【解決手段】サイドフランジ50fを有する収納容器50内に所定ガスを導入するとともに収納容器50から排出されたガスを導く排気経路30を備えるパージ装置1であって、排気経路30は、収納容器50を載置する載置台60と、載置台60に載置された収納容器50のサイドフランジ50fとの間のレベルLV(高さ位置)に設けられる空間Kに配置される。
前記排気経路は、前記容器が前記載置部に載置されることにより、前記容器の側面または背面の少なくとも一方に形成された排気口に接続されるダクトを備える請求項1記載のパージ装置。
前記排気経路は、前記容器が前記載置部に載置されることにより、前記容器の側面または背面の少なくとも一方に形成された排気ダクトに接続される排気管を備える請求項1記載のパージ装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
【0019】
<第1実施形態>
第1実施形態に係るパージ装置1について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、収納容器50及びパージ装置1を示した要部概略図である。
図1では、収納容器50を側部から見たときの構成を示している。
図2(a)は、収納容器50の一例を示す斜視図である。
図2(b)は、収納容器50を載置する載置台60の一例を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、パージ装置1は、ノズル10と、ガス供給系20と、排気経路30と、制御部40と、を備えている。なお、
図1において、排気経路30の構成は、水平面に垂直な平面による断面構成として示している。このパージ装置1は、収納容器50内に所定のガスGを供給すると共に、収納容器50内のガスGを排出するための装置である。ガスGとしては、窒素ガスなどのウェハ等にとって不活性なガスや、清浄乾燥空気(クリーンドライエア)などが用いられる。
【0021】
本実施形態において、収納容器50は、例えば、半導体装置を製造するためのシリコンウェハや、液晶装置を製造するためのガラス基板、露光処理を行うためのレチクルなど(以下、ウェハ等15という。)を収容する。収納容器50は、ウェハ等15の保管環境を窒素ガスや乾燥空気等の所定の環境下に保つように、密閉可能かつ搬送可能な容器である。収納容器50は、例えば水平面に平行な載置台60の所定位置に載置された状態で保管される。
【0022】
また、収納容器50には、内部にウェハ等15を収容するための、棚状の複数の保持部55が形成されている。収納容器50の正面部50aには、ウェハ等15を出し入れするための、開閉可能な蓋部50lが設けられている。収納容器50の天井部50tには、搬送装置によって把持可能な把持部50hが形成されている。収納容器50の底部50bには、ガスを収納容器50内に供給可能にする供給口51が設けられている。供給口には、不図示のパーティクルフィルタ及びチェック弁が設けられている。なお、チェック弁は設けなくてもよい。
【0023】
また、
図2(a)に示すように、この収納容器50の側部50c、50dには、サイドフランジ50fが設けられている。サイドフランジ50fは、収納容器50を搬送する際などに把持する部分である。サイドフランジ50fは、収納容器50の正面部50aから背面部50eにかけて設けられており、天井部50t又は底部50bに平行に配置されている。サイドフランジ50fは、収納容器50の高さ方向の中央部又はその周辺に配置されている。
【0024】
また、収納容器50の側部50c、50dには、内部のガスを排出する排気口52が1つずつ設けられている。排気口52は、例えばサイドフランジ50fよりも高さが低い位置に設けられている。排気口52は、収納容器50の内部のガスが流出しやすくなるように、例えば供給口51よりも面積が大きくなるように形成されている。排気口52は、供給口51とは逆向きのチェック弁(不図示)を有しており、収納容器50内のガスを外部に排出できるようになっている。また、排気口52には、パーティクルフィルタが設けられている。なお、パーティクルフィルタは設けなくてもよい。
【0025】
ノズル10は、
図1及び
図2(b)に示すように、載置台60から上方に突出した状態で配置される。ノズル10は、収納容器50が載置台60の所定位置に載置された状態で、供給口51に接続されるように設けられている。ノズル10は、供給口51を介して収納容器50の内部に向けてガスを噴出する。ノズル10は、
図2(b)に示すように、載置台60上に2個形成されている。なお、ノズル10の個数は任意であり、例えば、ノズル10の個数が3つ以上であってもよい。
【0026】
ガス供給系20は、
図1に示すように、ガス供給源21と、配管22と、流量制御部23とを有している。ガス供給源21は、ガスGを配管22に供給するためのポンプを備えてもよい。配管22は、ガス供給源21とノズル10とを接続し、ガスを流通させる。流量制御部23は、配管22を流通するガスGの流量をコントロールする。流量制御部23としては、MFC(マスフローコントローラ)が用いられるが、これに限定するものではない。
【0027】
排気経路30は、
図1及び
図2(b)に示すように、ダクト31と、排気管32とを有している。ダクト31は、収納容器50から排出されるガスG1を流通させる。ダクト31は、ガス供給系20の配管22よりも流路断面積が大きくなるように形成されている。ダクト31は、一の載置台60上に2つ配置されている。2つのダクト31は、収納容器50が載置される領域を空けて配置されている。2つのダクト31は、それぞれ一方向に長手に形成され、長手方向が収納容器50の側部50c、50dに沿うように配置されている。収納容器50が載置台60に載置された状態において、2つのダクト31は、サイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)LVに設けられる空間K(
図1参照)に配置される。収納容器50にサイドフランジ50fが設けられる場合、収納容器50を載置台60上に載置した状態では、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間Kがデッドスペースとなりやすい。本実施形態では、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間Kにダクト31を配置することで、このデッドスペースを有効活用している。
【0028】
各ダクト31は、容器接続口31aと、配管接続口31bと、チェック弁(一方向弁)31cとを有している。容器接続口31aは、例えば矩形に形成されている。容器接続口31aは、排気口52よりも大きい寸法に形成されている。容器接続口31aは、収納容器50に向けて形成されている。容器接続口31aは、収納容器50が載置台60に載置された状態において、収納容器50に形成される排気口52に対向する位置に設けられている。この構成により、収納容器50の排気口52から排出されるガスG1は、容器接続口31aを介して直接的にダクト31の内部に送られる。このため、ガスG1が収納容器50の周囲に漏れ出すのを防ぐことができる。なお、収納容器50の排気口52にチェック弁を設けてもよく、この場合はダクト31のチェック弁31cは設けなくてもよい。
【0029】
配管接続口31bは、ダクト31のうち収納容器50の背面部50e側の端部31dに形成されている。配管接続口31bは、例えば矩形に形成されており、容器接続口31aから流入するガスを排出する。なお、配管接続口31bの形状は、矩形に限定されるものではなく、円形など他の形状であってもよい。
【0030】
チェック弁31cは、配管接続口31bに設けられている。チェック弁31cは、容器接続口31aから配管接続口31bへ向けて一方向にガスG1を流通させるための弁である。チェック弁31cが設けられることにより、ダクト31内においてガスG1の逆流が抑制され、外気の侵入が規制されることになる。
【0031】
排気管32は、キャップ部32aと、配管32bとを有している。キャップ部32aは、ダクト31の端部31dに密着して設けられている。キャップ部32aは、開口部32cを有している。開口部32cは、例えば矩形に形成されており、配管接続口31bに接続される。
【0032】
配管32bは、キャップ部32aに接続されている。配管32bは、ダクト31からキャップ部32aを介して流入するガスG1を流通させる。配管32bは、キャップ部32aから載置台60上に沿って所定の空間まで引き回されている。配管32bには吸引ポンプが接続され、ダクト31に対してキャップ部32a側を負圧にできる構成であってもよい。
【0033】
このように、排気管32は、キャップ部32aによってダクト31の端部31dに密着して設けられるため、配管接続口31bから配管32bにかけて、ガスG1が漏れ出すのを防ぐことができる。
【0034】
ここで、上記したように、収納容器50を載置台60に載置した場合、2つのダクト31は、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間Kに配置される。このため、ダクト31の端部31dに形成された配管接続口31bは、サイドフランジ50fと載置台60との間の高さ位置(レベルLV:
図1参照)に配置される。したがって、2つのキャップ部32aは、この配管接続口31bと対向する位置に配置されるため、収納容器50のサイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)LVに配置される。また、配管32bは、キャップ部32aから水平方向に延びるように引き回されるため、収納容器50のサイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)LVに配置される。
【0035】
制御部40は、例えば、CPU(中央演算処理装置)や各種記憶装置等を備え、これらがデータバス等によって接続された構成を有している。また、制御部40は、外部の中央制御装置等に対して無線または有線で接続されてもよい。制御部40は、流量制御部23に対してガスGの流量を制御するための制御信号を出力する。なお、制御部40は、例えば、キーボードや、マウスまたはジョイスティック等のポインティングデバイス、バーコードリーダ等の入力部41と、液晶ディスプレイ等の表示部42と、を備えている。入力部41は、流量制御部23によるガスGの単位時間あたりの流量の設定、変更等を行う。表示部42は、入力部41で入力した情報の表示や、現在の稼働状況の表示を行う。ただし、パージ装置1が、制御部40や入力部41、表示部42を備えるか否かは任意である。
【0036】
また、
図2(b)に示すように、載置台60は、例えば不図示の支持フレームにより一端側(例えば、収納容器50の背部側)が保持されている。ただし、載置台60は、このような片側支持構造により支持されることに限定されず、例えば、載置台60の左右両側を支持フレームにより支持する構造等であってもよい。
【0037】
載置台60には、切り欠き部60aが形成されている。切り欠き部60aは、支持フレーム102とは反対側の他端側(例えば、収納容器の正面部側)を切り欠いた形状に形成されている。切り欠き部60aは、収納容器50を載置台60に搬送する際に用いられる容器支持台114と干渉しない形状となっている。
【0038】
また、載置台60には、
図2(b)に示すように、突出ピン61が3個設けられている。突出ピン61の高さは、ノズル10の高さよりも高く形成されている。一方、収納容器50の底部50bには、この突出ピン61が挿入される3個の溝部(不図示)が形成されている。突出ピン61は、ノズル10の高さよりも高いため、収納容器50を載置台60に載置する場合、溝部に入り込むことで収納容器50を位置決めする。これにより、ノズル10やダクト31の容器接続口31aに対して、供給口51や排気口52を容易に位置決めすることができ、それぞれの接続を確実に行うことができる。また、突出ピン61にそれぞれ隣接した位置には、センサ62が設けられている。このセンサ62は、例えば、収納容器50の底部50bを検出して、収納容器50が載置台60の上に載置されたか否かを検出する。
【0039】
続いて、上記したパージ装置1を用いて収納容器50にガスGを供給する場合について説明する。先ず、ウェハ等15が収納されて蓋部50lが閉じられた収納容器50は、搬送装置等によって載置台60に載置される。このとき、上記したように、突出ピン61によって収納容器50は位置決めされるため、載置台60のノズル10及びダクト31の容器接続口31aは、正確に収納容器50の供給口51及び排気口52に接続される(
図1に示す状態)。
【0040】
ノズル10及び容器接続口31aは、収納容器50が載置台60に載置されたときに、供給口51及び排気口52とそれぞれ接続されるので、収納容器50を載置台60に置くだけでガスGを注入するための流路ならびに排気の流路が形成され、収納容器50内へのガスGの注入を容易に行うことができる。
【0041】
このように載置台60に載置された収納容器50に対してガスGが供給されると、収納容器50内に当初入っていたガスは、排気口52からダクト31及び排気管32を介して所定の空間に排出される。この結果、収納容器50内は、所定のガスGにより満たされ、ウェハ等15に対して所定の環境が形成される。なお、収納容器50に供給されるガスGは、流量制御部23によって予め設定された流量が供給された後に供給を停止するか、あるいは予め設定された供給時間を経過した後に供給を停止する。この動作において、排気口52、ダクト31及び排気管32は、十分な流路断面積を有しているため、収納容器50の背圧を小さくすることができ、パージによる圧力で効果的に排気を行うことができる。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、サイドフランジ50fを有する収納容器50内にガスGを導入するとともに収納容器50から排出されたガスG1を導く排気経路30が、収納容器50を載置する載置台60と、この載置台60に載置された収納容器50のサイドフランジ50fとの間のレベル(高さ位置)LVの空間Kに配置されるため、載置台60上の限られたスペースを有効に活用して排気経路30を設置することができる。これにより、載置台60上の高さ方向のスペースを追加することなく収納容器50内のガスを効率的に排出できる。
【0043】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る収納容器150及びパージ装置101について、
図3を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0044】
図3(a)は、第2実施形態に係る収納容器150の一例を示す斜視図である。
図3(a)に示すように、収納容器150は、正面部50a、天井部50t、底部50b、側部50c、50f、背面部50eを有している。正面部50aには、蓋部50lが配置されている。天井部50tには、把持部50hが設けられている。底部50bには、供給口51が設けられている。側部50c、50dには、サイドフランジ50fが設けられている。また、側部50c、50dには、排気口52が1つずつ設けられている。排気口52は、例えばサイドフランジ50fよりも高さが低い位置に設けられている。
【0045】
さらに、本実施形態では、側部50c、50dには、排気経路130が設けられている。排気経路130は、ダクト131を有している。ダクト131は、側部50c、50dに1つずつ配置されている。2つのダクト131は、収納容器150の正面部50a側から背面部50e側にかけて形成されている。2つのダクト131は、サイドフランジ50fの下方に配置される。例えば、各ダクト131は、底部50bに沿って配置されている。したがって、収納容器150を載置台60に載置した場合、2つのダクト131は、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間に配置される。ダクト131は、収納容器150から排気口52を介して排出されるガスを流通させる。ダクト131は、それぞれ側部50c、50dに密着されている。
【0046】
各ダクト131は、容器接続口131aと、配管接続口131bと、チェック弁131cとを有している。容器接続口131aは、例えば矩形に形成されており、排気口52に接続されている。収納容器150の排気口52から排出されるガスは、容器接続口131aを介して直接的にダクト131の内部に送られる。ダクト131はそれぞれ側部50c、50dに隙間なく設けられているため、ガスが収納容器150の周囲に漏れ出すのを防ぐことができる。
【0047】
配管接続口131bは、ダクト131のうち収納容器150の背面部50e側の端部131dに形成されている。配管接続口131bは、例えば矩形に形成されており、容器接続口131aから流入するガスを排出する。なお、配管接続口131bの形状は、矩形に限定されるものではなく、円形など他の形状であってもよい。
【0048】
チェック弁131cは、配管接続口131bに設けられている。チェック弁131cは、容器接続口131aから配管接続口131bへ向けて一方向にガスを流通させるための弁である。チェック弁131cが設けられることにより、ダクト131内においてガスの逆流が抑制され、外気の侵入が規制されることになる。
【0049】
図3(b)は、収納容器150を載置する載置台60の一例を示す斜視図であり、本実施形態に係るパージ装置101の一例を示している。
図3(b)に示すように、パージ装置101は、ノズル10と、ガス供給系20と、排気経路130と、制御部40と、を備えている。ノズル10、ガス供給系20及び制御部40については、第1実施形態と同一構成であるため、説明を省略する。
【0050】
排気経路130は、排気管132を有している。排気管132は、キャップ部132aと、配管132bとを有している。キャップ部132aは、載置台60上のうち収納容器150の背面部50e側の端部に2つ設けられている。
【0051】
2つのキャップ部132aは、開口部132cを有している。開口部132cは、収納容器150に向けて形成されている。開口部132cは、収納容器150が載置台60に載置された状態において、ダクト131の配管接続口131bに対向する位置に設けられている。この構成により、収納容器150の排気口52から排出されるガスは、配管接続口131b及び開口部132cを介して排気管132の内部に送られる。
【0052】
ここで、上記したように、収納容器150を載置台60に載置した場合、収納容器150に設けられる2つのダクト131は、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間に配置される。このため、ダクト131の端部131dに形成された配管接続口131bは、サイドフランジ50fと載置台60との間の高さ位置に配置される。したがって、2つのキャップ部132aは、この配管接続口131bと対向する位置に配置されるため、収納容器150のサイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)に配置される。
【0053】
なお、キャップ部132aは、収納容器150が載置台60に載置された状態で、ダクト131の端部131dとの間ができるだけ近接するように配置される。これにより、ダクト131からのガスを外部に漏れにくくすることができる。
図3(b)では、キャップ部132aと端部131dとの間が離れた状態となるように示されているが、これに限定するものではなく、キャップ部132aと端部131dとが密着するような配置であってもよい。
【0054】
配管132bは、キャップ部132aに接続されている。配管132bは、キャップ部132aを介して流入するガスを流通させる。配管132bは、キャップ部132aから載置台60上に沿って所定の空間まで引き回されている。配管132bには吸引ポンプが接続され、ダクト131に対してキャップ部132a側を負圧にできるようになっている。これにより、配管接続口131bと開口部132cとの間が離れている場合であっても、ダクト131側からのガスを排気管132側に吸引することができるため、ガスが外部に漏れにくくなる。
【0055】
このように、本実施形態によれば、サイドフランジ50fを有する収納容器150内にガスを導入するとともに収納容器150から排出されたガスを導く排気経路130が、収納容器150を載置する載置台60と、この載置台60に載置された収納容器150のサイドフランジ50fとの間のレベル(高さ位置)に配置されるため、載置台60上の限られたスペースを有効に活用して排気経路130を設置することができる。これにより、載置台60上の高さ方向のスペースを追加することなく収納容器150内のガスを効率的に排出できる。
【0056】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る収納容器250及びパージ装置201について、
図4を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0057】
図4(a)は、第2実施形態に係る収納容器250の一例を示す斜視図である。
図4(a)に示すように、収納容器250は、正面部50a、天井部50t、底部50b、側部50c、50f、背面部50eを有している。正面部50aには、蓋部50lが配置されている。天井部50tには、把持部50hが設けられている。
側部50c、50dには、サイドフランジ50fが設けられている。また、背面部50eには、排気口252が2つ設けられている。排気口252は、例えばサイドフランジ50fよりも高さが低い位置に設けられている。排気口252には、収納容器250内のガスを外部に排出できるようにチェック弁やパーティクルフィルタ等が設けられている。
底部50bには、供給口251が設けられている。供給口251は、収納容器250の正面部50a側に配置されている。この構成では、収納容器250の正面部50a側からガスが流入し、背面部50e側からガスが排出される。したがって、収納容器250の内部の全体にガスが流通する。
【0058】
図4(b)は、収納容器250を載置する載置台60及び本実施形態に係るパージ装置201の一例を示す斜視図である。
図4(b)に示すように、パージ装置201は、ノズル210と、ガス供給系20と、排気経路230と、制御部40と、を備えている。ガス供給系20及び制御部40については、第1実施形態と同一構成であるため、説明を省略する。なお、ノズル210については、収納容器250を載置台60に載置させた状態で、供給口251に接続される位置に配置されている。ノズル210は、この配置以外の構成については、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
排気経路230は、排気管232を有している。排気管232は、キャップ部232aと、配管232bとを有している。キャップ部232aは、載置台60上のうち収納容器250の背面部50e側の端部に2つ設けられている。
【0060】
2つのキャップ部232aは、開口部232cを有している。開口部232cは、収納容器250に向けて形成されている。開口部232cは、収納容器250が載置台60に載置された状態において、排気口252に対向する位置に設けられている。この構成により、収納容器250の排気口252から排出されるガスは、開口部232cを介して排気管232の内部に送られる。
【0061】
ここで、上記したように、収納容器250を載置台60に載置した場合、収納容器250に設けられる2つの排気口252は、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間に配置される。したがって、2つのキャップ部232aは、この排気口252と対向する位置に配置されるため、収納容器250のサイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)に配置される。
【0062】
なお、キャップ部232aは、収納容器250が載置台60に載置された状態で、排気口252との間ができるだけ近接するように配置される。これにより、排気口252からのガスを外部に漏れにくくすることができる。
図4(b)では、キャップ部232aと端部231dとの間が離れた状態となるように示されているが、これに限定するものではなく、キャップ部232aと端部231dとが密着するような配置であってもよい。
【0063】
例えば、
図5(a)及び(b)に示すように、キャップ部232aを駆動するキャップ駆動機構233が設けられた構成であってもよい。キャップ駆動機構233は、収納容器250の重みで回動する回動部材233aと、回動部材233aを回動させる軸部233bとを有する。回動部材233aには、キャップ部232aが固定されている。
【0064】
このキャップ駆動機構233は、
図5(a)に示すように、回動部材233aが傾いた状態となっている。この状態から、収納容器250が載置台60に載置すると、
図5(b)に示すように、収納容器250の重みで回動部材233aが回転する。そして、回動部材233aに固定されたキャップ部232aが収納容器250の排気口252の周囲に当接される。これにより、排気口252から排出されたガスがキャップ部232aに流通する際に、漏れにくくなる。
【0065】
配管232bは、キャップ部232aに接続されている。配管232bは、キャップ部232aを介して流入するガスを流通させる。配管232bは、キャップ部232aから載置台60上に沿って所定の空間まで引き回されている。配管232bには吸引ポンプが接続され、ダクト231に対してキャップ部232a側を負圧にできるようになっている。これにより、配管接続口231bと開口部232cとの間が離れている場合であっても、ダクト231側からのガスが排気管232側へ流通する際に、外部に漏れにくくなる。
【0066】
このように、本実施形態によれば、サイドフランジ50fを有する収納容器250内にガスを導入するとともに収納容器250から排出されたガスを導く排気経路230が、収納容器250を載置する載置台60と、この載置台60に載置された収納容器250のサイドフランジ50fとの間のレベル(高さ位置)に配置されるため、載置台60上の限られたスペースを有効に活用して排気経路230を設置することができる。これにより、載置台60上の高さ方向のスペースを追加することなく収納容器250内のガスを効率的に排出できる。
【0067】
なお、本実施形態では、収納容器250の背面部50eに排気口252が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、収納容器250の側部50c、50eに排気口が形成された場合には、キャップ部232aを収納容器250の側方に配置させ、収納容器250の側部50c、50dに沿って載置台60上に配管232bを引く構成であってもよい。この場合においても、2つのキャップ部232aは、排気口252と対向する位置に配置されるため、収納容器250のサイドフランジ50fと載置台60との間のレベル(高さ位置)に配置される。
【0068】
<パージストッカ>
パージストッカの実施形態について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、収納容器50を保管するパージストッカ100の要部斜視図である。このパージストッカ100は、複数の収納容器50を保管するとともに、保管中に収納容器50内に所定のガスを供給するパージ装置1を有している。なお、本実施形態において、第1実施形態の収納容器50及びパージ装置1を例に挙げて説明するが、これに限定するものではなく、第2実施形態の収納容器150及びパージ装置101であっても、第3実施形態の収納容器250及びパージ装置201であっても、同様の説明が可能である。
【0069】
図6に示すように、パージストッカ100は、床90に設置された支持フレーム102と、支持フレーム102の内側に水平かつ多段(本実施形態においては4段)に配列された複数の載置台60と、床90上を走行するスタッカクレーン110と、載置台60にガスを供給するパージ装置1と、を備えている。各載置台60のそれぞれには、配管22等からなるガス供給系20を介してガスが供給される。載置台60のそれぞれには、流量制御部23(MFC)及び排気経路30が設置されている。
【0070】
なお、
図6では説明のためパージストッカ100の外側(支持フレーム102の外側)に流量制御部23を記載しているが、実際には、支持フレーム102内(パージストッカ100内)に各流量制御部23が設置されている。ただし、流量制御部23の一部または全部を支持フレーム102の外側に配置してもよい。また、ガス供給源21や制御部40は、支持フレーム102の外側に配置されているが、支持フレーム102内(パージストッカ100内)に配置されてもよい。
【0071】
各載置台60に対するガスの供給または停止は、それぞれの流量制御部23(MFC)によって行っており、各載置台60に対して選択的にガスを供給できるようにしている。制御部40は、第1実施形態と同様に、各流量制御部23(MFC)の制御を行う。また、制御部40は、後述するスタッカクレーン110の動作を制御してもよく、収納容器50の搬入及び搬出を1つの制御部40で行ってもよい。なお、上記では載置台60ごとに流量制御部23(MFC)が配置されているが、これに限定されない。例えば、2以上の載置台60に対して流量制御部23(MFC)を兼用させるようにしてもよい。載置台60は、パージストッカ100の奥行方向に沿って等間隔に配置されている。
【0072】
スタッカクレーン110は、走行基台111と、支持柱112と、アーム支持部113と、容器支持台114と、を備えている。走行基台111は、走行用の車輪115を有する。車輪115のうち少なくとも1つはモータ等の不図示の駆動装置によって駆動し、走行基台111を、床90に設けられたレール116に沿って矢印A方向に移動させる。支持柱112は、走行基台111の上面から高さ方向に延在している。
【0073】
アーム支持部113は、支持柱112に沿ってスライド可能に支持されており、モータ等の不図示の駆動装置によって矢印B方向に移動する。容器支持台114は、収納容器50を載置するとともに、アーム支持部113から水平方向に伸縮可能な複数のアームによって構成されている。容器支持台114は、モータ等の不図示の駆動装置によって矢印C方向に伸縮する。なお、走行基台111の矢印A方向の移動や、アーム支持部113の矢印B方向の移動、容器支持台114の矢印C方向の伸縮は、制御部40によって制御される。
【0074】
続いて、スタッカクレーン110の動作について説明する。収納容器50をパージストッカ100内に入庫するときは、パージストッカ100の受渡し部(図示せず)までスタッカクレーン110が移動する。容器支持台114によって、受渡し部に載置された収納容器50をすくい上げて保持する。収納容器50を保持した状態で、走行基台111及びアーム支持部113を矢印A方向及び矢印B方向に移動させ、所望の載置台60に位置決めする。続いて、容器支持台114を矢印C方向に伸長させることにより、収納容器50を所望の載置台60の上方に配置させる。続いて、アーム支持部113を下方に移動させることにより、収納容器50は、容器支持台114から載置台60に移って保持される。
【0075】
この載置動作によって、第1実施形態で説明した様に、載置台60のノズル10及び容器接続口31aは、収納容器50の供給口51及び排気口52にそれぞれ接続される。収納容器50が載置された後、ガスの供給が開始される。制御部40は、収納容器50の載置を確認した後、開閉弁を開くとともに流量制御部23を制御してガスの供給を行う。なお、制御部40は、載置台60に載置された段階でガスの供給を行うが、一定期間が経過した収納容器50に対して改めてガスの供給を行ってもよい。また、制御部40は、パージストッカ100に搬入された段階でガスの供給が必要かを確認し、必要な場合はガスの供給を行うようにしてもよい。
【0076】
図7は、パージストッカ100の内部の一例を示す図である。
図7に示すように、各載置台60の下部には、ガスを供給するための配管22が設けられている。配管22は、載置台60の下部において屈曲しており、パージストッカ100の側方へ向けて水平方向に延びている。なお、実際の配管22は、デッドスペースが生じないように、載置台60の下面に可能な限り隙間なく沿うように配置される。
【0077】
収納容器50から排出されるガスは、排気口52及び排気経路30を介してパージストッカ100の外に排出される。排気経路30は、上記第1実施形態と同様に、ダクト31及び排気管32を有する。ダクト31及び排気管32は、各載置台60に設けられている。排気管32は、水平方向に延びており、パージストッカ100の側壁103を貫通して外部に引き出されている。
【0078】
排気経路30は、外部配管33に接続されている。外部配管33は、パージストッカ100から外部に引き出された排気管32同士を接続している。外部配管33は、パージストッカ100の外の所定の空間に接続されている。外部配管33は、ダクト31から排気管32を介して流入するガスを、パージストッカ100の外の所定の空間に排出する。
【0079】
本実施形態では、排気経路30は、各載置台60と収納容器50のサイドフランジ50fとの間の空間に配置され、この空間からパージストッカ100の外部に水平方向に沿って設けられている。したがって、パージストッカ100の内部においては、高さ方向のスペース(例えば、把持部50hの上面と配管22の間隔s)を新たに追加することなく、排気経路30を配置することができる。この排気経路30により、パージストッカ100の収容能力を維持しつつ、収納容器50の内部のガスを効率的に排気することができる。
【0080】
なお、本実施形態のパージストッカ100では、載置台60の全てについてガスの供給が可能となっているが、これに限定するものではなく、一部の載置台60(例えば最下段の載置台60など)についてガスを供給可能としてもよい。この場合、例えば、制御部40は、収納容器50にガスの供給が必要かを監視し、必要な場合は適宜スタッカクレーン110を動作させて、収納容器50をガス供給可能な載置台60まで搬送してガスの供給を行う。ガス供給が終了した後は、収納容器50を元の位置に戻す。これにより、パージストッカ100内の構造を簡素化できるとともに、ガス供給系20の配管22も簡素化できる。
【0081】
また、パージストッカ100の載置台60にガス供給可能な載置台60を設けずに、例えば収納容器50の受渡し部において、その載置台にパージ装置1が形成されてもよい。また、パージストッカ100の一部にガス供給装置を設置することに限定されず、パージストッカ100への搬入前または搬出後に一旦収納容器50を載置させ、ガスを供給するようなパージストッカ100に付属する専用のガス供給ステーション等であってもよい。
【0082】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、第1実施形態において、排気経路30として、ダクト31及び排気管32を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、ダクト31を省略し、排気管32のみを配置する構成としてもよい。この場合、収納容器50の排気口52に対向する位置に排気管32のキャップ部32aを配置させ、この位置から配管32bを引き伸ばす構成としてもよい。なお、配管32bの径は、サイドフランジ50fと載置台60との間の空間に応じて適宜設定することができる。
【0083】
また、上記実施形態では、サイドフランジ50fと載置台60との間のスペースを用いて排気経路を配置する構成を例に挙げて説明したが、これに加えて、収納容器50の底部50bに排気口を別途設けると共に、収納容器50の底部50bに接続される排気管を別途設けてもよい。この排気管は、例えば載置台60を下方に貫通し、載置台60の下方において載置台60の下面に沿うように屈曲させ、例えばパージストッカ100の外部に引き出すように配置することができる。このとき、排気管の径は、パージストッカ100内の高さ方向のスペースを追加しないように設定することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、サイドフランジ50fと排気経路30とを別個に設ける構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、サイドフランジ50fが排気経路(例、ダクトなど)を兼用する構成であってもよい。