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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-141170(P2015-141170A)
(43)【公開日】2015年8月3日
(54)【発明の名称】電流検出回路及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20150707BHJP
【FI】
   G01R19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-15911(P2014-15911)
(22)【出願日】2014年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】増田 一輝
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA20
2G035AB02
2G035AC02
2G035AD10
2G035AD11
2G035AD13
2G035AD20
2G035AD23
2G035AD27
2G035AD28
2G035AD44
(57)【要約】
【課題】検出する電流の大きさに応じて検出のための抵抗器を切り替えることが可能であり、且つ、不要な電圧降下が残留するのを防止することが可能な電流検出回路及び電源装置を提供する。
【解決手段】制御部2aが第1スイッチ15をオフにすると共に第2スイッチ16をオンにして第2抵抗器12の両端を短絡した場合は、第1検出器13aが第1抵抗器11に流れる電流を検出する。制御部2aが第2スイッチ16をオフにすると共に第1スイッチ15をオンにして第1抵抗器11の両端を短絡した場合は、第2検出器14aが第2抵抗器12に流れる電流を検出する。そして、第1検出器13aが検出した電流が所定電流より大きい場合は、制御部2aが第1スイッチ15をオンにすると共に第2スイッチ16をオフにし、第2検出器14aが検出した電流が所定電流より小さい場合は、制御部2aが第1スイッチ15をオフにすると共に第2スイッチ16をオンにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列的に接続された第1及び第2抵抗器と、該第1及び第2抵抗器夫々に流れる電流を検出する第1及び第2検出器と、前記第1及び第2抵抗器夫々に並列的に接続された第1及び第2スイッチと、該第1及び第2スイッチのオン/オフを制御する制御部とを備える電流検出回路であって、
前記第2抵抗器は、前記第1抵抗器よりも許容電流が大きく、
前記制御部は、前記第1及び第2スイッチを排他的にオンにし、且つ、前記第1検出器(又は第2検出器)が検出した電流が所定電流より大きい(又は小さい)場合、前記第1スイッチ(又は第2スイッチ)をオンにするようにしてあること
を特徴とする電流検出回路。
【請求項2】
前記第1抵抗器は、前記第2抵抗器よりも抵抗値が大きいことを特徴とする請求項1に記載の電流検出回路。
【請求項3】
前記第1及び第2抵抗器の接続点に一端が接続された第3スイッチを備え、
前記第1検出器は、前記接続点から前記第1抵抗器に流れる電流を検出するようにしてあり、
前記制御部は、前記第1検出器が検出した電流が前記所定電流より小さい第2の電流以上の場合、前記第3スイッチをオンにするようにしてあること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電流検出回路。
【請求項4】
エンジンに連動する発電機が発電した電圧を変換する電圧変換器と、請求項1から3の何れか1項に記載の電流検出回路とを備える電源装置であって、
前記発電機は、発電する電圧が外部から変更可能とされており、
前記電圧変換器が変換した電圧が、前記電流検出回路を介して外部の負荷に供給されており、
前記発電機が発電した電圧を前記電流検出回路にバイパスする第4スイッチを備え、
前記制御部は、前記電流検出回路が備える第2検出器が検出した電流が前記所定電流より大きい第3の電流以上の場合、前記発電機が発電する電圧を前記負荷に整合させ、且つ前記第4スイッチをオンにするようにしてあること
を特徴とする電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗器が介装された電路に流れる電流を検出する電流検出回路、及び該電流検出回路を備える電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電流が流れる電路に抵抗器を直列的に介装し、該抵抗器に生じた電圧を検出することによって電路に流れる電流を検出する電流検出回路が広く用いられている。この種の電流検出回路では、抵抗器に電流が流れた時に発生する熱損失が、抵抗器の最大許容損失を超えないように注意を払う必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、シャント抵抗と、該シャント抵抗に熱的に結合されており、形状記憶合金で構成された可動片を有するスイッチ手段とを備え、シャント抵抗の両端に発生する電圧を電圧測定器に与えるシャント抵抗装置が記載されている。
【0004】
このシャント抵抗装置では、シャント抵抗の温度が設定温度を超えた場合、スイッチ手段の可動片がシャント抵抗の両端を短絡することによって、シャント抵抗の熱破壊を防止するようになっている。但し、シャント抵抗の両端が短絡されるような温度より高い温度領域では、電圧検出器に電圧が与えられなくなるという制約がある。
【0005】
これに対し、特許文献2には、大電流測定用の抵抗器と、ダイオードが両端に接続された小電流測定用の抵抗器とが直列に接続されており、大電流の測定時に小電流測定用の抵抗器に流れる電流をダイオードに分流する電流測定装置が記載されている。この電流測定装置は、切り替えスイッチなしに測定レンジの切り替えが可能となり、大電流の測定時に小電流測定用の抵抗器に生じる熱損失が一定に抑えられるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−345725号公報
【特許文献2】特開2000−162248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、大電流(又は小電流)を測定する場合、小電流測定用(又は大電流測定用)の抵抗器に、測定には用いられない不要な電圧降下が残留するという問題があった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検出する電流の大きさに応じて検出のための抵抗器を切り替えることが可能であり、且つ、不要な電圧降下が残留するのを防止することが可能な電流検出回路及び電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電流検出回路は、直列的に接続された第1及び第2抵抗器と、該第1及び第2抵抗器夫々に流れる電流を検出する第1及び第2検出器と、前記第1及び第2抵抗器夫々に並列的に接続された第1及び第2スイッチと、該第1及び第2スイッチのオン/オフを制御する制御部とを備える電流検出回路であって、前記第2抵抗器は、前記第1抵抗器よりも許容電流が大きく、前記制御部は、前記第1及び第2スイッチを排他的にオンにし、且つ、前記第1検出器(又は第2検出器)が検出した電流が所定電流より大きい(又は小さい)場合、前記第1スイッチ(又は第2スイッチ)をオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電流検出回路は、前記第1抵抗器は、前記第2抵抗器よりも抵抗値が大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電流検出回路は、前記第1及び第2抵抗器の接続点に一端が接続された第3スイッチを備え、前記第1検出器は、前記接続点から前記第1抵抗器に流れる電流を検出するようにしてあり、前記制御部は、前記第1検出器が検出した電流が前記所定電流より小さい第2の電流以上の場合、前記第3スイッチをオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電源装置は、エンジンに連動する発電機が発電した電圧を変換する電圧変換器と、上述の何れかに記載の電流検出回路とを備える電源装置であって、前記発電機は、発電する電圧が外部から変更可能とされており、前記電圧変換器が変換した電圧が、前記電流検出回路を介して外部の負荷に供給されており、前記発電機が発電した電圧を前記電流検出回路にバイパスする第4スイッチを備え、前記制御部は、前記電流検出回路が備える第2検出器が検出した電流が前記所定電流より大きい第3の電流以上の場合、前記発電機が発電する電圧を前記負荷に整合させ、且つ前記第4スイッチをオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、制御部が第1スイッチをオフにすると共に第2スイッチをオンにして第2抵抗器の両端を短絡した場合は、第1検出器が第1抵抗器に流れる電流を検出する。制御部が第2スイッチをオフにすると共に第1スイッチをオンにして第1抵抗器の両端を短絡した場合は、第2検出器が第2抵抗器に流れる電流を検出する。そして、第1検出器が検出した電流が所定電流より大きい場合は、制御部が第1スイッチをオンにすると共に第2スイッチをオフにし、第2検出器が検出した電流が所定電流より小さい場合は、制御部が第1スイッチをオフにすると共に第2スイッチをオンにする。
これにより、第1及び第2抵抗器のうち、検出に用いられない抵抗器の両端が短絡される。この場合、第1又は第2抵抗器を流れる電流が所定電流より大きいか小さいかに応じて、電流の検出に用いられる抵抗器の許容電流の大/小が切り替わる。
【0014】
本発明にあっては、第2抵抗器よりも第1抵抗器の抵抗値が大きいため、例えば第1及び第2抵抗器の許容損失の大きさに差がない場合であっても、第1抵抗器の許容電流より第2抵抗器の許容電流が大きいことが担保される。
【0015】
本発明にあっては、第2抵抗器と一端同士が接続された第1抵抗器の一端から他端に流れる電流が、所定電流より小さい第2の電流以上の場合、制御部が、第1抵抗器と一端同士が接続された第3スイッチをオンにする。
これにより、第2抵抗器の他端に電源を接続し、第1抵抗器の他端に負荷を接続し、更に第3スイッチの他端に他の負荷を接続した場合は、第1抵抗器を介して負荷に流れる電流が第2の電流以上であるときに、電源の容量に余裕があるものと推定されて、電源からの電流が他の負荷にも供給される。
【0016】
本発明にあっては、第2検出器が検出した電流が所定電流より大きい第3の電流以上の場合、制御部が、発電機の発電電圧を負荷に整合させると共に、第4スイッチによって発電機の発電電圧を電流検出回路にバイパスする。
これにより、例えば電圧変換器が出力する電流が該電圧変換器の許容出力電流を超える場合、発電機の発電電圧が電圧変換器を介さずに外部の負荷に供給される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1及び第2抵抗器のうち検出に用いられない抵抗器の両端が短絡される。この場合、第1又は第2抵抗器を流れる電流が所定電流より大きいか小さいかに応じて、電流の検出に用いられる抵抗器の許容電流の大/小が切り替わる。
従って、検出する電流の大きさに応じて検出のための抵抗器を切り替えることが可能となり、且つ、不要な電圧降下が残留するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る電流検出回路の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る電流検出回路に含まれる第1検出器の構成例を示す回路図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る電流検出回路における各部の動作を説明するためのタイミング図である。
図4】本発明の実施の形態2に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る電源装置に含まれる第1検出器の構成例を示す回路図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る電源装置における各部の動作を説明するためのタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電流検出回路の構成例を示すブロック図である。図中1aは電流検出回路であり、電流検出回路1aは、エンジンの回転に連動して発電するオルタネータ(発電機に相当)3の発電電圧を降圧するDC/DCコンバータ(電圧変換器に相当:以下、単にコンバータという)5と負荷6との間に介装されている。オルタネータ3には、該オルタネータ3の発電電圧を蓄電するキャパシタ4が並列に接続されている。DC/DCコンバータ5は、上記発電電圧を昇圧するものであってもよい。
【0020】
電流検出回路1aは、第1抵抗器11及び第2抵抗器12の一端同士を接続してなる直列回路と、第1抵抗器11及び第2抵抗器12夫々に流れる電流を検出する第1検出器13a及び第2検出器14aと、第1抵抗器11及び第2抵抗器12夫々に並列に接続された第1スイッチ15及び第2スイッチ16と、第1スイッチ15及び第2スイッチ16夫々のオン/オフを制御する制御部2aとを備える。
【0021】
第1抵抗器11及び第2抵抗器12夫々の他端は、負荷6及びコンバータ5の出力端子に接続されている。これにより、コンバータ5は、第2抵抗器12及び第2スイッチ16の並列回路と、第1抵抗器11及び第1スイッチ15の並列回路とを介して負荷6に電流を供給する。第1スイッチ15及び第2スイッチ16は、例えばリレー接点であってもよいし、MOSFET等のスイッチング素子又は半導体リレーであってもよい。第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第1出力端子は、コンバータ5に接続されている。
【0022】
制御部2aは、第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第2出力端子からの検出信号によってセット及びリセットされるSRフリップフロップ(以下、F/Fという)を構成するNORゲート21及び22と、NORゲート21及び22夫々の出力端子に接続された駆動回路23及び24と、NORゲート21の一入力端子にその出力端子が接続されたインバータ25とを備える。NORゲート21の出力端子は、また、コンバータ5に接続されている。
【0023】
インバータ25の入力端子は、第2検出器14aの第2出力端子に接続されている。NORゲート22の一入力端子は、第1検出器13aの第2出力端子に接続されている。ここでは、NORゲート21及び22夫々の一入力端子が、上記F/Fのリセット端子及びセット端子に相当し、NORゲート21及び22夫々の出力端子がいわゆるQ端子及びQバー端子に相当する。そして、第1検出器13aの第2出力端子からの検出信号がF/Fのセット信号に相当し、第2検出器14aの第2出力端子からの検出信号をインバータ25で反転した信号がF/Fのリセット信号となる。
【0024】
駆動回路23及び24の夫々は、F/FのQ端子及びQバー端子の信号レベルがハイ(H)になったときに、第1スイッチ15及び第2スイッチ16をオンにするようになっている。NORゲート21及び22はF/Fを構成するから、基本的には、第1スイッチ15及び第2スイッチ16の何れか一方がオンになり、それに応じて第2抵抗器12及び第1抵抗器11の何れか一方に流れる電流が検出される。但し、上記F/Fにセット信号及びリセット信号の両方が与えられる場合、即ち検出器13a及び14a夫々の第2出力端子の信号レベルがハイ及びロウ(L)である場合、F/FのQ端子及びQバー端子の信号レベルが共にロウとなり、第1スイッチ15及び第2スイッチ16が共にオフになる。この場合は、第1抵抗器11及び第2抵抗器12に流れる電流が共に検出される。
【0025】
次に、第1検出器13aの構成について説明する。第2検出器14aの構成については、一部の回路定数の値の違いを除いて第1検出器13aの構成と同様であるため、その説明を省略する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電流検出回路1aに含まれる第1検出器13aの構成例を示す回路図である。第1検出器13aは、第1抵抗器11の両端に生じた電圧を増幅する差動増幅器DA11と、該差動増幅器DA11の出力電圧及び基準電圧を比較する比較器CP11とを備える。
【0026】
差動増幅器DA11の非反転入力端子及び反転入力端子夫々と第1抵抗器11の一端及び他端との間には、抵抗器R11及びR12が接続されている。差動増幅器DA11の出力端子及び反転入力端子の間には、抵抗器R13が接続されている。差動増幅器DA11の非反転入力端子及び接地電位の間には、抵抗器R14が接続されている。差動増幅器DA11の出力端子が、前述の第1出力端子に相当する。
【0027】
この第1出力端子からは、第1抵抗器11の一端から他端に流れる電流に比例した検出電圧がコンバータ5に与えられる。これにより。コンバータ5は、第1検出器13a及び第2検出器14aの何れかの第1出力端子から与えられる検出電圧に応じて、負荷6に供給する電流を制御することができるようになっている。何れの検出器の第1出力端子からの検出電圧が有効であるのかは、NORゲート21の出力端子(即ちF/FのQ端子)から与えられる信号の信号レベルによって判別される。
【0028】
比較器CP11の非反転入力端子は、抵抗器R15を介して差動増幅器DA11の出力端子に接続されている。比較器CP11の非反転入力端子及び接地電位の間には、入力ノイズを低減するためのコンデンサC11が接続されている。比較器CP11の反転入力端子は、Vcc(5V)及び接地電位の間に直列に接続された抵抗器R16及びR17の接続点に接続されている。この接続点が、前述の基準電圧を与える。比較器CP11の出力端子が、前述の第2出力端子に相当する。
【0029】
ここでは、差動増幅器DA11の平衡度を保つために、抵抗器R11及びR12の抵抗値、抵抗器R13及びR14の抵抗値を、夫々同じ値にしてある。差動増幅器DA11は、第1抵抗器11の両端に生じる電圧を「抵抗器R13の抵抗値/抵抗器R12の抵抗値」倍に増幅する。差動増幅器DA11で増幅された電圧が基準電圧より高くなった場合、比較器CP11の出力端子(即ち第2出力端子)からNORゲート22の一入力端子(即ちF/Fのセット端子)にセット信号が与えられる。
【0030】
本実施の形態1では、第1検出器13aの第2出力端子の信号レベルが変化するときに第1抵抗器11に流れる電流と、第2検出器14aの第2出力端子の信号レベルが変化するときに第2抵抗器12に流れる電流とが相等しい所定電流となるように、第1検出器13a及び第2検出器14aの回路定数が設定されている。装置の初期状態にて、第1抵抗器11及び第2抵抗器12の少なくとも一方に流れる電流が所定電流より小さい場合、第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第2出力端子の信号レベルが共にロウであるから、上記F/Fにリセット信号が与えられてQ端子の信号レベルがロウとなり、第1スイッチ15がオフとなる。
【0031】
上述の構成において、第1抵抗器11及び第1検出器13aによって検出される電流よりも第2抵抗器12及び第2検出器14aによって検出される電流を大きくするために、第2抵抗器12の許容電流を第1抵抗器11の許容電流より大きくする。第2抵抗器12の抵抗値は必ずしも第1抵抗器11の抵抗値より小さくする必要がなく、例えばこれらの抵抗器の抵抗値を同一にした場合は、第2抵抗器12の許容損失を第1抵抗器11の許容損失より大きくする。この場合、第1検出器13aに含まれる差動増幅器DA11の増幅度よりも第2検出器14aに含まれる差動増幅器の増幅度を小さくしてダイナミックレンジを揃えることが好ましい。そのようにした場合、第2抵抗器12及び第2検出器14aによる電流の検出感度よりも第1抵抗器11及び第1検出器13aによる電流の検出感度が大きくなる。
【0032】
一方、第1抵抗器11及び第2抵抗器12の許容電力が等しい場合、第2抵抗器12の許容電流を第1抵抗器11の許容電流より大きくするために、第2抵抗器12の抵抗値を第1抵抗器11の抵抗値より小さくする。具体的に、例えば第2抵抗器12の抵抗値を第1抵抗器11の抵抗値の1/10にした場合、第2抵抗器12の許容電流は、第1抵抗器11の許容電流の「10の平方根」倍となる。この場合、第1検出器13aに含まれる差動増幅器DA11の増幅度と第2検出器14aに含まれる差動増幅器の増幅度とを等しくしておけば、夫々の差動増幅器のダイナミックレンジが揃う。
【0033】
以下では、上述の電流検出回路1aの動作をタイミング図によって説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電流検出回路1aにおける各部の動作を説明するためのタイミング図である。図3に示す6つのタイミング図では、何れも同一の時間軸を横軸としてあり、縦軸には、図の上からコンバータ5からの電流、第1抵抗器に流れる電流(ここでは第1抵抗器11の電流という:以下同様)、第2抵抗器12の電流、F/FのQ端子(即ちNORゲート21の出力端子)の信号レベル、第1スイッチ15のオン/オフ状態、及び第2スイッチ16のオン/オフ状態を示してある。
【0034】
コンバータ5からの電流は、第2抵抗器12及び第2スイッチ16の並列回路と第1抵抗器11及び第1スイッチ15の並列回路とを介して負荷6に供給される電流である。ここでは、負荷6に供給される電流が、時刻t10から時刻t12まで直線的に増加し、時刻t12から時刻t14まで直線的に減少し、時刻t14以降に再び増加する場合を例にして説明する。上述の所定電流はI1として図示する。
【0035】
以下の説明では、第1スイッチ15及び第2スイッチ16の作動遅延、第1検出器13a及び第2検出器14aの検出遅延、NORゲート21及び22における伝播遅延、インバータ25における伝播遅延、並びに駆動回路23及び24の作動遅延による影響を無視する。また、第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第2出力端子の信号レベルが変化するときに第1抵抗器11及び第2抵抗器12に流れる電流の偏差による影響も無視する。
【0036】
時刻t10では、第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第2出力端子の信号レベルが共にロウであり、F/Fのリセット端子にリセット信号が与えられ続けて、Q端子の信号レベルがロウ(図ではL)となっている。これにより、第1スイッチ15がオフとなって、コンバータ5からの電流が第1抵抗器11に流れるのに対し、第2スイッチ16がオンとなって、コンバータ5からの電流が第2スイッチ16に流れる。つまり、第2抵抗器12には電流が流れない。
【0037】
時刻t11で第1抵抗器11の電流がI1(所定電流)より大きくなった場合、第1検出器13aの第2出力端子の信号レベルがハイとなるため、F/Fにセット信号が与えられてQバー端子の信号レベルがロウとなる。これにより、第2スイッチ16がオフとなって、コンバータ5からの電流が第2抵抗器12に流れるようになる。この電流は、第2検出器14aの第2出力端子の信号レベルがロウからハイに変化するときの電流であるから、インバータ25の入力端子の信号レベルがハイとなり、F/Fのリセットが解除されてQ端子の信号レベルがハイ(図ではH)となる。このため、第1スイッチ15がオンとなって、コンバータ5からの電流が第1抵抗器11に流れなくなる。その後、第2抵抗器12の電流は、時刻t12で増加から減少に転じる。
【0038】
時刻t13で第2抵抗器12の電流がI1(所定電流)より小さくなった場合、第2検出器14aの第2出力端子の信号レベルがロウとなるため、F/Fにリセット信号が与えられてQ端子及びQバー端子夫々の信号レベルがロウ及びハイとなる。これにより、第1スイッチ15がオフとなり、第2スイッチ16がオンとなって、コンバータ5からの電流が第2抵抗器12には流れずに第1抵抗器11に流れるようになる。この電流は、第1検出器13aの第2出力端子の信号レベルがハイからロウに変化するときの電流であるが、第1検出器13aの第2出力端子は時刻t11からt13までロウを保持しているため、F/Fにセット信号が与えられることはない。その後、第1抵抗器11の電流は、時刻t14で減少から増加に転じる。
【0039】
時刻t15における各部の動作は、時刻t11の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0040】
以上のように本実施の形態1によれば、制御部2aが第1スイッチ15をオフにすると共に第2スイッチ16をオンにして第2抵抗器12の両端を短絡した場合は、第1検出器13aが第1抵抗器11に流れる電流を検出する。制御部2aが第2スイッチ16をオフにすると共に第1スイッチ15をオンにして第1抵抗器11の両端を短絡した場合は、第2検出器14aが第2抵抗器12に流れる電流を検出する。そして、第1検出器13aが検出した電流が所定電流より大きい場合は、制御部2aが第1スイッチ15をオンにすると共に第2スイッチ16をオフにし、第2検出器14aが検出した電流が所定電流より小さい場合は、制御部2aが第1スイッチ15をオフにすると共に第2スイッチ16をオンにする。
これにより、第1抵抗器11及び第2抵抗器12のうち、検出に用いられない抵抗器の両端が短絡される。この場合、第1抵抗器11又は第2抵抗器12を流れる電流が所定電流より大きいか小さいかに応じて、電流の検出に用いられる抵抗器の許容電流の大/小が切り替わる。
従って、検出する電流の大きさに応じて検出のための抵抗器を切り替えることが可能となり、且つ、不要な電圧降下が残留するのを防止することが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態1によれば、第2抵抗器12よりも第1抵抗器11の抵抗値が大きいため、例えば第1抵抗器11及び第2抵抗器12の許容損失の大きさに差がない場合であっても、第1抵抗器11の許容電流より第2抵抗器12の許容電流を大きくすることが可能となる。
【0042】
なお、本実施の形態1にあっては、制御部2aをワイヤードロジック回路を用いて構成したが、これに限定されず、例えば、CPU(Central Processing Unit )を有するマイクロコンピュータを用いて構成してもよい。この場合、CPUが、入力ポートを介して第1検出器13a及び第2検出器14a夫々の第2出力端子から検出結果を取り込み、出力ポートを介して駆動回路23及び24夫々に駆動信号を与えるようにすればよい。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態1が、コンバータ5からの電流が電流検出回路1aを介して負荷6に供給される形態であるのに対し、実施の形態2は、コンバータ5からの電流が電流検出回路1bを介して負荷6及び8に各別に供給される形態である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電源装置の構成例を示すブロック図であり、図5は、本発明の実施の形態2に係る電源装置に含まれる第1検出器13bの構成例を示す回路図である。
【0044】
電源装置は、オルタネータ3の発電電圧を降圧するコンバータ5と、電流検出回路1bと、オルタネータ3の発電電圧を電流検出回路1bにバイパスするc接点を有する第4スイッチ7とを備える。オルタネータ3には、キャパシタ4が並列に接続されている。オルタネータ3は、発電電圧の変更を指示する外部からの指示信号を受け付けて発電電圧を低減するようになっている。
【0045】
電流検出回路1bは、実施の形態1における電流検出回路1aに対し、第1抵抗器11及び第2抵抗器12の一端同士の接続点にその一端が接続された第3スイッチ17を更に備える。第3スイッチ17の他端は、負荷8と鉛蓄電池からなるバッテリ9とに接続されている。第1抵抗器11及び第2抵抗器12夫々の他端は、負荷6及び第4スイッチ7の共通端子に接続されている。これにより、コンバータ5は、第4スイッチ7と第2抵抗器12及び第2スイッチ16の並列回路とを介して負荷6,8及びバッテリ9に電流を供給する。負荷6には、更に第1抵抗器11及び第1スイッチ15の並列回路を介して電流が供給される。負荷6,8及びバッテリ9が外部の負荷に相当する。
【0046】
第4スイッチ7は、上述のとおり共通端子が第2抵抗器12の他端に接続されている。第4スイッチ7の常閉端子は、コンバータ5の出力端子に接続されている。第4スイッチ7の常開端子は、コンバータ5の入力端子に接続されている。
【0047】
制御部2bは、実施の形態1における制御部2aに対し、F/FのQ端子(即ちNORゲート21の出力端子)に一入力端子が接続されたORゲート26と、ORゲート26の出力端子に接続された駆動回路27と、第2検出器14bの第3出力端子に接続された駆動回路28及び指示回路29とを更に備える。ORゲート26の他入力端子は、第1検出器13bの第3出力端子に接続されている。
【0048】
駆動回路27は、ORゲート26の出力端子の信号レベルがハイになったときに、第3スイッチ17をオンにする。
駆動回路28は、第2検出器14bの第3出力端子の信号レベルがハイになったときに、第4スイッチ7を駆動して共通端子を常開端子に接続させる。これにより、オルタネータ3の発電電圧が電流検出回路1bにバイパスされる。
【0049】
指示回路29は、第2検出器14bの第2出力端子の信号レベルがハイになったときに、オルタネータ3に対して該オルタネータ3が発電する電圧を負荷6,8及びバッテリ9に適した電圧に整合させるための指示信号を与える。具体的には、オルタネータ3の標準的な発電電圧が25Vである場合、上記指示信号が与えられたときの発電電圧は14Vとなる。指示信号が与えられてからオルタネータ3の発電電圧が14Vに低下するまでの遅れ時間を考慮して、駆動回路28による第4スイッチ7の駆動の開始を遅らせることが好ましい。
【0050】
図5に移って、第1検出器13bは、差動増幅器DA11の出力電圧及び第2の基準電圧を比較する比較器CP21を備える。比較器CP21の非反転入力端子は、抵抗器R25を介して差動増幅器DA11の出力端子に接続されている。比較器CP21の非反転入力端子及び接地電位の間には、入力ノイズを低減するためのコンデンサC21が接続されている。比較器CP21の反転入力端子は、Vcc(5V)及び接地電位の間に直列に接続された抵抗器R26及びR27の接続点に接続されている。この接続点が、前述の第2の基準電圧を与える。比較器CP21の出力端子が、前述の第3出力端子に相当する。
【0051】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
上述の構成において、第1検出器13bにおける第2の基準電圧を前述の基準電圧より低くしてあり、第1抵抗器11に流れる電流が前述の所定電流より小さい第2の電流以上の場合、第1検出器13bの第3出力端子の信号レベルがハイになる。その結果、ORゲート26の出力端子の信号レベルがハイになるため、駆動回路27が第3スイッチ17をオンにする。この場合、例えば外部のECUから所定の信号が更に取得されたときに第3スイッチ17がオンになるようにしてもよい。第1抵抗器11に流れる電流が第2の電流未満の場合は、第1検出器13bの第3出力端子の信号レベルがロウになるため、駆動回路27が第3スイッチ17をオフにする。
【0053】
より具体的には、第1抵抗器11に流れる電流が第2の電流(例えば10A)以上の場合、オルタネータ3がエンジンの回転に連動して発電しており、オルタネータ3から十分大きい電流が供給されていることが想定される。この場合、第3スイッチ17がオンになってオルタネータ3からの電流の一部が負荷8及びバッテリ9に供給されたとしても、負荷6,8及びバッテリ9に供給すべき電流に不足が生じることがない。第3スイッチ17がオフである間は、バッテリ9から負荷8に電流が供給される。
【0054】
ところで、第1抵抗器11に流れる電流が、上記所定電流より大きくなった場合、実施の形態1で説明したように、F/FがセットされてQ端子(即ちNORゲート21の出力端子)の信号レベルがハイになるため、第1スイッチ15がオンとなって第1抵抗器11に流れる電流が検出されなくなる。この場合であっても、上記Q端子に接続されているORゲート26の一入力端子の信号レベルがハイになっているから、駆動回路27が第3スイッチ17をオンに保持する。
【0055】
一方、第2検出器14bでは、第2の基準電圧を前述の基準電圧より高くしてあり、第2抵抗器12に流れる電流が前述の所定電流より大きい第3の電流以上の場合、第2検出器14bの第3出力端子の信号レベルがハイになる。その結果、指示回路29がオルタネータ3に指示信号を与えると共に、駆動回路28が第4スイッチ7を駆動する。
【0056】
具体的には、第2抵抗器12に流れる電流が第3の電流(例えば50A)以上となった場合、コンバータ5の出力電流が許容電流を超えていると判定される。この場合、先に指示信号を与えられたオルタネータ3の発電電圧が14Vに低下する。そして、駆動回路28によって駆動された第4スイッチ7が共通端子を常開端子に接続することにより、オルタネータ3の発電電圧が電流検出回路1bにバイパスされる。
【0057】
以下では、上述の電源装置の動作をタイミング図によって説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る電源装置における各部の動作を説明するためのタイミング図である。図6に示す8つのタイミング図では、何れも同一の時間軸を横軸としてあり、縦軸には、図の上からコンバータ5の出力電流、第1抵抗器11の電流、第2抵抗器12の電流、F/FのQ端子(即ちNORゲート22の出力端子)の信号レベル、第1スイッチ15のオン/オフ状態、第2スイッチ16のオン/オフ状態、第3スイッチ17のオン/オフ状態、及び第4スイッチ7のオン/オフ状態を示してある。
【0058】
コンバータ5の出力電流は、第4スイッチ7と第2抵抗器12及び第2スイッチ16の並列回路とを通過する電流である。ここでは、負荷6に供給される電流が、時刻t20から時刻t23まで直線的に増加し、時刻t23から時刻t26まで直線的に減少し、時刻t26以降に再び増加する場合を例にして説明する。また、第3スイッチ17がオンになったときに負荷8及びバッテリ9に供給される電流は略一定であるものとする。上述の所定電流、第2の電流及び第3の電流の夫々は、I1、I2及びI3として図示する。第4スイッチ7については、共通端子が常閉端子と接続される状態をオフとし、共通端子が常開端子と接続される状態をオンとして図示する。
【0059】
以下の説明では、第1スイッチ15及び第2スイッチ16の作動遅延、第1検出器13b及び第2検出器14bの検出遅延、NORゲート21及び22における伝播遅延、インバータ25及びORゲート26における伝播遅延、並びに駆動回路23、24及び27の作動遅延による影響を無視する。また、第1検出器13b及び第2検出器14b夫々の第2出力端子の信号レベルが変化するときに第1抵抗器11及び第2抵抗器12に流れる電流の偏差による影響も無視する。
【0060】
時刻t20では、第1検出器13b及び第2検出器14b夫々の第2出力端子の信号レベルが共にロウであり、F/Fのリセット端子にリセット信号が与えられ続けて、Q端子の信号レベルがロウ(図ではL)となっている。これにより、第1スイッチ15がオフとなって、コンバータ5からの電流が第1抵抗器11に流れるのに対し、第2スイッチ16がオンとなって、コンバータ5からの電流が第2スイッチ16に流れる。つまり、第2抵抗器12には電流が流れない。第3スイッチ17及び第4スイッチ7もオフとなっている。
【0061】
時刻t21で第1抵抗器11の電流がI2(第2の電流)以上となった場合、第1検出器13bの第3出力端子の信号レベルがハイとなるため、駆動回路27が第3スイッチ17をオンにする。これにより、コンバータ5の出力電流が負荷6の他に負荷8及びバッテリ9にも供給されるようになるため、コンバータ5の出力電流がその分だけ増加する。
【0062】
時刻t22で第1抵抗器11の電流がI1(所定電流)より大きくなった場合、第1検出器13bの第2出力端子の信号レベルがハイとなるため、F/Fにセット信号が与えられてQバー端子の信号レベルがロウとなる。これにより、第2スイッチ16がオフとなって、コンバータ5の出力電流が第2抵抗器12に流れるようになる。この電流は、第2検出器14bの第2出力端子の信号レベルがロウからハイに変化するときの電流と、既に負荷8及びバッテリ9に供給されている電流とを加えたものであるから、インバータ25の入力端子の信号レベルがハイとなり、F/Fのリセットが解除されてQ端子の信号レベルがハイ(図ではH)となる。このため、第1スイッチ15がオンとなって、コンバータ5からの電流が第1抵抗器11に流れなくなる。その後、第2抵抗器12の電流は、時刻t23で増加から減少に転じる。
【0063】
時刻t24で第2抵抗器12の電流がI1(所定電流)より小さくなった場合、第2検出器14bの第2出力端子の信号レベルがロウとなるため、F/Fにリセット信号が与えられてQ端子及びQバー端子夫々の信号レベルがロウ及びハイとなる。この場合、ORゲート26の一入力端子及び他入力端子の信号レベルが共にロウとなり、駆動回路27によって第3スイッチ17が一旦オフになる。更に、駆動回路23によって第1スイッチ15がオフとなり、第2スイッチ16がオンとなって、コンバータ5からの電流が第2抵抗器12には流れずに第1抵抗器11に流れるようになる。このときに第1抵抗器11に流れる電流は、第1検出器13bの第2出力端子の信号レベルがハイからロウに変化するときの電流から、それまで負荷8及びバッテリ9に供給されていた電流を減じたものであるから、第1検出器13bの第2出力端子はロウを維持し続け、F/Fにセット信号が与えられることはない。
【0064】
一方、本実施の形態2では、時刻t24で第1抵抗器11に流れる電流が、I2を上回っているから、第1検出器13bの第3出力端子の信号レベルがロウからハイに変化する。これにより、ORゲート26の他入力端子の信号レベルがハイとなり、駆動回路27によって第3スイッチ17がオンになる。つまり、時刻t24では、第3スイッチ17が一瞬オフになった後に再びオンになる可能性があるが、このばたつきが特に問題になることはない。必要であれば、駆動回路27の作動遅延を適当に大きくして第3スイッチ17のばたつきを防止すればよい。
【0065】
時刻t25で第1抵抗器11の電流がI2未満となった場合、第1検出器13bの第3出力端子の信号レベルがロウとなるため、駆動回路27が第3スイッチ17をオフにする。これにより、コンバータ5の出力電流が負荷8及びバッテリ9に供給されなくなるため、コンバータ5の出力電流がその分だけ減少する。その後、第1抵抗器11の電流は、時刻t26で減少から増加に転じる。
【0066】
時刻t27における各部の動作は、時刻t21の場合と同じであり、時刻t28における各部の動作は、時刻t22の場合と同じであるため、その説明を省略する。
【0067】
時刻t29で第2抵抗器12の電流がI3(第3の電流)以上となった場合、第2検出器14bの第3出力端子の信号レベルがハイとなるため、指示回路29からオルタネータ3に発電電圧の低減を指示する指示信号が与えられ、更に駆動回路28によって第4スイッチ7がオンになる。これにより、14Vに低下したオルタネータ3の発電電圧が電流検出回路1bにバイパスされ、コンバータ5の出力電流が0(ゼロ)となって過電流が防止される。
【0068】
以上のように本実施の形態2によれば、第2抵抗器12と一端同士が接続された第1抵抗器11の一端から他端に流れる電流が、I1(所定電流)より小さいI2(第2の電流)以上の場合、制御部2bが、第1抵抗器11と一端同士が接続された第3スイッチ17をオンにする。ここでは、第2抵抗器12の他端に第4スイッチ7を介してコンバータ5が接続され、第1抵抗器11の他端に負荷6が接続され、更に第3スイッチ17の他端に負荷8及びバッテリ9が接続されている。
従って、第1抵抗器11を介して負荷6に流れる電流が第2の電流以上である場合、コンバータ5の容量に余裕があるものと推定して、負荷8及びバッテリ9にもコンバータ5からの電流を供給することが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態2によれば、第2検出器14bが検出した電流がI1(所定電流)より大きいI3(第3の電流)以上の場合、制御部2bが、オルタネータ3の発電電圧を負荷6,8及びバッテリ9に整合させて14Vに低減させると共に、第4スイッチ7によってオルタネータ3の発電電圧を電流検出回路1bにバイパスする。
従って、コンバータ5の出力電流がコンバータ5の許容出力電流を超える場合、オルタネータ3の発電電圧を、コンバータ5を介さずに負荷6,8及びバッテリ9に供給することが可能となる。
【0070】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1a、1b 電流検出回路
11 第1抵抗器
12 第2抵抗器
13a、13b 第1検出器
14a、14b 第2検出器
15 第1スイッチ
16 第2スイッチ
17 第3スイッチ
2a、2b 制御部
23、24、27、28 駆動回路
3 オルタネータ
4 キャパシタ
5 DC/DCコンバータ
6、8 負荷
7 第4スイッチ
9 バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6