【解決手段】シート折畳接着装置100は、シートSの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、接着体に開口部を形成するための非押圧部が設けられ、前記開口部が形成された接着体を通過させ、開口部を閉じるための封緘経路92が設けられ、封緘経路92には、接着体の開口部59が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘部5が設けられる。
シート折畳接着経路及び封緘経路は、シート押圧ローラを軸支する一の側板を挟んで両側に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のシート折畳接着装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
袋状の接着体に添付資料等を挿入した後、開口部を閉じて封緘する方法としては、糊やステープラー等によって手作業で封緘する方法が挙げられる。また、接着体の開口部及びその周辺のみを所定値以上の押圧力で押圧することが可能な封緘ローラを備えた一辺のみを封緘する専用の封緘装置を用いて自動で封緘することも可能である。更に、折り畳み処理を省略し、押圧による接着処理のみを行わせる手差し用の経路が、三辺の接着に用いた封緘装置に設けられている場合には、内容物の挿入されたシートをこの手差し用経路に挿入し、シート押圧ローラの大径部を再度通過させることで、開口部を押圧し、接着するという方法がある。
【0006】
しかしながら、糊やステープラーを用いた手作業による封緘は非効率的である。また、一辺のみを封緘可能な専用の封緘装置を用いる場合、別途一辺封緘専用の封緘装置のための設置空間を要し、全体としてより大きな設置スペースが必要になる。更に、三辺を封緘した封緘装置を折り処理を省略して手差しにより再度シート押圧ローラに通過させ、開口部を押圧し封緘する場合には、内容物が厚いときや破損しやすいものであるときには、大径部で押圧しても開口部が十分に押圧されず、接着不足となったり、内容物が破損したりするといった問題がある。
【0007】
本発明は上記した課題を解決するものであり、多大な設置スペースを要せず、シートが折り畳まれ袋状に形成された接着体の開口部を容易かつ確実に接着可能なシート折り畳み接着装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかるシート折畳接着装置は、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折部と、シートを押圧し、前記シートの所定箇所に予め塗布された接着剤によって、シートの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体を形成する押圧接着部とを備えたシート折畳接着装置であって、折部及び押圧接着部は、シート折畳接着経路の途中に設けられ、押圧接着部は一対のシート押圧ローラを備え、前記シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、前記開口部が形成された接着体を通過させ、開口部を閉じるための封緘経路が設けられ、封緘経路には、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘部が設けられる。
【0009】
また、本発明にかかるシート折畳接着装置は、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折部と、シートを押圧し、前記シートの所定箇所に予め塗布された接着剤によって、シートの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体を形成する押圧接着部とを備えたシート折畳接着装置であって、折部及び押圧接着部は、シート折畳接着経路の途中に設けられ、押圧接着部は一対のシート押圧ローラを備え、前記シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、前記開口部が形成された接着体を通過させ、開口部を閉じるための封緘経路が設けられ、封緘経路には、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘ローラを備えた封緘部が設けられ、封緘部は、使用者が入力操作を行う操作パネルの設置面と同一面または前記操作パネル設置面の隣接面に、開口部が形成された接着体を前記封緘ローラへ送り込む送り込み部が設けられる。
【0010】
そして、前記各構成において、シート折畳接着経路と封緘経路とは、異なる経路により構成される。
【0011】
本発明にかかるシート折畳接着装置は、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折部と、シートを押圧し、前記シートの所定箇所に予め塗布された接着剤によって、シートの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体を形成する押圧接着部とを備えたシート折畳接着装置であって、押圧接着部は一対のシート押圧ローラを備え、前記シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、押圧接着部における接着体形成処理中に、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘処理を実行可能な封緘部が設けられる。
【0012】
また、本発明にかかるシート折畳接着装置は、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折部と、シートを押圧し、前記シートの所定箇所に予め塗布された接着剤によって、シートの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体を形成する押圧接着部とを備えたシート折畳接着装置であって、押圧接着部は一対のシート押圧ローラを備え、前記シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘ローラを備えた封緘部が設けられ、シート押圧ローラと封緘ローラとは、同一の駆動源により駆動される。
【0013】
また、本発明にかかるシート折畳接着装置は、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折部と、シートを押圧し、前記シートの所定箇所に予め塗布された接着剤によって、シートの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体を形成する押圧接着部とを備えたシート折畳接着装置であって、押圧接着部は一対のシート押圧ローラを備え、前記シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘ローラを備えた封緘部が設けられ、封緘ローラは、該封緘ローラを覆うカバーの内部に設置される。
【0014】
そして、前記各構成において、封緘部には、開口部が形成された接着体を封緘ローラへ送り込む送り込み部が、折部へシートを供給する給紙部とは別に設けられる。
【0015】
更に、前記各構成において、封緘部は、一対の封緘ローラを備え、少なくとも一の封緘ローラは、シート押圧ローラと同一の回転軸により回転される。
【0016】
更に、前記各構成においてシート折畳接着経路及び封緘経路は、シート押圧ローラを軸支する一の側板を挟んで両側に設けられる。
【0017】
更に、前記各構成において、折部は、一対の折ローラを備え、少なくとも一の折ローラは、シート押圧ローラを兼ねて構成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかるシート折畳接着装置によれば、シート押圧ローラには、シートを搬送しながら該シートの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する押圧部と、シートの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、前記接着体に開口部を形成するための非押圧部とが設けられ、前記開口部が形成された接着体を通過させ、開口部を閉じるための封緘経路が設けられ、封緘経路には、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘部が設けられるので、多大な設置スペースを要せず、シートが折り畳まれ接着されることで開口部が形成された接着体の該開口部を容易かつ確実に接着可能である。
【0019】
また、封緘部は、使用者が入力操作を行う操作パネルの設置面と同一面または前記操作パネル設置面の隣接面に、開口部が形成された接着体を前記封緘ローラへ送り込む送り込み部が設けられるので、作業性を向上可能である。
【0020】
そして、シート折畳接着経路と封緘経路とは、異なる経路により構成される場合は、シート折畳接着経路でシートの折り畳み及び接着のためにシートを搬送している間に、封緘経路で接着体の開口部を封緘処理するよう接着体を搬送することによって、利便性が高くなる。
【0021】
また、押圧接着部における接着体形成処理中に、接着体の開口部が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部を閉じる封緘処理を実行可能な封緘部が設けられるので、押圧接着部におけるシートの折り畳み及び接着による接着体形成処理と、封緘部における接着体の開口部の封緘処理とを同時に実行でき、利便性が高い。
【0022】
また、封緘部が封緘ローラを備え、シート押圧ローラと封緘ローラとは、同一の駆動源により駆動されるので、シート折畳接着装置をより小さい空間に設置することができ、運転コストを抑制可能である。
【0023】
また、封緘部が封緘ローラを備え、該封緘ローラは、カバーの内部に設置されるので、封緘処理の際の安全性を向上可能である。
【0024】
更に、封緘部には、開口部が形成された接着体を封緘ローラへ送り込む送り込み部が、折部へシートを供給する給紙部とは別に設けられる場合は、給紙部から折部へ折り畳み前のシートを供給し、折り畳み及び接着処理を行いながら、送り込み部から封緘処理を行う開口部が形成された接着体を封緘ローラへ送り込み封緘処理することができ、利便性が高くなる。
【0025】
更に、封緘部は、一対の封緘ローラを備え、少なくとも一の封緘ローラは、シート押圧ローラと同一の回転軸により回転される場合は、シート押圧ローラと封緘ローラとをそれぞれ回転させるための機構を2個設ける場合に比較して、占有スペースを小さくすることできる。
【0026】
更に、シート折畳接着経路及び封緘経路は、シート押圧ローラを軸支する一の側板を挟んで両側に設けられる場合は、シート折畳接着装置の占有スペースをより小さくすることができる。
【0027】
更に、折部は、一対の折ローラを備え、少なくとも一の折ローラは、シート押圧ローラを兼ねて構成される場合は、シート折畳接着装置の占有スペースを更に小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明に係るシート折畳接着装置100の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るシート折畳接着装置100の外観を示す斜視図、
図2は、前記シート折畳接着装置100の縦断面図、
図3は、前記シート折畳接着装置100の平面図、
図4は、前記シート折畳接着装置100のカバー8を外した状態の右側面図である。各図に示すシート折畳接着装置100は、給紙部1、折部2、押圧接着部3、スタッカ部4、封緘部5を備える。
【0030】
シート折畳接着装置100には、シート折畳接着経路91及び封緘経路92が形成されている。シート折畳接着経路91の途中位置には、折部2及び押圧接着部3が設けられている。また、封緘経路92には、封緘部5が設けられている。封緘経路92及びシート折畳接着経路91は、押圧接着部3のシート押圧ローラを軸支する一の側板10を挟んで両側に設けられる。
【0031】
給紙部1は、給紙台11、幅ガイド14、給紙ローラ12及び捌き部材13を備える。給紙部1は、折部2へシートSを供給する。給紙台11にはシートSが載置される。給紙台11は、給紙による搬送方向F上流側端部から給紙台11の長さの3分1程度の位置に設けられた揺動軸15を軸心とし、
図2において矢印Yで示す方向に揺動自在に軸支される。揺動軸15には、装置本体7を構成する一対の側板9,10のうち
図3において左側に示す一方の側板9の外側で、
図2に示すアーム19の一端部が固定されており、該アーム19の他端部は、付勢手段17としてのばねの下端部が接続される。付勢手段17の上端部は、側板9の揺動軸15より前方の上部に固定され、これより給紙台11の下流側端部は上方に向けて付勢され、この給紙台11の下流側端部の上方に設置された給紙ローラ12に圧接される。そして、給紙台11上に載置されたシートSは、付勢手段17の付勢力により給紙ローラ12に圧接される。
【0032】
幅ガイド14は、給紙台11上に載置されるシートSの幅方向W両端縁に接触し、シートSの幅方向Wにおける位置を決定するために設けられている。幅ガイド14は、案内溝16に案内されつつ手動により幅方向Wに移動可能となっている。幅ガイド14は、シートSの幅方向W長さに応じて所定位置に調整されるとともに、折部2による折り畳み、及び押圧接着部3による接着処理により得られる接着体Eの接着状態に応じて所望する位置に位置合わせされる。
【0033】
給紙ローラ12は、給紙台11の下流側端部近傍及び捌き部材13の上方位置にこれらに対向して配設される。
図1,3に示すように、給紙ローラ12には、装置本体7の幅方向W中央に設置された1個のゴムローラ121により構成される。ゴムローラ121の左右両側には、所定量離間して樹脂製のガイドローラ122が設置される。ゴムローラ121及びガイドローラ122は、一対の側板9、10間に架設された1本の回転軸18に固定される。回転軸18は、電磁クラッチ(図示省略)及び図示しない連結機構を介してモータ36に接続される。電磁クラッチは図示しない電磁クラッチ制御器によりオン、オフされる。モータ36が駆動し、電磁クラッチがオン(接)のときには、連結機構に回転軸18が連結されて回転され、これよりゴムローラ121及びガイドローラ122が回転される。逆に、電磁クラッチがオフ(離)のときには、回転軸18が連結機構に連結されず、ゴムローラ121及びガイドローラ122は回転せず、給紙は行われない。
【0034】
捌き部材13は、シートSの搬送面を介したゴムローラ121の下方位置に対向して設置される。捌き部材13は、給紙ローラ12が給紙台11上のシートSのうち最上位のシートSを1枚ずつ下流側へ送り出す際、給紙台11からシートSが重なった状態で送り出されたときに下側のシートSに接触し、下側のシートSが送り出されないようシートSを捌く。
【0035】
折部2は、搬送されるシートSを折り畳む。折部2は、第1、第2の2つの折トレイ27、28と、折ローラとしての第1〜4の4つのローラ21、22、23、24とを備える。
図2に示すように、第1折トレイ27は、給紙部1から続く水平方向よりやや上向きのシートSの搬送経路から前上方に傾斜して突出し、設置される。また、第2折トレイ28は、第2、第3ローラ22、23のニップ部32より略鉛直方向下向きに伸びるシートSの搬送経路から後下方に傾斜して設置される。
【0036】
第1折りトレイ27及び第2折トレイ28は、ともに所定量離間して対向配置された一対の平板状部材38を備えている。一対の平板状部材38の間には、シートSが挿入されるシート挿入空間39が形成されている。シート挿入空間39は、第1、第2ローラ21、22及び第2,3ローラ22、23によるシートSの搬送方向に対し、シートSを所定角度傾斜させつつシートSを挿入させるために設けられる。そして、第1折トレイ27及び第2折トレイ28には、シート挿入空間39に挿入されたシートSの先端が突き当たる突き当て部材64が平板状部材38のシートSの挿入方向に位置変更自在にそれぞれ設けられている。
【0037】
また、第1折トレイ27の下端に形成された開口部62は、第1、第2、第3ローラ21、22、23で囲まれた空間に向けて開かれている。そして、第2折トレイ27の上端に形成された開口部63は、第2、第3、第4ローラ22、23、24で囲まれた空間に向けて開かれている。
【0038】
第1〜第4ローラ21〜24は、シートSを搬送する搬送部を構成する。第1〜第4ローラ21〜24は、一対の側板9、10間に架設され、両側板9、10により回転自在に軸支される。また、第1〜第4ローラ21〜24は、隣り合うローラ同士が当接して、それぞれニップ部31、32、33を形成する。第3、第4ローラ23、24は、第1、第2ローラ21、22よりも直径が大きく形成されている。第1〜第4ローラ21〜24は、連動機構を介してモータ36に接続され、該モータ36の駆動により回転される。
【0039】
押圧接着部3は、シートSを押圧し、シートSの所定箇所に予め塗布された接着剤Gによって、シートSの重ね合わせ面の周縁を接着して接着体Eを形成する。押圧接着部3は、一対のシート押圧ローラを備える。シート押圧ローラは、折部2の折ローラを構成する第3、第4ローラ23、24により兼ねて構成される。
【0040】
第3、第4ローラ23、24は、シートSを所定値以上の押圧力で押圧し、シートSの所定箇所に予め塗布された接着剤GによってシートSの重ね合わせ面の周縁を接着する。第3、第4ローラ23、24は、第1、第2ローラ21、22より直径が大きく形成されることで、シートSを押圧する際の所定値以上の大きな圧力に耐えられるようにしている。そして、シート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24は、シートSの最終の折り畳みと押圧による折り畳まれたシートSの接着を同時に行う。第3、第4ローラ23、24は、十分な押圧力を発生させるため、金属により形成されることが好ましい。
【0041】
シート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24は、押圧部54と非押圧部55の双方を備える(
図5参照)。押圧部54は、シートSを搬送しながら該シートSの重ね合わせ面を所定値以上の押圧力で押圧する。そして、非押圧部55は、シートSの重ね合わせ面の周縁の一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、接着体Eに開口部59を形成する。
【0042】
図5は、側板9、10、第3、第4ローラ23、24及び封緘部5を前方から、即ち
図1の矢印H方向に見た図である。
図5においては、押圧部54は、一対のシート押圧ローラとしての第3、第4ローラ23、24の大部分を占める場合を示し、軸方向Wに所定長さL2に亘り設けられている。また、非押圧部55は、押圧部54に隣接して形成され、第3、第4ローラ23、24の左側に幅方向Wに所定長さL3に亘り設けられている。
【0043】
非押圧部55は、直径D2が押圧部54の直径D1よりも僅かに小さく形成されている。これにより、非押圧部55では、第3、第4ローラ23、24の外周面が互いに当接せず、非接触となっている。そして、シートSを第3、第4ローラ23、24の間で挟持搬送する際、シートSの非押圧部55を通過する部分は、所定値以上の押圧力で押圧しないことで、シートSの接着剤塗布領域Gの一部を非接着とする。
【0044】
第3、第4ローラ23、24の非押圧部55における隙間Jの大きさは、折り畳まれ、両シート押圧ローラの間を通過するシートSを所定値以上の押圧力で押圧しない値、例えば0.5mm〜2.5mm程度とすることが好ましく、1.0mm〜2.0mmとすることがより好ましい。
【0045】
また、非押圧部55の幅方向W(軸方向)の長さL3は、シートSの周縁に予め塗布され、接着体Eの開口部59を形成する部分となる接着剤Gの塗布位置の接着体Eの端からの距離Kより所定量長い距離Kの2倍〜3倍倍程度の長さ、例えば、15mm〜30mm程度とすることができる。一方、押圧部54の幅方向長さL2はシートSの幅方向長さより長くなるよう設定されている。そして、非押圧部55と押圧部54とを合わせたシート押圧ローラ全体の軸方向長さL1は、シートSの横幅よりも長く設定されている。
【0046】
第3ローラ23の回転軸231は、左側の側板10から左外方に突出し、左端部に、把手40が着脱自在に接続される接続部37が設けられる。把手40は、第3ローラ23を手動で正逆両方向に回転させる。
【0047】
スタッカ部4は、羽根車42、横ガイド板45、縦ガイド板43及び受け板44を備える。
図3に示すように、羽根車42は、幅方向Wに所定量離間して2個設置される。この2個の羽根車42は、一対の側板9、10に回転可能に軸支された回転軸46に固定されている。羽根車42は、外周面に多数の羽根421が設けられ、羽根421は、周方向に等間隔をおいて配置されると共に湾曲状に径方向の外方に延びている。横ガイド板45は、2個の羽根車42の間、該羽根車42と左右双方の側板9、10の間に設置される。横ガイド板45は、第3、第4ローラ23、24のニップ部33と略同程度乃至やや低い高さ位置に横設される。縦ガイド板43は、羽根車42の下方に立設される。受け板44は、縦ガイド板43の下端より前方に前上がり状に傾斜配置される。
【0048】
給紙部1から折部2、押圧接着部3を経てスタッカー部4に至るシートSの搬送経路は、シート折畳接着経路91を構成する。
【0049】
封緘部5は、後述するように、接着体E2の開口部59が形成された周縁(
図8参照)を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤Gにより開口部59を閉じる封緘処理を行う。封緘部5は、
図1において右側に示す一方の側板10の外側に設けられる。そして、封緘部5は、使用者が入力操作を行う操作パネル6の設置面の近傍に設けられる。封緘部5は、該操作パネル6の設置位置と同一面及び操作パネル6設置面の隣接面である
図1において操作パネル6の設置位置の下側に示す面の内部に設けられる。封緘部5は、操作パネル6の設置面の隣接面の1つに、開口部59が形成された接着体E2を後述する封緘ローラ51へ送り込む送り込み部を構成する窓部57が開口して設けられる。封緘部5は、押圧接着部3における接着体形成処理中に、接着体E2の開口部59が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤Gにより開口部59を閉じる封緘処理を実行可能に構成されている。
【0050】
封緘部5は、封緘ローラ51及び案内部材52を備える。封緘ローラ51は、側板10の上部に上下に配設された上封緘ローラ512及び下封緘ローラ511により構成される。下封緘ローラ511は、第3ローラ23の回転軸231の一部により構成される。即ち、
図5に示すように、下封緘ローラ511は、第3ローラ23の回転軸231が側板10から外側に突出した部分であって、回転軸231端部の、直径が更に小さく形成された把手40への接続部37と、側板10との間となる位置に設けられる。
【0051】
上封緘ローラ512は、側板10の外側に回動自在に軸支され、上封緘ローラ512の周面と、下封緘ローラ511の周面との間は0.05mm〜0.25mm程度の隙間がある。このように上封緘ローラ512と下封緘ローラ511との間に所定量の隙間があることで、シートSの開口部59を接着した際の接着力が強すぎず、押圧した跡が残りにくいので、接着体Eをきれいに封緘し仕上げることができる。下封緘ローラ511は、モータ36の駆動による図示しない連動機構を介した回転軸231の回転により回転し、上封緘ローラ512は、接着体Eを下封緘ローラ511との間で挟持した際、下封緘ローラ511の回転により接着体Eを介し従動回転する。よって、シート押圧ローラと封緘ローラ51とは、同一の駆動源により駆動される。また、押圧接着部3における接着体形成処理中に、接着体E2の開口部59が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤Gにより開口部59を閉じる封緘処理を実行可能に構成される。
【0052】
案内部材52は、一対の封緘ローラ51の前方に略水平方向に沿って設けられる。案内部材52は、1枚の薄板が略直角に2回屈曲されることで、所定量離間して対向した上案内部材522及び下案内部材521を備える。案内部材52は、封緘部5には、開口部59が形成された接着体E2を封緘ローラへ送り込む送り込み部を構成する。当該送り込み部は、折部2へシートSを供給する給紙部1とは別に設けられる。案内部材52は、上下案内部材522,521の間の空間523は、一対の封緘ローラ51の当接部に位置合わせされている。下案内部材521は、略水平面に沿って設置される。一方、上案内部材522は、側板10に固定された奥側から所定長さとなる箇所で、上向きに屈曲される。よって、上下案内部材522、521は、奥側が狭く閉じて側板10に固定され、手前側が広く開口している。
【0053】
図1において右側に示すカバー8には、封緘部5の設置位置に対応する箇所に、前後方向に長い窓部57が形成されている。封緘ローラ51は、この該封緘ローラを覆うカバー8の内部に設置されている。そして、この窓部57に沿って
図8(b)に示す開口部59が形成された接着体E2を通過させ、開口部59を閉じるための封緘経路92が形成されている。窓部57は、案内部材52とともに、開口部59が形成された接着体E2を封緘ローラ51へ送り込む送り込み部を構成する。
【0054】
次に、本実施形態に係るシート折畳接着装置100の作用について説明する。シート折畳接着装置100により、折り畳み及び接着の加工処理がなされるシートSには、所定箇所に予め接着剤G1〜G6が塗布されている。
図6(a),(b)は、このような所定箇所にあらかじめ接着剤G1〜G6が塗布されたシートSの表面及び裏面を示す図、
図7は
図6に示すシートSを折り畳む途中の状態を示す斜視図である。
【0055】
図6(a),(b)に示すように、シートSの重ね合わせ面の周縁には、接着剤塗布領域Gが形成されている。接着剤塗布領域Gは、
図7に示すように、シートSが折り畳まれた際、シートSの重ね合わせ面の周縁の相互に接着される位置に形成される。より詳しくは、
図6(a)に示すシートS1の表面の第1折り片P1と第2折り片P2の内側面の幅方向Wの両端位置に、シートSの搬送方向Fに沿って筋状に延びる接着剤G1、G2が塗布されている。更に、第1折片P1のシートSの搬送方向F前端部分及び第2折片P2のシートSの搬送方向F後端部分に、幅方向Wに沿って筋状に接着剤G3が塗布されている。また、
図6(b)に示すように、シートS2の裏面の第2折片P2と第3折片P3の重ね合わせ面の幅方向Wの両端位置及び搬送方向F前後端部分からなる周縁に、接着剤塗布領域G4,G5,G6が形成される。
【0056】
そして、シートSは、
図7に示すように折部2において接着剤G1〜G6の塗布面が内側となるように外三つ折される。即ち、シートSは、互いに平行な二つの折り線q1、q2により、第1、第2及び第3の折り片P1、P2、P3に区画される。第3折り片P3は、第2折り線q2により、第2折り片P2の上側に折り畳まれ、第1折り片P1は、第1折り線q1により、第2折り片P2の下側に折り畳まれる。
【0057】
そして、
図7に示すように折り畳まれる状態においては、第2折り片P2上面の接着剤G4〜G6とこれに対向する第3の折片P3下面の接着剤G4〜G6が三辺で接着される。また、第2折り片P2の下面の接着剤G1〜G3とこれに対向する第1折片P1上面の接着剤G1〜G3により三辺で接着される。
【0058】
この接着剤G1〜G6は、圧着葉書などに用いられる粘着性が低く、所定値以上の押圧力で押圧されたときに限って、シートSを接着する。よって、接着剤G1〜G6により、給紙台11上にシートSが積載された状態では、上下のシートSが相互に接着されることはない。一方、シート押圧ローラの押圧部54で所定値以上の押圧力で押圧されることで、折り畳まれるシートSの重ね合わせ面が接着される。更に、シートSの大部分が押圧部54を通過するとともに、シートSの周縁のうち一部についてはシート押圧ローラの非押圧部55を通過する場合には、該非押圧部55を通過した箇所のシートSは所定値以上の押圧力で押圧されず、非接着となる。
【0059】
従って、本実施形態にかかるシート折畳接着装置100は、幅方向WにおけるシートSの搬送位置を、シートS全体を押圧部54を通過させる位置とするか、または、シートSの周縁の一部を非押圧部55を通過させる位置とするかによって、折り畳み及び接着処理により得られる接着体Eを、
図8(a)に示すような矩形状の周縁のうち接着剤G1〜G6の塗布された重ねあわせ面の三辺全てを接着することで、接着体Eの四辺が全て閉じられた接着体E1とするか、または同図(b)に示すように、矩形状の周縁のうち接着剤G1〜G6の塗布された重ね合わせ面の二辺のみ接着し、残りの接着剤G2、G4の塗布された一辺を非接着として開口部59を設けるかの選択が可能である。
【0060】
幅方向WにおけるシートSの搬送位置の調整は、幅ガイド14を用いてユーザーが手動で行うことができる。
図9は、幅ガイド14とシート押圧ローラとしての第3ローラ23との位置関係を説明するための平面図である。ユーザーが、シートSの重ね合わせ面の周縁全てを接着し、
図8(a)に示すような矩形状の周縁四辺が全て接着された接着体E1を得たい場合には、シートS3全体が押圧部54を通過するよう実線で示す位置に幅ガイド14を位置合わせする。
【0061】
図9でシート押圧ローラの右端部に示す非押圧部55は、直径D2が、長さL3に渡って、押圧部54の直径D1よりも小さく形成されている。また、第3、第4ローラ23,24の押圧部54の幅方向Wの長さL1は、シートSの横幅LSよりも長く設定されている。よって、シートS3全体が押圧部54を通過する実線で示す位置にあるときには、その横幅LS全体が、シート押圧ローラの押圧部54の長さL2内に納まる。従って、折り畳まれたシートS3が、回転する第3、第4ローラ23,24のニップ部33を通過すると、シートS3上に塗布された接着剤G1〜G6全てに第3、第4ローラ23,24の押圧力が付与されるため、接着体Eの周縁は、重ね合わせ面の三辺が接着され、矩形状の接着体Eの四辺全て閉じられる。
【0062】
一方、
図8(b)に示す接着体E2のように、矩形状の周縁のうち接着剤G1、G3、G4、G6の塗布された領域を接着し、接着剤G2、G5の塗布された一辺を接着せず開口部59が形成された袋状の接着体E2を得たい場合には、ユーザーは、接着剤G2、G5が塗布された領域を除いたシートSの大部分が押圧部54を通過するとともに、シートSの接着剤G2、G5が塗布された領域が非押圧部55を通過するよう
図9において右側へ所定量ずらせた破線で示す位置に幅ガイド14を位置合わせする。
【0063】
これより、シートS4の重ね合わせ面の接着剤G1、G3、G4、G6が塗布された領域には、押圧部54により所定値以上の押圧力が付与され接着されるが、接着剤G2、G5の塗布領域には所定値以上の押圧力が付与されない。よって、この領域においては、あらかじめ接着剤G2、G5が塗布されていてもシートS4の重ね合わせ面が接着されないため、接着体Eの三辺が接着された袋状の接着体E2が作製される。
【0064】
このようにユーザーは手動により幅ガイド14を適正な位置に調整した後、該一対の幅ガイド14の間に複数のシートSを載置する。積載された複数のシートSは、付勢手段17の付勢力により給紙ローラ12に圧接される。ユーザーが操作パネル6のスタートボタンを押下すると、駆動源であるモータ36が駆動される。モータ36の駆動により第1〜第4ローラ21〜24及び羽根車42が回転される。また、クラッチ制御器が電磁クラッチをオンしているときに 回転軸18が回転され、給紙用ローラ12及びガイドローラ122が回転される。
【0065】
給紙台11上の複数のシートSのうち最上位のシートSは、回転する給紙ローラ12及びガイドローラ122により下流側へ送られ、下方の捌き部材13によって他のシートSから分離され折部2へ送出される。
【0066】
折部2では、たとえば
図10(a)〜(c)に示すように動作することによって、シートSを、
図7の外向き三つ折り状態に折り畳むことができるようになっている。すなわち、
図10(a)に示すように、給紙部1から送られてくる未折り状態のシートSは、まず、第1、第2ローラ21、22間のニップ部31に送られ、更に上側の第1トレイ27のシート挿入空間39に送り込まれる。第1折トレイ27の突き当て部材64の位置は、第1の折り片P1の長さに相当する位置に設定されている。したがって、第1折トレイ27の突き当て部材64にシートSの先端が当接した後、さらに第1、第2ローラ21、22でシートSが送り込まれると、シートSは第1の折り線q1で折られ、第2ローラ22と第3ローラ23のニップ部32で前記折り線q1部分が挟持され、
図10(b)のように、下側の第2折トレイ28のシート挿入空間39に送り込まれる。
【0067】
下側の第2折トレイ28の突き当て部材64は、第1折り片P1の長さに相当する位置に設定されているので、第1の折り線q1部分が突き当て部材64に当接した後、さらに第2、第3ローラ22、23により送り込まれると、今度は、第2折り線q2部分で折り畳まれ、該折れ線q2部分は、第3、第4ローラ23、24のニップ部32で挟持され、
図10(c)に示すように、外側三つ折り状態となって、スタッカー部4へと搬送される。すなわち、第1及び第2の折り線q1、q2でそれぞれ折り畳まれることにより、内側三つ折り状態となり、スタッカー部4に供給されるのである。
【0068】
第3、第4ローラ23、24とのニップ部33で挟持される際、シートSは、第3、第4ローラ23、24とによって所定値以上の押圧力で押圧される。これより、シートSは折り畳みと接着の両方の処理が一度に行われる。そして、シートSの周縁に予め塗布された接着剤G1〜G6によりシートSの重ね合わせ面が相互に接着される。
【0069】
その際、第3、第4ローラ23、24の間を通過するシートS全体が、幅方向Wにおいて押圧部54により挟持搬送される場合、接着剤G1〜G6の塗布された矩形状の周縁四辺が全て所定値以上の押圧力で押圧され、接着された接着体E1を得る。一方、シートSの周縁の一部が非押圧部55を通過する場合、矩形状の周縁の三辺が所定値以上の押圧力で押圧され、接着され、残る一辺に開口部59が形成された接着体E2を得ることができる。
【0070】
第3、第4ローラ23,24を通過し折り畳み及び接着処理がなされた接着体E1,E2は、横ガイド板45に案内され、羽根421の間に1枚或いは数枚ずつ挿通される。そして、回転する羽根車42により接着体E1,E2の上下が反転され、前方に送り出され、受け板44上に順次積載される。
【0071】
周縁の一部に開口部59が形成された袋状の接着体E2は、ユーザーにより添付資料等の内容物が挿入される。そして、開口部59を閉じるため、ユーザーは封緘部5により封緘処理を行う。その際、接着体E2の開口部59が形成された部分は、ユーザーの手により窓部57からカバー8内へ挿通され、上下の案内部材52の間に収められ、更に接着体E2が、上下の案内部材52により案内されつつ後方の封緘ローラ51へ移動されると、上下封緘ローラ512、511の間に挟まれる。
【0072】
接着体E2が上下封緘ローラ512,513の間に挟まれると、回転する下封緘ローラ512の回転により接着体E2が後方へ送られるとともに上封緘ローラ511が従動回転し、接着体E2を押圧しつつ送出する。これより、上下封緘ローラ512,511は、接着体E2の開口部59が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤G2、G4により該開口部59を閉じる。
【0073】
上下封緘ローラ512,511が押圧する接着体E2の幅方向Wの長さL4は、非押圧部55の幅方向長さL3と略同程度であり、シートSの周縁に予め塗布され、接着体Eの開口部59を形成する部分となる接着剤G2、G4の塗布位置の接着体Eの端からの距離K(
図6参照)より少し長い程度の長さ、例えば、15mm〜30mm程度とすることができる。
【0074】
このように上下封緘ローラ512,511が押圧する接着体E2の幅方向Wの長さL4は、シートSの端から
図6に示す距離Kより少し長い程度なので、シート押圧ローラの押圧部54の幅方向W長さL2よりかなり短く5%〜15%となる。よって、この上下封緘ローラ512,511によって接着体E2が挟持され押圧される面積は、シート押圧ローラの押圧部54によりシートSが挟持され、押圧される面積よりかなり小さい。すると、上下封緘ローラ512,511及び押圧部54がともに同程度の押圧力で押圧するためには、上下封緘ローラ512,511が押圧する際に要する力の全体量を、シート押圧ローラの押圧部54がシートSを押圧する際に要する力の全体量より小さい値に調整される。上下封緘ローラ512,511の強度は、シート押圧ローラより弱くてもよく、上下封緘ローラ512,511の直径D3、D4は、押圧部54の直径D1より小さくされている。
【0075】
以上より、本実施形態のシート折畳接着装置100によれば、折部2及び押圧接着部3が設けられたシート折畳接着経路91と、封緘部5が設けられた封緘経路92の双方を備えるので、シートSが折り畳まれ袋状に形成された接着体E2の開口部59を容易かつ確実に接着可能であり、シートSの折り畳み及び接着を効率よく行うことができる。また、シート折畳接着装置100は、袋状の接着体E2を作成するための封緘装置と、開口部59が形成された一辺のみを封緘可能な専用の封緘装置の2つの封緘装置を設置する場合に比較して、より小さい空間に設置することができる。
【0076】
更に、袋状の接着体E2の内部に収容する内容物が厚いときや破損しやすいものであっても、開口部59が形成された周縁を押圧することが可能であり、内容物の破損の問題を解消できる。
【0077】
また、封緘部5は、使用者が入力操作を行う操作パネル6の設置面の隣接面に、開口部59が形成された接着体E2を封緘ローラ51へ送り込む送り込み部が設けられるので、作業性を向上可能である。そして、シート折畳接着経路と封緘経路とは、異なる経路により構成されるので、シート折畳接着経路でシートSの折り畳み及び接着のためにシートSを搬送している間に、封緘経路で接着体E2の開口部59を封緘処理するよう接着体E2を搬送することができ、利便性が高くなる。
【0078】
また、押圧接着部3における接着体形成処理中に、接着体E2の開口部59が形成された周縁を所定値以上の押圧力で押圧し、開口部59の重ね合わせ面に塗布された接着剤により開口部59を閉じる封緘処理を実行可能であるので、押圧接着部3におけるシートSの折り畳み及び接着による接着体形成処理と、封緘部5における接着体の開口部の封緘処理とを同時に実行でき、利便性が高い。
【0079】
また、シート押圧ローラと封緘ローラ51とは、同一の駆動源により駆動されるので、シート折畳接着装置100をより小さい空間に設置することができ、運転コストを抑制可能である。また、封緘ローラ51は、カバー8の内部に設置されるので、封緘処理の際の安全性を向上可能である。更に、封緘部5には、開口部59が形成された接着体E2を封緘ローラ51へ送り込む送り込み部が、折部2へシートSを供給する給紙部1とは別に設けられるので、給紙部1から折部2へ折り畳み前のシートSを供給し、折り畳み及び接着処理を行いながら、送り込み部から封緘処理を行う開口部59が形成された接着体E2を封緘ローラ51へ送り込み封緘処理することができ、利便性が高くなる。
【0080】
また、下封緘ローラ511が、シート押圧ローラとしての第3ローラ23と同一の回転軸231により回転されるので、第3ローラ23と封緘ローラ51とをそれぞれ回転させるための機構を2個設ける場合に比較して、占有スペースを小さくすることできる。また、部品点数を減少させ、製造コストを抑制可能であるとともに、1のモータ36により第3ローラ23と封緘ローラ51双方を駆動できるので、効率よく封緘することができる。
【0081】
そして、シート折畳接着経路91及び封緘経路92は、シート押圧ローラとしての第3ローラ23を軸支する一方の側板10を挟んで両側に設けられるので、シート折畳接着装置100の占有スペースをより小さくすることができる。
【0082】
更に、折ローラとしての第3、第4ローラ23,24は、シート押圧ローラを兼ねて構成されるので、シート折畳接着装置100の占有スペースを更に小さくすることができる。
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能であり、変形例の組み合わせも本発明に含まれる。以下、上記実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、シートSをZ型に外三つ折りして定型郵便物大の接着体E1,E2にする例を示したが、他の折り方、例えば、C型に内三つ折してもよく、V型に2つ折りしてもよい。このように、他の折り方に変更する際は、第1、第2折トレイの突き当て部材の位置を調整するか、またはシート挿入空間長さの異なったもの等他のトレイに交換する。
【0084】
また、下封緘ローラ511は、シート押圧ローラとしての第3ローラ23と同一の回転軸231により回転されたが、下封緘ローラが、シート押圧ローラと異なる回転軸により回転されてもよく、下封緘ローラを回転させるための駆動機構を設け、該駆動機構の駆動により回転してもよい。また、上封緘ローラ512は、下封緘ローラ511の回転に伴って接着体E2を介し従動回転したが、上封緘ローラを回転させるための駆動機構を設け、該駆動機構の駆動により回転することとしてもよく、他のいずれかのローラ、即ち、給紙ローラ、折ローラまたはシート押圧ローラのうちいずれかの回転軸と同一の回転軸の回転により上封緘ローラが回転されるよう構成してもよい。また、封緘部5は、使用者が入力操作を行う操作パネル6の設置面の隣接面である
図1において下側に示す面に送り込み部が設けられたが、送り込み部は操作パネルの設置面である上面に設けてもよく、操作パネル設置面の他の隣接面に設けてもよい。
【0085】
また、シート折畳接着経路91及び封緘経路92は、シート押圧ローラを軸支する一の側板10を挟んで両側に設けられたが、両経路をこれとは異なる位置に配置してもよく、例えば、シート折畳接着経路と封緘経路が交差する方向に設置されてもよく、上下に設置されてもよい。
【0086】
また非押圧部55は、シート押圧ローラとしての第3、第4ローラの一方の端部に設けたが、シート押圧ローラの幅方向両端に設けてもよく、幅方向端部から所定量中央よりとなる位置等他の箇所であってもよい。
【0087】
上記のシート折畳接着装置100で折畳接着処理を行うシートSの接着剤塗布領域Gは、上記構成例に限定されず、シートの重ね合わせ面の周縁であって折畳接着処理により接着体が作成可能であれば他の箇所であってもよい。例えば、シートの重ね合わせ面の周縁全てに替えて周縁のうちの一部に接着剤が塗布されていてもよく、また、
図11(a)に表面を例として示すシートS5のように、重ね合わされる2つの面のいずれか一方の面のみに、接着剤G7が塗布されていてもよく、同図(b)に示す表面を例として示すシートS6ように、折線q1、q2に沿って所定幅の接着剤G8塗布領域を設けてもよい。また、同図(c) に表面を例として示すシートS7のように、周縁を構成する各辺の一部に接着剤G9を塗布してもよい。また、シートの折線が形成される部分等といった所定箇所にあらかじめミシン目が配されていてもよい。
【0088】
上記実施形態では、矩形状の接着体の四辺の周縁のうち一辺を開口部としたが、袋状の接着体の内部に添付資料等の内容物を挿入可能であれば、開口部が一辺の半分や8割等といった一辺全てではなく一部を開口部としてもよい。
図12は、接着体E3の四辺の周縁のうち、一辺の半分が開口部59aとされた場合を示す。このような矩形状の周縁の一辺の一部を開口部59aとして形成するには、例えば、
図13に示すシート押圧ローラ83を用いることができる。同図では、一対のシート押圧ローラ83のうち上側のローラ83aの左端部に非押圧部55aが設けられている。非押圧部55aは、ローラ83a左端部の周面の右側約半分が切り欠かれた部分により構成される。
【0089】
図13における非押圧部55aは上のローラ83aの周面の一部が切り欠かれることで、対向する下のローラ83bに当接しない。よって、非押圧部55aは、ローラ83bとの間でシート周縁の一辺のうちの一部を所定値以上の押圧力で押圧しないことで、矩形状の接着体の周縁の一辺の一部に開口部を形成する。
【0090】
ローラ83aの左端部のうち残りの切り欠かれていない部分は、シートを所定値以上の圧力で押圧可能な押圧部54aとして構成される。このシート押圧ローラ83によりシートを搬送しながら押圧することで、接着体の周縁の一辺に、接着部分60と開口部59aとの双方を形成することができる。
【0091】
また、上記実施形態では、給紙部1の幅ガイド14がユーザーの手動により所望する位置に移動されたが、幅ガイドの移動機構を設けることで、自動で移動することとしてもよい。