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特開2015-149685接続情報共有サーバ、接続情報共有方法、接続情報共有サーバ用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-149685(P2015-149685A)
(43)【公開日】2015年8月20日
(54)【発明の名称】接続情報共有サーバ、接続情報共有方法、接続情報共有サーバ用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/06 20090101AFI20150724BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20150724BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20150724BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20150724BHJP
【FI】
   H04W12/06
   G06F21/20 144C
   H04W64/00 173
   H04W8/00 110
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-22879(P2014-22879)
(22)【出願日】2014年2月7日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067AA35
5K067BB21
5K067DD17
5K067DD27
5K067DD51
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
5K067FF02
5K067FF03
5K067HH23
5K067JJ53
5K067JJ56
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通信端末の付近にある接続可能な端末への接続情報を適切に提供する。
【解決手段】通信端末10と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベース250を備えた接続情報共有サーバ200は、前記通信端末10の位置情報を取得し、前記端末位置データベース250から、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末50a、50bを抽出し、前記通信端末10と、前記抽出した他の端末50a、50bとを接続可能な接続方法を特定し、前記特定した接続方法を、前記他の端末50a、50bの情報とともに前記通信端末10に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバであって、
前記通信端末の位置情報を取得する端末位置取得手段と、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出する近接端末抽出手段と、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定する接続方法特定手段と、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信する接続情報送信手段と、
を備えることを特徴とする接続情報共有サーバ。
【請求項2】
記憶部に各端末が利用可能な接続方法を記憶させた接続方法データベースを備え、
前記端末情報データベースから、前記通信端末と、前記他の端末とについて、それぞれ利用可能な接続方法を抽出する接続方法抽出手段と、を備え、
前記通信端末と、前記他の端末とを接続可能な接続方法の特定は、前記抽出した当該通信端末が利用可能な接続方法と、当該他の端末が利用可能な接続方法とに基づいて特定することを特徴とする請求項1に記載の接続情報共有サーバ。
【請求項3】
記憶部に各端末の認証情報を記憶させた端末セキュリティデータベースを備え、
前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末への接続に用いる認証情報を抽出する認証情報抽出手段と、
前記抽出した認証情報を、前記通信端末に送信する認証情報送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の接続情報共有サーバ。
【請求項4】
前記端末セキュリティデータベースには認証情報を送信可能な端末の条件として端末セキュリティ条件が記憶され、
前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末の認証情報を送信するためのセキュリティ条件を抽出するセキュリティ条件抽出手段と、
前記通信端末が前記セキュリティ条件を満たすか否かを判定するセキュリティ条件判定手段と、を備え
前記判定の結果、前記セキュリティ条件を満たすと判定された時にのみ、前記認証情報を前記通信端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の接続情報共有サーバ。
【請求項5】
通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバが実行する接続情報共有方法であって、
前記通信端末の位置情報を取得するステップと、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出するステップと、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定するステップと、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信するステップと、
を備えることを特徴とする接続情報共有方法。
【請求項6】
通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバに、
前記通信端末の位置情報を取得するステップ、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出するステップ、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定するステップ、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信するステップ、
を実行させることを特徴とする接続情報共有サーバ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末からの求めに応じ、付近にある端末への接続情報を提供する接続情報共有サーバ、接続情報共有方法、接続情報共有サーバ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、スマートフォンのみならず、従来ネットワークには繋がっていなかった様々な機器がネットワークへの接続に対応し、別の機器と情報のやり取りを行いながら、高度な機能を提供する場面が増加している。
【0004】
一方で、ネットワーク構造の複雑化や、ネットワークに接続された端末の増加によって、各端末へ接続するための接続情報を管理することについて、複雑性や煩雑さが増しているという問題がある。
【0005】
このような課題に対して、ネットワークに接続された端末の情報を管理する端末管理装置が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−69245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1によれば、端末管理装置10は、端末と接続されたことに応じて、端末の端末識別情報および端末環境情報を取得し、予め、端末管理装置10にて、アプリケーションサービスの利用契約を管理する端末の端末識別情報に対応付けて、アプリケーションサービスを提供する事業者のサーバを識別するサーバ情報を格納し、取得した端末識別情報が格納されているか否かにより、端末の認証を行い、端末が認証された場合に、取得した端末識別情報および端末環境情報を格納し、端末環境情報の送信要求に応じて、送信要求がされた端末の端末識別情報により、取得したサーバ情報に基づいて、端末環境情報を送信することで、端末の管理を行う。
【0008】
特許文献1の手法では、端末の契約に関する認証手段を備える事で、端末の権利関係まで詳細な管理ができるという利点がある。加えて、実際の利用シーンを鑑みると、自分の所持している端末から、接続可能な端末を列挙したり、その端末への接続情報を取得したりという使い方ができないという問題がある。
【0009】
そこで本発明者は、各端末への接続情報を管理するサーバにおいて、各端末のセキュリティ条件を設定し、接続情報のリクエストを送信した端末がセキュリティ設定を満たしている場合のみ認証情報を送信することで、セキュリティを担保しつつ効率的に接続情報を管理できる点に着目した。
【0010】
また、本発明者は、サーバに登録されている端末のうち、単に接続可能な端末を列挙しただけでは候補が膨大な数になってしまう点を鑑み、接続情報のリクエストを送信した端末の位置情報を利用することで、対象をリクエスト端末から所定の範囲にある端末に限定することで、利便性を向上できる点に着目した。加えて、一般的な端末管理システムがインターネットを介した接続を前提としている点にも鑑み、その他通信規格にも対応する際には対象端末との距離が重要である点にも着目して、上記位置情報に基づく制限を加えた。
【0011】
本発明は、通信端末からの求めに応じ、位置情報を基に付近にある端末を特定し、両端末が通信可能な接続方法を特定し、通信端末に提供するとともに、端末にセキュリティ条件が設定されている場合には、通信端末が当該セキュリティ条件を満たす場合にのみ認証情報を送信することで、適切に接続情報を提供する接続情報共有サーバ、接続情報共有方法、接続情報共有サーバ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明は、通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバであって、
前記通信端末の位置情報を取得する端末位置取得手段と、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出する近接端末抽出手段と、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定する接続方法特定手段と、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信する接続情報送信手段と、
を備えることを特徴とする接続情報共有サーバを提供する。
【0014】
第1の特徴に係る発明によれば、通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバは、前記通信端末の位置情報を取得し、前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出し、前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定し、前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信する。
【0015】
第1の特徴に係る発明は、機器検出端末のカテゴリであるが、機器検出方法及び、機器検出端末用プログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0016】
第2の特徴に係る発明は、記憶部に各端末が利用可能な接続方法を記憶させた接続方法データベースを備え、
前記端末情報データベースから、前記通信端末と、前記他の端末とについて、それぞれ利用可能な接続方法を抽出する接続方法抽出手段と、を備え、
前記通信端末と、前記他の端末とを接続可能な接続方法の特定は、前記抽出した当該通信端末が利用可能な接続方法と、当該他の端末が利用可能な接続方法とに基づいて特定することを特徴とする第1の特徴に係る発明である接続情報共有サーバを提供する。
【0017】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である接続情報共有サーバは、記憶部に各端末が利用可能な接続方法を記憶させた接続方法データベースは、前記端末情報データベースから、前記通信端末と、前記他の端末とについて、それぞれ利用可能な接続方法を抽出し、前記通信端末と、前記他の端末とを接続可能な接続方法の特定においては、前記抽出した当該通信端末が利用可能な接続方法と、当該他の端末が利用可能な接続方法とに基づいて特定する。
【0018】
第3の特徴に係る発明は、記憶部に各端末の認証情報を記憶させた端末セキュリティデータベースを備え、
前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末への接続に用いる認証情報を抽出する認証情報抽出手段と、
前記抽出した認証情報を、前記通信端末に送信する認証情報送信手段と
を備えることを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明である接続情報共有サーバを提供する。
【0019】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である接続情報共有サーバは、記憶部に各端末の認証情報を記憶させた端末セキュリティデータベースを備え、前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末への接続に用いる認証情報を抽出し、前記抽出した認証情報を、前記通信端末に送信する。
【0020】
第4の特徴に係る発明は、前記端末セキュリティデータベースには認証情報を送信可能な端末の条件として端末セキュリティ条件が記憶され、
前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末の認証情報を送信するためのセキュリティ条件を抽出するセキュリティ条件抽出手段と、
前記通信端末が前記セキュリティ条件を満たすか否かを判定するセキュリティ条件判定手段と、を備え
前記判定の結果、前記セキュリティ条件を満たすと判定された時にのみ、前記認証情報を前記通信端末に送信することを特徴とする第3の特徴に係る発明である接続情報共有サーバを提供する。
【0021】
第4の特徴に係る発明によれば、第3の特徴に係る発明である接続情報共有サーバにおいて、前記端末セキュリティデータベースには認証情報を送信可能な端末の条件として端末セキュリティ条件が記憶され、また、第3の特徴に係る発明である接続情報共有サーバは、前記端末セキュリティデータベースから、前記抽出した他の端末の認証情報を送信するためのセキュリティ条件を抽出し、前記通信端末が前記セキュリティ条件を満たすか否かを判定し、前記判定の結果、前記セキュリティ条件を満たすと判定された時にのみ、前記認証情報を前記通信端末に送信する。
【0022】
第5の特徴に係る発明は、通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバが実行する接続情報共有方法であって、
前記通信端末の位置情報を取得するステップと、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出するステップと、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定するステップと、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信するステップと、
を備えることを特徴とする接続情報共有方法を提供する。
【0023】
第6の特徴に係る発明は、通信端末と通信可能に接続され、記憶部に各端末の位置を記憶させた端末位置データベースを備えた接続情報共有サーバに、
前記通信端末の位置情報を取得するステップ、
前記端末位置データベースから、前記取得した位置情報を基準として所定の範囲内に存在する他の端末を抽出するステップ、
前記通信端末と、前記抽出した他の端末とを接続可能な接続方法を特定するステップ、
前記特定した接続方法を、前記他の端末の情報とともに前記通信端末に送信するステップ、
を実行させることを特徴とする接続情報共有サーバ用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、本発明は、通信端末からの求めに応じ、位置情報を基に付近にある端末を特定し、両端末が通信可能な接続方法を特定し、通信端末に提供するとともに、端末にセキュリティ条件が設定されている場合には、通信端末が当該セキュリティ条件を満たす場合にのみ認証情報を送信することで、適切に接続情報を提供する接続情報共有サーバ、接続情報共有方法、接続情報共有サーバ用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、接続情報共有システム1の概要を説明するための概要図である。
図2図2は、接続情報共有システム1の全体構成図である。
図3図3は、通信端末10、接続情報共有サーバ200の機能ブロック図である。
図4図4は、通信端末10、接続情報共有サーバ200が実行する接続情報共有処理を示すフローチャート図である。
図5図5は、通信端末10、接続情報共有サーバ200が実行する近接端末抽出処理を示すフローチャート図である。
図6図6は、端末位置データベース250内の端末位置テーブルの一例である。
図7図7は、接続方法データベース251内の接続方法テーブルの一例である。
図8図8は、端末セキュリティデータベース252内の端末セキュリティテーブルの一例である。
図9図9は、接続方法と認証情報を受信し通信端末10の表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0027】
[機器検出システムの概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である接続情報共有システム1について説明するための概要図である。この図1に基づいて、接続情報共有システム1について説明する。
【0028】
接続情報共有システム1において、はじめに、通信端末10は、通信端末10の現在の位置情報を取得する(ステップS01)。ここで位置情報は、付近に存在する端末を検出するための基準となる位置を特定するための情報であって、GPSやWi-Fiを利用して緯度、経度を取得するのが一般的であるが、ビーコン端末を基準に無線通信を介して更に詳細な位置情報を取得してもよい。
【0029】
次に通信端末10は、取得した位置情報を接続情報共有サーバ200に送信する(ステップS02)。接続情報共有サーバ200は位置情報を受信すると、所定の範囲内にある端末50を端末位置データベース250から抽出する(ステップS03)。ここで所定の範囲内にある端末50とは、受信した位置情報を中心とした円形や矩形の範囲に存在する端末50のことを指す。この範囲は、システムや通信端末10ごとに任意に定められてよい。
【0030】
また、接続情報共有サーバ200は、抽出した端末50について、接続方法データベース251を参照して各端末50が利用可能な接続方法を抽出する(ステップS04)。ここでは、通信端末10自体の情報も記憶されていると考えられるので、通信端末10が利用可能な接続方法も同時に抽出する。そうすることで、共通している接続方法が両端末を接続可能な接続方法として特定できる。
【0031】
続いて、接続情報共有サーバ200は、抽出した端末50について、端末セキュリティデータベース252を参照して各端末の認証情報とセキュリティ条件を抽出する(ステップS05)。また、通信端末10がセキュリティ条件を満たしているかの情報を、通信端末10から取得してよい。
【0032】
そして、接続情報共有サーバ200は、抽出した各種の情報を通信端末10に送信する(ステップS06)。ただし、セキュリティ条件が設定されている端末50については、端末10がセキュリティ条件を満たしているときのみ認証情報を送信してよい。
【0033】
最後に、情報を受信した通信端末10は、その情報を使って各端末50に接続する(ステップS07)。以上が、接続情報共有システム1の概要である。なお、図1中でIPアドレスはプライベートIPアドレスになっているが、グローバルIPアドレスを利用しても構わないし、プライベートIPアドレスになっている場合は、SSID等のネットワークを特定できる情報を併記してもよい。また、Wi-Fiを除けば多くの近距離無線通信は接続に際してIPアドレスと無関係であるため、IPアドレスを利用することは必須の構成ではない。
【0034】
[機器検出システムのシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態である接続情報共有システム1のシステム構成図である。接続情報共有システム1は、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、GPS5、通信端末10、複数の端末50、接続情報共有サーバ200から構成される。
【0035】
通信端末10は、後述の機能を備えた一般的な情報端末であって、例えば、パソコン、テレビ、電話機、コンピュータに加えて、携帯電話、携帯情報端末、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ、オーディオコンポ、コンテンツ再生・録画プレーヤ、プリンタ、FAX機、コピー機、スキャナ機、MFP(多機能周辺装置、多機能プリンタ)等の情報家電のみならず、冷蔵庫、洗濯機、食器洗浄乾燥機、扇風機、エアコン、電気ストーブ、炊飯器、電子レンジ等の白物家電や、電気照明、サーバ、ルータ、ゲートウェイ、NAS(Network Attached Storage)等も含む。通信端末10と各端末50は、LANで接続されている。接続情報共有システム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。
【0036】
端末50は、データ通信を行うことが可能な家庭用又は業務用の電子機器である。また、本発明の目的は通信端末10に対して端末50へ接続するための情報を提供するためのものであるから、現段階では通信端末10と各端末50は通信可能に接続されていない。
【0037】
接続情報共有サーバ200は、後述の機能を備えた一般的なサーバであってよい。
【0038】
[各機能の説明]
図3は、通信端末10、端末50、接続情報共有サーバ200の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0039】
通信端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、第3世代、第4世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス、GPS等の位置情報取得デバイス、そのほか無線通信規格に対応したデバイスを備える。
【0040】
通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、位置情報取得モジュール13、位置情報送信モジュール14、接続方法受信モジュール15、認証情報受信モジュール16、セキュリティ条件関連情報送信モジュール17を実現する。
【0041】
接続情報共有サーバ200は、同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。加えて、接続情報共有サーバ200は、記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。接続情報共有サーバ200は、端末位置データベース250、接続方法データベース251、端末セキュリティデータベース252を、記憶部203に備える。
【0042】
接続情報共有サーバ200の制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、端末位置取得モジュール204、接続情報送信モジュール205、認証情報送信モジュール206、セキュリティ条件判定モジュール207を実現する。また、接続情報共有サーバ200の制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、近接端末抽出モジュール208、接続方法特定モジュール209、接続方法抽出モジュール210、認証情報抽出モジュール211、セキュリティ条件抽出モジュール212を実現する。
【0043】
[接続情報共有処理]
図4は、通信端末10、接続情報共有サーバ200が実行する接続情報共有処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0044】
はじめに、通信端末10と接続情報共有サーバ200は、通信端末10の付近にある端末を検出するため、近接端末抽出処理を実行する(ステップS01)。
【0045】
[近接端末抽出処理]
図5は、通信端末10、接続情報共有サーバ200が実行する近接端末抽出処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0046】
はじめに、通信端末10の位置情報取得モジュール13は、通信端末10の現在位置の位置情報を取得する(ステップS31)。ここで位置情報は、付近に存在する端末を検出するための基準となる位置を特定するための情報であって、GPSやWi-Fiを利用して緯度、経度を取得するのが一般的であるが、ビーコン端末を基準に無線通信を介して更に詳細な位置情報を取得してもよい。具体的には、BLE(Bluetooth Low Energy)といった省電力の近距離無線通信を用いて数mの精度での位置情報の取得が可能である。
【0047】
次に通信端末10は、取得した位置情報を接続情報共有サーバ200に送信する(ステップS32)。接続情報共有サーバ200の端末位置取得モジュール204は位置情報を受信する(ステップS33)。
【0048】
接続情報共有サーバ200は、位置情報を受信すると、近接端末抽出モジュール208が所定の範囲内にある端末50を端末位置データベース250から抽出する(ステップS34)。ここで所定の範囲内にある端末50とは、受信した位置情報を中心とした円形や矩形の範囲に存在する端末のことを指す。この範囲は、システムや通信端末10ごとに任意に定められてよい。
【0049】
図6は、端末位置データベース250内の端末位置テーブルの一例である。端末位置テーブルにおいては、端末50の端末IDと位置情報、及び端末にアクセスするためのIPアドレスが記憶されている。ここで位置情報は緯度、経度で表されているが、位置情報を一意に表す事が可能であればこれに限られない。また、接続にインターネットを利用しない端末の場合は、IPアドレスは必ずしも必要ではない。
【0050】
近接端末抽出モジュール208による端末の抽出は、抽出範囲を数式で表し、受信した通信端末10の位置情報をあてはめることで、条件式を得る事ができる。そして、その条件式にあてはまる位置情報と関連付けて登録された端末50を全て抽出することで、所定の範囲内にある端末50を抽出できる。
【0051】
以上が、近接端末抽出処理の手順である。接続情報共有処理に戻り、通信端末10は、抽出した各端末50に対して、以下のステップS13からステップS24までの処理を繰り返し実行する(ステップS12)。
【0052】
初めに、接続情報共有サーバ200の接続方法抽出モジュール210は、端末50が利用可能な接続方法を接続方法データベース251から抽出する(ステップS13)。
【0053】
図7は、接続方法データベース251内の接続方法テーブルの一例である。接続方法テーブルには、各端末50の端末IDと、利用可能な接続方法とが関連付けられて記憶されている。ここで、接続方法テーブル内の端末IDと、端末位置テーブル内の端末IDは、1:1に対応している。そのため、現在処理を行っている端末50の端末IDで情報を抽出することで、端末50の利用可能な接続方法を抽出できる。
【0054】
続いて、接続情報共有サーバ200の接続方法特定モジュール209は、通信端末10と端末50を接続可能な接続方法を特定する(ステップS14)。具体的には、通信端末10についても利用可能な接続方法を接続方法データベース251から抽出し、共通している接続方法を抜き出せばよい。ただし、通信の規格によっては送信と受信の待ち受けが共通ではない場合があるので、送受信いずれかに限定している場合は、その対応を以て共有しているものとみなしてよい。
【0055】
そして、接続情報共有サーバ200の接続情報送信モジュール205は、特定した接続方法を通信端末10に送信する(ステップS15)。その際、接続方法に応じて必要な端末の情報、例えばIPアドレス等があれば、同時に送信してよい。通信端末10の接続方法受信モジュール15は、接続方法等を受信する(ステップS16)
【0056】
次に、接続情報共有サーバ200のセキュリティ条件抽出モジュール212は、端末50のセキュリティ条件を端末セキュリティデータベース252から抽出する(ステップS13)。
【0057】
図8は、端末セキュリティデータベース252内の端末セキュリティテーブルの一例である。端末セキュリティテーブルには、各端末50の端末IDと、認証情報と、認証情報を提供可能か否かを判断するための基準となるセキュリティ条件とが関連付けられて記憶されている。ここで、接続方法テーブル内、及び端末位置テーブル内の端末IDと、端末セキュリティテーブルの端末IDは、1:1に対応している。そのため、現在処理を行っている端末50の端末IDで情報を抽出することで、端末50のセキュリティ条件、及び認証情報を抽出できる。
【0058】
セキュリティ条件を抽出した後、接続情報共有サーバ200のセキュリティ条件判定モジュール207は、セキュリティ条件に関する通信端末10の情報を送信するよう、通信端末10に対して要求する(ステップS18)。これに対して、通信端末10のセキュリティ条件関連情報送信モジュール17は、端末内から関連情報を取得し、接続情報共有サーバ200に送信する(ステップS19)。
【0059】
ここで、関連情報として、例えばアドレス帳を初めとする記憶部に記憶されたデータや、MACアドレスといった機器固有の情報が挙げられるが、これに限られない。また、端末50にセキュリティ条件が設定されていない場合は、ステップS18、S19は省略してよい。
【0060】
次に、セキュリティ条件抽出モジュール212は、通信端末10から受信したセキュリティ条件関連情報を元に、通信端末10が端末50のセキュリティ条件を満たしているか否かを判断する(ステップS20)。ここで、通信端末10が端末50のセキュリティ条件を満たしていない場合(ステップS20:「NO」の場合)には、認証情報の共有は行わず、その端末50に関する処理を終わり、次の端末50に関してステップS13に戻る(ステップS24)。
【0061】
一方、通信端末10が端末50のセキュリティ条件を満たしている場合(ステップS20:「YES」の場合)には、接続情報共有サーバ200の認証情報抽出モジュール211が端末セキュリティデータベース252から端末50の認証情報を抽出し、(ステップS21)、認証情報送信モジュール206が抽出した認証情報を通信端末10に送信する(ステップS22)。通信端末10の認証情報受信モジュール16は、認証情報を受信する(ステップS23)。
【0062】
以上の処理でその端末50に関する処理を終わり、まだ未処理の端末50がある場合には、その端末50に関してステップS13に戻る(ステップS24)。近接端末抽出処理で抽出された端末50全てに関して処理が終了した場合、接続情報共有処理をそのまま終了する。
【0063】
以上の処理を通じて、通信端末10は付近にある端末50との接続方法を受信し、更にセキュリティ設定を満たす場合には認証情報を受信することが可能である。これにより、端末50との通信が可能になるので、必要に応じて端末50との通信を開始してよい。
【0064】
図9は、接続方法と認証情報を受信した通信端末10の表示の一例である。抽出した付近にある端末50がアイコン91、92等で表され、その横に端末50の情報93が表示されており、接続ボタン94を押し下げることで当該端末50への接続が開始される。なお、接続方法が特定できなかったり、セキュリティ条件を満たしていなかったりする場合は、接続ボタン94は非表示になっていてよい。
【0065】
以上が、接続情報共有処理の手順である。
【0066】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0068】
1 接続情報共有システム、3 公衆回線網、5 GPS、10 通信端末、50 端末、200 接続情報共有サーバ、250 端末位置データベース、251 接続方法データベース、252 端末セキュリティデータベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9