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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-149021(P2015-149021A)
(43)【公開日】2015年8月20日
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150724BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   G06Q30/02 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-22771(P2014-22771)
(22)【出願日】2014年2月7日
【新規性喪失の例外の表示】申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 理
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 悠
(72)【発明者】
【氏名】甲賀 晶子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和也
(72)【発明者】
【氏名】山口 佳代子
(72)【発明者】
【氏名】神山 歩相名
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザの興味等に応じた情報を提供すること。
【解決手段】特定の条件が満たされた場合に、通信端末に対するユーザの操作の履歴に応じた情報を通信端末へ送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の条件が満たされた場合に、通信端末に対するユーザの操作の履歴に応じた情報を前記通信端末へ送信する情報提供部を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記通信端末は、施設に訪れたユーザによって携帯される通信端末であり、
前記通信端末と無線通信を行う中継装置と前記通信端末とが無線通信を開始したことを示す接続通知を受信する通信部をさらに備え、
前記情報提供部は、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報に既にアクセスしている場合に、前記通信端末へ特典関連情報を送信し、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報にアクセスしていない場合に、前記通信端末へ前記特典関連情報を送信しない請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記接続通知に応じて、複数の施設に共通の通知情報を前記通信端末に送信し、前記通信端末から前記通知情報に応じた情報の要求を受けた場合に、前記特典関連情報を送信するか否か判定する、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記情報提供部は、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報にアクセスしていない場合に、前記施設に関する情報を送信する、請求項2又は3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
特定の条件が満たされた場合に、通信端末に対するユーザの操作の履歴に応じた情報を前記通信端末へ送信する情報提供ステップを有する情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対し情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実店舗にて利用可能なクーポン(特典情報)を、ネットワークを介して通信端末に提供するサービスが提供されている(例えば、特許文献1参照)。ユーザは、所持している通信端末を操作することによって、ネットワークを介して所望の店舗で利用可能な特典情報を取得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−16911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施設は、クーポン等の特典情報を集客目的に提供している。しかし、特典情報を閲覧しないにも関わらず施設に訪れたユーザ(つまり特典情報に興味のないユーザ)にとっては、施設の特典情報は不要である。したがって、施設にとっては、このようなユーザに対し特典情報を提供する必要が無い。特典情報に興味のないユーザに不必要に特典情報を提供し、特典情報が濫用されると、施設または特典情報の発行元の収益が減少してしまう問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、ユーザの興味等に応じた情報を提供することを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、特定の条件が満たされた場合に、通信端末に対するユーザの操作の履歴に応じた情報を前記通信端末へ送信する情報提供部を備える情報提供装置である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記通信端末は、施設に訪れたユーザによって携帯される通信端末であり、前記通信端末と無線通信を行う中継装置と前記通信端末とが無線通信を開始したことを示す接続通知を受信する通信部をさらに備え、前記情報提供部は、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報に既にアクセスしている場合に、前記通信端末へ特典関連情報を送信し、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報にアクセスしていない場合に、前記通信端末へ前記特典関連情報を送信しない。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記情報提供部は、前記接続通知に応じて、複数の施設に共通の通知情報を前記通信端末に送信し、前記通信端末から前記通知情報に応じた情報の要求を受けた場合に、前記特典関連情報を送信するか否か判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記情報提供部は、前記接続通知の送信元である前記通信端末が前記施設の特典関連情報にアクセスしていない場合に、前記施設に関する情報を送信する。
【0009】
本発明の一態様は、特定の条件が満たされた場合に、通信端末に対するユーザの操作の履歴に応じた情報を前記通信端末へ送信する情報提供ステップを有する情報提供方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ユーザの興味等に応じた情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通信システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。
図2】通信端末10の機能構成を表す概略ブロック図である。
図3】施設情報が表示された画面の例を示す図である。
図4】特典情報が表示された画面の例を示す図である。
図5】補助情報が表示された画面の例を示す図である。
図6】通知情報が表示された画面の例を示す図である。
図7】SSIDテーブルの具体例を示す図である。
図8】情報提供装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。
図9】提供情報テーブルの具体例を示す図である。
図10】AP情報テーブルの具体例を示す図である。
図11】ユーザ情報テーブルの具体例を示す図である。
図12】通信端末10が特典関連情報にアクセスする際の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
図13】通信端末10を携帯するユーザ20が施設40を訪れた際の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[概略]
通信システムでは、ユーザの興味等に応じた情報を提供する。このように情報が提供されることにより、よりユーザにとって興味のある有用な情報を提供することが可能となる。
上記構成の一具体例として、以下に説明する通信システムでは、店舗に訪れたユーザの通信端末に対して特典関連情報(特典情報そのもの、又は、ユーザが特典情報を取得しやすくするための情報(以下、「補助情報」という。))を提供するか否かについて、店舗を訪れる前にユーザが所定の情報にアクセスしているか否かに基づいて判定される。
このように判定がなされることにより、クーポンの利用率を必要以上に向上させないことが可能となる。
【0013】
[詳細]
図1は、通信システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。
通信端末10は、ユーザ20によって携帯される通信装置である。通信端末10は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、携帯型ゲーム機である。通信端末10は、中継装置30と無線通信可能である。通信端末10は、中継装置30及びネットワーク60を介して情報提供装置50と通信する。
【0014】
ユーザ20は、通信端末10を携帯し、中継装置30が設置されている施設40に訪れる。
中継装置30は、通信端末10とネットワーク60との間の通信を中継する中継装置である。中継装置30は、例えば無線LANのアクセスポイントである。通信システム1には、複数の中継装置30(中継装置30−1及び中継装置30−2)が設置される。各中継装置30は、施設40と対応付けて設置される。中継装置30と施設40との対応関係に関する情報は、情報提供装置50に記憶されている。
【0015】
中継装置30が通信端末10と通信可能な距離は、例えば中継装置30が設置される施設40の領域と同程度であることが好ましい。このように構成された場合、中継装置30と通信可能である通信端末10のユーザについて、施設40を訪れているユーザであると判定できる。同様に、中継装置30と通信可能でない通信端末10のユーザについて、施設40の外に位置していると判定できる。
【0016】
施設40は、ユーザに対して何らかのサービスを提供する施設である。施設40においてユーザに提供されるサービスはどのようなものであってもよい。サービスは、例えば飲食物の提供、映像の提供、スポーツ観戦や演劇鑑賞の提供、商品の販売、交通機関による移動であってもよい。
【0017】
情報提供装置50は、ネットワーク60を介して通信端末10に対して特典情報を送信する。情報提供装置50は、サーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。
【0018】
ネットワーク60は、中継装置30と情報提供装置50とを通信可能に接続するネットワークである。ネットワーク60は、例えば公衆無線LANを含むネットワークである。
【0019】
図2は、通信端末10の機能構成を表す概略ブロック図である。通信端末10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。通信端末10は、情報取得プログラムを実行することによって、通信部101、SSID記憶部102、通信制御部103、入力部104、出力部105及び制御部106を備える装置として機能する。なお、通信端末10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。情報取得プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。情報取得プログラムは、電気通信回線を介して提供されても良い。SSID記憶部102及び通信制御部103は、情報取得プログラムが通信端末10において起動されることによって動作を開始してもよい。
【0020】
通信部101は、中継装置30と無線通信する。通信部101は、例えば、中継装置30との間で無線LANで通信を行ってもよい。
【0021】
SSID記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。SSID記憶部102は、予め通信部101を介して取得されたSSIDテーブルを記憶する。
【0022】
通信制御部103は、通信部101が無線通信を行う通信先を制御する。通信制御部103は、SSIDテーブルに登録されているSSIDの無線LANネットワークが検出されると、検出された無線LANネットワークに接続するように通信部101を制御する。
【0023】
入力部104は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部104は、ユーザの指示を通信端末10に入力する際にユーザによって操作される。入力部104は、入力装置を通信端末10に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部104は、入力装置においてユーザの入力に応じ生成された入力信号を通信端末10に入力する。
【0024】
出力部105は、通信端末10に設けられた出力装置であり、通信端末10のユーザに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。出力部105は、例えば施設情報、特典関連情報、通知情報などを表示する。
【0025】
制御部106は、通信端末10を制御する。例えば、制御部106は、入力部104に対するユーザ20の操作に応じて送信データを生成し、生成された送信データを通信部101を介してネットワーク60へ送信する。例えば、制御部106は、通信部101を介して受信された情報(例えば、特典情報)を出力部105に表示させる。
【0026】
図3は、施設情報が表示された画面の例を示す図である。施設情報は、特典関連情報を含まない情報であり、施設40に関する情報を表す。出力部105の画面には、施設40の名称(例えば“Xそば店”)と、施設40に関連する情報が表示される。図3の例では、施設40に関連する情報として、施設40にて提供される食事の画像と、施設40の電話番号と、施設40の地図を表すページへのリンクと、施設40の紹介文と、が表示される。
【0027】
図4は、特典情報が表示された画面の例を示す図である。出力部105の画面には、施設40の名称(例えば“Xそば店”)と、施設40にて利用可能な特典情報が表示される。図4の例では、特典情報として、“クーポン”の文字と、“お会計から15%OFF!”の文字とが表示される。ユーザ20は、通信端末10の出力部105の画面に表示された特典情報を施設40の店員に提示することによって、特典を受ける事ができる。
【0028】
図5は、補助情報が表示された画面の例を示す図である。出力部105の画面には、施設40の名称(例えば“Xそば店”)と、施設40に関連する情報(電話番号及び紹介文)と、施設40にて利用可能な特典情報を表すページへのリンク81と、が表示される。ユーザ20が入力部104を操作することによってリンク81を選択すると、リンク先である特典情報が表示される画面のデータを、通信端末10が情報提供装置50に要求する。情報提供装置50は、この要求に応じて、特典情報が表示される画面のデータ(例えば図4に示される画面のデータ)を生成し、通信端末10に送信する。その結果、通信端末10の出力部105には、図4に示されるような特典情報が表示される。
【0029】
図6は、通知情報が表示された画面の例を示す図である。通知情報は、ユーザ20が施設40を訪れた際に、情報提供装置50から通信端末10に送信される情報である。出力部105の画面には、施設情報又は特典関連情報が表示される画面へのリンク82が表示される。ユーザ20が入力部104を操作することによってリンク82を選択すると、通信端末10が情報提供装置50にリンク先の情報を要求する。その後、施設情報が表示される画面のデータと、特典関連情報が表示される画面のデータと、リンク先としてどちらを送信すべきか情報提供装置50が判定する。情報提供装置50は、その判定結果に応じて画面のデータを生成し、通信端末10に送信する。その結果、通信端末10の出力部105には、図3図5のいずれかに示されるような画面が表示される。
【0030】
図7は、SSIDテーブルの具体例を示す図である。SSIDテーブルは、中継装置30を介して接続可能な無線LANネットワークの識別情報(SSID)と、各無線LANネットワークに接続する際に用いられるパスワードと、の組み合わせを表す。
【0031】
図8は、情報提供装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。情報提供装置50は、1台又は複数台の情報処理装置によって構成される。例えば、情報提供装置50が一台の情報処理装置で構成される場合、情報処理装置は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、情報提供プログラムを実行する。情報提供プログラムの実行によって、情報処理装置は、通信部501、情報提供部502、提供情報記憶部503、AP情報記憶部504及びユーザ情報記憶部505を備える装置として機能する。なお、情報提供装置50の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、情報提供装置50は、専用のハードウェアによって実現されても良い。情報提供プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、半導体記憶装置等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。情報提供プログラムは、電気通信回線を介して提供されても良い。
【0032】
通信部501は、ネットワーク60を介して通信端末10と通信する。
情報提供部502は、通信部501を介して、通信端末10に対し提供情報を提供する。
提供情報記憶部503は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。提供情報記憶部503は、提供情報テーブルを記憶する。提供情報テーブルには、情報提供部502によって通信端末10に提供される施設情報及び特典関連情報が施設40毎に登録されている。
【0033】
AP情報記憶部504は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。AP情報記憶部504は、AP情報テーブルを記憶する。AP情報テーブルには、各中継装置30に関する情報が登録されている。
ユーザ情報記憶部505は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。ユーザ情報記憶部505は、ユーザ情報テーブルを記憶する。ユーザ情報テーブルには、各ユーザ20に関する情報が登録されている。また、ユーザ情報テーブルには、各ユーザ20が、各施設40の特典関連情報にアクセスしたか否かを示す情報が登録されている。
【0034】
図9は、提供情報テーブルの具体例を示す図である。提供情報テーブルは、施設40と、その施設40に関する施設情報及び特典関連情報との対応関係を表すテーブルである。提供情報テーブルは、複数のレコード91を有する。レコード91は、FID、施設情報及び特典関連情報の値を有する。FIDの値は、施設40を一意に表す識別情報である。施設情報は、同じレコード91のFIDが表す施設40に関する施設情報である。特典関連情報は、同じレコード91のFIDが表す施設40に関する特典関連情報である。
【0035】
図9の最も上に位置するレコード91によれば、Xそば店に関する施設情報として店舗情報1が登録されており、特典関連情報としてクーポン1が登録されている。店舗情報1は、例えばXそば店の電話番号、おすすめのメニュー、提供される食事の写真などの情報である。クーポン1の情報は、例えばXそば店で利用可能なクーポンである。
【0036】
図9の上から2番目に位置するレコード91によれば、Y水族館に関する施設情報として新着情報2が登録されており、特典関連情報としてクーポン2が登録されている。新着情報2は、例えばY水族館において最近公開された魚に関する情報、Y水族館における営業時間の変更に関する情報などである。クーポン2の情報は、例えばY水族館において利用可能なクーポンである。
【0037】
図10は、AP情報テーブルの具体例を示す図である。AP情報テーブルは、各施設40に設置されている中継装置30に関する情報を表すテーブルである。AP情報テーブルは、複数のレコード92を有する。レコード92は、FID、SSID、IP、MAC及びAPIDの値を有する。FIDの値は、施設40を一意に表す識別情報である。SSIDの値は、同じレコード92のFIDが表す施設40の中継装置30を介して提供される無線LANのSSIDを表す。IPの値は、同じレコード92のFIDが表す施設40の中継装置30に割り当てられているIPアドレスを表す。MACの値は、同じレコード92のFIDが表す施設40の中継装置30に割り当てられているMACアドレスを表す。APIDの値は、同じレコード92のFIDが表す施設40の中継装置30を一意に表す識別情報である。
APIDが通信端末10から情報提供装置50に送信される処理として、以下のような処理が行われてもよい。まず、通信端末10が中継装置30に接続する。次に、通信端末10が、中継装置30のローカルのネットワーク内に設けられたAPI(APIDサーバ)にアクセスする。APIは、各中継装置30のIPアドレスと、各中継装置30のAPIDとの対応付けが定義されたテーブルを予め記憶している。APIは、テーブルを参照し、中継装置30のローカルのIPアドレスを元に、中継装置30のAPIDを通信端末10に返す。そして、通信端末10はAPIから取得したAPIDを、情報提供装置50に送信する。
【0038】
図10の最も上に位置するレコード92によれば、Xそば店に設置された中継装置30の識別情報はap1であり、IPアドレス及びMACアドレスはそれぞれxxx.xxx.xxx.xx1及びxx-xx-xx-xx-xx-x1であり、提供される無線LANのSSIDはxx1であることが分かる。図10の上から2番目に位置するレコード92によれば、Y水族館に設置された中継装置30の識別情報はap2であり、IPアドレス及びMACアドレスはそれぞれxxx.xxx.xxx.xx2及びxx-xx-xx-xx-xx-x2であり、提供される無線LANのSSIDはxx2であることが分かる。
【0039】
図11は、ユーザ情報テーブルの具体例を示す図である。ユーザ情報テーブルは、各ユーザ20に関する情報を表すテーブルである。ユーザ情報テーブルは、複数のレコード93を有する。レコード93は、ユーザID、アプリID、属性情報及びFIDの値を有する。ユーザIDの値は、ユーザ20を一意に表す識別情報である。アプリIDの値は、同じレコード93のユーザIDが表すユーザ20が利用する通信端末10にインストールされているアプリケーションに割り当てられている識別情報を表す。アプリIDは、通信端末10を一意に表す識別情報である。属性情報の値は、同じレコード93のユーザIDが表すユーザ20に関する情報(例えば、性別、年齢)を表す。FIDの値は、同じレコード93のアプリIDに対して既に特典関連情報が提供された施設40のFIDを表す。
【0040】
図11の最も上に位置するレコード93によれば、ユーザIDがu1であるユーザ20は、24歳の男性であり、所持する通信端末10にインストールされているアプリケーションにはapl−1という識別情報が割り当てられており、Xそば店及びA珈琲店の特典関連情報が既に提供されたことが分かる。図11の上から2番目に位置するレコード93によれば、ユーザIDがu2であるユーザ20は、39歳の女性であり、所持する通信端末10にインストールされているアプリケーションにはapl−2という識別情報が割り当てられており、Y水族館の特典関連情報が既に提供されたことが分かる。
【0041】
図12は、通信端末10が特典関連情報にアクセスする際の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。まず、通信端末10を利用するユーザ20が、入力部104を操作することによって、特典関連情報へのアクセスを通信端末10に指示する。通信端末10には、この指示に応じて情報提供装置50に対し、特典関連情報要求を送信する(ステップS101)。特典関連情報要求には、どの施設40の特典関連情報であるかを示す情報(例えばFID)が含まれる。
【0042】
情報提供装置50は、特典関連情報要求を受信すると、受信された特典関連情報要求によって要求されている特典関連情報を提供情報記憶部503から読み出す。情報提供装置50は、読み出された特典関連情報を、要求元である通信端末10に送信する(ステップS102)。情報提供装置50は、送信された特典関連情報に関する施設40のFIDを、送信先の通信端末10のユーザID又はアプリIDに対応付けてユーザ情報テーブルに登録する(ステップS103)。なお、ステップS101及びS102の通信は、ネットワーク60を介して行われてもよいし、不図示の一般的なネットワーク(例えば、3GやLTE等の携帯通信網、公衆回線網、光通信網など)を介して行われてもよい。
【0043】
図13は、通信端末10を携帯するユーザ20が施設40を訪れた際の動作の具体例を示すシーケンスチャートである。ユーザ20が施設40を訪れると、ユーザ20が携帯する通信端末10が、施設40に設置されている中継装置30の圏内に入る。そのため、中継装置30から送信されるBeacon(ビーコン)を通信端末10が受信する(ステップS201)。
【0044】
通信端末10は、ビーコンを受信すると、中継装置30との間で無線接続を開始する(ステップS202)。この後、通信端末10は、中継装置30及びネットワーク60を介して通信する事が可能となる。通信端末10は、情報提供装置50に対し、接続通知を送信する(ステップS203)。接続通知は、通信端末10に関する情報(例えばユーザID及びアプリID)と、接続した中継装置30に関する情報(例えばIPアドレス、MACアドレス及びAPID、SSID)と、接続が開始された日時を表す情報と、を含む。接続通知は、中継装置30及びネットワーク60を介して情報提供装置50に送信されてもよいし、不図示の一般的なネットワークを介して情報提供装置50に送信されてもよい。
【0045】
情報提供装置50は、接続通知を受信すると、接続通知の送信元である通信端末10に通知情報を送信する(ステップS204)。通知情報には、接続された中継装置30に関する情報や、この中継装置30が設置されている施設40のFIDが含まれる。
【0046】
通信端末10は、通知情報を受信すると、受信された通知情報を出力部105の画面に表示する(図6参照)。通信端末10は、リンク82が押下されるまで待機する(ステップS205−NO)。リンク82が押下されると(ステップS205−YES)、通信端末10は、リンク先情報要求を情報提供装置50に送信する(ステップS206)。送信されるリンク先情報要求には、接続された中継装置30に関する情報や、この中継装置30が設置されている施設40のFIDが含まれる。これらの情報は、通知情報から取得されてもよい。
【0047】
情報提供装置50は、リンク先情報要求を受信すると、受信されたリンク先情報要求に含まれる情報に基づいて、ユーザ20が訪れた施設40の特典関連情報に既にアクセスがなされているか否か判定する。特典関連情報にアクセスがなされていない場合、情報提供装置50は、リンク先情報として施設情報を提供することを判定する。一方、特典関連情報にアクセスがなされている場合、情報提供装置50は、リンク先情報として特典関連情報を提供することを判定する(ステップS207)。そして、情報提供装置50は、判定結果に応じたリンク先情報を通信端末10に送信する(ステップS208)。
【0048】
このように構成された通信システム1では、ユーザの興味に応じた情報を提供することが可能となる。より具体的には、ユーザが興味を持って過去にアクセスした情報に応じて、ユーザに提供する情報を判断することが可能となる。その一例として、上記の通信システム1では、特典情報の利用率を必要以上に向上させないことが可能となる。以下、詳細について説明する。
【0049】
通信システム1では、ユーザ20が施設40を訪れたタイミングで接続通知が送信される。接続通知に設定されているリンク82が押下されたことに応じて提供される情報は、ユーザ20がその施設40の特典関連情報にアクセスしているか否かに応じて判定される。ユーザ20が特典関連情報にアクセスしていなかった場合、そのユーザ20は特典関連情報の誘因力に係わらずその施設40に訪問したと推定される。すなわち、ユーザ20は、特典関連情報の存在とは異なる理由によってその施設40に訪問したと推定される。また、ユーザ20はその施設40の特典関連情報の存在を知らない可能性が高い。そのようなユーザに対し、わざわざ特典関連情報を提供することは、特典関連情報に本来期待されている誘因力が発揮されていない状態で、特典を提供することになってしまう。すなわち、施設40や特典関連情報の発行元にとっては、本来提供する必要のない特典が提供されてしまったこととなる。このような観点から、通信システム1では、ユーザ20が特典関連情報にアクセスしていなかった場合には、リンク82への応答として施設情報を提供する。すなわち、リンク82への応答としては、特典関連情報を提供しない。そのため、不必要な特典をユーザ20に提供することを抑止できる。
このように構成される通信システム1に関して、その課題を説明する。
従来は、特典情報が濫用されると、店舗又は特典情報の発行元の収益が減少してしまう場合があるという問題があった。例えば、特典情報の有無に拘わらず他の理由により店舗を訪れた者には、特典情報の誘因力が働いていない。そのため、このような者からは、本来であれば特典が無い状態で支払を受けることが可能である。しかしながら、このような者が店舗に到着後に特典情報を取得して特典情報を利用すると、店舗又は特典情報の発行元にとっては、特典情報の誘因力が働かないまま減収のみが生じてしまう。上述のとおり、通信システム1ではこのような問題を解決することが可能である。
【0050】
<変形例>
図6に示されるAP情報テーブルのレコード92は、IP、MAC及びAPIDの値を含む。しかしながら、AP情報テーブルのレコード92は、これらの値のうちいずれか一つ又は二つを含むように構成されてもよい。
上述の例では、通信端末10が第一ネットワーク60(例えばインターネット)に接続する際に、通信端末10について認証は行われていない。しかしながら、通信端末10は、第一ネットワーク60に接続する際に、不図示の認証装置から認証を受けるように構成されてもよい。この場合、通信端末10は、具体的に以下のように処理を行ってもよい。
まず、通信端末10は、SSID記憶部に記憶されている所定のSSIDに接続する。所定のSSIDに接続した後、通信端末10は、中継装置30のAPI(APIDサーバ)にアクセスし、中継装置30のAPIDを取得する。通信端末10は、自身が接続可能な中継装置30のAPIDを予め記憶している。そこで、通信端末10は、APIから取得したAPIDが、予め記憶されている上記APIDと一致する場合に、第一ネットワーク60へ接続するための認証を受ける。そして、第一ネットワーク60に接続した後、通信端末10は、各契機で提供情報を受信する。
このように構成されることにより、例えば複数の中継装置30が共通のSSIDを用いている場合であっても、所定の中継装置30を介して第一ネットワーク60に接続することが可能となる。
通信端末10は、ユーザ20による操作の履歴(例えば、ユーザ20の操作によって閲覧されたサイトの履歴)を記憶するように構成されてもよい。
【0051】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10…通信制御部, 20…ユーザ, 30…中継装置, 40…施設, 50…情報提供装置, 60…ネットワーク, 101…通信部, 102…SSID記憶部, 103…通信制御部, 104…入力部, 105…出力部, 106…制御部, 501…通信部, 502…情報提供部, 503…提供情報記憶部, 504…AP情報記憶部, 505…ユーザ情報記憶部
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