【課題】袋詰め包装機に適用され、間欠回転するテーブルの周囲に左右一対のグリッパーが複数組設置されたロータリー式の袋移送装置。使用する袋を、開口部の中心が袋の幅方向の中心からずれた袋に変更する場合に、袋詰め工程を実施する各装置の調整を容易とする。
【解決手段】左右のグリッパー13,13の各アーム15,15の基部を支持するアーム支持機構21,21が設置され、各アーム支持機構21,21を作動させる駆動力伝達機構22が設置されている。駆動力伝達機構22の一部であるリンク51の一端が調整リング49に連結され、同じくリンク46の一端がアーム支持機構21に連結し、リンク51,46は他端同士が互いに連結している。調整リング49が回転することにより、左右のグリッパー13,13の中心面Mが,テーブルの中心Oを通る基準面Nからずれた位置に変位(変位量Da)する。
水平面内で鉛直な軸を中心に間欠的に等角度ずつ回転するテーブルと、テーブルの周囲に複数組設置され同テーブルの回転に伴い円形の移動経路に沿って移動する左右一対のグリッパーと、各左右一対のグリッパーが前記移動経路に沿って移動する過程で左右のグリッパーの相互の間隔を水平面内で広げ又は狭める間隔調整機構を備え、各グリッパーがアームとアームの先端部に設置された把持部からなり、左右のグリッパーの把持部で袋の左右を把持し、円形の移送経路に沿って移送する袋移送装置において、前記間隔調整機構は、左右一対のグリッパーの各アームごとに配置されたアーム支持機構と、各アーム支持機構を作動させる駆動力伝達機構と、前記軸を通る鉛直面を基準面として左右のグリッパーの配置を調整するグリッパー配置調整機構を備え、前記グリッパー配置調整機構を作動させることにより、左右のグリッパーが前記基準面を挟んで互いに同じ間隔を置いて対向配置された基準配置、又は前記基準面を挟んで互いに異なる間隔を置いて対向配置された偏心配置のいずれかが任意に設定可能であることを特徴とする袋移送装置。
前記グリッパー配置調整機構が、前記テーブルに設置されて前記テーブルと共に間欠的に回転し、かつ前記軸を中心として前記テーブルに対し相対的に回転可能とされた調整リングと、前記調整リングを回転させるリング駆動機構を備え、前記駆動力伝達機構の一部として一端が左右一対のグリッパーの各アーム支持機構に連結された一対の第1リンクと、一端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第2リンクが設置され、一方の第2リンクの他端が前記調整リングに連結され、他方の第2リンクの他端がテーブルに連結されており、前記リング駆動機構を作動させると、前記調整リングが回転し、前記一方の第2リンク及びこれに連結された第1リンクを介して一方のアーム支持機構に駆動力が伝達され、該アーム支持機構を作動して、左右のグリッパーの配置が調整されることを特徴とする請求項1に記載された袋移送装置。
前記グリッパー配置調整機構が、前記テーブルに設置されて前記テーブルと共に間欠的に回転し、かつ前記軸を中心として前記テーブルに対し相対的に回転可能とされた調整リングと、前記調整リングを回転させるリング駆動機構を備え、前記駆動力伝達機構の一部として一端が左右一対のグリッパーの各アーム支持機構に連結された一対の第1リンクと、一端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第2リンクが設置され、各第2リンクの他端が前記調整リングに連結されており、前記リング駆動機構を作動させると、前記調整リングが回転し、前記第2リンク及び第1リンクを介して各アーム支持機構に駆動力が伝達され、各アーム支持機構が作動して、左右のグリッパーの配置が調整されることを特徴とする請求項1又は2に記載された袋移送装置。
前記間隔調整機構が、テーブルの下方位置に設置され、中心が前記軸と一致し昇降可能な円筒カムを備え、前記駆動力伝達機構が、中間位置がテーブルに連結され水平面内で揺動自在とされた揺動レバーと、円筒カムと揺動レバーの間に配置され、中間位置がテーブルに軸支され、一端にテーブルの回転に伴い円筒カムのカム面上を転動するカムフォロワを有し、他端が揺動レバーの一端に接触するカムレバーと、揺動レバーよりテーブルの外周側に配置され、一端がテーブルに連結され水平面内で揺動自在とされた第3リンクと、一端が揺動レバーの他端に連結され、他端が第3リンクの他端に連結された第4リンクと、一端が第4リンクの中間位置に連結され、他端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第5リンクからなり、前記カムレバーのカムフォロワが前記円筒カムのカム面上を転動することにより、駆動力伝達機構を介して前記第1リンクに駆動力が伝達されることを特徴とする請求項3又は4に記載された袋移送装置。
左右一対のグリッパーが偶数対存在し、隣接する2組の左右一対のグリッパーがそれぞれ共通の駆動力伝達機構を有し、隣接する2組の左右一対のグリッパーのうち前記移動経路の下流側の2つのグリッパーのアーム支持機構同士を連結する第1連結リンク、及び前記移動経路の上流側の2つのグリッパーのアーム支持機構同士を連結する第2連結リンクが設置され、隣接する2組の左右一対のグリッパーに同じ動きをさせることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された袋移送装置。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、袋詰め包装機に設置された袋移送装置が記載されている。この袋移送装置は、間欠回転するテーブルと、テーブルの周囲に等角度間隔で配置された複数組の左右一対のグリッパーを備える。左右一対のグリッパーは、テーブルの回転に伴い、円形の移動経路に沿って間欠的に移動する。各グリッパーはアームと、アームの先端部に設置された把持部を有する。左右一対のグリッパーの各アームは、基部がテーブルに軸支され、水平面内で互いに対称的に揺動可能である。
【0003】
上記袋移送装置は、左右一対のグリッパーの相互の間隔を調整するための間隔調整機構として、テーブルの下方に昇降可能に設置された円筒カムとL状レバー、及び星形カムと係止ピンを備える。円筒カムは、中心軸がテーブルの回転軸と一致し、上端がカム面である。L状レバーはテーブルに軸支されて鉛直面内で揺動可能であり、一端に円筒カムのカム面上を転動するカムフォロワを有し、他端にアームの尾部に当接してアームを揺動させる押圧ローラを有する。星形カムは、テーブルと共に同軸で回転し、テーブルに対し相対的に適宜角度回転させ、かつ位置決めすることができる。係止ピンはアームに固定されている。
【0004】
上記袋移送装置において、テーブルが間欠回転する過程で、カムフォロワがカム面上を転動し、カム面の形状(起伏)に対応して昇降し、それに伴い、左右のグリッパーの各アームが開閉し、左右のグリッパーの間隔(特に把持部同士の間隔)が、所定範囲内で広がり又は狭められる。左右のグリッパーの間隔が所定値まで狭まると、係止ピンが星形カムに当接する。左右のグリッパーの間隔の最大値は円筒カムのカム面の最大高さで決まり、左右のグリッパーの間隔の最小値は星形カムにより規制される。
上記袋移送装置において、袋サイズ(特に袋幅)を変更する場合には、袋幅に応じて、左右のグリッパーの間隔の最大値及び最小値を調整する必要がある。これは、円筒カムを昇降させ、かつ星形カムをテーブルに対し相対的に回転させることにより行うことができる。
【0005】
特許文献2には、特許文献1と同様に、袋詰め包装機に設置され、間欠回転するテーブルと、テーブルの周囲に等角度間隔で配置された複数組の左右一対のグリッパーを備える袋移送装置が記載されている。この袋移送装置では、左右のグリッパーの間隔を調整する間隔調整機構として、特許文献1の円筒カムと星形カムに代えて、袋幅設定カムと寄り幅調整カムが設置されている。なお、寄り幅とは、テーブルが間欠回転する過程で、左右のグリッパーの間隔が最も広がってから最も狭まるまでに各グリッパーの把持部が移動する間隔であり、グリッパーの間隔の最大値と最小値の差の1/2である。
【0006】
特許文献3には、スパウト取付及び充填装置に設置され、間欠回転するテーブルと、テーブルの周囲に等角度間隔で配置された複数組の左右一対のグリッパーを備える袋移送装置が記載されている。このスパウト取付及び充填装置では、左右一対のグリッパーに、平面視四角形の平袋又はガセット袋等を供給し、その袋をグリッパーの移動に伴い間欠的に移送しながら、上端コーナー部を斜めにカットし、カットしたコーナー部にスパウトを取り付け、続いて袋口の水平部分にノズルを挿入して袋内に液状物を充填する、スパウト付き袋(この例では充填済み袋)の製造方法が記載されている。このように基本形が四角形の袋の傾斜したコーナー部に取り付けたスパウトをコーナースパウトといい、この袋をコーナースパウト付き袋という。
【0007】
特許文献4には、特許文献3と同様に、スパウト取付及び充填装置に設置され、間欠回転するテーブルと、テーブルの周囲に等角度間隔で配置された複数組の左右一対のグリッパーを備える袋移送装置が記載されている。このスパウト取付及び充填装置では左右一対のグリッパーに袋を供給し、その袋をグリッパーの移動に伴い間欠的に移送しながら、袋口にノズルを挿入して袋内に液状物を充填し、続いて水平な袋口の中央部にスパウトを取り付ける、スパウト付き袋(この例では充填済み袋)の製造方法が記載されている。このように略四角形の袋の袋幅方向にほぼ平行な袋口の中央部に取り付けたスパウトをセンタースパウトといい、この袋をセンタースパウト付き袋という。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に示す袋詰め包装機では、袋移送装置の左右のグリッパーの各停止位置において、グリッパーへの袋の供給、袋口の開口、袋への被充填物の充填、袋の開口部のシール、シール部の冷却、及びグリッパーからのシール済みの袋の開放等の袋詰め工程が順次行われる。左右のグリッパーの各停止位置には、前記各工程を行う給袋装置、開口装置、充填装置、シール装置、冷却装置等が設置されている。テーブルの周囲に設置された全ての左右一対のグリッパーは、テーブルの回転中心(軸線)を通る鉛直面に対し対称的に配置され、この対称的な配置状態をほぼ保った状態で、移動経路に沿って間欠的に回転し、かつその移動の過程で相互の間隔が広げられ又は狭められる。前記鉛直面を本発明では基準面といい、左右のグリッパーがこの基準面に対し対称的に配置された配置状態を本発明では基準配置という。
【0010】
このような袋詰め包装機では一般に、前記各装置は各停止位置に、前記基準面を基準として設置されている。具体的にいえば、例えば給袋装置は、左右のグリッパーに供給する袋の中心線(袋の幅方向中心を通る直線)が前記基準面上に位置するように設置され、開口装置は、一対の吸盤が前記基準面上で進退するように設置され、液状物の充填装置は、充填ノズルが前記基準面上で昇降するように設置されている。
このような袋詰め包装機において、特許文献1,2に記載されている平面視長方形で上端が開口した袋1(
図6(a)参照)に液状物を充填するとき、給袋装置により左右のグリッパー(把持部2,2のみ示す)に供給された袋1は、中心線C0が基準面N上に位置する。次いで、グリッパー(把持部2,2)が開口工程が行われる停止位置に停止すると、
図6(a)に2点鎖線で描いたように、吸盤3が前進して袋1の面に吸着するが、その吸着位置は袋1の中心線C0上(基準面N上)である。また充填工程においても、充填ノズルが中心線C0上(基準面N上)で昇降する。
【0011】
この袋詰め包装機を用い、前記の袋1に代え、例えば
図6(b)に示す袋4に液状物を充填する場合を考えてみる。袋4は、斜めにカットされたコーナー部にスパウト5が取り付けられたコーナースパウト付き袋であり、給袋装置により左右のグリッパー(把持部2,2)に供給された袋4は、中心線C0が基準面N上に位置するが、上端の開口部6の中心線Cは基準面からずれている(ずれ幅G)。グリッパー(把持部2,2)が開口工程が行われる停止位置に停止すると、
図6(b)に2点鎖線で描いたように、吸盤3が前進して袋4の面に吸着するが、その吸着位置は袋4の中心線C0上(基準面N上)であり、開口部6の中心線Cからずれ幅Gだけずれているから、これでは開口部6の開口に支障が生じる。また充填工程においても、充填ノズルが開口部6の中心線Cからずれ幅Gだけずれた中心線C0上(基準面N上)で昇降するから、開口部6への挿入に支障が生じる。なお、
図6(b)において、グリッパー(把持部2,2)に供給される袋4の高さ方向位置及び吸盤3の高さ方向位置は、袋4に対応して調整されている。
【0012】
仮に、吸盤3の水平方向位置を調整し、吸盤3が開口部6の中心線C上にくるようにすれば、開口部6の開口に支障が生じなくなる。また、仮に充填ノズルの水平方向位置を調整し、同充填ノズルが開口部6の中心線C上で昇降するようにすれば、開口部6への挿入に支障が生じなくなる。
しかし、このような水平方向位置の調整は開口装置と充填装置に留まらず、後続の他の装置でも行う必要があり、また、使用する袋の種類が通常の平袋に変われば、元の通りに基準面N上に調整し直す必要があるので、その調整作業が袋詰め包装機の生産性が大きく低下する要因となる。
なお、このようなコーナースパウト付き袋を用いる袋詰め包装機は、例えば特開2009−220853号公報に記載されている。
【0013】
特許文献3に示すスパウト取付及び充填装置では、袋移送装置の左右のグリッパーの各停止位置において、グリッパーへの袋の供給、袋口のコーナーカット、袋口の開口、袋口へのスパウトの挿入及び袋とスパウトの仮シール、袋とスパウトの本シール、シール部の冷却、及びグリッパーからのスパウト取付済みの袋(スパウト付き袋)の開放等のスパウト取付工程が順次行われる。なお、特許文献3の装置では、袋とスパウトの本シール後、液状物の充填及び開口部のシール等が行われているが、ここでは充填以降の工程はひとまず省略して考える(以下、スパウト取付及び充填装置ではなく、スパウト取付装置という)。
【0014】
スパウト取付装置においても、袋移送装置の左右のグリッパーの配置は前記基準配置とされている。このスパウト取付装置により、
図7(a)に示す平面視長方形の袋1の上端の開口部7の中央部にスパウト8を取り付ける場合、前記各工程を行う給袋装置、開口装置、スパウト挿入・仮シール装置、スパウト本シール装置、シール部冷却装置等が、各停止位置に、前記基準面を基準として設置される。具体的にいえば、例えば給袋装置は、グリッパー(把持部2,2)に供給する袋1の幅方向の中心を通る中心線C0が基準面N上に位置するように設置され、開口装置は、一対の吸盤3,3が基準面N上で進退するように設置され、スパウト挿入・仮シール装置は、スパウト8が基準面N上で下降して袋1の開口部7内に挿入されるように設置される。
【0015】
このスパウト取付装置を用い、例えば
図7(b)に示す袋9の両縁部を、斜めにカットされたコーナー部開口11が水平になるようグリッパー(把持部2,2)で把持し、同コーナー部開口11の中央部にスパウト8を取り付ける場合を考える。なお、給袋装置からグリッパー(把持部2,2)に供給される袋9は、
図7(b)に示すとおり、グリッパー(把持部2,2)の把持代が左右でほぼ均等になるように水平方向位置が調整されているものとする。この場合、まず開口工程において、吸盤3,3の水平方向位置(基準面N上)がコーナー部開口11の中心線Cからずれ(ずれ幅H)、スパウト8の挿入・仮シール工程において、スパウト8の水平方向位置(基準面N上)がコーナー部開口11の中心線Cからずれる(ずれ幅H)。このため、スパウト8を正常な位置に取り付けることができない。
【0016】
仮に、吸盤3の水平方向位置を調整し、吸盤3が開口部11の中心線C上にくるようにすれば、開口部11の開口に支障が生じなくなる。また、仮にスパウト8の水平方向位置を調整し、スパウト8の挿入位置を中心線C上に位置させ、かつ仮シール位置を同じく中心線C上に位置させるようにすれば、袋9へのスパウト8の挿入及び仮シールに支障が生じなくなる。
しかし、このような調整は開口装置とスパウト挿入・仮シール装置に留まらず、後続の他の装置でも行う必要があり、また、対象とするスパウト付き袋がコーナースパウト付き袋からセンタースパウト付き袋に変われば、以上の装置を元の通りに基準面N上に調整し直す必要があるので、その調整作業がスパウト取付装置の生産性が大きく低下する要因となる。なお、コーナースパウト付き袋を、コーナー部開口が水平になるようグリッパーで把持するのであれば、コーナーのカット角度が異なると、ずれ幅Hの大きさが変わってくるから、カット角度の異なる袋に変えた場合も、開口装置、スパウト挿入・仮シール装置及び後続の装置について上記の調整を行う必要がある。
【0017】
本発明は、袋詰め包装機やスパウト取付装置等に係る上記問題点に鑑みてなされたもので、袋詰め包装機において袋詰めする袋を、開口部の中心Cが袋の幅方向の中心C0に一致する袋から、開口部の中心Cが袋の幅方向の中心C0からずれた袋へ変更する場合、あるいはその逆の場合や、スパウト取付装置において製造するスパウト付き袋を、センタースパウト付き袋からコーナースパウト付き袋に変更する場合、あるいはその逆の場合等に、調整箇所を少なくして、袋詰め包装機やスパウト取付装置等の生産性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、水平面内で鉛直な軸を中心に間欠的に等角度ずつ回転するテーブルと、テーブルの周囲に複数組設置され同テーブルの回転に伴い円形の移動経路に沿って移動する左右一対のグリッパーと、各左右一対のグリッパーが前記移動経路に沿って移動する過程で左右のグリッパーの相互の間隔を水平面内で広げ又は狭める間隔調整機構を備え、各グリッパーがアームとアームの先端部に設置された把持部からなり、左右のグリッパーの把持部で袋の左右を把持し、円形の移送経路に沿って移送する袋移送装置において、前記間隔調整機構は、左右一対のグリッパーの各アームごとに配置されたアーム支持機構と、各アーム支持機構を作動させる駆動力伝達機構と、前記軸を通る鉛直面を基準面として左右のグリッパーの配置を調整するグリッパー配置調整機構を備え、前記グリッパー配置調整機構を作動させることにより、左右のグリッパーが前記基準面を挟んで互いに同じ間隔を置いて対向配置された基準配置、又は前記基準面を挟んで互いに異なる間隔を置いて対向配置された偏心配置のいずれかが任意に設定可能であることを特徴とする。
【0019】
上記袋移送装置において、グリッパー配置調整機構の作動により、(a)左右のグリッパーの片方のみが作動する場合と、(b)左右のグリッパーの各アーム支持機構が同じ方向に作動する場合があり得る。
グリッパー配置調整機構と駆動力伝達機構の具体的な構成を例示すると、上記(a)の場合、前記グリッパー配置調整機構が、前記テーブルに設置されて前記テーブルと共に間欠的に回転し、かつ前記軸を中心として前記テーブルに対し相対的に回転可能とされた調整リングと、前記調整リングを回転させるリング駆動機構を備え、前記駆動力伝達機構の一部として一端が左右一対のグリッパーの各アーム支持機構に連結された一対の第1リンクと、一端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第2リンクが設置され、一方の第2リンクの他端が前記調整リングに連結され、他方の第2リンクの他端がテーブルに連結される。この場合、前記リング駆動機構を作動させると、前記調整リングが回転し、前記一方の第2リンク及びこれに連結された第1リンクを介して一方のアーム支持機構に駆動力が伝達され、該アーム支持機構が作動して、左右のグリッパーの配置が調整される。ここで、「第1」,「第2」という番号は、単なる区別のためにのみ付与したものである。
【0020】
また、上記(b)の場合、前記グリッパー配置調整機構が、前記テーブルに設置されて前記テーブルと共に間欠的に回転し、かつ前記軸を中心として前記テーブルに対し相対的に回転可能とされた調整リングと、前記調整リングを回転させるリング駆動機構を備え、前記駆動力伝達機構の一部として一端が左右一対のグリッパーの各アーム支持機構に連結された一対の第1リンクと、一端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第2リンクが設置され、各第2リンクの他端が前記調整リングに連結される。この場合、前記リング駆動機構を作動させると、前記調整リングが回転し、前記第2リンク及び第1リンクを介して各アーム支持機構に駆動力が伝達され、各アーム支持機構が作動して、左右のグリッパーの配置が調整される。
【0021】
前記間隔調整機構の具体的な構成を例示すると、前記間隔調整機構が、テーブルの下方位置に設置され、中心が前記軸と一致し昇降可能な円筒カムを備え、前記駆動力伝達機構が、中間位置がテーブルに連結され水平面内で揺動自在とされた揺動レバーと、円筒カムと揺動レバーの間に配置され、中間位置がテーブルに軸支され、一端にテーブルの回転に伴い円筒カムのカム面上を転動するカムフォロワを有し、他端が揺動レバーの一端に接触するカムレバーと、揺動レバーよりテーブルの外周側に配置され、一端がテーブルに連結され水平面内で揺動自在とされた第3リンクと、一端が揺動レバーの他端に連結され、他端が第3リンクの他端に連結された第4リンクと、一端が第4リンクの中間位置に連結され、他端が前記第1リンクの他端に連結された一対の第5リンクからなり、前記カムレバーのカムフォロワが前記円筒カムのカム面上を転動することにより、駆動力伝達機構を介して前記第1リンクに駆動力が伝達される。ここで、「第3」〜「第5」という番号は、単なる区別のためにのみ付与したものである。
【0022】
上記袋移送装置は、左右一対のグリッパーが偶数対存在し、隣接する2組の左右一対のグリッパーの把持部の把持面が実質的に同一平面内にあり、かつ隣接する2組の左右一対のグリッパーが同時に相互の間隔を水平面内で広げ又は狭めるようになった、いわゆるダブル型(例えば特開2004−244085号公報参照)の袋移送装置にも適用できる。この場合、隣接する2組の左右一対のグリッパーがそれぞれ共通の駆動力伝達機構を有し、隣接する2組の左右一対のグリッパーのうち前記移動経路の上流側の2つのグリッパーのアーム支持機構同士を連結する第1連結リンク、及び前記移動経路の下流側の2つのグリッパーのアーム支持機構同士を連結する第2連結リンクが設置され、隣接する2組の左右一対のグリッパーに同じ動きをさせる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、袋詰め包装機において袋詰めする袋を、開口部の中心が袋の幅方向の中心に一致する袋から、開口部の中心が袋の幅方向の中心からずれた袋へ変更する場合、あるいはその逆の場合や、スパウト取付装置において製造するスパウト付き袋を、センタースパウト付き袋からコーナースパウト付き袋に変更する場合、あるいはその逆の場合、さらにはコーナー部開口のカット角度が異なるコーナースパウト付き袋に変更する場合等に、グリッパー配置調整機構を作動させ、左右一対のグリッパーの全ての組について同時に、前記基準面に対する配置を変更し、必要に応じて基準配置とし、又は偏心配置とすることができる。また、偏心配置とする場合、その偏心度(左右のグリッパーの中心面と基準面との間隔の大きさ)を所定範囲内で任意の大きさに設定することも可能である。これにより、各停止位置において各工程を行う装置の調整箇所をなくし又は少なくして、袋詰め包装機やスパウト取付装置等の生産性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1〜
図16を参照して、本発明に係る袋移送装置について具体的に説明する。
図1〜3に、例えばロータリー式袋詰め包装機(特許文献1参照)に適用される袋移送装置を示す。
この袋移送装置は、特許文献1に記載された袋移送装置と同様に、水平面内で等角度ずつ間欠的に回転するテーブル12と、テーブル12の周囲に等角度間隔(テーブル12が一度に回転する角度と同じ角度)で配置され、円形の移動経路に沿って移動する左右一対のグリッパー13,13を複数組と、左右一対のグリッパー13,13が前記移動経路に沿って移動する過程で左右のグリッパー13,13の相互の間隔を水平面内で広げ又は狭める間隔調整機構14を備える。
【0026】
図1〜3において、左右のグリッパー13,13は、それぞれアーム15とアーム15の先端部に設置された把持部16からなり、この把持部16,16で袋17(
図2参照)の左右側縁部が把持され、左右のグリッパー13,13が前記移動経路を移動するのに伴い、袋17は円形の移送経路に沿って移送される。袋17が例えば特許文献1に記載された平面視長方形の平袋(上方が開口した3方シール袋)であれば、左右のグリッパー13,13は、前記移動経路又は移送経路の接線に垂直な鉛直面N(
図1参照:テーブル12の軸線Oを通る鉛直面)に対し対称的に配置され、かつ前記移動経路を移動するのに伴い、前記鉛直面Nに対し対称的に相互の間隔を広げ又は狭めるようになっている。なお、左右のグリッパー13,13のこの配置は、先に述べた基準配置であり、鉛直面Nは先に述べた基準面N(以下、鉛直面Nを基準面Nという)である。いうまでもなく、テーブル12に設置された左右一対のグリッパー13,13は全ての組がこの基準配置をとる。
【0027】
各アーム15の基部に、第1支持部(第1支持軸18)及び第2支持部(第2支持軸19)が設定されている。第1支持軸18と第2支持軸19の中心を通る鉛直面は、把持部16の把持面に平行(把持部16,16に把持される袋17の幅方向に平行)に設定され、第1支持軸18と第2支持軸19は前記鉛直面内で水平方向に所定距離離れている。
テーブル12の下方位置に、中心がテーブル12の軸線Oと一致し、昇降可能で上端がカム面である円筒カム20が設置されている。円筒カム20はテーブル12の間欠回転と同期して同じ角度回転し、テーブル12が停止すると同じ角度逆回転して元の位置に復帰する。この袋移送装置には、テーブル12を間欠的に回転させる駆動源と、円筒カム20を昇降させる駆動源、及び円筒カム20を正逆回転させる駆動源が設置されている(駆動源はいずれも図示せず)。
なお、円筒カム20のカム面は、上記の例では上端に上向きに形成されているが、円筒カムの下端に下向きに形成することもできる(この場合、後述する付勢部材の力を作用させる方向が逆になる)。また、円筒カム20を昇降させる駆動源を設置せず、手動によるハンドル操作で昇降させることもできる。
【0028】
間隔調整機構14は、カム駆動方式で作動し、前記円筒カム20のほか、各アーム15ごとに配置されたアーム支持機構21と、各アーム支持機構21を作動させる駆動力伝達機構22と、グリッパー配置調整機構23を備える。なお、駆動力伝達機構22は一対のグリッパー13,13ごとに設置された機構、グリッパー配置調整機構23は全ての一対のグリッパー13,13につき共通の機構である。
アーム支持機構21は、一端がテーブル12上に突出する軸24に連結され、水平面内で揺動可能なリンク25(以下、第6リンク25という)と、一端が第1支持軸18に連結され、中央が第6リンク25の他端に連結されたリンク26(以下、第7リンク26という)と、第7リンク26の他端の移動方向を規制する第1規制機構27と、第2支持軸19の移動方向を規制する第2規制機構28からなる。第6リンク25の他端と第7リンク26の中央は、鉛直な軸29を介して連結され、軸29はテーブル12に形成された穴31内に配置されている。
【0029】
第1規制機構27は、第7リンク26の他端の移動方向を、前記基準面Nに対し平行(前記把持部16に把持される袋17の幅方向に対し略垂直)となるように規制するもので、第7リンク26の他端に設置された摺動部材32と、テーブル12に設置された長孔33からなる。長孔33は前記基準面Nに対し平行に形成され、摺動部材32が長孔33内に嵌り長孔33に沿って摺動可能とされている。
第6リンク25と第7リンク26及び第1規制機構27によりスコットラッセル機構が構成され、第7リンク26の他端(摺動部材32)が前記基準面Nに対し平行に移動するとき、第7リンク26の一端(第1支持軸18)は、前記基準面Nに対し垂直に移動する。
【0030】
第2規制機構28は、第2支持軸19の移動方向が前記基準面Nに対し略垂直となるように規制するもので、一端がテーブル12の中心に近い側で該テーブル12に軸34を介して水平面内で揺動自在に連結された規制リンク35からなる。規制リンク35は、前記基準面Nに対し略平行に延在(テーブル12の半径方向に沿って延在)し、他端が第2支持軸19に連結されている。第2支持軸19の移動経路は円弧となり、移動方向は前記基準面Nに対し厳密な意味で垂直ではないが、規制リンク35の長さを長く設定することにより前記移動経路は大径の円弧(近似的な直線)となり、前記移動方向を前記基準面Nに対し垂直に近づける(略垂直とする)ことができる。
【0031】
駆動力伝達機構22は、中間位置がテーブル12に固定された軸36に回転自在に連結し、水平面内で揺動自在とされた揺動レバー37と、円筒カム20と揺動レバー37の間に配置され、中間位置がテーブル12に固定されたブラケット38の軸39に回転自在に連結し、鉛直面内で揺動自在とされたカムレバー41(特許文献1のL状レバー14参照)を備える。カムレバー41は、一端にテーブル12の回転に伴い円筒カム20のカム面上を転動するカムフォロワ42を有し、他端に揺動レバー37の一端に接触するローラ43を有する。駆動力伝達機構22は、さらに、揺動レバー37よりテーブル12の外周側に配置され、一端がテーブル12に連結され水平面内で揺動自在とされたリンク44(以下、第3リンク44という)と、揺動レバー37と第3リンク44の間で前記基準面Nに沿って延在し、一端が揺動レバー37の他端に連結され、他端が第3リンク44の他端に連結されたリンク45(以下、第4リンク45という)と、一端が各アーム支持機構21,21の第7リンク26の中央位置に連結された一対のリンク46,46(以下、第1リンク46という)と、一端が第4リンク45の中央位置に連結され、他端が第1リンク46,46の他端(軸47)に連結された一対のリンク48,48(以下、第5リンク48という)を有する。なお、揺動レバー37の軸36から他端(第4リンク45との連結部)までの長さと、第3リンク44の一端(テーブル12との連結部)から他端(第4リンク45との連結部)までの長さは等しく設定されている。
また、駆動力伝達機構22の一部として、一端が後述する調整リング49に連結され、他端が軸47において第1リンク46の他端(第5リンク48の他端でもある)に連結された一対のリンク51,51(以下、第2リンク51という)が設置されている。なお、第2リンク51,51はグリッパー配置調整機構23の一部でもある。
【0032】
図3に明確に示すように、テーブル12上に、中心がテーブル12の軸Oと一致し、テーブル12と共に間欠回転する調整リング49が設置されている。調整リング49はテーブル12上に配置された複数のガイド部材52によりガイドされ、テーブル12に対し相対的に回転可能であり、テーブル12上に調整リング49を回転させる駆動機構53が設置されている。駆動機構53は、出力軸がねじ軸54であるモータ55と、調整リング49に設置されたナット部材56からなり、ねじ軸54がナット部材56に螺合している。ねじ軸54が回転するとナット部材56が移動し、調整リング49がテーブル12上を摺動しながら回転する。
【0033】
図2に示すように、調整リング49と第2リンク51は、テーブル12を上下に貫通する軸57により連結されている。テーブル12には、軸57が嵌る円弧状の長孔58が形成されている。調整リング49が軸Oを中心として回転するとき、軸57は長孔58内を摺動し軸Oを中心として回転する。
また、駆動力伝達機構22の一部として、一端がテーブル12に連結され、他端が第6リンク25に連結された付勢部材(引張ばね59)がテーブル12上に設置されている。この引張ばね59は、カムレバー41のカムフォロワ42を円筒カム20のカム面に押し付ける作用を有する。
グリッパー配置調整機構23は、以上述べた調整リング49、駆動機構53、及び一対の第2リンク51,51からなる。
【0034】
左右のグリッパー13,13の配置が前記基準配置であるとき(
図1,3に示す配置状態)、各一対の第1リンク46,46、第2リンク51,51及び第5リンク48,48は、前記基準面Nに対し対称的に配置される。
図1において、グリッパー13,13の相互の間隔(把持部16,16の間隔)はD1である。グリッパー13,13の各把持部16の把持面は前記基準面Nに対し垂直な鉛直面上にある。また、左右の把持部16,16に把持された袋17の幅方向は前記基準面Nに対し垂直である。
【0035】
円筒カム20が昇降すると、カムレバー41のカムフォロワ42が昇降し、カムレバー41が鉛直面内で揺動し、揺動レバー37が水平面内で揺動し、第4リンク45が前記基準面Nに略沿って移動し、第5リンク48,48及び第1リンク46,46を介して、スコットラッセル機構(第6リンク25、第7リンク26及び第1規制機構27からなる)の一部である左右の第7リンク26,26に駆動力が伝達される。なお、第1リンク46、第5リンク48及び第2リンク51の連結点である軸47は、第2リンク51により円弧上を移動するように拘束されている。また、各一対の第7リンク26,26、第1リンク46,46及び第5リンク48,48は、前記基準面Nを挟んで対称的に移動する。
【0036】
第7リンク26の他端(摺動部材32)は、第1規制機構27により、移動方向が前記基準面Nに対し平行になるように規制されているから、第7リンク26の一端(アーム15の第1支持軸18)は、前記基準面Nに対し垂直に移動する。この移動方向は、把持部16,16に把持された袋17の移送経路の接線方向ということもできる。
アーム15の第1支持軸18が移動するのに伴い、当然アーム15の第2支持軸19も移動する。先に述べたとおり、このときの第2支持軸19の移動方向は、前記基準面Nに対し略垂直である。
アーム15の基部を支持する第1支持軸18及び第2支持軸19が、前記基準面Nに対し垂直及び略垂直に移動することにより、アーム15は前記基準面Nに対し略垂直に移動し、それに伴い、グリッパー13,13の相互の間隔(把持部16,16の間隔)が変化する。
【0037】
図4に、円筒カム20を所定高さ下降させたときの各レバー及びリンクの位置、並びにグリッパー13,13の位置を示す。左右のグリッパー13,13は、前記基準面Nを挟んで対称的に移動しており、グリッパー13,13(把持部16,16)の相互の間隔が2点鎖線で示すD1から実線で示すD2へと広がっている。グリッパー13,13(把持部16,16)の相互の間隔が広がっても、把持部16,16の把持面は略同一平面(前記基準面Nに対し略垂直な面)上に維持され、かつ実質的に袋17の厚み方向(把持部16,16に把持された袋17の移送経路の放線方向)に変位しない。いうまでもなく、テーブル12に設置された左右一対のグリッパー13,13は全ての組がこの新たな基準配置をとる。
このように、上記袋移送装置では、特許文献1に記載された袋移送装置と同様に、円筒カム20を昇降させることにより、袋サイズ(袋幅)に対応してグリッパー13,13(把持部16,16)の相互の間隔を変更することができるが、その際に、グリッパー13,13の把持部16,16の把持面が傾いたり、袋の移送経路が変わるのを実質的に防止できる。
【0038】
一方、テーブル12が間欠的に回転する過程で円筒カム20が逆回転したとき、カムレバー41のカムフォロワ42が、円筒カム20のカム面上を転動して昇降し、カムの駆動力は、先ほど説明したと同様に、駆動力伝達機構22を構成する揺動レバー37及び各リンクを介し、最終的に第1リンク46,46から各アーム支持機構21,21の第7リンク26,26に伝達される。グリッパー13,13は前記移動経路に沿って間欠的に移動し、その移動の過程で(間欠停止中に)、円筒カム20のカム面の形状(起伏)に対応して、アーム15,15が前記基準面Nに対し略垂直に移動し、グリッパー13,13の相互の間隔(把持部16,16の間隔)が変化する。この場合も、先ほど説明したと同様に、把持部16,16の把持面は略同一平面(前記基準面Nに対し略垂直な面)上に維持され、かつ実質的に袋17の厚み方向(把持部16,16に把持された袋17の移送経路の放線方向)に変位しない。
このように、本発明に係る袋移送装置では、グリッパーが前記移動経路を間欠的に移動する過程で左右の間隔を広げ又は狭める場合にも、グリッパーの把持部の把持面が傾いたり、袋の移送経路が変わるのを実質的に防止できる。
【0039】
続いて、
図5を参照し、グリッパー配置調整機構23の作用について説明する。
モータ55(
図3参照)を作動させ、ねじ軸54を回転させると、調整リング49がテーブル12に対し相対的に回転し(回転方向を矢印dで示す)、一対の第2リンク51,51の一端が調整リング49とともに移動する。これにより、各一対の第2リンク51,51、第5リンク48,48、第1リンク46,46が、それぞれ前記基準面Nに対し非対称な位置に移動し、それに伴い、一対の第7リンク26,26も前記基準面Nに対し非対称な位置に移動する。
【0040】
その結果、左右のグリッパー13,13は、元の間隔D1をほぼ保ちながら前記基準面Nに対し略垂直方向に変位(2点鎖線の位置から実線の位置へ変位)する。その結果、左右のグリッパー13,13の中心を通る鉛直面(中心面M)も、前記基準面Nから変位(変位量Da)する。このような左右のグリッパー13,13の配置が、先に述べた偏心配置である。なお、変位量Daの大きさ(偏心度)は所定の範囲内で任意に選択できる。
円筒カム20を昇降させ、又はテーブル12を間欠的に回転させる(同時に円筒カム20を正逆回転させる)と、左右のグリッパー13,13は基本的に前記偏心配置を保ったまま、前記中心面Mを挟んで略対称的にその間隔を広げ又は狭める。左右のグリッパー13,13が偏心配置を取る場合でも、円筒カム20を昇降させたとき、又は左右のグリッパー13,13が前記移動経路に沿って間欠的に移動する間、把持部16,16の把持面は略同一平面(前記基準面Nに対し略垂直な面)上に維持され、かつ実質的に袋17の厚み方向(把持部16,16に把持された袋17の移送経路の放線方向)に変位しない。
【0041】
次に、左右のグリッパー13,13が上記偏心配置をとることの意義について、
図6,7を参照して説明する。
図1〜3に示す袋移送装置が、
図6(a),(b)を参照して説明した袋詰め包装機に組み込まれている場合に、左右のグリッパーの配置を、
図6(b)に示す基準配置から、
図6(c)に示す偏心配置に変更するものとする。この例では、袋の変更に伴い、グリッパー(把持部16,16)の中心を通る鉛直面(中心面M)を基準面Nから変位させ(変位量Da=G)、
図6(b)に示すずれGを解消し、開口部6の中心線Cを基準面N上に位置させている。なお、
図6(c)において、グリッパーの把持部には、
図1〜3に示す袋移送装置と同じ番号16を付している。
【0042】
この場合、袋詰め工程を実施する開口装置、充填装置及びその他の装置は、水平方向(袋の幅方向)に関しては基準面Nを基準として設置されたままでよく、袋の変更に伴う調整は特に必要ない。給袋装置のみ、左右のグリッパー(把持部16,16)に供給される袋4の開口部6の中心線Cが基準面N上に位置するように調整する必要がある。
このように、左右のグリッパー(把持部16,16)の配置を偏心配置とすることにより、吸盤3の吸着位置は開口部6の中心線C上(基準面N上)となり、充填ノズルは開口部6の中心線C上(基準面N上)で昇降し、開口及び充填に支障が生じない。後続の他の装置でも同様である。
【0043】
また、
図1〜3に示す袋移送装置が、
図7(a),(b)を参照して説明したスパウト取付装置に組み込まれている場合に、左右のグリッパーの配置を、
図7(b)に示す基準配置から、
図7(c)に示す偏心配置に変更するものとする。この例では、袋の変更に伴い、グリッパー(把持部16,16)の中心を通る鉛直面(中心面M)を、基準面Nから変位させ(変位量Da=H)、
図7(b)に示すずれHを解消し、開口部11の中心線Cを基準面N上に位置させている。なお、
図7(c)において、グリッパーの把持部には、
図1〜3に示す袋移送装置と同じ番号16を付している。
【0044】
この場合、スパウト取付工程を実施する開口装置、スパウト挿入・仮シール装置及びその他の装置は基準面Nを基準として設置されたままでよく、水平方向(袋の幅方向)に関しては、袋の変更に伴う調整は特に必要ない。給袋装置のみ、左右のグリッパー(把持部16,16)に供給される袋9の開口部11の中心線Cが基準面N上に位置するように調整する必要がある。
このように、左右のグリッパー(把持部16,16)の配置を偏心配置とすることにより、吸盤3の吸着位置は開口部11の中心線C上(基準面N上)となり、スパウト8の挿入位置が開口部11の中心線C上(基準面N上)となり、開口及びスパウト挿入・仮シールに支障が生じない。後続の他の装置でも同様である。
【0045】
続いて、前記第1規制機構27及び第2規制機構28の代替機構について説明する。
第1規制機構27は、アーム支持機構21の第7リンク26の他端の移動方向を、前記基準面Nに対し平行(前記把持部16に把持される袋17の幅方向に対し略垂直)となるように規制するもので、上記の例では、第7リンク26の他端に設置された摺動部材32と、テーブル12に設置された長孔33からなる。代替機構の一例を
図8を参照して説明すると、代替の第1規制機構27Aは、一端がテーブル12に水平面内で揺動自在に連結された規制リンク61からなる。規制リンク61は、前記基準面Nに対し略垂直に延在し、一端がテーブル12に設置された支持軸62に連結されて水平面内で揺動自在であり、他端が第7リンク26の他端に連結されている。第7リンク26の他端は前記基準面Nに対し略平行に移動可能(移動経路63)であり、第6リンク25と第7リンク26及び第1規制機構27Aにより近似的にスコットラッセル機構が構成され、第7リンク26の他端が前記移動経路63(近似的な直線経路)に沿って移動するとき、第7リンク26の一端(第1支持軸18)は、前記基準面Nに対し略垂直に移動する。
【0046】
第2規制機構28は、第2支持軸19の移動方向が前記基準面Nに対し略垂直となるように規制するもので、上記の例では、テーブル12に水平面内で揺動自在に連結された規制リンク35からなる。代替機構の一例を
図9を参照して説明すると、代替の第2規制機構28Aは、第1支持軸18の移動方向を規制するスコットラッセル機構(第6リンク25、第7リンク26、第1規制機構27)と同様のものであり、水平面内で揺動可能なリンク64(第6リンク25と同等)、一端が第2支持軸19に連結され、中央がリンク64の他端に連結されたリンク65(第7リンク26と同等)と、リンク65の他端の移動方向を規制する規制機構66(第1規制機構27と同等)からなる。これにより、第7リンク26の一端(第1支持軸18)が、前記基準面Nに対し垂直に移動するとき、リンク65の一端(第2支持軸19)も前記基準面Nに対し垂直に移動する。
【0047】
図10〜12に、ダブル型の袋移送装置(以下、W型袋移送装置という)を示す。
図10〜12において、
図1〜3に示すシングル型の袋移送装置と実質的に同等の部材には適宜同じ番号を付与している。W型袋移送装置は、例えばダブル型のロータリ式袋詰め包装機(特開2004−244085号公報参照)に適用される。以下、
図10〜12に示すW型袋移送装置について、
図1〜3に示すシングル型の袋移送装置との相違部分を中心に説明する。
W型袋移送装置では、水平面内で等角度ずつ間欠的に回転するテーブル12の周囲に左右一対のグリッパーが偶数対設置され、テーブル12が間欠的に回転するのに伴い、左右一対のグリッパーはそれぞれ円形の移動経路に沿って移動し、それに伴い、左右一対のグリッパーに把持された袋は円形の移送経路に沿って移送される。
【0048】
図10において、隣接する2組の左右一対のグリッパー(グリッパー71a,71bとグリッパー72a,72b)が、前記移動経路又は移送経路の接線に垂直な鉛直面N(テーブル12の軸線Oを通る鉛直面)に対し対称的に配置されている。また、グリッパー71a,71bは前記鉛直面Nに平行でかつ前記鉛直面Nから移動経路の下流側に一定距離(距離L)離れた鉛直面N1に対し対称的に配置され、グリッパー72a,72bは前記鉛直面Nに平行でかつ前記鉛直面Nから移動経路の上流側に一定距離(距離L)離れた鉛直面N2に対し対称的に配置されている。グリッパー71a,71bは、前記移動経路を移動するのに伴い、前記鉛直面N1に対し対称的に相互の間隔を広げ又は狭め、グリッパー72a,72bは、前記移動経路を移動するのに伴い、前記鉛直面N2に対し対称的に相互の間隔を広げ又は狭めるようになっている。W型袋移送装置における隣接する2組の左右一対のグリッパー71a,71b,72a,72bのこの配置を、本発明では基準配置といい、前記鉛直面N,N1,N2を基準面(以下、基準面N、基準面N1、基準面N2)という。いうまでもなく、テーブル12に設置された左右一対のグリッパー全てが、隣接する左右一対のグリッパーと共にこの基準配置をとる。
【0049】
W型袋移送装置では、2組の左右一対のグリッパー71a,71b,72a,72bに対しそれぞれアーム支持機構21が設置され、かつ共通の駆動力伝達機構22が設置されている。駆動力伝達機構22の第1リンク46,46の他端は、それぞれグリッパー71bとグリッパー72aの第7リンク26,26の中央に連結されている。また、グリッパー71a,71bのうち下流側のグリッパー71aと、グリッパー72a,72bのうち下流側のグリッパー72aのアーム支持機構21,21が、第1連結リンク73に連結され、かつグリッパー71a,71bのうち上流側のグリッパー71bと、グリッパー72a,72bのうち上流側のグリッパー72bのアーム支持機構21,21が、第2連結リンク74に連結されている(
図11,12参照)。より具体的には、第1連結リンク73は、グリッパー71a,72aのアーム支持機構21,21の一部である第6リンク25,25に連結され、第2連結リンク74は、グリッパー71b,72bのアーム支持機構21,21の一部である第6リンク25,25に連結されている。このため、グリッパー71bのアーム支持機構21の動きがそのままグリッパー72bのアーム支持機構21に伝達され、かつグリッパー72aのアーム支持機構21の動きがそのままグリッパー71aのアーム支持機構21に伝達される。その結果、グリッパー71a,72aが同期して同じ動きをし、かつグリッパー71b,72bが同期して同じ動きをする。
また、駆動力伝達機22の一部として設置された2つの付勢部材(引張ばね47)は、それぞれ一端がテーブル12に連結され、他端がグリッパー71a,72bの第6リンク25,25に連結されている。
【0050】
図10において、グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの相互の間隔(把持部16,16の間隔)はいずれもD3である。グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの各把持部16の把持面は、前記基準面Nに対し垂直な鉛直面上にあり、実質的に同一平面上にある。同じく、左右の把持部16,16に把持される袋の幅方向はいずれも前記基準面Nに対し垂直である。
【0051】
円筒カム20が昇降すると、
図1〜3に示すシングル型の袋移送装置と同様に、カムレバー41のカムフォロワ42が昇降し、駆動力伝達機構22を構成する揺動レバー37及び各リンクを介して、グリッパー71b,72aの各アーム支持機構21,21の第7リンク26,26に駆動力が伝達される。その結果、グリッパー71b,72aが前記基準面Nに対し略垂直にかつ互いに対称的に移動し、同時にグリッパー71a,72bが前記基準面Nに対し略垂直にかつ対称的に移動する。一対のグリッパー71a,71bの移動は前記基準面N1を挟んで対称的であり、かつ一対のグリッパー72a,72bの移動は前記基準面N2を挟んで対称的である。
【0052】
図13に、円筒カム20を所定高さ下降させたときの各レバー及びリンクの位置、並びにグリッパー71a,71b,72a,72bの位置を示す。グリッパー71a,71bは前記基準面N1を挟んで略対称的に移動し、グリッパー72a,72bは前記基準面N2を挟んで略対称的に移動し、グリッパー71a,71b(把持部16,16)及びグリッパー72a,72b(把持部16,16)の相互の間隔が、D3(
図10参照)からD4へと狭くなっている。グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの相互の間隔が変化しても、それぞれの把持部16の把持面は略同一平面(前記基準面Nに対し略垂直な面)上に維持され、かつ実質的に袋の厚み方向(把持部16,16に把持された袋の移送経路の放線方向)に変位しない。
【0053】
このように、上記W型袋移送装置では、円筒カム20を昇降させることにより、袋サイズ(袋幅)に対応してグリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの左右の把持部の間隔を変更することができるが、その際に、グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの各把持部16の把持面が傾いたり、袋の移送経路が変わるのを実質的に防止できる。
詳細な説明は省略するが、テーブル12が間欠的に回転し(同時に円筒カム20が正逆回転する)、カムレバー41のカムフォロワ42が、円筒カム20のカム面上を転動して昇降する場合も同様である。
【0054】
続いて、
図14を参照し、グリッパー配置調整機構23の作用について説明する。
モータ55(
図12参照)を作動させ、ねじ軸54を回転させると、調整リング49がテーブル12に対し相対的に回転し(回転方向を矢印dで示す)、一対の第2リンク51,51の一端が調整リング49とともに移動する。これにより、各一対の第2リンク51,51、第5リンク48,48、第1リンク46,46が、それぞれ前記基準面Nに対し非対称な位置に移動し、それに伴い、グリッパー71b,72aの各アーム支持機構21,21の第7リンク26,26も前記基準面Nに対し非対称な位置に移動する。同時に、グリッパー71a,72bの各アーム支持機構21,21の第7リンク26,26も同方向に移動する。
【0055】
その結果、グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bは、元の間隔D3をほぼ保ちながら前記基準面Nに対し略垂直方向に変位(変位量Db)する。変位後の左右のグリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの中心を通る鉛直面(中心面M1,M2)は、基準面N1,N2に対し変位量Dbだけずれている。このようなグリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bの配置を、本発明では偏心配置という。なお、変位量Dbの大きさは所定の範囲内で任意に選択できる。いうまでもなく、テーブル12に設置された左右一対のグリッパー全てが、隣接する左右一対のグリッパーと共にこの新たな偏心配置をとる。
円筒カム20を昇降させ、又はテーブル12を間欠的に回転させると、2組のグリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bは基本的に前記偏心配置を保ったまま、前記中心線M1,M2を挟んで略対称的にその間隔を広げ又は狭める。2組のグリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bが偏心配置を取る場合でも、これらが前記移動経路に沿って移動する間、把持部16,16の把持面は略同一平面(前記基準面Nに対し略垂直な面)上に維持され、かつ実質的に袋の厚み方向(把持部16,16に把持された袋の移送経路の放線方向)に変位しない。
【0056】
なお、以上説明した袋移送装置では、一対の第2リンク51,51の両方が調整リング49に連結されている。このため、調整リング49を回転させると、シングル型袋移送装置(
図1〜3)では、一対のグリッパー13,13の両方のアーム支持機構21,21が同じ方向に作動し、グリッパー13,13が共に同じ方向に変位する。また、ダブル型袋移送装置(
図10〜12)では、グリッパー71a,71b及びグリッパー72a,72bが共に同じ方向に変位する。
【0057】
一方、一対の第2リンク51,51のうち一方のみを調整リング49に連結し、他方をテーブル12に対し連結することもできる。この場合、調整リング49を回転させると、シングル型袋移送装置(
図1〜3)では、一対のグリッパー13,13のうち一方のグリッパー13のアーム支持機構21のみが作動し、当該一方のグリッパー13のみが変位する。ダブル型袋移送装置(
図10〜12)でも同様であり、一対の第2リンク51,51のうちどちらを調整リング49に連結するかにより、グリッパー71b,72bのみ又はグリッパー71a,72aのみが変位する。
【0058】
次に、
図15,16を参照して、コーナースパウト付き袋の製造装置について簡単に説明する。本発明に係る袋移送装置(
図10〜12に示す袋移送装置)が、コーナースパウト付き袋の製造装置の一部であるスパウト取付装置に組み込まれている。
図15に示すコーナースパウト付き袋の製造装置は、気体吹込封入装置75とスパウト取付装置76、及び両装置の間に設置された袋供給装置77を含む。
【0059】
気体吹込封入装置75では、コンベアマガジン式袋供給装置78から供給された袋79を水平面内で袋幅方向に沿って間欠的に移送し、その移送の過程で、袋79に形成された吹込開口からエアバッグ部内に気体を吹き込み、次いで前記吹込開口をシールして、同エアバッグ部内に加圧気体を封入する。袋79は、
図16(a)に示すように平面視四角形の3方シール袋であり、一方の側縁部に上下方向にエアバッグ部81が形成され、その上端部に前記吹込開口が形成されている。
【0060】
袋79のようなエアバッグ付き袋は、例えば特開2009−12800号公報、特開2007−118961号公報に記載されている。これらの公報に記載された気体吹込方法及び装置並びにシール方法及び装置等は、いずれも縦型(袋の両縁を左右のグリッパーで把持し、袋を垂直に吊り下げた状態で間欠的に移送しながら、エアバッグ部に気体を吹き込み封入するタイプ)であるが、これを横型(袋を水平面内で間欠的に移送しながら、エアバッグ部に気体を吹き込み封入するタイプ)に変換することにより、気体吹込封入装置75に適用し得る。
【0061】
気体吹込封入装置75によりエアバッグ部81内に気体が封入された袋79は、袋供給装置77に水平状態のまま送られ、次いで、袋供給装置77により、スパウト取付装置76の2組の左右一対のグリッパー(71a,71b,72a,72b)に、1枚ずつ(計2枚)同時に供給される。より具体的にいうと、袋供給装置77は、気体吹込封入装置75から送られてきた袋79の上面を吸盤82,82で吸着し、袋79を水平状態(袋面が水平面内)から垂直状態(袋面が鉛直面内)に変換すると同時に、その供給過程において袋79を袋面に沿って所定角度(角度θ1)回転させる。
従って、
図16(a)に示すように、袋79は、袋供給装置77からスパウト取付装置76のグリッパー71a,71b(把持部16,16)へ、鉛直方向に対し所定角度(角度θ1)傾斜した状態で供給される。また、袋供給装置77からグリッパー71a,71b(把持部16,16)へ供給される袋79は、各把持部16の把持代が左右でほぼ均等になるように水平方向位置が調整されている。一方、グリッパー71a,71b(把持部16,16)の配置は前記偏心配置とされており、グリッパー71a,71b(把持部16,16)の中心を通る鉛直面(中心面M1)は、前記基準面N1に対し変位量Dbだけずれている(
図14参照)。なお、
図16には図示していないが、袋79はもう1組の左右一対のグリッパー72a,72bにも同様の形態で供給され、グリッパー72a,72bの配置も同じく偏心配置とされている。
【0062】
スパウト取付装置76の袋移送装置において、2組のグリッパー71a,71b,72a,72bは、所定の移動経路に沿って等角度ずつ間欠回転し、一回転する間に9回停止し、把持した袋79に対し、各停止位置に配置された各装置により、種々のスパウト取付工程が実施される。
1番目の停止位置(停止位置I)を、袋79が供給される停止位置としたとき、2番目の停止位置(停止位置II)の近傍にはコーナーカット装置83が配置され、3番目の停止位置(停止位置III)の近傍には開口装置84が配置されている。4番目の停止位置(停止位置IV)の近傍には、パーツフィーダー85とスパウト挿入・仮シール装置86が配置され、5番目の停止位置(停止位置V)の近傍には第1シール装置87、6番目の停止位置(停止位置VI)の近傍には第2シール装置88、7番目の停止位置(停止位置VII)の近傍には第3シール装置89が配置されている。また、8番目の停止位置(停止位置VIII)の近傍には冷却装置91が配置され、9番目の停止位置(停止位置IX)の近傍には、袋排出装置92及びコンベア93が配置されている。94は気体吹込封入装置75、スパウト取付装置76及び袋供給装置77の全てを制御する制御装置を示す。
【0063】
図16を参照して、スパウト取付装置76で行われるスパウト取付工程について説明する。
袋79を把持したグリッパー71a,71bが停止位置IIに停止すると、コーナーカット装置83が作動し、
図16(b)に示すように、袋79のコーナー部が切除され、水平なコーナー部開口95が形成される。コーナー部開口95は、袋79の幅方向に対しては角度θ2だけ傾斜している。先に述べた角度θ1は、袋79に形成する予定のコーナー部開口95の傾斜角度θ2(θ1=θ2)を元に設定される。
停止位置IIIでは、開口装置84が作動し、
図16(c)に示すように、一対の吸盤96が前進して袋79の両面に吸着し、次いで後退してコーナー部開口95を開口する。
【0064】
停止位置IVでは、スパウト挿入・仮シール装置86が作動し、
図16(d)に示すように、コーナー部開口95の中心にスパウト96を挿入し、次いでスパウト96を袋79の両面に仮シールする。
停止位置V〜VIIでは、各シール装置87〜89が作動し、
図16(e)に示すように、スパウト96を袋79の両面にシールすると同時に、袋78の両面を互いにシールする。
図16(e)において、97は熱板である。
【0065】
停止位置VIIIでは、冷却装置91が作動し、
図16(f)に示すように、シール部を冷却する。
図16(f)において、98は熱板である。
停止位置IXでは、袋排出装置92が作動し、2組の左右一対のグリッパー(71a,71b,72a,72b)から2枚の袋(コーナースパウト付き袋)79を受け取り、コンベア93上に2列に配列させる。コンベア93上では、後続の袋が先行の袋の下に入り(特開平8−337217号公報の
図7参照)、袋幅の1/3ほど袋幅方向にずれた状態で多数の袋が堆積(袋群79A)している。コンベア93は、図示しない充填装置にコーナースパウト付き袋79(袋群79A)を供給するコンベアマガジン式給袋装置のコンベアであり、堆積した袋群79Aはこのまま充填装置に供給される。