【解決手段】本発明のステアリング装置は、操舵部における操舵により回転する入力軸と、入力軸の少なくとも一部を収容する第2ハウジング12と、第2ハウジング12に形成され第2ハウジング12の内側と外側とを連通させる通気孔と、通気孔を介した通気を確保しながら通気孔を覆う覆い部材63と、覆い部材63の外周に沿って設けられる保護壁69とを備える。そして、この保護壁69は、保護壁69における鉛直方向下方側に第1切り欠き691を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<電動パワーステアリング装置1>
図1は、本実施形態が適用される電動パワーステアリング装置1の概略上面図である。
図2は、本実施形態が適用される電動パワーステアリング装置1の伝達機構部26を説明する構成図であり、
図1に示すII−II断面である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態が適用される電動パワーステアリング装置1は、いわゆるダブルピニオン型のパワーステアリング装置である。電動パワーステアリング装置1は、操舵部(ステアリングホイール、不図示)からの操舵力をラック軸24に伝達する伝達機構部26と、駆動部30からの操舵補助力をラック軸24に伝達してラック軸24の移動をアシストするアシスト部27とを有する。
【0011】
例えば車体フレーム(不図示)等に固定されるギヤハウジング10は、
図1に示すように、伝達機構部26を構成するハンドル側ギヤハウジング10Aと、アシスト部27を構成するアシスト側ギヤハウジング10Bとを有する。ハンドル側ギヤハウジング10Aとアシスト側ギヤハウジング10Bとは、ラック軸24の周りで連結されてギヤハウジング10を構成する。
【0012】
ハンドル側ギヤハウジング10Aは、回転軸の一例である入力軸21と、出力軸であるハンドル側ピニオン軸23(
図2参照)とを回転可能に支持している。一方、アシスト側ギヤハウジング10Bは、アシスト側ピニオン軸(不図示)を回転可能に支持している。
ラック軸24の両端部には左右のタイロッド48A,48Bが連結されている。このタイロッド48A,48Bはナックルアーム(不図示)を介して被操舵部である例えばタイヤ(不図示)に連結されている。
【0013】
<伝達機構部26>
図2に示すように、伝達機構部26のハンドル側ギヤハウジング10Aは、第1ハウジング11および第2ハウジング12に分割され、これらが組み付けられてハウジングを形成している。これら第1ハウジング11および第2ハウジング12は、それぞれ固定ボルト13(
図1参照)によって固定されている。
【0014】
図2に示すように、伝達機構部26は、アッパーシャフト(不図示)を介して、ステアリングホイール(不図示)に連結される入力軸21を有している。また、この入力軸21にトーションバー22を介して連結されるハンドル側ピニオン軸(出力軸)23を、入力軸21と同軸上に有している。
また、ハンドル側ピニオン軸23はピニオン23Aを有しており、このピニオン23Aをラック軸24のハンドル側ラック24Aに噛み合わせている。これにより、ラック軸24は、ステアリングホイールに加えた操舵トルクに従って直線運動が可能となり、
図1に示すギヤハウジング10の左右方向に移動する。
入力軸21は、ハンドル側ギヤハウジング10Aの第2ハウジング12に設けられた軸受21Jにより保持される。また、ハンドル側ピニオン軸23は、ハンドル側ギヤハウジング10Aの第1ハウジング11に設けられた軸受23Jおよび軸受23Kにより保持される。
【0015】
また、ハンドル側ギヤハウジング10Aの第1ハウジング11内には、ラック軸24のハンドル側ラック24Aをハンドル側ピニオン軸23のピニオン23Aに押付けるとともに、ラック軸24を摺動自在に支持するラックガイド25が設けられる。このラックガイド25は、第1ハウジング11の一部を構成するシリンダ部14に挿入される。
【0016】
さらに、伝達機構部26は、入力軸21とハンドル側ピニオン軸(出力軸)23との相対回転角度を検出し、検出した相対回転角度に基づいて操舵トルクを検出するトルク検出装置40とを備えている。そして、トルク検出装置40は、操舵トルクの検出結果を不図示のECU(Electronic Control Unit)に送る。そして、ECUは、トルク検出装置40から取得した操作トルクの検出結果に基づいて、アシスト部27の駆動部30(
図1参照)を制御する。
【0017】
以上のように構成された電動パワーステアリング装置1においては、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクが、入力軸21とハンドル側ピニオン軸(出力軸)23との相対回転角度として現れることに鑑み、トルク検出装置40が、入力軸21とハンドル側ピニオン軸23との相対回転角度に基づいて操舵トルクを把握する。つまり、入力軸21とハンドル側ピニオン軸23との相対回転角度を検出し、トルク検出装置40の出力値に基づいてECUが操舵トルクを把握し、把握した操舵トルクに基づいて駆動部30の駆動を制御する。
【0018】
そして、駆動部30で発生したトルクがハンドル側ピニオン軸23に伝達されることにより、ステアリングホイールに加える運転者の操舵力をアシストする。つまり、ハンドル側ピニオン軸23は、ステアリングホイールの回転によって発生する操舵トルクと駆動部30から付与される補助トルクとで回転する。
【0019】
<第2ハウジング12>
図3は、第2ハウジング12の斜視図である。
図3に示すように、ハウジング、あるいはステアリング装置用ハウジングの一例である第2ハウジング12は、概形が略円筒状の部材であり、アルミ等の金属材により形成されることを例示できる。
この第2ハウジング12は、本体部の一例である第2ハウジング12の側面120に形成されトルク検出装置40(
図2参照)が配置されるトルク検出装置取付孔51と、第2ハウジング12の側面120から径方向外側に突出しかつ側面120の周方向に沿って延びる鍔部53と、鍔部53に設けられ第1ハウジング11(
図2参照)に対して第2ハウジング12を固定する固定ボルト13(
図1参照)を挿入する固定ボルト孔55と、第2ハウジング12の側面120に設けられ第2ハウジング12の内側と外側との間で空気を流す流路を形成する通気機構60とを備える。
【0020】
<通気機構60>
図4(a)および(b)は、通気機構60の説明図である。より詳細には、
図4(a)は、
図3に示すIVa−IVa断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)に示す通気機構60周辺の拡大図である。
【0021】
図4(a)に示すように、通気機構60は、第2ハウジング12の側面120であって、トルク検出装置取付孔51とは反対側、さらに説明すると、通気機構60の中心軸を挟んでトルク検出装置取付孔51と対向する位置に設けられる。
【0022】
また、
図4(b)に示すように、通気機構60は、通気孔61と、通気孔61を覆う覆い部材63と、通気孔61の内周面に設けられ覆い部材63が引っ掛かる部分である係止部65と、第2ハウジング12の側面120と覆い部材63との間を封止するOリング67と、覆い部材63の外周に沿って設けられる保護壁69(後述)とを備える。
【0023】
開口の一例である通気孔61は、第2ハウジング12の側面120に設けられる貫通孔である。通気孔61は、第2ハウジング12の内側と外側との間で空気を流す流路として機能する。
覆い部材63は、通気膜631と、通気膜631を保持する保持体633と、係止部65に掛けられる爪部635とを備える。
【0024】
ここで、通気膜631は、通気性を備えつつ、外部から水分や泥等が進入することを抑制する膜状部材である。すなわち、通気性、防水性および防塵性を備える部材であり、ゴア(登録商標)メンブレンを例示することができる。
保持体633は、概形が略円筒状の樹脂製部材である。この保持体633は、その内部において、保持体633の中心軸と直交する向きに通気膜631を保持する。また、保持体633は、覆い部材63が通気孔61に取り付けられた状態において、保持体633の側面であって通気膜631よりも第2ハウジング12の径方向外側(
図4(b)における左側)の位置に、貫通孔として形成された通気領域639を備える。
【0025】
爪部635は、保持体633と一体として形成される樹脂製部材である。爪部635は、弾性変形しながら係止部65に引掛けられることにより、第2ハウジング12の側面120に対して覆い部材63を固定する。付言すると、この爪部635は、所謂スナップフィットとして機能する。また、ここでは爪部635によって覆い部材63を固定することを説明するが、接着、溶接、ねじ込み等周知の固定法により覆い部材63を固定してもよい。
カバー637は、通気膜631から所定の距離離れた位置で通気膜631を覆う概形が略円板の樹脂製部材である。このカバー637は、通気膜631に例えば小石等が衝突することにより損傷を受けることを抑制する。
【0026】
さて、被取付部の一例である係止部65は、通気孔61の内周面が径方向内側に向けて突出して形成された部分であり、覆い部材63の爪部635を受ける形状に形成されている。
Oリング67は、通気孔61の内周面と、覆い部材63における保持体633の外周面との間に設けられる弾性部材である。Oリング67は、覆い部材63の爪部635が係止部65に掛けられた状態において、覆い部材63と通気孔61(側面120)との間を封止する。
【0027】
上記のように構成された通気機構60は、第2ハウジング12内の外側から内側へ水分、泥あるいは埃等の飛散物が進入することを抑制しながら、第2ハウジング12内側における温度変化に伴う圧力変化を抑制する。具体的には、例えば高地などの気圧が低く、かつ高温という過酷な環境で電動パワーステアリング装置1を使用した場合であっても、通気機構60は、第2ハウジング12内部の空気を、通気孔61、通気膜631、および通気領域639を通して外部へと排出することを可能とする。
【0028】
ここで、
図1に示すように、第2ハウジング12の内部は、ギヤハウジング10全体の内部と連続する。また、上記では説明を省略したが、ギヤハウジング10の内部は、ラック軸24の両端部に設けられたダストブーツ(不図示)の内部と連続している。そして、電動パワーステアリング装置1が上記のような低圧高温の環境で使用された場合、ギヤハウジング10およびダストブーツ内の空気の体積が増加し、ダストブーツが膨らむことが想定される。この膨らんだダストブーツは、ラック軸24の移動に抵抗力を加え得る。しかしながら、上記のように、通気機構60が第2ハウジング12内部の空気を排出することにより、膨らんだダストブーツがラック軸24に抵抗力を加えることが制限される。
【0029】
さて、本実施形態においては、ギヤハウジング10の第2ハウジング12に通気機構60を備えることにより、1つの通気機構60でギヤハウジング10全体の内部の空気を排出することが可能となる。
また、第2ハウジング12が通気機構60を備える構成であることから、例えばギヤハウジング10のラック軸24を覆う領域に設ける構成よりも、通気機構60が路面から離れるため、路面側からの飛散物が通気機構60に付着し難い。さらに、第2ハウジング12の鍔部53よりも上方に通気機構60を備えることにより、路面側からの飛散物が付着し難い。
【0030】
<保護壁69>
図5は、
図3に示す矢印Vから第2ハウジング12をみた概略構成図である。
外周壁および突出部の一例である保護壁69は、覆い部材63の外周を囲うように、覆い部材63の周方向に沿って設けられる。さらに説明をすると、保護壁69は、覆い部材63の外周に沿って設けられた円環状(円弧状)の部材である。
この保護壁69は、アルミ等の金属製であり、図示の例においては、第2ハウジング12と一体としてダイカストにより形成される。なお、保護壁69を第2ハウジング12と別体として形成し、接着、溶接、ねじ込み等周知の固定法により第2ハウジング12に固定してもよい。また、保護壁69は、金属製に限らず、樹脂等他の材料により形成されてももちろんよい。
【0031】
ここで、
図4(b)に示すように、保護壁69は、第2ハウジング12の側面120からの高さ(図中左右方向の長さ、矢印参照)が、通気孔61に設けられた覆い部材63の高さと略同一である。さらに説明をすると、保護壁69は、覆い部材63の通気領域639を覆う高さで形成される。
この保護壁69は、覆い部材63の外周に設けられていることから、例えば電動パワーステアリング装置1を車両に装着する際に、作業者が覆い部材63に意図せず触れるなど、覆い部材63が外部からの力を受けて通気孔61から外れることを抑制する。特に、図示の例のように、爪部635を掛けることにより覆い部材63を固定している構成においては、例えば接着等により固定される構成と比較して覆い部材63が外れ易くなり得るが、この保護壁69により、覆い部材63が外れることが抑制される。
また、保護壁69は、覆い部材63の通気領域639に飛散物が到達することを抑制する。
【0032】
さて、このように構成された保護壁69と覆い部材63との間(隙間部)には、飛散物である水や泥が溜ることが考えられる。保護壁69と覆い部材63との間に水や泥が溜まると、第2ハウジング12の側面120や保護壁69が腐食し得る。その結果、例えば第2ハウジング12の内部が露出することがある。あるいは、泥詰まりが発生することで、例えば覆い部材63の通気領域639の通気が妨げられることがある。
【0033】
そこで、
図5に示すように、本実施形態の保護壁69は、周方向の他の部分よりも第2ハウジング12の側面120からの高さが低い切り欠き(スリット、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693)を複数備える。なお、ここでは、保護壁69の周方向において第1切り欠き691乃至第3切り欠き693が形成されていない領域を、それぞれ第1領域695、第2領域697および第3領域699とする。
【0034】
ここで、第1切り欠き691は、覆い部材63の鉛直方向下方側に位置する。さらに説明をすると、第1切り欠き691は、保護壁69における鉛直方向下方側に設けられる。また、第2切り欠き692および第3切り欠き693は、第1切り欠き691よりも鉛直方向上側であって、覆い部材63の側方に位置し、第1切り欠き691を介して水や泥を排出する際に、空気の流路となり得る。
【0035】
また、第1切り欠き691が形成されている領域は、第2ハウジング12の側面120からの高さ(
図4(b)における左右方向の長さ)がゼロである。言い換えると、第1切り欠き691が形成されている領域は、第2ハウジング12の側面120と一致する高さである。
一方、第2切り欠き692および第3切り欠き693における第2ハウジング12の側面120からの高さは、第1切り欠き691よりも高く、かつ覆い部材63の通気領域639よりも低い。このことにより、保護壁69によって、覆い部材63における通気領域639を介した空気の流れを妨げられることが抑制されつつ、覆い部材63に外部から力が加わることが妨げられる。
また、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693のそれぞれの幅(周方向長さ)は、作業者の指が入らない程度の寸法とする。例えば約10mm〜15mm程度としてもよい。
【0036】
さて、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693は、周方向において互いに略等間隔に配置されている。ここで、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693は、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693のいずれかの間から覆い部材63を押圧した場合であっても、保護壁69の第1領域695乃至第3領域699のいずれかによって覆い部材63が支持されるように配置されている。言い換えると、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693のいずれかと対向する箇所には、少なくとも保護壁69の一部が形成されている。
【0037】
例えば、
図5に示すように、第1切り欠き691の間から覆い部材63が押圧された場合(図中矢印参照)であっても、覆い部材63を挟んで第1切り欠き691の反対側には第2領域697が配置されていることから、図中上側に移動しようとする覆い部材63は、第2領域697によって支持され得る。このことにより、覆い部材63が通気孔61から外れることが抑制される。同様に、第2切り欠き692および第3切り欠き693の覆い部材63を挟んだ反対側には、第3領域699および第1領域695がそれぞれ配置されている。
【0038】
<変形例>
図6(a)乃至(c)は、保護壁69の変形例を説明するための図である。
図7(a)乃至(d)は、保護壁69の変形例を説明するための図である。
なお、以下の説明においては、上述の
図5に示す第2ハウジング12と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
【0039】
上述の
図5においては、保護壁69の第1領域695乃至第3領域699それぞれの内周面が、通気孔61の外周に沿う略円弧状、言い替えるとそれぞれの内周面が凹んだ形状であることを示すが、他の形状であってもよい。
例えば、
図6(a)に示す第2ハウジング121の通気機構601は、保護壁79の第1領域795乃至第3領域799の内周面が突出する形状(突出形状)である。具体的には、第1領域795乃至第3領域799それぞれの内周面は、周方向中央部が周方向端部よりも径方向内側に突出する。さらに説明すると、第1領域795乃至第3領域799の内周面は、周方向中央部から周方向端部に向かうに従い、径方向外側に向かって傾斜する傾斜面795a(テーパ、
図6(b)参照)を備える。この構成により、保護壁79と覆い部材63との間に溜まる飛散物を、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693を介して、保護壁79の外側へと排出しやすくなる。
また、
図6(c)に示す第1領域895のように、周方向中央部が周方向端部よりも径方向内側に突出した湾曲面895aを備える構成であってもよい。
【0040】
また、
図7(a)に示す第2ハウジング123の通気機構603のように、保護壁89が、周方向に1箇所だけ設けられた切り欠きである第1切り欠き691を備える構成であってもよい。なお、この保護壁89は、第2ハウジング123の側面120から径方向外側に向けて突出するとともに、覆い部材63の外周に沿って伸びかつ覆い部材63の下方が開放された突起としても捉えられる。
【0041】
また、
図7(b)に示す第2ハウジング125の通気機構605のように、保護壁99に設けられる切り欠き(第1切り欠き991乃至第3切り欠き993)は、周方向において等間隔でない位置に形成されてもよい。この構成においては、周方向の長さが相対的に長い第1領域995および第3領域999と、周方向の長さが相対的に短い第2領域997とが形成される。
【0042】
また、
図7(c)に示す第2ハウジング127の通気機構607のように、保護壁109に設けられる切り欠きが3個以外の個数設けられる構成であってもよい。
図7(c)に示す構成においては、5個の切り欠きである第1切り欠き101乃至第5切り欠き105と、それぞれの間に形成される5個の領域(第1領域111乃至第5領域119)とが形成される。
【0043】
また、
図7(d)に示す第2ハウジング129の通気機構609のように、覆い部材63の外周に沿って設けられる複数の突起110を有する構成であってもよい。図示の例における突起110は、第2ハウジング129の外周面から径方向外側に向けて突出する略円柱状で形成されるが、直方体や円錐台等、他の形状であってももちろんよい。
【0044】
さて、上記の説明の保護壁69においては、第1切り欠き691と、第2切り欠き692および第3切り欠き693とで、第2ハウジング12の側面120からの高さが異なることを説明したが、第1切り欠き691乃至第3切り欠き693との高さが一致する構成であってもよいし、各々異なる高さで構成されてもよい。
付言すると、例えば第2切り欠き692および第3切り欠き693が、上述の
図5に示す第1切り欠き691のように、第2ハウジング12の側面120と一致する高さで構成されてもよい。あるいは、第1切り欠き691が、
図5に示す第2切り欠き692および第3切り欠き693のように、覆い部材63の通気領域639(
図4(b)参照)よりも低い程度の高さで構成されてもよい。
【0045】
ここで、電動パワーステアリング装置1において第2ハウジング12が鉛直方向に対して傾斜して設けられる場合には、通気機構60は、第2ハウジング12の側面120であって、上側を向く面に設けられるとよい。このことにより、路面側からの飛散物が通気機構60に付着し難い。
また、ギヤハウジング10の第2ハウジング12以外の箇所に通気機構60を設けてもよく、例えばギヤハウジング10のラック軸24を覆う領域に通気機構60を設けてもよい。さらに、ギヤハウジング10における第2ハウジング12およびラック軸24を覆う領域の両者に通気機構60を設けるなど、電動パワーステアリング装置1が複数の通気機構60を備える構成としてもよい。
【0046】
上記では種々の変形例を説明したが、これらの変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。