特開2015-14366(P2015-14366A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-14366(P2015-14366A)
(43)【公開日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】チェーン出力を備えた連続可変変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 37/02 20060101AFI20141219BHJP
【FI】
   F16H37/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-137614(P2014-137614)
(22)【出願日】2014年7月3日
(31)【優先権主張番号】61/842,630
(32)【優先日】2013年7月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/321,084
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511095986
【氏名又は名称】ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ダブリュー・メレット
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エム・ハート
(72)【発明者】
【氏名】ダリル・エイ・ウィルトン
(72)【発明者】
【氏名】クリントン・イー・キャリー
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA02
3J062AB06
3J062AB13
3J062AB34
3J062AC03
3J062BA12
3J062CG03
3J062CG14
3J062CG32
3J062CG82
3J062CG83
(57)【要約】
【課題】自動車のためのパワートレインを提供すること。
【解決手段】自動車のパワートレインの多モード連続可変変速機は、遊星歯車セット装置に接続された連続可変ユニットを含む。遊星歯車セット装置は、概して、2つの遊星歯車セット、2つのブレーキおよび1つのクラッチを含み、連続可変ユニットと変速機出力部材の間の複数の比率選択モードを提供する。変速機出力部材は、3つの回転軸のみを有するチェーン駆動ファイナルに接続される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のためのパワートレインにおいて、
変速機入力部材と、
変速機出力部材と、
前記変速機入力部材と共に回転するように接続される第1のプーリ対、第2のプーリ対、ならびに前記第1のプーリ対および前記第2のプーリ対の周りに巻き付けられたエンドレス部材を有する連続可変ユニットと、
複数の部材を有する第1の遊星歯車セットと、
複数の部材を有する第2の遊星歯車セットであって、共に回転するように前記第1の遊星歯車セット、前記連続可変ユニットおよび前記変速機出力部材に接続された、第2の遊星歯車セットと、
共に回転するよう、前記第1の遊星歯車セットを前記第2の遊星歯車セットに選択的に接続するためのクラッチと、
前記第1の遊星歯車セットを静止部材に選択的に接続するための第1のブレーキと、
前記第2の遊星歯車セットを前記静止部材に選択的に接続するための第2のブレーキと、
前記変速機出力部材と共に回転するように接続されたチェーンドライブと、
前記チェーンドライブと共に回転するように接続された伝達部材と、
前記伝達部材と共に回転するように接続されたファイナルドライブ遊星歯車セットとを備え、
前記変速機出力部材から前記ファイナルドライブ遊星歯車セットへの3つの回転軸のみを含む、パワートレイン。
【請求項2】
前記第1の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第2の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材は前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材と共に回転するように接続され、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材は前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材と共に回転するように接続された、請求項1に記載のパワートレイン。
【請求項3】
前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材は前記第2のプーリ対と共に回転するように接続され、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材は前記変速機出力部材と共に回転するように接続された、請求項2に記載のパワートレイン。
【請求項4】
前記クラッチは、共に回転するように、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材を、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材に選択的に接続する、請求項3に記載のパワートレイン。
【請求項5】
前記第1のブレーキは、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材を前記静止部材に選択的に接続し、
前記第2のブレーキは、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材を前記静止部材に選択的に接続する、請求項4に記載のパワートレイン。
【請求項6】
前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材が単一の回転部材として一体形成される、請求項5に記載のパワートレイン。
【請求項7】
前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材が単一の回転部材として一体形成される、請求項7に記載のパワートレイン。
【請求項8】
前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材がリングギアであり、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材が遊星キャリア部材であり、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材が太陽歯車であり、前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材が太陽歯車であり、前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材がリングギアであり、前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材が遊星キャリア部材である、請求項7に記載のパワートレイン。
【請求項9】
前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材と前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材の両方が、複数の階段状ピニオンおよび複数のピニオンを支持し、前記複数の階段状ピニオンの各々は、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材と噛み合う第1の部分、および前記一体形成された、前記第1の遊星歯車セットの第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材と噛み合い、前記複数のピニオンと噛み合う第2の部分を有し、前記複数のピニオンは前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材と噛み合う、請求項8に記載のパワートレイン。
【請求項10】
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第1の部材は前記伝達部材と共に回転するように接続され、前記第2の部材は前記自動車のロードホイールに相互接続され、前記第3の部材は前記静止部材に接続され、
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第1の部材は太陽歯車であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第2の部材は遊星キャリア部材であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第3の部材はリングギアである、請求項1に記載のパワートレイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2013年7月3に出願した米国仮出願第61/842630号の利益を主張するものである。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002]本開示は、自動変速機に関し、より詳細には、チェーン出力を有する連続可変変速機に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]この節の供述は、単に本開示に関連する背景情報を提供したものにすぎず、従来技術を構成していることも、あるいは従来技術を構成していないこともある。
【0004】
[0004]連続可変変速機(「CVT」)は、通常、エンジンまたは電動機などの回転動力源を二重歯車ファイナルドライブユニットに動作可能に結合するベルトおよびプーリシステムを含む。ベルトおよびプーリシステムは、一般に、トルク伝達ベルトまたはチェーンを有するプーリコーンの第1および第2の対を含み、トルク伝達ベルトまたはチェーンは、これらのコーン対の間を延在している。個々のプーリコーン対は、軸方向の固定プーリ部材および軸方向の可動プーリ部材を含む。個々の可動プーリ部材は、液圧システムによって、固定プーリ部材に対して軸方向に調整することができる。液圧システムは、第1および第2のプーリコーン対の走行半径を調整するためにそれぞれの可動プーリ部材に一次液圧および二次液圧を提供し、それにより連続可変変速機の出力/入力比を制御する。コーンの運動により、出力速度に対する入力速度の比率が滑らかに、つまり連続的に変化する。連続可変変速機により、小さいながらも、有効な比率変化を得ることができる。これは、すべての比率変化が階段状の値である固定歯車比ユニットとは対照的である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】BenfordおよびLeisingによるSAE Paper 810102、「The Lever Analogy: A New Tool in Transmission Analysis」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]CVTの軸長および質量は、その出力密度および効率に著しく影響する。したがって軸長および質量を最小にし、その一方で十分な性能特性を提供する改良型CVT設計が常に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]自動車のためのパワートレインが提供される。パワートレインは、遊星歯車セット装置に接続された連続可変ユニットを有する連続可変変速機を含む。遊星歯車セット装置は、概して、2つの遊星歯車セット、2つのブレーキおよび1つのクラッチを含み、連続可変ユニットと変速機出力部材の間の複数の比率選択モードを提供する。変速機出力部材は、3つの回転軸のみを有するチェーン駆動ファイナルに接続される。
【0008】
[0007]本発明の一態様では、自動車のためのパワートレインは、変速機入力部材と、変速機出力部材と、変速機入力部材と共に回転するように接続される第1のプーリ対、第2のプーリ対、ならびに第1のプーリ対および第2のプーリ対の周りに巻き付けられたエンドレス部材を有する連続可変ユニットと、複数の部材を有する第1の遊星歯車セットと、複数の部材を有する第2の遊星歯車セットであって、共に回転するように第1の遊星歯車セット、連続可変ユニットおよび変速機出力部材に接続される、第2の遊星歯車セットとを含む。クラッチは、共に回転するよう、第1の遊星歯車セットを第2の遊星歯車セットに選択的に接続する。第1のブレーキは、第1の遊星歯車セットを静止部材に選択的に接続する。第2のブレーキは、第2の遊星歯車セットを静止部材に選択的に接続する。チェーンドライブは、変速機出力部材と共に回転するように接続される。伝達部材は、チェーンドライブと共に回転するように接続される。ファイナルドライブ遊星歯車セットは、伝達部材と共に回転するように接続される。パワートレインは、変速機出力部材からファイナルドライブ遊星歯車セットへの3つの回転軸のみを含む。
【0009】
[0008]本発明の別の態様では、第1の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、第2の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、第1の遊星歯車セットの第1の部材は、第2の遊星歯車セットの第2の部材と共に回転するように接続され、第1の遊星歯車セットの第2の部材は、第2の遊星歯車セットの第3の部材と共に回転するように接続される。
【0010】
[0009]本発明の別の態様では、第2の遊星歯車セットの第1の部材は、第2のプーリ対と共に回転するように接続され、第1の遊星歯車セットの第2の部材および第2の遊星歯車セットの第3の部材は、変速機出力部材と共に回転するように接続される。
【0011】
[0010]本発明の別の態様では、クラッチは、共に回転するよう、第1の遊星歯車セットの第1の部材および第2の遊星歯車セットの第2の部材を第1の遊星歯車セットの第2の部材および第2の遊星歯車セットの第3の部材に選択的に接続する。
【0012】
[0011]本発明の別の態様では、第1のブレーキは、第1の遊星歯車セットの第1の部材および第2の遊星歯車セットの第2の部材を静止部材に選択的に接続する。
【0013】
[0012]本発明の別の態様では、第2のブレーキは、第1の遊星歯車セットの第3の部材を静止部材に選択的に接続する。
【0014】
[0013]本発明の別の態様では、第1の遊星歯車セットの第1の部材および第2の遊星歯車セットの第2の部材は、単一の回転部材として一体形成される。
【0015】
[0014]本発明の別の態様では、第1の遊星歯車セットの第2の部材および第2の遊星歯車セットの第3の部材は、単一の回転部材として一体形成される。
【0016】
[0015]本発明の別の態様では、第1の遊星歯車セットの第1の部材はリングギアであり、第1の遊星歯車セットの第2の部材は遊星キャリア部材であり、第1の遊星歯車セットの第3の部材は太陽歯車であり、第2の遊星歯車セットの第1の部材は太陽歯車であり、第2の遊星歯車セットの第2の部材はリングギアであり、第2の遊星歯車セットの第3の部材は遊星キャリア部材である。
【0017】
[0016]本発明の別の態様では、第1の遊星歯車セットの第2の部材と第2の遊星歯車セットの第3の部材の両方が、複数の階段状ピニオンおよび複数のピニオンを支持し、複数の階段状ピニオンの各々は、第1の遊星歯車セットの第3の部材と噛み合う第1の部分、および一体形成された、第1の遊星歯車セットの第1の部材および第2の遊星歯車セットの第2の部材と噛み合い、複数のピニオンと噛み合う第2の部分を有しており、複数のピニオンは、第2の遊星歯車セットの第1の部材と噛み合う。
【0018】
[0017]本発明の別の態様では、ファイナルドライブ遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、第1の部材は、伝達部材と共に回転するように接続され、第2の部材は、自動車のロードホイールに相互接続され、第3の部材は静止部材に接続される。
【0019】
[0018]本発明の別の態様では、ファイナルドライブ遊星歯車セットの第1の部材は太陽歯車であり、ファイナルドライブ遊星歯車セットの第2の部材は遊星キャリア部材であり、ファイナルドライブ遊星歯車セットの第3の部材はリングギアである。
【0020】
[0019]適用可能性のさらなる領域は、本明細書において提供されている説明から明らかになるであろう。説明および特定の例には、単に実例による説明を目的としたものであることが意図されており、本開示の範囲を制限することは意図されていないことを理解されたい。
【0021】
[0020]本明細書において説明される図面は、実例による説明を目的としたものにすぎず、本開示の範囲を限定することは一切意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0021]本発明の原理によるパワートレインの略線図である。
図2A】[0022]本発明の原理による一例示的変速機の略レバー線図である。
図2B】[0023]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図2C】[0024]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図2D】[0025]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図2E】[0026]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図2F】[0027]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図3A】[0028]本発明の原理による変速機の一実施形態を示す線図である。
図3B】[0029]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図3C】[0030]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図3D】[0031]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図3E】[0032]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図3F】[0033]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4A】[0034]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4B】[0035]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4C】[0036]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4D】[0037]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4E】[0038]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図4F】[0039]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5A】[0040]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5B】[0041]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5C】[0042]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5D】[0043]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5E】[0044]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図5F】[0045]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図6A】[0046]本発明の原理による一例示的変速機の略レバー線図である。
図6B】[0047]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図6C】[0048]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図6D】[0049]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図6E】[0050]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図6F】[0051]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図7A】[0052]本発明の原理による変速機の一実施形態を示す線図である。
図7B】[0053]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図7C】[0054]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図7D】[0055]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図7E】[0056]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図7F】[0057]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図8A】[0058]本発明の原理による一例示的変速機の略レバー線図である。
図8B】[0059]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図8C】[0060]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図8D】[0061]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図8E】[0062]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図8F】[0063]本発明の原理による別の例示的変速機の略レバー線図である。
図9A】[0064]本発明の原理による変速機の一実施形態を示す線図である。
図9B】[0065]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図9C】[0066]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図9D】[0067]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図9E】[0068]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
図9F】[0069]本発明の原理による変速機の別の実施形態を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0070]以下の説明は、本質的に単に例示的なものにすぎず、本開示、用途または使用を限定することは意図されていない。
【0024】
[0071]図1を参照すると、自動車のためのパワートレインが一括して参照番号10で示されている。パワートレイン10は、概して、変速機14に相互接続されたエンジン12を含む。エンジン12は、本開示の範囲を逸脱することなく、従来のガソリン、ディーゼルまたはフレックス燃料内燃機関、ハイブリッドエンジンまたは電動機あるいは任意の他のタイプの原動機であってもよい。エンジン12は、例えばフレックスプレート(図示せず)または他の接続デバイス、あるいは流体力学デバイスまたはローンチ・クラッチなどの始動デバイス15を介して変速機14に駆動トルクを供給する。
【0025】
[0072]変速機14は、可変径プーリすなわちシーブ駆動連続可変変速機(CVT)である。変速機14は、変速機14の様々な構成要素を取り囲み、保護する、典型的には鋳造金属ハウジング16を含む。ハウジング16は、これらの構成要素を配置し、支持する多種多様な開口、通路、ショルダおよびフランジを含む。概して言えば、変速機14は、変速機入力シャフト20および変速機出力シャフト22を含む。変速機入力シャフト20と変速機出力シャフト22との間には、プーリアセンブリ24および歯車箱26が接続されており、これらは、協働して、前進速度および後退速度、すなわち変速機入力シャフト20と変速機出力シャフト22の間の歯車比を提供する。変速機入力シャフト20は、始動デバイス15を介してエンジン12に機能的に相互接続されており、エンジン12から入力トルクすなわち動力を受け取る。変速機出力シャフト22は、チェーン駆動ファイナルドライブユニット28に接続されることが好ましい。変速機出力シャフト22は、ファイナルドライブユニット28に駆動トルクを提供する。
【0026】
[0073]変速機入力シャフト20はプーリアセンブリ24に接続される。プーリアセンブリ24は、第1のプーリすなわちシーブ対30および第2のプーリすなわちシーブ対32を含む。第1のプーリ30は、第1の切頭円錐シーブすなわち部材30A、および該第1の切頭円錐シーブ30Aと軸方向に整列した第2の切頭円錐シーブすなわち部材30Bを含む。第2のシーブ30Bは、変速機入力部材20と共に回転するように直接接続されており、変速機入力部材20と共に一体形成することができる。第1のシーブ30Aは、液圧制御システム(図示せず)または他の駆動システムによって、第2のシーブ30Bに対して軸方向に移動させることができる。シーブ30Aおよび30Bは、本発明の範囲を逸脱することなく軸方向に切り換えることができることを理解されたい。
【0027】
[0074]第2のプーリ32は、第1の切頭円錐シーブすなわち部材32A、および該第1の切頭円錐シーブ32Aと軸方向に整列した第2の切頭円錐シーブすなわち部材32Bを含む。第2のシーブ32Bは、伝達シャフトすなわち部材34と共に回転するように直接接続されるか、あるいは伝達シャフト34と共に一体形成することができる。第1のシーブ32Aは、液圧制御システム(図示せず)または他の作動システムによって、第2のシーブ32Bに対して軸方向に移動させることができる。シーブ32Aおよび32Bは、本発明の範囲を逸脱することなく軸方向に切り換えることができることを理解されたい。
【0028】
[0075]V字形断面を有するトルク伝達ベルトまたはチェーン36は、第1のプーリ対30と第2のプーリ対32との間に取り付けられている。変速機入力シャフト20から伝達される駆動トルクは、シーブ30Aおよび30Bとベルト36との間の摩擦を介して伝達される。出力プーリ32に対する入力プーリ30の比率は、シーブ30Aと30Bとの間の間隔、およびシーブ32Aと32Bとの間の間隔を変化させることによって調整される。例えばプーリ30と32との間の比率を変化させるためには、シーブ30Aをシーブ32Bに向かって移動させることによってシーブ30Aと30Bとの間の軸方向の距離を短くし、それと同時に、シーブ32Aをシーブ32Bから離れる方向に移動させることによってシーブ32Aと32Bとの間の軸方向の距離を長くすることができる。ベルト36は、その断面がV字形であるため、第1のプーリ30の上により高く乗り、また、第2のプーリ32の上により低く乗っている。したがってプーリ30および32の有効径が変化し、延いては第1のプーリ30と第2のプーリ32との間の総歯車比が変化する。プーリ30と32との間の半径方向の距離、およびベルト36の長さは一定であるため、ベルト36に対する適切な大きさの張力を維持し、それによりトルクがプーリ30、32からベルト36へ伝達されることを保証するためには、シーブ30Aおよび32Aの運動は同時に生じなければならない。
【0029】
[0076]プーリアセンブリ24は、伝達シャフト34を介してトルクを歯車箱26へ伝達する。歯車箱26は、以下でより詳細に説明するように、いくつかの遊星歯車セット変速機または装置のうちの1つを備えている。歯車箱26は、プーリアセンブリ26から変速機出力シャフト22へトルクを出力する。
【0030】
[0077]変速機出力シャフト22は、第1の平歯車すなわち駆動スプロケット38に相互接続されるか、あるいは駆動スプロケット38を含む。伝達チェーン40は、駆動スプロケット38と係合するか、さもなければ噛み合い、第2の平歯車すなわち被駆動スプロケット42と係合するか、さもなければ噛み合う。被駆動スプロケット42は、ファイナルドライブ遊星歯車セット44に、直接またはシャフトすなわち部材46を介して相互接続される。
【0031】
[0078]ファイナルドライブ遊星歯車セット44、ならびに以下で説明する様々な歯車箱26装置は、レバー線図形態で示されている。レバー線図は、自動変速機などの機械デバイスの構成要素の概略表現である。個々のレバーは遊星歯車セットを表しており、遊星歯車の3つの基本機械構成要素は、それぞれ節で表されている。したがって単一のレバーは、太陽歯車のための節、遊星歯車キャリアのための節およびリングギアのための節の3つの節を含んでいる。いくつかのケースでは、2つのレバーを結合して、4つ以上の節(典型的には4つの節)を有する単一のレバーにすることができる。例えば2つの異なるレバー上の2つの節が固定接続を介して相互接続される場合、それらは、単一のレバー上の単一の節として表すことができる。個々のレバーの節と節との間の相対的な長さを使用して、各それぞれの歯車セットの輪−太陽比を表すことができる。次に、適切な比率および比率進行を達成するために、これらのレバー比を使用して変速機の歯車比が変更される。様々な遊星歯車セットの節と節との間の機械的な結合すなわち相互接続は、細い横の線によって示されており、また、クラッチおよびブレーキなどのトルク伝達デバイスは、隙間のある指として表されている。レバー線図の形態、目的および使用のさらなる説明については、参照によりそのすべてが本明細書に組み込まれている、BenfordおよびLeisingによるSAE Paper 810102、「The Lever Analogy: A New Tool in Transmission Analysis」を参照されたい。
【0032】
[0079]例えばファイナルドライブ遊星歯車セット44は、第1の節44A、第2の節44Bおよび第3の節44Cを含む。第1の節44Aは被駆動スプロケット42に結合されている。第3の節44Cは、変速機ハウジング14などの固定すなわち静止部材に接続されている。第2の節44Bは、差動駆動アクセルおよび車両ロードホイールに相互接続することができるファイナルドライブ部材である。好ましい実施形態では、第1の節44Aは太陽歯車に対応し、第2の節44Bは遊星キャリア部材に対応し、また、第3の節44Cはリングギアに対応している。したがってパワートレイン10は、トルクを駆動するための3つの出力シャフト、つまり変速機出力シャフト22、シャフト46およびファイナルドライブ部材すなわち遊星キャリア44Bのみを含む。従来の4つの軸構成を除去し、3つの軸のみを有することにより、パワートレイン10は、4つ目の軸の除去により、より大きい実装柔軟性を有しており、シャフト46を実装するためのより大きい柔軟性および空間を可能にしている。
【0033】
[0080]次に図2A図2Fを参照すると、歯車箱26の様々な構成がレバー線図形態で示されている。図2A図2Fに示されている歯車箱は、以下で説明するように、Ravigneaux、パワーグライドおよびRC−RCレバーとして知られている特定のタイプの変速機を含む。歯車箱すなわち遊星歯車装置26は、第1の遊星歯車セット50および第2の遊星歯車セット52を含む。第1の遊星歯車セット50は、第1の節50A、第2の節50Bおよび第3の節50Cの3つの節を有している。第2の遊星歯車セット52は、第1の節52A、第2の節52Bおよび第3の節52Cの3つの節を有している。
【0034】
[0081]伝達部材34は、第2の遊星歯車セット52の第1の節52Aに連続的に結合されている。変速機出力部材22は、第2の遊星歯車セット52の第3の節52Cに結合されている。第1の遊星歯車セット50の第1の節50Aは、第2の遊星歯車セット52の第2の節52Bに結合されている。第1の遊星歯車セット50の第2の節50Bは、第2の遊星歯車セット52の第3の節52Cに結合されている。
【0035】
[0082]第1のブレーキ54は、第2の遊星歯車セット52の第2の節52Bおよび第1の遊星歯車セット50の第1の節50Aを静止要素すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第2のブレーキ56は、第1の遊星歯車セット50の第3の節50Cを静止要素すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第1のクラッチ58は、第1の遊星歯車セット50の第1の節50Aおよび第2の遊星歯車セット52の第2の節52Bを第1の遊星歯車セット50の第3の節50Cに選択的に接続する。
【0036】
[0083]図2Bを参照すると、一代替歯車箱装置26Bが示されている。歯車箱26Bは、図2Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図2Bでは、第1のクラッチ58は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット50の第1の節50Aおよび第2の遊星歯車セット52の第2の節52Bを第1の遊星歯車セット50の第2の節50Bおよび第2の遊星歯車セット52の第3の節52Cに選択的に接続する。
【0037】
[0084]図2Cを参照すると、一代替歯車箱装置26Cが示されている。歯車箱26Cは、図2Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図2Cでは、第1のクラッチ58は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット50の第2の節50Bおよび第2の遊星歯車セット52の第3の節52Cを第1の遊星歯車セット50の第3の節50Cに選択的に接続する。
【0038】
[0085]図2Dを参照すると、一代替歯車箱装置26Dが示されている。歯車箱26Dは、図2Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図2Dでは、第1のクラッチ58は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット50の第1の節50Aおよび第2の遊星歯車セット52の第2の節52Bを第2の遊星歯車セット52の第1の節52Aに選択的に接続する。
【0039】
[0086]図2Eを参照すると、一代替歯車箱装置26Eが示されている。歯車箱26Eは、図2Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図2Eでは、第1のクラッチ58は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット50の第2の節50Bおよび第2の遊星歯車セット52の第3の節52Cを第2の遊星歯車セット52の第1の節52Aに選択的に接続する。
【0040】
[0087]図2Fを参照すると、一代替歯車箱装置26Fが示されている。歯車箱26Fは、図2Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図2Fでは、第1のクラッチ58は位置が変更されており、第2の遊星歯車セット52の第1の節52Aを第1の遊星歯車セット50の第3の節50Cに選択的に接続する。
【0041】
[0088]次に図3A図3Fを参照すると、スティック線図は、本発明による歯車箱26、26B〜26Fの実施形態の概略レイアウトを提示している。図3A図3Fでは、図2A図2Fのレバー線図からの番号付けが桁上げされている。クラッチおよびカップリングは、それに準じて提示されており、一方、遊星歯車セットの節は、図3A図3Fでは、太陽歯車、リングギア、遊星歯車および遊星歯車キャリアなどの遊星歯車セットの構成要素として示されている。
【0042】
[0089]例えば歯車セット50および52は、共通遊星キャリア部材50B/52C、リングギア部材50A、太陽歯車部材50Cおよび太陽歯車部材52Aを含む。リングギア部材52Bは任意選択であることを理解されたい。共通遊星キャリア部材50B/52Cは、一組の遊星歯車50D(図にはそのうちの1つしか示されていない)および52D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する。遊星歯車50Dは、それぞれ、リングギア部材50Aと相互に噛み合うように構成されており、一方、遊星歯車52Dは、それぞれ、遊星歯車50Dおよび太陽歯車部材52Aの両方と相互に噛み合う長いピニオンである。太陽歯車部材50Cは、第1のシャフトすなわち相互接続部材60と共に回転するように接続される。太陽歯車部材52Aは、伝達部材34と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材50B/52Cは、変速機出力シャフト22と共に回転するように接続される。リングギア部材50Aは、第2のシャフトすなわち相互接続部材62と共に回転するように接続される。
【0043】
[0090]トルク伝達機構すなわちブレーキ54、56およびクラッチ58は、シャフトすなわち相互接続部材、遊星歯車セットの部材およびハウジングの選択的な相互接続を可能にする。トルク伝達機構は、摩擦型機構、噛み合い型機構またはシンクロナイザ型機構、等々である。例えば第1のブレーキ54は、部材62、したがってリングギア部材50Aの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第2のシャフトすなわち相互接続部材62を変速機ハウジング14に接続することができる。第2のブレーキ56は、部材60、したがって太陽歯車部材50Cの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第1のシャフトすなわち相互接続部材60を変速機ハウジング14に接続することができる。図3Aでは、クラッチ58は、選択的に係合して、リングギア部材50Aを太陽歯車部材50Cに接続することができる。同様に、図3B図3Fは、対応する歯車箱装置26B〜26Fのスティック線図を示したもので、上で説明したようにクラッチ58の位置が変更されている。
【0044】
[0091]次に図4A図4Fを参照すると、スティック線図は、本発明による歯車箱26、26B〜26FのRavigneaux型実施形態の概略レイアウトを提示している。図4A図4Fでは、図2A図2Fのレバー線図からの番号付けが桁上げされている。クラッチおよびカップリングは、それに準じて提示されており、一方、遊星歯車セットの節は、図4A図4Fでは、太陽歯車、リングギア、遊星歯車および遊星歯車キャリアなどの遊星歯車セットの構成要素として示されている。
【0045】
[0092]例えば遊星歯車セット50は、単純な遊星歯車セットとして構成され、一方、遊星歯車セット52は複合遊星歯車セットである。歯車セット50および52は、共通遊星キャリア部材50B/52C、共通リングギア部材50A/52B、第1の太陽歯車部材50Cおよび第2の太陽歯車部材52Aを含む。共通遊星キャリア部材50B/52Cは、一組の遊星歯車すなわち階段状ピニオン50D(図にはそのうちの1つしか示されていない)および遊星歯車すなわち非階段状ピニオン52D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する。遊星歯車50Dは、それぞれ、太陽歯車部材50Cおよびリングギア部材50A/52Bの両方と相互に噛み合うように構成される。遊星歯車50Dは、第1の階段状部分51および第2の階段状部分53を有する階段状ピニオンである。遊星歯車52Dは、それぞれ、遊星歯車50Dの階段状部分53および太陽歯車部材52Aの両方と相互に噛み合う。太陽歯車部材50Cは、第1のシャフトすなわち相互接続部材60と共に回転するように接続される。太陽歯車部材52Aは、伝達部材34と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材50B/52Cは、変速機出力シャフト22と共に回転するように接続される。リングギア部材50A/52Bは、第2のシャフトすなわち相互接続部材62と共に回転するように接続される。
【0046】
[0093]第1のブレーキ54は、部材62、したがってリングギア部材50A/52Bの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第2のシャフトすなわち相互接続部材62を変速機ハウジング14に接続することができる。第2のブレーキ56は、部材60、したがって太陽歯車部材50Cの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第1のシャフトすなわち相互接続部材60を変速機ハウジング14に接続することができる。図4Aでは、クラッチ58は、選択的に係合して、リングギア部材50A/52Bを太陽歯車部材50Cに接続することができる。同様に、図4B図4Fは、対応する歯車箱装置26B〜26Fのスティック線図を示したもので、上で説明したようにクラッチ58の位置が変更されている。
【0047】
[0094]次に図5A図5Fを参照すると、スティック線図は、本発明による歯車箱26、26B〜26Fの実施形態の概略レイアウトを提示している。図5A図5Fでは、図2A図2Fのレバー線図からの番号付けが桁上げされている。クラッチおよびカップリングは、それに準じて提示されており、一方、遊星歯車セットの節は、図5A図5Fでは、太陽歯車、リングギア、遊星歯車および遊星歯車キャリアなどの遊星歯車セットの構成要素として示されている。
【0048】
[0095]例えば遊星歯車セット50は、太陽歯車部材50C、リングギア部材50A、および一組の遊星歯車50D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材50Bを含む。遊星歯車50Dは、それぞれ、太陽歯車部材50Cおよびリングギア部材50Aの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材50Cは、第1のシャフトすなわち相互接続部材60と共に回転するように接続される。リングギア部材50Aは、第2のシャフトすなわち相互接続部材62と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材50Bは、変速機出力シャフト22と共に回転するように接続される。
【0049】
[0096]遊星歯車セット52は、太陽歯車部材52A、リングギア部材52C、および一組の遊星歯車52D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材52Bを含む。遊星歯車52Dは、それぞれ、太陽歯車部材52Aおよびリングギア部材52Cの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材52Aは、伝達部材34と共に回転するように接続される。リングギア部材52Cは、変速機出力部材22と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材52Bは、第2の相互接続部材62と共に回転するように接続される。
【0050】
[0097]第1のブレーキ54は、部材62、したがってリングギア部材50Aおよびキャリア部材52Bの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第2のシャフトすなわち相互接続部材62を変速機ハウジング14に接続することができる。第2のブレーキ56は、部材60、したがって太陽歯車部材50Cの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第1のシャフトすなわち相互接続部材60を変速機ハウジング14に接続することができる。図5Aでは、クラッチ58は、選択的に係合して、リングギア部材50Aおよびキャリア部材52Bを太陽歯車部材50Cに接続することができる。同様に、図5B図5Fは、対応する歯車箱装置26B〜26Fのスティック線図を示したもので、上で説明したようにクラッチ58の位置が変更されている。
【0051】
[0098]次に図6A図6Fを参照すると、歯車箱26の構成の別のセットがレバー線図形態で示されている。図6A図6Fに示されている歯車箱は、以下で説明するように、積重ね遊星歯車セットとして知られている特定のタイプの変速機を含む。例えば歯車箱26Gは、第1の遊星歯車セット70および第2の遊星歯車セット72を含む。第1の遊星歯車セット70は、第1の節70A、第2の節70Bおよび第3の節70Cの3つの節を有している。第2の遊星歯車セット72は、第1の節72A、第2の節72Bおよび第3の節72Cの3つの節を有している。
【0052】
[0099]伝達部材34は、第1の遊星歯車セット70の第3の節70Cに連続的に結合されるか、あるいは第2の遊星歯車セット72の第3の節72Cに連続的に結合される。変速機出力部材22は、第2の遊星歯車セット72の第1の節72Aに結合されている。第1の遊星歯車セット70の第2の節70Bは、第2の遊星歯車セット72の第2の節72Bに結合されている。第1の遊星歯車セット70の第3の節70Cは、第2の遊星歯車セット72の第3の節72Cに結合されている。
【0053】
[00100]第1のブレーキ74は、第1の遊星歯車セット70の第2の節70Bおよび第2の遊星歯車セット72の第2の節72Bを静止部材すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第2のブレーキ76は、第1の遊星歯車セット70の第1の節70Aを静止部材すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第1のクラッチ78は、第1の遊星歯車セット70の第3の節70Cおよび第2の遊星歯車セット72の第3の節72Cを第2の遊星歯車セット72の第1の節72Aおよび変速機出力部材22に選択的に接続する。
【0054】
[00101]図6Bを参照すると、一代替歯車箱装置26Hが示されている。歯車箱26Hは、図6Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図6Bでは、第1のクラッチ78は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット70の第2の節70Bおよび第2の遊星歯車セット72の第2の節72Bを第2の遊星歯車セット72の第1の節72Aおよび変速機出力部材22に選択的に接続する。
【0055】
[00102]図6Cを参照すると、一代替歯車箱装置26Iが示されている。歯車箱26Iは、図6Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図6Cでは、第1のクラッチ78は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット70の第2の節70Bおよび第2の遊星歯車セット72の第2の節72Bを第1の遊星歯車セット70の第3の節70Cおよび第2の遊星歯車セット72の第3の節72Cに選択的に接続する。
【0056】
[00103]図6Dを参照すると、一代替歯車箱装置26Jが示されている。歯車箱26Jは、図6Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら、図6Dでは、第1のクラッチ78は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット70の第2の節70Bおよび第2の遊星歯車セット72の第2の節72Bを第1の遊星歯車セット70の第1の節70Aに選択的に接続する。
【0057】
[00104]図6Eを参照すると、一代替歯車箱装置26Kが示されている。歯車箱26Kは、図6Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図6Eでは、第1のクラッチ78は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット70の第1の節70Aを第2の遊星歯車セット72の第1の節72Aに選択的に接続する。
【0058】
[00105]図6Fを参照すると、一代替歯車箱装置26Lが示されている。歯車箱26Lは、図6Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら、図6Fでは、第1のクラッチ78は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット70の第1の節70Aを第1の遊星歯車セットの第3の節70Cおよび第2の遊星歯車セット72の第3の節72Cに選択的に接続する。
【0059】
[00106]次に図7A図7Fを参照すると、スティック線図は、本発明による歯車箱26G〜26Lの実施形態の概略レイアウトを示している。図7A図7Fでは、図6A図6Fのレバー線図からの番号付けが桁上げされている。クラッチおよびカップリングは、それに準じて提示されており、一方、遊星歯車セットの節は、図7A図7Fでは、太陽歯車、リングギア、遊星歯車および遊星歯車キャリアなどの遊星歯車セットの構成要素として見えている。
【0060】
[00107]例えば遊星歯車セット70および遊星歯車セット72は、積重ね遊星歯車セットとして構成されており、第1の遊星歯車セット70は、第2の遊星歯車セット72の内側に半径方向に入れ子になっている。遊星歯車セット70は、太陽歯車部材70A、リングギア部材70C、および一組の遊星歯車70D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材70Bを含む。遊星歯車70Dは、それぞれ、太陽歯車部材70Aおよびリングギア部材70Cの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材70Aは、第1のシャフトすなわち相互接続部材80と共に回転するように接続される。リングギア部材70Cは、伝達部材34と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材70Bは、第2のシャフトすなわち相互接続部材82と共に回転するように接続される。
【0061】
[00108]遊星歯車セット72は、太陽歯車部材72C、リングギア部材72A、および一組の遊星歯車72D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材72Bを含む。遊星歯車72Dは、それぞれ、太陽歯車部材72Cおよびリングギア部材72Aの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材72Cは、第1のシャフトすなわち相互接続部材34と共に回転するように接続される。リングギア部材72Aは、変速機出力部材22と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材72Bは、第2のシャフトすなわち相互接続部材82と共に回転するように接続される。第1の遊星歯車セット70のリングギア部材70Cおよび第2の遊星歯車セット72の太陽歯車部材72Cは、内歯および外歯を有する単一の単位部材から形成することも、あるいは回転のために一体に接続される個別の歯車から形成することも可能であることを理解されたい。
【0062】
[00109]トルク伝達機構すなわちブレーキ74、76およびクラッチ78は、シャフトすなわち相互接続部材、遊星歯車セットの部材およびハウジングの選択的な相互接続を可能にする。トルク伝達機構は、摩擦型機構、噛み合い型機構またはシンクロナイザ型機構、等々である。例えば第1のブレーキ74は、部材82、したがって第1の遊星歯車セット70のキャリア部材70Bおよび第2の遊星歯車セット72のキャリア部材72Bの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第2のシャフトすなわち相互接続部材82を変速機ハウジング14に接続することができる。第2のブレーキ76は、部材80、したがって太陽歯車部材70Aの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第1のシャフトすなわち相互接続部材80を変速機ハウジング14に接続することができる。図7Aでは、クラッチ78は、選択的に係合して、リングギア部材72Aおよび変速機出力シャフト22を伝達シャフト34およびリングギア部材70Cならびに太陽歯車部材72Cに接続することができる。同様に、図7B図7Fは、対応する歯車箱装置26H〜26Lのスティック線図を示したもので、上で説明したようにクラッチ78の位置が変更されている。
【0063】
[00110]次に図8A図8Fを参照すると、歯車箱26の構成の別のセットがレバー線図形態で示されている。図8A図8Fに示されている歯車箱は、以下で説明するように、Simpson遊星歯車セットとして知られている特定のタイプの変速機を含む。例えば歯車箱26Mは、第1の遊星歯車セット90および第2の遊星歯車セット92を含む。第1の遊星歯車セット90は、第1の節90A、第2の節90Bおよび第3の節90Cの3つの節を有している。第2の遊星歯車セット92は、第1の節92A、第2の節92Bおよび第3の節92Cの3つの節を有している。
【0064】
[00111]伝達部材34は、第1の遊星歯車セット90の第3の節90Cに連続的に結合されている。変速機出力部材22は、第2の遊星歯車セット92の第2の節92Bに結合されている。第1の遊星歯車セット90の第1の節90Aは、第2の遊星歯車セット92の第1の節92Aに結合されている。第1の遊星歯車セット90の第2の節90Bは、第2の遊星歯車セット92の第3の節92Cに結合されている。
【0065】
[00112]第1のブレーキ94は、第1の遊星歯車セット90の第2の節90Bおよび第2の遊星歯車セット92の第3の節92Cを静止部材すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第2のブレーキ96は、第1の遊星歯車セット90の第1の節90Aおよび第2の遊星歯車セットの第1の節92Aを静止部材すなわち変速機ハウジング14に選択的に接続する。第1のクラッチ98は、第1の遊星歯車セット90の第1の節90Aおよび第2の遊星歯車セット92の第1の節92Aを第1の遊星歯車セット90の第2の節90Bおよび第2の遊星歯車セット92の第3の節92Cに選択的に接続する。
【0066】
[00113]図8Bを参照すると、一代替歯車箱装置26Nが示されている。歯車箱26Nは、図8Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図8Bでは、第1のクラッチ98は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット90の第1の節90Aおよび第2の遊星歯車セット92の第1の節92Aを第2の遊星歯車セット92の第2の節92Bに選択的に接続する。
【0067】
[00114]図8Cを参照すると、一代替歯車箱装置26Oが示されている。歯車箱26Oは、図8Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図8Cでは、第1のクラッチ98は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット90の第2の節90Bおよび第2の遊星歯車セット92の第3の節92Cを第2の遊星歯車セット92の第2の節92Bに選択的に接続する。
【0068】
[00115]図8Dを参照すると、一代替歯車箱装置26Pが示されている。歯車箱26Pは、図8Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図8Dでは、第1のクラッチ98は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット90の第2の節90Bおよび第2の遊星歯車セット92の第3の節92Cを第1の遊星歯車セット90の第3の節90Cに選択的に接続する。
【0069】
[00116]図8Eを参照すると、一代替歯車箱装置26Qが示されている。歯車箱26Qは、図8Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図8Eでは、第1のクラッチ98は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット90の第1の節90Aおよび第2の遊星歯車セット92の第1の節92Aを第1の遊星歯車セット90の第3の節90Cに選択的に接続する。
【0070】
[00117]図8Fを参照すると、一代替歯車箱装置26Rが示されている。歯車箱26Rは、図8Aに示されている歯車箱装置と同様であり、したがって同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら図8Fでは、第1のクラッチ98は位置が変更されており、第1の遊星歯車セット90の第3の節90Cを第2の遊星歯車セット92の第2の節92Bに選択的に接続する。
【0071】
[00118]次に図9A図9Fを参照すると、スティック線図は、本発明による歯車箱26M〜26Rの実施形態の概略レイアウトを提示している。図9A図9Fでは、図8A図8Fのレバー線図からの番号付けが桁上げされている。クラッチおよびカップリングは、それに準じて提示されており、一方、遊星歯車セットの節は、図9A図9Fでは、太陽歯車、リングギア、遊星歯車および遊星歯車キャリアなどの遊星歯車セットの構成要素として示されている。
【0072】
[00119]例えば遊星歯車セット90は、太陽歯車部材90A、リングギア部材90C、および一組の遊星歯車90D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材90Bを含む。遊星歯車90Dは、それぞれ、太陽歯車部材90Aおよびリングギア部材90Cの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材90Aは、第1のシャフトすなわち相互接続部材100と共に回転するように接続される。リングギア部材90Cは、伝達部材34と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材90Bは、第2のシャフトすなわち相互接続部材102と共に回転するように接続される。
【0073】
[00120]遊星歯車セット92は、太陽歯車部材92A、リングギア部材92C、および一組の遊星歯車92D(図にはそのうちの1つしか示されていない)を回転可能に支持する遊星キャリア部材92Bを含む。遊星歯車92Dは、それぞれ、太陽歯車部材92Aおよびリングギア部材92Cの両方と相互に噛み合うように構成される。太陽歯車部材92Aは、第1のシャフトすなわち相互接続部材100と共に回転するように接続される。リングギア部材92Cは、第2のシャフトすなわち相互接続部材102と共に回転するように接続される。遊星キャリア部材92Bは、変速機出力シャフト22と共に回転するように接続される。
【0074】
[00121]トルク伝達機構すなわちブレーキ94、96およびクラッチ98は、シャフトすなわち相互接続部材、遊星歯車セットの部材およびハウジングの選択的な相互接続を可能にする。トルク伝達機構は、摩擦型機構、噛み合い型機構またはシンクロナイザ型機構、等々である。例えば第1のブレーキ94は、部材102、したがって第1の遊星歯車セット90のキャリア部材90Bおよび第2の遊星歯車セット92のリングギア部材92Cの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第2のシャフトすなわち相互接続部材102を変速機ハウジング14に接続することができる。第2のブレーキ96は、部材100、したがって太陽歯車部材90Aおよび太陽歯車部材92Aの相対回転を制限するために、選択的に係合して、第1のシャフトすなわち相互接続部材100を変速機ハウジング14に接続することができる。図9Aでは、クラッチ98は、選択的に係合して、リングギア部材92Cおよびキャリア部材90Bを太陽歯車部材90Aおよび太陽歯車部材92Aに接続することができる。同様に、図9B図9Fは、対応する歯車箱装置26M〜26Rのスティック線図を示したもので、上で説明したようにクラッチ98の位置が変更されている。
【0075】
[00122]遊星歯車セットの部材またはクラッチおよびブレーキが共に回転するように接続される場合、それらは、共に回転するように、トルク伝達デバイスまたは遊星歯車セット部材が介在することなく直接接続されることを理解されたい。しかしながら、個々の相互接続部材は、本発明の範囲を逸脱することなく、1つまたは複数の部材で形成することも、あるいは遊星歯車セットの部材と共に一体で形成することも可能であることを理解されたい。
【0076】
[00123]本発明の説明は、本質的に単に例示的なものにすぎず、本発明の要旨から逸脱しない変形形態は、本発明の範囲内であることが意図されている。このような変形形態を本発明の趣旨および範囲からの逸脱と見なしてはならない。
(項目1)
自動車のためのパワートレインにおいて、
変速機入力部材と、
変速機出力部材と、
前記変速機入力部材と共に回転するように接続される第1のプーリ対、第2のプーリ対、ならびに前記第1のプーリ対および前記第2のプーリ対の周りに巻き付けられたエンドレス部材を有する連続可変ユニットと、
複数の部材を有する第1の遊星歯車セットと、
複数の部材を有する第2の遊星歯車セットであって、共に回転するように前記第1の遊星歯車セット、前記連続可変ユニットおよび前記変速機出力部材に接続された、第2の遊星歯車セットと、
共に回転するよう、前記第1の遊星歯車セットを前記第2の遊星歯車セットに選択的に接続するためのクラッチと、
前記第1の遊星歯車セットを静止部材に選択的に接続するための第1のブレーキと、
前記第2の遊星歯車セットを前記静止部材に選択的に接続するための第2のブレーキと、
前記変速機出力部材と共に回転するように接続されたチェーンドライブと、
前記チェーンドライブと共に回転するように接続された伝達部材と、
前記伝達部材と共に回転するように接続されたファイナルドライブ遊星歯車セットとを備え、
前記変速機出力部材から前記ファイナルドライブ遊星歯車セットへの3つの回転軸のみを含む、パワートレイン。
(項目2)
前記第1の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第2の遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材は前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材と共に回転するように接続され、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材は前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材と共に回転するように接続された、項目1に記載のパワートレイン。
(項目3)
前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材は前記第2のプーリ対と共に回転するように接続され、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材は前記変速機出力部材と共に回転するように接続された、項目2に記載のパワートレイン。
(項目4)
前記クラッチは、共に回転するように、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材を、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材に選択的に接続する、項目3に記載のパワートレイン。
(項目5)
前記第1のブレーキは、前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材を前記静止部材に選択的に接続する、項目4に記載のパワートレイン。
(項目6)
前記第2のブレーキは、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材を前記静止部材に選択的に接続する、項目5に記載のパワートレイン。
(項目7)
前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材が単一の回転部材として一体形成される、項目6に記載のパワートレイン。
(項目8)
前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材が単一の回転部材として一体形成される、項目7に記載のパワートレイン。
(項目9)
前記第1の遊星歯車セットの前記第1の部材がリングギアであり、前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材が遊星キャリア部材であり、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材が太陽歯車であり、前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材が太陽歯車であり、前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材がリングギアであり、前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材が遊星キャリア部材である、項目8に記載のパワートレイン。
(項目10)
前記第1の遊星歯車セットの前記第2の部材と前記第2の遊星歯車セットの前記第3の部材の両方が、複数の階段状ピニオンおよび複数のピニオンを支持し、前記複数の階段状ピニオンの各々は、前記第1の遊星歯車セットの前記第3の部材と噛み合う第1の部分、および前記一体形成された、前記第1の遊星歯車セットの第1の部材および前記第2の遊星歯車セットの前記第2の部材と噛み合い、前記複数のピニオンと噛み合う第2の部分を有し、前記複数のピニオンは前記第2の遊星歯車セットの前記第1の部材と噛み合う、項目9に記載のパワートレイン。
(項目11)
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第1の部材は前記伝達部材と共に回転するように接続され、前記第2の部材は前記自動車のロードホイールに相互接続され、前記第3の部材は前記静止部材に接続される、項目1に記載のパワートレイン。
(項目12)
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第1の部材は太陽歯車であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第2の部材は遊星キャリア部材であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第3の部材はリングギアである、項目11に記載のパワートレイン。
(項目13)
自動車のためのパワートレインにおいて、
変速機入力部材と、
変速機出力部材と、
前記変速機入力部材と共に回転するように接続された第1のプーリ対、第2のプーリ対、ならびに前記第1のプーリ対および前記第2のプーリ対の周りに巻き付けられたエンドレス部材を有する連続可変ユニットと、
前記第2のプーリ対および前記変速機出力部材と共に回転するように接続された遊星歯車装置であって、第1の太陽歯車、第2の太陽歯車、遊星キャリア部材およびリングギアを含み、前記遊星キャリア部材は複数の階段状ピニオンおよび複数の非階段状ピニオンを支持し、前記階段状ピニオンは、前記第1の太陽歯車と噛み合う第1の部分、および前記リングギアと前記複数のピニオンとの両方と噛み合う第2の部分を含み、前記複数のピニオンはそれぞれ前記第2の太陽歯車と噛み合う、遊星歯車装置と、
前記連続可変ユニットと前記変速機出力部材との間の複数のモードの歯車比範囲を選択するための複数のトルク伝達機構と、
前記変速機出力部材と共に回転するように接続されたチェーンドライブと、
前記チェーンドライブと共に回転するように接続された伝達部材と、
前記伝達部材と共に回転するように接続されたファイナルドライブ遊星歯車セットとを備え、
前記変速機出力部材から前記ファイナルドライブ遊星歯車セットへの3つの回転軸のみを含む、パワートレイン。
(項目14)
前記第2の太陽歯車は前記連続可変ユニットの前記第2のプーリ対と共に回転するように接続された、項目13に記載のパワートレイン。
(項目15)
前記遊星キャリア部材は前記変速機出力部材と共に回転するように接続された、項目13に記載のパワートレイン。
(項目16)
前記複数のトルク伝達機構は、共に回転するように前記遊星キャリア部材を前記リングギアに選択的に接続するクラッチを含む、項目13に記載のパワートレイン。
(項目17)
前記複数のトルク伝達機構は、共に回転するように前記リングギアを静止部材に選択的に接続する第1のブレーキを含む、項目13に記載のパワートレイン。
(項目18)
前記複数のトルク伝達機構は、共に回転するように前記第1の太陽歯車を静止部材に選択的に接続する第2のブレーキを含む、項目13に記載のパワートレイン。
(項目19)
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを含み、前記第1の部材は前記伝達部材と共に回転するように接続され、前記第2の部材は前記自動車のロードホイールに相互接続され、前記第3の部材は静止部材に接続された、項目13に記載のパワートレイン。
(項目20)
前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第1の部材は太陽歯車であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第2の部材は遊星キャリア部材であり、前記ファイナルドライブ遊星歯車セットの前記第3の部材はリングギアである、項目19に記載のパワートレイン。
【符号の説明】
【0077】
10 パワートレイン
12 エンジン
14 変速機(変速機ハウジング)
15 始動デバイス
16 ハウジング
20 変速機入力シャフト
22 変速機出力シャフト(変速機出力部材)
24 プーリアセンブリ
26、26B〜26R 歯車箱(遊星歯車装置)
28 チェーン駆動ファイナルドライブユニット
30、32 シーブ対
30A、32A 第1の切頭円錐シーブ
30B、32B 第2の切頭円錐シーブ
34 伝達シャフト(伝達部材、相互接続部材)
36 トルク伝達ベルトまたはチェーン
38 第1の平歯車(駆動スプロケット)
40 伝達チェーン
42 第2の平歯車(被駆動スプロケット)
44 ファイナルドライブ遊星歯車セット
44A、50A、52A、70A、72A、90A、92A 第1の節
44B、50B、52B、70B、72B、90B、92B 第2の節
44C、50C、52C、70C、72C、90C、92C 第3の節
46 シャフト
50、70、90 第1の遊星歯車セット
50A、52B、52C、70C、72A、90C、92C リングギア部材
50A/52B 共通リングギア部材
50B/52C 共通遊星キャリア部材
50C、52A、70A、72C、90A、92A 太陽歯車部材
50D 遊星歯車(階段状ピニオン)
51 第1の階段状部分
52、72、92 第2の遊星歯車セット
52B、70B、72B、90B、92B 遊星キャリア部材
52D 遊星歯車(非階段状ピニオン)
53 第2の階段状部分
54、74、94 第1のブレーキ(トルク伝達機構)
56、76、96 第2のブレーキ(トルク伝達機構)
58、78、98 第1のクラッチ
60、80、100 第1のシャフト(相互接続部材)
62、82、102 第2のシャフト(相互接続部材)
70D、72D、90D、92D 遊星歯車
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
【外国語明細書】
2015014366000001.pdf