【解決手段】回転するステアリングシャフト13と、ステアリングシャフト13に接続して回転する自在継手12と、ステアリングシャフト13および自在継手12の間に配置され、ステアリングシャフト13および自在継手12との周方向における位置決めを行う位置決め部材20とを備える。そして、この位置決め部材20は発光する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<電動パワーステアリング装置1>
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す図である。
図2は、電動パワーステアリング装置1のステアリングギアボックス内を示す断面図である。
本実施形態の電動パワーステアリング装置1(以下、単に「ステアリング装置1」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施形態においては自動車に適用した構成を例示している。本実施形態に係るステアリング装置1は、いわゆるピニオンアシストタイプの装置である。
【0010】
ステアリング装置1は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル、不図示)に一体的に設けられたコラムシャフト11と、自在継手12(第2回転部)を介してコラムシャフト11と連結されたステアリングシャフト(第1回転部)13とを備えている。そして、ステアリングシャフト13は、ステアリングホイールの回転に連動して回転する。
【0011】
また、ステアリング装置1は、転動輪としての左右の前輪のそれぞれに連結されるタイロッド14A,14Bと、タイロッド14A,14Bに連結されたラック軸15とを備えている。また、ステアリング装置1は、ラック軸15に形成されたラック歯とともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン軸16(
図2参照)を備えている。
【0012】
ステアリング装置1は、
図2に示すように、ピニオン軸16を収納するギヤボックス17を有している。ピニオン軸16は、ギヤボックス17にてトーションバー18を介して上述したステアリングシャフト13と同軸的に連結されている。
ピニオン軸16およびステアリングシャフト13は、ギヤボックス17に回転可能に支持されている。ギヤボックス17は、例えば自動車などの乗り物の本体フレームに固定される部材である。ピニオン軸16およびステアリングシャフト13は、それぞれ軸受けを介して回転可能に支持されている。
【0013】
また、ステアリング装置1は、ギヤボックス17に固定された電動モータ31と、ピニオン軸16に固定されたウォームホイール33とを備えている。電動モータ31の出力軸に連結されたウォームギヤ32とウォームホイール33とは噛み合っており、電動モータ31の回転力がウォームホイール33により減速されてピニオン軸16に伝達される。電動モータ31は、3相ブラシレスモータであることを例示することができる。
【0014】
さらに、ステアリング装置1は、
図2に示すように、ステアリングシャフト13とピニオン軸16との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバー18の捩れ量に基づいてステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出装置100を備える。
【0015】
また、ステアリング装置1は、電動モータ31の作動を制御する電子制御ユニット(ECU)200を備えている。
ECU200は、各種演算処理を行うCPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMとを用いて、出力値を基にステアリングシャフト13とピニオン軸16との相対回転角度を演算する相対角度演算部210を備えている。
【0016】
以上のように構成されたステアリング装置1においては、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクがステアリングシャフト13とピニオン軸16との相対回転角度として現れることに鑑み、トルク検出装置100が、ステアリングシャフト13とピニオン軸16との相対回転角度に基づいて操舵トルクを把握する。つまり、ステアリングシャフト13とピニオン軸16との相対回転角度を検出し、トルク検出装置100の出力値に基づいてECU200が操舵トルクを把握し、把握した操舵トルクに基づいて電動モータ31の駆動を制御する。
【0017】
そして、電動モータ31の発生トルクをウォームギヤ32、ウォームホイール33を介してピニオン軸16に伝達する。これにより、電動モータ31の発生トルクが、ステアリングホイールに加える運転者の操舵力をアシストする。つまり、ピニオン軸16は、ステアリングホイールの回転によって発生する操舵トルクと電動モータ31から付与される補助トルクとで回転する。
【0018】
<自在継手12とステアリングシャフト13との接続部>
図3は、自在継手12とステアリングシャフト13との接続部を説明するための図である。具体的には、
図3(a)は自在継手12とステアリングシャフト13との接続部の要部拡大図であり、
図3(b)は
図3(a)に示すIIIb−IIIb断面図である。
自在継手12は、上側継手120と、この上側継手120に対して接合角度を自在にしながら回転力を伝達する下側継手125とを有している(
図1参照)。そして、本実施形態では、上側継手120は、コラムシャフト11の端部に一体的に設けられる。また、
図3(b)に示すように、下側継手125は、位置決め部材20によって位置決めされて、ステアリングシャフト13の端部に連結される。
なお、位置決め部材20については後に詳しく説明する。
【0019】
そして、
図3(a)および
図3(b)に示すように、下側継手125は、結合部121と締込部122とを備えている。結合部121は、内部にステアリングシャフト13の端部が配置される略円柱状の凹部であり、内周面にセレーション12Aを備えている。このセレーション12Aは、ステアリングシャフト13のセレーション13Aと結合するように構成される。
締込部122は、スリット12S(
図3(b)参照)とボルト孔12Hとを備える。切り欠き部の一例であるスリット12Sは、予め定められた幅をもって形成される溝である。また、ボルト孔12Hは、締込部122においてスリット12Sを跨ぐようにして形成される。そして、ボルト孔12Hには、抜止ボルト40が通される。
【0020】
ステアリングシャフト13は、
図3(a)に示すように、セレーション13Aと、セレーション13Aにて周方向に延びて形成される凹溝部13Bと有する。凹溝部13Bは、抜止ボルト40が嵌ることが可能な形状になっている。
そして、ステアリングシャフト13のセレーション13Aに、自在継手12のセレーション12Aが接合される。さらに、ボルト孔12Hに抜止ボルト40を通し、スリット12Sの間隔を狭めるように締め込むことで、ステアリングシャフト13と自在継手12(下側継手125)とが連結される。
【0021】
ここで、ステアリング装置1において、トーションバー18がねじられていない中立状態にあるステアリングシャフト13の直進位置と、ステアリングホイールが中立位置にある自在継手12の直進位置とを正確に位置合せした状態で、ステアリングシャフト13と自在継手12とを結合する必要がある。そこで、本実施形態のステアリング装置1は、ステアリングシャフト13と自在継手12との取付け角度位置を位置合せする位置決め部材20を用いて接続するようにしている。
【0022】
<位置決め部材20>
図4は、本実施形態の位置決め部材20の全体図である。具体的には、
図4(a)は位置決め部材20の全体斜視図であり、
図4(b)は
図4(a)に示すIVb−IVb断面図である。
図3(a)に示すように、位置決め部材20は、ステアリングシャフト13に取り付けられ、ステアリングシャフト13と自在継手12との位置決めを行う部材である。位置決め部材20は、
図4(a)に示すように、取付部21と、装着部22と、取付部21および装着部22を繋ぐように形成され取付け角度位置を示すガイド部23と、セレーション13A(
図3(a)参照)に噛み合うセレーション接続部24とを備えている。
【0023】
取付部21は、概形がリング形状を有し、
図4(a)に示す状態にて位置決め部材20の下端側に位置する。また、取付部21は、内側に複数(図示の例では2箇所)の突起部21Aを有している。複数の突起部21Aの頂上部を通る仮想円の内径は、ステアリングシャフト13(
図3(a)参照)の外径よりも若干大きく設定している。そして、位置決め部材20が取り付けられた状態にて、取付部21は、ステアリングシャフト13の外周を囲うように位置して設けられる。
【0024】
装着部22は、概形がリング形状を有し、
図4(a)に示す状態にて位置決め部材20の上端側に位置する。また、装着部22は、内側に複数(図示の例では5箇所)の突起部22Aを備えている。複数の突起部22Aの頂点を通る仮想円の内径は、トーションバー18(
図3(a)参照)の外径よりも若干大きく設定している。また、装着部22の内径は、ステアリングシャフト13(
図3(a)参照)の外径よりも小さくなるように設定している。
このように構成される装着部22は、位置決め部材20が取り付けられた状態にて、ステアリングシャフト13およびトーションバー18の端部に引っ掛かる状態になる。そして、装着部22は、ステアリングシャフト13の軸方向における位置決め部材20の位置を定める。
【0025】
周方向位置決め部の一例であるガイド部23は、概形が略長尺状(板状)の部分である。また、ガイド部23は、取付部21と装着部22とを繋ぐように、ステアリングシャフト13の軸方向に延びて設けられる。
そして、ガイド部23は、位置決め部材20がステアリングシャフト13に取り付けられた状態で、ステアリングシャフト13の径方向の外側に向けて突出するように配置される。そして、ガイド部23は、下側継手125のスリット12S内に対向し、締込部122によって挟み込まれる形状に形成されている(
図3(b)参照)。
また、ガイド部23は、
図3(a)に示すように、抜止ボルト40を通すボルト孔23Hが設けられている。
【0026】
そして、ガイド部23は、
図4(b)に示すように、ステアリングシャフト13の径方向内側、すなわち取付部21および装着部22に近い側となる基端部23bがより厚く、ステアリングシャフト13の径方向外側、すなわち取付部21および装着部22から遠い側となる先端部23pがより薄くなっている。さらに説明をすると、
図4(b)に示すように、ガイド部23は、軸方向に直交する面にて切った断面がテーパ状に形成されている。そして、基端部23bの幅T1が太く、先端部23pの幅T2が細くなるように構成されている。なお、
図4(b)では、装着部22を通る断面を示すものであるが、ガイド部23の他の断面においても、基端部23b側の幅が太く先端部23p側の幅が細く形成されている。
【0027】
さて、セレーション接続部24は、
図4(a)に示すように、ガイド部23の基端部23b側にてステアリングシャフト13の軸方向に延びて形成される。なお、本実施形態では、セレーション接続部24は、ボルト孔23Hを跨いでガイド部23の上側と下側とにそれぞれ形成される。そして、セレーション接続部24は、ステアリングシャフト13の径方向内側に向けて尖って(突出して)形成された筋状の山部24Mを構成する。また、セレーション接続部24の筋状の山部24Mは、セレーション13Aの一本分の溝(谷部)に噛み合う寸法で形成されている。
このように構成されるセレーション接続部24は、位置決め部材20がステアリングシャフト13に取り付けられた状態にて、ステアリングシャフト13のセレーション13Aの溝に噛み合って接続する。そして、セレーション接続部24は、ステアリングシャフト13に対する位置決め部材20の周方向における角度位置を定める。
【0028】
以上のように構成される位置決め部材20は、ステアリングシャフト13(セレーション13A)に対して予め定めた角度位置となるように取り付けられる。そして、自在継手12に設けたスリット12Sを、位置決め部材20に設けたガイド部23に合わせるように取り付けると、自在継手12を直進位置に位置合せしつつ、自在継手12のセレーション12Aをステアリングシャフト13のセレーション13Aとのセレーション結合に導く。その結果、ステアリングシャフト13の直進位置に自在継手12の直進位置が位置合せされた取付状態になる。
【0029】
ところで、例えば、ステアリング装置1(
図1参照)を備えた車両を製造する際に、既に車体に取り付けられたステアリング装置1のステアリングシャフト13に対して、自在継手12を接続することがある。このとき、例えば、自在継手12を接続するステアリングシャフト13の端部が車体の奥側に位置し、光量が不十分な暗所でステアリングシャフト13および自在継手12の接続作業を行うことがある。
【0030】
この暗所での接続作業においては、位置決め部材20を用いたとしても、自在継手12のスリット12Sを、位置決め部材20のガイド部23の向きに合わせて配置する作業が困難となる。また、接続作業の際にガイド部23に他の部材が接触して、ガイド部23が変形したり破損したりすると、取付け角度がずれてしまう可能性がある。
ここで、例えば周知の照明器具により接続箇所に光をあてるようにすると、作業者が照明器具を持つことが必要となったり、照明器具を点灯/消灯する作業が必要となったりするため、作業性が低下してしまう。
そこで、本実施形態の位置決め部材20は、位置決め部材20自体が自ら発光するように構成されている。
【0031】
本実施形態の位置決め部材20は、蓄光性の材料(蓄光性顔料)を混入させた樹脂によって形成される。ここで、蓄光性とは、光を照射された物質が、照射を止めた後においても発光する性状をいう。また、蓄光性の材料としては、アルミン酸ストロンチウムや硫化亜鉛を例示することができる。また、樹脂としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、エポキシ(EP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を例示することができる。
【0032】
さて、位置決め部材20は、ステアリングシャフト13等に取り付けられる前に、予め定められた時間および予め定められた照度で光を照射させることで、全体が発光する。このように位置決め部材20自体が発光することによって、暗所においても位置決め部材20の位置を作業者が把握することが可能である。また、例えば位置決め部材20におけるガイド部23やセレーション接続部24の位置を知ることにより、位置決め部材20の向き(姿勢)を作業者が把握することも可能となる。このことにより、接続箇所を照らす照明器具を別途設けることが不要となる。
【0033】
また、位置決め部材20が発光することで、ステアリングシャフト13に自在継手12を取り付ける作業だけでなく、ステアリングシャフト13に位置決め部材20を設ける作業も容易となる。
さらに、位置決め部材20の被取付箇所であるステアリングシャフト13あるいは自在継手12の周辺を、位置決め部材20が発する光により明るくすることによっても、作業が容易となる。
ここで、本実施形態の位置決め部材20は、被取付箇所よりも視認性が高まる程度に発光するとよい。付言すると、位置決め部材20は、例えば照度200ルクス(lx)の明るさで20分間光を照射し、照射を止めてから、5分後に視認可能な輝度の限界値といわれる0.3mcd/m2よりも大きい輝度で発光することが好ましく、より好ましくは1mcd/m2よりも大きく、さらに好ましくは3mcd/m2よりも大きい輝度で発光する。
【0034】
<変形例>
図5(a)乃至(c)および
図6(a)乃至(d)は、位置決め部材20の変形例を説明するための図である。
なお、以下の説明においては、上述の
図4に示す位置決め部材20と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
【0035】
上述の実施形態においては、位置決め部材20全体が発光することを説明したが、位置決め部材20の少なくとも一部が発光すればよい。
例えば、
図5(a)に示すように、位置決め部材201のガイド部231のみが発光する構成であってもよい。作業者は、ガイド部231の位置を知ることで、位置決め部材201の姿勢(位相)の把握が可能となる。なお、図示の例の位置決め部材201においては、ガイド部231が蓄光性の材料(蓄光性顔料)を混入させた樹脂により形成され、取付部211および装着部221は、蓄光性の材料を混入させない樹脂によって形成される。
【0036】
また、上述の実施形態においては、位置決め部材20を蓄光性の材料を含む樹脂により形成することを説明したが、位置決め部材20が発光するものであれば、他の構成であってもよい。例えば、複数の種類の液体を混合させる(例えば2液混合)により発光する構成(ケミカルライト)でもよいし、位置決め部材20に蓄光性顔料を混入させた溶液である蓄光塗料(夜光塗料)を塗ることや蓄光性の部材を貼り付けることにより形成してもよい。
【0037】
ここで、
図5(b)および
図5(c)を参照しながら、2液混合により発光する構成の具体例を説明する。
まず、
図5(b)に示すように、位置決め部材203は、ポリプロピレン(PP)等の周知の樹脂により形成されるとともに内部が空洞であり、互いの内部空間が連続する取付部213、装着部223、ガイド部233、および突起253を備える。なお、突起253は、位置決め部材203が取り付けられた状態にて、自在継手12およびステアリングシャフト13と接触しない位置に設けられている。
【0038】
また、取付部213、装着部223、ガイド部233、および突起253の内部には、シュウ酸ジフェニルの溶液が充填される。また、突起253の内部には、薄いガラス等により、衝撃により破壊が容易となるように形成された略円柱状の容器234が配置されている。そして、この容器234の内部に過酸化水素の溶液が充填されている。
位置決め部材203を取り付ける際には、突起253を折って容器234を破壊し、内部の溶液どうしを混ぜる(化学反応させる)ことで、位置決め部材203を発光させる。
【0039】
また、
図5(b)に示す例とは異なり、突起253を設けない構成であってもよい。例えば、
図5(c)に示す位置決め部材205は、ポリプロピレン(PP)等の周知の樹脂により形成された内部が空洞であり、互いに内部空間が連続する取付部215、装着部225、およびガイド部235を備え、内部にはシュウ酸ジフェニルの溶液が充填される。また、取付部215の内部には、破壊が容易に形成された略円弧状の容器236が配置され、この容器236は、内部に過酸化水素の溶液が充填されている。さらに、取付部215の一部には、厚みが他の箇所よりも薄く変形が容易な変形箇所216を備える。
この位置決め部材205を取り付ける際に、変形箇所216で取付部215を変形させながら取付部215内の容器236を破壊し、発光させる。
【0040】
次に、
図6(a)乃至(d)を参照しながら、発光材を配置する(塗付する)構成の具体例を説明する。
まず、
図6(a)に示す位置決め部材207のように、ガイド部23の外周面に、蓄光塗料237を塗布等周知の方法により配置する構成であってもよい。
また、
図6(b)に示す位置決め部材209のように、ガイド部23の外周面における装着部22側にのみ、蓄光塗料239を配置する構成であってもよい。この構成により、位置決め部材209の向き(図における上下の向き)の把握が容易となる。
【0041】
また、
図6(c)に示す位置決め部材212のように、ガイド部23のボルト孔23Hの周辺のみ蓄光塗料241を配置する構成であってもよい。この構成により、抜止ボルト40(
図3(a)参照)の挿入位置の把握が容易となる。
また、
図6(d)に示す位置決め部材214のように、取付部21および装着部22の周方向の一部にそれぞれ蓄光塗料243、245を配置する構成であってもよい。図示の例においては、取付部21の周方向の4箇所に蓄光塗料243を配置し、装着部22の周方向の2箇所に蓄光塗料245を配置する。このことにより、位置決め部材214の向き(図における上下の向き)の把握がより容易となる。なお、取付部21の蓄光塗料243と装着部22の蓄光塗料245とで、発光する色を変更する構成であってもよい。
なお、ここでは、位置決め部材207〜214の外周面の一部に蓄光塗料237〜245を塗付することを説明したが、外周面全体に塗付してももちろんよい。
【0042】
さて、上記の説明においては、位置決め部材20が自ら発光する構成であると説明したが、位置決め部材20が、例えば被取付箇所である自在継手12やステアリングシャフト13と比較して、より多くの可視光を発する構成であればよい。したがって、位置決め部材20は、
図6(a)乃至(d)に示す蓄光塗料237〜245に替えて、例えば表面側に所謂ガラスビーズが配置され入射光を再帰反射させる反射板を備える構成や、外周表面が蛍光色で着色される構成、あるいは、LED(Light Emitting Diode)等の照明装置を備える構成であってもよい。
【0043】
また、上記の説明においては、位置決め部材20が発光する構成、あるいは位置決め部材20が被取付箇所より多くの可視光を発する構成であると説明したが、自在継手12やステアリングシャフト13、あるいはこれらを構成する部品が発光する構成、あるいは、被取付箇所より多くの可視光を発する構成であってもよい。
また、上記の説明においては、自在継手12やステアリングシャフト13の接続部について説明をしたが、本実施形態は、相互に接続される複数の回転部の位置合わせを行う自動車用部品、あるいは自動車用部品以外の種々の機械部品に適用可能である。
【0044】
さて、上記では種々の変形例を説明したが、これらの変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。