【解決手段】上框別体型の換気装置9は、基本構造体10とアタッチメント20を備える。基本構造体10は、ボデイ11と開閉機構17を有している。ボデイ11は、障子の板体を呑み込んで支持する呑み込み部12と、通気口13aが形成された室内側壁部13と、室内側被連結部18a,18bと、室外側被連結部18cとを有している。アタッチメント20は、閉塞部22と、この閉塞部22から上方に突出して上框の凹溝部に挿入される挿入部21とを有している。閉塞部22は、開閉機構17を覆うとともに換気通路16を画成する通路形成壁部22bを有している。アタッチメント20は、その室内側連結部25a,25bと室外側連結部25cをボデイ11の室内側被連結部18a、18bと室外側被連結部18cに連結する。基本構造体10は上框一体型換気装置にも用いることができる。
障子の下部に設置される框一体型換気装置であって、上記レール呑み込み部材に、窓枠の下側のレールに乗る戸車が回転可能に支持されていることを特徴とする請求項5に記載の框一体型換気装置。
請求項1〜4のいずれかに記載の框別体型換気装置と請求項5または6に記載の框一体型換気装置とを備えた2段式換気装置であって、上記框一体型換気装置の基本構造体の呑み込み部に、上記障子の板体の代わりに、上記框別体型換気装置のアタッチメントの挿入部が挿入されることを特徴とする2段式換気装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように上框別体型換気装置と上框一体型の換気装置は、全く異なる構造を有しており、そのためこれらを構成する部品は別途製造され、保管され、必要に応じて組み立てられる。
そのため、両型の換気装置を製造販売する場合、製造コスト、保管コストが嵩む欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決したもので、障子の框に沿って取り付けられる框別体型の換気装置において、
(ア)型材からなるボデイと開閉機構を有する基本構造体と、
(イ)型材からなり上記基本構造体のボデイに組み付けられるアタッチメントと
を備え、
上記基本構造体の上記ボデイは、障子の板体を呑み込んで支持する呑み込み部と、通気口が形成された室内側壁部と、上記室内側壁部において上記通気口から見て上記嵌め込み部の反対側に設けられた室内側被連結部と、上記呑み込み部の室外側に設けられた室外側被連結部とを有し、
上記基本構造体の上記開閉機構は、上記室内側壁部の背面側に形成される空間部に配置され、
上記アタッチメントは、上記ボデイの上記室内側壁部の室外側に位置してこの室内側壁部と対向する閉塞部と、この閉塞部から上記ボデイの上記呑み込み部とは反対側に突出して上記框の凹溝部に挿入される挿入部とを有し、
上記アタッチメントの上記閉塞部は上記空間部に臨む通路形成壁部を有し、この通路形成壁部は、上記開閉機構を覆うとともに、上記通気口に連なり上記開閉機構によって開閉される換気通路を画成し、
上記アタッチメントの上記閉塞部及び/又は上記挿入部には室内側連結部が形成され、上記閉塞部には室外側連結部が形成され、これら室内側連結部および室外側連結部が上記ボデイの上記室内側被連結部および上記室外側被連結部にそれぞれ連結されることにより、上記アタッチメントが上記基本構造体に組み付けられることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、框別体型換気装置は、基本構造体とアタッチメントに分けられ、アタッチメントを介して框に取り付けられる。この基本構造体に、アタッチメントの代わりにレール呑み込み部材を取り付ければ框一体型換気装置が得られる。このように基本構造体を共通化できるので、部品の製造コスト、保管コストを低減することができる。また、框別体型換気装置と框一体型換気装置の長さが等しい場合には、基本構造体を組み立てた状態で共通化することができるので、一層コスト低減を図ることができる。
上記框別体型換気装置では、アタッチメントの閉塞部が基本構造体のボデイの室内側壁部に対向配置されているので、アタッチメントを組み付けても換気装置の幅(見付け)の増大を回避することができる。
上記框別体型換気装置では、アタッチメントの閉塞部の通気形成壁部が換気通路を画成するため、断面形状を簡略化でき、しかもアタッチメントを取り外せば開閉機構を露出させることができるので、メンテナンスも容易である。
【0008】
一態様では、上記ボデイはさらに、上記呑み込み部の室外側の部位から上記アタッチメントの閉塞部に向かって突出する室外側壁部を有し、この室外側壁部は上記室内側壁部より低く、上記換気通路に連なる通気口を有するとともに、その先端縁部に上記室外側被連結部を有する。
この構成によれば、換気通路の室外側をボデイの室内側壁部で覆い、この壁部に形成された通気口を介して換気通路と室外とを連通させるため、換気通路への大きな塵埃の辛酉を回避することができる。
また、通気口を有する室外側壁部が基本構造体に設けられているので、アタッチメントに通気口を形成せずに済む。そのため、基本構造体を予め組み立てておけば、アタッチメントを型材のまま組み付けることにより、迅速に需要に応えることができる。
【0009】
他の態様では、上記アタッチメントは、上記閉塞部から上記ボデイの呑み込み部に向かって延びる室外側壁部を有し、この室外側壁部は、上記換気通路に連なる通気口を有するとともに、その先端縁部に上記室外側連結部が形成されている。
この構成によれば、換気通路の室外側をボデイの室内側壁部で覆い、この壁部に形成された通気口を介して換気通路と室外とを連通させるため、換気通路への大きな塵埃の辛酉を回避することができる。
また、通気口を有する室外側壁部がアタッチメントに設けられているので、基本構造体の断面形状を簡略化できる。
【0010】
好ましくは、アタッチメントが単一の型材により形成されている。
この構成によれば、アタッチメントの製造、保管コストを低減できる。
【0011】
本発明は、上記框別体型の基本構造体と、この基本構造体に組み付けられるレール呑み込み部材とを備えた框一体型の換気装置も提供する。この換気装置では、上記レール呑み込み部材は、単独でまたは上記ボデイの室内側壁部と協働して窓枠のレールが入り込む凹溝部を画成し、この凹溝部を画成する壁部の一部が、上記開閉機構を覆うとともに、上記通気口に連なり上記開閉機構によって開閉される換気通路を画成し、
上記レール呑み込み部材は室内側連結部と室外側連結部を有し、これら室内側連結部、室外側連結部が上記ボデイの室内側被連結部、室外側被連結部にそれぞれ連結されることにより、上記レール呑み込み部材が上記基本構造体に組み付けられる。
【0012】
下框一体型換気装置に適用する場合には、上記レール呑み込み部材に、窓枠の下側のレールに乗る戸車が回転可能に支持されている。
【0013】
本発明は、上記框別体型換気装置と上記框一体型換気装置とを備えた2段式換気装置を提供することもできる。この場合、上記框一体型換気装置の基本構造体の呑み込み部に、上記障子の板体の代わりに、上記框別体型換気装置のアタッチメントの挿入部が挿入される。
この構成によれば、換気面積を増大させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、框別体型換気装置の基本構造体を框一体型換気装置と共有化できるようにしたので、製造コスト、保管コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態をなす上框別体型の換気装置を設置した窓障子の正面図である。
【
図2】同第1実施形態の上框別体型換気装置を上框に組み込んだ状態で示す要部拡大縦断面図である。
【
図3】同第1実施形態の上框別体型換気装置と上框を分解して示す要部拡大縦断面図である。
【
図4】同第1実施形態の上框別体型換気装置の縦框への連結状態を示す要部拡大平断面図である。
【
図5】同第1実施形態の上框別体型換気装置の基本構造体を含む上框一体型換気装置を設置した窓障子の正面図である。
【
図6】同上框一体型換気装置を、組立てた状態および分解した状態で示す要部拡大縦断面である。
【
図7】同上框一体型換気装置の縦框への連結状態を示す要部拡大平断面図である。
【
図8】同第1実施形態の上框別体型換気装置と上框一体型換気装置からなる2段式換気装置を、組立てた状態および分解した状態で示す要部拡大縦断面である。
【
図9】同第1実施形態の上框別体型換気装置と同構造の換気装置を縦框別体型換気装置として設置した窓障子の正面図である。
【
図10】同縦框別体型換気装置と縦框を分解して示す要部拡大平断面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態をなす換気装置を示す拡大断面図であり、(A)は基本構造体、(B)はこの基本構造体を用いた上框別体型の換気装置、(C)はこの基本構造体を用いた上框一体型の換気装置をそれぞれ示す。
【
図12】本発明の第3実施形態をなす換気装置を示す拡大断面図であり、(A)は基本構造体、(B)はこの基本構造体を用いた上框別体型の換気装置、(C)はこの基本構造体を用いた上框一体型の換気装置をそれぞれ示す。
【
図13】本発明の第4実施形態をなす換気装置を示す拡大断面図であり、(A)は基本構造体、(B)はこの基本構造体を用いた上框別体型の換気装置、(C)はこの基本構造体を用いた上框一体型の換気装置をそれぞれ示す。
【
図14】本発明の第5実施形態をなす下框別体型の換気装置を設置した窓障子の正面図である。
【
図15】同第5実施形態の下框別体型換気装置を、下框に組み込んだ状態および分解した状態で示す要部拡大縦断面図である。
【
図16】同第5実施形態の下框別体型換気装置の基本構造体を含む下框一体型換気装置を設置した窓障子の正面図である。
【
図17】同下框一体型換気装置を、組立てた状態および分解した状態で示す要部拡大縦断面図である。
【
図18】同第5実施形態の下框別体型換気装置と下框一体型換気装置からなる2段式換気装置を、組立てた状態および分解した状態で示す要部拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態をなす上框別体型換気装置を、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
図1は窓枠1と2枚の窓障子2,3(障子)を示す。
窓枠1は、上枠1aと、下枠1bと、左右一対の縦枠1cとを有しており、この窓枠1の開口を上記2枚の窓障子2,3が引き違い式にスライドして、開閉するようになっている。
【0017】
上記窓障子2、3の各々は、上框4と下框5と左右一対の縦框6とガラス板7(板体)とを有している。これら框4〜6は1つまたは複数の型材からなる。
上記窓障子2、3の下框5には戸車(図示しない)が設けられており、この戸車が窓枠1の下枠1bのレール(図示しない)上を走行するようになっている。
【0018】
図2に示すように、窓障子2,3の上框4の上縁部および下縁部には長手方向に延びる凹溝部4a,4bが形成されている。上側の凹溝部4aに窓枠1の上枠1aのレール1xが入り込むことにより、窓障子2,3がスライド可能に保持されている。
【0019】
一方の窓障子2では、上框4の下側の凹溝部4bにガラス板7の上縁部が嵌め込まれて支持されている。同様に、下框5にも凹溝部(図示しない)が形成され、縦框6にも凹溝部6b(
図4参照)が形成され、これら凹溝部にガラス板7の下縁部、左右縁部がそれぞれ嵌め込まれて支持されている。
【0020】
他方の窓障子3には、上框別体型の換気装置9(框別体型の換気装置)が設けられている。この換気装置9は上框4と略等しい長さを有して上框4に沿って水平に延びている。この窓障子3では、後述するように上框4の下側の凹溝部4bに換気装置9の上縁部が嵌め込まれ、この換気装置9の下縁部にガラス板7の上縁部が嵌め込まれて支持されている。
【0021】
図3に示すように、上記換気装置9は、基本構造体10と、アタッチメント20とを備えている。
上記基本構造体10のボデイ11は、樹脂からなる室内側の押出型材11aとアルミ合金からなる室外側の押出型材11bを互いに組み付けることにより構成されている。
【0022】
大まかに説明すると、上記ボデイ11は、下縁部に形成された呑み込み部12と、室内に臨む室内側壁部13と室外に臨む室外側壁部14とを有している。
本実施形態では呑み込み部12は型材11a,11bの下縁部と、型材11bの略水平をなす壁部とで構成され、略断面逆U字形をなしており、下方に開放された凹溝部12aを有している。この呑み込み部12の凹溝部12aに、上記ガラス板7の上縁部が嵌め込まれて支持される。
【0023】
上記室内側壁部13は、型材11a,11bの起立壁により2重構造をなして構成されている。室外側壁部14は型材11bの起立壁により構成されており、室内側壁部13より低い。
【0024】
上記室内側壁部13には多数の通気口13aが長手方向に並んで形成されており、室外側壁部14にも多数の通気口14aが長手方向に並んで形成されている。室内側壁部13には、その通気口13aを覆うフィルタ15が着脱可能に取り付けられている。
【0025】
上記ボデイ11は、室内側壁部13の背面側かつ呑み込み部12の上方において空間部16’を有している。この空間部16’の一部は、後述する換気通路16として提供される。この換気通路16は、通気口13a、14aを介して室内および室外に連なる。理解を助けるために、
図2、
図3において室内、室外間の空気の流れを矢印で示す。
【0026】
上記基本構造体10はさらに、上記空間部16’に配置された開閉機構17を備えている。この開閉機構17は、上記室外側壁部14に沿って長手方向にスライド可能な開閉板17aと、室内側壁部13の長手方向の一端部に長手方向にスライド可能に設けられた操作部材(図示しない)と、この操作部材と開閉板17aを連結する連結部材17bとを有している。
上記開閉板17aは上記室外側壁部14の通気口14aと同ピッチで多数の通気口17xを有しており、上記操作部材の左右方向の操作により、通気口13a,17xが一致した開き位置と、一致しない閉じ位置とを選択するようになっている。
【0027】
上記ボデイ11は、室内側被連結部18a,18bと室外側被連結部18cを有している。
上記室内側被連結部18a,18bは、室内側壁部13の通気口13aの上方に形成されている。最も室内寄りに位置する一方の室内側被連結部18aは、型材11aの奥行方向に幅広をなす上縁部の上面に形成されている。他方の室内側連結部18bは型材11bの上縁部に形成され、連結部18aより低い位置にある。
上記室外側被連結部18cは室外側壁部14の上縁部(先端縁部)に形成され、上記室内側被連結部18a、18bより低い位置にある。
【0028】
上記室内側壁部13の上縁部、より具体的には型材11aの上縁部の室外側の面には、シール舌片19が固定されている。このシール舌片19は上框別体型の換気装置9においては何の役割も持たない。
【0029】
上記基本構造体10において、アタッチメント20を組み付ける前の状態では、空間部16’が開閉機構17を外部に露出するようにして開放されている。
【0030】
次に、上記アタッチメント20について説明する。このアタッチメント20は、単一の押出型材からなり、挿入部21と閉塞部22とを有している。挿入部21は水平壁部21aと、この水平壁部21aから上方に突出して室内外方向に対向する一対の挿入壁部21bとを有している。閉塞部22は、上記水平壁部21aの室外側の縁から下方に垂下する室外側壁部22aと、この室外側壁部22aの下端と上記水平壁部21aの中間部とを連ねる通路形成壁部22bとを有している。
【0031】
上記アタッチメント20は、室内側連結部25a,25bと室外側連結部25cを有している。最も室内寄りに位置する一方の室内側連結部25aは、上記水平壁部21aの室内側端部の下面に形成されている。他方の室内側連結部25bは通路形成壁部22bの起立部の中間に形成されており、上記一方の室内側連結部25aより低い位置にある。室外側連結部25cは、室外側壁部22aの下端縁に形成され、上記室内側連結部25a、25bより低い位置にある。
【0032】
図3に示すように、上記アタッチメント20は、上記基本構造体10に長手方向から差し込んで基本構造体10に組み付けられる。この際、基本構造体10のボデイ11の被連結部18a,18b、18cに、アタッチメント20の連結部25a,25b,25cがそれぞれ嵌合して連結される。
【0033】
上記アタッチメント20の基本構造体10への組み付け状態において、アタッチメント20の閉塞部22は基本構造体10のボデイ11の室内側壁部13の室外側においてこの室内側壁部13に対向して配置されるため、換気装置9の縦幅(見付け)の増大を回避できる。その結果、良好な採光性を確保できる。
上記アタッチメント20の挿入部21の水平壁部21aが基本構造体10の室内側壁部13の上端面に乗り、挿入壁部21bが基本構造体10から上方に突出する。
【0034】
上記基本構造体10の開閉機構17がアタッチメント20の通路形成壁部22bで覆われる。また、上記空間部16’の一部が通路形成壁部22bで囲われて換気通路16となる。
基本構造体10の室外側壁部14とアタッチメント20の室外側壁部22aは、面一をなしている。
【0035】
図4に示すように、アタッチメント20と基本構造体10のボデイ11の長手方向両端にはキャップ30が固定されることにより、換気装置9が完成する。
【0036】
上記換気装置9は、
図3に示すように窓障子3の上框4の凹溝部4bにアタッチメント20の挿入部21を挿入することにより、上框4に組み付けられる。換気装置9の呑み込み部12の凹溝部12aにはガラス板7の上縁部が嵌り込んで支持される。また、換気装置9のキャップ30の一対のリブ31が縦框6の凹溝部6bに挿入される。
【0037】
上述した上框別体型換気装置9の基本構造体10は、
図5〜
図7に示す上框一体型の換気装置9Aに用いることができる。この換気装置9Aは、
図6に示すように、上記基本構造体10にレール呑み込み部材40を組み付けることにより構成される。
【0038】
上記レール呑み込み部材40は、底壁部41と互いに対向する室内側壁部42と室外側壁部43と有している。
上記室内側壁部42の上端縁部には室内側連結部45bが形成され、室外側壁部43の下端縁部には室外側連結部45cが形成されている。
さらに室外側壁部43の上端縁部にはシール舌片46が取り付けられている。
【0039】
図6に示すように、上記レール呑み込み部材40は、上記基本構造体10に長手方向から差し込んで基本構造体10に組み付けられる。この際、基本構造体10のボデイ11の室内側被連結部18b、室外側被連結部18cに、レール呑み込み部材40の室内側連結部45b、室外側連結部45cがそれぞれ嵌合して連結される。
【0040】
上記レール呑み込み部材40の上記基本構造体10への組み付け状態において、レール呑み込み部材40は上記ボデイ11の室内側壁部13の室外側においてこの室内側壁部13に対向して配置されるため、換気装置9の縦幅(見付け)の増大を回避できる。
上記レール呑み込み部材40は、基本構造体10の室内側壁部13より上方に突出しない。
【0041】
上記レール呑み込み部材40の底壁41および室内側壁部42により、上記基本構造体10の開閉機構17が覆われ、空間部16’の一部が換気通路16となる。
上記レール呑み込み部材40の壁部41,42,43およびボデイ10の室内側壁部13の上端部により凹溝部44が形成されている。
基本構造体10の室外側壁部14とレール呑み込み部材40の室外側壁部43は、面一をなしている。
【0042】
図7に示すように、上記換気装置9Aの長手方向の両端部は縦框6の上端部において凹溝部6bに入り込んだ状態で固定されている。本実施形態では換気装置9Aはキャップを備えていないが、両端部にキャップを取り付けてもよい。
【0043】
上記上框一体型換気装置9Aは、窓障子3の上框の役割を担う。詳述すると、
図6に示すように、上框別体型換気装置9と同様に基本構造体10の呑み込み部12にはガラス板7の上縁部が嵌め込まれて支持される。
換気装置9Aのレール呑み込み部材40の凹溝部44には上枠1aのレール1xが入り込み、これにより窓障子3がスライド可能に支持される。
【0044】
上記換気装置9Aの凹溝部44にレール1xが入り込んだ状態において、基本構造体10の室内側壁部13に取り付けられたシール舌片19と、レール呑み込み部材40の室外側壁部43に取付られたシール舌片46がレール1xに向かって延びているため、良好なシール性を確保することができる。
【0045】
図8に示すように、上記上框一体型の換気装置9Aと上框別体型の換気装置9とを用いて、2段式の換気装置を組み立てることができる。この場合、上框別体型換気装置9のアタッチメント20の挿入部21が、上框一体型換気装置9Aの基本構造体10の呑み込み部12の凹溝部12aに挿入される。
【0046】
図9、
図10に示すように、上記上框別体型の換気装置9の構成要素は、長さを調節するだけで、窓障子2,3の縦框6に沿って配置された縦框別体型の換気装置9Bに用いることができる。簡単に説明すると、換気装置9Bのアタッチメント20の挿入部21が縦框6の凹溝部6bに挿入され、換気装置9Bの基本構造体10の呑み込み部12の凹溝部12aにガラス板7の側縁部が嵌り込んで支持される。
【0047】
次に、本発明の他の実施形態について図を参照しながら説明する。これら実施形態において、先行する実施形態に対応する構成部には同番号を付してその説明を省略する。
図11は本発明の第2実施形態を示す。
図11(A)に示すように、基本構造体50は単一の型材からなるボデイ51を備えている。このボデイ51はガラス板を呑み込むための凹溝部52aを有する呑み込み部52と、多数の通気口53aを形成してなる室内側壁部53とを備えているが、第1実施形態のような室外側壁部を備えていない。室内側壁部53の室外側の空間部56’に開閉機構57が配置されている。
【0048】
上記開閉機構57は、スイング式の開閉板57aと、室内側壁部53の一端部に長手方向スライド可能に設けられた操作部材57bと、カム部材57cを有している。開閉板57aの上縁部に形成された軸部が、室内側壁部53の上縁部に形成された軸受部53bに収容されている。操作部材57bは室外方向に突出して上記開閉板57aの係合穴に嵌っている。
【0049】
上記開閉板57aの下縁の例えば2カ所には下方に突出する突起(図示しない)が形成されており、これら突起は2つのカム部材57cの上面に形成された傾斜溝にそれぞれ挿入されている。
操作部材57bをスライドさせると、開閉板57aは長手方向にスライドしながらカム部材57cのカム作用により回動し、室内側壁部53から離れて通気口53aを開いたり、室内側壁部53に接近して通気口53aを閉じるようになっている。
【0050】
上記ボデイ51は室内側被連結部58aと室外側被連結部58bを有している。室内側被連結部58aは、室内側壁部53の上縁部において、上記軸受部53bより室外側に形成されている。室外側被連結部58bは、呑み込み部52の室外側角部(室外側の垂下壁部と水平壁部との交差部)に形成されている。
【0051】
図11(B)に示すように、上記基本構造体50に単一の型材からなるアタッチメント60を組み付けることにより、上框別体型換気装置9Cが得られる。このアタッチメント60は、第1実施形態と同様に挿入部61と閉塞部62とを有し、さらに多数の通気口63aを形成してなる室外側壁部63を有している。
第1実施形態と同様に、上記挿入部61は水平壁部61aと一対の挿入壁部61bを有しており、上記閉塞部62は室外側壁部62aと通路形成壁部62bを有している。
【0052】
上記アタッチメント60は通路形成壁部62bの上端部に室内側連結部65aを有し、室外側壁部63の下端部に室外側連結部65bを有している。これら室内側連結部65a、室外側連結部65bを基本構造体50の室内側被連結部58a、室外側被連結部58bにそれぞれ連結することによりアタッチメント60が基本構造体50に組み付けられる。この状態で、通路形成壁部62bにより開閉機構57が覆われ換気通路56が画成される。
上記上框別体型換気装置9Cにおいて、基本構造体50の呑み込み部52の凹溝部52aにガラス戸が嵌め込まれ、アタッチメント60の挿入部61が上框の凹溝部に挿入されることは第1実施形態と同様である。
【0053】
図11(C)に示すように、上記基本構造体50にレール呑み込み部材70を組み付けることにより、上框一体型換気装置9Dが得られる。
上記レール呑み込み部材70は、底壁部71と互いに対向する室内側壁部72と室外側壁部73と有し、これら壁部71,72,73により凹溝部74が形成されている。上記室外側壁部73からは通気口75aを有する室外側壁部75が面一をなして下方に延びている。
【0054】
上記室内側壁部72の上端部には室内側連結部76aが形成され、室外側壁部74の下端部には室外側連結部76bが形成されている。
さらに室外側壁部72の上端部にはシール舌片77が取り付けられている。
【0055】
上記レール呑み込み部材70の室内側連結部76a,室外側連結部76bを上記基本構造体50の室内側被連結部58a、室外側被連結部58bに連結することにより、上框一体型換気装置9Dが得られる。
【0056】
上記レール呑み込み部材70の底壁71および室内側壁部72により、上記基本構造体10の開閉機構57が覆われ、換気通路56が画成される。
上記基本構造体10の呑み込み部52の室外側の面とレール呑み込み部材70の室外側壁部75とは、面一をなしている。
【0057】
図12は本発明の第3実施形態を示す。
図12(A)に示すように、この実施形態の基本構造体50のボデイ51が樹脂製の型材51aとアルミ合金製の型材51bを組み付けて構成される点を除いて第2実施形態に似ているので、詳細な説明を省略する。基本構造体50の2重壁構造をなす室内側壁部53の上端部、具体的には型材51aの上端部の室外側の面にはシール舌片59が設けられている。
【0058】
図12(B)に示すように、上記基本構造体50に第2実施形態と同様のアタッチメント60を組み付けることにより、上框別体型換気装置9Eが得られる。
図12(C)に示すように、上記基本構造体50に第2実施形態と同様のレール呑み込み部材70を組み付けることにより、上框一体型換気装置9Fが得られる。
【0059】
図13は本発明の第4実施形態を示す。この実施形態の基本構造体50では、
図13(A)に示すように、ボデイ51が2つのアルミ合金製の型材51c、51dとこれらを連結する樹脂製の断熱部材51eからなる。室内側被連結部58aが軸受部53bの上方に配置されている。他の点は第2実施形態と似ているので、詳細な説明を省略する。
【0060】
図13(B)に示すように、上記基本構造体50にアタッチメント60を組み付けることにより、上框別体型の換気装置9Gが得られる。このアタッチメント60は第2実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0061】
図13(C)に示すように、上記基本構造体50にレール呑み込み部材70を組み付けることにより、上框一体型の換気装置9Hが得られる。このレール呑み込み部材70は、室内側壁部72と室外側壁部73が同一高さを有し、その上端対向面にそれぞれシール舌片77を取り付けている。他の点は第2、第3実施形態と同様であるから詳細な説明を省略する。
【0062】
上記第2、第3、第4実施形態の框別体型換気装置9C,9E,9Gは、
図4に示すと同様にして、縦框に沿って設けることもできる。また、これら実施形態の框別体型換気装置と一体型換気装置により2段式換気装置を構成することもできる。
【0063】
次に、本発明の第5実施形態について、
図14〜
図18を参照しながら説明する。
図14、
図15は下框別体型の換気装置9Iを示す。この換気装置9Iは窓障子3の下框5の上縁部に連結されるとともに、下框5と略等しい長さを有して下框5に沿って水平に延びている。
【0064】
下框5は、2つの型材を組み付けてなり、下縁部の凹溝部5aは窓枠1の下枠1bのレール1yを収容し、上縁部の凹溝部5bは、本来であればガラス板7の下縁部を嵌め込んで支持するが、本実施形態では換気装置9Iを支持するようになっている。さらに下框5には下枠1bのレール1yに乗る戸車5cが回転可能に取り付けられている。
【0065】
上記換気装置9Iの基本構造体10は、第1実施形態の基本構造体10を上下逆転させた構成であり、大きな差異はないので、詳細な説明を省略する。
図15では開閉機構17の一部構成要素を省略して示す。
上記換気装置9Iのアタッチメント20も第1実施形態のアタッチメント20を上下逆転させた構成であり、大きな差異はないので、詳細な説明を省略する。
【0066】
上記基本構造体10にアタッチメント20を組み付けてなる換気装置9Iの呑み込み部12にガラス板7の下縁部を嵌め込んで支持し、換気装置9Iの挿入部21を下框5の凹溝部5bに挿入することにより、換気装置9Iが下框5に設置される。
【0067】
第5実施形態の下框別体型換気装置9Iの基本構造体10は
図16、
図17に示す下框一体型換気装置9Jにも用いることができる。この換気装置9Jは、基本構造体10とレール呑み込み部材80により構成される。このレール呑み込み部材80は、単一の型材からなり、水平壁部81と室外側壁部83を有している。水平壁81の室内側の端部には室内側連結部85bが形成され、水平壁部81と室外側壁部83の交差部には室外側連結部85cが形成されている。水平壁部81には戸車86が回転可能に取り付けられている。
【0068】
上記レール呑み込み部材80の室内側連結部85b、室外側連結部85cを基本構造体10の室内側被連結部18b、室外側被連結部18cにそれぞれ連結することにより、レール呑み込み部材80が基本構造体10に組み付けられ、下框一体型換気装置9Jが得られる。この換気装置9Jのレール呑み込み部材80と、基本構造体10の室内側壁部13の下端部により、凹溝部84が形成され、レール1yが収容される。また、レール呑み込み部材80の戸車86がレール1yに乗る。
【0069】
図18に示すように、上記下框一体型の換気装置9Jと下框別体型の換気装置9Iとを用いて、2段式の換気装置を組み立てることができる。この場合、下框別体型換気装置9Iのアタッチメント20の挿入部21が、下框一体型の換気装置9Gの基本構造体10の呑み込み部12の凹溝部12aに挿入される。
【0070】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。