【課題】ディスプレイのサイズ等が異なるため、ナビゲーション装置3の画像をそのままヘッドアップディスプレイ26に表示することはできない。このため、予め車両に搭載されたナビゲーション装置3に対し、ヘッドアップディスプレイ26を後付することは困難であった。
【解決手段】ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する第1表示画像を取得し、第1表示画像の配置に関する配置情報に基づき、第1表示画像の一部を抽出する。抽出した画像を用いて第2表示画像を生成し、生成した第2表示画像をヘッドアップディスプレイ26に表示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る表示システム10の概要を示す。表示システム10は、車両1に備えたナビゲーション装置3が生成した画像を、表示装置2のヘッドアップディスプレイ26に表示させるシステムである。
【0026】
ヘッドアップディスプレイ26を備えた表示装置2は、車両1の運転席正面付近に設置される。表示装置2は、ナビゲーション装置3から接続線を介して取得した地図や経路案内情報をヘッドアップディスプレイ26に表示し、ユーザへ運転支援を行う。表示装置2はユーザの正面付近に設置されるため、センターコンソールに設置されるナビゲーション装置3のディスプレイ31をユーザが参照する場合に比較し、ユーザの視線移動が少なく、安全な運転に資する。
【0027】
しかし、ヘッドアップディスプレイ26は運転席の正面付近に設置されるため、ユーザの前方視界を妨げないようディスプレイサイズは小さく抑えられる。したがって、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されている画像を全てヘッドアップディスプレイ26に表示するのは困難である。また、ヘッドアップディスプレイ26は透明な光学ガラス素子であるため、液晶画面等を備えるナビゲーション装置3のディスプレイ31のように、精細な画像を表示できない。
【0028】
このため、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されている画像をヘッドアップディスプレイ26に表示するには、ナビゲーション装置3で生成された画像をヘッドアップディスプレイ26のサイズや表示能力に適合するよう生成し直す必要があった。
【0029】
ただし、ナビゲーション装置3は、メーカや機種により画像の内容や配置、大きさが異なる。このため、表示装置2を車両1に後付けする場合、ナビゲーション装置3のメーカや機種に合わせた画像の再生成が行えず、ヘッドアップディスプレイ26への画像の表示が困難となっていた。
【0030】
そこで、本発明の実施の形態に係る表示システム10は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する画像を取得し、当該画像の配置に関する配置情報に基づいて当該画像の一部を抽出する。そして抽出した一部の画像を用い、ヘッドアップディスプレイ26に表示すべき画像を生成する。このため、様々なメーカや機種のナビゲーション装置3について、ナビゲーションに用いる画像をヘッドアップディスプレイ26に表示することを可能とした。これにより、ナビゲーション装置3が予め搭載されている車両1に対し、ヘッドアップディスプレイ26を容易に後付け可能とした。
【0031】
<1−2.構成>
表示システム10の構成について説明する。
図2は、表示システム10の構成を示す。表示システム10は、車両1に備えられた表示装置2、ナビゲーション装置3、車速センサ4、灯火スイッチ5、及び車両1外部の情報センタ6を備える。
【0032】
表示装置2は、ヘッドアップディスプレイを備え、運転席の正面付近に設置される。表示装置2は、ナビゲーション装置3から取得した地図や経路案内情報をヘッドアップディスプレイに表示し、ユーザへの運転支援を行う。表示装置2はユーザの正面付近に設置されるため、ユーザがセンターコンソールに据えられるナビゲーション装置3を参照する場合に比較し、ユーザの視線移動が少なく、安全運転に資する。
【0033】
ナビゲーション装置3は、地図画像や経路案内情報等を生成し、ディスプレイに表示する。また、ナビゲーション装置3は、生成した画像データをRCA端子等の映像出力端子(図示せず)に出力する。
【0034】
車速センサ4は、車両1の速度を検出し、後述の制御部21へ車速データを送信するセンサである。
【0035】
灯火スイッチ5は、車両1に備わるヘッドライト等の灯火の点灯及び消灯を切替えるスイッチである。ユーザにより灯火スイッチ5がオンとされると、図示しない灯火が点灯し、イルミネーション信号が灯火スイッチ5から制御部21に送信される。ユーザにより灯火スイッチ5がオフとされると、図示しない灯火が消灯し、イルミネーション信号の送信が停止される。
【0036】
なお、制御部21へ送信される車速データやイルミネーション信号は、車両の状態を示す車両情報である。また、車速センサ4及び灯火スイッチ5は、車両情報を取得する車両取得手段として機能する。
【0037】
情報センタ6は、様々なメーカ及び機種のナビゲーション装置の画像内容や配置、大きさを示す表示パターンを記憶している。また、常時最新の表示パターンが付加される。情報センタ6は、表示装置2と通信を行い、表示装置2が接続されたナビゲーション装置3の画像の表示パターンを表示装置2へ送信する。これにより、表示装置2は情報センタ6と通信することにより、様々なメーカ及び機種のナビゲーション装置の表示パターンを取得でき、予めナビゲーション装置を備えた車両1への後付けによる搭載が容易となる。
【0038】
表示装置2の構成について説明する。表示装置2は、制御部21、通信部22、画像メモリ23、VRAM24、ヘッドアップディスプレイ26、記憶部27、及びカードスロット28を備える。
【0039】
制御部21は、CPU、RAM、及びROMを備えたマイクロコンピュータである。制御部21は、表示装置2が備える他の構成と接続され、装置全体を制御する。なお、制御部21の備える各機能については、後述する。
【0040】
通信部22は、表示装置2の外部の装置やセンサ等とデータを送受信する入出力回路である。通信部22は、ナビゲーション装置3のRCA端子と接続され、ナビゲーション装置3が生成する画像データを受信し、受信した画像データを画像メモリ23へ記憶する。また、通信部22は、車速センサ4及び灯火スイッチ5と接続され、車速データ及びイルミネーション信号を受信し、制御部21へ送信する。さらに、通信部22は、無線通信機能を備え、後述の情報センタ6と情報通信を行う。情報センタ6との通信は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信技術を利用する。
【0041】
画像メモリ23は、ナビゲーション装置3から送信される画像データを一時的に記憶するメモリである。
【0042】
VRAM24は、ヘッドアップディスプレイ26に表示する画像を生成する際に、画像データが一時的に記憶されるVideo RAMである。
【0043】
ドライバ25は、画像を示す投影光を投影レンズから照射し、ヘッドアップディスプレイ26に画像を投影して画像を表示させる。画像を投影する技術には、DLP(Digital Light Processing)やLCOS(Liquid crystal on silicon)等の方式を用いる。
【0044】
ヘッドアップディスプレイ26は、透明な光学ガラス素子である。ドライバ25により投影光が照射され、画像を表示する。
【0045】
記憶部27は、データを記憶する記憶媒体である。例えば、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read-Only memory)や、フラッシュメモリ、磁気ディスクを備えたハードディスクドライブ等の不揮発性メモリである。記憶部27は、表示パターンデータ27a、機種データ27b、ユーザデータ27c、及びプログラム27dを記憶している。
【0046】
表示パターンデータ27aは、ナビゲーション装置3の画像をヘッドアップディスプレイ26に表示させるパターンを示すデータテーブルである。表示パターンデータ27aは、「No」、「表示モード」、「時間帯」、「速度」、及び「表示パターン」のデータからなる複数のレコードRを備える。
図3は、表示パターンデータ27aの例を示し、10通りのレコードRを示す。
【0047】
「No」のデータは、レコードRの番号を示す。
【0048】
「表示モード」のデータは、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されている画面の表示モードを示す。「表示モード」には、「一般道路」、「高速道路」、「交差点」のいずれかが該当する。「一般道路」のデータは、車両1が一般道路を走行中である場合のナビゲーション装置3の画面状態である。「高速道路」は、車両1が高速道路を走行で表示される高速道路モードの画面状態である。「交差点」は、車両1の交差点への接近時における交差点拡大図を表示する画面状態である。例えば、ナビゲーション装置3の経路案内において、車両1が右折する場合に表示される右折モードの画面状態である。
【0049】
「時間帯」のデータは、昼時間帯と夜時間帯との区別を示す。「時間帯」には、「昼」又は「夜」のいずれかが設定される。本例では、「昼」は、午前5時から午後6時、「夜」は、午後6時から午前5時までの時間帯である。ただし、設定される時間は季節や地域に応じて変更してもよい。
【0050】
「速度」のデータは、車両1の走行速度を示す。「速度」には、「高速」、「中速」、「低速」のいずれかが設定される。本例では、「高速」は時速80[km]以上、「中速」は時速79[km]から時速31[km]、「低速」は30[km]以下である。
【0051】
「表示パターン」のデータは、ナビゲーション装置3に表示される画像のうちどの領域の画像をヘッドアップディスプレイ26のどの領域に表示させるかを示す。かかる領域は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31及びヘッドアップディスプレイ26における座標で示される。座標は、例えば画像が四角形の場合には各頂点に該当する4つの座標が含まれる。また、「表示パターン」には「輝度」も含まれる。「輝度」はヘッドアップディスプレイ26の明るさを示し、「%」で設定される。
【0052】
「表示パターン」のデータは、車両速度が低速の程、より多くのナビゲーション用画像がヘッドアップディスプレイ26に表示されるよう設定される。例えば、車速が「高速」に設定されているNo.1のレコードRの「表示パターン」には、2つのナビゲーション用画像がヘッドアップディスプレイ26に表示されるよう設定される。車速が「低速」に設定されているNo.3のレコードRの「表示パターン」には、3つのナビゲーション用画像がヘッドアップディスプレイ26に表示されるよう設定される。
【0053】
これにより、表示装置2は車両1の速度が低いほど情報量の多い画像を生成するので、ユーザは低速で運転する際にはヘッドアップディスプレイ26からより多い情報を取得できる。一方、表示装置2は車両1の速度が高いほど情報量の少ない画像を生成するので、ユーザは高速で運転する際にはヘッドアップディスプレイ26からより少ない情報を取得し、注意を前方へより集中できる。
【0054】
再度
図2を参照し、表示システム10の構成を説明する。
【0055】
機種データ27bは、表示装置2と接続されるナビゲーション装置3の機種やメーカを特定するデータである。ナビゲーション装置3の機種名やメーカ名は、ユーザにより確認され、後述のメモリカード28aに書き込まれる。メモリカード28aに書き込まれた機種名やメーカ名が、カードスロット28を介して機種データ27bとして記憶部27に記憶される。
【0056】
ユーザデータ27cは、ユーザがヘッドアップディスプレイ26に表示させたい画像の種類や位置、大きさ等を示すデータである。ユーザが、自らの好みに合わせて自由に設定できるデータである。ユーザデータ27cもユーザによりメモリカード28aに書き込まれ、機種データ27bとして記憶部27に記憶される。
【0057】
プログラム27dは、制御部21により読み出され、制御部21が表示装置2を制御するために実行されるファームウェアである。
【0058】
カードスロット28は、可搬性の記録媒体であるメモリカード28aの着脱を行い、メモリカード28aからデータを読み取る。カードスロット28は、データが記録されたメモリカード28aが装着されると、メモリカード装着信号を制御部21に送信する。
【0059】
メモリカード28aは、ユーザにより機種データ27b及びユーザデータ27cが書き込まれる。ユーザは、家庭用コンピュータ等を用い、メモリカード28aに機種データ27b及びユーザデータ27cを記録する。ユーザは、メモリカード28aをカードスロット28に装着することで、ナビゲーション装置3の機種名やメーカ名、ヘッドアップディスプレイ26に表示させたい画像の種類や位置、大きさ等を表示装置2へ入力する。
【0060】
次に、制御部21の備える各機能について説明する。制御部21は、画像取得部21a、画像抽出部21b、車両情報取得部21c、動画判定部21d、表示制御部21e、画像生成部21f、センタ情報取得部21g、及びユーザ設定部21hを備える。
【0061】
画像取得部21aは、通信部22を介し、ナビゲーション装置3から画像データを取得する。すなわち、画像取得部21aは、表示装置2の外部に設置されたナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する画像(第1表示画像)を取得する。なお、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する画像には、静止画のほか動画を含む。
【0062】
画像抽出部21bは、画像取得部21aの取得した画像データから、所定領域の画像を抽出する。画像抽出部21bは、画像の抽出を行う際、記憶部27に記憶された表示パターンデータ27a及びユーザデータ27cを配置情報として参照し、上記所定領域を決定する。所定領域とは、画像データを画面に表示させた場合の、画面の中央部分の領域や、画面の右側3分の1の領域等である。すなわち、画像抽出部21bは、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する画像の配置に関する配置情報に基づき、当該画像の一部を抽出画像として抽出する。
【0063】
車両情報取得部21cは、車速センサ4から送信される車速データ、及び灯火スイッチ5から送信されるイルミネーション信号を通信部22を介して取得する。
【0064】
動画判定部21dは、画像取得部21aがナビゲーション装置3から取得した画像が、動画であるか否か判定する。動画判定部21dは、画像取得部21aが時間的に連続して得られた2つの画像の各画素を対比し、所定割合以上の画素について色彩が異なる場合に、動画であると判定する。
【0065】
表示制御部21eは、画像生成部21fにより生成され、VRAM24に記憶された画像データをドライバ25に送信する。また、表示制御部21eは、ドライバ25を制御してヘッドアップディスプレイ26に画像を表示させる。
【0066】
画像生成部21fは、画像抽出部21bが抽出した所定領域の画像と車速を示す画像を組み合わせ、ヘッドアップディスプレイ26に表示させる画像を生成する。すなわち、画像生成部21fは、画像抽出部21bが抽出した抽出画像を用いてヘッドアップディスプレイ26に表示すべき画像(第2表示画像)を生成する。この際、画像生成部21fは、表示パターンデータ27aを参照し、ヘッドアップディスプレイ26のどの位置に画像を表示させるか決定する。また、画像生成部21fは、車速を示す画像を生成する際には、車両情報取得部21cから車速データを取得する。画像生成部21fが生成した画像は、VRAM24に一時的に保存される。
【0067】
センタ情報取得部21gは、通信部22を介し、情報センタ6から表示パターンデータ27aを取得する。その際、センタ情報取得部21gは、記憶部27に記憶された機種データ27bを参照し、表示装置2が接続されたナビゲーション装置3の機種名やメーカ名を情報センタ6に送信し、表示パターンデータ27aを要求する。
【0068】
ユーザ設定部21hは、カードスロット28にメモリカード28aが挿入されたことを検知し、メモリカード28aに記憶されたユーザデータを読み出し、記憶部27に記憶させる。
【0069】
<1−3.表示画像の例>
次に、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示される画像、及びかかる画像に基づき生成され、表示装置2のヘッドアップディスプレイ26に表示される画像の例について説明する。
図4及び
図5は、このような画像の例である。なお、
図4及び
図5のうち点線で示される線は、説明の便宜のために画像の領域を示したものであり、画面上に表示される線ではない。なお、
図4は
図3に示した表示パターンデータ27aにおけるNo.4のレコードRのディスプレイ31及びヘッドアップディスプレイ26での表示例である。
図5は
図3に示した表示パターンデータ27aにおけるNo.9のレコードRのディスプレイ31及びヘッドアップディスプレイ26での表示例である。
【0070】
図4上段図は、車両1が昼間時の高速道路を走行中にナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されるディスプレイ画像G(b0)を示す。
【0071】
ディスプレイ画像G(b0)は、俯瞰地図画像G(b1)、目的地までの距離と時間を表示する目的地情報画像G(b2)、渋滞の発生時刻を知らせる渋滞情報画像G(b3)、サービスエリア及びパーキングエリアの表示を行うSA/PA画像G(b4)、施設情報の表示を行う施設情報画像G(b5)、及び通過する予定の高速道路の施設を表示する高速道路施設画像G(b6)含む。
【0072】
車両1が高速道路を走行する際のディスプレイ画像G(b0)において、俯瞰地図画像G(b1)は、ディスプレイ31の右側1/3程度に表示される。目的地情報画像G(b2)、渋滞情報画像G(b3)、SA/PA画像G(b4)、及び施設情報画像G(b5)はディスプレイ31の左端に縦に列挙して各々表示される。高速道路施設画像G(b6)は、ディスプレイ31の左側2/3程度に表示される。
【0073】
図4下段図は、ディスプレイ画像G(b0)及び表示パターンデータ27aに基づいて画像抽出部21b及び画像生成部21fにより生成され、表示装置2のヘッドアップディスプレイ26に表示制御部21eにより表示されるヘッドアップディスプレイ画像G(i0)を示す。
【0074】
ヘッドアップディスプレイ画像G(i0)は、ディスプレイ画像G(b0)のうち、俯瞰地図画像G(b1)が抽出されて生成された俯瞰地図画像G(i1)、目的地情報画像G(b2)が抽出されて生成された目的地情報画像G(i2)、及び車両1の速度データから生成された速度画像G(s)を含んでいる。
【0075】
図5上段図は、車両1が昼間時の一般道路を走行中に左折すべき交差点に差し掛かった際のナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されるディスプレイ画像G(c0)を示す。
【0076】
ディスプレイ画像G(c0)は、交差点画像G(c1)、方位表示する方位画像G(c2)、目的地への到着予想時刻と目的地までの距離を表示する目的地情報画像G(c3)、地図上の距離表示を行う距離情報画像G(c4)、車両位置を示す俯瞰地図を表示する俯瞰地図画像G(c5)含む。
【0077】
車両1が交差点に差し掛かった際のディスプレイ画像G(c0)において、交差点画像G(c1)は、ディスプレイ31の右側2/3程度に表示される。
方位表示する方位画像G(c2)、目的地情報画像G(c3)、及び距離情報画像G(c4)は、ディスプレイ31の左端に縦に列挙して各々表示される。俯瞰地図画像G(c5)は、ディスプレイ31の左側1/3程度に表示される。
【0078】
図5下段図は、ディスプレイ画像G(c0)及び表示パターンデータ27aに基づいて画像抽出部21b及び画像生成部21fにより生成され、表示装置2のヘッドアップディスプレイ26に表示制御部21eにより表示されるヘッドアップディスプレイ画像G(j0)を示す。
【0079】
ヘッドアップディスプレイ画像G(j0)は、ディスプレイ画像G(c0)のうち、交差点画像G(c1)が抽出されて生成された交差点画像G(j1)、方位画像G(c2)が抽出されて生成された方位画像G(j2)、及び車両1の速度データから生成された速度画像G(s)を含んでいる。
【0080】
<1−4.処理>
表示装置2の処理手順を説明する。
図6ないし
図9は、表示装置2の処理手順を示す。本処理は、所定周期で繰り返し実行される。
図6以下に示すフローチャートにおいては、ヘッドアップディスプレイをHUDと略記する。
【0081】
まず、ユーザ設定部21hが機種データ27b及びユーザデータ27cの設定処理を行う(ステップS100)。ユーザ設定部21hによる設定処理は、ナビゲーション装置3の機種名やメーカ名を機種データ27bとして記憶部27に記憶させ、またユーザの好みの画面構成等をユーザデータ27cとして記憶部27に記憶させる処理である。処理の詳細は後述する。
【0082】
ユーザ設定部21hによる設定処理が実行されると、センタ情報取得部21gが表示パターンデータ27aの設定処理を行う(ステップS101)。表示パターンデータ27aの設定処理は、表示装置2が接続されているナビゲーション装置3の表示パターンデータ27aを情報センタ6から取得し、記憶部27に記憶させる処理である。詳細な処理は後述する。
【0083】
次に、画像取得部21aが、通信部22及び画像メモリ23を介し、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示されている画像を取得する(ステップS102)。
【0084】
画像取得部21aが画像データを取得すると、車両情報取得部21cが、車速センサ4から送信される車速データ、及び灯火スイッチ5から送信されるイルミネーション信号を、通信部22を介して取得する(ステップS103及びステップS104)。
【0085】
次に、動画判定部21dが、画像取得部21aが取得した画像データが、動画であるか否か前述の手法により判定する(ステップS105)。
【0086】
動画判定部21dが画像データを動画であると判定すると(ステップS105でYes)、表示制御部21eが、車両1が走行中であるか否か判定する(ステップS106)。表示制御部21eは、車両情報取得部21cが取得した車速データを参照し、車両1が走行中であるか否か判定する。例えば、車速データが時速0[km]を示さない場合に、車両1が走行中であると判定する。
【0087】
表示制御部21eは、車両1が走行中であると判定する場合(ステップS106でYes)、画像取得部21aが取得したナビゲーション装置3の画像をヘッドアップディスプレイ26に表示しないよう制御する(ステップS107)。すなわち、表示制御部21eは車両1が走行中であると判定すると、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を生成する処理を実行しない。又は、表示制御部21eは、ドライバ25を制御し、VRAM24に生成された画像がヘッドアップディスプレイ26に送信されないようにする。車両1の走行中には動画をヘッドアップディスプレイ26に表示しないので、ユーザは動画に注意力を削がれることなく、運転操作に集中できる。なお、動画とは、例えばテレビやビデオの映像等であり、車両の運転に関係しない映像である。ステップS107が実行されると、本処理は終了する。車両1が走行中であるため、もはや画像の生成処理や表示処理を実行する必要がないからである。
【0088】
一方、動画判定部21dが取得した画像が動画でないと判定した場合(ステップS105でNo)、及び、表示制御部21eが車両1が走行中でないと判断した場合(ステップS106でNo)は、画像抽出部21b及び画像生成部21fが、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を生成する処理を実行する(ステップS108)。ナビゲーション装置3の画像が動画でなく、又は画像が動画であっても車両1が走行中でないため、画像生成やその表示をヘッドアップディスプレイ26に行うことに対し、何ら差し支えないからである。なお、画像生成部21fにより生成される画像は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示される画像の一部又は全部である。画像抽出部21bは、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示される画像により、画像取得部21aが取得したナビゲーション装置3の画像の一部又は全部を抽出する。画像を生成する処理の詳細は、後述する。
【0089】
ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像が生成されると、表示制御部21eは、ドライバ25を制御し、VRAM24に生成された画像をヘッドアップディスプレイ26に表示する(ステップS109)。
【0090】
画像がヘッドアップディスプレイ26に表示されると、画像取得部21aが、ナビゲーション装置3の画像がさらに表示装置2に入力されたか否か判断する(ステップS110)。すなわち、画像取得部21aは、画像メモリ23の所定のアドレスを参照することで、画像メモリ23にナビゲーション装置3の画像が新たに入力されたか否か判断を行う。
【0091】
画像取得部21aは、ナビゲーション装置3の画像が画像メモリ23に入力されていないと判断すると(ステップS110でNo)、本処理は終了する。ナビゲーション装置3から表示装置2へ画像が送信されていない場合、ユーザに対する経路案内が終了したと考えられ、もはやヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像の生成及び表示処理は必要ないからである。なお、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されていないと判断された場合であっても、処理を終了させず、車速を示す画像G(s)のみヘッドアップディスプレイ26に表示させてもよい。
【0092】
一方、画像取得部21aは、ナビゲーション装置3の画像が入力されたと判断すると(ステップS110でYes)、ステップS102に戻り、画像メモリ23に入力された画像を取得する処理を実行する。ステップS102が実行されると、処理はステップS103以下を再度実行する。これにより、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像の生成と、ヘッドアップディスプレイ26への画像の表示が、ナビゲーション装置3の画像の入力が停止されるまで繰り返し実行される。
【0093】
次に、ステップS100におけるユーザ設定部21hによる機種データ27b及びユーザデータ27cの設定処理の詳細について説明する。
図7は、ユーザ設定部21hによる設定処理の詳細を示す。
【0094】
まず、ユーザ設定部21hが、カードスロット28にメモリカード28aが装着されているか否か判断する(ステップS100a)。ユーザ設定部21hは、カードスロット28にメモリカード28aが装着されている場合に、カードスロット28から送信されるカードスロット装着信号の有無により判断すればよい。
【0095】
ユーザ設定部21hが、カードスロット28にメモリカード28aが装着されていないと判断する場合(ステップS100aでNo)、処理は
図6の処理に戻り、ステップS101以下が実行される。
【0096】
一方、ユーザ設定部21hが、カードスロット28にメモリカード28aが装着されていると判断する場合(ステップS100aでYes)、カードスロット28を操作して機種データ27b及びユーザデータ27cをメモリカード28aから読み出し、記憶部27に記憶させる(ステップS100b及びステップS100c)。
【0097】
機種データ27b及びユーザデータ27cの読み出し及び記憶が行われると、処理は
図6に戻り、ステップS101以下の処理が実行される。
【0098】
次に、ステップS101における表示パターンデータ27aの設定処理の詳細について説明する。
図8は、表示パターンデータ27aの設定処理を示す。
【0099】
表示パターンデータ27aの設定処理が実行されると、センタ情報取得部21gが、表示制御部21eがナビゲーション装置3と接続されて最初の起動か否か判断する(ステップS101a)。かかる判断は、ナビゲーション装置3が通信部22と接続された際に、所定のフラグを操作し、フラグ状態を記憶部27に記憶させておけばよい。これにより、センタ情報取得部21gは、記憶部27に記憶されたフラグを参照することで、表示制御部21eがナビゲーション装置3と接続されて最初の起動か否か判断できる。
【0100】
センタ情報取得部21gが、表示制御部21eがナビゲーション装置3と接続されて最初の起動でないと判断すると(ステップS101aでNo)、処理は
図6の処理に戻り、ステップS102以下の処理が実行される。
【0101】
一方、センタ情報取得部21gは、表示装置2がナビゲーション装置3と接続されて最初の起動であると判断すると(ステップS101aでYes)、情報センタ6へナビゲーション装置3の表示パターンデータ27aを要求する(ステップS101b)。この際、センタ情報取得部21gは、記憶部27から機種データ27bを読み出し、情報センタ6へ送信する。
【0102】
センタ情報取得部21gは、情報センタ6から送信される機種データ27bに合致した表示パターンデータ27aを受信する(ステップS101c)。
【0103】
センタ情報取得部21gは、受信した表示パターンデータ27aを記憶部27へ記憶させる(ステップS101d)。このように、情報センタから画像の配置情報等を含む表示パターンデータ27aを取得すると、様々な機種のナビゲーション装置について、ユーザは容易に画像の配置情報等を取得できる。
【0104】
センタ情報取得部21gが表示パターンデータ27aを記憶部27へ記憶させると、処理は
図6に戻り、ステップS102以下の処理が実行される。
【0105】
次に、ステップS108における画像生成処理の詳細について説明する。
図9は、画像生成処理を示す。
【0106】
画像生成処理が実行されると、画像抽出部21bが、記憶部27から表示パターンデータ27a及びユーザデータ27cを読み出す(ステップS108a及びステップS108b)。
【0107】
画像抽出部21bは、表示パターンデータ27a及びユーザデータ27cを読み出すと、読み出した表示パターンデータ27a及びユーザデータ27cに基づき、画像取得部21aが取得したナビゲーション装置3の画像の一部を抽出する(ステップS108c)。なお、画像抽出部21bは、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示される画像によっては、画像取得部21aが取得したナビゲーション装置3の画像の全部を抽出する場合もある。
【0108】
この際、画像抽出部21bは、画像取得部21aが取得したナビゲーション装置3の画像に基づき、ナビゲーションの表示モードが一般道路、高速道路、又は交差点のいずれかに該当する表示パターンデータ27aのレコードRを参照して画像の抽出を行う。また、画像抽出部21bは、イルミネーション信号の有無に基づいて時間帯を判断し、昼又は夜に該当する表示パターンデータ27aのレコードRを参照して画像の抽出を行う。イルミネーション信号に基づき画像を抽出するので、適切に昼間用及び夜間用のいずれかのヘッドアップディスプレイ用画像を適切な輝度で生成できる。また、画像抽出部21bは、車速データに基づいて車両1の速度を判断し、高速、中速、又は低速のいずれかに該当する表示パターンデータ27aのレコードRを参照して画像の抽出を行う。
【0109】
画像生成部21fは、車両情報取得部21cが取得した車速データに基づき、現在の車速を示す画像G(s)を生成する(ステップS108d)。例えば、「時速80[km]」の文字を示す画像である。これにより、車両情報である車速データに基づきヘッドアップディスプレイ26へ表示する画像を生成するので、車両1の状態に合わせた画像をヘッドアップディスプレイ26に表示できる。
【0110】
画像生成部21fは、車速を示す画像G(s)を生成すると、画像抽出部21bが抽出したナビゲーション装置3の画像の一部と車速を示す画像G(s)とを合成し、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を生成する(ステップS108e)。なお、このような画像抽出部21bの画像の抽出処理、及び画像生成部21fの画像生成処理は、VRAM24において行われる。
【0111】
車速を示す画像G(s)をヘッドアップディスプレイ26に表示させることで、ユーザは速度計に視線を向けなくとも、ヘッドアップディスプレイ26上で車両1の速度を確認できる。車両を運転するユーザにとって、車両速度は最も注意すべき情報の一つである。このため、車速をヘッドアップディスプレイ26に表示させることは、ユーザが車両を運転するうえでの利便性を向上できる。
【0112】
画像生成部21fによりヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像が生成されると、処理は
図6に戻り、ステップS109以下の処理が実行される。
【0113】
以上の通り、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示する第1表示画像を取得し、第1表示画像の配置に関する配置情報に基づき、第1表示画像の一部を抽出する。抽出した画像を用いて第2表示画像を生成し、生成した第2表示画像をヘッドアップディスプレイ26に表示する。これにより、様々な機種のナビゲーション装置3について、ナビゲーションに用いる画像をヘッドアップディスプレイ26に表示できる。このため、ナビゲーション装置3が予め搭載されている車両1に対し、ヘッドアップディスプレイ26を容易に後付けできる。
【0114】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.概要>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態の表示システム10は、表示装置2とナビゲーション装置3とは接続線で接続されていた。ナビゲーション装置3は画像データをRCA端子に出力し、表示装置2はRCA端子から画像データを受信していた。しかし、車両1に予め設置されたナビゲーション装置3は、必ずしもRCA端子等の映像出力端子を備えるとは限らない。ナビゲーション装置3が、このようなデータを出力する機能を備えない場合、ヘッドアップディスプレイ26を車両1に後付けすることは非常に困難となる。
【0115】
このため、第2の実施の形態の表示システム10は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31をカメラで撮影して画像を取得する。このため、映像出力端子を備えないナビゲーション装置3であっても、ナビゲーションに用いる画像をヘッドアップディスプレイ26に表示可能とした。
【0116】
図10は、第2の実施の形態の表示システム10の概要を示す。第2の実施の形態の表示システム10は、車両1に設置され表示装置2と接続されたカメラ7を備える。
【0117】
カメラ7は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31を撮影し、撮影したナビゲーション装置3の画像を表示装置2に送信する。
【0118】
表示装置2は、カメラ7で撮影されたナビゲーション装置3の画像の一部をヘッドアップディスプレイ26に表示させる。このため、表示装置2は、第1の実施の形態のようにナビゲーション装置3との接続が不要となる。したがって、ナビゲーション装置3は、RCA端子等の映像出力端子を備える必要がない。これにより、予め車両1に搭載されたナビゲーション装置3が映像出力端子を備えなくとも、ヘッドアップディスプレイ26を車両1に容易に後付けできる。
【0119】
なお、第2の実施の形態の表示システム10の構成及び処理は、第1の実施の形態と同様の構成及び処理を含む。このため、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0120】
<2−2.構成>
まず、第2の実施の形態における表示システム10の構成について説明する。
図11は、第2の実施の形態の表示システム10の構成を示す。第1の実施の形態との相違点は、表示装置2がカメラ7と接続され、制御部21がカメラ画像処理部21iを備える点である。なお、ナビゲーション装置3は表示装置2と接続されていない。その他の構成は、第1の実施の形態と同様に構成され、同様に機能する。
【0121】
カメラ7は、車両1の車室内に設置される。カメラ7の光軸Aはナビゲーション装置3のディスプレイ31に向けられ、カメラ7はディスプレイ31を撮影する。カメラ7は、表示装置2と接続され、撮影した画像データを表示装置2に送信する。表示装置2に送信された画像データは、通信部22を介して画像メモリ23に蓄積され、画像取得部21aにより制御部21に入力される。
【0122】
カメラ画像処理部21iは、カメラ7が撮影したナビゲーション装置3のディスプレイ31の画像データを処理し、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されているか否かを判断する。かかる判断は、ナビゲーション用の画像を予め記憶しておき、いわゆるパターンマッチングの手法を用いて行えばよい。例えば、ナビゲーション用の画像は、表示領域が各々矩形で形成される。このため、画像のエッジ検出処理により各画像の領域候補を検出し、さらにそこから矩形領域を検出することにより、ナビゲーション用の画像の画像領域パターンを推測できる。さらに、推測した画像領域パターンと該当のナビゲーション装置の画像領域パターンとから、各領域の表示内容を推測できる。
【0123】
また、カメラ画像処理部21iは、ディスプレイ31に表示された画像内容の変化を判断する。画像内容の変化とは、例えば、車両が走行することにより地図がスクロールした場合や、右左折案内画面が表示された場合、一般道路モードから高速道路モードへ切り替わった場合、ナビゲーション画面からオーディオ操作画面やDVD再生画面等へ切り替わった場合等である。カメラ画像処理部21iは、カメラ7から送信された画像データと直前に送信された画像データとの内容を比較することにより、画像内容の変化の有無を判断する。
【0124】
<2−3.処理>
次に、第2の実施形態における表示システム10の処理手順について説明する。
図12は、第2の実施の形態の表示システム10の処理手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態との相違点は、表示装置の処理においてステップS102がステップS102aに代り、ステップS110がステップS110aに代り、ステップS111が加わった点である。その他のステップは、第1の実施の形態と同様に処理される。
【0125】
ステップS101において表示パターンデータの設定処理が行われると、カメラ7はディスプレイ31を撮影する(ステップS102a)。カメラ7はディスプレイ31を撮影すると、画像データを表示装置2へ送信する。ステップS102aが実行されると、前述のステップS103以下が実行される。
【0126】
ステップS109において表示制御部21eが、カメラ7が撮影したディスプレイ31の画像をヘッドアップディスプレイ26に表示させると、カメラ画像処理部21iは、カメラ7が送信した画像データに基づき、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されているか否か判断する(ステップS110a)。
【0127】
カメラ画像処理部21iが、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されていないと判断する場合(ステップS110aでNo)、本処理は終了する。ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されていない以上、ヘッドアップディスプレイ26に画像を表示させる必要はないからである。ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されない場合とは、車両1が目的地に到着し、ナビゲーションが終了した場合等である。なお、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されていないと判断された場合であっても、処理を終了させず、車速を示す画像G(s)のみヘッドアップディスプレイ26に表示させてもよい。
【0128】
一方、カメラ画像処理部21iは、ディスプレイ31にナビゲーション用の画像が表示されていると判断する場合(ステップS110aでYes)、ディスプレイ31に表示されたナビゲーション用の画像に変化があるか否か判断する(ステップS111)。
【0129】
カメラ画像処理部21iがナビゲーション用の画像に変化がないと判断する場合(ステップS111でNo)、表示制御部21eは、カメラ7が撮影したディスプレイ31のナビゲーション用画像をヘッドアップディスプレイ26に継続して表示させる(ステップS109)。
【0130】
一方、カメラ画像処理部21iがナビゲーション用の画像に変化があると判断する場合(ステップS111でYes)、処理は前述のステップS102aに戻り、カメラ7によるディスプレイ31の撮影等が実行される。
【0131】
以上の通り、第2の実施の形態の表示システム10は、ナビゲーション装置3のディスプレイ31をカメラで撮影して画像を取得する。このため、映像出力端子を備えないナビゲーション装置3であっても、ナビゲーションに用いる画像をヘッドアップディスプレイ26に表示可能とした。このため、予め車両1に搭載されたナビゲーション装置3が映像出力端子を備えなくとも、ヘッドアップディスプレイ26を車両1に容易に後付けできる。
【0132】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は上記実施の形態に限定されることはない。様々な変形が可能である。以下、変形例を説明する。なお、上記及び以下に記載される実施の形態は、適宜組み合わせ可能である。
【0133】
上記実施の形態における表示システム10の表示装置2は、ヘッドアップディスプレイ26に表示させる画像を生成するタイミングは、ナビゲーション装置3から表示装置2へ画像データが入力された場合や、ナビゲーション装置3の画像に変化があった場合であった。しかし、ヘッドアップディスプレイ26に表示させる画像を生成するタイミングは、ナビゲーション装置3から出力される音声の内容に応じてもよい。
【0134】
この場合、表示システム10の表示装置2は、ナビゲーション装置3から出力される音声を集音するマイクロフォンと接続される。マイクロフォンが集音したナビゲーション装置3から出力される音声に基づき、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を生成する。すなわち、ナビゲーション装置3から送信される画像が変更することにより、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を変更して生成するのではなく、ナビゲーション装置3から出力される音声に基づき、かかる画像を変更して生成してもよい。
【0135】
例えば、「まもなく左方向です」というナビゲーション装置3から出力される音声に対応し、一般道路モードの表示パターンから交差点モードの表示パターンに変更して画像を生成してもよい。音声案内のタイミングに合致して画像が変更されるので、画像の変更タイミングがユーザの認識と一致するため、ユーザは違和感なく変更された画像を参照できる。すなわち、ナビゲーション装置3の音声に基づき画像を抽出する領域を決定するため、ナビゲーションの状況に適切に応じた領域をヘッドアップディスプレイ26に表示できる。
【0136】
図13は、マイクロフォン8と接続された表示装置2を含む表示システム10を示す。マイクロフォン8は、車両1の車室内に設置され、ナビゲーション装置3から出力される音声Sを集音し、表示装置2へ音声Sを内容とする音声データを送信する。音声Sは、例えば、「400メートル先、左方向です」や「まもなく目的地付近です」、「高速道路に入りました」等である。特に、ナビゲーション装置3のディスプレイ31に表示される画像が変更となるようなタイミングを示す音声である。マイクロフォン8から音声データが送信されると、制御部21は音声の意味を解釈し、どのような画像に変化するかを認識する。なお、音声の意味を解釈する処理については、公知の技術を用いることができる。
【0137】
画像抽出部21b及び画像生成部21fは、マイクロフォン8から送信された音声データの意味と表示パターンデータ27aに基づき、ヘッドアップディスプレイ26に表示させるべき画像を生成する。例えば、
図3で示した表示パターンデータ27aのNo2のレコードRにおける表示パターン(表示モード:一般道路)にてヘッドアップディスプレイ26に画像を表示させている際、マイクロフォン8が「まもなく左方向です」の旨の音声を集音すると、表示パターンデータ27aのNo8のレコードR(表示モード:交差点)における表示パターンに画像を変化させる。これにより、ユーザがナビゲーション装置3の音声を聞いたタイミングで表示パターンを適切に変化できるので、ユーザは違和感なく変更された画像を参照できる。
【0138】
なお、ナビゲーション装置3は、音声Sを出力する前に、いわゆる報知音を出力する。報知音は、一般的に「ポーン」という音声であり、経路案内の音声が出力されるのを事前にユーザに知らせ、音声Sに注意を呼びかけるものである。上述した音声の意味を解釈する処理は、マイクロフォン8が報知音を検出した後だけ行ってもよい。この場合、運転支援に関する音声S以外の音声(例えば、ラジオの音声や乗車者同士の会話等)をマイクロフォン8が検出せず、誤った表示モードで画像表示することを防止できる。なお、報知音は機種に固有の音声であるため、報知音の検出は比較的容易である。
【0139】
他の変形例を説明する。表示装置2は、車両に設置されると説明したが、車両には自動車のほか二輪車、鉄道、航空機、及び船舶を含む。また、車両には民生用のほか軍事用を含み、自家用のほか業務用を含む。また、表示装置2は、車両のみならず住宅やビル等の建物に設置してもよい。
【0140】
また、表示装置2は、車両に設置されると説明したが、人体に装着されるウェアラブルコンピュータの一部であってもよい。この場合、ヘッドアップディスプレイ26は、眼鏡の透明板部分に映像を表示するヘッドマウントディスプレイでもよいし、ヘルメットのバイザーに映像を表示するヘルメットマウントディスプレイでもよい。
【0141】
また、昼夜の判定を灯火スイッチ5の出力で行うと説明したが、表示システム10に照度センサを設け、照度で昼夜を判定してもよい。また、表示システム10に時計を設け、時間で昼夜を判定してもよい。
【0142】
また、表示装置2へのデータの入力は、メモリカード28aを使用すると説明したが、メモリカード28aを使用せずともよい。表示装置2に家庭用コンピュータ(PC)との接続部を設け、PCから接続線を介して表示装置2にデータを送信してもよい。また、表示装置2に無線受信部を設け、PCから無線通信により表示装置2にデータを送信してもよい。
【0143】
また、第2の実施の形態において、カメラ7は車両1の車室内に設置されると説明したが、車両1の車室内に設置されなくともよい。カメラ7は携帯型のカメラでもよい。カメラ付き携帯電話等、カメラ機能が他の機器の一部となっているカメラでもよい。この場合、カメラ7を車両1の車室内に設置する代りに、助手席等に着座するユーザがカメラ7を手に持ち、カメラ7の光軸をナビゲーション装置3のディスプレイ31に向ければよい。