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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-144780(P2015-144780A)
(43)【公開日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】遊技媒体計数装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150717BHJP
【FI】
   A63F5/04 512T
   A63F5/04 512Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-19430(P2014-19430)
(22)【出願日】2014年2月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神門 徹也
【テーマコード(参考)】
2C082
【Fターム(参考)】
2C082AA02
2C082AB03
2C082AB12
2C082AB27
2C082BA02
2C082BA22
2C082CA02
2C082CB04
2C082CB23
2C082CB32
2C082CB41
2C082CC01
2C082CC12
2C082CC24
2C082CD06
2C082EA04
2C082EA13
2C082EB01
2C082EB05
2C082EB11
2C082EB20
(57)【要約】
【課題】異物等を検知してリトライ処理を繰返すことにより発生する駆動手段の過熱等の破損要因を極力排除した遊技媒体計数装置を提供する。
【解決手段】オートスタート機能を備えた計数装置は、計数終了時のオートセンサの検知に応じたリトライ処理後に計数が無かった場合に、オートセンサの検知に関わらずエラー処理において(S16、S17)オートスタート機能を抑制する。これにより、オートセンサにより異物等を検知することでリトライ処理を行った場合に、オートセンサによる検知が行われないことから、処理を終了し、再度、異物等を検知することでオートスタートを行い、リトライ処理を繰返すことによるモータの処理負担を軽減し、故障等を好適に防止し得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技により獲得した遊技媒体であって、投入口へと投入された遊技媒体を計数する計数手段と、
投入口へと投入された遊技媒体を前記計数手段へと搬送する搬送処理を行う搬送手段と、
前記搬送処理を行うために前記搬送手段を駆動させる駆動手段と、
前記搬送手段の搬送対象となる物体の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知に応じて前記駆動手段を駆動させ前記搬送処理を開始させるオートスタート処理を行うオートスタート手段と、
前記計数手段による計数が終了したにも関わらず前記検知手段による検知が有った場合に、前記駆動手段による駆動処理を行わせるリトライ処理を行うリトライ手段と、
前記リトライ処理後に前記計数手段による遊技媒体の計数が無かった場合に、前記検知手段による検知に関わらず当該リトライ処理後の前記オートスタート処理を抑制する抑制処理を行う抑制手段と、
を備えたことを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記抑制手段は、前記抑制処理を行う場合に、所定のエラー報知を行うことで抑制し、少なくとも当該エラー報知が遊技場の従業員による従業員操作により解除されるまで前記オートスタート処理を抑制することを特徴とする請求項1記載の遊技媒体計数装置。
【請求項3】
前記リトライ手段は、遊技媒体を前記計数手段へと搬送する駆動方向である正方向への駆動と、当該正方向とは逆方向への駆動とを予め設定される回数分、前記駆動手段に繰返して行わせることで前記リトライ処理を行い、
前記抑制手段は、前記オートスタート処理を抑制する場合に、前記リトライ処理中に前記検知手段による検知の有無により異なるエラー報知を行うことで、前記抑制処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の遊技媒体計数装置。
【請求項4】
前記搬送処理を開始させるための開始操作を受付ける操作手段を備え、
前記抑制手段は、前記抑制処理が行われている場合に、前記開始操作に応じた前記搬送処理の開始は許容することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の検知に応じて計数を開始するオートスタートを採用した遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数処理を行う計数装置が設けられており、多くの計数装置では特許文献1のように、投入された遊技媒体を計数部へと搬送するためのターンテーブルを計数開始操作に応じて回転させることにより計数処理を開始する。しかしながら、計数装置の中には計数開始操作を行わずに計数処理を開始すべく計数装置内にセンサを設け、遊技媒体の検知に応じて計数を開始するオートスタートを採用した計数装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−104706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、オートスタートを採用する場合、計数部における計数が途切れてもメダルを検知していれば、遊技媒体が詰まっており遊技媒体の搬送が終了していないとして、ターンテーブルを逆回転させる等する搬送リトライ(リトライ処理)を行って、メダルの詰まりを解消してメダルを検知しなくなったことにより計数処理を終了する。
【0005】
しかしながら、遊技媒体の詰まりが原因ではなく、ゴミ等の計数部へと搬送出来ない異物等がターンテーブル上に進入し、それを検知している場合には、ターンテーブル上で異物等が移動するため、検知と非検知とを繰返す状態となり、非検知により一旦計数を終了するものの、その後の検知により再度計数処理を再開すべくターンテーブルを再回転させることになる。このため、搬送リトライを何度も繰返し、ターンテーブルを回転させるモータが過熱し、計数装置が破損する場合があった。また、この様な搬送リトライの繰返しは、例えば遊技媒体がターンテーブル内に挟み込まれ、搬送リトライでは挟み込みを解消不能な状態だが、遊技媒体が検知されることにより、繰返される場合もある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、異物等を検知してリトライ処理を繰返すことにより発生する駆動手段の過熱等の破損要因を極力排除した遊技媒体計数装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技媒体計数装置は、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体であって、投入口へと投入された遊技媒体を計数する計数手段と、投入口へと投入された遊技媒体を前記計数手段へと搬送する搬送処理を行う搬送手段と、前記搬送処理を行うために前記搬送手段を駆動させる駆動手段と、前記搬送手段の搬送対象となる物体の有無を検知する検知手段と、前記検知手段による検知に応じて前記駆動手段を駆動させ前記搬送処理を開始させるオートスタート処理を行うオートスタート手段と、前記計数手段による計数が終了したにも関わらず前記検知手段による検知が有った場合に、前記駆動手段による駆動処理を行わせるリトライ処理を行うリトライ手段と、前記リトライ処理後に前記計数手段による遊技媒体の計数が無かった場合に、前記検知手段による検知に関わらず当該リトライ処理後の前記オートスタート処理を抑制する抑制処理を行う抑制手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0008】
請求項1記載の遊技媒体計数装置において、
前記抑制手段は、前記抑制処理を行う場合に、所定のエラー報知を行うことで抑制し、少なくとも当該エラー報知が遊技場の従業員による従業員操作により解除されるまで前記オートスタート処理を抑制するようにしても良い(請求項2)。
【0009】
請求項1または2記載の遊技媒体計数装置において、
前記リトライ手段は、遊技媒体を前記計数手段へと搬送する駆動方向である正方向への駆動と、当該正方向とは逆方向への駆動とを予め設定される回数分、前記駆動手段に繰返して行わせることで前記リトライ処理を行い、前記抑制手段は、前記オートスタート処理を抑制する場合に、前記リトライ処理中に前記検知手段による検知の有無により異なるエラー報知を行うことで、前記抑制処理を行うようにしても良い(請求項3)。
【0010】
請求項1から3の何れか一項に記載の遊技媒体計数装置において、
前記搬送処理を開始させるための開始操作を受付ける操作手段を備え、前記抑制手段は、前記抑制処理が行われている場合に、前記開始操作に応じた前記搬送処理の開始は許容するようにしても良い(請求項4)。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、リトライ処理後に検知手段による検知に関わらずオートスタート処理を抑制するため、検知手段により異物等を検知することでリトライ処理を行った場合に、従来の様に検知手段による検知が行われないことからリトライ処理を終了し、再度、検知手段により異物等を検知してオートスタートを行うことでリトライ処理を繰返すことによる駆動手段の処理負担を軽減し、故障等を好適に防止し得る。
【0012】
請求項2の発明によれば、従業員操作によりエラーを解除するため抑制処理が行われた場合には従業員により異物等が混入していないかを確認されるようになり、早期に対処可能となる。
【0013】
請求項3の発明によれば、異なるエラー報知により従業員が状態を確認する際に、遊技媒体が搬送手段に詰まってエラー報知が行われているのか、異物等が混入する等して検知手段の異常検知によりエラー報知が行われているのかを把握可能となり、その後の処理に係る判断を迅速に行い得るようになる。
【0014】
請求項4の発明によれば、抑制処理中であっても開始操作に応じた搬送処理の開始は行うので、遊技場経営に大きく支障を出さずに遊技媒体計数装置の故障の防止を出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示す図
図2】遊技機の正面図
図3】役と出率との関係を設定値毎に示す図
図4】計数装置の上部を取外した平面図
図5】設定情報を示す図
図6】計数装置の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機(スロットマシン)1に対応して貸出装置2が設置されている。2台の遊技機1、2台の貸出装置2は1台の中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5に接続されている。管理装置5は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード6、モニタ7やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。LAN4には計数装置8(遊技媒体計数装置に相当)、景品交換処理を行うPOS9等の周辺機器が管理装置5と通信可能に接続されている。
尚、図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となる。本実施形態では上記したように遊技機1がスロットマシンであることから、遊技価値(遊技媒体)はメダルである。遊技機1がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。
【0017】
図2は遊技機の正面図である。遊技機1は、表示窓10を介して視認可能なリール11、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部12、表示パネル13、クレジットメダルの投入を行うクレジット釦14、クレジットメダルの精算を行う精算釦15、メダルを投入するメダル投入口16、スタートレバー17及び左ストップ釦18、中ストップ釦19、右ストップ釦20、受皿21等を備えている。
【0018】
遊技機1は、メダルが投入された状態でスタートレバー17が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、発生する乱数の中から1つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール11を始動(回転)させ、この状態で各ストップ釦18〜20が操作されると、対応するリール11の回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール11の停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール11を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。引込制御は、各ストップ釦18〜20の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、所謂取りこぼしとなる。
【0019】
図3は、遊技機1に設定されている役と出率との関係を設定値毎に示している。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、小役及びリプレイ役が設けられている。遊技機1には、図2に示すように、合計5本(表示窓10の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本及び斜め方向の2本)の有効ラインが設けられている。遊技者によるストップ釦18〜20の操作によってこれらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したとき、入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のコインの払い出し(遊技価値の付与)が行われる。具体的には、遊技機1では、BB状態は例えば300枚を越えるコインの払い出しによって終了し、RB状態は8回の入賞の発生により終了する。尚、BB状態及びRB状態における1ゲーム当たりのコインの投入枚数は2枚になっている。
【0020】
この遊技機1は、設定値を変更することによりBB役及びRB役の内部当選確率を変更可能となっている。本実施形態の場合、設定値は1〜6の6段階設けられている。この設定値は遊技場の管理者により何れか1つが選択されて使用される。各設定値には、図3に示すようにそれぞれ理論上の出玉率が対応付けられている。この出率は、上記したボーナス役の内部当選確率により調節される。つまり、遊技機1では、設定値が大きいほどボーナス役当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなる。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていても良い。
【0021】
管理装置5は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機1や貸出装置2や呼出ランプユニット3との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部等を備え、遊技機側から出力された遊技信号(アウト信号、セーフ信号、BB信号、RB信号)や貸出装置2から出力された売上信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、差メダル、BB回数、RB回数等)を集計したり売上情報を算出したりする。
【0022】
貸出装置2は、図1に示すように遊技者が紙幣を投入するための紙幣投入口22、遊技者がICカードを挿入するためのカード挿入口23、挿入されたICカードを発券するための発券釦24、後述するホッパーの状態を示すホッパーLED25、メダルを投入するためのメダル投入部26(図1では蓋で閉鎖されている)、メダルを遊技機1の受皿21に払出す払出ノズル27等を備えている。貸出装置2は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部により動作する。
【0023】
貸出装置2は内部に図示しないホッパーを備えている。ホッパーは円盤及びホッパーモータから構成されており、ホッパーモータにより円盤が回転してメダルを1枚ずつ順にメダル排出路に排出する。メダル排出路にはフォトセンサ及び近接センサの2種類のセンサが設けられており、フォトセンサでメダルの通過を確認した後、近接センサが反応した場合にカウント値をインクリメントする計数処理を実行する。尚、メダル排出路に排出したメダルを計数する構成としたが、メダル排出路手前にセンサを設け、計数してからホッパーからメダルを排出する構成としても良い。
【0024】
計数装置8は、メダル投入口28(投入口に相当)に投入されたメダルを計数する。このメダル投入口28は通常は図示しないカバー部材により閉鎖されており、そのカバー部材が電子錠でロックされることによりカバー部材の開放が禁止されている。有効な会員IDカードが読取部にかざされるか、従業員が携帯するリモコンで解除操作が行われた場合にロックが解除され、カバー部材を開放することでメダル投入口28へのメダルの投入が可能となる。会員カードを携帯していない非会員が計数装置8で計数を行いたい場合は、計数装置8の呼出釦29を押下することで従業員を呼出して解除操作を行ってもらう。カバー部材を開放してメダル投入口28へメダルを投入することにより計数装置8が計数を開始し、計数結果を表示部30に表示し、発行釦31を押下すると計数した枚数を表記したレシートが発行口32から発行される。このとき、計数装置8は、レシートの識別番号とこれに対応付けて枚数情報をレシート情報として管理装置6へ送信する。また、会員カードの読取状態で計数した後、貯玉釦33を押下げることで、獲得したメダルを遊技場へと預入れる所謂貯玉、即ち、計数したメダルを貯蓄することができる。貯玉情報は遊技者IDと対応付けて管理装置5へ送信され、管理装置5において貯玉情報として記憶される。この貯玉情報により貸出装置2において再プレイ処理を実行することができる。
尚、本実施形態では、対象となる計数装置8は島端計数装置を想定しているが、遊技機毎に対応する所謂各台計数装置を対象としても良い。
【0025】
図4は計数装置8の上部を取外した平面図である。計数装置8の図示左側には円盤状のターンテーブル34(搬送手段に相当)、モータ35(駆動手段に相当)、投光部36aと受光部36bとを対向してなるオートセンサ36(検知手段に相当)、計数路37、及び計数部38(計数手段に相当)等が設けられ、図示右側には制御部39(オートスタート手段、リトライ手段、抑制手段に相当)及び発行部40等が設けられている。ターンテーブル34の中心はメダル投入口28の中心下方に位置しており、投入されたメダルが積重ねられる。ターンテーブル34は円環枠状の案内部41により囲繞されており、その案内部41に形成された図示しないスリットが計数路37に連通している。このスリットはメダルが一枚ずつ通過出来る程度の隙間に設定されている。計数路37には図示しない計数センサが設けられており、その計数センサにより計数路37を通過するメダルが計数される。モータ35は、ベルト42を介してターンテーブル34を正転させたり、逆転したりする。オートセンサ36は、案内部41に形成された図示しない窓部を通じて投光部36aがターンテーブル34上に投光した光を受光部36bが受光するように構成されている。
【0026】
メダル投入口28にメダルを投入すると、ターンテーブル34上にメダルが積重ねられるので、オートセンサ36によりメダルが検知される。オートセンサ36による検知に応じてターンテーブル34がモータ35により正転され、その遠心力によりメダルが案内部41の内周面に沿って回転し、図示しないスリットから脱出して計数路37へ浸入する。計数路37に進入したメダルが計数部38を通過することで計数センサにより計数処理が行われる。
【0027】
さて、計数装置8には計数処理に関する設定情報を管理装置5に対する操作により設定可能となっている。
図5は設定情報の一例を示しており、設定情報としては次の各項目が設定されている。
計数タイマ=作動開始によりターンテーブル34の回転を開始し、作動停止によりターンテーブル34の回転を停止させ、計数処理中である旨を示す作動期間。計数タイマはこの期間の作動後に停止する。つまり、ターンテーブル34はメダルの計数に応じてリスタートする計数タイマの作動中に回転する。
オートスタート=オートスタート機能を有効とするか否か。有効なら「有」、有効としなければ「無」と設定する。
リトライ回数=リトライ処理によりターンテーブル34の反転、正転を行う回数。1回に付き、反転を3回転してから正転を3回転する。つまり、計数タイマがタイムアップした場合、オートセンサ36の検知があるかを判定し、検知があれば、メダル詰まりが起こったとしてターンテーブル34の反転、正転を設定回数(図5の場合は20回)繰返す。
【0028】
制御部39は、後述するように投入されたメダルを計数し、計数が終了すると、発行操作に応じて発行処理を実行する。発行処理では発行部40より計数値を特定可能なレシートを発券し、POS9にて読取ることで計数値に対応した景品交換を行うことが可能である。POS9はレシートを受付けることにより計数値を特定し、その特定した計数値が示す遊技媒体と交換された景品とを対応付けることで景品交換処理を実行する。
【0029】
次に、上記構成の作用について説明する。
図6は計数装置8の動作を示すフローチャートである。尚、計数装置8には管理装置5における設定操作に応じて図5の設定情報が予め設定されている。図5に示す例では、計数タイマが2秒、オートスタートが「有」、リトライ回数が20回に設定されている。つまり、オートセンサ36による検知に応じて計数開始操作を伴うことなく計数処理を開始可能に設定されている。
【0030】
計数装置8の制御部39は、オートセンサ36がメダルを検知したか(S1:NO)、計数開始操作(表示部30に表示される図示しない表示釦(操作手段に相当)の操作)有りか(S2:NO)を判定する。
遊技者が計数装置8にメダルを投入することによりオートセンサ36がメダルを検知したり(S1:YES)、オートスタートが「無」に設定されている状態で遊技者が計数開始操作を行ったりすると(S2:YES)、計数処理を開始する。計数処理では、モータ35を駆動してターンテーブル34を回転(正転)開始すると共に(S3)、計数タイマをスタートする(S4)。
【0031】
計数処理中は、計数センサが検知したか(S5:NO)、計数タイマがタイムアップしたか(S10:NO)、ターンテーブル34は回転停止中か(S19:NO)を判定する待機状態となる。
ターンテーブル34の回転によりメダルが計数路37から計数部38を通過すると、計数センサがメダルを検知するようになるので(S5:YES)、計数値を加算し(S6)、計数タイマをリスタートする(S7)。尚、通常は計数タイマがタイムアップした後にターンテーブル34が回転停止するので、ステップS8の処理は「NO」となり、計数センサが検知したかを判定するようになる。これにより、計数タイマが連続してリスタートするので、ターンテーブル34の回転が継続する。
【0032】
そして、投入された全てのメダルが計数部を通過すると、メダルの計数が終了して計数タイマがタイムアップするので(S10:YES)、ターンテーブル34の回転を停止し(S11)、オートセンサ36がメダルを検知しているかを判定する(S12)。通常はメダルを検知していないので(S12:NO)、計数が終了したとして計数値が有るかを判定する(S20)。計数値が無いなら(S20:NO)、そのまま計数処理を終了する。即ち、誤って計数開始操作してもそのまま終了する。一方、計数値が有れば(S20:YES)、発行操作が有るか(S21:NO)、計数センサがメダルを検知したか(S5:NO)、計数タイマがタイムアップしたか(S10:NO)、ターンテーブル34は回転停止中か(S19:YES)の待機状態となる。
【0033】
以上の様にして、全てのメダルの計数が終了し、遊技者が発行操作を行った場合は(S21:YES)、発行処理を行う(S22)。発行処理では、発行部40から計数値を特定可能なレシートを発行し、発行されたレシートはPOS9にて受付けることで対応する計数値を特定して景品交換が可能となる。
【0034】
一方、計数タイマがタイムアップすることによりターンテーブル34を停止した際に(S11)、オートセンサ36がメダルを検知した場合は(S12:YES)、メダルが残っているとしてリトライ処理を行い(S13)、計数センサがメダルを検知するかを判定する(S14)。
【0035】
ここで、リトライ処理によりメダルが計数されれば上記同様に計数処理を再開するが(S14:YES)、メダルが計数されない場合(S14:NO)、従来はオートセンサ36の検知がなければ、エラー報知せずに復帰終了していた。この場合、例えば計数路37の入口の隙間よりも厚いメダルやゴミ等の異物等がターンテーブル34上に進入していたり、正規のメダルがターンテーブル34内等に挟み込まれたりした状態(メダル詰まり)になると、ターンテーブル34を回転させても計数路37に異物等や正規のメダルを導くことが出来ない場合がある。このため、異物等がターンテーブル34上に滞り、ターンテーブル34の回転により、オートセンサ36が異物等の検知と非検知とを繰返したり、正規のメダルを検知したままとなったりするため、リトライ処理後に計数処理を終了するが、その後、直ぐに異物等を検知すると計数処理を再開し、リトライ処理を再度行うといった処理を繰返し、モータ35が焼付く等の危険性が高かった。
【0036】
このような事情から、リトライ処理にも関わらず計数センサがメダルを検知しないときは(S14:NO)、リトライ処理中におけるオートセンサ36の検知に変化(検知有→検知無等)が有ったかを判定し(S15)、判定結果に応じたエラー処理を実行する。つまり、メダル詰まりの場合はリトライ中にメダル検知に変化が無いのに対して、例えばゴミが進入した場合はリトライ中にメダル検知に変化が有る可能性が極めて高い。そこで、エラー処理としてはオートセンサ異常(ゴミ検知)に対応した第1エラー処理と、メダル詰まりに対応した第2エラー処理とが設定されている。つまり、リトライ処理中にオートセンサ36の検知に変化が有った場合は(S15:YES)、オートセンサ36の異常検知であるとして第1エラー処理を実行し(S16)、無ければ(S15:NO)、メダル詰まりとして第2エラー処理を実行する(S17)。このように異なるエラー処理を区別して実行することで、どのような異常状態であるかを区別可能に報知出来るので、従業員がその後の対応に役立てることが出来る。ここで、何れのエラー処理を実行した場合であっても、図5に示す設定情報の内、オートスタートを「無」に設定する。つまり、オートスタートが「有」に設定されていた場合は「無」に設定されることになる。
【0037】
そして、第1エラー処理又は第2エラー処理によるエラー報知後は、従業員によるエラー解除操作の待機状態となり(S18:NO)、従業員がエラー解除操作したときは(S18:YES)、エラーの報知状態を解除して通常動作に復帰する。エラー解除操作は従業員による従業員操作に限定するため、従業員が携帯するリモコンや従業員カード等による認証可能な解除操作、或いは計数装置8の内部にある解除釦を操作することにより行われる。また、例えば遊技者が把握しない暗証情報を入力することにより従業員操作を特定しても良く、遊技者ではなく遊技場従業員による操作であれば、どのような操作を従業員操作としても良い。
【0038】
しかしながら、エラーが解除された場合であっても、図5の設定に関わらずオートスタート「無」の設定状態は継続される。これは、メダル詰まりは従業員により確実に解消されるので、エラーを解除すればメダルの計数を再開しても問題を生じることはないが、オートセンサ36の異常検知である場合は従業員がゴミ等の異物等を見つけられずに除去できない場合が考えられ、そのような状態で計数を再開した場合には原因を解消できずオートセンサ36の異常検知が継続する虞や、オートセンサ36自体が不良になっている虞があることを考慮したからである。この様なオートスタートの抑制はエラー解除後も継続され、電源切入されるまでは開始操作による計数開始のみが許容され、電源切入により図5の設定情報が初期化されてオートスタート「有」状態へと復帰する。
【0039】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することが出来る。
オートスタート機能を採用した計数装置8は、計数終了時のオートセンサ36の検知に応じたリトライ処理後に計数が無かった場合に、オートセンサ36の検知に関わらずエラー処理においてオートスタート機能を抑制するようにしたので、従来の様に計数センサによる検知が行われないことからリトライ処理を終了し、再度、オートセンサ36により異物等を検知してオートスタートを行うことでリトライ処理を繰返すことによるモータ35の処理負担を軽減し、故障等を好適に防止し得る。
エラー処理によりオートスタート機能を抑制し、エラー処理を従業員操作により解除するようにしたので、従業員操作によりエラーを解除するため抑制処理が行われた場合には従業員により異物等が混入していないかを確認されるようになり、早期に対処可能となる。
【0040】
リトライ処理中にオートセンサ36の検知有無により異なるエラー報知を行うようにしたので、異なるエラー報知により従業員が状態を確認する際に、メダルが計数路37に詰まってエラー報知が行われているのか、異物等が混入する等してオートセンサ36の異常検知によりエラー報知が行われているのかを把握可能となり、その後の処理に係る判断を迅速に行い得るようになる。
オートスタートの抑制中であっても開始操作に応じた計数開始は許容するようにしたので、遊技場経営に大きく支障を出さずに計数装置8の故障の防止を出来るようになる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたりしても良い。
計数開始操作はターンテーブル34の回転開始等の計数開始を指示する操作を示すので、従業員認証等により計数許容操作を行う場合には別途行う計数開始操作が対象となる。即ち、従業員認証後に計数開始釦を押下せず遊技媒体の検知に応じて計数開始する計数装置を対象としても良い。
リトライ処理後に計数しない場合に必ずエラー処理を行うことでオートスタート機能を抑制する構成を例示したが、例えばリトライ処理後に計数しない場合でもエラー処理を行わない設定状態となる計数装置や、リトライ処理後に計数センサの検知がない場合に、オートスタート機能を無とする計数装置等、オートスタート機能を抑制すれば必ずしもエラー処理を行う必要はない。
【0041】
リトライ処理中におけるメダル検知の変化の有無に応じてエラー処理を異ならせるようにしたが、リトライ処理の最後の反転→正転時のメダル検知の変化の有無に応じてエラー処理を異ならせるようにしても良い。
計数装置としてターンテーブル34を回転させることを例示したが、オートセンサ36の検知に応じた駆動により計数部38へと遊技媒体を搬送すれば、例えばベルトコンベア等によりメダルを計数部38へと搬送するような計数装置を対象としても良い。
リトライ処理後に計数処理を再開した場合の計数タイマや計数開始時の計数タイマや、計数中にリスタートする計数タイマを1つの設定値にて兼用することを例示したが、各々、設定値を設けても良いし、いずれか2つを兼用して設定しても良い。即ち、他も含め例示した設定値は同一の設定値を全てに兼用しても、一部に兼用しても、各々設けても、どのように設定しても良い。
【0042】
リトライ処理後に通常の計数処理を再開することを例示したが、ターンテーブル34を通常と同様に回転させず、リトライ処理に係る回転のみを行う等、通常の計数処理を再開しなくとも良い。また、ベルト42を介してモータ35による駆動によりターンテーブル34の搬送処理を行ったが、ターンテーブル自体にモータを設けても良い。即ち、搬送手段と駆動手段とを同一ユニットにて構成しても良い。
リトライ処理時にリトライ回数分だけリトライ処理を行ってから計数センサの検知があったかを判定するようにしたが、リトライ処理中に計数センサの検知があった場合に、リトライ回数分だけリトライ処理を行うことが予定されていれば、リトライ回数分のリトライ処理を行うことなく途中でリトライ処理を打切っても良い。また、リトライ処理をオートセンサ36の検知に応じて行ったが、計数終了時に無条件に行っても良い。
【0043】
記録媒体としてレシートを例示したが、計数値を記録可能なカードやコイン上の記録媒体等、どのような記録媒体を対象としても良い。また、例えば遊技者の所持する携帯端末や生体認証等により計数値を特定可能としても良く、この場合、受付けた識別情報に計数値を対応付ける処理を発行処理として管理装置5や計数装置8等で計数値を管理し、POS9にて識別情報を受付けた場合に対応する計数値を問合わせて特定すれば良い。また、会員カードを利用可能とし、発行処理として所謂貯玉を採用したシステムとしたが、貯玉システムは採用しなくても良い。即ち、発行処理とは計数値と記録媒体又は識別情報の少なくとも一つとを対応付ける処理を示す。
【0044】
図5等の設定情報は、予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、予め管理装置5の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。また、例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。尚、計数値等の初期値としては0が例示出来る。
対象となる遊技機は、オートスタートを採用出来る計数装置にて計数可能な遊技媒体を利用可能であれば、例示したスロットマシンだけでなく、どのような遊技機を採用しても良い。
計数装置8が行う処理の一部を管理装置5等で行っても良いし、管理装置5が行う処理の一部を計数装置8等にて行っても良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。
【符号の説明】
【0045】
図面中、8は計数装置(遊技媒体計数装置)、28はメダル投入口(投入口)、34はターンテーブル(搬送手段)、35はモータ(駆動手段)、36はオートセンサ(検知手段)、39は制御部(オートスタート手段、リトライ手段、抑制手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6