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特開2015-145869照明モジュール及びこれを用いる外観検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-145869(P2015-145869A)
(43)【公開日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】照明モジュール及びこれを用いる外観検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20150717BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20150717BHJP
【FI】
   G01N21/84 E
   G01N21/88 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-250655(P2014-250655)
(22)【出願日】2014年12月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0011995
(32)【優先日】2014年2月3日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・スン・イル
(72)【発明者】
【氏名】イ・ビュン・フン
(72)【発明者】
【氏名】キル・ヨン・ペ
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AA65
2G051AB01
2G051AB02
2G051AB03
2G051AB04
2G051AC21
2G051BA05
2G051BA06
2G051BA20
2G051BB01
2G051BB20
2G051CA03
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA06
2G051EA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検査対象体の検査面全体に均一に光を照射して映像を獲得することができる照明モジュールを提供する。
【解決手段】照明モジュール1は、内部面がドーム(dome)型に形成されるハウジング100と、上記ハウジングの内部に配置され、上記ハウジングの内部面を介して光を反射させて検査対象体に間接的に光を照射する照明部130と、を含み、上記照明部は紫外線領域又は赤外線領域の波長を有する光源を少なくとも一つ備えることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部面がドーム(dome)型に形成されるハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置され、前記ハウジングの内部面を介して光を反射させて検査対象体に間接的に光を照射する照明部と、
を含み、
前記照明部は紫外線領域又は赤外線領域の波長を有する光源を少なくとも一つ備える、照明モジュール。
【請求項2】
前記照明部は、
前記内部面で反射された前記光が前記検査対象体に入射される最大入射角が45°以上となるように前記内部面に向かって光を照射する、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項3】
前記ハウジングは、
前記内部面がドーム型に形成されて前記照明部から照射される光を反射するドーム型反射部と、
前記ドーム型反射部の下端から内側に突出して形成される光源配置部と、
を含む、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項4】
前記ドーム型反射部は、
積分球の形に形成される、請求項3に記載の照明モジュール。
【請求項5】
前記ドーム型反射部は、
最上端に光が透過することができる透過手段が形成される、請求項3に記載の照明モジュール。
【請求項6】
前記ドーム型反射部の外部に配置され、前記透過手段を介して前記検査対象体を撮影するカメラモジュールをさらに含む、請求項5に記載の照明モジュール。
【請求項7】
前記照明部は、
前記透過手段に隣接した位置に光を照射する少なくとも一つの光源を含む、請求項5に記載の照明モジュール。
【請求項8】
前記ドーム型反射部は、
前記内部面が滑らかな表面で形成されるか又は前記内部面に微細凹凸が形成される、請求項3に記載の照明モジュール。
【請求項9】
前記光源配置部は、
前記照明部が配置される一面が傾斜面で形成される、請求項3に記載の照明モジュール。
【請求項10】
前記光源配置部は、
水平面と前記傾斜面の間の角度が0°〜45°である、請求項9に記載の照明モジュール。
【請求項11】
前記照明部は、
少なくとも一つのパワーLED(Power LED)を光源として用いる、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項12】
前記ドーム型反射部は、
半径が20mm〜200mmである、請求項11に記載の照明モジュール。
【請求項13】
前記パワーLEDは、
350〜370mWの電力を有する、請求項12に記載の照明モジュール。
【請求項14】
内部面がドーム(dome)型に形成されるハウジング、及び前記ハウジングの内部に配置され、前記ハウジングの内部面を介して光を反射させて検査対象体に間接的に光を照射する照明部を含む照明モジュールと、
前記検査対象体の上部に配置されて前記検査対象体の外観を撮影するカメラモジュールと、
を含み、
前記照明モジュールは紫外線領域又は紫外線領域に隣接した可視光線領域の波長で光を照射する、外観検査システム。
【請求項15】
前記照明部は、
前記検査対象体に入射される光の最大入射角が45°以上となるように前記ハウジングの内部面に向かって光を照射する、請求項14に記載の外観検査システム。
【請求項16】
前記照明モジュールと前記カメラモジュールに連結されて前記照明モジュールと前記カメラモジュールの機能を制御する制御部をさらに含む、請求項14に記載の外観検査システム。
【請求項17】
請求項1から13に記載の少なくともいずれか一つの照明モジュールと、
前記照明モジュールによって光が照射された検査対象体の外観を撮影するカメラモジュールと、
前記照明モジュールと前記カメラモジュールに連結されて前記照明モジュールと前記カメラモジュールの機能を制御する制御部と、
を含む、外観検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明モジュール及びこれを用いる外観検査システムに関し、より詳細には、検査対象体の検査面全体に均一に光を照射して映像を獲得することができる照明モジュール及びこれを用いる外観検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体チップやチップ部品のような電子部品はチップマウンタを用いて印刷回路基板に実装され、電子部品が実装される基板は電気的特性をテストして良品と不良品に区分されて不良品は廃棄され良品の基板のみが用いられる。
【0003】
電子素子の良品又は不良品の判定には、通常、電子部品の外観に対する映像を獲得して検査する方式が主に用いられている。
【0004】
しかしながら、従来の検査システムに採択された照明モジュールは、電子部品の特定領域に対する指向性を有するため、電子部品の表面全体に均一に光を照射することができないという短所がある。
【0005】
よって、良品を不良品と判定する過検出や不良品を良品と判定する未検出の発生が増加している。
【0006】
このような未検出、過検出の増加は基板の生産性低下及び原価上昇の要因となるため、検査システムに効果的な照明モジュールの導入が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特開2004‐0089799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、検査対象体である電子部品の表面に光を均一に照射することができる照明モジュール及びこれを用いる外観検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による照明モジュールは、内部面がドーム(dome)型に形成されるハウジングと、上記ハウジングの内部に配置され、上記ハウジングの内部面を介して光を反射させて検査対象体に間接的に光を照射する照明部と、を含み、上記照明部は紫外線領域又は赤外線領域の波長を有する光源を少なくとも一つ備えることができる。
【0010】
本実施例において、上記照明部は、上記内部面で反射された上記光が上記検査対象体に入射される最大入射角が45°以上となるように上記内部面に向かって光を照射することができる。
【0011】
本実施例において、上記ハウジングは、内部面がドーム型に形成されて上記照明部から照射される光を反射するドーム型反射部と、上記ドーム型反射部の下端から内側に突出して形成される光源配置部と、を含むことができる。
【0012】
本実施例において、上記ドーム型反射部は、積分球の形に形成されることができる。
【0013】
本実施例において、上記ドーム型反射部は、最上端に光が透過することができる透過手段が形成されることができる。
【0014】
本実施例において、上記ドーム型反射部の外部に配置され、上記透過手段を介して上記検査対象体を撮影するカメラモジュールをさらに含むことができる。
【0015】
本実施例において、上記照明部は、上記透過手段に隣接した位置に光を照射する少なくとも一つの光源を含むことができる。
【0016】
本実施例において、上記ドーム型反射部は、上記内部面が滑らかな表面で形成されるか又は上記内部面に微細凹凸が形成されることができる。
【0017】
本実施例において、上記光源配置部は、上記照明部が配置される一面が傾斜面で形成されることができる。
【0018】
本実施例において、上記光源配置部は、水平面と上記傾斜面の間の角度が0°〜45°であればよい。
【0019】
本実施例において、上記照明部は、少なくとも一つのパワーLED(Power LED)を光源として用いることができる。
【0020】
本実施例において、上記ドーム型反射部は、半径が20mm〜200mmであればよい。
【0021】
本実施例において、上記パワーLEDは、350〜370mWの電力を有することができる。
【0022】
また、本発明による外観検査システムは、内部面がドーム(dome)型に形成されるハウジングと、上記ハウジングの内部に配置され、上記ハウジングの内部面を介して光を反射させて検査対象体に間接的に光を照射する照明部と、上記検査対象体の上部に配置されて上記検査対象体の外観を撮影するカメラモジュールと、を含み、上記照明部は紫外線領域又は紫外線領域に隣接した可視光線領域の波長で光を照射することができる。
【0023】
本実施例において、上記照明部は、上記検査対象体に入射される光の最大入射角が45°以上となるように上記ハウジングの内部面に向かって光を照射することができる。
【0024】
本実施例において、上記照明モジュールと上記カメラモジュールに連結されて上記照明モジュールと上記カメラモジュールの機能を制御する制御部をさらに含むことができる。
【0025】
また、本発明の実施例による外観検査システムは、上記のいずれか一つの照明モジュールと、上記照明モジュールによって光が照射された検査対象体の外観を撮影するカメラモジュールと、上記照明モジュールと上記カメラモジュールに連結されて上記照明モジュールと上記カメラモジュールの機能を制御する制御部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、照明部を用いて検査対象体に間接的に光を照射し、カメラモジュールを用いて検査対象体を撮影する。よって、検査対象体の表面状態による類似欠陥を光学的に減少させて未検出及び過検出を防止する正確な映像を獲得することができる。
【0027】
また、本発明による照明モジュールは、紫外線領域や赤外線領域の光源を用いる。したがって、外郭境界部の形状不良又は電極の内部の電極脱落不良等に対する検出力を大きく向上させることができる。
【0028】
また、パワーLEDを用いることにより豊富な光量を確保することができるため、高速検査を実現することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例による検査システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施例による照明モジュールを概略的に示す断面図である。
図3】本発明の実施例による照明モジュールを概略的に示す断面図である。
図4】本発明の実施例による照明モジュールを概略的に示す断面図である。
図5】従来の照明モジュールを用いて撮影した映像と本実施例による照明モジュールを用いて撮影した映像を共に示した比較表である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0031】
本発明の実施例による照明モジュールは、電子部品の外観を検査する装置であればよい。また、本実施例による電子部品は、例えば、MLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)チップ、チップレジスタ(chip resistor)、バリスタ(varistor)、チップインダクタ(chip inductor)、チップアレイ(chip array)等のようなマイクロ単位の超小型半導体チップであればよい。また、本発明の検査装置の検査対象は、上述した半導体チップの破損(割れ)、クラック(crack)、電極の露出、外部電極の広がり、外部電極の破損、電極なし、電極過多、電極の短さ、電極の剥がれ、誤切断、サイズ不良、破裂不良、削り不良、ピンホール、異物、外部電極の気泡発生、電極の剥離、外部電極の変色、厚さ不良又はメッキ変色等が発生したものである。
【0032】
図1は、本発明の実施例による検査システムの構成を示す図である。図1を参照すると、本実施例による検査システムは、照明モジュール1、カメラモジュール2、移送プレート4、及び制御部3を含むことができる。
【0033】
照明モジュール1は、検査対象体Pである電子部品の外観撮影のために電子部品に光を照射することができる。また、カメラモジュール2は、照明モジュール1によって光が照射された検査対象体Pを撮影する。照明モジュール1とカメラモジュール2については後述する。
【0034】
移送プレート4は、円形の形状を有する板であり、モータのような駆動手段によって回転することができる。しかしながら、これに限定されず、コンベヤー等、検査対象体Pを検査位置に移送できるものであればいずれのものでも多様な形で用いられることができる。また、移送プレート4は、検査対象体Pの底面撮影が可能となるようにガラスのような透明な材質で製造されることができる。
【0035】
制御部3は、コンピューター等からなり、照明モジュール1とカメラモジュール2と連結されてこれらの動作と機能を制御することができる。
【0036】
このように構成される検査システムの動作を簡略に説明すると、下記の通りである。
【0037】
まず、移送プレート4によって検査対象体Pが照明モジュール1の下部に配置される。次に、照明モジュール1によって検査対象体Pの表面に均一に光が照射されたら、カメラモジュール2で検査対象体Pの外観を撮影して制御部3に伝送する。
【0038】
よって、制御部3は、撮影された映像を判読して良品/不良品の判定を行う。
【0039】
以下では、本発明の実施例による照明モジュール1を説明する。
【0040】
図2図4は本発明の実施例による照明モジュールを概略的に示す断面図であり、図3図2の光源の入射角をさらに示す断面図であり、図4図2の各構成の配置を説明するための断面図である。
【0041】
図2図4を共に参照すると、本実施例による照明モジュール1は、ハウジング100及び照明部130を含む。
【0042】
また、ハウジング100は、ドーム型反射部110と光源配置部120を含むことができる。
【0043】
ドーム型反射部110は、ドーム(dome)の形に形成され、中央に光が透過することができる透過手段112を備える。透過手段112は、光が透過することができる媒質又は光が貫通するホール(hole)であればよい。
【0044】
ドーム型反射部110の内部面は、入射された光が反射することができる特性を有する。ドーム型反射部110は、光が均一に入射及び反射されるように半球(half sphere)の形に形成され、具体的には、積分球(integrating sphere)の形に形成されることができる。しかしながら、これに制限されず、例えば、部分的に曲率の異なる楕円形に形成されることもできる。
【0045】
また、本実施例による照明モジュール1は、検査対象体Pである電子部品の表面に光を均一に照射するためにドーム型反射部110を用いた間接照明方式を用いる。これについて簡略に説明すると、下記の通りである。
【0046】
通常、検査対象体Pの表面には、良/不良の判定とは無関係な摩擦の痕跡や微細屈曲が形成される。このような部分は、外観検査時にノイズとして作用して検査の精度を低下させる要因となる。
【0047】
微細屈曲面や摩擦の痕跡に関係なく表面全体に均一な明るさを得るためには、屈曲面を微分し、微分された各表面の傾斜角度に対応する光源が備えられなければならない。
【0048】
このために、本実施例では、検査対象体Pに光を直接照射する方式ではなく、ドーム型反射部110という反射体を用いて光を反射及び拡散させる間接照射方式を用いる。
【0049】
したがって、ドーム型反射部110の内部面は、光が容易に反射されることができる材質で形成されることができる。また、反射面は、滑らかな表面で形成されることができる。また、反射光が多様な角度で反射されることができるように、必要に応じて、反射面に微細な凹凸を形成することもできる。
【0050】
また、本実施例によるドーム型反射部110は、半径(図4のr)が100mm以上の半球の形に形成されることができる。これは、検査対象体Pのサイズが0.1mm〜60mmの場合に対応して最適の効率を出すことができるサイズを導出したものである。
【0051】
一方、ドーム型反射部110の半径rが200mm以上の場合は、光源131と反射面の間の距離が遠くなって光効率が低下する可能性がある。したがって、本実施例によるドーム型反射部110は、半径rが20mm〜200mmの範囲の半球形に形成されるのがよい。
【0052】
光源配置部120には、後述する照明部130の光源131が配置される。光源配置部120は、半球形のドーム型反射部110の下端から半球の中心側(又は検査対象体側)に突出する形で形成されることができる。
【0053】
また、光源配置部120は、光源131が配置される一面、即ち、上部面が傾斜面で形成されることができる。これは、本実施例による照明モジュール1の光効率を高くするための構成である。これについて簡略に説明すると、下記の通りである。
【0054】
検査対象体Pに光が入射されるとき、入射角θが小さいほど、即ち、垂直(又は検査対象体の法線方向)に近く光が入射されるほど、光効率が高くなる。
【0055】
光源131から垂直上方に光が照射される場合、照射された光はドーム型反射部110の最高点から非常に遠く離隔した位置に照射されるため、入射角θが大きくなる。これに対し、光源131からドーム型反射部110の最高点に隣接した位置に光が照射される場合、入射角θは小さくなる。
【0056】
したがって、本実施例による光源配置部120は、光源131から照射された光が半球の最高点にできる限り隣接した位置(即ち、透過手段に隣接した位置)に照射されるように傾斜面で形成される。したがって、光源配置部120の上部面は、検査対象体P側に向かって高さ(又は厚さ)が低くなる傾斜面で形成されることができる。
【0057】
ここで、光源配置部120の傾斜面と水平面の間の角度θは0°〜45°の範囲であればよい。上記の角度θが45°以上の場合は、照射される光が反射板の中心部を外れて光の移動距離が遠くなるため、却って光効率増大効果が低下する可能性がある。
【0058】
このように傾斜面に沿って多数の光源131が配置される場合、光源131から照射された光はドーム型反射部110の透過手段に隣接した位置で反射された後に垂直に近い角度で検査対象体Pに照射されることができるため、光効率を最大限に高くすることができる。
【0059】
一方、本実施例による光源配置部120は、光源131が光源配置部120の傾斜面から法線方向に光を照射する場合に対応して導出された構成である。したがって、光の照射方向が法線方向ではない場合、光源配置部120の形状や上記の角度は変わってもよい。
【0060】
照明部130は、光源配置部120上に配置され、ドーム型反射部110に向かって光を照射する。照明部130から照射された光は、ドーム型反射部110の内部面で反射されて検査対象体Pに照射される。即ち、照明部130から照射された光は、ドーム型反射部110を介して間接的に検査対象体Pに照射される。
【0061】
照明部130は、複数の光源131を含むことができる。また、それぞれの光源131は、同じ方向に向かうように配置されることができるが、これに限定されず、必要に応じて、相違する方向に向かうように配置されることもできる。
【0062】
照明部130が複数の光源131からなることにより、ドーム型反射部110の内部面では複数の光源131から入射される光が乱反射する。したがって、検査対象体Pに多様な角度で光が照射されることができる。
【0063】
このような本実施例による照明部130は、光源131として発光ダイオード(Light Emitting Diode)であるLEDが用いられることができる。
【0064】
光源131としてLEDが用いられる場合、検査対象体Pである電子部品の多様な欠陥を全て検出することができるように多様な色相のLEDが用いられることができる。
【0065】
例えば、青色LED、緑色LED、白色LEDが群をなすように配置されることができる。この場合、青色LEDは、銀色の電極部のクラックやチッピングのような欠陥の検出時に主に用いられ、緑色LEDは、電子部品の本体部と電極部を区分するか又は電子部品の輪郭線を正確に得るために主に用いられることができる。
【0066】
また、白色LEDは、本体部のクラックのような欠陥の検出時に主に用いられることができる。上記の例はMLCCを例に挙げて説明したもので、本発明はこれに限定されず、電子部品の対象に応じて多様に変わってもよい。
【0067】
即ち、電子部品の形状と欠陥類型によって一つの色相のLEDのみで光源131を構成してもよく、二つ以上の色相のLEDが同時に発光するように構成してもよい。
【0068】
また、光源131であるLEDの発光の有無及び光量は、検査しようとする電子部品の形状、構造、色相等によって検査前に多様に設定されることができる。
【0069】
また、本実施例による照明部130は、輝度と出力の高いパワーLEDを少なくとも一つ含むことができる。
【0070】
間接照明方式を用いる場合、直接照明方式に比べて光効率がよくないため、光量が足りないという問題が発生する。特に、反射体を用いることにより、反射体自体に光が吸収されたり検査対象体P以外の他の部分にも光が放射されたりするため、高速検査方式に適用するのが容易ではない。
【0071】
このような問題を解消するために、本実施例による照明部130は、一般の高輝度LEDに比べて輝度が高くて光量に優れたパワーLED(Power LED)を光源131として用いることができる。
【0072】
より具体的には、従来に用いられる一般の高輝度LEDは、2.2〜2.7mWの電力を有する。しかしながら、本実施例に用いられるパワーLEDは、350〜370mWの電力を有することができる。したがって、従来の高輝度LEDに比べてより大きな光量を確保することができる。
【0073】
一方、本実施例による照明部130は、全ての光源131をパワーLEDで形成することができる。しかしながら、これに限定されず、必要に応じて、光源131の一部のみを選択的にパワーLEDで形成してもよい。
【0074】
また、本実施例による照明部130は、反射面で反射された光が検査対象体Pに照射されるとき、反射された光の最大入射角θが45°以上であればよい。ここで、入射角θは、検査対象体Pに立てた法線と反射された光の進行方向がなす角度を意味する。
【0075】
最大入射角θが45°以下の場合は、検査対象体Pに照射される光が殆ど検査対象体Pの上部面に集中されて検査対象体Pの表面全体に光が照射されない可能性がある。
【0076】
したがって、本実施例では、光の最大入射角θを45°以上とすることで、より多様な方向に検査対象体Pに光を照射する。よって、撮影された映像における表面屈曲等によるノイズを効果的に除去することができる。
【0077】
一方、最大入射角θを90°以上とすることもできるが、本実施例のように光源131が光源配置部120の傾斜面に沿って配置される場合は、機構的な配置による構造的な限界があるため、最大入射角θを90°以下とするのがよい。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されない。
【0078】
また、本実施例による照明部130は、紫外線や赤外線を照射する光源131を含むことができる。
【0079】
より具体的には、照明部130の光源131は、可視光線領域の光を照射することができ、紫外線領域や赤外線領域の光を照射することもできる。
【0080】
特に、本実施例による照明部130は、紫外線領域の波長や紫外線領域に隣接した可視光線領域の波長を照射する光源131からなることができる。
【0081】
紫外線領域や赤外線領域の波長帯は、可視光線領域に比べて検査対象体Pの表面での屈折率及び透過率がよい。したがって、可視光線領域に比べて検査対象体Pの表面の不良検出が容易である。
【0082】
カメラモジュール2は、ドーム型反射部110の外部に設置され、ドーム型反射部110の透過手段112を介して検査対象体Pを撮像する。したがって、カメラモジュール2は、検査対象体Pを撮像することができるように検査対象体Pと対向する方向に設置され、具体的には、検査対象体Pの法線方向に配置されることができる。
【0083】
また、本実施例ではカメラモジュール2をドーム型反射部110の外部に設置する場合を例に挙げているが、必要に応じて、ドーム型反射部110の内部に設置する等、多様な応用が可能である。
【0084】
以上のように構成される本実施例による照明モジュール1は、照明部130から照射された光がドーム型反射部110の内部面に入射する。その後、ドーム型反射部110の内部面に入射した光は、ドーム型反射部110の内部面の曲率に対応して反射される。次に、反射された光は、多様な方向に放射されて検査対象体Pに照射されるか、又はドーム型反射部110の内部面に再入射されて反射された後に検査対象体Pに照射される。
【0085】
即ち、本実施例による照明モジュール1は、照明部130を用いて検査対象体Pに間接的に光を照射し、カメラモジュール2を用いて検査対象体Pを撮影する。よって、検査対象体Pの表面状態による類似欠陥を光学的に減少させて未検出及び過検出を防止する正確な映像を獲得することができる。
【0086】
また、本実施例による照明部130は、複数の光源131からなる。したがって、検査対象体Pが配置された一ヶ所に多様な角度で照明が入射されるため、検査対象体Pの表面全体の光度をより増加させることができる。
【0087】
さらに、本実施例による照明モジュール1は、紫外線領域や赤外線領域の光源131を用いる。したがって、外郭境界部の形状不良又は電極の内部の電極脱落不良等の検出力を大きく向上させることができる。
【0088】
図5は、従来の照明モジュールを用いて撮影した映像と本実施例による改善された照明モジュールを用いて撮影した映像を共に示した比較表である。
【0089】
ここで、従来の照明モジュール(既存照明)を用いた映像は、可視光線帯域の波長を有する高輝度LEDを光源として用いて直接照明方式により撮影したものである。本実施例による照明モジュール(改善照明)を用いた映像は、前述したように紫外線帯域の波長を有するパワーLEDを光源として用いて間接照明方式により撮影したものである。
【0090】
図5を参照すると、従来の照明モジュールによる映像は、電極部分に形成された微細屈曲によって電極に欠陥があるように明暗が撮影される。したがって、目視では不良品か良品かを明確に識別するのが困難である。
【0091】
これに対し、本実施例による照明モジュールによる映像は、間接照明によって電極の表面の類似欠陥が光学的に減少する。したがって、微細屈曲による明暗の変化が発生せず、実質的に欠陥が発生した部分のみに明暗の差が明確に発生する。したがって、従来に比べて不良品/良品の区分をより容易に行うことができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0093】
1 照明モジュール
2 カメラモジュール
3 制御部
100 ハウジング
110 ドーム型反射部
120 光源配置部
130 照明部
図1
図2
図3
図4
図5