特開2015-14814(P2015-14814A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-14814(P2015-14814A)
(43)【公開日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20141219BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20141219BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-217607(P2014-217607)
(22)【出願日】2014年10月24日
(62)【分割の表示】特願2012-181553(P2012-181553)の分割
【原出願日】2012年8月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0062652
(32)【優先日】2012年6月12日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ビル ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ギ
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087NA14
2H087PA05
2H087PA17
2H087PB05
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA12
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA37
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、カメラ用レンズモジュールに関する。
【解決手段】本発明によるレンズモジュールは、正の屈折力を有し、物体側の面が凸の第1レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凸の第4レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第5レンズと、を含み、上記第4レンズは条件式1を満たすことができる。[式1]f4/f<−3.0(条件式1において、fは光学系全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正の屈折力を有し、物体側の面が凸の第1レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凹の第2レンズと、
正の屈折力を有する第3レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凸の第4レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凹の第5レンズと
を含み、
各々のレンズは、物体側から像側に向かい、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズの順に配置され、
前記第4レンズは条件式1を満たす、レンズモジュール。
[式1]
f4/f<−3.0
(条件式1において、fは光学系全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【請求項2】
前記第3レンズは像側の面が凸形状である、請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
正の屈折力を有し、物体側の面が凸の第1レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凹の第2レンズと、
像側に凸のメニスカス形状の第3レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凸の第4レンズと、
負の屈折力を有し、像側の面が凹の第5レンズと
を含み、
各々のレンズは、物体側から像側に向かい、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズの順に配置され、
前記第4レンズは条件式1を満たす、レンズモジュール。
[式1]
f4/f<−3.0
(条件式1において、fは光学系全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【請求項4】
前記第1レンズと前記第4レンズは条件式2を満たす、請求項1から3の何れか1項に記載のレンズモジュール。
[式2]
20<υ1−υ4<40
(条件式2において、υ1は第1レンズのアッベ数(abbe number)であり、υ4は第4レンズのアッベ数である。)
【請求項5】
前記第1レンズと前記第4レンズは条件式3を満たす、請求項1から4の何れか1項に記載のレンズモジュール。
[式3]
f4/f1<−5.0
(条件式3において、f1は第1レンズの焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【請求項6】
条件式4を満たす、請求項1から5の何れか1項に記載のレンズモジュール。
[式4]
0.5<TL/f<2.0
(条件式4において、TLは第1レンズの物体側の面からイメージセンサの上面までの距離であり、fは光学系全体の焦点距離である。)
【請求項7】
前記第4レンズはメニスカス形状である、請求項1から6の何れか1項に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
前記第4レンズの物体側の面または前記第5レンズの像側の面には少なくとも一つの変曲点が形成される、請求項1から7の何れか1項に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用レンズモジュールに関し、より詳細には、高解像度の性能及び明るい光学系を具現することができるレンズモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯端末機は、画像通話及び写真撮影が可能であるように、カメラを備えている。また、携帯端末機においてカメラが占める機能が益々拡大するに伴い、携帯端末機用カメラの高解像度及び高性能化に対する要求が益々高まっている。
【0003】
ところで、携帯端末機は益々小型化及び軽量化する傾向にあるため、高解像度及び高性能のカメラを具現するには限界がある。
【0004】
このような問題点を解消するために、最近は、カメラのレンズをガラスより軽いプラスチック材質で製作しており、高解像度を具現するために、4枚以上のレンズでレンズモジュールを構成している。
【0005】
しかし、プラスチック材質のレンズは、ガラス材質のレンズに比べ、色収差を改善しにくいだけでなく、相対的に明るい光学系を具現することが困難である。
【0006】
一方、高解像度のカメラを具現するためのレンズモジュールに関する先行技術として、特許文献1及び2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】KR2012‐018573A
【特許文献2】KR2007‐097369A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような問題点を解決するためのものであり、高解像度の性能及び明るい光学系を具現することができるレンズモジュールを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を果たすための本発明の一実施例によるレンズモジュールは、正の屈折力を有し、物体側の面が凸の第1レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凸の第4レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第5レンズと、を含み、上記第4レンズは条件式1を満たすことができる。
【0010】
[式1]
f4/f<−3.0
(条件式1において、fは光学系全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0011】
本発明の一実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第1レンズと上記第4レンズは条件式2を満たすことができる。
【0012】
[式2]
20<υ1−υ4<40
(条件式2において、υ1は第1レンズのアッベ数(abbe number)であり、υ4は第4レンズのアッベ数である。)
【0013】
本発明の一実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第1レンズと上記第4レンズは条件式3を満たすことができる。
【0014】
[式3]
f4/f1<−5.0
(条件式3において、f1は第1レンズの焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0015】
本発明の一実施例によるレンズモジュールは、条件式4を満たすことができる。
【0016】
[式4]
0.5<TL/f<2.0
(条件式4において、TLは第1レンズの物体側の面からイメージセンサの上面までの距離であり、fは光学系全体の焦点距離である。)
【0017】
本発明の一実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第3レンズは像側の面が凸形状であることができる。
【0018】
本発明の一実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第4レンズはメニスカス形状であることができる。
【0019】
本発明の一実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第5レンズの像側の面には少なくとも一つの変曲点が形成されることができる。
【0020】
上記目的を果たすための本発明の他の実施例によるレンズモジュールは、正の屈折力を有し、物体側の面が凸の第1レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第2レンズと、像側に凸のメニスカス形状の第3レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凸の第4レンズと、負の屈折力を有し、像側の面が凹の第5レンズと、を含み、上記第4レンズは条件式1を満たすことができる。
【0021】
[式1]
f4/f<−3.0
(条件式1において、fは光学系全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0022】
本発明の他の実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第1レンズと上記第4レンズは条件式2を満たすことができる。
【0023】
[式2]
20<υ1−υ4<40
(条件式2において、υ1は第1レンズのアッベ数(abbe number)であり、υ4は第4レンズのアッベ数である。)
【0024】
本発明の他の実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第1レンズと上記第4レンズは条件式3を満たすことができる。
【0025】
[式3]
f4/f1<−5.0
(条件式3において、f1は第1レンズの焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0026】
本発明の他の実施例によるレンズモジュールは条件式4を満たすことができる。
【0027】
[式4]
0.5<TL/f<2.0
(条件式4において、TLは第1レンズの物体側の面からイメージセンサの上面までの距離であり、fは光学系全体の焦点距離である。)
【0028】
本発明の他の実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第3レンズは像側の面が凸形状であることができる。
【0029】
本発明の他の実施例によるレンズモジュールにおいて、上記第5レンズの像側の面には少なくとも一つの変曲点が形成されることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のレンズモジュールは、高解像度のカメラ及び明るい光学系を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施例によるレンズモジュールの構成図である。
図2】(a)、(b)及び(c)は図1に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
図3】本発明の第2実施例によるレンズモジュールの構成図である。
図4】(a)、(b)及び(c)は図3に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
図5】本発明の第3実施例によるレンズモジュールの構成図である。
図6】(a)、(b)及び(c)は図5に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
図7】本発明の第4実施例によるレンズモジュールの構成図である。
図8】(a)、(b)及び(c)は図7に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
図9】本発明の第5実施例によるレンズモジュールの構成図である。
図10】(a)、(b)及び(c)は図9に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の例示図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
以下で本発明を説明するにあたり、本発明の構成要素を指称する用語はそれぞれの構成要素の機能を考慮して命名されたものであるため、本発明の技術的構成要素を限定する意味で理解されてはならない。
【0034】
参考までに、本明細書において、前側とはレンズモジュールにおいて物体側に近い方向を意味し、後側とはレンズモジュールにおいてイメージセンサに近い方向を意味するということを明らかにしておく。また、それぞれのレンズにおいて、第1面は物体側に近い面を意味し、第2面は像側に近い面を意味するということを明らかにしておく。
【0035】
図1は本発明の第1実施例によるレンズモジュールの構成図であり、図2図1に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフであり、図3は本発明の第2実施例によるレンズモジュールの構成図であり、図4図3に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフであり、図5は本発明の第3実施例によるレンズモジュールの構成図であり、図6図5に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフであり、図7は本発明の第4実施例によるレンズモジュールの構成図であり、図8図7に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフであり、図9は本発明の第5実施例によるレンズモジュールの構成図であり、図10図9に図示されたレンズモジュールの収差特性を示したグラフである。
【0036】
本発明によるレンズモジュール100は、第1レンズ10と、第2レンズ20と、第3レンズ30と、第4レンズ40と、第5レンズ50と、を含み、選択的に、絞り、フィルタ部材60及びイメージセンサ70をさらに含むことができる。第1レンズ10から第5レンズ50は、物体側(即ち、被写体または撮影対象物)から像側(即ち、イメージセンサ)の方に、順に配置されることができる。
【0037】
第1レンズ10、第2レンズ20、第3レンズ30、第4レンズ40及び第5レンズ50は、プラスチック材質で製作されることができる。このように、全てのレンズ10、20、30、40、50がプラスチック材質で製作されると、レンズモジュール100の製造コストを軽減させることができ、レンズモジュール100の大量生産に有利である。また、レンズ10、20、30、40、50をプラスチック材質で製作すると、レンズ面S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9、S10の加工が容易であるため、レンズ面を球面または非球面で形成することができる。
【0038】
第1レンズ10は、レンズモジュール100において物体側に最も近く配置されることができる。
【0039】
第1レンズ10は、全体的に正の屈折力を有することができる。また、第1レンズ10の第1面S1は物体側に凸形状であることができ、第2面S2は像側に凸形状であることができる。さらに説明すると、第1面S1は第2面S2より凸形状であることができる。
【0040】
第1レンズ10の第1面S1と第2面S2のうち少なくとも一つは非球面であることができる。しかし、必要に応じて、第1レンズ10の第1面S1と第2面S2の両方が非球面であることもできる。
【0041】
第2レンズ20は第1レンズ10の後側(像側方向)に配置されることができる。第2レンズ20は、全体的に負の屈折力を有することができ、第1レンズ10と同様に、プラスチック材質で製作されることができる。
【0042】
第2レンズ20の第1面S3は物体側に凸形状であることができ、第2面S4は凹形状であることができる。また、第2レンズ20は少なくとも一つの非球面を有することができる。例えば、第2レンズ20の第1面S3と第2面S4のうち少なくとも一つは非球面であることができる。しかし、必要に応じて、第2レンズ20の第1面S3と第2面S4の両方が非球面であることもできる。
【0043】
第2レンズ20は下記式1を満たすアッベ数(abbe number)を有することができる。
【0044】
[数1]
υ2<40
(ここで、υ2は第2レンズのアッベ数(abbe number)である。)
【0045】
このように第2レンズ20のアッベ数が40未満であると、第1レンズ10によって生じる色収差を効果的に補正することができる。ここで、第2レンズ20のアッベ数が40より大きいと、第1レンズ10のアッベ数と第2レンズ20のアッベ数との間の偏差が小さくなるため(通常、第1レンズ10のアッベ数は50〜60である)、第2レンズ20による色収差の補正効果が劣る恐れがある。従って、第2レンズ20のアッベ数は、上記式1で提案したように40未満に製作することが好ましい。第2レンズ20のアッベ数は20〜30であることができる。
【0046】
第3レンズ30は第2レンズ20の後側に配置されることができる。第3レンズ30は、全体的に正の屈折力を有することができ、プラスチック材質で製作されることができる。しかし、第3レンズ30は、必要に応じて、負の屈折力を有することもできる。
【0047】
第3レンズ30の第1面S5は凹形状であることができ、第2面S6は像側に凸形状であることができる。すなわち、第3レンズ30は、メニスカス形状であることができる。一方で、第3レンズ30の第1面S5は、場合に応じて、物体側に凸形状であることもできる(第3実施例の図5参照)。
【0048】
一方、上述の第2レンズ20と第3レンズ30は下記式2を満たすことができる。
【0049】
[数2]
−3.0<f3/f2<−0.3
(ここで、f2は第2レンズ20の焦点距離であり、f3は第3レンズ30の焦点距離である。)
【0050】
レンズモジュールにおいて、f3/f2の値が上記式2の下限値未満であると、第2レンズの屈折力が強くなり、第2レンズの製作が困難となる恐れがある。同様に、レンズモジュールにおいてf3/f2の値が上記式2の上限値を超過すると、第3レンズの屈折力が強くなり、第3レンズの製作が困難となる恐れがある。
【0051】
従って、レンズモジュールの大量生産のためには、上記式2による条件を満たすことが好ましい。
【0052】
第4レンズ40は第3レンズ30の後側に配置されることができる。第4レンズ40は、負の屈折力を有することができ、プラスチック材質で製作されることができる。
【0053】
第4レンズ40の第1面S7は凹形状であることができ、第2面S8は像側に凸形状であることができる。また、第4レンズ40は、全体的に像側に凸のメニスカス形状であることができる。
【0054】
第4レンズ40は下記式3〜5を満たすことができる。
【0055】
[数3]
20<υ1―υ4<40
(ここで、υ1は第1レンズのアッベ数であり、υ4は第4レンズのアッベ数である。)
【0056】
上記式3はレンズモジュールの色収差に関する限定条件であることができる。即ち、上記式3の条件を満たすようにレンズモジュールを製作すると、第1レンズ10と第4レンズ40による色収差の補正効果を高めることができる。しかし、υ1−υ4の値が上記式3の下限値未満であると、ガラス材質のレンズを用いなければならないため、レンズモジュール100の製作コストが上昇するという短所がある。また、υ1−υ4の値が上記式3の上限値を超過すると、色収差の補正効果が低下して、高解像度が具現されたレンズモジュールの製作が困難となる。
【0057】
[数4]
f4/fa<−5.0
(ここで、f1は第1レンズの焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0058】
上記式4は第4レンズの屈折力を制限するための限定条件であることができる。即ち、f4/f1の値が上記式4の上限値を超過すると、レンズモジュールで占める第4レンズ40の屈折力が強くなり、レンズモジュール100の解像力が低下するか、またはレンズモジュール100の全体長さ(即ち、全体光学系の長さ)が長くなる恐れがある。
【0059】
[数5]
f4/f<−3.0
(ここで、fはレンズモジュール全体の焦点距離であり、f4は第4レンズの焦点距離である。)
【0060】
上記式5は上記式4と同様に、第4レンズの屈折力を制限するための限定条件であることができる。即ち、f4/fの値が上記式5の上限値を超過すると、レンズモジュールで占める第4レンズ40の(負の)屈折力が強くなり、レンズモジュール100の解像力が低下するか、またはレンズモジュール全体の焦点距離が短くなりすぎて、歪曲補正が困難となる(または、レンズモジュールの画角が大きくなりすぎて、歪曲現象が発生する恐れがある)。
【0061】
従って、レンズモジュール100の全体長さを減少させるためには、上記式4及び上記式5の両方を満たすことが好ましい。
【0062】
第5レンズ50は第4レンズ40の後側に配置されることができる。第5レンズ50は、負の屈折力を有することができ、プラスチック材質で製作されることができる。
【0063】
第5レンズ50の第1面S9は、光軸C‐Cと交差する部分が物体側に凸形状であり、光軸C‐Cの周辺部が凹形状であることができる。また、第5レンズ50の第2面S10は、光軸C‐Cと交差する部分が凹形状であり、光軸C‐Cの周辺部が凸形状であることができる。即ち、第5レンズ50の第1面S9と第2面S10には、一つ以上の変曲点が形成されることができる。
【0064】
フィルタ部材60は第5レンズ50の後側に配置されることができる。フィルタ部材60は、両面が平面であることができ、プラスチック以外の材質で製作されることができる。例えば、フィルタ部材60は、ガラス材質で製作されることができる。
【0065】
フィルタ部材60は赤外線を遮断することができる。そのために、フィルタ部材60の少なくとも一面には、IR遮光フィルムが付着されるか、またはIR遮光膜がコーティングされることができる。一方、フィルタ部材60は、レンズモジュール100の種類によって省略されることができる。
【0066】
イメージセンサ70はフィルタ部材60の後側に配置されることができる。
【0067】
イメージセンサ70は、レンズ10、20、30、40、50を介して入射された被写体の像を電気的信号に変換することができる。イメージセンサ70は、CCD、CMOSが用いられることができ、CSP(Chip Scale Package)形態に製作されることができる。
【0068】
絞り(不図示)は、第1レンズ10の前側または第1レンズ10と第2レンズ20との間に配置されることができる。しかし、絞りは必要に応じて省略されることができる。
【0069】
このように構成されたレンズモジュール100は下記式6を満たすことができる。
【0070】
[数6]
0.5<TL/f<2.0
(ここで、TLは全体光学系の長さ(第1レンズの第1面S1からイメージセンサ70の上面までの長さ)であり、fは全体光学系の焦点距離である。)
【0071】
上記式6はレンズモジュールの画角及び長さを限定するための数値であることができる。即ち、TL/f値が上記式6の下限値未満であると、レンズモジュール100の画角を確保することが困難となる。これと反対に、TL/f値が上記式6の上限値を超過すると、レンズモジュール100の長さ(即ち、TL)が長くなり、小型レンズモジュール100の製作が困難となる。
【0072】
一方、上述の第1レンズ10から第4レンズ40の少なくとも一面は非球面であることができる。これらレンズの非球面係数は、下記式7により計算されることができる。
【0073】
【数7】
(ここで、cは曲率(1/曲率半径)であり、hはレンズの中央から特定位置までの半径であり、Kはコーニック(conic)係数、Aは4次係数、Bは6次係数、Cは8次係数、Dは10次係数、Eは12次係数、Fは14次係数であり、Zは特定位置でのサグ(sag)である。)
【0074】
参考までに、それぞれの実施例に対するK、A、B、C、D、E、Fの値は表2、4、6、8、10に記載している。
【0075】
このように構成されたレンズモジュール100は、上記式1〜5による数値の限定により、高解像度を具現することができるだけでなく、小型化が可能となる。
【0076】
また、本レンズモジュール100は、上記式4及び式5によって第4レンズ40の焦点距離を限定することにより、レンズモジュール100の明るさを向上させることができる。
【0077】
下記表1〜表10は、上記のような構成を有するレンズモジュール100の様々な実施例に対する数値を示した表である。
【0078】
(第1実施例)
図1及び図2を参照して、第1実施例によるレンズモジュール100について説明する。
【0079】
第1実施例によるレンズモジュール100は、正の屈折力を有する第1レンズ10と、負の屈折力を有する第2レンズ20と、正の屈折力を有する第3レンズ30と、負の屈折力を有する第4レンズ40と、負の屈折力を有する第5レンズ50と、を含むことができる。
【0080】
【表1】
【0081】
本レンズモジュール100において、第1レンズ10の焦点距離(f1)は2.91mmであり、第2レンズ20の焦点距離(f2)は−5.68mmであり、第3レンズ30の焦点距離(f3)は8.44mmであり、第4レンズ40の焦点距離(f4)は−25.61mmであり、第5レンズ50の焦点距離(f5)は−12.01mmであり、全体焦点距離(f)は4.12mmであり、F No.は2.40である。また、TLは4.77mmであって、添付された実施例のうち第2実施例とともに最も短い。
【0082】
【表2】
【0083】
(第2実施例)
図3及び図4を参照して、第2実施例によるレンズモジュール100について説明する。
【0084】
第2実施例によるレンズモジュール100は、正の屈折力を有する第1レンズ10と、負の屈折力を有する第2レンズ20と、正の屈折力を有する第3レンズ30と、負の屈折力を有する第4レンズ40と、負の屈折力を有する第5レンズ50と、を含むことができる。
【0085】
【表3】
【0086】
本レンズモジュール100において、第1レンズ10の焦点距離(f1)は2.86であり、第2レンズ20の焦点距離(f2)は−5.50であり、第3レンズ30の焦点距離(f3)は7.85であり、第4レンズ40の焦点距離(f4)は−100.00であり、第5レンズ50の焦点距離(f5)は−8.24であり、全体焦点距離(f)は4.12であり、F No.は2.40である。また、TLは4.77であって、第1実施例とともに最も短い。
【0087】
【表4】
【0088】
(第3実施例)
図5及び図6を参照して、第3実施例によるレンズモジュール100について説明する。
【0089】
第3実施例によるレンズモジュール100は、正の屈折力を有する第1レンズ10と、負の屈折力を有する第2レンズ20と、正の屈折力を有する第3レンズ30と、負の屈折力を有する第4レンズ40と、負の屈折力を有する第5レンズ50と、を含むことができる。
【0090】
ここで、第3レンズ30の第1面S5は、他の実施例と異なって、物体側に凸形状であることができる。また、第4レンズ40は、図5に図示されたように、光軸C‐Cの周辺部で変曲点を有する形状であることができる。
【0091】
【表5】
【0092】
本レンズモジュール100において、第1レンズ10の焦点距離(f1)は3.23であり、第2レンズ20の焦点距離(f2)は−5.85であり、第3レンズ30の焦点距離(f3)は5.46であり、第4レンズ40の焦点距離(f4)は−100.00であり、第5レンズ50の焦点距離(f5)は−6.31であり、全体焦点距離(f)は4.16である。また、F No.は2.20であって、第1実施例及び第2実施例に比べ明るい。但し、TLは4.87であって、第1実施例及び第2実施例に比べやや長い。
【0093】
【表6】
【0094】
(第4実施例)
図7及び図8を参照して、第4実施例によるレンズモジュール100について説明する。
【0095】
第4実施例によるレンズモジュール100は、正の屈折力を有する第1レンズ10と、負の屈折力を有する第2レンズ20と、正の屈折力を有する第3レンズ30と、負の屈折力を有する第4レンズ40と、負の屈折力を有する第5レンズ50と、を含むことができる。
【0096】
ここで、第4レンズ40は、第3実施例と同様に、光軸C‐Cの周辺部で変曲点を有する形状であることができる。
【0097】
【表7】
【0098】
本レンズモジュール100において、第1レンズ10の焦点距離(f1)は3.52であり、第2レンズ20の焦点距離(f2)は−7.55であり、第3レンズ30の焦点距離(f3)は4.46であり、第4レンズ40の焦点距離(f4)は−95.01であり、第5レンズ50の焦点距離(f5)は−5.32であり、全体焦点距離(f)は4.21である。また、F No.は2.20であり、TLは4.87である。本実施例は、第3実施例と同様に、F No.が低いが、TLは1実施例及び第2実施例に比べやや長い。
【0099】
【表8】
【0100】
(第5実施例)
図9及び図10を参照して、第5実施例によるレンズモジュール100について説明する。
【0101】
第5実施例によるレンズモジュール100は、正の屈折力を有する第1レンズ10と、負の屈折力を有する第2レンズ20と、正の屈折力を有する第3レンズ30と、負の屈折力を有する第4レンズ40と、負の屈折力を有する第5レンズ50と、を含むことができる。
【0102】
【表9】
【0103】
本レンズモジュール100において、第1レンズ10の焦点距離(f1)は3.09であり、第2レンズ20の焦点距離(f2)は−5.56であり、第3レンズ30の焦点距離(f3)は7.41であり、第4レンズ40の焦点距離(f4)は−91.69であり、第5レンズ50の焦点距離(f5)は−8.34であり、全体焦点距離(f)は4.25である。また、F No.は2.20であって、第1実施例及び第2実施例に比べ明るいが、TLは5.05であって、添付された実施例のうち最も長い。
【0104】
【表10】
【0105】
表11は上述の実施例の主要数値を示した表である。
【0106】
上述の実施例1〜5は、表11に図示されたように、上記式1〜5による数値限定を全て満たす。
【0107】
ここで、第1実施例及び第2実施例は他の実施例より相対的に短いTLを提供することができ、第3実施例から第5実施例は比較的明るいレンズモジュールを提供することができる。
【0108】
【表11】
【0109】
本発明は、以上で説明した実施例のみに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求範囲に記載された本発明の技術的思想の旨を外れない範囲内で、多様に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0110】
10 第1レンズ
20 第2レンズ
30 第3レンズ
40 第4レンズ
50 第5レンズ
60 フィルタ部材
70 イメージセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10