【解決手段】演出を実行するための演出コマンドを入力するコマンド入力手段と、演出コマンドに対応した演出を実行する演出実行手段と、演出コマンドを入力したタイミングを特定可能なタイミング情報を、演出の実行に合わせて表示するタイミング情報表示手段と、を備えた遊技機3に対応する遊技機用システム1は、演出画像をタイミング情報の表示と共に録画する録画手段と、タイミング情報と同期して演出画像を再生する再生手段と、を備えている。
遊技機外部に設けられ、前記コマンド出力手段が出力した演出コマンドの履歴の情報又は前記コマンド入力手段が入力した演出コマンドの履歴の情報である履歴情報を特定する履歴情報特定手段と、
前記録画手段が録画した演出と、当該演出の実行中の前記履歴情報とを、前記録画手段が録画した前記タイミング情報を用いて同期させる同期処理を実行する同期手段と、を備え、
前記再生手段は、前記同期手段による前記同期処理の実行の後、前記録画結果に対応した演出を、当該演出の実行中における前記履歴情報を特定可能に再生することを特徴とする請求項6に記載の遊技機用システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技機では、複数の演出が連続的に行われ、先行する演出によって演出内容が影響を受ける演出もある。一の演出を実行させるために対応する演出コマンドを出力した場合であっても、それまでに入力した演出コマンドの種類や組み合わせ等に応じて、一の演出を正常に実行できる場合と正常に実行できない場合とが発生することがある。特に、近年の遊技機では、演出の処理が複雑化しており、演出コマンドを入力したタイミングによって演出を正常に実行できるか否かが変化することもある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、動作検査に適した遊技機、及び遊技機の動作検査を効率良く実施できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、演出を実行するための演出コマンドを出力するコマンド出力手段と、
前記コマンド出力手段が出力した前記演出コマンドを入力するコマンド入力手段と、
前記コマンド入力手段が入力した前記演出コマンドに対応した演出を実行する演出実行手段と、
前記演出コマンドを入力又は出力したタイミングを特定可能なタイミング情報を、演出の実行に合わせて表示するタイミング情報表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技機にある(請求項1)。
【0007】
本発明に係る遊技機では、演出コマンドの入力又は出力のタイミングを特定可能なタイミング情報が演出の実行に合わせて表示される。そのため、演出の実行に異常が生じたとき、入力していた演出コマンドを特定し易くなっている。この遊技機では、異常の原因が特定し易くなり、動作検査を効率良く行うことが可能となる。
【0008】
本発明に係る遊技機としては、遊技媒体である玉を使用(発射)して遊技されるパチンコ遊技機や、所定の入賞図柄が停止表示されたときに入賞を発生させるスロットマシン等がある。パチンコ遊技機としては、入賞口への玉の入賞に応じて玉を払い出すタイプであっても良い。また、ポイントを使用して玉を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体として利用して遊技されるタイプであっても良いが、メダル等を使用せずポイントを使用して(賭けて)遊技でき、所定の入賞図柄が停止して入賞が発生したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技媒体として玉を使用するパロット(R)であっても良い。
【0009】
本発明に係る遊技機用システムにおける履歴情報特定手段は、遊技機の実機の信号線又は信号出力端子、あるいは遊技機の表示機能を単体で動作可能に構成したシミュレーション検査用の表示ユニットの信号線又は信号出力端子にアクセスすることで履歴情報を特定するように構成することも良い。
【0010】
本発明における好適な一態様の遊技機は、前記演出実行手段及び前記タイミング情報表示手段のそれぞれを表示領域の一部として有する表示部を備え、
前記演出実行手段は、表示している画像を予め定められた周期で更新することで前記演出を実行するものであり、
前記タイミング情報表示手段は、前記演出実行手段が画像を更新する周期と同じ周期で表示しているタイミング情報の更新を実行する(請求項2)。
【0011】
演出実行手段及びタイミング情報表示手段が表示部の一部として設けられているため、表示部における描画処理で演出用の画像及びタイミング情報をそれぞれ形成するだけで良くなる。また、演出用の画像の更新周期と、タイミング情報の更新周期とを同期させたため、演出コマンドの入力タイミングを演出用の画像と対応付けて管理することが可能になり、演出コマンドの入力タイミングの管理を容易に行うことができる。
【0012】
本発明における好適な一態様の遊技機は、前記演出実行手段及び前記タイミング情報表示手段のそれぞれを表示領域の一部として有する表示部と、
当該表示部における前記タイミング情報表示手段に対応した領域を遮蔽する遮蔽部材と、を備えている(請求項3)。
【0013】
タイミング情報の表示を遮蔽する遮蔽部材を備える遊技機の場合、遮蔽部材によりタイミング情報の表示が遮蔽されていない状態で動作検査を実施し、動作検査後は遮蔽部材でタイミング情報の表示を遮蔽すれば良い。このような構成を採用すれば、遊技機が市場に出荷された後、タイミング情報の表示が遊技場従業員や遊技者等の目に触れて、無用な関心を惹いてしまうおそれを未然に抑制できる。
【0014】
本発明における好適な一態様の遊技機におけるタイミング情報表示手段は、前記タイミング情報を2次元コードで表示する(請求項4)。
2次元コードでタイミング情報を表示する場合には、比較的少ない表示スペースでより多くの情報量を表示可能である。また、演出の進行を録画しておけば、エラーが発生した場合には録画結果をコマ送りで再生し、2次元コードを画像読み込みするだけで良く、録画結果からのタイミング情報の読込みを容易に行うことができるようになる。
【0015】
本発明における好適な一態様の遊技機は、遊技者の発射操作に応じて玉を遊技領域に発射する操作手段と、
遊技領域を流下する玉が入賞可能な始動口と、
前記始動口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、を備え、
前記コマンド出力手段は、前記抽選手段による抽選結果を報知する演出を実行するための演出コマンドを出力する(請求項5)。
この場合には、玉を遊技領域に発射して遊技されるパチンコ遊技機について、異常の原因が特定し易くなり、動作検査を効率良く行うことが可能となる。
【0016】
本発明は、演出を実行するための演出コマンドを出力するコマンド出力手段と、
前記コマンド出力手段が出力した前記演出コマンドを入力するコマンド入力手段と、
前記コマンド入力手段が入力した前記演出コマンドに対応した演出を実行する演出実行手段と、
前記演出コマンドを入力又は出力したタイミングを特定可能なタイミング情報を、演出の実行に合わせて表示するタイミング情報表示手段と、を備えた遊技機に対応し、
前記演出実行手段が実行している演出及び前記タイミング情報表示手段が表示するタイミング情報を録画する録画手段と、
前記録画手段の録画結果を記憶する録画結果記憶手段と、
前記録画結果記憶手段が記憶している録画結果に対応した動画を再生する再生手段と、を備えたことを特徴とする遊技機用システムにある(請求項6)。
【0017】
本発明に係る遊技機用システムが対応する遊技機では、演出コマンドの入力又は出力のタイミングを特定可能なタイミング情報が演出の実行に合わせて表示される。そして、本発明に係る遊技機用システムは、この遊技機が実行する演出の進行を録画できるように構成されたシステムである。演出の進行を録画しておけば、エラーが発生したとき、その録画結果をコマ送りで再生してタイミング情報を特定できる。本発明に係る遊技機用システムを利用すれば、遊技機が実行する演出上で起こり得る異常の原因が特定し易くなり、動作検査を効率良く実施可能である。
【0018】
本発明における好適な一態様の遊技機用システムは、遊技機外部に設けられ、前記コマンド出力手段が出力した演出コマンドの履歴の情報又は前記コマンド入力手段が入力した演出コマンドの履歴の情報である履歴情報を特定する履歴情報特定手段と、
前記録画手段が録画した演出と、当該演出の実行中の前記履歴情報とを、前記録画手段が録画した前記タイミング情報を用いて同期させる同期処理を実行する同期手段と、を備え、
前記再生手段は、前記同期手段による前記同期処理の実行の後、前記録画結果に対応した演出を、当該演出の実行中における前記履歴情報を特定可能に再生する(請求項7)。
【0019】
この場合には、録画結果から演出コマンドの入力タイミングが特定できる。そのため、遊技機外部に演出コマンドの履歴情報を特定可能な機器を設けた構成を採用した場合であっても、遊技機外部で特定された履歴情報と録画結果との対応付けが容易になる。
【0020】
本発明における好適な一態様の遊技機用システムは、前記演出実行手段及び前記タイミング情報表示手段のそれぞれを表示領域として有する表示部を備え、
前記演出実行手段は、表示している画像を予め定められた周期で更新することで前記演出を実行するものであり、
前記タイミング情報表示手段は、前記演出実行手段が画像を更新する周期と同じ周期で表示しているタイミング情報の更新を実行すると共に、複数周期の間に入力した複数の演出コマンドについて、当該複数の演出コマンド内で入力タイミング又は出力タイミングを区別可能に一の前記タイミング情報で表示する(請求項8)。
【0021】
この場合には、表示中の一のタイミング情報によって複数周期の間に入力した演出コマンドを表示すると共に、表示している複数の演出コマンドだけでみても入力タイミングを区別できる。例えば画像の更新周期が非常に短くなると、録画手段の録画周期と画像の更新周期との間にズレが生じるおそれが高くなる。一のタイミング情報に複数周期の間に入力した演出コマンドを表示する場合であれば、録画手段の録画周期と画像の更新周期との間にズレが生じた場合であっても、録画結果と履歴情報との同期をとり易くなる。
【0022】
本発明は、演出を実行するための演出コマンドを出力するコマンド出力手段と、
前記コマンド出力手段が出力した前記演出コマンドを入力するコマンド入力手段と、
前記コマンド入力手段が入力した前記演出コマンドに対応した演出を実行する演出実行手段と、を備えた遊技機に対応し、
前記演出実行手段が実行している演出を録画する録画手段と、
前記録画手段の録画結果を記憶する録画結果記憶手段と、
遊技機外部に設けられ、前記コマンド出力手段が出力した演出コマンドの履歴の情報又は前記コマンド入力手段が入力した演出コマンドの履歴の情報である履歴情報を特定する履歴情報特定手段と、
前記遊技機に設けられ、前記履歴情報特定手段が特定した前記履歴情報と前記録画手段が録画した前記録画結果とを同期させるための同期情報を表示する同期情報表示手段と、
前記録画手段が録画した演出と、当該演出の実行中の前記履歴情報とを、前記同期情報を使用して同期させる同期処理を実行する同期手段と、
前記同期手段による前記同期処理の実行の後、前記録画結果に対応した演出を、当該演出の実行中における前記履歴情報を特定可能に再生する再生手段と、を備えたことを特徴とする遊技機用システムにある(請求項9)。
【0023】
本発明に係る遊技機用システムが対応する遊技機では、履歴情報と録画結果とを同期させるための同期情報が表示される。そして、本発明に係る遊技機用システムは、遊技機が実行する演出の進行を録画できるように構成されたシステムである。演出の進行を録画しておけば、エラーが発生したとき、履歴情報と同期された録画結果をコマ送りで再生することで、エラーが発生したときの演出コマンドを容易に特定できる。本発明に係る遊技機用システムを利用すれば、遊技機が実行する演出上で起こり得る異常の原因が特定し易くなり、動作検査を効率良く実施可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技の演出動作を確認するための実射検査に適した遊技機3、及びこの遊技機3を含む遊技機用システム1に関する例である。この内容について、
図1〜
図7を用いて説明する。
【0026】
遊技機用システム1(
図1)は、遊技機3の実機による演出画像等を撮像するための試験島実機環境と、コマンドシミュレータ12により表示ユニット10を動作させるコマンドシミュレータ環境と、検査作業者がエラーの確認作業等を実施するための試験環境と、を含めて構成されている。
【0027】
試験島実機環境は、実際に玉を発射して遊技が行われている実射の最中に遊技機3の表示画面390を撮像するための環境である。
コマンドシミュレータ環境は、遊技機3の実機に代えて、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)形式での画像出力機能を備えた単体動作可能な表示ユニット10を利用する環境である。
試験環境は、試験島実機環境で取得された撮像画像、あるいはコマンドシミュレータ環境による出力画像をデバッグ用PC20で再生し、エラーの抽出作業や確認作業等を実施するための環境である。
以下、遊技機用システム1を構成する各環境の構成を順番に説明し、その後、動作検査(シミュレーション検査、実射検査)の内容を説明する。
【0028】
(試験島実機環境)
遊技機3は、試験島実機環境下の実射検査に適した特別仕様として、演出コマンドの入力タイミングを特定可能なタイミング情報等を表す2次元コードを演出画像と共に表示するという仕様を備えている。試験島実機環境では、この2次元コードを演出画像と共に撮像する。さらに、試験島実機環境では、ハズレ玉を回収しながら自動で発射し続ける、いわゆる自走式に変更するための改造が遊技機3に施される。
【0029】
遊技機3(
図1及び
図2)は、遊技媒体である玉を遊技領域330に向けて発射して遊技するパチンコ遊技機である。遊技機3は、始動口をなす入賞部32への入賞に応じて大当たり抽選(特別図柄の当否判定)を実行し、大当たりに当選したときに大当たり図柄が表示されて大当たり状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0030】
遊技機3では、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉33の内側に略円形状の遊技領域330が形成されている。遊技領域330の下側には、玉の受け皿である上皿335及び下皿337が設けられている。上皿335の右下には、玉を発射させるために遊技者が操作する操作ハンドル(操作手段)35が配置されている。
【0031】
遊技領域330は、遊技媒体である玉が流下する領域である。遊技領域330では、液晶ディスプレイパネル(以下LCDパネル)39Pを備える表示装置(表示部)39が略中央に配置されている。表示装置39は、大当たり抽選の抽選結果を報知するために図柄変動を実行するほか、演出コマンドの入力に応じて各種の演出画像を表示する。特に、本例の表示装置39による表示画面390の右側には、例えばQRコード(登録商標)等の2次元コードを表示するためのコード領域390Cが設けられている。この2次元コードは、演出コマンドの入力タイミングを特定可能なタイミング情報のほか、遊技状態の移行タイミングや大当たり確定タイミング等の情報を表すコードである。
【0032】
表示装置39の下側には、電動チューリップ型の入賞部32(払出3玉)と、アタッカーと呼ばれる開閉式の大入賞口36(払出35玉)とが、上下に配置されている。表示装置39の左右両側には、通過ゲート34が配置されている。さらに、普図判定の当否を表示する普図表示部381、及び普図判定用の抽選乱数の保留数を表示する普図保留表示部382が、遊技領域330の左縁に沿って配置されている。
【0033】
通過ゲート34を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選乱数が抽出されて普図判定が実行される。なお、普図の当選確率は、通常状態では1/30、後述する時短状態では1/1となっている。普図判定の当選時には、普図表示部381の点灯によりその旨が報知され、入賞部32の電動チューリップが開放動作を実行する。電動チューリップの開放時間は、通常状態では0.2秒、時短状態では1.5秒×3回となっている。
【0034】
入賞部32に玉が入賞すると、特図判定用の抽選乱数が抽出され大当たり抽選(特図判定)が実行される。表示装置39は、大当たり抽選の当否(抽選結果)を報知する図柄変動手段としての機能を備えている。図柄変動手段としての表示装置39は、表示画面390内の演出領域390Eにおいて、演出用の図柄を左、中、右の各列で変動表示させる演出を実行すると共に、停止表示した3つの図柄の組合せに応じて大当たりかハズレかを報知する。大当たりに当選した場合、所定の図柄変動時間に渡る図柄の変動表示後、ゾロ目の3桁の数字(1〜9のいずれか)が表示される。
【0035】
図柄は左、右、中の順番で停止し、中の図柄を残して左右で同じ図柄が停止した場合には、リーチ演出が開始される。リーチ演出としては、ノーマルリーチ演出のほか、大当たり抽選の当選期待度の報知等を含むスペシャル演出であるスーパーリーチ演出等が設定されている。さらに、リーチ演出への移行時に実行されるリーチ発展演出や、リーチ演出を予告する予告演出(予告A〜nなど複数種類)や、大当たり当選を確定的に報知する当たり演出等の設定もある。スーパーリーチ演出としては、大当たり当選に対する期待度が低いスーパーリーチ弱や、所定の動画1〜nの表示を含み大当たり当選に対する期待度が高いスーパーリーチ強などがある。
【0036】
通常状態下で大当たり抽選に当選すると、大入賞口36が開放して玉が入賞可能になるラウンドが16回繰り返し実行される大当たり状態(特別遊技状態)が発生する。10玉入賞あるいは30秒経過により終了する1回のラウンドが16回消化されて大当たり状態(出玉:約2000玉)が終了すると、確変状態に移行する。この確変状態では、通常状態での大当たり抽選の当選確率1/300に対して、大当たり抽選の当選確率が1/100となり大幅に高くなる。
【0037】
確変状態の継続中に再度、大当たり抽選に当選すれば大当たり状態が連チャンで発生する。大当たり抽選に当選しないまま100回の図柄変動を消化すると確変状態が終了し、通常状態に転落する。なお、確変状態は、図柄変動時間が短縮される時短状態を伴って発生する。普図変動時間は、通常状態で平均30秒、時短状態で平均1秒となっている。大当たり抽選の結果を報知する図柄変動時間は、リーチ演出中を除き、通常状態で30秒、時短状態で1秒となっている。
【0038】
前述の通り、本例の遊技機3は、表示装置39による演出コマンドの入力タイミングを特定可能な2次元コードを表示画面390(コード領域390C)に表示する。この2次元コードは、遊技機3の動作検査のために利用される情報であり、一般の遊技者にとっては無用である。そこで、遊技機3では、遊技者側から2次元コードを見えなくする開閉扉33が採用されている。
【0039】
開閉扉33は、遊技機3に向かって左側のヒンジ333を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉33には、遊技領域330に対応する略円形状の透明窓339が設けられている。透明窓339の上部両側に装飾ランプ部336が配置され、下部両側に一対のスピーカ331が配置されている。
【0040】
透明窓339は、内側の嵌込みガラスと、開閉可能な外側のガラス扉339G(
図2の右側の図参照)との二重構造を呈している。遊技者側となる外側のガラス扉339Gの内側表面では、表示装置39に対応する位置に樹脂パ−ツ339Pが貼り付けられている。この樹脂パーツ339Pは、開閉扉33を閉じたとき、演出画像や図柄変動等が表示される表示画面390の演出領域390Eを取り囲む一方、表示画面390右側のコード領域390Cを隠蔽するように形成されている。なお、遊技者等が横から覗きこんでも2次元コードを目視できないよう、コード領域390Cよりもひと回り大きく樹脂パーツ339Pを形成しておくと良い。
【0041】
ガラス扉339Gを開くとコード領域390Cを含めてLCDパネル39Pの表示画面390が全て視認可能になる(
図2の左側の図の状態。)。一方、ガラス扉339Gを閉めると、コード領域390Cが樹脂パーツ339Pによって隠蔽され、遊技者側から2次元コードを視認できない状態となる(
図2の右側の図の状態。)。この状態が通常の遊技状態である一方、実射検査の際は2次元コードを視認可能な状態が設定される。
【0042】
遊技機3には、各部の動作を制御する主制御基板30M、及び表示制御基板30Dが収容されている。図示は省略するが、主制御基板30M及び表示制御基板30Dには、種々の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)のほか、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)や、書き換え可能な記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等が実装されている。主制御基板30M及び表示制御基板30Dでは、それぞれ、ROMから読み出したプログラムをCPUが実行することにより様々な手段としての機能が実現される。主制御基板30Mは、少なくとも以下の(31)の手段としての機能を有し、表示制御基板30Dは、少なくとも以下の(32)の手段としての機能を有している。
【0043】
(31)抽選手段:入賞部32への入賞に応じて大当たり抽選(特図判定、抽選処理)を実行する手段。
(32)コマンド出力手段:演出の実行命令である演出コマンドを出力する手段。演出コマンドとしては、抽選手段による抽選結果を報知する演出(図柄変動演出など)を実行するための演出コマンド等がある。
【0044】
表示装置39を構成するLCDパネル39Pは、以下の(33)〜(35)の各手段としての機能を有している。
(33)コマンド入力手段:表示制御基板30Dが出力した演出コマンドを入力する手段。
(34)演出実行手段:入力した演出コマンドに対応した演出を実行する手段。演出実行手段は、表示画像を予め定められた周期(30フレーム/秒)で更新することで演出を実行する。演出としては、大当たり抽選の当否を報知する図柄変動演出のほか、大当たり当選を報知する当たり演出、リーチを予告するリーチ発展演出、リーチ演出等の各種演出がある。演出実行手段としてのLCDパネル39Pは、毎秒30フレーム(コマ)のフレームレートで動画を表示して演出を実行する。
(35)タイミング情報表示手段:演出コマンドを入力したタイミングを特定可能なタイミング情報等を表す2次元コード(例えばQRコード(登録商標)など)を表示する手段。タイミング情報表示手段は、演出実行手段が画像を更新する周期と同じ周期で2次元コードの表示を更新する。さらに、複数周期の間に入力した複数(本例では3つ。)の演出コマンドの入力タイミングを区別可能に一の2次元コードで表示する。タイミング情報表示手段としてのLCDパネル39Pは、演出実行時と同様(同一の周期)、毎秒30フレームのフレームレートで2次元コードの表示を更新する。つまり、LCDパネル39Pの表示画面390には、演出実行手段の機能とタイミング情報表示手段の機能とがそれぞれ設けられている。
【0045】
図1の撮像カメラ11は、撮像画像をHDMI(登録商標)形式で出力可能なカメラである。試験島実機環境下の実射検査では、遊技機島に設置された最大4台の遊技機3に対面して撮像カメラ11を設置可能である。撮像カメラ11の最大設置数は、撮像画像をキャプチャするデバッグ用PC20側の同時キャプチャ可能なチャンネル数に依存している。デバッグ用PC20側の仕様を変更すれば、撮像カメラ11の最大設置数を増やすことも可能である。
【0046】
撮像カメラ11は、遊技機3の表示画面390(LCDパネル39P)を撮像できるよう、各遊技機3の正面にそれぞれ設置される。撮像時には、演出画像と共に2次元コードを撮像できるように遊技機3の前記ガラス扉339Gを開放しておく必要がある。
【0047】
撮像カメラ11により演出画像を撮像する場合であれば、LCDパネル39Pが入力した演出コマンドの種類やタイミングを特定可能な信号を取り込む装置等を各遊技機3に設置する必要がなくなる。これにより、実射検査のための手間を抑制でき、時間的、金銭的な検査コストを抑制できる。
【0048】
図1では、HDMI(登録商標)ケーブルを介して撮像カメラ11をデバッグ用PC20に接続した状態を例示している。同図は、撮像カメラ11の撮像画像をリアルタイムでデバッグ用PC20が取り込み可能なシステム構成を例示している。これに代えて、撮像カメラ11が取得した撮像画像を一旦、録画機材を利用してメモリカード等の記憶媒体に格納することも良い。この場合には、このメモリカードのデータをデバッグ用PC20により読み取ることで、撮像画像の取り込みが可能になる。
【0049】
(コマンドシミュレータ環境)
図1のコマンドシミュレータ環境で利用される表示ユニット(表示部)10は、単体で動作可能に構成されたユニットである。表示ユニット10は、遊技機3の表示制御基板30DやLCDパネル39P等と演出仕様が共通する表示制御基板10DやLCDパネル10P等を備えている(
図3)。表示ユニット10は、コマンドシミュレータ12が出力する演出コマンドに対応する演出を実行し、遊技機3の実機と同様、演出画像の表示と並行して2次元コードを表示する。表示制御基板10Dは、遊技機3の表示制御基板30Dを取り出したものであるが、区別のため便宜上その符号を10Dとしている。
【0050】
表示ユニット10は、遊技機3が備える上記の(32)コマンド出力手段、(33)コマンド入力手段、(34)演出実行手段、(35)タイミング情報表示手段等としての機能を備えている。表示ユニット10は、データの送受信が可能な外部端子や、画像を外部出力するためのHDMI(登録商標)端子等を備えている。表示ユニット10は、外部端子を利用し、外部からの演出コマンドの入力や、入力した演出コマンドの外部出力等が可能である。
【0051】
コマンドシミュレータ12は、表示ユニット10に向けて演出コマンドを出力するシミュレータである。なお、本例の遊技機用システム1では、
図1中のコマンドシミュレータ12の機能がデバッグ用PC20に組み込まれている(
図3参照)。
図1では、コマンドシミュレータ環境の理解を容易にするため、便宜上、表示ユニット10と隣り合う位置にコマンドシミュレータ12を図示している。なお、コマンドシミュレータ12の機能的な内容は後で説明する。
【0052】
(試験環境)
図1の試験環境は、試験島実機環境で取得された撮像画像、あるいはコマンドシミュレータ環境の出力画像を検査対象として、エラーの抽出作業やエラー確認作業等を実施するための環境である。この試験環境は、デバッグ用PC20を主体として構成されている。
【0053】
デバッグ用PC20は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体(図示略)と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部(図示略)と、を備えている。装置本体には、CPU、ROM、RAM等が実装されているほか、シリアル通信ポート等の外部通信ポートが設けられたマザーボード(図示略)が収容されている。このマザーボードに対しては、ハードディスク(図示略)等の記憶媒体22が接続されている。装置本体は、演算処理を実行するCPUを中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM、RAM等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報やデータ等を送受信する通信機能等を有している。
【0054】
デバッグ用PC20のマザーボードには、図示しない拡張スロットが電気的に延設され、その拡張スロットにはHDMI(登録商標)形式の画像を取り込むための画像キャプチャボード21が装着されている。画像キャプチャボード21は、4チャンネル仕様のボードであり、最大4台の撮像カメラ11あるいは表示ユニット10を接続可能である。
【0055】
デバッグ用PC20では、専用のアプリケーションソフトウェアである遊技機デバッグソフトがインストールされてハードディスクに格納されている。CPUがハードディスクから遊技機デバッグソフトを読み出して実行することにより検査機能が実現される。デバッグ用PC20による検査機能は、以下の(21)〜(26)の各手段の機能を含んで構成されている。
【0056】
(21)録画手段:画像キャプチャボード21によるキャプチャ画像を録画する手段。この録画手段により録画システムが形成される。キャプチャ画像は、撮像カメラ11の撮像画像あるいは表示ユニット10の出力画像であり、演出画像と共に2次元コード(タイミング情報)が映り込んだ画像である。
(22)録画結果記憶手段:録画手段による録画結果であるビデオ画像(動画)を動画ファイルとして記憶する手段。この録画結果記憶手段は、ハードディスク等の記憶媒体22により構成されている。
(23)再生手段:録画結果記憶手段が記憶している録画結果である動画ファイルのビデオ画像を再生する手段。この再生手段を利用して動画再生システムが形成される。
(24)履歴情報特定手段:LCDパネル39P、10Pに入力された演出コマンドを取り込み、演出コマンドの履歴の情報である履歴情報を特定する手段。この履歴情報特定手段は、データロガー(
図3参照)の機能を実現している。シミュレーション検査では、表示ユニット10の外部端子を介して演出コマンドが取り込まれる。なお、実射検査の際、遊技機3側の表示制御基板30DとLCDパネル39Pとの間の信号線から演出コマンドを取り込むことも良い。
(25)同期手段:録画手段による録画結果であるビデオ画像(動画ファイル)と、履歴情報特定手段が特定した履歴情報等を含むデバッグ用情報(情報ファイル)とを、ビデオ画像中の2次元コードを用いて同期させる同期処理を実行する手段。この同期処理では、ビデオ画像とデバッグ用情報とを同期させるための同期情報として2次元コードが機能する。なお、具体的な同期の方法については、
図4を参照して後で詳しく説明する。
(26)演出コマンドシミュレート手段:演出コマンドを外部出力するコマンドシミュレータとしての機能を実現する手段であり、シミュレーション検査のために利用される。なお、本例の遊技機用システム1では、
図1においてコマンドシミュレータ12として図示した機能が同期型コマンドシミュレータ(
図3参照)としてデバッグ用PC20に組み込まれている。この同期型コマンドシミュレータは、演出画像の何フレーム目にいずれの演出コマンドを出力するか指定可能であり、表示ユニット10側で、指定されたタイミングで指定した演出コマンドを入力して実行できるようにする完全同期型の構成を採用している。この同期型コマンドシミュレータを利用すれば、実機の遊技機3と完全に同期したシミュレーション検査を完全自動化できる。演出コマンドシミュレート手段は、表示ユニット10の外部端子(信号線)にアクセスして信号を読み取ることで演出コマンドを入力する。
【0057】
以上のようなデバッグ用PC20は、撮像カメラ11あるいは表示ユニット10がHDMI(登録商標)形式で出力する撮像画像あるいは出力画像を画像キャプチャボード21を介して取り込み可能である。
録画システムとしての機能を有するデバッグ用PC20は、撮像画像あるいは出力画像を録画してビデオ画像を生成し、動画ファイルとしてハードディスク等の記憶媒体22に格納する。このビデオ画像については動画データ解析が行われ、画像中に写り込んだ2次元コードの解析による演出コマンド等の読取り等が実行される。読み取られた演出コマンドの履歴を表す履歴情報を含むデバッグ用情報が生成されて情報ファイルとして記憶媒体22に格納される。
【0058】
なお、記憶媒体22への格納時には、動画ファイルのビデオ画像と情報ファイルのデバッグ用情報とを2次元コードを介して同期させる同期処理が実行され、両者が同期された状態となる。この同期処理では、ビデオ画像とデバッグ用情報とを同期させるための同期情報として2次元コードが機能する。それ故、2次元コードを表示するLCDパネル39P、10Pについて、同期情報を表示する同期情報表示手段と把握することもできる。
【0059】
動画再生システムとしての機能を有するデバッグ用PC20は、記憶媒体22に格納された動画ファイルのビデオ画像等をPCモニタ上で再生可能である。動画再生システムは、動画再生の制御パネルである動画再生制御パネルをPCモニタに表示するほか、動画ファイルを再生する動画再生画面、エラー情報や演出コマンド等の情報を表示する情報出力画面、検査作業者(オペレータ)が発見したエラー(不具合)を記録するための情報入力画面等をPCモニタに表示可能である。
【0060】
動画再生制御パネルは、再生、停止、早送り、巻戻し、スロー等の再生操作のほか、任意箇所へのシーク操作を実行可能な制御パネルである。このシーク操作によれば、検査者等が望む状態から再生可能、つまり、途中から再生を開始できる。シーク操作としては、指定した演出コマンドの入力箇所への指定コマンド検索シーク、指定したエラーが発生した箇所への指定エラー検索シーク、図柄変動の開始時点への変動開始検索シーク、リーチ発展等の演出が発生した時点への指定演出検索シークなど、任意の検索シークが可能である。
【0061】
動画再生画面で再生表示されるビデオ画像は、2次元コードを利用してデバッグ用情報と同期されており、このデバッグ用情報に含まれる演出コマンドとの同期再生が可能である。
情報入力画面では、ビデオ画像の再生中に発見されたエラーに関するエラー内容を画面上の入力操作によりデバッグ用情報に追加記録できる。エラー内容は、エラーの発生タイミングに対応する2次元コードに関連付けた状態でデバッグ用情報(情報ファイル)に追加書込みされる。このようにエラー内容を記録しておけば、ビデオ画像の再生に同期してエラー内容を表示したり、特定のエラーが発生した箇所を検索する指定エラー検索シーク等が可能になる。
【0062】
次に、コマンドシミュレータ環境の出力画像を対象としたシミュレーション検査、及び試験島実機環境で取得された撮像画像を対象とした実射検査の内容について順番に説明する。
(シミュレーション検査)
図3のシミュレーション検査は、表示ユニット10の出力画像を検査対象として実施される。シミュレーション検査では、デバッグ用PC20の同期型コマンドシミュレータが実際の遊技を模擬して生成した演出コマンドが表示ユニット10に入力される。表示ユニット10は、入力した演出コマンドに対応する演出画像を2次元コードと共に表示し、HDMI(登録商標)形式で外部出力する。
【0063】
表示ユニット10の出力画像は、画像キャプチャボード21を介してデバッグ用PC20に取り込まれる(
図3)。出力画像が録画されてビデオ画像が生成されると共に、そのビデオ画像中の2次元コードが解析されて演出コマンドの読取りが実行される(
図3中の動画データ解析)。録画結果であるビデオ画像が動画ファイルとして記憶媒体22に格納されると共に、読み取られた演出コマンドの履歴を表す第1の履歴情報等を含むデバッグ用情報が情報ファイルとして記憶媒体22に格納される。上記のごとく情報ファイル等の格納時には、動画ファイルのビデオ画像と情報ファイルのデバッグ用情報とが2次元コードを介して同期される。さらに、演出コマンドの読取りを実行する動画データ解析に加えて、データロガーを利用して表示ユニット10が出力する演出コマンドが取り込まれ、この演出コマンドの履歴を表す第2の履歴情報も前記デバッグ用情報に含められる。
【0064】
なお、本例の遊技機用システム1では、コマンドシミュレータ12としての機能がデバッグ用PC20に取り込まれている。そのため、デバッグ用PC20側では、同期型コマンドシミュレータが出力した演出コマンドと、動画ファイルのビデオ画像を解析して読み出した演出コマンドと、の比較により表示ユニット10が正しく演出コマンドを取り込んだか否かのチェックが可能になっている。
【0065】
ここで、動画ファイルのビデオ画像と、演出コマンドの履歴情報を含むデバッグ用情報と、を同期させる方法について
図4を参照しながら説明する。同図は、横軸に画像フレームの更新(時間)が規定されたタイムチャートである。
図4中の最上段は、表示ユニット10が実際に演出コマンドを入力したタイミングを表すタイムチャートである。表示ユニット10による演出コマンドの入力タイミング及び種類は、データロガーによって特定される。この演出コマンドは、同期型コマンドシミュレータに対する指定通りに表示ユニット10に対して出力されたものである。演出コマンドの入力タイミングは、データロガー(デバッグ用PC20)が演出コマンドを取り込んだタイミングに基づいて特定される。同図は、1フレーム目で演出コマンドである信号「60」を入力し、2フレーム目で信号「65」及び「66」を入力している例である。また、5フレーム目ではリーチ形成信号を入力している。このリーチ形成信号は、リーチを発生させることを示す信号であり、このリーチ形成信号を受信するとリーチ状態となるように図柄が停止される。
【0066】
図4中の2段目のタイムチャートは、何フレーム目にいずれの演出コマンド(信号)を入力したか表示する2次元コードのチャートである。上記のごとく本例の2次元コードは、直近3回(3フレーム)分の演出コマンド(信号)を表示している。例えば「1:60」の表記は、1フレーム目(フレーム番号1)に信号「60」が入力されたことを示している。例えば9フレーム目の演出画像と共に表示される2次元コードは、7フレーム目に信号「25」が入力され、8フレーム目に信号「30が入力されている一方、9フレーム目には信号の入力がなかったことを表示している。
【0067】
図4中の3段目のタイムチャートは、表示ユニット10が入力した演出コマンド(信号)の履歴(コマンド履歴)を表している。このタイムチャートは、1段目のタイムチャートと同様、データロガーが特定した演出コマンドに基づいている。1段目のタイムチャートは、各フレームで入力した演出コマンドを示す一方、3段目のタイムチャートは、連続する3フレームの間で入力した演出コマンドのコマンド履歴を表す履歴情報のタイムチャートとなっている。
【0068】
最下段のタイムチャートは、録画結果であるビデオ画像の各フレームを表すタイムチャートである。同図に例示する通り、録画周期のズレ等に起因し、ビデオ画像(動画ファイル)のフレームと、表示ユニット10の出力画像のフレームと、にズレが生じる場合がある。2段目の2次元コードの履歴情報を利用すれば、同図中、白抜き矢印で例示する通り、動画ファイルのビデオ画像のフレームと、表示ユニット10の出力画像のフレームと、の対応付けを容易に実行できる。
【0069】
この対応付けは、2次元コードが表示する3フレーム分の演出コマンドを利用して実行される。具体的には、数字の小さいフレーム番号から順番に、3個の演出コマンドの受信タイミングから一番対応している可能性が高い画像を抽出して対応付けが実行される。例えば、コマンド履歴の1フレーム目であれば、1フレーム目で信号60を受信していることが特定でき、その他の信号の履歴がないので、録画結果の1フレーム目の可能性が高いと判定でき、これにより、録画結果の1フレーム目とコマンド履歴の1フレーム目とが対応付けられる。また、例えばコマンド履歴の5フレーム目であれば、3フレーム目で信号85を入力し、4フレーム目で信号入力がなく、5フレーム目でリーチ形成信号を入力していることが特定でき、リーチ図柄が停止表示された録画結果の5フレーム目の可能性が高いと判定でき、これにより、撮像結果の5フレーム目とコマンド履歴の5フレーム目との対応付けが可能になる。また、例えばコマンド履歴の6フレーム目であれば、4フレーム目及び6フレーム目で信号入力がなく、5フレーム目でリーチ形成信号を入力していることが特定でき、リーチ図柄が停止表示されたフレームの次のフレームである録画結果の6フレーム目の可能性が高いと判定でき、これにより、撮像結果の6フレーム目とコマンド履歴の6フレーム目との対応付けが可能になる。このようにして、演出コマンドの履歴(コマンド履歴)から一番可能性が高い画像を抽出して対応付けが行われる。なお、撮像結果と、データロガーのコマンド履歴と、を対応付ける方法としては、撮像結果の2次元コードの3フレーム分の信号履歴と、データロガーのコマンド履歴とを比較し、完全に一致するものを対応付けていく方法を採用することも良い。
【0070】
さらに、2次元コードには、3フレーム分の演出コマンドが表示されるため、演出コマンドが入力されないフレームが連続した場合であっても対応付けが容易となっている。なお、撮像カメラ11による撮像画像を利用する実射検査の場合、遊技機3の表示装置39がフレームを表示するタイミングと、撮像カメラ11のフレームを記録するタイミングと、のズレが不可避であるので、上記のようなフレーム間のズレが一層顕著になるおそれがある。上記のような対応付けを実施すれば、実射検査の場合であっても、フレーム間のズレを効果的に解消できる。
【0071】
シミュレーション検査では、演出コマンドのひとつである変動コマンドの入力に応じて表示ユニット10で図柄変動が開始される(
図5)。図柄変動が開始される際、変動開始マーカが組み込まれた2次元コードが表示される。この変動開始マーカをはじめとして、予告演出の開始を示す予告マーカ(予告A〜nに対応して予告Aマーカ〜予告nマーカがある)、リーチ発展を表すリーチ発展マーカ、スーパーリーチ強の開始を表すリーチ強マーカ、大当たり確定に応じた当たり演出の開始を表す確定マーカ等の主要な解析用マーカは、表示ユニット10が表示する2次元コードに組み込まれるように予めプログラミングされている。したがって、ビデオ画像中の2次元コードを解析すれば、リーチ発展等のタイミングを特定可能である。なお、2次元コードには、上記のマーカ以外にも様々な解析用データを組み込むことが可能である。なお、上記の予告A〜nについては、1回の図柄変動でA〜nの全てが実行されるのではなく、1回の図柄変動でA〜nの一部が実行される。
【0072】
図5の例の場合、スーパーリーチ弱演出を経由し、動画1〜nの表示を含むスーパーリーチ強演出への移行時には、リーチ強マーカが組み込まれた2次元コードが表示される。その後、演出コマンドとしての確定コマンドの入力に応じて当たり演出が開始されると共に確定マーカが組み込まれた2次元コードが表示される。なお、上記の動画1〜nについては、1回の図柄変動で1〜nの全てが表示されるのではなく、1回の図柄変動で一部の表示が行われる。
【0073】
検査者がビデオ画像の再生中にエラーを見つけた場合、エラーの発生箇所に巻き戻した後、PCモニタ上の前記情報入力画面上で見つけたエラーのエラー情報を追加記録することが可能である。このエラー情報は、動画ファイルのビデオ画像に同期された状態でデバッグ用情報に追加される。これにより、演出コマンドの履歴情報等のほかにエラー情報を含むデバッグ用情報を生成できる。このデバッグ用情報と同期して動画ファイルのビデオ画像を再生すれば、例えば、2000フレーム目にエラー情報、1000フレーム目に「80」等の特定の演出コマンド、5000フレーム目にリーチ発生等の情報を、それぞれ、テキスト表示等により表示できる。
【0074】
図5の例では、スーパーリーチ演出強の進行中に検査者が発見したエラーの内容を表すエラー情報がデバッグ用情報に記録されている。後工程の不具合修正担当の作業者等は、デバッグ用PCの再生機能を利用し、動画ファイルのビデオ画像中のエラー箇所をシーク検索して直ちにエラー内容を確認できる。
【0075】
ここで、従来手法であると、時系列の演出コマンドであるコマンド列を検査者が送信し、演出画像をリアルタイムに確認する必要がある。
図5の例であれば、予告A+動画1の図柄変動、予告A+動画2の図柄変動・・・予告n+動画nの図柄変動を、それぞれ最初から最後まで確認する必要があり、長時間を要する作業となっている。エラーが見つかった場合、再度、演出コマンドを送信し、その個所を再度、時間をかけて確認する必要がある。また、演出画像中のエラー箇所に対してエラー情報を対応付けるために、その対応関係を文面で伝える必要性がある。さらに、不具合修正担当の作業者は、再度、エラーを再現するための演出コマンドを送信し、再現試験にて、検査者報告のエラーを確認した上、修正作業を行う必要がある。
【0076】
これに対して本例の遊技機用システム1であれば、コマンド列×検査バリエーション分を予め自動録画できる。演出と同時に表示される2次元コードから演出コマンドをロギングすることで、演出コマンドの入力履歴を表す履歴情報を特定可能である。検査は、録画結果であるビデオ画像を確認することが基本になる一方、デバッグ用PC20では、任意のマーカまで動画再生をシークできるので、検査対象箇所のみ効率的に確認していくことが可能である。例えば、通常変動部分は共通なので一度確認することで検査を完了でき、次の検査対象である「スーパーリーチ強動画」まで早送り可能である。さらに、デバッグ用PC20では、ビデオ画像の再生中にエラー情報を追加記録できるようになっており、不具合修正担当者への情報伝達が正確、かつ容易となっている。不具合修正担当の作業者は、検査者が追加記録したエラー箇所をデバッグ用PC20の再生機能を利用して容易に確認、対処できる。なお、プログラマ等であれば、任意の解析用情報(内部RAM状態などのステータス、再生アニメテーブル、レジスタ値、標準機能としてVカウンタなど)を記録することも可能である。このような解析用情報は、エラー解析等を行うに当たって非常に有効な情報となり得る。
【0077】
(実射検査)
図6の実射検査は、遊技機3の実機による演出画像を撮像カメラ11で撮像して取得した撮像画像を対象として実施される。
遊技機3が実射されると、遊技の進行に応じてコマンド出力手段としての表示制御基板30Dが演出コマンドを出力し、コマンド入力手段及び演出実行手段としてのLCDパネル39Pがその演出コマンドを入力し、対応する演出画像を表示する。
【0078】
実射中の演出画像の撮像画像は、画像キャプチャボード21を介してデバッグ用PC20に取り込まれる(
図6)。撮像画像の録画と共に撮像画像中に写り込んだ2次元コードが解析されて演出コマンドの読取りが実行される(同図中の動画データ解析)。録画結果であるビデオ画像が動画ファイルとして記憶媒体22に格納されると共に、演出コマンドの履歴情報等を含むデバッグ用情報が情報ファイルとして記憶媒体22に格納される。上記のごとくこの格納時には、動画ファイルのビデオ画像と情報ファイルのデバッグ用情報とが2次元コードを介して同期される。この同期の方法は、
図4を参照して説明したシミュレーション検査の場合とほぼ同様である。実射検査の場合、データロガーによるコマンド履歴(
図4中の1段目及び3段目のタイムチャート)が得られないので、撮像カメラ11の撮像画像に基づく録画結果(
図4中の4段目に相当)と、2次元コードの情報(
図4中の3段目に相当するコマンド履歴)と、の対応付けにより、動画ファイルのビデオ画像と情報ファイルのデバッグ用情報とが同期される。
【0079】
遊技機3では、演出コマンドのひとつである変動コマンドの入力に応じて通常変動が開始される(
図7)。確変モード(確変状態)への移行を示す確変モードマーカや、通常モード(通常状態)への移行を示す通常モードマーカなどの主要な解析用マーカは、2次元コードに組み込まれるように遊技機3側で予めプログラミングされている。デバッグ用PC20側では、動画ファイル中の2次元コードを解析すれば、確変状態等への移行タイミングや通常状態への移行タイミングを特定可能である。
【0080】
図7の例では、スーパーリーチ演出の途中で内部処理の不具合等の内部異常が検出されている。内部処理で不具合が生じた等の内部異常としては、例えば、実行処理が間に合わず特定の処理が実行されなかった処理落ちの発生等がある。処理落ちの内部異常の検出時には、その旨を表す処理落ちマーカ等の検出マーカがデバッグ用情報に自動的に記録される。なお、自動埋込されるマーカとしては、処理落ちマーカ等の検出マーカ以外にも各種情報に対応するマーカがある。
【0081】
動画ファイルのビデオ画像の再生中に検査者がエラーを見つけた場合には、シミュレーション検査の場合と同様、エラー情報をデバッグ用情報に追加記録できる。このようにエラー情報が記録されたデバッグ用情報を利用すれば、不具合修正担当の作業者がデバッグ用PC20の再生機能を利用してエラーの発生箇所に動画ファイルをシーク検索でき直ちにエラー状況を確認できる。上記のごとくシーク検索では、エラー情報や、処理落ち等、項目ごとの検索が可能である。
【0082】
一方、従来手法であれば、検査者が遊技機を長時間、試し打ちし、リアルタイムでエラーを確認する必要があり、当然ながら、非常に時間を要する。エラーが見つかった場合、録画ビデオ等を再度、確認し、別途用意された記録用ファイルにエラー情報を文面で書き込む必要がある。その後、不具合修正担当の作業者は、録画ビデオ等を確認してエラーを再現するための演出コマンドを作成し、その演出コマンドを送信してエラー箇所の再現試験を実施することにより、エラー内容の確認、修正作業を行う必要がある。このように従来手法では、不具合修正担当の作業者が煩雑な作業を行う必要がある上、不具合解析用情報が十分ではなかったという問題があった。
【0083】
これに対して本例の遊技機用システム1であれば、遊技機3の演出画像をデバッグ用PC20が長時間(例えば24時間等)に渡って録画すると共に、演出画像と同期して表示される2次元コードから演出コマンドをロギングして演出コマンドの履歴情報を特定する。録画されたビデオ画像を再生して確認することが基本となる実射検査においては、デバッグ用PC20の早送り動画再生機能等を利用しながら効率的に検査を行うことが可能である。任意の演出コマンドの受信箇所や、
図7に例示する各種マーカの箇所まで、動画ファイルのビデオ画像をシークすることが出来るため、検査対象箇所のみ、効率的に確認することが可能である。同図の例であれば、確変モード移行箇所へのシーク検索も可能である。さらに、ビデオ画像をデバッグ用PC20で再生しながらエラー情報を追加記録できるため、情報伝達が正確、かつ容易となる。不具合修正担当の作業者等はデバッグ用PC20の再生機能を利用し、検査者が追加記録したエラー箇所を容易に確認でき対処可能である。
【0084】
以上のように本例の遊技機用システム1を構成する遊技機3は、演出コマンドの入力のタイミングを特定可能な2次元コードを演出の実行に合わせて表示する。遊技機3による演出の進行を録画しておけば、そのビデオ画像を再生することで演出コマンドの入力タイミングや種類を容易に特定できる。エラーが発生したときには、ビデオ画像をコマ送りで再生して演出コマンドの入力タイミングや種類を特定できる。この遊技機3を採用すれば、異常の原因が特定し易くなると共に、動作検査を効率良く実施できるようになる。
【0085】
特に、遊技機3では、演出画像及び2次元コードの両方をLCDパネル39Pの表示画面390に表示するため、別々の描画処理ではなくLCDパネル39Pに対する共通の描画処理で演出画像と2次元コードの両方を効率良く表示できる。このように描画処理を共通化できれば、何らかのソフトウェア的なトラブル等の発生に起因して演出画像と2次元コードとの表示タイミングにズレが生じるおそれを抑制できる。さらに、演出画像の更新周期と、2次元コードの更新周期とを同期させているため、演出コマンドの入力タイミングを演出画像に対応付けて管理できるようになり、演出コマンドの入力タイミングの管理が容易になっている。
【0086】
遊技機3は、2次元コードが表示されるコード領域390Cを遮蔽する遮蔽部材である樹脂パーツ339Pが取り付けられたガラス扉339Gを備えている。このガラス扉339Gは、内側の嵌込みガラスの外側に設けられて二重構造の透明窓339を構成している。実射検査を行う場合には、外側のガラス扉339Gを開放することで2次元コードを撮像できる。ガラス扉339Gを閉じれば2次元コードが見えなくなるので、遊技機が市場に出荷された後、2次元コードが遊技場の管理者や遊技者等の目に触れて無用な関心を惹いてしまうおそれを未然に抑制できる。
【0087】
本例では、タイミング情報として例えばQRコード(登録商標)等の2次元コードを採用している。2次元コードによれば、比較的少ないスペースでより多くの情報量を表示可能である。また、画像的に読み取り可能な2次元コードを利用すれば、演出を録画したビデオ画像を解析することで演出コマンドの入力タイミング等の特定が可能になる。
【0088】
本例の遊技機3は、始動入賞に応じて図柄変動等の演出が開始されるパチンコ遊技機である。このように玉を実射して始動入賞を発生させないと図柄変動が開始されないパチンコ遊技機の場合、実射検査の作業負担が特に大きくなり検査に要する時間も長くなる傾向にある。このように検査負担の大きいパチンコ遊技機の場合、本例のような遊技機用システム1が特に有効となるので高い導入効果を期待できる。
【0089】
遊技機用システム1は、演出コマンドの履歴情報を特定する履歴情報特定手段であるデータロガーと、動画ファイルのビデオ画像から読み取った2次元コードを利用し、履歴情報を含むデバッグ用情報と動画ファイルのビデオ情報とを同期させるための同期手段と、を備えている。デバッグ用PC20側では、動画ファイルのビデオ画像の再生中に同期して演出コマンド等の履歴情報を表示可能である。動画ファイルから演出コマンドの入力タイミング等を特定できるため、演出コマンドの履歴情報を特定可能なデータロガー等の機器を遊技機3の外部に設けた場合には、録画結果であるビデオ画像と、外部で特定した履歴情報と、の対応付けを容易に実行可能である。
【0090】
さらに、遊技機用システム1の遊技機3が表示する2次元コードは、演出画像のフレーム毎に更新しながら表示されると共に、ひとつの2次元コードに対して複数フレームに対応する複数の演出コマンドの情報が含められている。例えば演出画像のフレーム周期が非常に短くなると、録画周期と演出画像の更新周期との間にズレが生じ易くなる。上記のようにひとつの2次元コードで複数の演出コマンドを表示する場合であれば、録画周期と演出画像の更新周期との間にズレが生じた場合であっても、動画ファイルと履歴情報との同期をとり易くなる。
【0091】
以上の通り本例の遊技機用システム1によれば、遊技機3の演出動作の検査作業の効率を大幅に改善できる。特に、動作検査の正確性を向上しつつ、動作検査に要する時間の短縮と効率化を図ることが可能である。また、エラー発生時の原因分析を極めて効率良く実施できる。特に、この遊技機用システム1では、動画ファイルのビデオ画像を再生する際の検索シークの機能が非常に充実している。動作検査の際は、目的とする演出画像の再生箇所を容易に検索でき、効率の良い検査作業が可能になっている。検索シークでは、例えば、変動アニメ中の発展ポイントへのジャンプ、次の変動開始ポイントへのジャンプ、処理落ちポイントへのジャンプ、予告演出箇所へのジャンプ等を効率良く実施でき、検査作業の効率が向上されている。
【0092】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、タイミング情報(同期情報)を表示する方法として、QRコード(登録商標)等の2次元コードを利用している。2次元コードに代えて1次元のバーコードであっても良く、文字や記号等を用いて直接的に演出コマンドを表示することも可能である。また、タイミング情報は画像表示するものとしたが、同期情報として音声情報や光の点灯パターンによって演出コマンドの出力タイミングを特定可能とする構成を採用することも可能である。
また、タイミング情報を表示する位置を変更しても良く、例えば、演出を表示する表示装置39とは異なる位置や異なる装置でタイミング情報を表示することもできる。
また、本例では、演出コマンドの入力タイミングを表示する構成を採用しているが、演出コマンドの出力タイミングを表示する構成としても良い。
本例のシミュレーション検査では、表示ユニット10によるHDMI(登録商標)形式の出力画像をキャプチャしたが、これに代えて、実射検査の場合と同様、表示ユニット10の表示画像を撮像カメラで撮像しても良い。
【0093】
演出を画像表示する遊技機3を例示したが、人形等の役物を用いて演出を実行する遊技機であっても良い。この場合、役物を動かすための演出コマンドの入力タイミングを特定可能な表示を実行するようにすれば良い。つまり、遊技機が入力タイミングを特定可能に表示する演出コマンドの種類は特に限定されるものではない。
【0094】
2次元コードを更新する周期は、演出実行中の演出画像の更新周期と同じ周期とすることは必須の要件ではない。例えば、演出画像の更新が3回行われる毎に2次元コードの更新を1回行う等、一方の更新が複数回行われたときに他方の更新が1回行われるようにしても良い。また、2次元コードの更新周期と演出画像の更新周期とが同期するタイミングがない、もしくは少ない状態でそれぞれの更新が行われるようにしても良い。
【0095】
本例では2次元コードを表示するコード領域390Cを樹脂パーツ339P(遮蔽部材)の裏側としたが、コード領域390Cの表示位置を変更しても良い。実射検査においては、2次元コードを表示する一方、通常の遊技状態等では2次元コードを表示しないように構成することも良い。シミュレーション検査についても、試験中以外は2次元コードを表示しなくても良い。
また、本例では、遮蔽部材としての樹脂パーツ339Pを開閉可能なガラス扉339Gに取り付けている。これに代えて、表示装置39に対して取付け、取外し可能な遮蔽部材を採用し、実射検査の際にはこの遮蔽部材を取り外すことも良い。
【0096】
本例では、同期型コマンドシミュレータが指定した出力タイミング及び演出コマンドをデータロガーが管理する構成を採用したが、実際に入力した演出コマンド及びタイミングを管理する構成を採用することも良い。この場合、データロガーの接続箇所を変更するようにすれば良い。
【0097】
本例では、パチンコ遊技機を例示したが、スロットマシン等、パチンコ遊技機とは異なる遊技機向けの遊技機用システム1であっても良い。パチンコ遊技機の場合であれば、ポイントを使用して玉を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体として利用して遊技されるタイプであっても良いが、メダル等を使用せずポイントを使用して(賭けて)遊技でき、所定の入賞図柄が停止して入賞が発生したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0098】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。