【解決手段】 発光素子4と、発光素子4が搭載されたy方向を向く搭載面としての第一底面151およびz方向を向く実装面13を有する基材1と、基材1上に形成され、かつ発光素子4に導通する配線パターン2と、を備えた発光モジュールA1であって、基材1は、実装面13から凹み、かつx方向において互いに離間する一対の実装凹部17を有しており、配線パターン2は、一対の実装凹部17の少なくとも一部ずつを覆う一対の実装面電極24を有する。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向外方を向きかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる実装凹部側面と、を有する、請求項5ないし12のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向外方を向く実装凹部側面と、実装凹部天面および実装凹部側面の間に介在するとともに前記第三方向に対して傾斜した実装凹部傾斜面と、を有する、請求項5ないし12のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向に対して傾斜しかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる実装凹部側面と、を有する、請求項5ないし12のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記実装面に繋がり、かつ前記第三方向において前記実装面から離間するほど前記第二方向において前記実装面から内方に離間する実装凹部傾斜天面を有する、請求項5ないし12のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面および前記第三方向外方を向きかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる一対の実装凹部側面を有する、請求項19ないし25のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面、前記第三方向において互いに向かい合う一対の実装凹部側面および前記実装面および前記一対の実装凹部天面の間に介在するとともに前記第三方向に対して傾斜した一対の実装凹部傾斜面を有する、請求項19ないし25のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面および前記第三方向に対して傾斜しかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる一対の実装凹部側面を有する、請求項19ないし25のいずれかに記載の発光モジュール。
前記各実装凹部は、前記実装面に繋がり、かつ前記第三方向において前記実装面から離間するほど前記第二方向において前記実装面から内方に離間する一対の実装凹部傾斜天面を有する、請求項19ないし25のいずれかに記載の発光モジュール。
前記配線パターンは、前記表面上に形成されて前記第一側面部および前記第一接続部に繋がり、かつ前記第一収容凹部を囲む第一環状部を有する、請求項38に記載の発光モジュール。
前記配線パターンは、前記第一側面部から離間し、かつ前記第二底面部に繋がるとともに、前記第二側面を覆う第二側面部を有する、請求項40に記載の発光モジュール。
前記第一接続部は、前記第一収容凹部と前記一対の実装凹部の一方との間に位置し、かつその余の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい第一はんだ阻止部を有する、請求項42に記載の発光モジュール。
前記第二接続部は、前記第二収容凹部と前記一対の実装凹部の他方との間に位置し、かつその余の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい第二はんだ阻止部を有する、請求項43に記載の発光モジュール。
前記各パッドの前記第三方向における寸法と前記各実装面電極の前記第三方向における寸法との差は、前記各パッドの前記第一方向における寸法と前記各実装面電極の前記第一方向における寸法との差よりも大である、請求項47に記載の発光装置。
第一方向を向く複数の搭載領域、前記第一方向とは直角である第二方向において互いに反対側を向く一対の側面および前記第一方向において前記複数の搭載領域とは反対側を向く裏面を有し、前記第一方向および第二方向のいずれに対しても直角である第三方向に長く延びた基材材料であって、前記複数の搭載領域が前記第三方向に配列されており、前記一対の側面から凹むとともに前記第三方向において前記複数の搭載領域の間に位置する複数対の予備凹部を有する基材材料を用意する工程と、
前記複数対の予備凹部の少なくとも一部ずつを覆う導電体層を形成する工程と、
前記複数の搭載領域に複数の発光素子を各別に搭載する工程と、
各々が前記各対の予備凹部を通過する複数の切断線に沿って前記基材材料を切断する工程と、
を備えることを特徴とする、発光モジュールの製造方法。
第一方向を向く複数の搭載領域、前記第一方向とは直角である第二方向において互いに反対側を向く一対の側面および前記第一方向において前記複数の搭載領域とは反対側を向く裏面を有し、前記第一方向および第二方向のいずれに対しても直角である第三方向に長く延びた基材材料であって、前記複数の搭載領域が前記第三方向に配列されており、前記第一方向に貫通するとともに前記第三方向において前記複数の搭載領域の間に位置する複数対の貫通孔を有する基材材料を用意する工程と、
前記複数対の貫通孔の少なくとも一部ずつを覆う導電体層を形成する工程と、
前記複数の搭載領域に複数の発光素子を各別に搭載する工程と、
各々が前記各対の貫通孔を通過する複数の切断線に沿って前記基材材料を切断する工程と、
を備えることを特徴とする、発光モジュールの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、よリ適切に実装することが可能な発光モジュール、発光装置および発光モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の側面によって提供される発光モジュールは、発光素子と、前記発光素子が搭載された第一方向を向く搭載面および前記第一方向に対して直角である第二方向を向く実装面を有する基材と、前記基材上に形成され、かつ前記発光素子に導通する配線パターンと、を備えた発光モジュールであって、前記基材は、前記実装面から凹み、かつ前記第一方向および第二方向のいずれに対しても直角である第三方向において互いに離間する一対の実装凹部を有しており、前記配線パターンは、前記一対の実装凹部の少なくとも一部ずつを覆う一対の実装面電極を有することを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第一方向両外方に開口している。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装面電極は、前記各実装凹部のすべてを覆っている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記実装面は、そのすべてが前記配線パターンから露出している。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記基材の前記第三方向外方に開口している。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第三方向において互いに反対側を向く一対の側面を有しており、前記配線パターンは、前記一対の側面の少なくとも一部ずつを覆う一対の側面電極を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各側面電極は、前記各側面のすべてを覆っている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各側面電極と前記各実装面電極とが、互いに繋がっている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第一方向において前記搭載面とは反対側を向く裏面を有しており、前記配線パターンは、前記裏面の一部ずつを覆い、かつ前記第三方向において互いに離間する一対の裏面電極を有する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各裏面電極と前記各実装面電極とが、互いに繋がっている。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各裏面電極と前記各底面側面電極とが、互いに繋がっている。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記裏面から突出し、かつ前記配線パターンから露出した裏面突起を有する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向外方を向きかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる実装凹部側面と、を有する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向外方を向く実装凹部側面と、実装凹部天面および実装凹部側面の間に介在するとともに前記第三方向に対して傾斜した実装凹部傾斜面と、を有する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記実装凹部傾斜面は、曲面である。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面と、前記第三方向に対して傾斜しかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる実装凹部側面と、を有する。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記実装凹部側面は、曲面である。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記実装面に繋がり、かつ前記第三方向において前記実装面から離間するほど前記第二方向において前記実装面から内方に離間する実装凹部傾斜天面を有する。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記基材の前記第三方向外方に閉じている。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各側面電極は、前記各側面のすべてを覆っている。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第三方向において互いに反対側を向く一対の側面を有しており、前記配線パターンは、前記一対の側面の少なくとも一部ずつを覆う一対の側面電極を有する。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第一方向において前記搭載面とは反対側を向く裏面を有しており、前記配線パターンは、前記裏面の一部ずつを覆い、かつ前記第三方向において互いに離間する一対の裏面電極を有する。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各裏面電極と前記各実装面電極とが、互いに繋がっている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各裏面電極と前記各底面側面電極とが、互いに繋がっている。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記裏面から突出し、かつ前記配線パターンから露出した裏面突起を有する。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面および前記第三方向外方を向きかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる一対の実装凹部側面を有する。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面、前記第三方向において互いに向かい合う一対の実装凹部側面および前記実装面および前記一対の実装凹部天面の間に介在するとともに前記第三方向に対して傾斜した一対の実装凹部傾斜面を有する。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部傾斜面は、曲面である。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記第二方向を向く実装凹部天面および前記第三方向に対して傾斜しかつ前記実装面および前記実装凹部天面に繋がる一対の実装凹部側面を有する。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部側面は、曲面である。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各実装凹部は、前記実装面に繋がり、かつ前記第三方向において前記実装面から離間するほど前記第二方向において前記実装面から内方に離間する一対の実装凹部傾斜天面を有する。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記第一方向を向く表面および前記表面から凹む第一収容凹部を有しており、前記第一収容凹部は、前記搭載面とされた第一底面を有する。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第一収容凹部は、前記表面と前記第一底面とを繋ぐ第一側面を有している。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基材は、前記表面から凹み、かつ第二底面およびこの第二底面と前記表面とをつなぐ第二側面を有する第二収容凹部を有しており、前記第二底面は、前記第一底面よりも前記第一方向において前記表面寄りに位置しており、前記第一側面のうち前記表面に達していない箇所を通じて、前記第二底面と前記第一側面とが繋がっている。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第一収容凹部と前記第二収容凹部とは、前記第三方向に並んでいる。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記第一底面を覆う第一底面部を有する。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記第一底面部に繋がり、かつ前記第一側面を覆う第一側面部を有する。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記表面上に形成されて前記第一側面部と前記一対の実装面電極の一方とを繋ぐ第一接続部を有する。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記表面上に形成されて前記第一側面部および前記第一接続部に繋がり、かつ前記第一収容凹部を囲む第一環状部を有する。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記第一側面部から離間し、かつ前記第二底面を覆う第二底面部を有する。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記第一側面部から離間し、かつ前記第二底面部に繋がるとともに、前記第二側面を覆う第二側面部を有する。
【0047】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記表面上に形成されて前記第二側面部と前記一対の実装面電極の他方とを繋ぐ第二接続部を有する。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第一接続部は、前記第一収容凹部と前記一対の実装凹部の一方との間に位置し、かつその余の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい第一はんだ阻止部を有する。
【0049】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第二接続部は、前記第二収容凹部と前記一対の実装凹部の他方との間に位置し、かつその余の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい第二はんだ阻止部を有する。
【0050】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記配線パターンは、前記基材側に位置する下層およびこの下層上に積層された上層を有しており、前記下層は、前記上層よりもはんだに対する濡れ性が小さく、前記第一はんだ阻止部および前記第二はんだ阻止部は、前記上層から前記下層が露出することによって形成されている。
【0051】
本発明の第二の側面によって提供される発光装置は、本発明の第一の側面によって提供される発光モジュールと、前記第二方向を向くとともに前記第三方向に互いに離間して前記一対の実装面電極が接合された一対のパッド部および前記一対のパッド部を有し、前記第二方向を厚さ方向とする実装基板と、を備えることを特徴としている。
【0052】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各パッド部は、前記第二方向視において前記各実装面電極を内包している。
【0053】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各パッドの前記第三方向における寸法と前記各実装面電極の前記第三方向における寸法との差は、前記各パッドの前記第一方向における寸法と前記各実装面電極の前記第一方向における寸法との差よりも大である。
【0054】
本発明の第三の側面によって提供される発光モジュールの製造方法は、第一方向を向く複数の搭載領域、前記第一方向とは直角である第二方向において互いに反対側を向く一対の側面および前記第一方向において前記複数の搭載領域とは反対側を向く裏面を有し、前記第一方向および第二方向のいずれに対しても直角である第三方向に長く延びた基材材料であって、前記複数の搭載領域が前記第三方向に配列されており、前記一対の側面から凹むとともに前記第三方向において前記複数の搭載領域の間に位置する複数対の予備凹部を有する基材材料を用意する工程と、前記複数対の予備凹部の少なくとも一部ずつを覆う導電体層を形成する工程と、前記複数の搭載領域に複数の発光素子を各別に搭載する工程と、各々が前記各対の予備凹部を通過する複数の切断線に沿って前記基材材料を切断する工程と、を備えることを特徴としている。
【0055】
本発明の第四の側面によって提供される発光モジュールの製造方法は、第一方向を向く複数の搭載領域、前記第一方向とは直角である第二方向において互いに反対側を向く一対の側面および前記第一方向において前記複数の搭載領域とは反対側を向く裏面を有し、前記第一方向および第二方向のいずれに対しても直角である第三方向に長く延びた基材材料であって、前記複数の搭載領域が前記第三方向に配列されており、前記第一方向に貫通するとともに前記第三方向において前記複数の搭載領域の間に位置する複数対の貫通孔を有する基材材料を用意する工程と、前記複数対の貫通孔の少なくとも一部ずつを覆う導電体層を形成する工程と、前記複数の搭載領域に複数の発光素子を各別に搭載する工程と、各々が前記各対の貫通孔を通過する複数の切断線に沿って前記基材材料を切断する工程と、を備えることを特徴としている。
【0056】
このような構成によれば、前記発光モジュールは、前記一対の実装面電極を有する。前記一対の実装面電極は、前記実装面を挟んで前記第三方向に離間配置されている。これらの前記実装面電極をたとえばはんだによって前記実装基板に接合すると、前記発光モジュールを安定かつ確実に前記実装基板に実装可能である。したがって、前記発光モジュールをより適切に実装することができる。
【0057】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0060】
図1〜
図7は、本発明の第1実施形態に基づく発光モジュールを示している。本実施形態の発光モジュールA1は、基材1、配線パターン2、発光素子4、ワイヤ5および透光樹脂6を備えている。
図8〜
図11は、発光モジュールA1を用いた発光装置を示している。本実施形態のB1は、発光モジュールA1および実装基板7を備えている。
【0061】
図1は、発光モジュールA1を示す要部斜視図である。
図2は、発光モジュールA1を示す要部正面図である。
図3は、発光モジュールA1を示す底面図である。
図4は、発光モジュールA1を示す側面図である。
図5は、発光モジュールA1を示す背面図である。
図6は、
図2のVI−VI線に沿う断面図である。
図7は、
図2のVII−VII線に沿う断面図である。
図8は、発光装置B1を示す要部斜視図である。
図9は、発光装置B1を示す平面図である。
図10は、
図9のX−X線に沿う断面図である。
図11は、
図9のX−X線に沿う要部拡大断面図である。なお、理解の便宜上、
図1、
図2および
図8においては、透光樹脂6を省略している。また、これらの図において、y方向が本発明でいう第一方向に相当し、z方向が本発明で言う第二方向に相当し、x方向が本発明で言う第三方向に相当する。
【0062】
発光モジュールA1は、発光装置B1の光源として機能するモジュールであり、たとえばx方向寸法が3.1mm程度、y方向寸法が1.6mm程度、z方向寸法が2.3mm程度である。発光装置B1は、たとえば携帯型電話機に搭載され、赤外線によって信号を送信する送信機として用いられる。
【0063】
基材1は、全体として直方体形状であり、たとえばLCP(液晶ポリマ)などのめっき付着性絶縁樹脂からなる。基材1は、表面11、裏面12、実装面13、一対の側面14、一対の実装凹部17、第一収容凹部15および第二収容凹部16を有する。
【0064】
表面11は、y方向を向く面である。裏面12は、y方向において表面11とは反対側を向く面である。実装面13は、z方向を向いており、表面11および裏面12に繋がっている。一対の側面14は、x方向を向いており、かつ互いに反対側を向いている。
図10に示すように、発光モジュールA1は、実装面13が実装基板7と正対する姿勢で実装されるように構成されている。
【0065】
一対の実装凹部17は、各々が実装面13からz方向に凹んでおり、x方向において互いに離間している。一対の実装凹部17の間には、実装面13が位置している。本実施形態においては、各実装凹部17は、x方向外方に開口している。また、実装凹部17は、y方向両外方に開口している。各実装凹部17は、x方向視において矩形状とされている。
【0066】
図11に示すように、実装凹部17は、実装凹部天面171および実装凹部側面172を有している。実装凹部天面171は、z方向図中下方を向いている。実装凹部側面172は、x方向外方を向いており、実装面13および実装凹部天面171の間に介在し、kれらの繋がっている。本実施形態においては、実装凹部17のz方向深さは、たとえば0.08mm程度の深さに配線パターン2の厚さを加えた深さである。
【0067】
第一収容凹部15は、表面11からy方向に凹んでいる。第一収容凹部15は、パラボラ形状であり、第一底面151および第一側面152を有する。第一底面151は、円形状であり、発光素子4が搭載される面である。すなわち、本実施形態においては、第一底面151が本発明で言う搭載面に相当する。
【0068】
第二収容凹部16は、表面11からy方向に凹んでいる。第二収容凹部16は、y方向視矩形状であり、第二底面161および第二側面162を有する。第二底面161は、y方向視矩形状であり、y方向を向いている。第二側面162は、第二底面161と表面11とに繋がっている。
【0069】
図6に示すように、第二底面161は、第一底面151よりもy方向において表面11寄りに位置している。また、
図2に示すように、第一側面152の大部分は、表面11に繋がっており、一部が第二底面161に繋がり、他の一部が第二側面162に繋がっている。
【0070】
基材1の裏面12側部分には裏面突起19が形成されている。裏面突起19は、裏面12から若干突出した部分であり、たとえばy方向視略矩形状である。
【0071】
配線パターン2は、基材1上に形成されており、発光素子4への導通経路を構成し、発光モジュールA1の実装基板7への実装を実現するためのものである。本実施形態においては、
図11に示すように、配線パターン2は、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203が基材1から順に積層された構造とされている。
【0072】
下地層200は、たとえば無電解めっきによって形成されたCuからなる層であり、厚さがたとえば0.1〜1.0μm程度である。第一層201は、たとえば電解めっきによって形成されたCuからなる層であり、厚さがたとえば5〜30μm程度である。第二層202は、たとえば電解めっきによって形成されたNiからなる層であり、厚さがたとえば1〜5μmである。第三層203は、たとえば電解めっきによって形成されたAuからなる層であり、厚さがたとえば0.01〜0.3μm程度である。なお、本実施形態においては、第二層202が本発明で言う下層に相当し、第三層203が本発明で言う上層に相当する。Niからなる第二層202は、Auからなる第三層203よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0073】
配線パターン2は、一対の実装面電極24、一対の側面電極25、一対の裏面電極26、第一底面部211、第一側面部212、第一接続部213、第一環状部214、第二底面部221、第二側面部222および第二接続部223を有している。
【0074】
一対の実装面電極24は、基材1の一対の実装凹部17の一部ずつを覆っており、本実施形態においては、各実装面電極24は、各実装凹部17のすべてを覆っている。本実施形態においては、各実装面電極24のうち実装凹部天面171を覆う部分の表面と、実装面13を延長した面とのz方向距離が、たとえば0.08mm程度とされている。
【0075】
一対の側面電極25は、基材1の一対の側面14の一部ずつを覆う部分であり、本実施形態においては、各側面電極25は、各側面14のすべてを覆っている。各側面電極25と各実装面電極24とは、互いに繋がっている。
【0076】
一対の裏面電極26は、基材1の裏面12の一部ずつを覆う部分である。本実施形態においては、各裏面電極26は、側面14および一対の実装凹部17の端縁に沿った帯状に形成されている。
【0077】
第一底面部211は、第一収容凹部15の第一底面151の少なくとも一部を覆う部分であり、本実施形態においては、第一底面部211は、第一底面151のすべてを覆っている。第一側面部212は、第一底面部211に繋がり、かつ第一収容凹部15の第一側面152の一部を覆う部分である。
【0078】
第一接続部213は、表面11上に形成されており、第一側面部212と一対の実装面電極24の一方(
図1におけるx方向図中左方の実装面電極24)とを繋いでいる。第一環状部214は、表面11上に形成されており、第一収容凹部15を囲む環状に形成されている。第一環状部214は、第一側面部212および第一接続部213に繋がっている。
【0079】
第二底面部221は、第二収容凹部16の第二底面161の少なくとも一部を覆っており、本実施形態においては、第二底面161のほとんどすべてを覆っている。
図2に示すように、第二底面部221は、第一側面部212から離間している。
【0080】
第二側面部222は、第二収容凹部16の第二側面162の少なくとも一部を覆う部分であり、本実施形態においては、第二側面162のほとんどすべてを覆っている。第二側面部222は、第一側面部212から離間している。
【0081】
第二接続部223は、表面11上に形成されており、第二側面部222と一対の実装面電極24の他方(
図1におけるx方向図中右方の実装面電極24)とを繋いでいる。
【0082】
なお、本実施形態においては、図中において実装面13、一対の実装凹部17、一対の実装面電極24および裏面電極26の符号が付された部位と同様の構成部位が、基材1および配線パターン2のそれぞれのz方向反対側に設けられている。これらの部位は、発光モジュールA1の製造工程の便宜で形成されるものであるが、実装面13、一対の実装凹部17、一対の実装面電極24および裏面電極26として用いられてもよい。
【0083】
発光素子4は、たとえば赤外光を出射可能なLED素子である。用途によっては、発光素子4としてたとえば可視光などを出射可能なものを用いてもよい。発光素子4は、y方向両側にそれぞれ電極(図示略)が設けられており、第一収容凹部15の第一底面151に搭載されている。より具体的には、発光素子4の一方の前記電極が、第一底面151上に形成された第一底面部211に対して導電性接合材(図示略)を介して接合されている。発光素子4の他方の前記電極は、ワイヤ5によって第二側面部222に接合されている。
【0084】
透光樹脂6は、発光素子4を覆っており、第一収容凹部15および第二収容凹部16に充填されている。透光樹脂6は、発光素子4からのたとえば赤外線を透過させる樹脂などからなる。本実施形態においては、透光樹脂6は、第一収容凹部15および第二収容凹部16のほとんどを満たす一方、第一収容凹部15および第二収容凹部16からは突出していない。すなわち、透光樹脂6の表面は、若干凹んでいる。
【0085】
図8〜
図11に示すように、発光装置B1は、実装基板7に発光モジュールA1が実装されることによって構成されている。実装基板7は、一対のパッド部71および一対の端子部72を有する。実装基板7は、たとえばエポキシ樹脂からなる基材に配線パターンが形成された配線基板である。
【0086】
一対のパッド部71は、発光モジュールA1が実装される部位である。各パッド部71と発光モジュールA1の各実装面電極24とははんだ3を介して接合されている。
図9は、発光装置B1をz方向上方から見た図であり、理解の便宜上、一対の実装面電極24を透過して示している。同図に示すように、本実施形態においては、各パッド部71は実装面電極24をz方向視において内包してる。また、各パッド部71のx方向における寸法と各実装面電極24のx方向における寸法との差は、各パッド部71のy方向における寸法と各実装面電極24のy方向における寸法との差よりも大である。特に、各パッド部71は、各実装面電極24に対してx方向外方に大きくはみ出した構成とされている。
【0087】
一対の端子部72は、一対のパッド部71と各別に導通している。一対の端子部72は、発光装置B1が組み込まれるたとえば携帯型電話機側の端子(図示略)が接合される部位である。
【0088】
次に、発光モジュールA1の製造方法の一例について、
図12〜
図23を参照しつつ、以下に説明する。
【0089】
まず、
図12に示すように、基材材料1Aを用意する。基材材料1Aは、z方向に長く延びた形状であり、表面11A、一対の側面14Aおよび裏面12A(
図15参照)を有している。また、基材材料1Aには、複数の第一収容凹部15、複数の第二収容凹部16および複数対の予備凹部17Aが形成されている。各第一収容凹部15と各第二収容凹部16とは互いに結合している。複数の第一収容凹部15および複数の第二収容凹部16は、z方向に等ピッチで配置されている。これにより、複数の第一底面151がz方向に等ピッチで配置されている。上述した通り、各第一底面151は、発光素子4が搭載される部位であり、基材材料1Aにおいては本発明で言う搭載領域に相当する。
【0090】
各対の予備凹部17Aは、z方向における位置が互いに一致し、x方向に互いに離間した2つの予備凹部17Aからなる。各予備凹部17Aは、側面14Aからz方向に凹んでいる。また各予備凹部17Aは、y方向において表面11Aおよび裏面12Aに達している。各対の予備凹部17Aは、z方向において隣り合う第一収容凹部15および第二収容凹部16の結合体どうしの間、すなわちz方向において隣り合う第一底面151どうしの間に配置されている。基材材料1Aは、たとえば金型を用いて液晶ポリマ材料を成形することによって形成される。
【0091】
次いで、
図13〜
図15に示すように、下地層200Aを形成する。下地層200Aの形成は、たとえば無電解めっきによって行う。これにより、基材材料1Aの露出面全面に、たとえばCuからなる下地層200Aが形成される。下地層200Aの厚さは、たとえば0.1〜1.0μm程度である。
【0092】
次いで、
図16および
図17に示すように、下地層200Aにスリット205およびスリット206を形成する。スリット205およびスリット206は、たとえばレーザを用いて下地層200Aの一部を線状に除去することによって形成する。図示されたスリット205およびスリット206が形成されることにより、下地層200Aは、基材材料1Aのx方向図中上方側においてz方向に長く繋がる部分と、基材材料1Aのx方向図中下方側においてz方向に長く繋がる部分と、これらの部分から隔絶された複数の部分と、に分割される。
【0093】
次いで、
図18および
図19に示すように、第一層201Aを形成する。第一層201Aの形成は、たとえば電解めっきによって行う。すなわち、下地層200Aのうち、基材材料1Aのx方向図中上側および図中下側においてz方向に長く延びる部分それぞれのx方向両端付近にめっき用の電極(図示略)を接続することによって行う。第一層201Aの形成においては、たとえばCuからなる層を厚さ5〜30μm程度に形成する。
図18および
図19において、相対的に濃い色調に着色された領域が第一層201Aが形成された領域であり、相対的に薄い色調に着色された領域が下地層200Aが露出した領域である。
【0094】
次いで、たとえばソフトエッチングを施すことにより、露出した下地層200Aを除去する。これにより、
図20および
図21に示す状態が得られる。この状態においては、露出していた下地層200Aが除去され、第一層201Aのみとなっている。
【0095】
次いで、
図22に示すように、第二層202Aおよび第三層203Aを形成する。同図は、第三層203Aの形成が完了した状態を示している。第二層202Aおよび第三層203Aの形成は、たとえば第一層201Aを形成した際と類似の電解めっきによって行う。第二層202Aの形成においては、たとえばNiからなる層を厚さ1〜5μm程度に形成する。第三層203Aの形成においては、たとえばAuからなる層をたとえば0.01〜0.3μm程度に形成する。これにより、導電体層2Aが得られる。
【0096】
次いで、
図23に示すように、複数の発光素子4を複数の第一底面151にそれぞれ搭載する。そして、各発光素子4と導電体層2Aとにワイヤ5をボンディングする。また、理解の便宜上省略しているが、複数の発光素子4を覆うように、複数の第一収容凹部15および複数の第二収容凹部16に、たとえば液体樹脂材料を充填し、これを硬化させる。これにより、複数の透光樹脂6(図示略)が得られる。この後は、図示された複数の切断線CLに沿って、たとえばダイシングブレードによって基材材料1Aを切断する。各切断線CLは、xy平面に含まれており、x方向において各対の予備凹部17Aを通過している。この切断により、各予備凹部17Aは、z方向両側にある部分どうしが分離され、
図1〜
図11に示す実装凹部17となる。また、下地層200A、第一層201A、第二層202Aおよび第三層203Aからなる導電体層2Aが、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203からなる複数の配線パターン2となる。以上の工程を経ることにより、複数の発光モジュールA1が得られる。
【0097】
次に、発光モジュールA1および発光装置B1の作用について説明する。
【0098】
本実施形態によれば、発光モジュールA1は、一対の実装面電極24を有する。一対の実装面電極24は、実装面13を挟んでx方向に離間配置されている。これらの実装面電極24をたとえばはんだ3によって実装基板7に接合すると、発光モジュールA1を安定かつ確実に実装基板7に実装可能である。したがって、発光モジュールA1をより適切に実装することができる。
【0099】
実装面電極24が実装凹部17のすべてを覆っていることにより、実装面電極24と実装基板7との接合面積を拡大することが可能であり、発光モジュールA1をより強固に実装することができる。
【0100】
発光モジュールA1が側面電極25を有することにより、はんだ3が側面電極25にも付着することが期待できる。これにより、発光モジュールA1の実装強度をさらに高めることができる。
【0101】
実装面電極24と側面電極25とが繋がっていることにより、はんだ3が発光モジュールA1の隅部を囲むように形成されることが期待できる。
【0102】
裏面電極26を有することにより、発光モジュールA1の裏面12側も実装基板7への接合に寄与させることができる。
【0103】
第一収容凹部15を有し、第一側面152を第一側面部212が覆うことにより、第一底面151に搭載された発光素子4からの光を第一側面部212によって反射することが可能である。これにより、発光モジュールA1の出射効率を高めることができる。
【0104】
第二収容凹部16が設けられていることにより、ワイヤ5が基材1からはみ出ることを回避することができる。
【0105】
発光装置B1において、発光モジュールA1の実装面電極24が実装基板7のパッド部71に内包されていることにより、実装面電極24の前面にはんだ3を付着させることができる。パッド部71のx方向寸法と実装面電極24のx方向寸法との差が、パッド部71のy方向寸法と実装面電極24のy方向寸法との差よりも大である。これにより、発光モジュールA1を実装基板7に実装する際に、発光モジュールA1がz方向に延びる軸周りに回転してしまうことを防止することができる。
【0106】
図24〜
図87は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0107】
図24〜
図30は、発光モジュールA1および発光装置B1の変形例を示している。
【0108】
図24〜
図27は、実装凹部17および実装面電極24についての変形例を示している。
図24に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171、実装凹部側面172および実装凹部傾斜面173を有している。実装凹部天面171は、z方向図中下方を向いている。実装凹部側面172は、x方向外方を向いている。実装凹部傾斜面173は、実装凹部天面171および実装凹部側面172の間に介在し、かつこれらに繋がっている。また、実装凹部傾斜面173は、x方向に対して、言い換えると実装凹部天面171および実装凹部側面172に対して傾斜している。実装面電極24は、実装凹部天面171、実装凹部側面172および実装凹部傾斜面173の三面を覆っている。
【0109】
図25に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171、実装凹部側面172および実装凹部傾斜面173を有している。そして、実装凹部傾斜面173が曲面とされている。
【0110】
図26に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171および実装凹部傾斜面173を有している。実装凹部傾斜面173は、実装凹部天面171と実装面13との間に介在しており、これらと繋がっている。実装凹部傾斜面173は、x方向に対して、言い換えると実装凹部天面171および実装面13に対して傾斜している。さらに、本変形例においては、実装凹部傾斜面173は、曲面とされている。
【0111】
図27に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部傾斜天面174のみを有している。実装凹部傾斜天面174は、側面14と実装面13とに繋がっている。実装凹部傾斜天面174は、x方向において実装面13から離間するほどz方向において実装面13から内方に離間するように傾斜している。
【0112】
図28および
図29に示す変形例においては、配線パターン2に、第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232が形成されている。
【0113】
図28に示す変形例においては、2つの第一はんだ阻止部231および2つの第二はんだ阻止部232が設けられている。第一はんだ阻止部231は、第一接続部213に設けられており、第一収容凹部15と実装凹部17との間に位置している。より具体的には、第一はんだ阻止部231は、第一収容凹部15の外形円に沿った円弧帯状とされている。また、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213において第二層202の一部を第三層203から露出させることによって形成されている。第二層202を露出させる手法としては、たとえば第三層203(第三層203A)を形成した後に、レーザを用いて第三層203(第三層203A)のみを選択的に除去する手法が挙げられる。このように形成された第一はんだ阻止部231は、第一接続部213のうち第一はんだ阻止部231以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0114】
第二はんだ阻止部232は、第二接続部223に設けられており、第二収容凹部16と実装凹部17との間に位置している。より具体的には、第二はんだ阻止部232は、第二収容凹部16の外形辺に沿った直線帯状とされている。また、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223において第二層202の一部を第三層203から露出させることによって形成されている。第二層202を露出させる手法としては、たとえば第三層203(第三層203A)を形成した後に、レーザを用いて第三層203(第三層203A)のみを選択的に除去する手法が挙げられる。このように形成された第二はんだ阻止部232は、第二接続部223のうち第二はんだ阻止部232以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0115】
図29に示す変形例においては、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213から基材1の表面11を露出させることによって形成されている。このような構成においては、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213によって囲まれた部分であるが、本発明においては、第一接続部213の存在によって定義される部位であることから、第一接続部213に第一はんだ阻止部231が形成されているとする。このような構成においても、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213のうち第一はんだ阻止部231以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0116】
第二はんだ阻止部232は、第二接続部223から基材1の表面11を露出させることによって形成されている。このような構成においては、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223によって囲まれた部分であるが、本発明においては、第二接続部223の存在によって定義される部位であることから、第二接続部223に第二はんだ阻止部232が形成されているとする。このような構成においても、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223のうち第二はんだ阻止部232以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0117】
これらの変形例によれば、第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232を有することにより、発光モジュールA1を実装基板7に実装する際に、溶融したはんだ3が第一収容凹部15や第二収容凹部16へと進行することを第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232によって阻止することができる。
【0118】
図30は、基材1、配線パターン2および透光樹脂6についての変形例としての発光モジュールA1およびこの発光モジュールA1が搭載された発光装置B1を示している。本変形例においては、基材1には、第一収容凹部15および第二収容凹部16が形成されていない。発光素子4は、表面11に搭載されている。このため、本変形例においては、表面11が本発明で言う搭載面に相当する。配線パターン2は、表面11の適所を覆うように形成されている。透光樹脂6は、表面11上において発光素子4を覆っており、表面11から突出している。
【0119】
図31〜
図35は、本発明の第2実施形態に基づく発光モジュールを示している。
図36および
図37は、本発明の第2実施形態に基づく発光装置を示している。本実施形態の発光モジュールA2においては、主に実装凹部17の構成が、上述した発光モジュールA1と異なっている。
【0120】
本実施形態においては、実装凹部17は、x方向両側に閉じた形状となっている。このような構成により、本実施形態においては、実装面13が一対の実装凹部17を挟んで、x方向に並ぶ3つの領域に区画されている。
【0121】
具体的には、
図37に示すように、実装凹部17は、実装凹部天面171および一対のの実装凹部傾斜面173を有する。実装凹部天面171は、z方向下方を向いている。一対の実装凹部傾斜面173は、実装凹部天面171のx方向両端に繋がっている。各実装凹部傾斜面173は、実装凹部傾斜面173および実装面13の間に介在しており、x方向に対して傾斜している。さらに、各実装凹部傾斜面173は、曲面とされている。
【0122】
実装面電極24は、実装凹部17の少なくとも一部を覆っており、本実施形態においては、実装凹部17のすべてを覆っている。実装面電極24は、側面電極25とは繋がっていない。
【0123】
次に、発光モジュールA2の製造方法について、
図38および
図39を参照しつつ以下に説明する。
【0124】
まず
図38に示す基材材料1Aを要する。発光モジュールA1の製造方法における複数対の予備凹部17Aに代えて、基材材料1Aは、複数対の貫通孔17Bが形成されている。各対の貫通孔17Bは、z方向における位置が互いに一致し、x方向に互いに離間した2つの貫通孔17Bからなる。各貫通孔17Bは、側面14Aからz方向内方に若干罹患した位置に設けられており、基材材料1Aをy方向に貫通している。各対の貫通孔17Bは、z方向において隣り合う第一収容凹部15および第二収容凹部16の結合体どうしの間、すなわちz方向において隣り合う第一底面151どうしの間に配置されている。
【0125】
この基材材料1Aに対して、
図13〜
図22を参照して説明した工程を順次行う。そして、複数の発光素子4の搭載および複数のワイヤ5のボンディングと、透光樹脂6の形成(図示略)を経ることにより、
図39に示す状態を得る。この後は、図示された複数の切断線CLに沿って、たとえばダイシングブレードによって基材材料1Aを切断する。各切断線CLは、xy平面に含まれており、x方向において各対の貫通孔17Bを通過している。この切断により、各貫通孔17Bは、z方向両側にある部分どうしが分離され、
図31〜
図37に示す実装凹部17となる。また、下地層200A、第一層201A、第二層202Aおよび第三層203Aからなる導電体層2Aが、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203からなる複数の配線パターン2となる。以上の工程を経ることにより、複数の発光モジュールA2が得られる。
【0126】
次に、発光モジュールA2および発光装置B2の作用について説明する。
【0127】
本実施形態によっても、発光モジュールA2を適切に実装することができる。実装凹部17は、x方向両端の二箇所において実装面13に繋がっている。そして、実装面電極24は、この実装凹部17のすべてを覆っている。このため、発光モジュールA2を実装基板7に実装する際に、溶融したはんだ3が実装面電極24のx方向両端の少なくともいずれかから実装面電極24全域に広がっていることが期待できる。
【0128】
図40〜
図43は、発光モジュールA2および発光装置B2の変形例を示している。
【0129】
図24に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171、一対の実装凹部側面172および一対の実装凹部傾斜面173を有している。実装凹部天面171は、z方向図中下方を向いている。一対の実装凹部側面172は、x方向において互いに向かい合っている。一対の実装凹部傾斜面173は、実装凹部天面171および一対の実装凹部側面172の間に介在し、かつこれらに繋がっている。また、各実装凹部傾斜面173は、x方向に対して、言い換えると実装凹部天面171および実装凹部側面172に対して傾斜している。そして、各実装凹部傾斜面173は、曲面とされている。実装面電極24は、実装凹部天面171、一対の実装凹部側面172および一対の実装凹部傾斜面173の五面を覆っている。
【0130】
図41に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171、一対の実装凹部側面172および一対の実装凹部傾斜面173を有している。そして、実装凹部傾斜面173が平面とされている。
【0131】
図42に示す変形例においては、実装凹部17は、一対の実装凹部傾斜天面174を有している。一対の実装凹部傾斜天面174は、互いの一端どうしが繋がっており、それぞれの他端が実装面13に繋がっている。各実装凹部傾斜天面174は、x方向において実装面13から離間するほどz方向において実装面13から内方に離間するように傾斜している。
【0132】
図43に示す変形例においては、実装凹部17は、実装凹部天面171および一対の実装凹部側面172を有している。実装凹部天面171は、z方向図中下方を向いている。一対の実装凹部側面172は、実装凹部天面171のx方向両端に繋がっており、x方向において互いに向かい合っている。また、各実装凹部側面172は、実装面13に繋がっている。
【0133】
なお、発光モジュールA1において説明した第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232は、発光モジュールA2に適宜採用してもよい。また、
図30に示された基材1、配線パターン2および透光樹脂6の構成を、発光モジュールA2に適宜採用してもよい。
【0134】
図44〜
図50は、本発明の第3実施形態に基づく発光モジュールを示している。本実施形態の発光モジュールA3は、基材1、配線パターン2、発光素子4、ワイヤ5および透光樹脂6を備えている。
図51〜
図54は、発光モジュールA3を用いた発光装置を示している。本実施形態のB3は、発光モジュールA3および実装基板7を備えている。
【0135】
図44は、発光モジュールA3を示す要部斜視図である。
図45は、発光装置A3を示す要部正面図である。
図46は、発光装置A3を示す底面図である。
図47は、発光装置A3を示す側面図である。
図48は、発光装置A3を示す背面図である。
図49は、
図45のXLIX−XLIX線に沿う断面図である。
図50は、
図1のL−L線に沿う断面図である。
図51は、発光装置B3を示す要部斜視図である。
図52は、発光装置B3を示す平面図である。
図53は、
図52のLIII−LIII線に沿う断面図である。
図54は、
図52のLIV−LIV線に沿う要部拡大断面図である。なお、理解の便宜上、
図44、
図45および
図51においては、透光樹脂6を省略している。また、これらの図において、y方向が本発明でいう第一方向に相当し、z方向が本発明で言う第二方向に相当し、x方向が本発明で言う第三方向に相当する。
【0136】
発光モジュールA3は、発光装置B3の光源として機能するモジュールであり、たとえばx方向寸法が3.1mm程度、y方向寸法が1.6mm程度、z方向寸法が2.3mm程度である。発光装置B3は、たとえば携帯型電話機に搭載され、赤外線によって信号を送信する送信機として用いられる。
【0137】
基材1は、全体として直方体形状であり、たとえばLCP(液晶ポリマ)などのめっき付着性絶縁樹脂からなる。基材1は、表面11、裏面12、実装面13、一対の側面14、第一収容凹部15および第二収容凹部16を有する。
【0138】
表面11は、y方向を向く面である。裏面12は、y方向において表面11とは反対側を向く面である。実装面13は、z方向を向いており、表面11、裏面12および一対の側面14に繋がっている。一対の側面14は、x方向を向いており、かつ互いに反対側を向いている。
図53に示すように、発光モジュールA3は、実装面13が実装基板7と正対する姿勢で実装されるように構成されている。
【0139】
第一収容凹部15は、表面11からy方向に凹んでいる。第一収容凹部15は、パラボラ形状であり、第一底面151および第一側面152を有する。第一底面151は、円形状であり、発光素子4が搭載される面である。すなわち、本実施形態においては、第一底面151が本発明で言う搭載面に相当する。
【0140】
第二収容凹部16は、表面11からy方向に凹んでいる。第二収容凹部16は、y方向視矩形状であり、第二底面161および第二側面162を有する。第二底面161は、y方向視矩形状であり、y方向を向いている。第二側面162は、第二底面161と表面11とに繋がっている。
【0141】
図49に示すように、第二底面161は、第一底面151よりもy方向において表面11寄りに位置している。また、
図2に示すように、第一側面152の大部分は、表面11に繋がっており、一部が第二底面161に繋がり、他の一部が第二側面162に繋がっている。
【0142】
基材1の裏面12側部分には裏面突起19が形成されている。裏面突起19は、裏面12から若干突出した部分であり、たとえばy方向視略矩形状である。
【0143】
配線パターン2は、基材1上に形成されており、発光素子4への導通経路を構成し、発光モジュールA3の実装基板7への実装を実現するためのものである。本実施形態においては、
図54に示すように、配線パターン2は、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203が基材1から順に積層された構造とされている。
【0144】
下地層200は、たとえば無電解めっきによって形成されたCuからなる層であり、厚さがたとえば0.1〜1.0μm程度である。第一層201は、たとえば電解めっきによって形成されたCuからなる層であり、厚さがたとえば5〜30μm程度である。第二層202は、たとえば電解めっきによって形成されたNiからなる層であり、厚さがたとえば1〜5μmである。第三層203は、たとえば電解めっきによって形成されたAuからなる層であり、厚さがたとえば0.01〜0.3μm程度である。なお、本実施形態においては、第二層202が本発明で言う下層に相当し、第三層203が本発明で言う上層に相当する。Niからなる第二層202は、Auからなる第三層203よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0145】
配線パターン2は、一対の実装面電極24、一対の側面電極25、一対の裏面電極26、第一底面部211、第一側面部212、第一接続部213、第一環状部214、第二底面部221、第二側面部222および第二接続部223を有している。
【0146】
一対の実装面電極24は、互いにx方向に離間配置されており、各々が基材1の実装面13の一部を覆っている。本実施形態においては、各実装面電極24は、実装面13のx方向端縁に到達している。また、各実装面電極24は、実装面13のy方向両端に到達している。各実装面電極24は、z方向視において矩形状とされている。
【0147】
一対の側面電極25は、基材1の一対の側面14の一部ずつを覆う部分であり、本実施形態においては、各側面電極25は、各側面14のすべてを覆っている。各側面電極25と各実装面電極24とは、互いに繋がっている。
【0148】
一対の裏面電極26は、基材1の裏面12の一部ずつを覆う部分である。本実施形態においては、各裏面電極26は、側面14および一対の実装凹部17の端縁に沿った帯状に形成されている。
【0149】
第一底面部211は、第一収容凹部15の第一底面151の少なくとも一部を覆う部分であり、本実施形態においては、第一底面部211は、第一底面151のすべてを覆っている。第一側面部212は、第一底面部211に繋がり、かつ第一収容凹部15の第一側面152の一部を覆う部分である。
【0150】
第一接続部213は、表面11上に形成されており、第一側面部212と一対の実装面電極24の一方(
図44におけるx方向図中左方の実装面電極24)とを繋いでいる。第一環状部214は、表面11上に形成されており、第一収容凹部15を囲む環状に形成されている。第一環状部214は、第一側面部212および第一接続部213に繋がっている。
【0151】
第二底面部221は、第二収容凹部16の第二底面161の少なくとも一部を覆っており、本実施形態においては、第二底面161のほとんどすべてを覆っている。
図45に示すように、第二底面部221は、第一側面部212から離間している。
【0152】
第二側面部222は、第二収容凹部16の第二側面162の少なくとも一部を覆う部分であり、本実施形態においては、第二側面162のほとんどすべてを覆っている。第二側面部222は、第一側面部212から離間している。
【0153】
第二接続部223は、表面11上に形成されており、第二側面部222と一対の実装面電極24の他方(
図44におけるx方向図中右方の実装面電極24)とを繋いでいる。
【0154】
なお、本実施形態においては、図中において実装面13、一対の実装面電極24および裏面電極26の符号が付された部位と同様の構成部位が、基材1および配線パターン2のそれぞれのz方向反対側に設けられている。これらの部位は、発光モジュールA3の製造工程の便宜で形成されるものであるが、実装面13、一対の実装面電極24および裏面電極26として用いられてもよい。
【0155】
発光素子4は、たとえば赤外光を出射可能なLED素子である。用途によっては、発光素子4としてたとえば可視光などを出射可能なものを用いてもよい。発光素子4は、y方向両側にそれぞれ電極(図示略)が設けられており、第一収容凹部15の第一底面151に搭載されている。より具体的には、発光素子4の一方の前記電極が、第一底面151上に形成された第一底面部211に対して導電性接合材(図示略)を介して接合されている。発光素子4の他方の前記電極は、ワイヤ5によって第二側面部222に接合されている。
【0156】
透光樹脂6は、発光素子4を覆っており、第一収容凹部15および第二収容凹部16に充填されている。透光樹脂6は、発光素子4からのたとえば赤外線を透過させる樹脂などからなる。本実施形態においては、透光樹脂6は、第一収容凹部15および第二収容凹部16のほとんどを満たす一方、第一収容凹部15および第二収容凹部16からは突出していない。すなわち、透光樹脂6の表面は、若干凹んでいる。
【0157】
図51〜
図54に示すように、発光装置B3は、実装基板7に発光モジュールA3が実装されることによって構成されている。実装基板7は、一対のパッド部71および一対の端子部72を有する。実装基板7は、たとえばエポキシ樹脂からなる基材に配線パターンが形成された配線基板である。
【0158】
一対のパッド部71は、発光モジュールA1が実装される部位である。各パッド部71と発光モジュールA1の各実装面電極24とははんだ3を介して接合されている。
図52は、発光装置B3をz方向上方から見た図であり、理解の便宜上、一対の実装面電極24を透過して示している。同図に示すように、本実施形態においては、各パッド部71は実装面電極24をz方向視において内包してる。また、各パッド部71のx方向における寸法と各実装面電極24のx方向における寸法との差は、各パッド部71のy方向における寸法と各実装面電極24のy方向における寸法との差よりも大である。特に、各パッド部71は、各実装面電極24に対してx方向外方に大きくはみ出した構成とされている。
【0159】
一対の端子部72は、一対のパッド部71と各別に導通している。一対の端子部72は、発光装置B3が組み込まれるたとえば携帯型電話機側の端子(図示略)が接合される部位である。
【0160】
次に、発光モジュールA3の製造方法の一例について、
図55〜
図71を参照しつつ、以下に説明する。
【0161】
まず、
図55に示すように、基材材料1Aを用意する。基材材料1Aは、x方向およびx方向に沿って広がっており、表面11A、裏面12A(
図57参照)を有している。また、基材材料1Aには、複数の第一収容凹部15、複数の第二収容凹部16および複数の貫通孔13Bが形成されている。各第一収容凹部15と各第二収容凹部16とは互いに結合している。複数の第一収容凹部15および複数の第二収容凹部16は、z方向およびx方向に沿ってマトリクス状に配置されている。これにより、複数の第一底面151がz方向およびx方向にマトリクス状に配置されている。上述した通り、各第一底面151は、発光素子4が搭載される部位であり、基材材料1Aにおいては本発明で言う搭載領域に相当する。
【0162】
複数の貫通孔13Bは、各々が基材材料1Aをy方向に貫通しており、z方向およびx方向に沿ってマトリクス状に配置されている。各貫通孔13Bは、隣り合う第一収容凹部15および第二収容凹部16(隣り合う第一底面151)の間に配置されている。各貫通孔13Bは、y方向視矩形状であり、一対の内向き面13Aを有している。一対の内向き面13Aは、z方向において互いに向かい合っている。基材材料1Aは、たとえば金型を用いて液晶ポリマ材料を成形することによって形成される。
【0163】
次いで、
図56〜
図58に示すように、下地層200Aを形成する。下地層200Aの形成は、たとえば無電解めっきによって行う。これにより、基材材料1Aの露出面全面に、たとえばCuからなる下地層200Aが形成される。下地層200Aの厚さは、たとえば0.1〜1.0μm程度である。
【0164】
次いで、
図59〜および
図61に示すように、下地層200Aにスリット205、スリット206およびスリット207を形成する。スリット205、スリット206およびスリット207は、たとえばレーザを用いて下地層200Aの一部を線状に除去することによって形成する。スリット205が形成されたことにより、下地層200Aのうち表面11Aを覆う部分は、x方向において隣り合う貫通孔13Bの間をz方向に長く延びる帯状部分と、第一収容凹部15を覆う部分およびこの第一収容凹部15とは前記帯状部分を挟んでx方向反対側に位置する第二収容凹部16を覆う部分とが一体的に繋がった一体部分を有するものとなっている。スリット207が形成されたことにより、下地層200Aのうち内向き面13Aを覆う部分は、前記一体部分に繋がる矩形帯状部分を有する。スリット206が形成されることにより、下地層200のうち裏面12Aを覆う部分は、前記矩形帯状部分に繋がる帯状部分を有する。そして、下地層200Aは、前記一体部分および矩形帯状部分から隔絶された部分とに分割される。
【0165】
次いで、
図62〜
図64に示すように、第一層201Aを形成する。第一層201Aの形成は、たとえば電解めっきによって行う。すなわち、下地層200Aのうち、前記一体部分のx方向両端付近にめっき用の電極(図示略)を接続することによって行う。第一層201Aの形成においては、たとえばCuからなる層を厚さ5〜30μm程度に形成する。
図62〜
図64において、相対的に濃い色調に着色された領域が第一層201Aが形成された領域であり、相対的に薄い色調に着色された領域が下地層200Aが露出した領域である。
【0166】
次いで、たとえばソフトエッチングを施すことにより、露出した下地層200Aを除去する。これにより、
図65〜
図67に示す状態が得られる。この状態においては、露出していた下地層200Aが除去され、第一層201Aのみとなっている。
【0167】
次いで、第二層202Aおよび第三層203Aを形成する。
図68〜
図70は、第三層203Aの形成が完了した状態を示している。第二層202Aおよび第三層203Aの形成は、たとえば第一層201Aを形成した際と類似の電解めっきによって行う。第二層202Aの形成においては、たとえばNiからなる層を厚さ1〜5μm程度に形成する。第三層203Aの形成においては、たとえばAuからなる層を厚さ0.01〜0.3μm程度に形成する。これにより導電体層2Aが得られる。
【0168】
次いで、
図71に示すように、複数の発光素子4を複数の第一底面151にそれぞれ搭載する。そして、各発光素子4と導電体層2Aとにワイヤ5をボンディングする。また、理解の便宜上省略しているが、複数の発光素子4を覆うように、複数の第一収容凹部15および複数の第二収容凹部16に、たとえば液体樹脂材料を充填し、これを硬化させる。これにより、複数の透光樹脂6(図示略)が得られる。この後は、図示された複数の切断線CLに沿って、たとえばダイシングブレードによって基材材料1Aを切断する。各切断線CLは、yz平面に含まれており、導電体層2Aのうち内向き面13Aを覆う部分を通過している。この切断により、内向き面13Aが実装面13となり、導電体層2Aのうち内向き面13Aを覆っていた部分が、実装面電極24となる。また、下地層200A、第一層201A、第二層202Aおよび第三層203Aからなる導電体層2Aが、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203からなる複数の配線パターン2となる。以上の工程を経ることにより、複数の発光モジュールA3が得られる。
【0169】
次に、発光モジュールA3および発光装置B3の作用について説明する。
【0170】
本実施形態によれば、発光モジュールA3は、一対の実装面電極24を有する。一対の実装面電極24は、実装面13を挟んでx方向に離間配置されている。これらの実装面電極24をたとえばはんだ3によって実装基板7に接合すると、発光モジュールA3を安定かつ確実に実装基板7に実装可能である。したがって、発光モジュールA3をより適切に実装することができる。また、実装面電極24は、実装面13上に形成されており、実装面電極24の厚さ分だけ実装面13から突出した形態となっている。このため、発光モジュールA3を実装する際に、実装面電極24を溶融したはんだ3に確実に接しさせることができる。
【0171】
裏面電極26を有することにより、発光モジュールA3の裏面12側も実装基板7への接合に寄与させることができる。
【0172】
第一収容凹部15を有し、第一側面152を第一側面部212が覆うことにより、第一底面151に搭載された発光素子4からの光を第一側面部212によって反射することが可能である。これにより、発光モジュールA1の出射効率を高めることができる。
【0173】
第二収容凹部16が設けられていることにより、ワイヤ5が基材1からはみ出ることを回避することができる。
【0174】
発光装置B3において、発光モジュールA3の実装面電極24が実装基板7のパッド部71に内包されていることにより、実装面電極24の前面にはんだ3を付着させることができる。パッド部71のx方向寸法と実装面電極24のx方向寸法との差が、パッド部71のy方向寸法と実装面電極24のy方向寸法との差よりも大である。これにより、発光モジュールA3を実装基板7に実装する際に、発光モジュールA3がz方向に延びる軸周りに回転してしまうことを防止することができる。
【0175】
図72〜
図74は、発光モジュールA3の変形例を示している。
【0176】
図72および
図73に示す変形例においては、配線パターン2に、第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232が形成されている。
【0177】
図72に示す変形例においては、2つの第一はんだ阻止部231および2つの第二はんだ阻止部232が設けられている。第一はんだ阻止部231は、第一接続部213に設けられており、第一収容凹部15と実装面電極24との間に位置している。より具体的には、第一はんだ阻止部231は、第一収容凹部15の外形円に沿った円弧帯状とされている。また、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213において第二層202の一部を第三層203から露出させることによって形成されている。第二層202を露出させる手法としては、たとえば第三層203(第三層203A)を形成した後に、レーザを用いて第三層203(第三層203A)のみを選択的に除去する手法が挙げられる。このように形成された第一はんだ阻止部231は、第一接続部213のうち第一はんだ阻止部231以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0178】
第二はんだ阻止部232は、第二接続部223に設けられており、第二収容凹部16と実装面電極24との間に位置している。より具体的には、第二はんだ阻止部232は、第二収容凹部16の外形辺に沿った直線帯状とされている。また、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223において第二層202の一部を第三層203から露出させることによって形成されている。第二層202を露出させる手法としては、たとえば第三層203(第三層203A)を形成した後に、レーザを用いて第三層203(第三層203A)のみを選択的に除去する手法が挙げられる。このように形成された第二はんだ阻止部232は、第二接続部223のうち第二はんだ阻止部232以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0179】
図73に示す変形例においては、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213から基材1の表面11を露出させることによって形成されている。このような構成においては、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213によって囲まれた部分であるが、本発明においては、第一接続部213の存在によって定義される部位であることから、第一接続部213に第一はんだ阻止部231が形成されているとする。このような構成においても、第一はんだ阻止部231は、第一接続部213のうち第一はんだ阻止部231以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0180】
第二はんだ阻止部232は、第二接続部223から基材1の表面11を露出させることによって形成されている。このような構成においては、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223によって囲まれた部分であるが、本発明においては、第二接続部223の存在によって定義される部位であることから、第二接続部223に第二はんだ阻止部232が形成されているとする。このような構成においても、第二はんだ阻止部232は、第二接続部223のうち第二はんだ阻止部232以外の部分よりもはんだに対する濡れ性が小さい。
【0181】
これらの変形例によれば、第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232を有することにより、発光モジュールA3を実装基板7に実装する際に、溶融したはんだ3が第一収容凹部15や第二収容凹部16へと進行することを第一はんだ阻止部231および第二はんだ阻止部232によって阻止することができる。
【0182】
図74は、基材1、配線パターン2および透光樹脂6についての変形例としての発光モジュールA3およびこの発光モジュールA3が搭載された発光装置B3を示している。本変形例においては、基材1には、第一収容凹部15および第二収容凹部16が形成されていない。発光素子4は、表面11に搭載されている。このため、本変形例においては、表面11が本発明で言う搭載面に相当する。配線パターン2は、表面11の適所を覆うように形成されている。透光樹脂6は、表面11上において発光素子4を覆っており、表面11から突出している。
【0183】
図75〜79は、本発明の第4実施形態に基づく発光モジュールを示している。
図80および
図81は、本発明の第4実施形態に基づく発光装置を示している。本実施形態の発光モジュールA4においては、主に基材1に一対の側方凹部18が形成されている点が、上述した発光モジュールA3と異なっている。
【0184】
本実施形態においては、基材1に一対の側方凹部18が設けられている。一対の側方凹部18は、基材1のx方向両端に設けられている。各側方凹部18は、側面14から凹み、かつz方向において実装面13が位置する側に開口している。また、各側方凹部18は、y方向両側に開口しており、表面11および裏面12に到達している。
【0185】
配線パターン2は、一対の側方凹部電極27を有している。各側方凹部電極27は、側方凹部18の少なくとも一部を覆っており、本実施形態においては、各側方凹部電極27は、側方凹部18のすべてを覆っている。また、側方凹部電極27は、実装面電極24および裏面電極26に繋がっている。
【0186】
図81に示すように、側方凹部18は、側方凹部側面181および側方凹部天面182を有している。側方凹部側面181は、x方向外方を向いており、かつ実装面13に繋がっている。側方凹部天面182は、z方向において図中下方である外方を向いており、側面14および側方凹部側面181に繋がっている。
【0187】
次に、発光モジュールA4の製造方法について、
図82および
図83を参照しつつ以下に説明する。
【0188】
まず
図82に示す基材材料1Aを要する。発光モジュールA3の製造方法における複数の貫通孔13Bと異なり、本実施形態の貫通孔13Bは、4つの予備凹部18Aを有している。4つの予備凹部18Aは、貫通孔13Bのx方向両端に設けられている。すなわち、2つずつの予備凹部18Aが貫通孔13Bのx方向一端に配置されている。各予備凹部18Aは、内向き面13Aからz方向に凹んでいる。
【0189】
この基材材料1Aに対して、
図56〜
図70を参照して説明した工程を順次行う。そして、複数の発光素子4の搭載および複数のワイヤ5のボンディングと、透光樹脂6の形成(図示略)を経ることにより、
図83に示す状態を得る。この後は、図示された複数の切断線CLに沿って、たとえばダイシングブレードによって基材材料1Aを切断する。各切断線CLは、yz平面に含まれており、予備凹部18Aを通過している。この切断により、各予備凹部18Aは、x方向片側にある部分が、
図75〜
図81に示す側方凹部18となる。また、下地層200A、第一層201A、第二層202Aおよび第三層203Aからなる導電体層2Aが、下地層200、第一層201、第二層202および第三層203からなる複数の配線パターン2となる。以上の工程を経ることにより、複数の発光モジュールA4が得られる。
【0190】
次に、発光モジュールA4および発光装置B4の作用について説明する。
【0191】
本実施形態によっても、A4をより適切に実装することができる。また、発光モジュールA4が側方凹部電極27を有することにより、はんだ3が側方凹部電極27にも付着することが期待できる。これにより、発光モジュールA4の実装強度をさらに高めることができる。
【0192】
実装面電極24と側方凹部電極27とが繋がっていることにより、はんだ3が発光モジュールA4の隅部を囲むように形成されることが期待できる。
【0193】
図84〜
図87は、発光モジュールA4および発光装置B4の変形例を示している。
【0194】
図84に示す変形例においては、18は、側方凹部側面181、側方凹部天面182および側方凹部傾斜面183を有している。側方凹部側面181は、x方向外方を向いており、実装面13に繋がっている。実装凹部側面172は、z方向下方を向いており、側面14に繋がっている。側方凹部天面182は、側方凹部側面181および側方凹部天面182の間に介在し、かつこれらに繋がっている。また、側方凹部傾斜面183は、x方向に対して、言い換えると側方凹部側面181および側方凹部天面182に対して傾斜している。さらに、側方凹部傾斜面183は、曲面とされている。側方凹部電極27は、側方凹部側面181、側方凹部天面182および側方凹部傾斜面183の三面を覆っている。
【0195】
図85に示す変形例においては、側方凹部18は、側方凹部側面181、側方凹部天面182および側方凹部傾斜面183を有している。そして、側方凹部傾斜面183が平面とされている。
【0196】
図86に示す変形例においては、側方凹部18は、側方凹部側面181および側方凹部傾斜面183を有している。側方凹部傾斜面183は、側方凹部側面181と側面14との間に介在しており、これらと繋がっている。側方凹部傾斜面183は、x方向に対しており、言い換えると側方凹部側面181および側面14に対して傾斜している。さらに、本変形例においては、側方凹部傾斜面183は、曲面とされている。
【0197】
図87に示す変形例においては、側方凹部18は、実装凹部傾斜側面184のみを有している。実装凹部傾斜側面184は、側面14と実装面13とに繋がっている。実装凹部傾斜側面184は、z方向において側面14から離間するほどx方向において側面14から内方に離間するように傾斜している。
【0198】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。