(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-146517(P2015-146517A)
(43)【公開日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20150717BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20150717BHJP
【FI】
H04N1/00 104Z
H04N1/00 107Z
G06F3/12 K
G06F3/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-18628(P2014-18628)
(22)【出願日】2014年2月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】縣 俊成
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA16
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB38
5C062AC43
5C062AC58
5C062AE01
5C062AE11
5C062AF00
(57)【要約】
【課題】利用者に対して、画像処理装置の処理結果を報知しやすくして、利便性を向上させる中継装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置2から受信した画像処理装置3に対する指示に基づき、画像処理装置3に画像データと指示を送信する指示中継部10と、指示の処理結果を画像処理装置3から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成し、音声データを情報処理装置2に送信する音声データ処理部11と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置および画像処理装置と通信可能な装置であって、
前記情報処理装置から受信した前記画像処理装置に対する指示に基づき、前記画像処理装置に画像データと前記指示を送信する指示中継部と、
前記指示の処理結果を前記画像処理装置から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成し、当該音声データを前記情報処理装置に送信する音声データ処理部と、
を備える中継装置。
【請求項2】
前記画像処理装置に送信される前記画像データは、前記情報処理装置から受信するデータである請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記画像処理装置に関するエラー情報を取得して、当該エラー情報を表す音声データを生成し、当該音声データを予め登録された情報処理装置へ送信するエラー音声処理部を備える請求項1又は2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記画像処理装置から前記処理結果を受信した場合に、当該処理結果を表す音声データを取得するために必要となる情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置から前記情報に対応する要求がある場合に、前記音声データを前記情報処理装置へ送信する請求項1〜3のいずれかに記載の中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン等の情報処理装置および複合機等の画像処理装置と通信可能な中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の一種として、例えば複合機には、ファクシミリを送信する指示をパソコン等の情報処理装置から受けるFAX送信機能を有することが知られている。FAX送信指示を画像処理装置へ指示した後、その送信結果を、労力を伴わずに知りたいというニーズがある。
【0003】
上記ニーズに対応するための一つの手段として、例えば特許文献1,2には、ファクシミリの送信結果を、予め登録されたアドレスへ電子メールで通知することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−339922号公報
【特許文献2】特開平6−30040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記システムでは、利用者は電子メールを確認しなければ、ファクシミリの送信結果を知ることができず、利便性に優れているとは言えない。
【0006】
オフィスのネットワークには、多数の情報処理装置(パソコン等)と多数の画像処理装置(複合機等)が接続されるのが一般的ており、画像処理装置へFAX送信指示される画像データ(ドキュメント)を一元管理するための中継装置を設置することが注目されている。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、利用者に対して、画像処理装置の処理結果を報知しやすくして、利便性を向上させる中継装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じている。
【0009】
すなわち、本発明の中継装置は、情報処理装置および画像処理装置と通信可能な装置であって、前記情報処理装置から受信した前記画像処理装置に対する指示に基づき、前記画像処理装置に画像データと前記指示を送信する指示中継部と、前記指示の処理結果を前記画像処理装置から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成し、当該音声データを前記情報処理装置に送信する音声データ処理部と、を備える。
【0010】
この構成によれば、画像処理装置に対する指示が情報処理装置から中継装置へ送信されることをトリガーとして、当該指示が画像データと共に中継装置から画像処理装置へ送信される。中継装置は、指示の処理結果を画像処理装置から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成する。この音声データは情報処理装置に送信される。その結果、利用者は、画像処理装置での処理結果を情報処理装置から発声される音声により知ることが可能となる。したがって、利用者が情報処理装置の画面を見なくともその近くに居るだけで、画像処理装置の処理結果を知ることができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0011】
本発明の好適な適用例として、前記画像処理装置に送信される前記画像データは、前記情報処理装置から受信するデータであることが挙げられる。
【0012】
エラー情報をいち早く知ることができ、利便性を向上させるためには、前記画像処理装置に関するエラー情報を取得して、当該エラー情報を表す音声データを生成し、当該音声データを予め登録された情報処理装置へ送信するエラー音声処理部を備えることが好ましい。
【0013】
各機器の処理量及び通信量を低減するためには、前記画像処理装置から前記処理結果を受信した場合に、当該処理結果を表す音声データを取得するために必要となる情報を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置から前記情報に対応する要求がある場合に、前記音声データを前記情報処理装置へ送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上説明した構成であるので、画像処理装置での処理結果を情報処理装置から発声される音声により知ることが可能となる。利用者が情報処理装置の画面を見なくともその近くに居るだけで、画像処理装置の処理結果を知ることができ、利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る中継装置およびその動作を示すブロック図。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る中継装置およびその動作を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る中継装置を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1に概略的に示すように、中継装置1は、複合機やプリンタ等の画像処理装置3と、パソコン等の情報処理装置2と共にネットワーク(NW)に接続されており、画像処理装置3と情報処理装置の間の通信を中継する装置である。中継装置1は、画像処理装置3及び情報処理装置2と通信可能である。中継装置1は、「村田機械株式会社製、製品名:OM−BOX」などのデータ管理装置であり、IP(Internet Protocol)を用いた有線LAN(Local Area Network)又は無線LANに接続されている。
【0018】
同図に示すように、情報処理装置2から画像処理装置3に対して、画像データを送信する指示を行う場合、当該指示は画像データと共に中継装置1へ送信される(図中にて円で囲む1参照)。
【0019】
中継装置1は、指示中継部10と、音声データ処理部11と、エラー音声処理部12と、を有する。これら各部10〜12は、図示しないCPU、メモリ、ネットワークインターフェイスを含むコンピュータで構成される情報処理装置において、メモリに記憶される所定のプログラムがCPUで実行されることにより、ソフトウェアとハードウェアが協働して実現される。
【0020】
指示中継部10は、情報処理装置2から画像処理装置3に対して行われる指示を中継する。具体的には、情報処理装置2から画像処理装置3に対する指示を受信し、受信した指示に基づき、画像処理装置3に画像データと指示を送信する(図中にて円で囲む1、2参照)。本実施形態では、画像処理装置3に送信される画像データは、情報処理装置2から受信したデータであるが、中継装置1の記憶部(図示せず)に予め記憶されているデータであってもよい。
【0021】
指示中継部10によって画像処理装置3に指示が送られると、画像処理装置3において指示に沿った処理(FAX送信処理等)が実行される。画像処理装置3は、指示の処理結果を中継装置1に送信する(図中にて円で囲む3参照)。
【0022】
音声データ処理部11は、処理結果を画像処理装置3から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成し、当該音声データを情報処理装置2に送信する。本実施形態では、画像処理装置3から処理結果を受信した場合に、当該処理結果を表す音声データを取得するために必要となる情報(例えばURL、パスワードやハッシュ等の識別コード)を生成し、当該情報を情報処理装置2へ送信する(図中にて円で囲む4参照)。情報に対応する要求が情報処理装置2からある場合に(図中にて円で囲む5参照)、音声データを情報処理装置2へ送信する(図中にて円で囲む6参照)。
【0023】
具体的には、音声データ処理部11は、送信先を表す音声データを生成すると共に、送信結果を表す音声データを生成し、両音声データを合成する。送信先は、宛先表に登録されている会社名、個人名、FAX番号などが挙げられる。送信結果は、完了、異常などが挙げられる。生成された音声データは、RSS(Rich Site Summary)のenclosureタブにリンク(URL)として記載される。RSSを含むデータが、上記音声データを取得するために必要となる情報として、中継装置1から情報処理装置2へ送信される。リンクは、中継装置1のURLを含むため、リンクにアクセスすれば、中継装置1へアクセスすることになる。情報処理装置2が上記リンク(URL)にアクセスすることによって、中継装置1は情報処理装置2から要求があると判断でき、音声データを情報処理装置2へ送信する。
【0024】
なお、本実施形態では、中継装置1が音声データを生成するタイミングは、画像処理装置3から処理結果を受信した場合であるが、情報処理装置2から要求がある場合に音声データを生成するようにしてもよい。
【0025】
エラー音声処理部12は、画像処理装置3に関するエラー情報を取得して、エラー情報を表す音声データを生成し、音声データを予め登録された情報処理装置2へ送信する。エラー情報としては、例えば、トナー切れ、カバーオープン、用紙ジャムなどが挙げられる。本実施形態では、中継装置1が能動的に画像処理装置3へ問い合わせて、エラー情報を取得するようにしているが、画像処理装置3が能動的に中継装置1へエラー情報を送信するようにしてもよい。また、エラー情報の報知が不要な実施形態の場合には、エラー音声処理部12は適宜省略可能である。
【0026】
次に、
図2を用いて、中継装置1、特に音声データ処理部11の具体的な処理について説明する。ステップST1において、画像処理装置3からFAX送信結果を受信する。次のステップST2において、中継装置1の設定データを参照し、中継装置1にて音声データを生成する設定になっているかを判定する。ステップST2において音声データを生成する設定である場合(ST2:YES)には、次のステップST3においてFAX番号が宛先表に登録されているか否かを判定する。ステップST3においてFAX番号が宛先表に登録されている場合(ST3:YES)には、次のステップST4において宛先表にふりがなが登録されているか否かを判定する。ステップST4において宛先表にふりがなが登録されている場合(ST4:YES)には、次のステップST5においてふりがなから音声データを生成する。次にステップST6において送信結果の音声データを生成する。
【0027】
一方、ステップST3においてFAX番号が宛先に登録されていない場合(ST3:NO)には、ステップST7においてFAX番号から音声データを生成し、ステップST6の処理に移行する。
【0028】
一方、ステップST4において宛先にふりがなが登録されていない場合(ST4:NO)には、ステップST8において辞書データを使用して音声データを生成し、ステップST6の処理に移行する。辞書データは、宛先名を音声で発音可能にするために用いている。
【0029】
ステップST6の次のステップST9において、送信先の音声データ(ステップST5,7,8にて生成)と、ステップST6で生成した送信結果の音声データとを合成する。次のステップ10において、RSSのenclosureタブに音声データのリンクを記載する。音声データのリンクは、中継装置1内の記憶部にあるファイルパスなどが挙げられる。次のステップST11において、RSSを含むデータを情報処理装置2へ送信する。このように、音声データを生成する際に、ふりがな、宛先名、FAX番号の優先順位で音声データを生成することによって、生成される音声が利用者にとって理解しやすくなる。
【0030】
ステップST2において、中継装置1にて音声データを生成する設定でない場合(ST2:NO)には、ステップST12〜17の処理を実行する。これらの処理は、送信先および処理結果を表すテキストデータを生成する処理で、生成したテキストをRSSのdescriptionタブに記載する。送信先は、ふりがな、宛先名、FAX番号の優先順位でテキストを生成する。これにより、生成されるテキストが利用者にとって理解しやすくなる。
【0031】
以上のように、本実施形態の中継装置1は、情報処理装置2および画像処理装置3と通信可能な装置であって、情報処理装置2から受信した画像処理装置3に対する指示に基づき、画像処理装置3に画像データと指示を送信する指示中継部10と、指示の処理結果を画像処理装置3から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成し、音声データを情報処理装置2に送信する音声データ処理部11と、を備える。
【0032】
この構成によれば、画像処理装置3に対する指示が情報処理装置2から中継装置1へ送信されることをトリガーとして、指示が画像データと共に中継装置1から画像処理装置3へ送信される。中継装置1は、指示の処理結果を画像処理装置3から受信し、受信した処理結果を表す音声データを生成する。この音声データは情報処理装置2に送信される。その結果、利用者は、画像処理装置3での処理結果を情報処理装置2から発声される音声により知ることが可能となる。したがって、利用者が情報処理装置2の画面を見なくともその近くに居るだけで、画像処理装置3の処理結果を知ることができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0033】
本実施形態では、画像処理装置3に送信される画像データは、情報処理装置2から受信するデータであるので、本発明の好適な適用例である。
【0034】
本実施形態では、画像処理装置3に関するエラー情報を取得して、エラー情報を表す音声データを生成し、音声データを予め登録された情報処理装置2へ送信するエラー音声処理部12を備える。
【0035】
この構成によれば、画像処理装置3に関するエラー情報を表す音声データが、予め登録された情報処理装置2へ送信される。その結果、利用者は、画像処理装置3に関するエラー情報を情報処理装置2から発声される音声により知ることが可能となる。したがって、画像処理装置3のエラー情報をいち早く知ることができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0036】
本実施形態では、画像処理装置3から処理結果を受信した場合に、処理結果を表す音声データを取得するために必要となる情報(リンク)を情報処理装置2へ送信し、情報処理装置2から情報(リンク)に対応する要求がある場合に、音声データを情報処理装置2へ送信する。
【0037】
この構成によれば、情報処理装置2からの要求がある場合に、音声データが情報処理装置2へ送信されるので、音声データを必要としない場合に音声データが情報処理装置2へ送信されることを避けて、各機器の処理量及び通信量を低減することが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0039】
例えば、本実施形態では、中継装置1が画像処理装置3から処理結果を受信し、音声データを取得するために必要な情報(RSS;リンク)を情報処理装置2へ送信しているが、これに限定されない。例えば、
図3に示すように、中継装置1が画像処理装置3から処理結果を受信した場合に、音声データを生成し、生成した音声データを情報処理装置2へ直接送信してもよい。
【0040】
各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…中継装置
2…情報処理装置
3…画像処理装置
10…指示中継部
11…音声データ処理部
12…エラー音声処理部