一維持端(412)、一個の第一変位制御段(413)、一個の第二維持端(414)と一個の第二変位制御段(415)からなり、かつ第二変位制御段(415)はまた第一維持端(412)と連接するため、制御導引部材(41)は連続した封止環状の内表面を有するように形成され、第一維持端(412)と第二維持端(414)の内表面はそれぞれ回転本体(21)の外周面(21b)と同心の円弧状に形成され、かつ第一維持端(412)の曲率半径は第二維持端(414)の曲率半径より小さく、第一変位制御段(413)の内表面から回転本体(21)の軸心までの直線距離は第一維持端(412)に連接する部位から第二維持端(414)に連接する部位まで次第に増えるように形成され、第二変位制御段(415)の内表面から回転本体(21)の軸心までの直線距離は第二維持端(414)に連接する部位から第一維持端(412)に連接する部位まで次第に減るように形成されることを特徴とする請求項9に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項12】
第一浮子(3a)はカバー(31)の外端面において一個の導引部材(33)が設けられ、導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、カバー(31)は導引部材(33)の転動部材(331)によって制御導引部材(41)の内表面に接触することにより、第一浮子(3a)の伸縮を制御することを特徴とする請求項11に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項13】
回転本体(21)の外周面(21b)には他に複数個の第二溝口(211b)が設けられ、少なくとも一個の浮子(3)には他に複数個の第二浮子(3b)が含まれ、それぞれの第二浮子(3b)には一個のカバー(31)が含まれ、それぞれの第二浮子(3b)のカバー(31)の一端は開放状に形成され、それぞれの第二浮子(3b)のカバー(31)はその内の一個の第二溝口(211b)に設けられ、かつ開口端は回転本体(21)の内部に向くように形成され、それぞれの第二浮子(3b)のカバー(31)の外端面には一個の導引部材(33)が設けられ、それぞれの第二浮子(3b)の導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、それぞれの第二浮子(3b)には他に一個の隔離部材(32)が含まれ、それぞれの第二浮子(3b)のカバー(31)は隔離部材(32)によって回転本体(21)と互いに連接することにより、その内の一個の第二溝口(211b)を密封し、伸縮制御モジュール(4)には他に複数個の第二平衡ユニット(42b)が含まれ、それぞれの第二平衡ユニット(42b)は回転本体(21)の内部に設けられ、第二浮子(3b)を作動させて制御導引部材(41)に接触するように維持することを特徴とする請求項12に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項14】
第一浮子(3a)と複数個の第二浮子(3b)は等間隔で回転本体(21)の外周面(21b)に設けられることを特徴とする請求項13に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項15】
少なくとも一個の浮子(3)には他に一個の第二浮子(3b)が含まれ、第一浮子(3a)および第二浮子(3b)は回転本体(21)の半径方向において相対するように形成され、回転本体(21)の外周面(21b)には他に一個の第二溝口(211b)が設けられ、第二浮子(3b)には一個のカバー(31)が含まれ、第二浮子(3b)のカバー(31)の一端は開放状に形成され、第二浮子(3b)のカバー(31)は第二溝口(211b)に設けられ、かつ開口端は回転本体(21)の内部に向くように形成され、第二浮子(3b)には他に一個の隔離部材(32)が含まれ、第二浮子(3b)のカバー(31)は隔離部材(32)によって回転本体(21)と互いに連接することにより、第二溝口(211b)を密封し、伸縮制御モジュール(5)は回転本体(21)の局部の外周面(21b)と相対するように形成されることにより、回転本体(21)が回転時において第一浮子(3a)または第二浮子(3b)が伸縮するのを制御し、さらに第一浮子(3a)および第二浮子(3b)は同期に回転本体(21)に対して半径方向の変位を発生することを特徴とする請求項7に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項16】
第一浮子(3a)および第二浮子(3b)が相対する内側は一個の連動モジュール(35)によって互いに連接され、連動モジュール(35)には二個の固定部材(351)と一個の連接桿(352)が含まれ、二個の固定部材(351)はそれぞれ第一浮子(3a)および第二浮子(3b)のカバー(31)の内側に結合され、連接桿(352)の両端はそれぞれ二個の固定部材(351)と互いに結合することを特徴とする請求項15に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項17】
伸縮制御モジュール(6)には一個の圧板(61)が含まれ、圧板(61)が回転子(2)に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段(611)と一個の維持端(612)が含まれ、変位制御段(611)の内表面から回転子(2)の軸心までの直線距離は一端から維持端(612)と連接する部位へ向かって次第に減り、維持端(612)の内表面と回転本体(21)の外周面(21b)は同心の円弧状に形成されることを特徴とする請求項15に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項18】
第一浮子(3a)および第二浮子(3b)の外端面にはそれぞれ一個の導引部材(33)が設けられ、それぞれの導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)が圧板(61)を通過した時、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)の転動部材(331)は圧板(61)の内表面に接触することを特徴とする請求項17に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項19】
伸縮制御モジュール(5)には二個の導引軌条(52)が含まれ、二個の導引軌条(52)は円弧形かつ互いに平行になるように形成され、二個の導引軌条(52)の間には一個の通路(53)が形成され、それぞれの導引軌条(52)が回転子(2)に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段(521)と一個の維持端(522)が含まれ、変位制御段(521)の外側の表面から回転子(2)の軸心までの直線距離は一端から維持端(522)と連接する部位へ向かって次第に増加し、維持端(522)の外側の表面と回転本体(21)の外周面(21b)は同心の円弧状に形成されることを特徴とする請求項15に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項20】
第一浮子(3a)および第二浮子(3b)のカバー(31)の外端面にはそれぞれ一個の導引部材(33)が設けられ、それぞれの導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)が二個の導引軌条(52)を通過した時、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)の転動部材(331)は通路(53)を通過し、さらに二個の導引軌条(52)の外側の表面に当接されることを特徴とする請求項19に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項21】
回転本体(21)の外周面(21b)には他に一個の第三溝口(211c)と一個の第四溝口(211d)が設けられ、少なくとも一個の浮子(3)には他に一個の第三浮子(3c)および一個の第四浮子(3d)が含まれ、第三浮子(3c)および第四浮子(3d)は回転本体(21)の半径方向において相対するように形成され、第三浮子(3c)および第四浮子(3d)は全て第一浮子(3a)および第二浮子(3b)の間に位置し、第三浮子(3c)には一個のカバー(31)が含まれ、第三浮子(3c)のカバー(31)の一端は開放状に形成され、第三浮子(3c)のカバー(31)は第三溝口(211c)に設けられ、かつ開口端は回転本体(21)の内部に向くように形成され、第三浮子(3c)には他に一個の隔離部材(32)が含まれ、第三浮子(3c)のカバー(31)は隔離部材(32)によって回転本体(21)と互いに連接することにより、第三溝口(211c)を密封し、第四浮子(3d)には一個のカバー(31)が含まれ、第四浮子(3d)のカバー(31)の一端は開放状に形成され、第四浮子(3d)のカバー(31)は第四溝口(211d)に設けられ、かつ開口端は回転本体(21)の内部に向くように形成され、第四浮子(3d)には他に一個の隔離部材(32)が含まれ、第四浮子(3d)のカバー(31)は隔離部材(32)によって回転本体(21)と互いに連接することにより、第四溝口(211d)を密封することを特徴とする請求項15に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項22】
第三浮子(3c)および第四浮子(3d)が相対する内側は一個の連動モジュール(35)によって互いに連接され、連動モジュール(35)には二個の固定部材(351)と一個の連接桿(352)が含まれ、二個の固定部材(351)はそれぞれ第三浮子(3c)および第四浮子(3d)のカバー(31)の内側に結合され、連接桿(352)の両端はそれぞれ二個の固定部材(351)と互いに結合することを特徴とする請求項21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項23】
伸縮制御モジュール(6)には一個の圧板(61)が含まれ、圧板(61)が回転子(2)に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段(611)と一個の維持端(612)が含まれ、変位制御段(611)の内表面から回転子(2)の軸心までの直線距離は一端から維持端(612)と連接する部位へ向かって次第に減り、維持端(612)の内表面と回転本体(21)の外周面(21b)は同心の円弧状に形成され、第三浮子(3c)および第四浮子(3d)のカバー(31)の外端面にはそれぞれ一個の導引部材(33)が設けられ、それぞれの導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、第三浮子(3c)または第四浮子(3d)が圧板(61)を通過した時、第三浮子(3c)または第四浮子(3d)の転動部材(331)は圧板(61)の内表面に接触することを特徴とする請求項21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項24】
伸縮制御モジュール(5)には二個の導引軌条(52)が含まれ、二個の導引軌条(52)は円弧形かつ互いに平行になるように形成され、二個の導引軌条(52)の間には一個の通路(53)が形成され、それぞれの導引軌条(52)が回転子(2)に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段(521)と一個の維持端(522)が含まれ、変位制御段(521)の外側の表面から回転子(2)の軸心までの直線距離は一端から維持端(522)と連接する部位へ向かって次第に増加し、維持端(522)の外側の表面と回転本体(21)の外周面(21b)は同心の円弧状に形成され、第三浮子(3c)および第四浮子(3d)のカバー(31)の外端面にはそれぞれ一個の導引部材(33)が設けられ、それぞれの導引部材(33)の自由端には一個の転動部材(331)が設けられ、第三浮子(3c)または第四浮子(3d)が二個の導引軌条(52)を通過した時、第三浮子(3c)または第二浮子(3d)の転動部材(331)は通路(53)を通過し、さらに二個の導引軌条(52)の外側の表面に当接されることを特徴とする請求項21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項25】
回転子(2)には他に複数個の外導引軌条(23)が含まれ、複数個の外導引軌条(23)はそれぞれ回転本体(21)の二個の端面(21a)に設けられ、第一浮子(3a)、第二浮子(3b)、第三浮子(3c)および第四浮子(3d)のカバー(31)の外端面の両側に複数個の位置決め部材(34)が突設され、複数個の位置決め部材(34)はそれぞれ対応する外導引軌条(23)の中に移動自在に設けられることを特徴とする請求項21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項26】
同じ端面(21a)に設けられた複数個の外導引軌条(23)の背面は他に自由端に隣接する部位において一個の環状部材(24)によって連接することを特徴とする請求項25に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項27】
隔離部材(32)は弾性を有する浸透防止の材料から製造され、隔離部材(32)の一端は回転本体(21)の外周面(21b)に結合され、他端は対応するカバー(31)の外側の表面に結合されることを特徴とする請求項7、13、15または21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項28】
それぞれのカバー(31)には回転子(2)の回転方向に沿った前端において一個の破水部(311)が設けられ、破水部(311)の端縁の中央は突出した円錐角の形状に形成され、さらに中央から両側へ向かって延伸してカバー(31)の側端面に連接することを特徴とする請求項7、13、15または21に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置。
【請求項29】
液体タンク(11)の中に液体が収容され、回転本体(21)は一個の予備浮力を発生し、浮子(3)が回転本体(21)に対して伸縮作動を制御することにより、回転本体(21)の局部の浮力は変化を発生し、回転本体(21)に平衡を失わせて上記回転軸線を中心に回動させ、浮子(3)が回転本体(21)に従って上記回転軸線を中心に一周を回転すると同時に、回転本体(21)の外周面(21b)に対して一回の伸縮の循環を完成し、一回の伸縮の循環は四個のストロークに分けられ、上記四個のストロークはそれぞれ一個の浮子内隠ストローク、一個の浮子漸伸ストローク、一個の浮子全露ストロークと一個の浮子漸縮ストロークからなり、液体タンク(11)の中の空間は四個のエリアに分けられ、上記四個のエリアは回転子(2)の回転方向に従って順序的に一個の浮子内隠エリア(Z1)、一個の浮子漸伸エリア(Z2)、一個の浮子全露エリア(Z3)と一個の浮子漸縮エリア(Z4)からなり、浮子(3)の上記浮子内隠ストロークは浮子内隠エリア(Z1)の中に位置を合わせられ、かつ浮子(3)は最大縮入量の形態に達するように維持され、浮子(3)は回転中の回転本体(21)に連動されて浮子内隠エリア(Z1)から浮子漸伸エリア(Z2)に進入する時、浮子(3)は上記浮子漸伸ストロークに進入し、浮子漸伸エリア(Z2)の中において次第にその伸出量を増やし続け、浮子全露エリア(Z3)に進入する時まで、最大伸出量の形態に達するように形成され、また浮子(3)の上記浮子全露ストロークは浮子全露エリア(Z3)の中に位置を合わせられ、浮子(3)が最大伸出量の形態に達するように維持することによって回転本体(21)が回動するのを駆動し、また浮子(3)は回転中の回転本体(21)に連動されて浮子全露エリア(Z3)から浮子漸縮エリア(Z4)に進入する時、浮子(3)は上記浮子漸縮ストロークに進入し、浮子漸縮エリア(Z4)の中において次第にその伸出量を減らし続け、浮子内隠エリア(Z1)に進入する時まで、再び上記浮子内隠ストロークに進入して最大縮入量の形態に達するように形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の浮力駆動の運動エネルギー発生装置の運動エネルギー発生の方法。
【請求項30】
浮子漸伸エリア(Z2)は液面(F)の下に位置し、浮子漸縮エリア(Z4)は液面(F)の上に位置することを特徴とする請求項29に記載の運動エネルギー発生の方法。
【請求項31】
浮子内隠エリア(Z1)と浮子全露エリア(Z3)は回転本体(21)の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子漸伸エリア(Z2)と浮子漸縮エリア(Z4)は回転本体(21)の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子(3)の上記浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークは回転本体(21)の半径方向において等角で分布するように形成されることを特徴とする請求項29に記載の運動エネルギー発生の方法。
【請求項32】
少なくとも一個の浮子(3)には一個の第一浮子(3a)および一個の第二浮子(3b)が含まれ、第二浮子(3b)は回転本体(21)の半径方向において第一浮子(3a)と相対し、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)のその内の一個の浮子(3)が上記浮子内隠ストロークに進入する時、もう一個の浮子(3)は上記浮子全露ストロークに進入し、第一浮子(3a)または第二浮子(3b)のその内の一個の浮子(3)が上記浮子漸伸ストロークに進入する時、もう一個の浮子(3)は上記浮子漸縮ストロークに進入することを特徴とする請求項29に記載の運動エネルギー発生の方法。
【請求項33】
浮子(3)が上記浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークの中の伸出量は一個の円弧形の径路に形成されることを特徴とする請求項29に記載の運動エネルギー発生の方法。
【請求項34】
浮子(3)は上記浮子漸伸ストロークの中において、その伸出量は回転本体(21)が上記回転軸線に相対する回転に従って曲率半径が次第に増える一個の円弧形の径路が形成され、浮子(3)は上記浮子全露ストロークの中において、その伸出量は回転本体(21)の回転に従って同じ曲率半径の一個の円弧形の径路が形成され、浮子(3)は上記浮子漸縮ストロークの中において、その伸出量は回転本体(21)が上記回転軸線に相対する回転に従って曲率半径が次第に減る一個の円弧形の径路が形成されることを特徴とする請求項33に記載の運動エネルギー発生の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動エネルギー発生装置に関するもので、特に、浮力を利用して運動エネルギーを発生する浮力駆動の運動エネルギー発生装置およびその運動エネルギー発生の方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
人類の文明の発展において、沢山の運動エネルギー装置はすでに存在しており、その作動時において機械エネルギーが生じてある装置を駆動するのに用いることができ、さらに機械エネルギーを電気エネルギーに転換してより幅広い用途を提供することにより、人類の生活が向上した。その中、それら運動エネルギー装置は大体二種類に分けられ、一種類は自然エネルギー(例えば、風力発電、太陽エネルギー発電、水力発電など)を運動エネルギー発生の動力とし、もう一種類は天然エネルギーの資源(例えば、原子力発電、火力発電など)を消耗して運動エネルギー発生の動力としている。しかしながら、それらの運動エネルギー装置は依然として以下の問題点を有していた。
【0003】
自然エネルギーにより運動エネルギーを発生させる装置では、安価で充分に供給でき、かつ汚染しないなどの利点を有するが、自然エネルギーそのものが発生するタイミングと強弱はコントロールできないため、上記従来の運動エネルギー装置では安定した運動エネルギー発生の効率を維持することができないという問題点があった。
【0004】
また、天然エネルギーの資源を消耗して運動エネルギーを発生させる装置では、制御し易いという利点を有するが、天然資源はいくら取っても尽きず、いくら使っても尽きないという訳ではなく、人類の大量な採取によって遂に尽きる日が来る。さらに、上記従来の運動エネルギー装置では作動時に比較の安全性に欠けるだけではなく、その使用済みの廃棄物(例えば、核燃料の廃棄物)では環境に対して厳重な汚染をもたらしてしまうため、その廃棄物の処理に余分に高い費用が生じてしまうという問題点がある。
【0005】
そのために、遂に浮力を利用して運動エネルギーを発生させる浮力駆動の運動エネルギー発生装置が発明された。従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置として、図25に示されるアメリカ公告第7216483号(特許文献1)の「POWER GENERATING SYSTEM UTILIZING BUOYANCY」において、従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9には一個の塔体91が含まれ、塔体91の中には一個の運送装置92が設けられ、運送装置92は一個の回転軸93が回転するのを連動するように連接し、回転軸93は塔体91の外に位置する一個の発電機94と連接する。その中に、運送装置92の上には複数個の桶921が設けられ、それぞれの桶921が塔体91の底部に隣接する部位まで運送された時にはひっくり返った状態に形成され、そして一個の気泡供給器95によって気泡を桶921の内部に注入して浮力を生じさせることができる。それぞれの桶921が上へ運送されて水面を越えると、内部の気体は排出され、さらに開口が上に向くような形態で再び水の中に沈むため、内部は水が満杯でスムースに沈むことができる。
【0006】
その他に、アメリカ公告第4363212号(特許文献2)の「BUOYANCY PRIME MOVER」、第4498294号(特許文献3)の「BUOYANCY PRIME MOVER WITH PRESSURE CONTROL MEANS」、第6305165号(特許文献4)の「METHODS AND APPARATUS FOR ACQUIRING FREE ENERGY USING BUOYANCY TECHNOLOGY」、中華民国公開第200408766号(特許文献5)の「浮力運動エネルギー機」、第200632212号(特許文献6)の「重力浮力循環作動の水力発電装置」、第200714801号(特許文献7)の「永続の動力エネルギー生成機」、第201217638号(特許文献8)の「浮力発電システムおよびその気浮装置、伝動装置」、第201319385号(特許文献9)の「簡易型の水下発電装置」、中国公開第1508423号(特許文献10)の「浮力運動エネルギー機」、第101201040号(特許文献11)の「循環エアバック浮力動力装置」、公告第102112740号(特許文献12)の「動力発生装置」、第102374108号(特許文献13)の「浮力、重力循環発電法」、第102852706号(特許文献14)の「浮力型動力機」、第103291533号(特許文献15)の「浮力発動機」、第103511174号(特許文献16)の「地球引力と液体浮力の発電装置」、第103511209号(特許文献17)の「密度差の発動機」、日本公開第S56-113066号(特許文献18)の「電解気体の浮力利用発電装置」、特開2007-132214号(特許文献19)の「浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ」、特開2013-113293号(特許文献20)の「浮力エネルギーを利用した発電装置」などの発明は全て浮力を利用して運動エネルギーを発生させるその他の従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】アメリカ公告第7216483号
【特許文献2】アメリカ公告第4363212号
【特許文献3】アメリカ公告第4498294号
【特許文献4】アメリカ公告第6305165号
【特許文献5】中華民国公開第200408766号
【特許文献6】中華民国公開第200632212号
【特許文献7】中華民国公開第200714801号
【特許文献8】中華民国公開第201217638号
【特許文献9】中華民国公開第201319385号
【特許文献10】中国公開第1508423号
【特許文献11】中国公告第101201040号
【特許文献12】中国公告第102112740号
【特許文献13】中国公告第102374108号
【特許文献14】中国公告第102852706号
【特許文献15】中国公告第103291533号
【特許文献16】中国公告第103511174号
【特許文献17】中国公告第103511209号
【特許文献18】日本国公開第S56-113066号
【特許文献19】日本国特開2007-132214号
【特許文献20】日本国特開2013-113293号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図25に示される従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9が作動される時、余分にエネルギーを消耗して気泡供給器95を起動し、気泡を生じさせてそれぞれの桶921に注入することにより、運送装置92を駆動して浮力を利用して引き続き回動することができ、さらに進んで発電機94を連動して電気エネルギーを発生させることができる。また、上記従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9では複数個の桶921の中に過半数にも至らない桶921によって共同で発生させた総浮力で運送装置92が回動するのを連動するもので、そしてそれぞれの桶921の容積は限られることにより、総浮力の数値を高めることは難しくなるため、運送装置92には回動の効率が悪いという問題点があった。
【0009】
また、従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9には部材の個の数が多く、製造、組立て、メンテナンスなどのコストが高いだけではなく、作動時において運送装置92と回転軸93はチェーンと歯車の構造によって水中で互いに連動するもので、上記機械部材の間では全て高い摩擦力による接触であるため、仮に充分な潤滑がなければ、スムースに作動することはできず、さらに水中で運転するために潤滑が難しく、かつ噛み合う抵抗が増えるなどの要素により、上記従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9の作動時の抵抗が高まってしまうという問題点があった。
【0010】
また、それぞれの桶921が運送されて水面まで越えて再び水中に沈もうとする時、それぞれの桶921そのものが水中に沈む時には一個の抵抗力として形成されるだけではなく、それぞれの桶921が水中に沈んだ後、液体が次第にそれぞれの桶921に満杯になるまで、それぞれの桶921の内部に残される空気には浮力が生じるため、運送装置92の運転時における更なるもう一つの抵抗力が形成される。そのため、上述したそれぞれの原因の影響で上記従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9はエネルギーの消耗だけではなく、さらにそれほど大きくない総浮力の数値で高い抵抗力の機械構造を連動して作動しなければならないため、上記従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置9では運動エネルギーの発生効率がよくないという問題点がった。
【0011】
さらに、上述した従来の特許文献2から特許文献20の浮力駆動の運動エネルギー発生装置においても大体として同様に部材が多く、かつ運動エネルギーの発生効率がよくないという問題点がった。
【0012】
上述した原因に基づき、従来の浮力駆動の運動エネルギー発生装置をさらに改良する必要がある。
【0013】
本発明の第一の目的は、総浮力の数値を高めるとともに、作動時の抵抗力を低く抑えることにより、スムースに運転して運動エネルギー発生の効率を高めることができる浮力駆動の運動エネルギー発生装置を提供することにある。
【0014】
本発明の第二の目的は、構造が簡単で、製造、組立て、メンテナンスのコストを低く抑えることができる浮力駆動の運動エネルギー発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明による浮力駆動の運動エネルギー発生装置には、一個の基座、一個の回転子、少なくとも一個の浮子および一個の伸縮制御モジュールが含まれる。基座には一個の液体タンクが含まれる。回転子には一個の回転本体と一個の軸部が含まれ、軸部は回転本体と液体タンクを結合し、回転本体は軸部の回転軸線を中心に回転自在に液体タンクの中に設けられる。浮子は伸縮自在に回転本体に設けられる。伸縮制御モジュールは液体タンクの中に設けられることにより、回転本体は回転時において少なくとも一個の浮子が回転本体に対して伸縮するのを制御する。
【0016】
また、液体タンクは液体を収容するのに用いられ、回転本体の内部は中空で物質を収容し、物質の密度は液体タンクの中に収容される液体の密度より小さく、液体の中において回転本体を浮き上がらせるのに充分な浮力を発生することもできる。また、液体タンクは液体を収容するのに用いられ、回転本体の密度は液体タンクの中に収容される液体の密度より小さく、液体の中において回転本体を浮き上がらせるのに充分な浮力を発生することもできる。
【0017】
また、少なくとも一個の浮子は伸縮自在に回転本体の外表面に設けられることもできる。また、回転本体の外表面には二個の相対する端面と一個の外周面が含まれ、外周面は二個の端面と連接し、少なくとも一個の浮子は伸縮自在に回転本体の外周面に設けられることにより、回転本体の半径方向において伸縮の変位を発生することもできる。
【0018】
また、基座には他に二個の軸固定部が含まれ、二個の軸固定部はそれぞれ液体タンクの二個の相対する外側の表面に設けられ、さらに同じ軸で相対するように形成され、回転子の軸部は二個の回転軸からなり、二個の回転軸にはそれぞれ一個の軸孔が含まれ、二個の回転軸はそれぞれ一端から回転本体の二個の端面に設けられ、そして二個の回転軸はそれぞれ他端から液体タンクを貫穿して通過し、二個の軸固定部まで連接されることにより、二個の軸孔によって回転本体の内部と液体タンクの外部を連通することもできる。
【0019】
また、少なくとも一個の浮子には一個の第一浮子が含まれ、回転本体の外周面には一個の第一溝口が設けられ、第一浮子には一個のカバーと一個の隔離部材が含まれ、カバーの一端は開放状に形成され、カバーは第一溝口に設けられ、かつ開口端は回転本体の内部に向くように形成され、カバーは隔離部材によって回転本体と互いに連接することにより、第一溝口を密封することもできる。
【0020】
また、第一浮子のカバーの外端面は円弧状に形成され、かつ弧度は回転本体の外周面の弧度と同じになり、カバーが回転本体の外周面に対して最大縮入量に形成される時、カバーの外端面と回転本体の外周面は連続の円弧面に形成されることもできる。
【0021】
また、伸縮制御モジュールには一個の制御導引部材と一個の第一平衡ユニットが含まれ、制御導引部材は液体タンクの内壁に設けられ、第一平衡ユニットは回転本体の内部に設けられ、第一浮子を作動させて制御導引部材に接触するように維持することもできる。また、第一平衡ユニットには一個の第一支持座、一個の第二支持座と一個の弾性復元部材が含まれ、第一支持座は回転本体の内壁に結合され、第二支持座はカバーの内壁に結合され、弾性復元部材の両端はそれぞれ第一支持座と第二支持座に当接することもできる。また、制御導引部材は環状で回転本体の外部を囲むように形成され、制御導引部材は順序に従って互いに連接する一個の第一維持端、一個の第一変位制御段、一個の第二維持端と一個の第二変位制御段からなり、かつ第二変位制御段はまた第一維持端と連接するため、制御導引部材は連続した封止環状の内表面を有するように形成され、第一維持端と第二維持端の内表面はそれぞれ回転本体の外周面と同心の円弧状に形成され、かつ第一維持端の曲率半径は第二維持端の曲率半径より小さく、第一変位制御段の内表面から回転本体の軸心までの直線距離は第一維持端に連接する部位から第二維持端に連接する部位まで次第に増えるように形成され、第二変位制御段の内表面から回転本体の軸心までの直線距離は第二維持端に連接する部位から第一維持端に連接する部位まで次第に減るように形成されることもできる。また、第一浮子はカバーの外端面において一個の導引部材が設けられ、導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、カバーは導引部材の転動部材によって制御導引部材の内表面に接触することにより、第一浮子の伸縮を制御することもできる。
【0022】
また、回転本体の外周面には他に複数個の第二溝口が設けられ、少なくとも一個の浮子には他に複数個の第二浮子が含まれ、それぞれの第二浮子には一個のカバーが含まれ、それぞれの第二浮子のカバーの一端は開放状に形成され、それぞれの第二浮子のカバーはその内の一個の第二溝口に設けられ、かつ開口端は回転本体の内部に向くように形成され、それぞれの第二浮子のカバーの外端面には一個の導引部材が設けられ、それぞれの第二浮子の導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、それぞれの第二浮子には他に一個の隔離部材が含まれ、それぞれの第二浮子のカバーは隔離部材によって回転本体と互いに連接することにより、その内の一個の第二溝口を密封し、伸縮制御モジュールには他に複数個の第二平衡ユニットが含まれ、それぞれの第二平衡ユニットは回転本体の内部に設けられ、第二浮子を作動させて制御導引部材に接触するように維持することもできる。また、第一浮子と複数個の第二浮子は等間隔で回転本体の外周面に設けられることもできる。
【0023】
また、少なくとも一個の浮子には他に一個の第二浮子が含まれ、第一浮子と第二浮子は回転本体の半径方向において相対するように形成され、回転本体の外周面には他に一個の第二溝口が設けられ、第二浮子には一個のカバーが含まれ、第二浮子のカバーの一端は開放状に形成され、第二浮子のカバーは第二溝口に設けられ、かつ開口端は回転本体の内部に向くように形成され、第二浮子には他に一個の隔離部材が含まれ、第二浮子のカバーは隔離部材によって回転本体と互いに連接することにより、第二溝口を密封し、伸縮制御モジュールは回転本体の局部の外周面と相対するように形成されることにより、回転本体が回転時において第一浮子または第二浮子が伸縮するのを制御し、さらに第一浮子および第二浮子は同期に回転本体に対して半径方向の変位を発生することもできる。
【0024】
また、第一浮子および第二浮子が相対する内側は一個の連動モジュールによって互いに連接され、連動モジュールには二個の固定部材と一個の連接桿が含まれ、二個の固定部材はそれぞれ第一浮子および第二浮子のカバーの内側に結合され、連接桿の両端はそれぞれ二個の固定部材と互いに結合することもできる。
【0025】
また、伸縮制御モジュールには一個の圧板が含まれ、圧板が回転子に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段と一個の維持端が含まれ、変位制御段の内表面から回転子の軸心までの直線距離は一端から維持端と連接する部位へ向かって次第に減り、維持端の内表面と回転本体の外周面は同心の円弧状に形成されることもできる。また、第一浮子および第二浮子の外端面にはそれぞれ一個の導引部材が設けられ、それぞれの導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、第一浮子または第二浮子が圧板を通過した時、第一浮子または第二浮子の転動部材は圧板の内表面に接触することもできる。
【0026】
また、伸縮制御モジュールには二個の導引軌条が含まれ、二個の導引軌条は円弧形かつ互いに平行になるように形成され、二個の導引軌条の間には一個の通路が形成され、それぞれの導引軌条が回転子に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段と一個の維持端が含まれ、変位制御段の外側の表面から回転子の軸心までの直線距離は一端から維持端と連接する部位へ向かって次第に増加し、維持端の外側の表面と回転本体の外周面は同心の円弧状に形成されることもできる。また、第一浮子および第二浮子のカバーの外端面にはそれぞれ一個の導引部材が設けられ、それぞれの導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、第一浮子または第二浮子が二個の導引軌条を通過した時、第一浮子または第二浮子の転動部材は通路を通過し、さらに二個の導引軌条の外側の表面に当接されることもできる。
【0027】
また、回転本体の外周面には他に一個の第三溝口と一個の第四溝口が設けられ、少なくとも一個の浮子には他に一個の第三浮子および一個の第四浮子が含まれ、第三浮子および第四浮子は回転本体の半径方向において相対するように形成され、第三浮子および第四浮子は全て第一浮子および第二浮子の間に位置し、第三浮子には一個のカバーが含まれ、第三浮子のカバーの一端は開放状に形成され、第三浮子のカバーは第三溝口に設けられ、かつ開口端は回転本体の内部に向くように形成され、第三浮子には他に一個の隔離部材が含まれ、第三浮子のカバーは隔離部材によって回転本体と互いに連接することにより、第三溝口を密封し、第四浮子には一個のカバーが含まれ、第四浮子のカバーの一端は開放状に形成され、第四浮子のカバーは第四溝口に設けられ、かつ開口端は回転本体の内部に向くように形成され、第四浮子には他に一個の隔離部材が含まれ、第四浮子のカバーは隔離部材によって回転本体と互いに連接することにより、第四溝口を密封することもできる。
【0028】
また、第三浮子および第四浮子が相対する内側は一個の連動モジュールによって互いに連接され、連動モジュールには二個の固定部材と一個の連接桿が含まれ、二個の固定部材はそれぞれ第三浮子および第四浮子のカバーの内側に結合され、連接桿の両端はそれぞれ二個の固定部材と互いに結合することもできる。
【0029】
また、伸縮制御モジュールには一個の圧板が含まれ、圧板が回転子に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段と一個の維持端が含まれ、変位制御段の内表面から回転子の軸心までの直線距離は一端から維持端と連接する部位へ向かって次第に減り、維持端の内表面と回転本体の外周面は同心の円弧状に形成され、第三浮子および第四浮子のカバーの外端面にはそれぞれ一個の導引部材が設けられ、それぞれの導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、第三浮子または第四浮子が圧板を通過した時、第三浮子または第四浮子の転動部材は圧板の内表面に接触することもできる。
【0030】
また、伸縮制御モジュールには二個の導引軌条が含まれ、二個の導引軌条は円弧形かつ互いに平行になるように形成され、二個の導引軌条の間には一個の通路が形成され、それぞれの導引軌条が回転子に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段と一個の維持端が含まれ、変位制御段の外側の表面から回転子の軸心までの直線距離は一端から維持端と連接する部位へ向かって次第に増加し、維持端の外側の表面と回転本体の外周面は同心の円弧状に形成され、第三浮子および第四浮子のカバーの外端面にはそれぞれ一個の導引部材が設けられ、それぞれの導引部材の自由端には一個の転動部材が設けられ、第三浮子または第四浮子が二個の導引軌条を通過した時、第三浮子または第二浮子の転動部材は通路を通過し、さらに二個の導引軌条の外側の表面に当接されることもできる。
【0031】
また、回転子には他に複数個の外導引軌条が含まれ、複数個の外導引軌条はそれぞれ回転本体の二個の端面に設けられ、第一浮子、第二浮子、第三浮子および第四浮子のカバーの外端面の両側に複数個の位置決め部材が突設され、複数個の位置決め部材はそれぞれ対応する外導引軌条の中に移動自在に設けられることもできる。また、同じ端面に設けられた複数個の外導引軌条の背面は他に自由端に隣接する部位において一個の環状部材によって連接することもできる。
【0032】
また、隔離部材は弾性を有する浸透防止の材料から製造され、隔離部材の一端は回転本体の外周面に結合され、他端は対応するカバーの外側の表面に結合されることもできる。また、それぞれのカバーには回転子の回転方向に沿った前端において一個の破水部が設けられ、破水部の端縁の中央は突出した円錐角の形状に形成され、さらに中央から両側へ向かって延伸してカバーの側端面に連接することもできる。
【0033】
また、液体タンクの中に液体が収容され、回転本体は一個の予備浮力を発生し、浮子が回転本体に対して伸縮作動を制御することにより、回転本体の局部の浮力は変化を発生し、回転本体に平衡を失わせて回転軸線を中心に回動させ、浮子が回転本体に従って回転軸線を中心に一周を回転すると同時に、回転本体の外周面に対して一回の伸縮の循環を完成し、一回の伸縮の循環は四個のストロークに分けられ、四個のストロークはそれぞれ一個の浮子内隠ストローク、一個の浮子漸伸ストローク、一個の浮子全露ストロークと一個の浮子漸縮ストロークからなり、液体タンクの中の空間は四個のエリアに分けられ、四個のエリアは回転子の回転方向に従って順序的に一個の浮子内隠エリア、一個の浮子漸伸エリア、一個の浮子全露エリアと一個の浮子漸縮エリアからなり、浮子の浮子内隠ストロークは浮子内隠エリアの中に位置を合わせられ、かつ浮子は最大縮入量の形態に達するように維持され、浮子は回転中の回転本体に連動されて浮子内隠エリアから浮子漸伸エリアに進入する時、浮子は浮子漸伸ストロークに進入し、浮子漸伸エリアの中において次第にその伸出量を増やし続け、浮子全露エリアに進入する時まで、最大伸出量の形態に達するように形成され、また浮子の浮子全露ストロークは浮子全露エリアの中に位置を合わせられ、浮子が最大伸出量の形態に達するように維持することによって回転本体が回動するのを駆動し、また浮子は回転中の回転本体に連動されて浮子全露エリアから浮子漸縮エリアに進入する時、浮子は浮子漸縮ストロークに進入し、浮子漸縮エリアの中において次第にその伸出量を減らし続け、浮子内隠エリアに進入する時まで、再び浮子内隠ストロークに進入して最大縮入量の形態に達するように形成されることもできる。
【0034】
また、浮子漸伸エリアは液面の下に位置し、浮子漸縮エリアは液面の上に位置することもできる。
【0035】
また、浮子内隠エリアと浮子全露エリアは回転本体の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子漸伸エリアと浮子漸縮エリアは回転本体の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子の浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークは回転本体の半径方向において等角で分布するように形成されることもできる。
【0036】
また、少なくとも一個の浮子には一個の第一浮子および一個の第二浮子が含まれ、第二浮子は回転本体の半径方向において第一浮子と相対し、第一浮子または第二浮子のその内の一個の浮子が浮子内隠ストロークに進入する時、もう一個の浮子は浮子全露ストロークに進入し、第一浮子または第二浮子のその内の一個の浮子が浮子漸伸ストロークに進入する時、もう一個の浮子は浮子漸縮ストロークに進入することもできる。
【0037】
また、浮子が浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークの中の伸出量は一個の円弧形の径路に形成されることもできる。
【0038】
また、浮子は浮子漸伸ストロークの中において、その伸出量は回転本体が回転軸線に相対する回転に従って曲率半径が次第に増える一個の円弧形の径路が形成され、浮子は浮子全露ストロークの中において、その伸出量は回転本体の回転に従って同じ曲率半径の一個の円弧形の径路が形成され、浮子は浮子漸縮ストロークの中において、その伸出量は回転本体が回転軸線に相対する回転に従って曲率半径が次第に減る一個の円弧形の径路が形成されることもできる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置によれば、総浮力の数値を高めるとともに、作動時の抵抗力を低く抑えることにより、スムースに運転して運動エネルギー発生の効率を高めることができるという利点がある。
【0040】
本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置によれば、構造が簡単で、製造、組立て、メンテナンスのコストを低く抑えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の実施例1の局部断面の斜視分解説明図である。
図2図2は、本発明の実施例1の側面断面構造の説明図である。
図3図3は、本発明の実施例1の浮子の局部の斜視分解図である。
図4図4は、本発明の実施例1の浮子が伸出して隔離部材が引っ張られていない状態の説明図である。
図5図5は、本発明の実施例1の浮子が縮入して隔離部材が引っ張られた状態の説明図である。
図6図6は、本発明の実施例1の回転子が時計回りの方向で回転する時の浮子の伸出量の説明図である。
図7図7は、本発明の実施例1が一個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。
図8図8は、本発明の実施例1が一個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。
図9図9は、本発明の実施例1が一個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。
図10図10は、本発明の実施例1が一個の浮子を有する第四作動状態の説明図である。
図11図11は、本発明の実施例1が三個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。
図12図12は、本発明の実施例1が三個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。
図13図13は、本発明の実施例1が三個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。
図14図14は、本発明の実施例2の局部の斜視分解図である。
図15図15は、本発明の実施例2が二個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。
図16図16は、本発明の実施例2の浮子が二個の導引軌条の導引によって伸縮時の説明図である。
図17図17は、本発明の実施例2が二個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。
図18図18は、本発明の実施例2が二個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。
図19図19は、本発明の実施例2が二個の浮子を有する第四作動状態の説明図である。
図20図20は、本発明の実施例3が二個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。
図21図21は、本発明の実施例4が四個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。
図22図22は、本発明の実施例4が四個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。
図23図23は、本発明の実施例5が四個の浮子を有する作動状態の説明図である。
図24図24は、本発明の回転子が時計逆回りの方向で回転する時の浮子の伸出量の説明図である。
図25図25は、従来の浮子駆動の運動エネルギー発生装置の実施状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0042】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0043】
図1は本発明の実施例1の局部断面の斜視分解説明図である。図1を参照すると、浮力駆動の運動エネルギー発生装置には大体として一個の基座1、一個の回転子2、少なくとも一個の浮子3および一個の伸縮制御モジュール4が含まれる。回転子2は回転自在に基座1に設けられ、少なくとも一個の浮子3は伸縮自在に回転子2に設けられ、伸縮制御モジュール4は基座1に設けられることにより、少なくとも一個の浮子3が回転子2に相対して伸縮するのを制御することができる。本発明の実施例1において、少なくとも一個の浮子3の数は選択的に一個からなることができ、そして「第一浮子3a」として表示する。
【0044】
基座1は流動可能な作動媒体を収容するのに用いられ、上記作動媒体は選択のに液体からなることができ、さらに回転子2と伸縮制御モジュール4などの部材が組み立てて位置決めするのに用いることができる。さらに詳しく言えば、基座1には液体を収容できる一個の液体タンク11と二個の軸固定部12が含まれ、二個の軸固定部12はそれぞれ液体タンク11の二個の相対する外側の表面に設けられ、さらに同じ軸で相対するように形成される。
【0045】
本実施例において、それぞれの軸固定部12は軸受を有する一個の板片からなり、そして選択のに液体タンク11の二個の相対する内側の表面においてそれぞれ一個の支持体111が設けられることにより、それぞれの軸固定部12は液体タンク11の外側の表面から対応する支持体111まで組み立てて位置決めされる。その中に、液体タンク11と二個の軸固定部12の間には例えば漏洩防止の座金(図示せず)などの液体漏洩防止の部材を設けることにより、回転子2の局部は液体タンク11の側端面に貫穿し、そして液体を漏洩しないように維持することができる。
【0046】
図2は本発明の実施例1の側面断面構造の説明図である。図1、2を参照すると、回転子2は回転自在に基座1に設けられる。さらに詳しく言えば、回転子2には一個の回転本体21と一個の軸部22が含まれ、回転本体21の内部は中空で収容物質を収容することができ、上記物質の密度は液体タンク11の中に収容される液体の密度より小さく、そして上記物質は気体または固体(例えば、発泡スチロール、低密度の木材)からなることができる。或いは、回転本体21は直接選択的に低密度の固体から製造することができ、さらに回転本体21は液体タンク11に収容される液体の中において回転本体21を浮き上がらせるような浮力を有することを原則とする。
【0047】
本実施例において、回転本体21は選択的に内部が中空の円柱形の一個の框体からなることにより、回転本体21の内部は直接最も簡単に取得できる空気を収容することができるため、コストを下げることができる。回転本体21の外表面には二個の相対する端面21aと一個の外周面21bが含まれ、外周面21bは二個の端面21aと連接し、外周面21bには浮子3の数に対応した溝口211が設けられる。例えば、本実施例において、一個の第一浮子しか設けていないため、外周面21bには一個の第一溝口211aしか設けていない。
【0048】
回転子2の軸部22は回転本体21の二個の端面21aから突き出て基座1の二個の軸固定部12と連接するため、回転本体21は液体タンク11の中に収容され、そして軸部22の回転軸線を中心として液体タンク11の中に回動することができる。本実施例において、軸部22は二個の回転軸22a、22bからなることができ、二個の回転軸22a、22bの内部にはそれぞれ軸方向へ貫穿するように一個の軸孔221が含まれ、二個の回転軸22a、22bは同軸で相対し、二個の回転軸22a、22bはそれぞれ一端から回転本体21の二個の端面21aに設けられ、そして二個の回転軸22a、22bはそれぞれ他端から液体タンク11を貫穿して通過し、二個の軸固定部12まで連接されることにより、二個の軸孔221によって回転本体21の内部と液体タンク11の外部を連通する。
【0049】
これにより、回転子2の回転本体21は液体タンク11の中において基座1に対して回転することができ、さらにそれによって回転本体21の内部空間は空になってその他の部材を設置するのに提供することができるため、それぞれの部材が空間の設置において制限されるのを減らすことができると同時に、回転子2の全体重量を軽く減らし、組立時の利便性を高めるのに役立つことができる。
【0050】
他に、軸部22は回転本体21を貫穿する一個の回転軸からなることができ、さらに回転本体21を液体タンク11の中に基座1に対して回転させることは、本発明の分野において通常の知識を有する者には理解できるもので、また使用の需要に応じて変化を行なうことができるものであるため、本発明においては制限しない。さらに、回転子2には複数個の外導引軌条23が設けられ、複数個の外導引軌条23はそれぞれ回転本体21の二個の端面21aに設けられることにより、第一浮子3aの伸縮作動を導引することができる。
【0051】
第一浮子3aは伸縮自在に回転本体2に設けられ、図1、2に示される実施例において、第一浮子3aは選択的に回転本体21の外周面21bに設けられることにより、回転本体21の半径方向において伸縮の変位を生じることができる。さらに詳しく言えば、図2、3を同時に参照すると、第一浮子3aには一個のカバー31と一個の隔離部材32が含まれ、カバー31の内部にはデフォルトの容積の空間が含まれ、カバー31の一端は開放状に形成される。カバー31は回転本体21の第一溝口211aに設けられ、カバー31の開口端は回転本体21の内部に向くように形成され、そしてカバー31は隔離部材32によって回転本体21と互いに連接するため、回転本体21の内部空間と液体タンク11内の液体は隔離して互いに連通しないように確保することができる。
【0052】
本実施例において、隔離部材32は弾性を有する浸透防止の材料から製造され、さらに選択的に隔離部材32の一端は回転本体21の外周面21bに結合され、他端はカバー31の外側の表面に結合されることにより、液体タンク11の中の液体はカバー31と回転本体21の内部に漏洩して流入することはない。また、隔離部材32と回転本体21の間は結合後に隙間がない方式で結合され、例えば接着剤による結合で結合され、そして結合された後に他に複数個の固定部材(図示せず)と合わせて固定することにより、結合の安定性を高めることができる。
【0053】
図4は本発明の実施例1の浮子が伸出して隔離部材が引っ張られていない状態の説明図で、図4を参照すると、第一浮子3aが回転本体21の外周面21bに相対して縮入していない状態(または伸出運動の発生)時、隔離部材32は引っ張られていない状態(または次第に引っ張られていない状態まで回復)に形成される。それに対し、図5は本発明の実施例1の浮子が縮入して隔離部材が引っ張られた状態の説明図で、図6を参照すると、第一浮子3aが回転本体21の外周面21bに相対して縮入運動が生じる時、隔離部材32は持続的に引っ張られるために弾性変形が生じられ、このようにして、第一浮子3aは隔離部材32によってカバー31が回転本体21に対する伸縮の幅を増やすことができる。
【0054】
再び図2、3を参照すると、カバー31の外端面は円弧状に形成され、そして好ましくは弧度は回転本体21の外周面21bの弧度と同じになるように形成されるため、カバー31が回転本体21の内部に縮入した時、カバー31の外表面と回転本体21の外周面21bは連続の円弧面に形成されることにより、液体に進入する時の抵抗力を減らすことができる。また、カバー31には回転子2の回転方向に沿った前端において一個の破水部311が設けられ、破水部311の端縁の中央は突出した円錐角の形状に形成され、さらに中央から両側へ向かって延伸してカバー31の側端面に連接することにより、第一浮子3aが浮き上がる時の抵抗力を減らすとともに、速度を増やすことができる。
【0055】
その他に、第一浮子3aはカバー31の外端面において一個の導引部材33と複数個の位置決め部材34が設けられ、導引部材33は選択的にカバー31の外端面の中央に設けられ、導引部材33の長さは好ましくは調整できるものである。導引部材33の自由端には一個の転動部材331が設けられることにより、導引部材33が伸縮制御モジュール4に接触する時、転動部材331によって伸縮制御モジュール4においてスムースかつ連続的に変位するように形成される。複数個の位置決め部材34は選択的にカバー31の外端面に隣接する両側に設けられることにより、それぞれ対応する外導引軌条23の中に位置決めされるため、カバー31は外導引軌条23の導引方向にしか変位することができないように制限することができる。
【0056】
再び図1、2、3を参照すると、伸縮制御モジュール4は基座1の液体タンク11の中に設けられることにより、回転本体21の回転時において第一浮子3aが回転本体21に相対して伸縮するのを制御する。本実施例において、伸縮制御モジュール4には一個の制御導引部材41と一個の第一平衡ユニット42aが含まれ、制御導引部材41は液体タンク11の内壁に設けられ、第一平衡ユニット42aは回転本体21の内部に設けられて第一浮子3aを作動させ、そして第一平衡ユニット42aによって第一浮子3aの内、外両端の負荷力を平衡することにより、第一浮子3aは制御導引部材41に接触するように維持することができる。
【0057】
さらに詳しく言えば、制御導引部材41は一個の略環状の導引部材からなり、制御導引部材41には複数個の位置決め材411が設けられ、複数個の位置決め材411は液体タンク11の内壁に固設されることにより、制御導引部材41は液体タンク11の中に収容され、さらに回転本体21の外部を囲むように形成される。その中に、組立時の利便性を高めるため、制御導引部材41は複数個の略円弧形の板体を互いに接合して構成することができ、複数個の板体の長さは同じ長さまたは異なる長さからなることは、本発明の分野に通常の知識を有する者には使用の需要性に応じて調整できるものであるため、本発明においては制限されていない。
【0058】
制御導引部材41は順序に従って互いに連接する一個の第一維持端412、一個の第一変位制御段413、一個の第二維持端414と一個の第二変位制御段415からなり、そして第二変位制御段415はまた第一維持端412と連接するため、制御導引部材41は連続した封止環状の内表面を有するように形成される。その中に、第一維持端412と第二維持端414の内表面はそれぞれ回転本体21の外周面21bと同心の円弧状に形成され、そして第一維持端412の曲率半径は第二維持端414の曲率半径より小さく、第一変位制御段413の内表面から回転本体21の軸心までの直線距離は第一維持端412に連接する部位から第二維持端414に連接する部位まで次第に増えるように形成され、第二変位制御段415の内表面から回転本体21の軸心までの直線距離は第二維持端414に連接する部位から第一維持端412に連接する部位まで次第に減るように形成される。
【0059】
第一維持端412と第二変位制御段415の接続する部位には一個の連接点P1が含まれ、第一変位制御段413と第二維持端414の接続する部位には一個の連接点P2が含まれ、連接点P1から回転本体21の軸心まで、および回転本体21の軸心から連接点P2までの直線距離は一本の伸縮終点境界線L1に形成され、連接点P1と連接点P2は好ましくは回転本体21の半径方向において相対するように形成されることにより、伸縮終点境界線L1は一直線に形成される。
【0060】
他に、第一維持端412と第一変位制御段413の接続する部位には一個の連接点P3が含まれ、第二維持端414と第二変位制御段415の接続する部位には一個の連接点P4が含まれ、連接点P3から回転本体21の軸心まで、および回転本体21の軸心から連接点P4までの直線距離は一本の伸縮始点境界線L2に形成され、連接点P3と連接点P4は好ましくは在回転本体21の半径方向において相対するように形成されることにより、伸縮始点境界線L2は一直線に形成され、そして伸縮終点境界線L1と伸縮始点境界線L2は直交することができる。
【0061】
再び図2、3を参照すると、第一平衡ユニット42aには一個の第一支持座421、一個の第二支持座422と一個の弾性復元部材423が含まれ、第一支持座421は回転本体21の内壁に結合され、第二支持座422は第一浮子3aのカバー31の内壁に結合され、そして第二支持座422は第一支持座421に対して回転本体21が半径方向における往復の変位を生じさせることができる。例えば、第一支持座421には一個のプシュ4211が設けられ、第二支持座422には一個の軸桿4221が設けられることにより、軸桿4221は変位自在にプシュ4211の中に貫穿され、または反対に軸桿を設第一支持座421に設置し、プシュを第二支持座422に設置することができる。
【0062】
弾性復元部材423は弾性変形能力を有する部材(例えば、ばねまたは弾性片)からなり、弾性復元部材423の両端はそれぞれ第一支持座421と第二支持座422に当接することにより、第一浮子3aの内、外両端の負荷力を平衡することができる。すなわち、第一浮子3aが制御導引部材41によって押圧される時、弾性復元部材423は第二支持座422を押圧することができるため、浮子3は制御導引部材41と接触するように維持することができる。または、第一浮子3aが制御導引部材41によって引っ張られる時、弾性復元部材423も第二支持座422を引っ張ることができるため、第一浮子3aは制御導引部材41と接触するように維持することができる。
【0063】
本実施例において、弾性復元部材423は選択的に一個の圧縮ばねからなることができ、さらにプシュ4211の外に嵌設され、プシュ4211によって弾性復元部材423は軸方向の変形しか生じることができないように維持することができる。他に、その他の実施例において、第一平衡ユニット42aも電気制御または油圧、気圧シリンダーを有するユニットからなることができ、そして同様に第一浮子3aを作動することができる。
【0064】
図6は本発明の実施例1の回転子が時計回りの方向で回転する時の浮子の伸出量の説明図である。図2、6を参照すると、図6の中の斜線エリアは第一浮子3aが液体タンク11の中の各部位の伸出量を表す。浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、第一浮子3aは回転本体21に従って一周を回転すると同時に、回転本体21の外周面21bに対して一回の伸縮の循環を完成する。そして一回の伸縮の循環は四個のストロークに分けられ、上記四個のストロークはそれぞれ一個の浮子内隠ストローク、一個の浮子漸伸ストローク、一個の浮子全露ストロークと一個の浮子漸縮ストロークからなる。
【0065】
第一浮子3aの上記浮子内隠ストロークは最大縮入量(すなわちその伸出量は最小である)の形態に達するように維持し、第一浮子3aの上記浮子漸伸ストロークは次第にその伸出量を増やし、第一浮子3aの上記浮子全露ストロークは最大伸出量の形態に達するように維持し、第一浮子3aの上記浮子漸縮ストロークは次第にその伸出量を減らし、さらに上記浮子内隠ストロークに戻った時に最大縮入量の形態に達するように形成される。
【0066】
伸縮終点境界線L1と伸縮始点境界線L2によって液体タンク11の中の空間は四個のエリアに分けられ、伸縮終点境界線L1を始点とし、回転子2の回転方向に従って順序的に一個の浮子内隠エリアZ1、一個の浮子漸伸エリアZ2、一個の浮子全露エリアZ3と一個の浮子漸縮エリアZ4からなる。すなわち、浮子内隠エリアZ1、浮子漸伸エリアZ2、浮子全露エリアZ3と浮子漸縮エリアZ4はそれぞれ制御導引部材41の第一維持端412、第一変位制御段413、第二維持端414と第二変位制御段415に対応することにより、第一浮子3aはそれぞれ浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを行なうことができる。
【0067】
また、液体タンク11の中に収容される液体は、その液面Fの高さは好ましくは回転本体21の上半部に伸縮終点境界線L1が通過した部位(図6の中のC点)に位置することにより、浮子漸伸エリアZ2は液面Fの下に位置し、浮子漸縮エリアZ4は液面Fの上に位置するため、第一浮子3aが浮子漸縮エリアZ4に進入する時に空気の中において殆ど液体の抵抗力の影響を受けずにスムースに回転本体21の内部に縮入するのを確保することができ、さらに最大縮入量の形態に達するように形成されて液体の中に進入し、同様に第一浮子3aが液体の抵抗力の影響を受けて液体に進入する瞬間に回転本体21の回転の抵抗力として形成されるのを減らすことができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置全体が運動エネルギーを発生させる効率を高めるのに役立つことができる。
【0068】
これにより、第一浮子3aの浮子内隠ストロークは浮子内隠エリアZ1の中に位置を合わせるように形成され、さらに最大縮入量(すなわちその伸出量は最小である)の形態に達するように維持する。第一浮子3aは回転中の回転本体21に連動されて浮子内隠エリアZ1から浮子漸伸エリアZ2に進入する時、第一浮子3aは浮子漸伸ストロークに進入し、さらに浮子漸伸エリアZ2の中において次第にその伸出量を増やし続け、浮子全露エリアZ3に進入する時まで、最大伸出量の形態に達するように形成される。
【0069】
第一浮子3aは浮子全露エリアZ3の中において浮子全露ストロークを行ない、さらに最大伸出量の形態に達するように維持することによって回転本体21が回動するのを駆動する。浮子3は回転中の回転本体21に連動されて浮子全露エリアZ3から浮子漸縮エリアZ4に進入する時、第一浮子3aは浮子漸縮ストロークに進入し、さらに浮子漸縮エリアZ4の中において次第にその伸出量を減らし続け、浮子内隠エリアZ1に進入する時まで、再び浮子内隠ストロークに進入して最大縮入量の形態に達するように形成される。
【0070】
このように、本発明において第一浮子3aは浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークの中における伸出量を一個の円弧形の径路に形成させることができ、さらに上記円弧形の径路によって回転本体21回転時の抵抗力を有効に低く抑えることにより、回転本体21がスムースに回転するのを維持することができる。本実施例において、第一浮子3aは浮子漸伸ストロークの中において、その伸出量は回転本体21の回転に従って曲率半径が次第に増える一個の円弧形の径路を形成する。第一浮子3aは浮子全露ストロークの中において、その伸出量は回転本体21の回転に従って同じ曲率半径の一個の円弧形の径路を形成する。第一浮子3aは浮子漸縮ストロークの中において、その伸出量は回転本体21の回転に従って曲率半径が次第に減る一個の円弧形の径路を形成する。
【0071】
図7は本発明の実施例1が一個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。図7を参照すると、本発明の実施例1の浮力駆動の運動エネルギー発生装置は、液体タンク11の中に充分の量の液体を注入していないその内の一つの状態で、第一浮子3aを浮子全露エリアZ3の中に位置するように設置し、第一浮子3aは第一平衡ユニット42aによってカバー31を押圧することにより、第一浮子3aの導引部材33の転動部材331は制御導引部材41の第二維持端414に接触するように維持するため、最大伸出量の形態に達するように形成される。
【0072】
液体タンク11の中に充分の量の液体が注入された時、回転本体21は上記液体の中において相当大きな予備浮力が生じられる。同時に、浮子全露エリアZ3の中に位置し、かつ浮子全露ストロークのために最大伸出量に達するように形成される第一浮子3aは、そのカバー31の内部の空間が空気を有し、そして空気密度が液体タンク11の中の液体より低く、余分に局部的に回転本体21の浮力を増やすことができるため、回転本体21は平衡を失って回動し始める。
【0073】
図8は本発明の実施例1が一個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。図8を参照すると、第一浮子3aは回転本体21の回動に従って第二維持端414と第二変位制御段415の接続する部位(すなわち連接点P4の位置である)まで移動して通過した後、制御導引部材41は第二変位制御段415から第一浮子3aに対して推力を提供し始めることにより、第一浮子3aは浮子漸縮ストロークに進入して次第にその伸出量を減らし、回転本体21の内部に縮入する。
【0074】
また、回転本体21は回動し続けるため、第一浮子3aが浮子漸縮エリアZ4に進入する時に液面Fから離脱することができ、さらに回転本体21の内部に縮入する動作を行ない続ける。その中に、第一浮子3aの破水部311によってカバー31が上記液体の中における移動時の抵抗力を減らすのに役立つことができるため、第一浮子3aが回転本体21を連動して回転する順調を高めることができ、さらに不要な運動エネルギーの損失を減らすことができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置の効能を高めるのに役立つことができる。
【0075】
図9は本発明の実施例1が一個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。図9を参照すると、第一浮子3aは回転本体21の回動に従って圧縮されて伸出量を減らし続け、第一浮子3aが第二変位制御段415と第一維持端412の接続する部位(すなわち連接点P1の位置)まで移動した時、第一浮子3aはすでに押し入れられて最大縮入量に達するように形成されるため、最小抵抗力の形態で再び上記液体の中に進入し、そして浮子内隠エリアZ1の中に進入する。この時、制御導引部材41は第一浮子3aの推移を停止し、制御導引部材41の第一維持端412だけによって第一浮子3aを最大縮入量の形態に達するように維持することができる。
【0076】
第一浮子3aが回転本体21の回動に従って第一維持端412と第一変位制御段413の接続する部位(すなわち連接点P3の位置)まで移動して通過した後、第一浮子3aは第一平衡ユニット42aによってカバー31を押圧することにより、第一浮子3aの導引部材33の転動部材331を制御導引部材41の第一変位制御段413に接触するように維持させ、第一浮子3aを浮子漸伸ストロークに進入させ、浮子漸伸エリアZ2の中において次第にその伸出量を増やして回転本体21の外表面から突出するため、次第に浮力を増やし、回転子2が回転するのを連動する助力に形成することができる。
【0077】
図10は本発明の実施例1が一個の浮子を有する第四作動状態の説明図である。最後に図10を参照すると、第一浮子3aが回転本体21の回動に従って第一変位制御段413と第二維持端414の接続する部位(すなわち連接点P2の位置)移動して通過した後、第一浮子3aは再び浮子全露エリアZ3の中に戻って一回の伸縮の循環を完成することができる。
【0078】
簡単に言えば、本発明の実施例1の浮力駆動の運動エネルギー発生装置においては、その第一浮子3aは第一平衡ユニット42aによって制御導引部材41に接触するように維持することができるため、制御導引部材41の第一維持端412、第一変位制御段413、第二維持端414と第二変位制御段415の導引に従って回転本体21に対して伸縮が生じることにより、一回の伸縮の循環において浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを完成し、回転子2が回転するのを連動する助力に形成することができる。
【0079】
これにより、回転子2の軸部22が一個の発電機または一個の軸動力で直接駆動できる装置と連接する時、本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置では浮力を利用して運動エネルギーを発生し、回転子2の軸部22によって発電機を発電するように駆動し、または軸動力で駆動できる装置を直接駆動して作動することにより、グリーンエネルギー環境保全の発展傾向に符合することができる。
【0080】
注意しなければならないのは、図4を参照すると、第一浮子3aは隔離部材32によってカバー31が回転本体21に対する伸縮の幅を増やすことができる。図9に示すように、第一浮子3aが浮子内隠ストロークを行なう時、第一浮子3aのカバー31を回転本体21の外表面と連続した円弧面まで縮入させることにより、液体に進入する時の抵抗力を減らすことができる。また、図7に示すように、第一浮子3aが浮子全露ストロークを行なう時、第一浮子3aのカバー31を回転本体21の外表面から完全に伸出させ、さらには第一浮子3aのカバー31の底端を回転本体21の外表面から離脱させ、隔離部材32によって回転本体21と連接することにより、第一浮子3aが受けられる浮力を増やすことができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置の作動の効率を高めるのに役立つことができる。
【0081】
他に、浮力駆動の運動エネルギー発生装置は一個の第一浮子3aだけからなる場合、そしてそれぞれの部材の作動時の摩擦力を容易に下げることができない場合、浮力駆動の運動エネルギー発生装置から発生する運動エネルギーが予期される目標に達するのを増加かつ確保するべく、選択的に回転子2のその内の一個の回転軸22aまたは22bを動力の入力軸とし、一個の駆動装置と連接して少量の運動エネルギーを引き続き入力することにより、浮力駆動の運動エネルギー発生装置がスムースに作動するのを維持することができる。
【0082】
または、選択的に複数個の浮力駆動の運動エネルギー発生装置を直列し、さらに複数個の浮力駆動の運動エネルギー発生装置の第一浮子3aを一個の投影平面において異なる位置(すなわち複数個の浮力駆動の運動エネルギー発生装置の第一浮子3aは交錯に設置される)に分布させることにより、複数個の浮力駆動の運動エネルギー発生装置が同時に作動する時、持続的に回転の助力を発生することができるため、それぞれの浮力駆動の運動エネルギー発生装置の作動の効率を高めることができる。
【0083】
そのために、その他の実施例において、浮力駆動の運動エネルギー発生装置は選択的に同時に複数個の浮子3を有するように形成させることができ、そして奇数個または偶数個の浮子3であっても、全て持続的に回転本体21に対して回動の助力を提供することができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置の作動の効率を高めることができる。その中に、複数個の浮子3は好ましくは等間隔で回転本体21の外周面21bに設けられることにより、さらに進んで回転本体21の回転時の安定性を高めることができる。
【0084】
図11は本発明の実施例1が三個の浮子を有する第一作動状態の説明図で、図12は本発明の実施例1が三個の浮子を有する第二作動状態の説明図で、図13は本発明の実施例1が三個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。図11、12、13を参照すると、浮力駆動の運動エネルギー発生装置には三個の浮子(一個の第一浮子3aおよび二個の第二浮子3bとして表示する)が含まれる。
【0085】
外周面21bには他に二個の第二溝口211bが設けられ、二個の第二浮子3b、3cが設置するのに用いられる。伸縮制御モジュールには他に複数個の第二平衡ユニット42bが含まれ、それぞれの第二平衡ユニット42bは回転本体21の内部に設けられ、それぞれ二個の第二浮子3b、3cを作動させて制御導引部材41に接触するように維持する。そして第一浮子3a、二個の第二浮子3b、3cはそれぞれ回転本体21に従って一周を回転すると同時に、回転本体21の外周面21bに相対して一回の伸縮の循環を完成することができる。
【0086】
このように、図11に示される状態を例にすると、第一浮子3aは制御導引部材41の第一変位制御段413と第二維持端414の接続する部位(すなわち連接点P2の位置)に位置し、故に間もなく浮子漸伸ストロークから浮子全露ストローク(浮子漸伸エリアZ2から浮子全露エリアZ3に進入する)に進入する。この時、第一浮子3aは最大伸出量の形態に達するように形成されるため、回転子2に対して回転の助力を提供することができる。同時に、その内の一個の第二浮子3bは浮子内隠エリアZ1の中に位置して浮子内隠ストロークを行ない、第二浮子3bは最大縮入量の形態に達するように維持するため、回転子2の回転の抵抗力になるのを避けることができる。もう一個の第二浮子3cは浮子漸縮エリアZ4の中に位置して浮子漸縮ストロークを行ない、空気中から次第に回転本体21の内部に縮入される。これにより、第一浮子3aはスムースに回転子2を連動して回転することができる。
【0087】
それから、図12を参照すると、第一浮子3aが浮子全露エリアZ3から離れて浮子漸縮エリアZ4に進入した時、すなわち第二浮子3bは浮子漸伸エリアZ2に進入し、そして直ちに浮子全露エリアZ3に進入することにより、引き続き回転子2に対して回転の助力を提供する。それから、図13を参照すると、第一浮子3aが浮子漸縮エリアZ4から離れて浮子内隠エリアZ1に進入した時、もう一個の第二浮子3cは浮子漸伸エリアZ2に進入し、そして直ちに浮子全露エリアZ3に進入し、引き続き回転子2に対して回転の助力を提供する。このように、第一浮子3aと二個の第二浮子3b、3cによって順序に従って引き続き回転子2に対して回転の助力を提供することにより、回転子2は容易にそれぞれの部材の摩擦力を克服してスムースに回動するのを維持することができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置の作動の効率を高めることができる。
【0088】
注意しなければならないのは、図4、11を参照すると、それぞれの浮子3(第一浮子3aと二個の第二浮子3b、3c)は隔離部材32を設置することによってそれぞれのカバー31の長さを縮減することができ、そしていかなる一個の浮子3が浮子全露ストロークを行なう時、浮子3のカバー31の底端は回転本体21の外表面から離脱して隔離部材32によって回転本体21と連接し、故に浮子3にはカバー31に隔離部材32を加えて回転本体21の外表面から延伸して超えた総容積が対応する浮力を発生させることができる。それに対し、いかなる一個の浮子3が浮子内隠ストロークを行う時、すなわち浮子3のカバー31を回転本体21の中に完全に縮入させても沢山の空間を占めることなく、それぞれの平衡ユニット42の第二支持座422の底部は相対的に回転本体21の軸心に近付かせる必要がないため、それぞれの第二支持座422は互いに干渉することなく、組立時の利便性を高めるのに役立つことができる。
【実施例2】
【0089】
図14は本発明の実施例2の局部の斜視分解図で、図15は本発明の実施例2が二個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。図14、15を参照すると、本発明の実施例2の浮力駆動の運動エネルギー発生装置には大体として一個の基座1、一個の回転子2、二個の浮子3と一個の伸縮制御モジュール5が含まれる。実施例2は大体として上述した実施例1と同じで、その主な差異は、本発明の実施例2の浮子3の数は選択的に二個(それぞれ第一浮子3pと第二浮子3qとして表示する)からなり、第一浮子3pと第二浮子3qは回転本体21の半径方向において相対するように形成され、そして互いに連動して同期に回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができる。これにより、伸縮制御モジュール5の形態は上述した実施例1の伸縮制御モジュール4(例えば図1に示す如く)と異なるように形成することもできる。
【0090】
さらに詳しく言えば、本実施例の浮力駆動の運動エネルギー発生装置には第一浮子3pと第二浮子3qが含まれるため、回転子2の回転本体21の二個の端面21aには全てそれぞれ複数個の外導引軌条23が設けられることにより、それぞれ対応する浮子3を導引して伸縮することができる。また、同じ端面21aに設けられた複数個の外導引軌条23の背面は自由端に隣接する部位において一個の環状部材24によって連接することにより、複数個の外導引軌条23の構造強度を高め、それぞれの外導引軌条23が傾いたりふらふらしたりするのを減らすことができるため、それぞれの浮子3を導引して伸縮する時の安定性を高めるのに役立つことができる。
【0091】
再び図14、15を参照すると、実施例2の浮力駆動の運動エネルギー発生装置は一個の連動モジュール35によって第一浮子3pおよび第二浮子3qのカバー31と連接することにより、第一浮子3pと第二浮子3qを連動して同期に回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができる。本実施例において、第一浮子3pと第二浮子3qの導引部材33は大体T字形に形成される。連動モジュール35には二個の固定部材351と一個の連接桿352が含まれ、二個の固定部材351はそれぞれ第一浮子3pと第二浮子3qのカバー31の内側に結合され、連接桿352の両端はそれぞれ二個の固定部材351と互いに結合する。連接桿352は好ましくは二個の固定部材351の中心位置に連接されることにより、均一に二個のカバー31を連動することができる。
【0092】
図16は本発明の実施例2の浮子が二個の導引軌条の導引によって伸縮時の説明図である。図15、16を参照すると、伸縮制御モジュール5は回転本体21の局部の外周面21bと相対するように形成され、ただし限制を設けないように、本実施例においては選択的に伸縮制御モジュール5を回転本体21の下半部に位置を合わせるように形成させる。その中に、伸縮制御モジュール5には一個のシートフレーム51と二個の導引軌条52が含まれ、シートフレーム51は液体タンク11の内壁に設けられる。二個の導引軌条52は大体円弧形に形成され、二個の導引軌条52はシートフレーム51に結合され、さらに互いに平行して間隔をもって設置するように維持することにより、二個の導引軌条52の間には一個の通路53が形成される。
【0093】
これにより、回転本体21が回転して第一浮子3pまたは第二浮子3qの導引部材33を二個の導引軌条52と接触させる時、T字形の導引部材33は通路53の中に貫穿することができ、さらに導引部材33の転動部材331によって二個の導引軌条52の外側の表面に当接することができるため、二個の導引軌条52によって導引部材33のストロークを制御して引っ張り、さらに第一浮子3pまたは第二浮子3qは回転本体21の外周面21bに相対して伸縮するのを制御することにより、第一浮子3pと第二浮子3qは同期に回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができる。
【0094】
再び図6、15を参照すると、浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ回転本体21に従って一周を回転すると同時に、回転本体21の外周面21bに対して一回の伸縮の循環を完成する。そして一回の伸縮の循環は四個のストロークに分けられ、四個のストロークはそれぞれ一個の浮子内隠ストローク、一個の浮子漸伸ストローク、一個の浮子全露ストロークと一個の浮子漸縮ストロークからなる。
【0095】
本実施例において、第一浮子3pまたは第二浮子3qの浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークは好ましくは回転本体21の半径方向において等角で分布するように形成されることにより、第一浮子3pの浮子内隠ストロークを同時に第二浮子3qの浮子全露ストロークに対応させ、第一浮子3pの浮子漸伸ストロークを同時に第二浮子3qの浮子漸縮ストロークに対応させ、第一浮子3pの浮子全露ストロークを同時に第二浮子3qの浮子内隠ストロークに対応させ、第一浮子3pの浮子漸縮ストロークを同時に第二浮子3qの浮子漸伸ストロークに対応させる。
【0096】
また、それぞれの導引軌条52の両端それぞれは一個の始端52aと一個の末端52bからなり、それぞれの導引軌条52は始端52aから末端52bまでの延伸方向は大体回転子2の回転方向と同じであるため、第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ二個の導引軌条52の始端52aから二個の導引軌条52の設置範囲に進入し、さらに二個の導引軌条52の末端52bより二個の導引軌条52の設置範囲から離れることができる。それぞれの導引軌条52が回転子2に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段521と一個の維持端522が含まれ、変位制御段521の外側の表面から回転子2の軸心までの直線距離は一端から維持端522と連接する部位へ向かって次第に増加し、維持端522の外側の表面と回転本体21の外周面21bは同心の円弧状に形成される。
【0097】
変位制御段521および維持端522の連接する部位と回転本体21の軸心の間には一本の伸縮終点境界線L1’が含まれ、伸縮終点境界線L1’と水平線の間には好ましくは約45°程度の角度が形成される。他に、一本の伸縮始点境界線L2’が定義され、伸縮始点境界線L2’は回転本体21の軸心を通過し、さらに伸縮終点境界線L1’と直交するように形成される。
【0098】
伸縮終点境界線L1’と伸縮始点境界線L2’によって液体タンク11の中の空間を四個のエリアに分けられ、伸縮終点境界線L1’を始点とし、回転子2の回転方向に従って順序的に一個の浮子内隠エリアZ1、一個の浮子漸伸エリアZ2、一個の浮子全露エリアZ3と一個の浮子漸縮エリアZ4からなり、浮子内隠エリアZ1と浮子全露エリアZ3は回転本体21の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子漸伸エリアZ2と浮子漸縮エリアZ4は回転本体21の半径方向において対角に設置するように形成されるため、第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを行なうことができる。
【0099】
また、液体タンク11の中に収容される液体は、その液面Fの高さは好ましくは回転本体21の上半部に伸縮終点境界線L1’が通過した部位(図15の中のC’点)に位置することにより、浮子漸伸エリアZ2は液面Fの下に位置し、浮子漸縮エリアZ4は液面Fの上に位置するため、第一浮子3pまたは第二浮子3qが浮子漸縮エリアZ4に進入する時に空気の中において殆ど液体の抵抗力の影響を受けずにスムースに回転本体21の内部に縮入するのを確保することができ、さらに最大縮入量の形態に達するように形成されて液体の中に進入し、同様に第一浮子3pまたは第二浮子3qが液体の抵抗力の影響を受けて液体に進入する瞬間に回転本体21の回転の抵抗力として形成されるのを減らすことができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置全体が運動エネルギーを発生させる効率を高めるのに役立つことができる。
【0100】
再び図15を参照すると、本発明の実施例2の浮力駆動の運動エネルギー発生装置は、液体タンク11の中に充分の量の液体を注入していないその内の一つの状態で、第一浮子3pは浮子全露エリアZ3の中に位置することができ、第一浮子3pは導引部材33の転動部材331によって二個の導引軌条52の維持端522に接触するように維持するため、最大伸出量の形態に達するように形成される。同時に、第二浮子3qは浮子内隠エリアZ1の中に位置し、さらに最大縮入量の形態に達するように形成される。
【0101】
液体タンク11の中に充分の量の液体が注入された時、回転本体21は上記液体の中において相当大きな予備浮力が生じられ、そして浮子全露エリアZ3の中に位置する第一浮子3pはそのカバー31内部の空間によって余分に局部的に回転本体21の浮力を増やすことができるため、回転本体21は平衡を失って回動し始める。そのため、第一浮子3pの導引部材33は浮子全露エリアZ3の中において二個の導引軌条52の維持端522の外側の表面と接触し、二個の導引軌条52の末端52bから離脱するまで維持することができる。
【0102】
図17は本発明の実施例2が二個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。図17を参照すると、第一浮子3pが二個の導引軌条52の維持端522から離脱した後、相対応する第二浮子3qは直ちにその導引部材33の転動部材331によって二個の導引軌条52の変位制御段521の外側の表面(すなわち第二浮子3qが伸縮始点境界線L2’まで位置を合わせた時)に接触し、二個の導引軌条52によって第二浮子3qに対して引張力を提供し始め、第二浮子3qは浮子漸伸ストロークに進入して次第に回転本体21の内部から伸出し、第一浮子3pと第二浮子3qを回転本体21に対して半径方向の変位を発生させることにより、同期に第一浮子3pを連動して浮子漸縮ストロークに進入し、そして次第に回転本体21の内部に縮入する。
【0103】
この時、浮力駆動の運動エネルギー発生装置は浮子漸伸エリアZ2の中において次第に伸出量が増える第二浮子3qによって浮力を増やすことにより、回転本体21を連動する回転の助力を引き続き形成することができる。それに対し、第一浮子3pは伸縮始点境界線L2’を通過した後に液面Fから浮き上がることができるため、液体の抵抗力がない環境で第二浮子3qによってスムースに連動することができ、そして第一浮子3pのカバー31を次第に回転本体21の内部に縮入させることができる。
【0104】
図18は本発明の実施例2が二個の浮子を有する第三作動状態の説明図である。図18を参照すると、第二浮子3qが二個の導引軌条52の維持端522まで位置を合わせた時(すなわち第二浮子3q對位至伸縮終点境界線L1’時)、第二浮子3qはすでに引っ張られて最大伸出量の形態まで達するように形成されるため、最大の浮力で回転本体21を連動して回転することができる。同時に、すでに液面Fから離脱した第一浮子3pは最大縮入量の形態まで達するように連動されるため、最小抵抗力の形態で再び入液体の中に進入し、さらに浮子内隠エリアZ1の中に進入する。
【0105】
第二浮子3qが二個の導引軌条52の維持端522に位置を合わせる間には、二個の導引軌条52は第二浮子3qを引っ張るのを停止し、二個の導引軌条52の維持端522だけによって第二浮子3qを最大伸出量の形態に達して二個の導引軌条52の末端52b(図19に示す如く)から離脱するまで維持させる。それに対し、再び液体の中に進入される第一浮子3pは回転本体21の持続的な回動に従って二個の導引軌条52と互い位置を合わせる位置に回転し、さらに第一浮子3pの導引部材33によって二個の導引軌条52の変位制御段521の外側の表面に接触することにより、第一浮子3pは次第に回転本体21の内部から再び最大伸出量の形態(図15に示す如く)に達するように戻るまで伸出し、一回の伸縮の循環を完成することができる。
【実施例3】
【0106】
図20は本発明の実施例3が二個の浮子を有する第一作動状態の説明図である。図20を参照すると、実施例3は大体として上述した大実施例2と同じで、その主な差異は、伸縮制御モジュールの形態と設置の位置である。すなわち、上述した実施例2と違って実施例2は引張りの方式で第一浮子3pと第二浮子3qを連動するもので、実施例3は押圧の方式で第一浮子3pと第二浮子3qを連動するものである。
【0107】
さらに詳しく言えば、本実施例の伸縮制御モジュール6は基座1の液体タンク11の中に設けられ、ただし限制を設けないように、伸縮制御モジュール6は大体回転本体21の上半部に位置を合わせるように形成される。伸縮制御モジュール6には一個の圧板61と複数個の位置決め材62が含まれ、圧板61は一個の大体円弧形の板体からなり、圧板61の両端はそれぞれ一個の始端61aと一個の末端61bからなり、圧板61は始端61aから末端61bまでの延伸方向は大体回転子2の回転方向と同じであるため、第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ圧板61の始端61aから圧板61の設置範囲に進入し、さらに圧板61の末端61bより圧板61の設置範囲から離れる。圧板61が回転子2に従った回転方向には互いに連接する一個の変位制御段611と一個の維持端612が含まれ、変位制御段611の内表面から回転子2の軸心までの直線距離は一端から維持端612と連接する部位へ向かって次第に減り、そして維持端612の内表面と回転本体21の外周面21bは同心の円弧状に形成される。
【0108】
変位制御段611および維持端612の連接する部位と回転本体21の軸心の間には一本の伸縮終点境界線L1’が含まれ、伸縮終点境界線L1’と水平線の間には好ましくは約45°程度の角度が形成される。他に、一本の伸縮始点境界線L2’が定義され、伸縮始点境界線L2’は回転本体21の軸心を通過し、さらに伸縮終点境界線L1’と直交するように形成される。
【0109】
伸縮終点境界線L1’と伸縮始点境界線L2’によって液体タンク11の中の空間を四個のエリアに分けられ、伸縮終点境界線L1’を始点とし、回転子2の回転方向に従って順序的に一個の浮子内隠エリアZ1、一個の浮子漸伸エリアZ2、一個の浮子全露エリアZ3と一個の浮子漸縮エリアZ4からなり、浮子内隠エリアZ1と浮子全露エリアZ3は回転本体21の半径方向において対角に設置するように形成され、浮子漸伸エリアZ2と浮子漸縮エリアZ4は回転本体21の半径方向において対角に設置するように形成されるため、第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを行なうことができる。
【0110】
上述した構造に基づき、本発明の実施例3の浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、同様に第一浮子3pと第二浮子3qはそれぞれ図6に示すように、浮子内隠エリアZ1、浮子漸伸エリアZ2、浮子全露エリアZ3と浮子漸縮エリアZ4の中において浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを行なうことにより、引き続き回転本体21を回転させる助力を提供することができるため、回転本体21がスムースに回転するように維持する効果を達成することができる。
【0111】
その中に、第一浮子3p(または第二浮子3q)の導引部材33の転動部材331が圧板61の変位制御段611の内表面に接触する時(すなわち伸縮始点境界線L2’まで位置を合わせた時)、圧板61は第一浮子3p(または第二浮子3q)に対して押圧の力を提供し始めることができ、第一浮子3p(または第二浮子3q)は浮子漸縮ストロークに進入して次第に回転本体21の内部に縮入し、さらに連動モジュール35によって相対応する第二浮子3q(または第一浮子3p)を連動して浮子漸伸ストロークに進入し、次第に回転本体21の内部から伸出するため、第一浮子3pと第二浮子3qは回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができ、そして第二浮子3q(または第一浮子3p)から次第に増える浮力によって回転本体21を連動して回転する助力を持続的に形成することができる。
【0112】
また、第一浮子3p(または第二浮子3q)の導引部材33の転動部材331が圧板61の維持端612の内表面に接触した時(すなわち伸縮終点境界線L1’まで位置を合わせた時)、第一浮子3p(または第二浮子3q)はすでに圧板61によって最大縮入量の形態に達するまで押圧され、そして圧板61は第一浮子3p(または第二浮子3q)を押圧するのを停止することにより、第一浮子3p(または第二浮子3q)は浮子内隠ストロークに進入すると同時に、連動モジュール35によって相対応する第二浮子3q(または第一浮子3p)を最大伸出量の形態に達するまで連動して浮子全露ストロークに進入する。このように、本発明の実施例3の浮力駆動の運動エネルギー発生装置においては上述した実施例1、2と同様に運動エネルギー発生の効率を高める効果を達成することができる。
【実施例4】
【0113】
図21は本発明の実施例4が四個の浮子を有する第一作動状態の説明図で、図22は本発明の実施例4が四個の浮子を有する第二作動状態の説明図である。図21、22を参照すると、実施例4は大体として上述した実施例2と同じで、その主な差異は、互いに連動することができる浮子の数を増やすものであるため、さらに進んで浮力駆動の運動エネルギー発生装置によって運動エネルギー発生の効率を高めることができる。
【0114】
さらに詳しく言えば、再び図12、22を参照すると、実施例4において、浮力駆動の運動エネルギー発生装置には四個の浮子3(それぞれは第一浮子3p、第二浮子3q、第三浮子3rと第四浮子3sとして表示する)が含まれる。外周面21bには他に一個の第三溝口211cと一個の第四溝口211dが設けられ、第一浮子3p、第二浮子3q、第三浮子3rと第四浮子3sはそれぞれ第一溝口211a、第二溝口211b、第三溝口211cと一個の第四溝口211dに設けられる。
【0115】
第一浮子3pと第二浮子3qのカバー31は回転本体21の半径方向において相対し、さらに一個の連動モジュール35によって連接されることにより、第一浮子3pと第二浮子3qを連動して同期に回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができる。同様に、第三浮子3rと第四浮子3sのカバー31は回転本体21の半径方向において相対し、さらにもう一個の連動モジュール35によって連接されることにより、第三浮子3rと第四浮子3sを連動して同期に回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができる。また、第一浮子3p、第二浮子3q、第三浮子3rと第四浮子3sは好ましくは等間隔で回転本体21の外周面21bに設けられることにより、さらに進んで回転本体21の回転時の安定性を高めることができる。
【0116】
本発明の実施例4の浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、図21に示される状態を例に挙げると、第一浮子3pは浮子全露エリアZ3の中に位置し、そして第一浮子3pの導引部材33の転動部材331は二個の導引軌条52の維持端522の外側の表面に接触するように維持することにより、第一浮子3pは最大伸出量の形態に達するように形成されるため、最大の浮力で回転本体21を連動して回転することができる。また、相対応する第二浮子3qは浮子内隠エリアZ1の中に位置し、さらに最大縮入量の形態に達するように維持されるため、第一浮子3pと第二浮子3qは暫く回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができない。
【0117】
また、第三浮子3rは浮子漸伸エリアZ2の中に位置し、第四浮子3sは浮子内隠エリアZ1の中に位置することにより、第三浮子3rの導引部材33の転動部材331によって二個の導引軌条52の変位制御段521の外側の表面に接触し、そして二個の導引軌条52が第三浮子3rに対して引張力を提供することにより、第三浮子3rは次第に回転本体21の内部からの伸出量を増やし、次第に増える浮力をもって回転本体21を連動して回転するのに協力し、そして第三浮子3rと第四浮子3sは回転本体21に対して半径方向の変位を発生することができるため、第四浮子3sは連動によって浮子内隠エリアZ1の中において次第に回転本体21の内部に縮入する。
【0118】
再び図22を参照すると、第一浮子3pの導引部材33の転動部材331が二個の導引軌条52の末端52bから離脱した後、相対応する第二浮子3qは直ちにその導引部材33の転動部材331によって二個の導引軌条52の変位制御段521の外側の表面(すなわち第二浮子3qが伸縮始点境界線L2’まで位置を合わせた時)に接触し、二個の導引軌条52によって第二浮子3qに対して引張力を提供し始めるため、第二浮子3qは浮子漸伸ストロークに進入して次第に回転本体21の内部から伸出し、次第に増える浮力をもって回転本体21を連動して回転するのに協力し、そして第一浮子3pと第二浮子3qは回転本体21に対して半径方向の変位を発生し始めることができ、同期に第一浮子3pを連動して浮子漸縮ストロークに進入して次第に回転本体21の内部に縮入する。
【0119】
他に、第二浮子3qが伸縮始点境界線L2’を通過すると同時に、第三浮子3rはすでに伸縮終点境界線L1’を通過して浮子全露ストロークに進入し、浮子全露エリアZ3の中において最大伸出量の形態に達するように維持するため、最大の浮力で回転本体21を連動して回転することができ、そして相対応する第四浮子3sは浮子内隠ストロークに進入し、浮子内隠エリアZ1の中において最大縮入量の形態に達するように維持するため、第三浮子3rと第四浮子3sはすなわち回転本体21に対して半径方向の変位を暫く発生することができない。
【0120】
このような循環において、本発明の実施例4の浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、同様に第一浮子3p、第二浮子3q、第三浮子3rと第四浮子3sを図6に示すように、それぞれ浮子内隠エリアZ1、浮子漸伸エリアZ2、浮子全露エリアZ3と浮子漸縮エリアZ4の中において浮子内隠ストローク、浮子漸伸ストローク、浮子全露ストロークと浮子漸縮ストロークを行なうことにより、引き続き回転本体21を回転させる助力を提供することができるため、回転本体21がスムースに回転する効果を維持するように達成することができ、さらに上述した実施例1、2、3よりも運動エネルギー発生の効率を高めることができる。
【実施例5】
【0121】
図23は本発明の実施例5が四個の浮子を有する作動状態の説明図である。図23を参照すると、実施例5は大体として上述した実施例4と同じで、その主な差異は、伸縮制御モジュールの形態と設置の位置である。すなわち、本実施例は選択的に上述した実施例3と同様に押圧の方式で第一浮子3pと第二浮子3qを連動し、または第三浮子3rと第四浮子3sを連動する。そのため、本発明の実施例5の浮力駆動の運動エネルギー発生装置では上述した実施例4と同様に運動エネルギー発生の効率を高めることができ、そしてその作動の原理は上述した説明を参照することができるため、ここではその説明を省く。
【0122】
図24は本発明の回転子が時計逆回りの方向で回転する時の浮子の伸出量の説明図である。図24を参照すると、図25の中の斜線エリアは浮子3が液体タンク11の中における各部位の伸出量を表す。すなわち、本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置は、その回転本体21が液体タンク11の中における回転方向は時計逆回りの方向からなることもできる。
【0123】
浮力駆動の運動エネルギー発生装置が作動する時、浮子3は回転本体21に従って一周を回転すると同時に、回転本体21の外周面21bに対して一回の伸縮の循環を完成し、そして一回の伸縮の循環は四個のストロークに分けることができ、四個のストロークはそれぞれ一個の浮子内隠ストローク、一個の浮子漸伸ストローク、一個の浮子全露ストロークと一個の浮子漸縮ストロークからなる。浮子3の浮子内隠ストロークは最大縮入量(すなわち其伸出量為最小)の形態に達するように維持し、浮子3の浮子漸伸ストロークは次第にその伸出量を増やし、浮子3の浮子全露ストロークは最大伸出量の形態に達するように維持し、浮子3の浮子漸縮ストロークは次第にその伸出量を減らし、さらに浮子内隠ストロークに戻った時に最大縮入量の形態に達するように形成される。
【0124】
他に、浮子3の数は上述の実施例において挙げた一個から四個の外に、四個よりも大きな任意の数からなることができ、需要性に応じて任意に変化、調整を行なうことができることは、本発明の分野に通常の知識を有する者には理解できるもので、本発明おいては制限しない。また、浮子3の数は一個だけではない場合、複数個の浮子3は必ず等間隔で設置するという形態でなくてもよく、いかなる二個の隣接する浮子3の間隔を調整することによって回転子2の回転速度の変化を制御することができる。
【0125】
また、本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置では浮子3を回転本体21の二個の相対する端面21aにおいて伸縮させることができ、または浮子3が伸出の状態に形成された時に回転本体21の外表面(二個の相対する端面21aまたは外周面21b)と連続した円弧面に形成させ、そして縮入の状態に形成された時には回転本体21の外表面に凹入させることにより、同様に回転本体21は平衡を失って回動し始める効果を達成することができる。
【0126】
総合すると、本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置によれば、比較的低い密度を有する物質を収容する回転本体を、比較的高い密度を有する液体を収容する液体タンクの中に設けることにより、またはそのものの密度が液体より低い回転本体を上記液体タンクの中に設けることにより、上記回転本体は密度の差かつ重力の作用によって相当大きな予備浮力を発生することにより、総浮力の数値を大幅に高めることができる。
【0127】
また、浮子が回転本体に対しての伸縮作動を制御し、回転本体の一部の浮力に変化を発生させることにより、上記回転本体は平衡を失って回動し始めるため、回転本体の回転を維持する輸入の運動エネルギーを有効に低く抑えることができ、運動エネルギー発生のコストを低く下げるのに役立つことができる。また、大体積の回転本体が回転時において発生する慣性により、さらに浮子が回転本体の回転に従って形成される円弧形の伸縮径路により、全て回転本体の回転時の抵抗力を低く下げることができるため、浮力駆動の運動エネルギー発生装置はスムースに運転することができ、そして安定して持続的に運動エネルギーを発生することにより、運動エネルギー発生の効率を高める効果を達成することができる。
【0128】
本発明の浮力駆動の運動エネルギー発生装置によれば、その構造が簡単で、製造、組立て、メンテナンスのコストを低く抑えるのに役立つことができる。
【0129】
本発明は、その精神および必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示のなものであり、限定を意図するものではない。
【符号の説明】
【0130】
1 基座
11 液体タンク
111 支持体
12 軸固定部
2 回転子
21 回転本体
21a 端面
21b 外周面
211 溝口
211a 第一溝口
211b 第二溝口
211c 第三溝口
211d 第四溝口
22 軸部
22a 回転軸
22b 回転軸
221 軸孔
23 外導引軌条
24 環状部材
3 浮子
3a、3p 第一浮子
3b、3c、3q 第二浮子
3r 第三浮子
3s 第四浮子
31 カバー
311 破水部
32 隔離部材
33 導引部材
331 転動部材
34 位置決め部材
35 連動モジュール
351 固定部材
352 連接桿
4 伸縮制御モジュール
41 制御導引部材
411 位置決め材
412 第一維持端
413 第一変位制御段
414 第二維持端
415 第二変位制御段
42 平衡ユニット
42a 第一平衡ユニット
42b 第二平衡ユニット
421 第一支持座
4211 プシュ
422 第二支持座
4221 軸桿
423 弾性復元部材
5 伸縮制御モジュール
51 シートフレーム
52 導引軌条
52a 始端
52b 末端
521 変位制御段
522 維持端
53 通路
6 伸縮制御モジュール
61 圧板
61a 始端
61b 末端
611 変位制御段
612 維持端
62 位置決め材
9 浮力駆動の運動エネルギー発生装置
91 塔体
92 運送装置
921 桶
93 回転軸
94 発電機
95 気泡供給器
F 液面
L1、L1’ 伸縮終点境界線
L2、L2’ 伸縮始点境界線
P1、P2、P3、P4 連接点
Z1 浮子内隠エリア
Z2 浮子漸伸エリア
Z3 浮子全露エリア
Z4 浮子漸縮エリア
図1
図2
図3
図4
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