【構成】 カートン75を搬送する搬送装置76に設けられ、カートンの所定位置に糊付をする第一糊付装置79である。糊を噴射する噴射ガン91と、噴射ガンをカートンの糊付対象面に平行な方向に移動させるための駆動装置82と、を備える。カートンを一時停止した状態で、駆動装置を動作させて噴射ガンを糊付対象面の糊塗布箇所に移動するとともに、設定された方向に移動しながら噴射ガンによる糊の噴射処理を行うように構成した。
前記カートンは、前記包装箱の側壁を構成する側壁要素片が無端状に接続されており、前記側壁要素片の端縁に連続して配置されたフラップを折り曲げることで前記包装箱の底或いは蓋を構成するようにし、
前記フラップを折り曲げる折り曲げ手段を備え、
前記折り曲げ手段により前記フラップを折り曲げ処理している際には、
前記駆動装置を動作させて前記噴射ガンを待避させるようにした
こと特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の糊付装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0015】
図1は、本発明に係る糊付装置が実装される包装システムの一例を示しており、
図2は特にチューブ容器用搬送装置の部分に着目した概略構成を示している。本実施形態に用いられる包装システムは、チューブ容器の開口した一端側から内容物を充填するとともに当該開口した部位をシールして内容物入りのチューブ容器を製造する機能、製造したチューブ容器を検査する検査機能、展開状態のカートンを組み立てて包装箱を製造する機能、その包装箱に複数個のチューブ容器を収納し、包装箱を閉じる機能等、個々の要素の製造から、組み立てて最終製品を製造するまでの一連の処理を行うためのものである。図は、そのうちの一部の構成を示している。
【0016】
図における上流側には、チューブ容器検査装置11が設置される。このチューブ容器検査装置11の具体的な構成は後述する。処理対象となるチューブ容器1は、軟質合成樹脂等の可撓性素材から構成される筒状の胴部2を備え、その胴部2の一端は、熱シールされてシール部4となり封止される。また、胴部2の他端に連続して形成される細径の首部にキャップ3を装着する構造をとる。キャップ3を外すとともに、胴部2を両側から把持して押しつぶすことで、内容物は首部から外部に押し出される。内容物は、例えば、ペーストやクリーム等の粘性の高い液体などがある。具体的には、例えば、医薬品,化粧品,食料品等がある。
【0017】
このチューブ容器検査装置11の上流側には、図示省略する内容物充填装置が配置される。この内容物充填装置は、胴部2のシール部4が開口した状態のチューブ容器の中間品に対し、開口した一端から内容物を充填供給する機能、当該一端を熱シールして封止する機能を備える。この熱シールにより、内容物入りの密封したチューブ容器1が製造される。この内容物入りのチューブ容器1は、チューブ装填部12によりチューブ容器検査装置11に供給される。
【0018】
本実施形態に用いられるチューブ装填部12は、
図2,
図3に示すように、さらに上流側の内容物充填装置から、搬出コンベア13にて搬送姿勢を長手方向として前後に一列に並んだ状態で搬出されてくるチューブ容器1を、五連のバケット14で順次受け、搬出コンベア13の搬送方向と直交方向にバケット14を移動し、装填位置にて移し替え装置(図示省略)にて当該バケット14内の各チューブ容器1を保持するとともにキャップ3を下にして起立させ、チューブ容器検査装置11の装填位置で待機しているキャリア16にセットする。
【0019】
キャリア16は、本包装システムにおいてチューブ容器を搬送するチューブ容器用搬送装置20の構成要素の一つである。キャリア16は、
図4に拡大して示すように、略矩形状の台座部17の長辺側の下端に外側にそれぞれ突出するフランジ18を備える。台座部17の上面中央には、凹部19を備える。凹部19の内径は、チューブ容器1のキャップ3の外径と等しいか一回り大きい設定としている。台座部17には、ストッパー機構21が設けられ、キャップ3に対する水平方向の保持力を発揮させ、キャップ3を台座部17の所定位置・角度に固定する。また、台座部17の長辺側の端部には、中央に平面視V字状の嵌合凹部が形成されており、各処理装置において位置決め用のピンが嵌合するようになっている。
【0020】
ストッパー機構21は、台座部17の一方の長辺の中央付近に配置したストッパー片23と、ストッパー片23を水平面内で移動させストッパー片23の先端を凹部19の空間内に進入したり、離脱したりする駆動機構を備える。ストッパー片23は、帯板状の支持バー24の中央部位で片持ち支持される。一方、台座部17の長手方向両端付近で、台座部17を貫通し、台座部17の一対の長辺間を連絡するように一組の連結ロッド25をスラスト方向に移動可能に配置する。そして、一組の連結ロッド25の一端側に、支持バー24の両端をそれぞれ接続し、連結ロッド25の他端側に連結バー26を接続する。さらに、連結ロッド25の他端側には、コイルスプリング27を装着する。駆動機構は、上述したストッパー片23,支持バー24,連結ロッド25,連結バー26並びにコイルスプリング27を備える。
【0021】
コイルスプリング27の弾性復元力により、連結バー26を台座部17から離反する方向に付勢する。この付勢力を受けて、連結ロッド25,支持バー24ひいてはストッパー片23が
図4中左側に移動し、ストッパー片23の先端が凹部19の空間に進入する。また、連結バー26を台座部17に接近する方向に押すと、コイルスプリング27は圧縮変形し、上記は逆にストッパー片23の先端が凹部19の空間から外れる。
【0022】
チューブ装填部12は、装填位置にて図示省略のプッシャーにより連結バー26を台座部17側に付勢し、ストッパー片23を後退移動させて凹部19の空間の外の退避位置に位置させる。この状体で、移し替え装置(図示省略)にてチューブ容器1を保持し、起立させキャップ3を凹部19内に挿入する。その後、プッシャーを後退させ連結バー26へ付勢を解除する。これにより、コイルスプリング27による弾性復元力により、ストッパー片23の先端が凹部19の空間内に入り込み、ストッパー片23とそれに対向する凹部19の内周面との間でキャップ3を挟み込み保持する。よって、チューブ容器1は、移し替え装置にてキャリア16の凹部19内に装填された姿勢、向きを保持し、キャリア16とともにチューブ容器検査装置11内を移動する。
【0023】
また、搬出コンベア13さらにはバケット14上におけるチューブ容器1の搬送姿勢は、横たわった状態であり、チューブ容器1のシール部4が概略水平面内に位置した姿勢となる。よって、その状態からチューブ容器1を起立してキャリア16に装填すると、5個のチューブ容器1が横一列に並んだ状態では、各チューブ容器1のシール部4も、各チューブ容器1の並び方向に沿って一直線上に配置するようになる。実際には、起立させてチューブ容器1のキャップ3をキャリア16の凹部19内にあわせた状態で、押し込み装置でチューブ容器1を下方に付勢し、キャップ3を凹部19内に押し込む。押し込み装置は、チューブ容器1のシール部4を把持する把持部を備え、その把持部でシール部4を把持した状態で押し込む。各チューブ容器1を把持するための5個の把持部の挟む面を同一平面上にしておくことで、把持部により把持された各シール部4は、同一平面上に位置した状態となる。
【0024】
さらに本実施形態のチューブ容器用搬送装置20は、一つのチューブ容器1を保持するキャリア16は、一個一個が独立して移動可能となる。
図4に示すように、キャリア16のフランジ18の外側面には、ガイド溝18aが形成される。このガイド溝18aは、第一ベルトコンベアで構成される搬送路30の両サイドに起立された側壁31の上方側に設けたガイド板32と符合し、搬送方向と直交する横方向の移動を規制し、搬送路30に沿ってキャリア16が移動するようにしている。すなわち、本実施形態のチューブ容器用搬送装置20は、係る構成のキャリア16を多数備え、その多数のキャリア16が適宜接近・離反し、搬送方向を変えながら所定の経路を巡回する。また、ガイド板32によってキャリア16の上下方向の位置も揃えられ、検査精度が高められる。
【0025】
各キャリア16は、直接あるいは他のキャリア等を介して間接的に付勢されると、その付勢方向が移動可能で有れば、係る方向に進む。そして、本実施形態では、キャリア16は複数個が群となった状態で移動し、各装置等の場所へ移動する。また、適宜の個数で切り分けることで、一つの群を構成するキャリア16の個数は変動する。つまり、本実施形態では、各処理装置では、複数のチューブ容器に対して一括・まとめて処理をするが、個々の処理装置で一度に対応可能な個数が異なる。そこで本実施形態では、一つの群を構成するキャリア16の個数を適宜変動させることによって、例えば各処理装置における対応可能な最大個数あるいはそれに準ずる個数のチューブ容器1を処理し、効率よく各作業を行うことができる。また、チューブ容器用搬送装置20は、多数のキャリア16を無端状の所定の経路で搬送する。チューブ容器用搬送装置20は、装填位置においでチューブ容器1を受け取り、チューブ容器1を保持したキャリア16を所定の経路で搬送し、包装箱へチューブ容器1を供給する供給位置にてキャリア16からチューブ容器1を取り外し、空のキャリア16を装填位置まで戻す処理を繰り返し行う。
【0026】
チューブ容器検査装置11は、チューブ容器1のシール部4のシール状態を検査し、良品のものを下流側の包装ラインに搬出する。チューブ容器検査装置11内のチューブ容器用搬送装置20は、空のキャリア16を搬送し、装填位置に来たら一時停止する。前後に5個並んだ状態で一時停止する(
図2,
図3中、A参照)。このとき、後続のキャリア16に対しては、ストッパー等により前進移動を抑止する。よって、一時停止された後続のキャリア16と、装填位置にある一群のキャリア16との間には、所定の空間が確保され、分けられる。
【0027】
チューブ容器1が装填されたならば、A位置にあるキャリア16は、図示省略するプッシャーにより押され、空のキャリア16の搬送方向と直交方向に押し出す(
図2,
図3中、A参照)。押し出しされたチューブ容器1が装填されたキャリア16は、チューブ装填部12より離れた側で、上記の空のキャリア16の搬送方向と平行な方向に搬送する。この搬送は、第一ベルトコンベアにより行う。この第一ベルトコンベアの下流端側が、進行方向を90度変更する方向変換位置Cとなる。
【0028】
この方向変換位置Cでは、上記のB位置からの搬送ラインを構成する第一ベルトコンベアの進行方向前方にストッパーが設けられ、五群のチューブ容器1が装填されたキャリア16の先頭がそのストッパーに当たり方向変換位置Cで一時停止する。この方向変換位置Cでは、図示省略するプッシャーにより押され、当該第一ベルトコンベアの搬送方向と直交する横方向に押し出される。この方向変換位置Cにおける押し出す個数は、先頭から4個としている。
【0029】
プッシャーにより押し出された四群のキャリア16は、第一ベルトコンベアと直交方向に延びる第二ベルトコンベア34上に移し替えられる。よって、B位置からC位置までは第一ベルトコンベア上を縦一列に並んだ状態で搬送されてきたキャリア16は、第二ベルトコンベア34により横一列に並んだ状態で搬送され、歪み検査部35の搬入口近傍に至る。
【0030】
歪み検査部35は、供給されたチューブ容器1のシール部4の向きをチェックする。シール部4が、同一平面上、同一直線上に揃っていれば、良品と判断し、同一直線上にそろっていない場合には、不良と判断する。
【0031】
歪み検査部35の下流側には、搬送方向に沿ってリーク検査部42、シール部異常検査部43、不良品排出シュート44を配置する。リーク検査部42は、チューブ容器1の胴部2に対して一定量の荷重をかけ、胴部2の幅変化からシール不良の有無の判別を行う加圧検査ユニットである。例えばシール部4のシールが不完全の場合、荷重をかけることで内部の空気がシール部4から漏れるなどして良品の場合に比べてより多くつぶれることで変化幅が大きくなり、幅は薄くなる。係る変化幅,荷重をかけた状態の胴部2の幅を検知し、良品のときの値を基準値に対して所定のマージンを設定した閾値を超えるか否かにより良否判定を行うようにした。さらにリーク検査部42は、8個のチューブ容器1をまとめて検査する。
【0032】
シール部異常検査部43は、チューブ容器1のシール部4の厚みを測定し、シール不良の有無の判別を行う厚み検査ユニットである。シール部4は、筒状の胴部2の一端を挟み込んで加熱溶融し、熱シールする。熱シールの際に内容物やエアを噛んでしまうとその箇所のシール部4の厚みが厚くなりシール不良となる。係るシール部4の厚さ検知し、良品のときの値を基準値に対して所定のマージンを設定した閾値を超えるか否かにより良否判定を行うようにした。さらにシール部異常検査部43は、8個のチューブ容器1をまとめて検査する。
【0033】
不良品排出シュート44は、リーク検査部42やシール部異常検査部43で異常が検出された不良品のチューブ容器1をキャリア16から取り外し、落下排出するための経路である。キャリア16からの取り外しは、例えば一時停止している際に該当するキャリア16の連結バー26を台座部17側に押してストッパー片23による保持力を解除した状態で、排出装置でチューブ容器1のシール部4を摘んで持ち上げて不良品排出シュート44まで運び、シール部4を開放することでチューブ容器1を落下させる。
【0034】
リーク検査部42とシール部異常検査部43の二段階の検査を経たチューブ容器1は、チューブ容器検査装置11から搬出され、チューブ容器用搬送装置20にて次段の製品供給部70へ移送される。
【0035】
製品供給部70は、良品と判定されたチューブ容器1を、蓋の開いた中間包装箱71に移し替える機能を備える。そして、中間包装箱71には、合計10個(2×5)のチューブ容器1を収納する。よって、チューブ容器検査装置11の下流側に配置されるチューブ容器用搬送装置20は、一群を構成するキャリア16の個数を搬送途中で適宜切替え、製品供給部70では、10個がまとまるようにしている。具体的には、
図2に示すように、D位置にて前から4個のキャリア16を切り出し、E位置で前から5個のキャリアを切り出す。5個ずつ切り出したキャリア群を前後2つで合計10個のキャリア群となる。
【0036】
また、製品供給部70では、10個のキャリア16にそれぞれ保持されているチューブ容器1を、5個単位で中間包装箱71に移し替える。そして、移し替えが完了し、空のキャリア16は、10個単位で搬送され、F位置にて5個単位に切り分けられ、チューブ装填部12に至る。
【0037】
また、本包装システムでは、チューブ容器1を収納する中間包装箱71も、展開状態のカートンを組み立てて製函する。係る製函するための製函装置73は、チューブ容器検査装置11の下流側のチューブ容器用搬送装置20に沿って配置される。
【0038】
すなわち、製函装置73は、展開状体のカートン75を駒立て状態で集積されたストッカー74と、そのストッカー74からカートン75を一枚ずつ取り出し、搬送装置76に供給するカートン移し替え装置80と、当該搬送装置76と、搬送装置76の搬送方向に沿って順に配置される本発明に係る印字装置77,起函装置78,第一糊付装置79,第二糊付装置81等を備える。
【0039】
ここで、実施形態で搬送・処理対象となるカートン75について説明する。
図1(b)に示すように、包装箱の側壁を構成する側壁要素片75aが無端状に接続されている。ここでは、一枚の細長な用紙の適宜位置を折り曲げて4つの側壁要素片75aを構成し、両端に位置する側壁要素片75aの先端同士を接着することで無端状にする。この側壁要素片75aの端縁には、それぞれ所定形状のフラップが連続して配置された構成を採る。
図1(b)では、図中、上側が包装箱の底を形成するためのフラップであり、図中、下側が蓋を形成するためのフラップである。
【0040】
そして、この例では、長辺側に位置する各側壁要素片75aに第一底フラップ75bと第二底フラップ75cをそれぞれ設け、短辺側に位置する各側壁要素片75aにフラップ75fを設ける。第一底フラップ75bと第二底フラップ75cは、それぞれフラップ75fを内側に折り曲げた状態で第一底フラップ75b,第二底フラップ75cを受ける。また、この例では、第一底フラップ75bと第二底フラップ75cは、ともに略同一形状となり、折り畳まれた側壁要素片75aを起立し、角筒状にした際に構成される底部開口部とほぼ同じ形状としている。これにより、第一底フラップ75bと第二底フラップ75cを互いに折り曲げると、一方が他方を覆うようになり、二枚重なった状体で包装箱72の底となる。
【0041】
長辺側に位置する二枚の側壁要素片75aの内の一方には、蓋フラップ75dを設け、短辺側に位置する各側壁要素片75aにフラップ75fを設ける。蓋フラップ75dは、折り畳まれた側壁要素片75aを起立し、角筒状にした際に構成される上部開口部を覆う形状としている。そして、その蓋フラップ75dの先端に、フラップ75eを形成する。このフラップ75eは、蓋フラップ75dの先端部分で折り曲げられることで、長辺側に位置する二枚の側壁要素片75aのうちの他方の側壁要素片75aに対向する。
【0042】
印字装置77は、カートン75の所定位置に、文字その他の情報を印刷する装置である。起函装置78は、展開状態のカートン75の側壁要素片75aを起立させて蓋並びに底が開いた状態にする装置である。第一糊付装置79は、包装箱72の底側を糊付けして閉塞するためのものである。この第一糊付装置79の具体的な構成は後述する。この第一糊付装置79により、蓋部が開口した中間包装箱71が製造される。そして、この中間包装箱71は、搬送装置76により製品供給部70に搬送される。
【0043】
第二糊付装置81は、製品供給部70の下流側に配置される。そして第二糊付装置81は、製品供給部70にてチューブ容器1が供給された中間包装箱71の所定位置に糊をつけ蓋を閉じてシールし、チューブ容器入の包装箱72を製造する。
【0044】
ここで本発明に係る糊付装置の好適な実施形態を説明する。ここでは第一糊付装置79を例にとって説明する。
図5に示すように搬送装置76の搬送方向に沿って前後に支柱85を起立形成し、その支柱85間に第一ガイドレール86を配置する。この第一ガイドレール86に第一スライダ87を往復移動自在に連係する。そして、第一スライダ87には、上下方向に延びる第二ガイドレール88を配置し、その第二ガイドレール88に第二スライダ89を往復移動自在に連係する。これら第一ガイドレール86,第一スライダ87,第二ガイドレール88,第二スライダ89等により、駆動装置82を構成する。
【0045】
第二スライダ89には連結部材90の上端を取り付け、この連結部材90の下端に噴射ガン91を取り付ける。噴射ガン91は、チューブ92を介して糊の供給を受け、当該糊を噴射する。噴射ガン91は、起函装置78で起こされたカートン75の底側に配置され、駆動装置82により垂直平面内で上下、左右方向に移動する。そして、噴射ガン91は、水平方向に糊を噴射させる。つまり、本実施形態の第一糊付装置79における糊付対象面は、搬送装置76の搬送面に対して起立した垂直面に位置し、噴射口91aが水平方向を向いている。さらに、
図5では図示省略するが、各フラップを折り曲げる折り曲げ手段等が配置される。
【0046】
そして、搬送装置76にて搬送されてきたカートン75は、第一糊付装置79に至り一時停止した状態で、所定のフラップを折り曲げるとともに、駆動装置82を動作させて噴射ガン91を糊付対象面の糊塗布箇所に移動するとともに、設定された方向(例えば左右方向)に移動しながら噴射ガン91による糊の噴射処理を行う。これにより、糊付対象面に対して糊を付することができる。
【0047】
次に、具体的な糊付作用を説明しつつ、各装置・機器のより具体的な構成・機能等を説明する。
図6は、平面図を示している。
図6に示すように、起函装置78で起こされたカートン75は、上側に第二底フラップ75cが水平方向に延び,その両サイドにフラップ75fが起立した状態に配置する。カートン75は、搬送装置76によりこの
図6(a)に示す状態で第一糊付装置79に供給され、一時停止する。
【0048】
一時停止したならば、一対のフラップ抑え板93がカートン75に向けて前進移動し(
図6(a)→(b))、一対のフラップ抑え板93の間隔を狭めるように互いに接近移動する(
図6(c))。これにより、小さいフラップ75fが折り曲げられて、底部開口部内に至る。その後、フラップ抑え板93が後退して待機位置に戻る(
図6(d)→(e))。
【0049】
次いで、
図7に示すように、第一フラップ折り曲げ装置95が作動し、糊付対象面を構成する底フラップ(例えば第二底フラップ75c)を折り曲げる。ここで
図7(a)〜(e)は側面図で有り、
図7(f)が平面図である。そして、
図7(a)〜(c)に示すように、第一フラップ折り曲げ装置95は、シリンダ96と、そのシリンダ96のシリンダロッド96aの先端に取り付けた接触部材97を備える。接触部材97は、球状として接触するフラップに対する抵抗を小さくしている。そして、シリンダ96は、シリンダロッド96aが傾斜方向に往復動作するようにしている。このように傾斜方向に往復動作することで、
図7(a)に示すように、接触部材97が第二底フラップ75cの先端側に近接している状態から往動作すると、
図7(b)に示すように接触部材97はカートン75,側壁要素片75aに接近しながら下降移動する。これにより、第二底フラップ75cが折り曲げられて底部開口部が閉じる。その後シリンダ96の複動作により接触部材97は第二底フラップ75cから離反し待機位置に復帰する。また、この第一フラップ折り曲げ装置95の動作中、第一糊付装置79は、噴射ガン91を上昇移動させ、接触部材97やシリンダロッド96aと干渉しないようにしている(
図7(d)参照)。
【0050】
次いで、第一糊付装置79の駆動装置82を動作させ、噴射ガン91を下降移動させ、第二底フラップ75cの所定位置に対向させる(
図7(e)参照)。その後、噴射ガン91から糊を噴射しつつ、噴射ガン91を左右方向に移動する(
図7(f)参照)。これにより、第二底フラップ75cには、水平方向に一本の糊が塗布される。
【0051】
この糊の塗布工程が完了すると、
図8に示す貼り付け工程に移行する。
図8は、いずれも側面図を示している。図示するように、カートン75の下方に第二フラップ折り曲げ装置98を設置する。この第二フラップ折り曲げ装置98は、第一フラップ折り曲げ装置95と同様の構成を採る。すなわち、シリンダ99のシリンダロッド99aの先端に接触部材100を取り付け、シリンダ99の往復動作に伴い、接触部材100がカートン75,フラップに接近離反する。この第二フラップ折り曲げ装置98は、第一底フラップ75bを折り曲げて起こし、糊が塗布された第二底フラップ75cに重ねる処理を行う(
図8(a)→(c))。
【0052】
そして、第二フラップ折り曲げ装置98による第一底フラップ75bの折曲げが完了したならば、プッシャー装置101が作動し、第一底フラップ75bを第二底フラップ75c側に向けて付勢し、塗布された糊により両者を接着する(
図8(d)→(f))。これにより、蓋部開口部が閉塞され、有底の中間包装箱71が完成する。
【0053】
この後、中間包装箱71は、蓋部開口部が上を向くようにその姿勢を90度回転し、製品供給部70に送る。また、第二糊付装置81は、具体的な図示は省略するが、中間包装箱71を一時停止した状態で噴射ガンを移動させ、中間包装箱71・カートンの所定部位に糊を付着する。
[変形例]
【0054】
上述した実施形態では、噴射ガン91を左右に移動させ、一直線上に糊を塗布するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、例えば往復等して二列あるいは三列以上に糊を塗布したり、斜めや波形など各種のパターンで糊を塗布したりするとよい。また上述した実施形態では、包装箱72に収納するのとしてチューブ容器の例を説明したが、本発明はこれに限ることは無く、各種の製品を収納する包装箱に対応できる。また、噴射ガン91の搬送方向の後方側近傍に感熱センサーを、噴射ガン91と共に移動するように配置し、噴射ガン91で糊塗布直後の糊の有無、及び糊の温度を判定する。なお、2列以上の糊塗布の場合は、噴射ガン91に複数の感熱センサーを配置する。また、先端が三次元空間内を所定の軌跡で移動するロボットアームを用い、そのロボットアームの先端・マニピュレーターに噴射ガン91等を接続しても良い。直方体以外の多面体、又は立体的な箱の組み立てに利用できる。本発明とは関係ないが、一時停止せずにカートンを搬送中に本発明の糊付装置でカートン搬送方向と反対方向に移動しながら糊塗布するようにしても良い。箱詰め装置の機長を短くでき、又、糊塗布時間を短縮することができる。