【課題】鉛直方向に対しアンテナを小さい角度で精度良く設定できると共に、設定した角度を長期的により安定した状態で維持することができるアンテナ取付金具を提供すること。
【解決手段】腕金4にアンテナ5を鉛直方向に対し所定の角度で取付けるためのアンテナ取付金具1であって、腕金側金具11と、アンテナ側金具12とを備え、腕金側金具11およびアンテナ側金具12の横側面11b,12bには、それぞれ、アンテナ5を腕金4に対し所定の角度を設定する際の回動中心となる垂直回動中心ボルト7aが挿入される垂直回動中心ボルト孔11b1,12b1と、その垂直回動中心ボルト孔11b1,12b1に挿入された垂直回動中心ボルト7aを中心に腕金側金具11およびアンテナ側金具12を相対的に回動させて鉛直方向に対しアンテナ5を複数の所定の角度に設定する複数の角度設定ボルト孔が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に記載のアンテナ取付金具では、円弧状の長孔ボルト孔に角度設定ボルトを挿入して任意の俯角に設定しているため、細かい俯角の設定には限度があった。
【0005】
特に、最近は、通信会社や電話会社が増加すると共に、携帯電話や無線通信の需要が増大していると共に、高速通信が要求されているため、支柱に対するアンテナの俯角を細かく設定して、地表に対するアンテナの電波受信エリアを細かく区分する要求があり、1度や2度等の小さい角度でのアンテナの角度設定が要求されている。
【0006】
また、アンテナを取付ける場所は支柱の上の高所になるため、常に風の影響や地面からの振動の影響などを受けており、上述の特許文献1に記載のアンテナ取付金具のように円弧状の長孔ボルト孔に角度設定ボルトを挿入して任意の俯角に設定したのでは、経時変化により角度設定ボルトを留めているナット等が緩む場合があり、アンテナの正確な設定角度を維持できない可能性もある。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、基準方向に対しアンテナを小さい角度で精度良く設定できると共に、設定した角度を長期的により安定した状態で維持することができるアンテナ取付金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具は、
腕金にアンテナを基準方向に対し所定の角度で取付けるためのアンテナ取付金具であって、
腕金に取付けられる背面板とその背面板の両側の横側面とを有する断面コ字形状の腕金側金具と、
アンテナに取付けられる背面板とその背面板の両側の横側面とを有する断面コ字形状のアンテナ側金具とを備え、
前記腕金側金具およびアンテナ側金具の横側面には、それぞれ、アンテナを腕金に対し所定の角度を設定する際の回動中心となる垂直回動中心ボルトが挿入される垂直回動中心ボルト孔と、その垂直回動中心ボルト孔に挿入された垂直回動中心ボルトを中心に前記アンテナ側金具を回動させて基準方向に対しアンテナを複数の所定の角度に設定するための複数の角度設定ボルト孔とが形成されていることを特徴とする。
ここで、前記腕金側金具およびアンテナ側金具の横側面に設けられる複数の角度設定ボルト孔は、複数列で設けられていると良い。
また、前記垂直回動中心ボルトおよび角度設定ボルトは、角根ボルトであり、
前記腕金側金具およびアンテナ側金具の横側面のうち内側に位置する横側面の前記垂直回動中心ボルト孔および複数の角度設定ボルト孔は、前記垂直回動中心ボルトおよび角度設定ボルトの角根部分が回転せずに嵌るように角孔形状であるとさらに良い。
また、前記腕金側金具の横側面における前記アンテナ側金具に対向する側は、
基準方向に対しアンテナを最大角度に設定した場合でも、アンテナ側金具やアンテナがその横側面に当接せず、かつ、アンテナを最大角度に設定した場合でもアンテナ側金具とアンテナとの連結部分が腕金側金具の背面板より鉛直方向で外側に突出しないように切欠するとさらに良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアンテナ取付金具では、腕金側金具およびアンテナ側金具の横側面には、それぞれ、垂直回動中心ボルト孔と複数の角度設定ボルト孔とが形成されているため、基準方向に対しアンテナを小さい角度で精度良く設定できると共に、設定した角度を長期的により安定した状態で維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態を示す平面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態を示す正面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態を示す右側面図である。
【
図4】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を
図3に示す状態から+90度、−90度だけ水平方向に回転した状態を示す右側面図である。
【
図5】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態における当該金具部分を拡大して示す拡大正面図である。
【
図6】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態における当該金具部分を拡大して示す拡大平面図である。
【
図8】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを取付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を構成する腕金側金具の斜視図である。
【
図10】(a)〜(c)それぞれ、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を構成する腕金側金具の正面図、右側面図、底面図である。
【
図11】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を構成するアンテナ側金具の斜視図である。
【
図12】(a)〜(c)それぞれ、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を構成する腕金側金具の正面図、左側面図、平面図である。
【
図13】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを0度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【
図14】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを1度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【
図15】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを2度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【
図16】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを3度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【
図17】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを4度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【
図18】本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具を使用して腕金にアンテナを5度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1〜
図3は、それぞれ、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して腕金4に対しアンテナ5を取付けた状態を示す平面図、正面図、右側面図である。
【0013】
また、
図4(a),(b)は、それぞれ、実施形態のアンテナ取付金具1を
図3に示す状態から+90度、−90度だけ水平方向に回転した状態を示す右側面図である。
【0014】
また、
図5〜
図8は、それぞれ、実施形態のアンテナ取付金具1を使用して腕金4にアンテナ5を取付けた状態における当該金具1部分を拡大して示す拡大正面図、拡大平面図、
図6におけるA−A線断面図、斜視図である。
【0015】
また、
図9〜
図10(a)〜(c)は、それぞれ、実施形態のアンテナ取付金具1を構成する腕金側金具11の斜視図、正面図、右側面図、底面図である。
【0016】
また、
図11〜
図12(a)〜(c)は、それぞれ、実施形態のアンテナ取付金具1を構成するアンテナ側金具12の斜視図、正面図、左側面図、平面図である。
【0017】
実施形態のアンテナ取付金具1は、
図1〜
図8に示すように支柱2に対し締付バンド3等を介して水平方向に張り出して取り付けられた腕金4に対してアンテナ5を取付けるためのもので、腕金側金具11と、アンテナ側金具12とを備えている。
【0018】
腕金側金具11は、
図9および
図10(a)〜(c)にも示すように、腕金4に回動可能に取付けられる背面板11aと、その背面板11aの両側の横側面11b,11bとを有する断面コ字形状に形成されている。
【0019】
背面板11aは、
図9および
図10(a)〜(c)にも示すように、腕金4に水平方向に回動可能に取付けるための水平回動中心ボルト孔11a1が設けられている。なお、この背面板11aの水平回動中心ボルト孔11a1と、腕金4の対応する箇所に設けられた水平回動中心ボルト孔(図示せず。)には、
図1および
図2に示すように水平回動中心ボルト6aが挿入されて締結ナット6bにより締結される。
【0020】
横側面11b,11bには、それぞれ、アンテナ5を腕金4に対し所定の角度を設定する際の回動中心となる垂直回動中心ボルト7aが挿入される垂直回動中心ボルト孔11b1と、その垂直回動中心ボルト孔11b1に挿入された垂直回動中心ボルト7aを中心に腕金側金具11に対しアンテナ側金具12を回動させて基準方向、例えば、鉛直方向に対しアンテナ5を複数の所定の角度に設定する複数の角度設定ボルト孔11b2〜11b7とが設けられている。なお、基準方向は、鉛直方向に限るものでなく、水平方向でも基準となる方向であれば何でも良い。
【0021】
ここで、本実施形態では、例えば、アンテナ5を腕金4に対し設定する複数の所定の角度は、複数の角度設定ボルト孔11b2〜11b7にそれぞれ角度設定ボルト8aを挿入して、0度〜5度に1度刻みで設定できるようにしている。
【0022】
つまり、角度設定ボルト孔11b2は0度に設定する際に角度設定ボルト8aが挿入され、角度設定ボルト孔11b3は1度に設定する際、角度設定ボルト孔11b4は2度に設定する際、角度設定ボルト孔11b5は3度に設定する際、角度設定ボルト孔11b6は4度に設定する際、角度設定ボルト孔11b7は5度に設定する際に角度設定ボルト8aが挿入される。
【0023】
ここで、横側面11b,11bの角度設定ボルト孔11b2〜11b7は、
図9および
図10(a)〜(c)に示すように、垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aとして、いわゆる角根ボルトが使用できるように正方形の角孔形状に形成されている。
【0024】
また、この横側面11b,11bにおけるアンテナ側金具12に対向する側(
図10(a)であれば図上右側)は、後述する
図14に示すようにアンテナ5の水平方向の突出量を小さくしてアンテナ5の自重によりこの金具1自体にかかる負荷が小さくなると共に、アンテナ側金具12とアンテナ5との連結部分が腕金4や腕金側金具11によって鉛直方向で常に隠れるようにすると共に、鉛直方向に対しアンテナ5を最大角度(本実施形態の場合、後述する
図18の5度である。)に設定した際、アンテナ側金具12の後述する背面板12aやアンテナ5が横側面11b,11bに当接せず、かつ、アンテナ5を最大角度に設定した場合でもアンテナ側金具12とアンテナ5との連結部分(接合部分)が腕金側金具11の背面板11aより鉛直方向で外側に突出しないように切欠している。
【0025】
そのため、腕金側金具11の側面11b,11bにおけるアンテナ側金具12に対向する側(
図10(a)であれば図上右側)を切欠することにより、アンテナ5の設定角度(俯角)を0度〜5度まで支障無く設定できるだけでなく、金具1自体にかかる負荷を小さくできると共に、アンテナ側金具12とアンテナ5との連結部分が腕金4や腕金側金具11によって鉛直方向で常に隠れるので、その連結部分における雨等による腐食も軽減でき、アンテナ4に設定した設定角度(俯角)を長期的により安定した状態で維持することができる。
【0026】
アンテナ側金具12は、
図11および
図12(a)〜(c)に示すように、アンテナ5にビスやネジ等により固定される背面板12aと、その背面板12aの両側の横側面12b,12bとを有する断面コ字形状に形成されている。
【0027】
背面板12aは、
図11および
図12(a)〜(c)に示すように、アンテナ5にビスやネジ等により固定するため4つの小孔12a1が設けられている。
【0028】
横側面12b,12bには、それぞれ、アンテナ5を腕金4に対し所定の角度を設定する際の回動中心となる垂直回動中心ボルト7aが挿入される垂直回動中心ボルト孔12b1と、その垂直回動中心ボルト孔12b1に挿入された垂直回動中心ボルト7aを中心にアンテナ側金具12およびアンテナ側金具12を相対的に回動させて複数の所定の角度、すなわち0度〜5度に1度刻みで設定する複数の角度設定ボルト孔12b2〜12b7とが設けられている。
【0029】
つまり、角度設定ボルト孔12b2は0度に設定する際に角度設定ボルト8aが挿入され、角度設定ボルト孔12b3は1度に設定する際、角度設定ボルト孔12b4は2度に設定する際、角度設定ボルト孔12b5は3度に設定する際、角度設定ボルト孔12b6は4度に設定する際、角度設定ボルト孔12b7は5度に設定する際に角度設定ボルト8aが挿入される。
【0030】
なお、垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aとして、いわゆる角根ボルトを使用するが、垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aの角根部分が嵌って垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aの回動を制止する角孔形状は、腕金側金具11の横側面11b,11bの角度設定ボルト孔11b2〜11b7側に形成したため、アンテナ側金具12の横側面12b,12bの角度設定ボルト孔12b2〜12b7は、
図11および
図12(a)〜(c)に示すように通常の丸孔形状でも良い。
【0031】
次に、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を0度〜5度の角度で取付ける場合について説明する。なお、0度〜5度のいずれの角度でアンテナ5を取付ける場合でも、垂直回動中心ボルト7aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの水平回動中心ボルト孔11a1および垂直回動中心ボルト孔11b1に挿入されて締結ナット7bによって締結される。
【0032】
図13は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を0度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【0033】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの0度の角度設定ボルト孔11a2および垂直回動中心ボルト孔11b2に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0034】
図14は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を1度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。この場合、
【0035】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの0度の角度設定ボルト孔11a3および垂直回動中心ボルト孔11b3に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0036】
図15は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を2度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【0037】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの0度の角度設定ボルト孔11a4および垂直回動中心ボルト孔11b4に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0038】
図16は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を3度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【0039】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの0度の角度設定ボルト孔11a5および垂直回動中心ボルト孔11b5に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0040】
図17は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を4度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【0041】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの4度の角度設定ボルト孔11a6および垂直回動中心ボルト孔11b6に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0042】
図18は、本発明に係る実施形態のアンテナ取付金具1を使用して鉛直方向に対しアンテナ5を5度の角度を設定して取付けた状態を示す部分拡大平面図である。
【0043】
この場合、角度設定ボルト8aは、腕金側金具11およびアンテナ側金具12それぞれの5度の角度設定ボルト孔11a7および垂直回動中心ボルト孔11b7に挿入されて締結ナット8bによって締結される。
【0044】
従って、本実施形態のアンテナ取付金具1では、腕金側金具11の横側面11b,11bには0度〜5度までの1度刻みの複数の角度設定ボルト孔11b2〜11b7を設ける一方、アンテナ側金具12の横側面12b,12bには0度〜5度までの1度刻みの複数の角度設定ボルト孔12b2〜12b7を設けたため、鉛直方向に対しアンテナ5を1度間隔で0度〜5度まで設定できると共に、設定した角度を長期的により安定した状態で維持することができる。
【0045】
また、本実施形態のアンテナ取付金具1では、腕金側金具11およびアンテナ側金具12の横側面11b,11b、12b,12bに設けられる複数の角度設定ボルト孔11b2〜11b7、12b2〜12b7は、2列で設けられているため、腕金側金具11およびアンテナ側金具12がアンテナ5の鉛直方向の長さよりも長くならず、コンパクトなサイズに収めることができると共に、アンテナ5の鉛直方向の長さがそのアンテナ5を支持しているアンテナ側金具12の鉛直方向の長さよりも長くなることによって、地表にある携帯電話や通信端末等からの電波をアンテナ5が受信する際に、アンテナ側金具12が障害になることを極力防止できる。
【0046】
特に、角度設定ボルト孔を2列で設けたため、垂直回動中心ボルト孔11b1および垂直回動中心ボルト孔12b1側の角度設定ボルト孔11b2,11b4,11b6、12b2,12b4,12b6は、0度、2度、4度という偶数角度の角度設定ボルト孔になる一方、それと並設した角度設定ボルト孔11b3,11b5,11b7、12b3,12b5,12b7は、1度、3度、5度という奇数角度の角度設定ボルト孔になるので、作業者は角度設定ボルト孔の列によって直感的に偶数角度の設定と奇数角度の設定を間違えることなく設定することが可能になり、作業性や作業品質などが向上する。
【0047】
また、垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aは、角根ボルトであり、腕金側金具11およびアンテナ側金具12の横側面11b,11b、12b,12bのうち内側に位置する腕金側金具11の横側面11b,11bは、その垂直回動中心ボルト孔11b1および複数の角度設定ボルト孔11b2〜11b7は、垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aの角根部分が回転せずに嵌るように角孔形状で構成したため、外側に垂直回動中心ボルト7aおよび角度設定ボルト8aを締結するそれぞれ締付ナット7bおよび8bが位置することになり、作業性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態のアンテナ取付金具1では、腕金側金具11の側面11b,11bにおけるアンテナ側金具12に対向する側を切欠することにより、アンテナ5の設定角度(俯角)を0度〜5度まで支障無く設定できるだけでなく、金具1自体にかかる負荷を小さくできると共に、アンテナ側金具12とアンテナ5との連結部分が腕金4や腕金側金具11によって鉛直方向で常に隠れるので、その連結部分における雨等による腐食も軽減することができる。その結果、この点でも、アンテナ4に設定した設定角度(俯角)を長期的により安定した状態で維持することができる。
【0049】
なお、上記実施形態の説明では、アンテナ5を腕金4に対し設定する複数の所定の角度は、0度〜5度の1度刻みで設定するように説明したが、本発明では、これに限らず、5度以上設定できるように角度設定ボルト孔11b2〜11b7の数を増やしても良いし、さらに各角度設定ボルト孔11b2〜11b7の刻み角度を、0.5度や、1.5度、2度など、1度以外の角度毎に設定するようにしても勿論良い。