特開2015-151815(P2015-151815A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-151815(P2015-151815A)
(43)【公開日】2015年8月24日
(54)【発明の名称】隅肉溶接プレートの切断機
(51)【国際特許分類】
   E01D 24/00 20060101AFI20150728BHJP
   E01D 1/00 20060101ALI20150728BHJP
   E01D 2/02 20060101ALI20150728BHJP
   B23D 55/00 20060101ALI20150728BHJP
【FI】
   E01D24/00
   E01D1/00 E
   E01D2/02
   B23D55/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-28400(P2014-28400)
(22)【出願日】2014年2月18日
(71)【出願人】
【識別番号】598043571
【氏名又は名称】株式会社ニチワ
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋脇 就三
(72)【発明者】
【氏名】市江 保昭
【テーマコード(参考)】
2D059
3C040
【Fターム(参考)】
2D059AA07
2D059GG41
3C040AA16
3C040BB03
3C040BB07
3C040JJ03
3C040LL31
(57)【要約】
【課題】隅肉溶接プレートの隅肉溶接部分を水平方向に切断する隅肉溶接プレートの切断機を提供する。
【解決手段】橋梁における主桁2の上フランジ2aの上部に隅肉溶接されている隅肉溶接プレート3の当該隅肉溶接部分7を水平方向に切断する隅肉溶接プレートの切断機11であって、中央部に開口部を有する取付基板13と、開口部に沿って設けられ、上フランジの幅と略同一の間隔を開けて設けられる一対のガイド板14と、ガイド板の内側に設けられ、上フランジの縁部を転動するローラと、ガイド板の下部に設けられ、上フランジの側部に沿って位置させるガイド側部16と、取付基板に設けられる駆動モータ17と、駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に取付基板に設けられる駆動ローラと、駆動ローラと相対して取付基板に設けられる一対の従動ローラと、従動ローラと前記駆動ローラとで回転するバンドソー20と、バンドソーの撓みを抑制するための押え手段とを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁における主桁の上フランジの上部に隅肉溶接されている隅肉溶接プレートの、当該隅肉溶接部分を水平方向に切断する隅肉溶接プレートの切断機であって、
中央部に開口部を有する取付基板と、
前記開口部に沿って設けられ、前記上フランジの幅と略同一の間隔を開けて設けられる一対のガイド板と、
該ガイド板の内側に設けられ、前記上フランジの縁部を転動するローラと、
前記ガイド板の下部に設けられ、前記上フランジの側部に沿って位置させるガイド側部と、
前記取付基板に設けられる駆動モータと、
該駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、
該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、
該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するバンドソーと、
前記バンドソーの撓みを抑制するための押え手段と、を備えること
を特徴とする隅肉溶接プレートの切断機。
【請求項2】
前記押え手段は、前記上フランジに着脱自在に取り付ける磁石取付部と、
該磁石取付部の上部に設けられる保持板と、
該保持板の一端部に垂直に螺着された押えボルトとからなり、
該押えボルトの先端部を前記バンドソーに当接させる構成であること
を特徴とする請求項1に記載の隅肉溶接プレートの切断機。
【請求項3】
前記ガイド側部は、前記ガイド板の下部にボルト留めしていると共に、該ボルトによって垂下長さが調整可能であること
を特徴とする請求項1に記載の隅肉溶接プレートの切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁における主桁の上フランジの上部に隅肉溶接されている隅肉溶接プレートの切断機に関するものであり、更に詳しくは、隅肉溶接プレートを撤去するために隅肉溶接部分を水平方向に切断する、隅肉溶接プレートの切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13に示すように、橋梁1は橋幅方向(図13の左右方向)に離れた2つの主桁2が橋軸方向(図13の紙面に直交する方向)に延びていて、各主桁2には橋幅方向に伸びる横桁4の両端部4aが接合している。各主桁2は、上フランジ2aとウェブ2bと下フランジ2cとを有するH形鋼である。横桁4は、図14に示すように、橋軸方向に所定の間隔を開けて複数配置されている。
【0003】
各主桁2の上フランジ2aの上側には、ベースプレート(隅肉溶接プレート)3が配設されていて、ベースプレート3の上側に、連結板5及び柱部材6が配設されている。連結板5は、柱部材6の下端部に設けられており、ボルト8によってベースプレート3に固着されている。
【0004】
このような構造の橋梁1は、上屋や壁等による荷重が、柱部材6及び連結板5を介してベースプレート3に伝達される。つまり、ベースプレート3は、上屋や壁等による荷重が柱部材6及び連結板5を介して主桁2に伝わるときに、応力集中を緩和する役目を果たしている。
【0005】
また、ベースプレート3は、図15に示すように、矩形で平板状の金属板であり、上フランジ2aの上部に全周に渡って隅肉溶接で取り付けられており、この隅肉溶接部分7に応力が集中することとなる。従って、長期間にわたる上屋や壁等による荷重を受けて亀裂等が発生し易いので、ベースプレート3の隅肉溶接部分7を切断して撤去し、交換が必要となる。
【0006】
一方、鉄骨材を切断する切断機としては、特開平6−136968号公報に解体用切断機が開示されている(特許文献1参照)。この切断機は、回転カッタと、起動停止スイッチと、手持ち作業用の操作ハンドルと、これらの回転カッタ、起動停止スイッチ及び操作ハンドルを保持するハウジングとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−136968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を、従来例のような手持ち作業用の切断機で切断する場合は、作業員の技量や熟練度によって、切断面の仕上がり具合や切断時間に影響を与えることとなり、その結果、作業品質や作業時間が一定しないという問題点を有している。
【0009】
従って、従来例における場合においては、作業員の個々の技量や熟練度によって作業品質や作業時間に影響を与えないよう方策を講じることに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、橋梁における主桁の上フランジの上部に隅肉溶接されている隅肉溶接プレートの、当該隅肉溶接部分を水平方向に切断する隅肉溶接プレートの切断機であって、中央部に開口部を有する取付基板と、前記開口部に沿って設けられ、前記上フランジの幅と略同一の間隔を開けて設けられる一対のガイド板と、該ガイド板の内側に設けられ、前記上フランジの縁部を転動するローラと、前記ガイド板の下部に設けられ、前記上フランジの側部に沿って位置させるガイド側部と、前記取付基板に設けられる駆動モータと、駆動モータの駆動に連動して駆動すると共に前記取付基板に設けられる駆動ローラと、該駆動ローラと相対して前記取付基板に設けられる一対の従動ローラと、該従動ローラと前記駆動ローラとで回転するバンドソーと、前記バンドソーの撓みを抑制するための押え手段と、を備えることである。
【0011】
また、前記押え手段は、前記上フランジに着脱自在に取り付ける磁石取付部と、該磁石取付部の上部に設けられる保持板と、該保持板の一端部に垂直に螺着された押えボルトとからなり、該押えボルトの先端部を前記バンドソーに当接させる構成であること、;
前記ガイド側部は、前記ガイド板の下部にボルト留めしていると共に、該ボルトによって垂下長さが調整可能であること、;
を含むものである。
【発明の効果】
【0012】
まず、別途に用いる縦方向切断機で、隅肉溶接プレートの4辺の隅肉溶接部分の近傍をそれぞれ縦方向(垂直方向)に切断してから、本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機によって、隅肉溶接部分を水平方向に切断することで、隅肉溶接プレートを簡単で確実に撤去することができる。
従って、従来例のように作業員の個々の技量や熟練度によって、切断面の仕上がり具合や切断時間に影響を与えることが無く、作業品質や作業時間を常に一定に保つことができるという優れた効果を奏する。
【0013】
押え手段は、上フランジに着脱自在に取り付ける磁石取付部と、磁石取付部の上部に設けられる保持板と、保持板の一端部に垂直に螺着された押えボルトとからなり、押えボルトの先端部をバンドソーに当接させる構成であることによって、バンドソーの撓みを解消することができる。
従って、バンドソーの撓みによって上フランジを傷付けることがなく、隅肉溶接プレートを確実に切断できるという優れた効果を奏する。
【0014】
ガイド側部は、ガイド板の下部にボルト留めしていると共に、当該ボルトによって垂下長さが調整可能であることによって、ガイド側部の垂下長さを最適な長さに調整することができる。
従って、本発明に係る切断機を隅肉溶接プレートの隅肉溶接部分の方向へ移動させるときに、ガイド側部が上フランジの側部に沿って確実に移動できるので、延いては隅肉溶接部分を確実に切断できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機11の正面図である。
図2】本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機11の背面図である。
図3】本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機11の平面図である。
図4】本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機11の底面図である。
図5】本発明に係る隅肉溶接プレートの切断機11の右側面図である。
図6】(イ)押え手段21の右側面図である。(ロ)押え手段21の平面図である。
図7】押え手段の他の実施例を説明する隅肉溶接プレートの切断機11の正面図である。
図8】隅肉溶接プレートの切断機11が隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を切断する状態を示した平面図である。
図9】隅肉溶接プレートの切断機11が隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を切断する状態を示した右側面図である。
図10】縦方向切断機31が隅肉溶接プレート3の切断ライン20aに沿って切断する状態を略示的に説明する平面図である。
図11】縦方向切断機31が隅肉溶接プレート3の切断ライン20aに沿って切断する状態を示した左側面図である。
図12】縦方向切断機31が切断機11が隅肉溶接プレート3の切断ライン20aに沿って切断した状態を示した左側面図である。
図13】橋梁1の一部を示す正面図である。
図14】橋梁1の一部を示す斜視図である。
図15】上フランジ2aと隅肉溶接プレート3とを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1から図5において、符号11は隅肉溶接プレートの切断機を示し、この切断機11は、中央部に開口部12を有する取付基板13と、開口部12に沿って設けられる一対のガイド板14と、ガイド板14の内側に設けられるローラ15と、ガイド板14の下部に設けられるガイド側部16と、取付基板13に設けられる駆動モータ17と、駆動モータ17の駆動に連動して駆動する駆動ローラ18と、駆動ローラ18と相対して取付基板13に設けられる一対の従動ローラ19と、従動ローラ19と駆動ローラ18とで回転するバンドソー20と、バンドソー20の撓みを抑制するための押え手段21(図6参照)とから構成される。
【0017】
隅肉溶接プレートの切断機11は、橋梁1における主桁2の上フランジ2aの上部に隅肉溶接されている隅肉溶接プレート3(ベースプレートあるいはソールプレート等)の当該隅肉溶接部分7を、水平方向に切断する切断機である(図13から図15参照)。
【0018】
取付基板13は、図1及び図2に示すように、所定大きさの略台形状に形成されており、中央部には、被切断物を通過するための開口部12が形成されている。
【0019】
開口部12は、両方の側部12aが垂直に形成され、上部12bがドーム形状に形成されている。開口部12がこのような形状なので、両方の側部12aに沿って垂直な突設物を通過して切断作業を進めることができる。
【0020】
ガイド板14は、横長の板状に形成され、その一端部が開口部12の両方の側部に沿って一対設けられている。ガイド板14同士の間隔は、上フランジ2aの幅と略同一の間隔に設定されている(図8参照)。なお、図中の符号28は、ガイド板14に立設する把手を示す。
【0021】
ローラ15は、ガイド板14の内側に回転自在に設けられており、このローラ15が上フランジ2aの縁部2dに沿って転動するようになっている(図8参照)。
【0022】
ガイド側部16は、ガイド板14の下部にボルト22で取り付けられており、このボルト22を回転させることによって、ガイド側部16の垂下長さを自在に最適長さに調整することができる。
【0023】
このガイド側部16は、上フランジ2aの側部2eに沿って位置させてガイドする役目を有する(図9参照)。従って、隅肉溶接プレートの切断機11を隅肉溶接部分7の方向(矢印A方向)へ移動させるときに、ガイド側部16が上フランジ2aの側部2eに沿って確実に移動できるので、延いては隅肉溶接部分7を確実に切断できることとなる(図9参照)。
【0024】
駆動モータ17は、取付基板13の上部に設けられており、図示しないON/OFFスイッチによって駆動と停止の操作がなされる。
【0025】
駆動ローラ18は、駆動モータ17の駆動に連動して駆動する仕組みになっており、取付基板13の上部に設けられている。また、駆動ローラ18は、従動ローラ19よりもやや大きめな形状に形成されたプーリからなり、当該従動ローラ19と伝動すべく回転式のバンドソー20が掛け回されている。
【0026】
従動ローラ19は、駆動ローラ18と相対しており、取付基板13の下側に設けられる。そして、従動ローラ19と駆動ローラ18とは、隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を、バンドソー20が縦方向に切断可能なように配設されている。
【0027】
バンドソー20は、例えばワイヤー式の回転式カッターからなり、駆動ローラ18と一対の従動ローラ19を介して高速に回転される。また、バンドソー20は、通常は図示しないベルトカバーで覆われている。
【0028】
押え手段21は、具体的には、図6(イ)(ロ)に示すように、上フランジ2aに着脱自在に取り付けて使用する磁石取付部23と、磁石取付部23の上部に設けられる保持板24と、保持板24の一端部に垂直に螺着された押えボルト25とからなり、この押えボルト25の先端部25aをバンドソー20に当接させて使用する。
【0029】
磁石取付部23は、磁石式又は電磁石式であって、スイッチ23aのON/OFF操作により、上フランジ2aに強固に吸着させ又は取り外することができる。また、保持板24は、長方形状の金属板であり、その一端部が磁石取付部23の上部に固定されている。
【0030】
押え手段21がこのような構成であり、押えボルト25の先端部25aをバンドソー20に接触させてその撓みを抑制するので、バンドソー20の撓みによって上フランジ2aを傷付けることがなく、隅肉溶接プレート3を確実に切断できる。
【0031】
押え手段の他の実施例を説明する。図7に示すように、両方のガイド板14の上部に、保持部材26が設けられており、この保持部材26に端部に押えボルト27が垂直に螺着されている。この押えボルト27の先端部27aをバンドソー20に接触させることによって、バンドソー20の撓みを抑制することができる。
【0032】
次に、隅肉溶接プレートの切断機11を用いる手順を説明する前に、別途に用いる縦方向切断機31を用いて、隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7の近傍を縦方向(垂直方向)に切断する手順を説明する。
【0033】
縦方向切断機31を説明すると、図10から図12に示すように、隅肉溶接プレート3に着脱自在に取り付ける磁石取付部32と、磁石取付部32の上部に連設される取付基板33と、取付基板33に設けられるシリンダー34と、シリンダー34によって取付基板33に対して上下移動自在に設けられる本体ボディ35と、本体ボディ35に設けられる駆動モータ36と、駆動モータ36の駆動に連動して駆動する駆動ローラ37と、駆動ローラ37と相対して本体ボディ35に設けられる従動ローラ38と、従動ローラ38と駆動ローラ37とで駆動するバンドソー39とから構成される。
【0034】
まず、磁石取付部32を隅肉溶接プレート3の適宜位置に吸着させてから、駆動モータ36を駆動させて、バンドソー39を回転駆動させる。そして、本体ボディ35を取付基板33に対して下降させれば、バンドソー39が切断ライン40aに沿って縦方向に切断する(図10から図12参照)。
【0035】
バンドソー39が隅肉溶接プレート3を切断ライン40aに沿って切断すると、ストッパー用ボルト41の下部が上フランジ2aに当接する。このとき、本体ボディ35の下降移動がストップするので、バンドソー39で上フランジ2aを傷付けることがない(図12参照)。
【0036】
このような手順で、隅肉溶接プレート3の切断ライン40aを縦方向に切断してから、縦方向切断機31の固定する位置を変えて、他の3辺の切断ライン40b、40c、40dも同様な手順で順次切断する(図10及び図15参照)。
【0037】
次に、切断ライン40a、40b、40c、40dに囲まれた内側のプレート3aを取り外す(図15参照)。この内側のプレート3aは、下側が上フランジ2aに未溶接であるので、プレート3aに図示しないネジ孔を形成し、当該ネジ孔にボルトを螺着して上方に引き抜いて取り外す。あるいは、図示しない打ち込み矢とハンマーとを用いて内側のプレート3aを取り外してもよい。
【0038】
このようにして、隅肉溶接プレート3から内側のプレート3aを取り外した後に、隅肉溶接プレートの切断機11を用いて、隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を水平方向に切断する。
【0039】
次に、隅肉溶接プレートの切断機11によって、隅肉溶接プレート3の隅肉溶接部分7を水平方向に切断する手順について説明する。
【0040】
まず、図8及び図9に示すように、バンドソー20が隅肉溶接部分7に沿って平行になるように、切断機11を上フランジ2aの上で位置合わせしてから、駆動モータ17を駆動させて、バンドソー20を回転駆動させる。
【0041】
そして、取付基板13を隅肉溶接部分7の方向(矢印A方向)へ押圧して移動させることで、バンドソー20が当該隅肉溶接部分7を水平方向に切断する(図8及び図9参照)。
【0042】
このとき、押えボルト25の先端部25aをバンドソー20に接触させてその撓みを抑制する(図6(イ)(ロ)参照)。従って、バンドソー20の撓みによって上フランジ2aを傷付けることがなく、隅肉溶接プレート3を確実に切断できる。
【0043】
このような手順で、隅肉溶接プレート3の4辺の隅肉溶接部分7を水平方向に切断するが、場合によっては、切断機11の固定する位置を変えて、4辺の隅肉溶接部分7を別々に切断してもよい。なお、図8及び図9中の符号3bは、上述のようにプレート3aを取り外した後の空間部分であって、この空間部分3bには、上フランジ2aの表面が露出している。
【0044】
以上説明したように、縦方向切断機31を用いて、隅肉溶接プレート3の切断ライン40a、40b、40c、40dを縦方向に順次切断してから、隅肉溶接プレートの切断機11(水平方向切断機)で、隅肉溶接部分7の4辺を水平方向に切断することで、隅肉溶接プレートを簡単で確実に撤去することができる。
従って、作業員の個々の技量や熟練度によって、切断面の仕上がり具合や切断時間に影響を与えることが無く、作業品質や作業時間を常に一定に保つことができることとなる。
【符号の説明】
【0045】
1 橋梁
2 主桁
2a 上フランジ
2b ウェブ
2c 下フランジ
2d 縁部
2e 側部
3 隅肉溶接プレート(ベースプレート)
3a 内側のプレート
3b 空間部分
4 横桁
4a 端部
5 連結板
6 柱部材
7 隅肉溶接部分
8 ボルト
11 隅肉溶接プレートの切断機
12 開口部
12a側部
12b上部
13 取付基板
14 ガイド板
15 ローラ
16 ガイド側部
17 駆動モータ
18 駆動ローラ
19 従動ローラ
20 バンドソー
21 押え手段
22 ボルト
23 磁石取付部
24 保持板
25 押えボルト
25a先端部
26 保持部材
27 押えボルト
27a先端部
28 把手
31 縦方向切断機
32 磁石取付部
33 取付基板
34 シリンダー
35 本体ボディ
36 駆動モータ
37 駆動ローラ
38 従動ローラ
39 バンドソー
40a、40b、40c、40d 40 切断ライン
41 ストッパー用ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15