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特開2015-1418種卵の検査装置、検査システム及び検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-1418(P2015-1418A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】種卵の検査装置、検査システム及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/49 20060101AFI20141202BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20141202BHJP
【FI】
   G01N21/49 Z
   G01N21/01 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-125303(P2013-125303)
(22)【出願日】2013年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 邦男
(72)【発明者】
【氏名】安田 健治
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB12
2G059EE01
2G059FF04
2G059GG03
2G059GG07
2G059KK03
2G059MM01
2G059MM10
2G059NN05
(57)【要約】
【課題】種卵の検査を正確且つ短時間で行う。
【解決手段】
種卵の検査装置は、二次元的に所定の位置に配置されている複数の発光部と、前記発光部と一対一の関係で設けられており、対応する発光部からの光を受光する受光部と、各発光部及びこれに対応する受光部の間に種卵を整列しておくための卵収容器とを備え、各発光部からの前記光のうち種卵の内部を透過した透過光を前記受光部が受光することにより、それぞれの種卵を検査する。この検査装置では、前記複数の発光部において、一つの前記発光部が発光しているときに、該一つの発光部を中心とした所定範囲の内にある他の前記発光部は発光しない。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元的に所定の位置に配置されている複数の発光部と、前記発光部と一対一の関係で設けられており、対応する発光部からの光を受光する受光部と、各発光部及びこれに対応する受光部の間に種卵を整列しておくための卵収容器とを備え、各発光部からの前記光のうち種卵の内部を透過した透過光を前記受光部が受光することにより、それぞれの種卵を検査する種卵の検査装置であって、
前記複数の発光部において、一の前記発光部が発光しているときに、該一の発光部を中心とした所定範囲の内にある他の前記発光部は発光しない種卵の検査装置。
【請求項2】
各受光部は、前記種卵の内部の生体活動に関して時間的に変化する前記透過光を受光する、請求項1に記載の種卵の検査装置。
【請求項3】
各発光部は、一の種卵の検査に対して周期的に多数回の発光をする、請求項1又は2に記載の種卵の検査装置。
【請求項4】
前記一の発光部が発光しているときに、該一の発光部を中心とした前記所定範囲の外にある他の少なくとも一の前記発光部が発光する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の種卵の検査装置。
【請求項5】
前記複数の発光部と前記複数の受光部とは、それぞれ、一対一の関係で複数の検査ユニットを構成し、
前記複数の種卵は、一度の検査で検査される一の検査単位を構成し、
前記複数の検査ユニットは、前記一の検査単位の複数の種卵に対して一対一の関係で設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の検査装置を含む、検査システム。
【請求項7】
二次元的に所定の位置に配置されている複数の発光部と、各発光部からの光を受光する受光部と、各発光部及びこれに対応する受光部の間に種卵を整列しておくための卵収容器とを備える検査装置を用いた種卵の検査方法であって、
前記複数の発光部において、一の前記発光部が発光しているときに、該一の発光部を中心とした所定範囲の内にある他の前記発光部は発光しないこと、
各発光部からの前記光のうち種卵の内部を透過した透過光を前記受光部が受光すること、
前記受光部が受光した光から種卵を検査することを含む、種卵の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的手段による種卵の検査に関し、より詳細には、光学的手段により多数の種卵を効率的に検査する検査装置、検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鳥類の卵は、食用として用いられる食卵と、雛の生産やワクチンの生産等に用いられる種卵とに大別される。これらは、その目的に応じて様々な処理及び検査が行われる。たとえば、食卵は、食卓に並ぶ前に、外殻を洗浄処理され、外殻のヒビの有無、内部の状況を検査された後にパックに詰められて市場に流通する。また、種卵は、所定の温度、湿度等の環境下で孵化され、孵化の途中では、種卵の内部における胚の活動状況、すなわち生死等を判定するような検査をされる。
【0003】
このような種卵の検査では、大量の種卵を効率的に検査するべく、種々の検査装置が開発されている。そのような検査装置には、種卵に光を照射し、種卵を透過した光から、種卵の生死を検査するものがある。そのような検査装置は、複数の発光部と、各発光部に対して一対一の関係で設けられ、対応する発光部からの光を受光する受光部とを備える。検査では、発光部と受光部との間に種卵が配置され、発光部からの光が種卵を透過して受光部に受けられる。この受光部に受けられた光を分析することにより、種卵の内部の状態を知ることができる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の検査装置では、種卵は内部の胚が成長することにより透過する光の量(透過量)が減少することを利用し、種卵の生死を検査する。すなわち、この検査装置では、光の透過量が特定の閾値より大きい種卵を死亡した種卵と判断する。この種卵の検査装置では、複数行×複数列に整列された種卵に対して、1行に並べられた複数の発光部が、列方向に移動して、行ごとに種卵を検査している。
【0005】
また、種卵に光を照射し、種卵を透過した光から種卵の活動状況を検査する検査装置もある(たとえば、特許文献2)。この検査装置では、種卵内部の胚の心拍や胎動といった生体活動に関連して、種卵を通過する光が時間的に変化することを利用し、種卵の活動状況を検査できる。
【0006】
この検査装置では、胚の心拍や胎動といった微少な変化に基づいて種卵を検査するため、特定の閾値に対して光の透過量を比較するよりも、精度の高い光の検出が要求される。また、この種卵の検査装置では、複数行×複数列に整列された種卵に対して、種卵と同数の発光部及び受光部を設け、種卵を一度に検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2001−509895
【特許文献2】特開2011−106892
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2に記載の種卵の検査装置は、複数の種卵を同時に検査するため、複数の発光部が同時に発光する。これにより、一の発光部に対応して、該一の発光部の光を受光する一の受光部が他の発光部の光を受けてしまうといった問題があった。
【0009】
また、特許文献1に記載の種卵の検査装置は、1行に配置された発光部を順次発光させるため、一の発光部が発光しているときに、他の発光部は発光しない。したがって、一の発光部に対応する一の受光部は、1行に配置された他の受光部からの影響を受けない。しかし、この検査装置は、列方向に発光部を配置すること、すなわち二次元的に発光部を配置することについては何ら考慮していない。
【0010】
また、この検査装置では、複数行×複数列に整列された種卵が、1行に配置された発光部が列方向に相対的に移動することで検査されている。したがって、種卵または複数の発光部を機械的に他数回に渡って移動させる必要があるため、検査時間が長くなるといった問題があった。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたもので、その目的は、種卵の検査を正確且つ短時間で行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る種卵の検査装置は、二次元的に所定の位置に配置されている複数の発光部と、前記発光部と一対一の関係で設けられており、対応する発光部からの光を受光する受光部と、各発光部及びこれに対応する受光部の間に種卵を整列しておくための卵収容器とを備え、各発光部からの前記光のうち種卵の内部を透過した透過光を前記受光部が受光することにより、それぞれの種卵を検査する。
【0013】
前記検査装置では、前記複数の発光部において、一つの前記発光部が発光しているときに、該一つの発光部を中心とした所定範囲の内にある他の前記発光部は発光しない。
【0014】
この種卵の検査装置によれば、二次元的、すなわち、第1の方向及び第1の方向に交差する第2の方向に複数の発光部が配置されている。これら発光部は、検査のために整列される複数の種卵に対応して設けられている。発光部からの光は、対応する種卵を透過し、対応する受光部に受光される。種卵を透過した光は、種卵の内部の胚の情報を有し、受光部が受光した光を分析することにより、種卵を検査することができる。
【0015】
本発明に係る種卵の検査装置では、発光部が二次元的に配置されているため、二次元的に整列された多数の種卵が一度に検査される。これにより、検査を短時間で行うことができる。さらに、二次元的に配置された複数の発光部において、一つの発光部が発光している際には、所定範囲の内にある他の発光部は発光しない。これにより、一つの発光部に対応する受光部が、他の発光部の発光による影響を受けずに、対応する一の発光部の光を受光することができる。したがって、種卵の検査を正確に行うことができる。
【0016】
また、各受光部は、前記種卵の内部の生体情報に関連して時間的に変化する前記透過光を受光してもよい。
【0017】
生体情報は、種卵の内部の胚の心拍や胎動を含む。したがって、受光部が受光する透過光は、胚の心拍や胎動による非常に微少な変化を有する。この種卵の検査装置は、この微少な変化から種卵を検査するため、受光部はノイズの影響を受けやすい。しかし、この種卵の検査装置によれば、一つの受光部が、これに対応する一の発光部を中心とした所定範囲の内の他の発光部からの光を受ないため、微少な変化の光からも正確な検査することができる。
【0018】
また、各発光部は、一つの種卵の検査に対して周期的に多数回の発光をしてもよい。
【0019】
この種卵の検査装置では、各発光部が周期的に多数回の発光をするため、ノイズの除去が容易になる。したがって、この種卵の検査装置によれば一つの発光部に対応する一つの受光部が、たとえば、所定範囲外の他の発光部からの光をノイズとして受けても、正確に検査することができる。
【0020】
また、前記一つの発光部が発光しているときに、該一つの発光部を中心とした所定範囲の外にある他の少なくとも一つの前記発光部が発光してもよい。
【0021】
この種卵の検査装置によれば、前記一つの発光部を中心にした所定の範囲外の少なくとも他の一つの発光部は、一つの発光部が発光しているときに発光する。これにより、少なくとも2つ以上の種卵を、重複したタイミングで検査できるため、複数の種卵の検査時間を短縮することができる。したがって、この検査装置は、各種卵の検査を正確かつ短時間で行うことができる。
【0022】
さらに、一つの前記発光部と一つの前記受光部とは、一つの検査ユニットを構成し、複数の検査ユニットは、同数の種卵を一つの検査単位として、一つの検査単位の複数の種卵に対して一対一の関係で設けられている。
【0023】
この種卵の検査装置によれば、一つの検査単位の複数の種卵とし、複数の種卵と同数の検査ユニットが設けられているため、各種卵を各検査ユニットが検査する。これにより、一つの検査単位を一度に検査することができる。したがって、一つの検査単位において、検査ユニット又は種卵を相対的に移動させる必要がないため、検査時間を短縮することができる。
【0024】
本発明に係る種卵の検査システムは、上記のような検査装置を含む。
【0025】
本発明に係る種卵の検査方法には、二次元的に所定の位置に配置されている複数の発光部と、各発光部からの光を受光する受光部と、各発光部及びこれに対応する受光部の間に種卵を整列しておくための卵収容器とを備える検査装置を用いる。
【0026】
前記検査方法は、前記複数の発光部において、一つの前記発光部が発光しているときに、該一つの発光部を中心とした所定範囲の内にある他の前記発光部は発光しないこと、各発光部からの前記光のうち種卵の内部を通過した透過光を前記受光部が受光すること、前記受光部が受光した光から種卵を検査することを含む。
【0027】
この検査方法によれば、検査装置の複数の発光部が、二次元的、すなわち、第1の方向及び第1の方向に交差する第2の方向に配置されている。これら発光部は、検査のために二次元的に整列される複数の種卵に対応して設けられている。発光部からの光は、対応する種卵を透過し、対応する受光部に受光される。種卵を透過した光は、種卵の内部の胚の生体活動に関する情報を有し、受光部が受光した光を分析することにより、種卵を検査することができる。
【0028】
本発明に係る種卵の検査方法では、発光部が二次元的に配置されているため、二次元的に整列された多数の種卵が一度に検査される。これにより、検査を短時間で行うことができる。さらに、二次元的に配置された複数の発光部において、一つの発光部が発光している際には、所定範囲の内にある他の発光部は発光しない。これにより、一つの発光部に対応する受光部が、他の発光部の発光による影響を受けずに、対応する一の発光部の光を受光することができる。したがって、種卵の検査を正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、複数の種卵の検査において、種卵の検査を正確且つ短時間で行うことを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態に係る種卵の検査装置を備える検査システムの概略を示す概略図である。
図2図1の検査システムの概観を示す斜視図である。
図3図2に示す卵収容器を示す平面図である。
図4図2に示す検査装置を示す正面図である。
図5図2に示す検査装置の検査装置本体に卵収容器が搬入された状態を示す正面図である。
図6図4に示す制御部の検査制御装置を示す構成図である。
図7】本発明の実施の形態に係る検査装置の複数の発光部の第1の点灯パターンを説明するための概念図である。
図8】本発明の実施の形態に係る検査装置の複数の発光部の第2の点灯パターンを説明するための概念図である。
図9】本発明の実施の形態に係る検査装置の複数の発光部の第3の点灯パターンを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態に係る種卵の検査装置及び検査方法について説明する。以下の説明では、鶏の雛の生産、ワクチンの生産等に用いられる種卵を検査する検査装置及び検査方法について、好適な実施形態を、図面を用いて説明する。しかし、本発明に係る検査装置及び検査方法は、鶏の雛以外の他の種卵の検査にも利用することができる。
【0032】
鶏の種卵は、一般に、産卵されてから21日後に孵化する。その間、そのような種卵は、孵化途中卵ともよばれ、種卵の内部では日齢に応じて胚が成長する。本実施の形態の説明において、たとえば、産卵されてから10日目、すなわち日齢10日の種卵内部の胚を10日胚という。
【0033】
種卵には、雛の生産のほか、ワクチンの生産に用いるものもある。その様なワクチン生産用の種卵は、11日胚又は12日胚にウィルスを接種し、2〜3日間加温した後に増殖したウィルスを含む培養液の回収に利用される。種卵は、一般に、日齢の経過に応じて、胚が成長し、光の透過性が悪くなる。
【0034】
本発明の実施の形態にかかる検査システム1は、そのような種卵の検査に用いられる。検査システムSは、図1及び図2に示すように、検査対象の種卵Eが収容された卵収容器Tを種卵の検査システムSの前工程から受ける搬入装置2と、搬入装置2から卵収容器Tを受け、卵収容器Tに収容された種卵Eを検査する検査装置1と、検査装置1から卵収容器Tを受け、卵収容器Tを次工程へ送り出す搬出装置3とを備える。搬出装置3では、検査装置1の検査によって除去されるべきと判定された種卵Eを卵収容器Tから自動で機械的に排除する、従来よく知られた、排除機構を設けてもよい。
【0035】
卵収容器Tは、矢印aに示すように、搬入装置2から検査装置1へ搬送され、検査後に矢印bに示すように、検査装置1から搬出装置3へ搬送される。検査装置1は、1つの卵収容器Tに収容された複数の卵を一の検査単位として検査する。すなわち、1つの卵収容器Tに収容された複数の種卵Eは、検査単位ごとに搬送及び検査される。検査の際には、卵収容器Tは検査装置1の中で停止し、これにより多数の種卵Eは、所定の検査位置に整列された状態におかれる。
【0036】
卵収容器Tは、二次元的にm行×n列(m、nは自然数)に設けられた卵座T1を備え、卵座T1に種卵を充填されることで、種卵Eを収容される。本実施の形態において、各種卵Eは、その鋭端を下方に、鈍端を上方に向けた状態で卵座T1に充填され、図3に示すように、卵収容器Tに6行×7列で収容される。種卵Eの卵収容器Tはセッタートレイと一般的に称され、図3の例では、各行の卵座T1がオフセットされて、6行×7列で複数の卵座が設けられている。セッタートレイには、図3に示す他に、卵座が、オフセットされずに、格子状に設けられているものもある。
【0037】
また、本実施の形態において、種卵Eは、鋭端を下方に向けた状態で収容されるが、種卵を検査できれば、いずれの方向に向いて卵座T1に充填されてもよい。また、卵収容器Tは、検査装置1により検査が可能であれば他の容器等であってもよい。
【0038】
各卵座T1は、種卵の形状に適合して側方から種卵を支持するための枠部T2に、種卵Eを下方から支持するための複数の突起部T3が形成され、種卵Eを側方及び下方から保持する。各卵座T1は、下方からの光に対し、枠部T2及び突起部T3以外の部分から光を通過させる。枠部T2は種卵Eを側方から保持し、突起部T3は種卵Eに対して突起が小さいため、下方から種卵に向かう光は、略阻害されることなく、種卵に照射される。
【0039】
検査装置1は、図4に示すように、卵収容器Tが搬送される搬送路Rを有する検査装置本体10を備える。検査装置本体10は、種卵Eに向けて下方から光を照射する複数の発光部12と、種卵Eを透過した光のみを通過させるべく、対応する種卵Eに接して収縮するキャップ14を含む多数の光通過部16と、各光通過部16を通過した光を受光する受光部18と、搬入装置2から卵収容器Tを受けて所定の位置に種卵を搬送する搬送部(図示しない)と、検査装置1を制御する制御部20とを備える。
【0040】
また、検査装置1は、上部10Aと下部10Bと備え、複数の受光部18及び複数の光通過部16は、検査装置本体10の上部10Aに固定されて設けられており、複数の発光部12は、検査装置本体10の下部10Bに固定されて設けられている。前記搬送部は、下部10Bに設けられ、上部10Aと下部10Bとの間に、卵収容器Tが搬送される搬送路Rを形成する。
【0041】
一の発光部12と、これに対応する光通過部16及び受光部18とは、一対一の関係で設けられており、一組の検査ユニットを構成する。一の検査ユニットは、所定の検査位置に置かれた一の種卵に対応するように設けられている。本実施の形態において、6行×7列に整列される42個の種卵に対応して、6行×7列で42個の検査ユニットが二次元的に設けられている。図4及び図5の例では、説明を簡単にするために、4つの検査ユニットのみが示されている。
【0042】
検査装置1では、検査装置本体10の上部10Aと下部10Bとは、検査の際に光通過部16のキャップ14を種卵に接触させるべく、垂直方向に相対的に移動可能である。一方、各検査ユニットが各種卵に対応するように一対一の関係で設けているため、水平方向に相対的に移動不能である。本実施の形態において、図5に示すように、検査装置本体10の上部10Aは、下部10Bに対して、矢印cの方向に移動できる。
【0043】
また、検査装置1の前記搬送部は、各種卵が対応する光通過部16に接触できる所定の検査位置まで卵収容器Tを搬送する。前記搬送部は、発光部12からの光を阻害しないように卵収容器Tに係合して卵収容器Tを搬送する、従来よく知られた、トレイコンベアである。
【0044】
種卵Eが収容された卵収容器Tが前記搬送部により検査装置1に搬入された状態で検査装置本体10の上部10Aが降下し、光通過部16のキャップ14の開口を種卵Eに接触させた状態となる。この状態で、各光通過部16は、自身の内部を通過する光を、それ以外の他の光から遮蔽するように構成されている。各受光部18は、発光部12から照射された光のうち、対応する光通過部16を通過した光のみを受光することができる。
【0045】
しかし、一の種卵Eは、対応して設けられた一の発光部12からの光の他に、他の発光部12からの光を透過させる。これにより、一の種卵および一の発光部に対応する一の受光部18は、一の光通過部16を通して他の発光部12からの光も受光してしまう場合がある。一の受光部18は、一の発光部12からの光に基づいて種卵の検査を行うため、他の発光部12からの光を受光すると、正確な検査が阻害されることがある。特に、胚の成長が進んでいない種卵は透過性が良いため、そのような種卵が他の発光部12に対応して検査される場合には、一の受光部18への影響は大きくなる。
【0046】
制御部20は、検査される種卵Eごと、すなわち複数の検査ユニットに一対一の関係で設けられた複数の検査制御装置22を備える。各検査制御装置22は、図6に示すように、特開2011−106892の種卵検査装置と同様に、光電変換部24、判定演算部26、記憶部(メモリ)28、表示部(表示器)30、光量制御部32、点灯消灯スイッチ34を少なくとも備える。
【0047】
光量制御部32と点灯消灯スイッチ34とは、対応する発光部12に接続されており、発光部12の点灯、消灯、光量を制御する。これにより、各検査制御装置22により、種卵Eが所定の検査位置に整列した状態で、点灯消灯スイッチ34が発光部12を点灯(発光)させ、光量制御部32が発光部12を制御して光量を調整し、検査終了後に点灯消灯スイッチ34が発光部12を消灯させることができる。
【0048】
点灯消灯スイッチ32は、周期的に他数回スイッチングされることで、周期的に他数回、発光部12を発光させることができる。したがって、光量制御部32と点灯消灯スイッチ34とを制御することにより、発光部12の発光が所望の周期及び強度の矩形波形となるように、発光部12を発光させることができる。また、光量制御部32は、従来よく知られる電子回路により、所望の波形(たとえば、三角波形、正弦波形等)で発光部12を発光させるようにしてもよい。
【0049】
光電変換部24は、対応する受光部18に接続されており、受光部18が受光した光を電気信号に変換する。判定演算部26は、マイクロコンピュータのような演算装置を備え、光電変換部24に接続されており、光電変換された電気信号の分析を行い、種卵の活性度を検査する。
【0050】
種卵の活性度には、種卵内部の胚が、生存しているか、死亡しているか、その他に生存している場合に、どの程度活動的かといった情報(たとえば、死亡はしていないが死にかけている情報)を含む。したがって、活性度に基づいて、種卵の生死を検査してもよいし、種卵の活動的な度合いを判断することもできる。
【0051】
また、判定演算部26は、光量制御部32に接続されており光量制御部32を制御する。記憶部28は、判定部24に接続されており、判定のための情報を適宜記憶する。表示部30は、判定演算部26に接続されており、判定結果等を表示する。
【0052】
発光部12から照射された光は、種卵Eを透過して受光部18に受光されるため、種卵Eの内部の生体活動に関する情報を有する。生体活動に関する情報は、心拍や胎動等の数秒間の間に時間的に変化する情報を含む。光電変換部24は、受光部18に受光された光を電気信号に変換する。
【0053】
したがって、この電気信号は、種卵内部の生体活動に関する情報を有する。たとえば、種卵の内部の胚が心拍すれば、透過光は、心拍に応じて光量が微少に変動し、これを受けた受光部の電気信号は、電気量の微少な変動を生じる。したがって、判定演算部26は、これら微少な変動を分析し、生体活動に関する情報を取得することができる。
【0054】
判定演算部26は、光電変換された電気信号を取得し、種卵の生体活動に関する情報から種卵の活性度を検査する。この活性度の判断は、受光部18が受けた光を光電変換した電気信号から、特開2011−10689又は特開平9−127096に記載のように、種卵Eの内部の胚の心拍、胎動等の生体活動に関連して時間的に変化する生体情報に基づいて行われる。
【0055】
なお、特開平9−127096に記載のように、少なくとも日齢が8日以降であれば、心拍、胎動を検出することができる。また、判定演算部26は、検査により活性度を明確に判定できない場合に、活性度を不明と判定することもできる。このとき、記憶部28は、判定演算部26の受けた電気信号の情報、判定結果の情報等を記憶する。表示部30は、判定演算部26が行った活性度の検査結果を表示する。
【0056】
光量制御部32は、特開2011−10689に記載の検査装置と同様に、対応する受光部18が受光する光量、すなわち対応する種卵Eを透過する光量に応じて、各種卵に適した光源光量となるように発光部12を制御する。しかし、光量が制御されないときは、各発光部12は、相互に同一の光量で発光してもよい。また、判定演算部26は、種卵の内部の胚の情報として、種卵を透過する光量、すなわち種卵Eの透過性の情報によっても種卵の生死を検査できる。たとえば、透過光量が著しく大きい種卵Eは、胚が発生しておらず無精卵、すなわち、生死検査では死亡と判定できる(特表2001−509895号公報を参照)。
【0057】
次に、検査制御部20の制御内容について説明する。検査制御部20は各検査制御装置22を統括して制御し、各検査制御装置22は、1つの種卵を検査するように1つの検査ユニットを制御する。したがって、検査装置1は、各種卵Eに対して、対応する各発光部12又は各受光部18を独立して制御することができる。
【0058】
検査に先駆けて、複数の種卵Eは所定の検査位置に整列しておかれ、対応する光通過部16が種卵Eに接触する。これにより、種卵Eを検査できる状態となる(図5参照)。検査制御部20は、種卵Eを検査できる状態になったことを確認する。この状態で、一の検査制御装置22が、自身に接続された発光部12を発光させる。発光部12から発せられた光は、種卵Eを透過した透過光として受光部18に受けられる。透過光を受けた受光部18は、透過光が有する情報に基づいて種卵Eの活性度を検査する。
【0059】
本実施の形態において、各検査制御装置22は、1つの種卵Eの検査に対して周期的に多数回の発光をする。この発光は、たとえば、従来よく知られたシャノン−染谷のサンプリング定理により胚の心拍を有効な情報として取得できる程度に調整される(特開2011−106892号公報を参照)。
【0060】
種卵の検査装置1は、周期的な多数回の発光により種卵を検査する。これにより、一の発光部12に対応する一の受光部18が受ける他の発光部18の発光の影響を、電子的手段で、ある程度除去することもできる。しかし、一の種卵の検査に対して、周期的に変化しない発光、すなわち単純な1ステップの矩形波の発光で検査してもよい。
【0061】
受光部18は、胚の心拍を測定するため、非常に微少な光の変化を検出する。特開2001−509895号公報に記載の検査装置のような光の透過量を測定する場合に比較して、一般的に、胚の心拍を測定する光の変化は非常に小さい。
【0062】
次に、複数の発光部12の点灯パターンについて、図7図8を用いて説明する。図7図8は、本実施の形態における卵座のオフセットされた卵収容器Tに対応して、オフセットされて配置された発光部12を概念的に示す。発光部12は、6行×7列で42個の卵座T1を備える卵収容器Tに対応して、同様に、6行×7列で42個設けられている。
【0063】
図7図8では、各発光部を識別するためにa1〜n3の符号をふり、その下の( )の中の数字は点灯順序を示す。例えば、a1の下に(1)、b1の下に(2)と記載されている場合、最初にa1が発光し、次いでb1が発光する。a1の下に(1)、h1の下に(1)と記載されている場合は、a1とh1とが同期して発光することを示す。
【0064】
また、本実施の形態において、各検査制御装置が、対応する種卵を独立して検査するように発光部12及び受光部18を制御できる。したがって、検査装置1は、たとえば、次に示す3種類の点灯パターンで複数の発光部12を発光させることができる。
【0065】
第1の点灯パターンとして、一の発光部12が発光しているときに、一の発光部12を中心とした所定範囲の内にある他の発光部12は発光しないように各検査制御装置22を制御する。すなわち、一の発光部12が点灯していときに、前記所定範囲の内にある他の発光部12は消灯する。
【0066】
第1の点灯パターンでは、図7に示すように、発光部12は、a1、b1、c1・・・l3、m3、n3の順に順次発光する。したがって、a1が発光しているときに、a1以外のb1〜n3の他の発光部12は発光しない。同様にa2が発光しているときに、a2以外のa1〜g1、b2〜n3の他の発光部12は発光しない。本点灯パターンにおいて、卵収容器Tの中で、1つの発光部12のみが発光するため、前記所定範囲は、卵収容器Tの略外縁となる。
【0067】
一の発光部12が発光しているときに前記所定範囲の内にある他の発光部12が消灯することにより、前記所定範囲の内の他の発光部12の光が、一の発光部12に対応する受光部18へ影響を与えない。したがって、検査装置1によれば、種卵の検査を正確に行うことができる。
【0068】
本実施の形態において、各発光部12は周期的に多数回の発光をするため、上記a1〜n3が順に1回発光するのを1サイクルとして、42個の発光部12は、周期的に多数サイクルの発光をする。したがって、一の検査単位の複数の種卵Eは、略同時に(a1とn3とが1サイクルだけずれて)検査が終了する。しかし、各発光部12の多数回の発光を1サイクルとして、各発光部が1サイクル終了するごとに、次の発光部が1サイクル発光するようにしてもよい。このようにすると、検査が種卵ごとに順次終了する。
【0069】
第2の点灯パターンとして、一の発光部12が発光しているときに所定範囲の内にある他の発光部12は発光せずに、所定範囲の外にある一の他の発光部12が発光するように各検査制御装置22を制御する。すなわち、一の発光部12が点灯していときに、前記所定範囲の内にある他の発光部12は消灯し、前記所定範囲の外になる他の発光部12は点灯する。第2の点灯パターンでは、2つの発光部が重複して発光する。
【0070】
第2の点灯パターンでは、図8に示すように、42個の発光部12において、図の略左半分に配置された21個の発光部12が、a1、b1、c1・・・e3、f3、g3の順で順次発光し、これに同期して、図の略右半分に配置された21個の発光部12が、h1〜n1、h2〜n2、h3〜n3の順で発光する。すなわち、a1とh1が同期して発光(点灯)し、このとき、その他の発光部12は発光しない(消灯する)。次いで、同様に、b1とi1と、c1とjと・・・f3とm3と、g3とn3とが、それぞれ、同期して順次発光する。
【0071】
本点灯パターンにおいて、前記所定範囲は、中心となる一の発光部から2つ離れた発光部となる。たとえば、a1から3つ離れたh1は、所定範囲の外になるため、a1に同期して発光する。なお、同期とは、同期した発光部が、少なくともいずれかのタイミングで同時に発光し、かつ発光波形の位相を相互に同じにすることをいう。
【0072】
この点灯パターンによれば、一の発光部が発光しているときに前記所定範囲の内にある他の発光部は消灯することにより、前記所定範囲の内の他の発光部の光が、一の発光部に対応する受光部へ影響を与えない。且つ、所定の範囲外の発光部が一の発光部に同期して発光するため、2つの種卵が同時に検査され、検査の処理時間が短縮される。なお、前記所定範囲外の他の発光部は、中心とされる一の発光部から離れているため、一の発光部に対応する一の受光部への影響は、検査において無視できる程度に小さい。
【0073】
本実施の形態において、各発光部12は周期的に多数回の発光をするため、上記a1〜g3及びこれらに同期してh1〜n3が順に1回発光するのを1サイクルとして、21個の発光部12は、周期的に多数サイクルの発光をする。したがって、一の検査単位の複数の種卵Eは、略同時に(a1とg3とが1サイクルだけずれて)検査が終了する。しかし、各発光部12の多数回の発光を1サイクルとして、各発光部が1サイクル終了するごとに、次の発光部が1サイクル発光するようにしてもよい。このようにすると、各種卵の検査が順次終了する。
【0074】
第3の点灯パターンとして、一の発光部12が発光しているときに所定範囲の内にある他の発光部12は発光せずに、所定範囲の外にある複数の他の発光部12は発光するように各検査制御装置22を制御する。すなわち、一の発光部12が点灯していときに、前記所定範囲の内にある他の発光部12は消灯し、前記所定範囲の外になる複数の他の発光部12は点灯する。第3の点灯パターンでは、最大で4つの発光部が重複して発光する。
【0075】
第3の点灯パターンでは、図9に示すように、42個の発光部12において、図の略左半分且つ略上半分に配置された9個の発光部が、a1、b1、c1、a2、b2、c2、a3,b3、c3の順で順次発光し、これに同期して、図の略左半分且つ略下半分に配置された9個の発光部12がd1、e1、f1、d2、e2、f2、d3、e3、f3の順で、図の略右半分且つ略上半分に配置された9個の発光部12が、h1、i1、j1、h2、i2、j2、h3、i3、j3の順で、図の略右半分且つ略下半分に配置された9個の発光部12が、k1、l1、m1、k2、l2、m2、k3、l3、m3の順で発光する。これらの発光の後に、g1とn1とが同期して、g2とn2とが同期して、g3とn3が同期して、順に発光する。
【0076】
本点灯パターンにおいて、前記所定の範囲は、中心となる一の発光部12から2つ離れた発光部となる。たとえば、a1から右方向に3つ離れたh1と、a1から下方向に3つ離れたd1と、a1から右斜め下に3つ程度離れたk1は、所定範囲の外になるため、a1に同期して発光する。なお、同期とは、同期した発光部が、少なくともいずれかのタイミングで同時に発光し、かつ発光波形の位相を相互に同じにすることをいう。
【0077】
この点灯パターンによれば、一の発光部が発光しているときに前記所定範囲の内にある他の発光部は消灯することにより、前記所定範囲の内の他の発光部の光が、一の発光部に対応する受光部へ影響を与えない。且つ、所定の範囲外の発光部が一の発光部に同期して発光するため、最大で4つの種卵が同時に検査され、検査の処理時間が大幅に短縮される。なお、前記所定範囲外の他の発光部は、中心とされる一の発光部から離れているため、一の発光部に対応する一の受光部への影響は、検査において無視できる程度に小さい。
【0078】
本実施の形態において、各発光部12は周期的に多数回の発光をするため、上記a1〜c3及びこれらに同期してd1〜f3,h1〜j3,k1〜m3が1回発光し、その後にg1〜g3とn1〜n3とが同期して、順に1回発光するのを1サイクルとして、複数の発光部12は、周期的に多数サイクルの発光をする。したがって、一の検査単位の複数の種卵Eは、略同時に(a1とn3とが1サイクルだけずれて)検査が終了する。しかし、各発光部12の多数回の発光を1サイクルとして、各発光部が1サイクル終了するごとに、次の発光部が1サイクル発光するようにしてもよい。このようにすると、検査が種卵ごとに順次終了する。
【0079】
種々の点灯パターンにおいて、前記所定範囲は、上記の内容に限定されるものではなく、中心となる一の発光部12に対応する一の受光部18が、他の発光部12から受ける影響により適宜変更される。たとえば、一の発光部12に対応する受光部18が2つ隣の他の発光部12の影響を受けなければ、a1と、a1から2つ隣のc1及びa3を同時に発光させてもよい。この場合、発光部12を消灯させる所定範囲は1つ隣の他の発光部12となる。
【0080】
また、前記所定範囲は、卵収容器Tの収容座の配置によっても適宜変更される。たとえば、卵座がオフセットされて設けられたセッタートレイと、卵座が格子状に設けられたセッタートレイでは、前記所定範囲は当然に異なる。また、前記所定範囲の変更に応じて点灯パターンも適宜変更される。
【0081】
種々の点灯パターンや発光のサイクルについて説明したが、これらは、検査の内容、目的に応じて適宜変更し、組合せてもよい。
【0082】
上記のような発光部12の点灯パターンに対応して、受光部18は、種卵Eの情報を含んだ光を受光する。受光部18の光を受光するタイミングは適宜選択できる。受光部18の受けた光は電気信号に変換され、検査制御装置22は、種卵の内部の情報を電気信号から分析する。
【0083】
本実施の形態において、一の検査単位の複数の種卵Eに対して同数の検査ユニットが設けられている。しかし、一の検査単位の複数の種卵Eより少ない検査ユニットにより、検査ユニットを、異なる複数の種卵Eに適応させ、検査されてもよい。たとえば、6行×7列で42個の種卵を一検査単位として、3行×7列で21個の検査ユニットにより、検査ユニットを異なる2つの種卵に適応させ、42個の種卵が検査されてもよい。
【0084】
このとき、検査ユニット又は、卵収容器が相対的に移動して、移動の前後で点灯パターンが繰り返される。したがって、相対移動による機械的振動を防止すべく、その相対的移動後に十分時間をおいてから点灯パターンが繰り返される。また、一の検査単位の種卵Eより多い検査ユニットにより検査されてもよい。このとき、複数の検査ユニットは、種卵を検査するものと、検査をしないもの(ダミー)とを含む。
【0085】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、鶏の種卵に代表される、鳥類の卵の種卵の検査に用いることができる。
【符号の説明】
【0087】
S 検査システム、R 搬送路、T 卵収容器、T1 卵座、1 検査装置、2 搬入装置、3 搬出装置、10 検査装置本体、12 発光部、14 キャップ、16 光通過部、18 受光部、20 制御部、22 検査制御装置、24 光電変換部、26 判定演算部、28 記憶部、30 表示部、32 光源光量制御部、34 光源点灯消灯スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9