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特開2015-1528シールされた容器から固体をサンプリングするための装置とそれを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-1528(P2015-1528A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】シールされた容器から固体をサンプリングするための装置とそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/08 20060101AFI20141202BHJP
【FI】
   G01N1/08 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-120551(P2014-120551)
(22)【出願日】2014年6月11日
(31)【優先権主張番号】1355441
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】504143038
【氏名又は名称】アクセンス
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ミュニエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ポール グザール
(72)【発明者】
【氏名】レミ ジロード
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AC27
2G052AD12
2G052BA28
2G052CA02
2G052CA35
2G052CA40
2G052JA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置の使用頻度を増加させることなくかつサンプリングされた固体の量に影響を与えることなく、サンプリングヘッドの移動部分の詰まりを妨げることができる簡単な固体サンプリング装置を提供する。
【解決手段】シールされた容器から固体をサンプリングする装置は、固体収集穴部28を備えるサンプリングヘッド16を支持する胴体と、収集された固体を移送する穴部と、制御手段48によって制御された、各穴部のための角度変位シャッター手段30と、を有している。装置は、該手段の無荷重角度変位のためのシャッター手段の角度クリアランスを制限するための制限手段をさらに有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールされた容器から固体をサンプリングする装置において、
固体収集穴部(28)を備えるサンプリングヘッド(16)を支持する胴体と、
収集された固体を移送する穴部(28’)と、
制御手段(48)によって制御された、各前記穴部のための角度変位シャッター手段(30)と、を有し、
前記手段の無荷重角度変位(c)のため、前記シャッター手段の角度クリアランスを制限するための制限手段(78、80)をさらに有する、装置。
【請求項2】
前記制御手段は前記シャッター手段に接続されたロッド(70)を有し、前記制限手段は前記角度変位を制限するための止め部(78、80)を有し、前記止め部の少なくとも1つ(80)は移動可能である、請求項1に記載の固体サンプリング装置。
【請求項3】
前記ロッドは、前記止め部と協働する作動レバー(72)に接続されている、請求項2に記載の固体サンプリング装置。
【請求項4】
前記ロッドは、前記止め部の1つ(80)に位置する前記レバーの円周方向支持のためのトーションバネ手段(86)を支持する、請求項2または3に記載の固体サンプリング装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シャッター手段の前記無荷重角度変位(c)を制限するための端部位置検知装置に固定され、2方向に回転することができる歯車付モータと前記シャッター手段とに接続されたロッドを有している、請求項1に記載の固体サンプリング装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記シャッター手段とシリンダ(90)によって制御されるカム(92)とに接続されたロッドを有している、請求項1に記載の固体サンプリング装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記シャッター手段に接続された、シリンダによって支持された歯竿と協働する小歯車を支持するロッドを有し、
前記シャッター手段の前記無荷重角度変位(c)の制限は、前記シリンダのピストンのストロークによってもたらされる、請求項1に記載の固体サンプリング装置。
【請求項8】
前記シャッター手段は、前記カップを貫通する軸方向空洞(32)が設けられたカップ(30)を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の固体サンプリング装置。
【請求項9】
大気から隔離された前記容器内の触媒サンプルを採取するために使用される、請求項1から8のいずれか1項に記載の固体サンプリング装置。
【請求項10】
オイル精製ユニット内の触媒サンプルを採取するために使用される、請求項1から8のいずれか1項に記載の固体サンプリング装置。
【請求項11】
改質ユニット内の触媒サンプルを採取するために使用される、請求項1から8のいずれか1項に記載の固体サンプリング装置。
【請求項12】
シールされた容器から固体をサンプリングするための装置であり、固体収集穴部(28)を備えたサンプリングヘッドと、収集された固体を移送する穴部(28’)と、制御手段によって制御された、各前記穴部のための角度変位シャッター手段(30)と、を有する装置を使用する方法において、
前記シャッター手段及び/または前記制御手段の詰まりを防止するため、前記シャッター手段の無荷重角度変位(c)を行う工程を含む、方法。
【請求項13】
前記サンプリングヘッドによって前記固体を収集することなく、前記シャッター手段の前記無荷重角度変位を行う、請求項12に記載のサンプリング装置を使用する方法。
【請求項14】
定期的に前記無荷重角度変位を行う、請求項12に記載のサンプリング装置を使用する方法。
【請求項15】
一週間ごとに前記無荷重角度変位を行う、請求項12に記載のサンプリング装置を使用する方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、サイロ、ホッパー、反応器、再生器あるいは吸着器のようなシールされた容器から固体をサンプリングするための装置と、それを使用する方法に関する。
【0002】
特に、例えば触媒あるいは吸着材のために使用されるもののような、砂粒、押出成形品、ボールの形態の固体サンプルの重力サンプリングを行うことができるサンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
分裂した固体が、高圧及び/または高温条件下で動作する容器内に供給されるとき、あるいは、分裂した固体が保管され、あるいは重力によって移送される容器内に、それが設けられるとき、ときどき固体のサンプルを取る必要がある。
【0004】
このサンプリングの主な目的は、固体の機械的または物理化学的特性をチェックし、したがって、その表面に定着した可能性のある不純物を見つけ、保管されたあるいは運転中の固体の質の変遷をモニタリングすることである。
【0005】
特に、起こりうる故障の理由を理解し、経時的な固体保管の挙動をチェックし、あるいは固体のための最大作動時間を予測し、したがって、起こりうる問題を特定または予測することができる。
【0006】
分裂した固体を使用する精製プラントの場合、容器、例えば触媒反応器の内容物を有するユニットのモニタリングを容易にし、したがって、その動作を最適化することもできる。
【0007】
特許文献1は、特に、反応器のようなシールされた容器から固体材料のサンプルを取ることができ、例えば、触媒の存在下で、炭化水素の触媒分解を行うことができるサンプリング装置を開示している。
【0008】
特許文献1によく記載されているように、サンプリングは、装置の胴体によって支持され、容器内に入れられたサンプリングヘッドを使用して行われる。このヘッドは、上部と下部に穴部が設けられたレセプタクル(receptacle)と、公知の手段によって制御されたシャフトによって順に駆動される穴の開いた2つの回転ディスクを有している。これらのディスクの第1の回転時に、固体サンプルは、ディスクの1つによって制御された上方穴部を通ってレセプタクルに入ることができ、一方で、他方のディスクは下部の穴部をシールしている。これらのディスクのもう1つの回転後に、上方穴部はディスクの1つにシールされ、一方、他方のディスクは、下部の穴部を開放し、固体サンプルは収集手段に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,009,618号明細書
【特許文献2】米国特許第3,653,265号明細書
【特許文献3】米国特許第3,786,682号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の装置の欠点は、固体サンプリング動作時に詰まってしまう可能性があることである。
【0011】
実際、詰まりは、ある可動部で部分的に押し潰され及び/または動けなくなる可能性のある固体、サンプリング装置の構成部分に存在する傷、あるいは狭い許容差範囲を有する移動部分に生じる膨張によって生じる。
【0012】
多少の頻度の使用と動作条件に応じて、様々な移動部分の詰まりの結果として装置は操作性の問題を抱える可能性があり、あるいは、移動部分が動かなくなる時、装置は故障してしまう可能性もある。
【0013】
例えば特許文献2または特許文献3に開示されているように、この欠点を克服するために、空圧式装置あるいは固体を運ぶためのガス流を使用する装置が設けられている。
【0014】
これらの装置は、機械的な問題を回避することができるが、サンプリング中に少量の固体しか運べないという欠点を有する。
【0015】
本発明の目的は、装置の使用頻度を増加させることなくかつサンプリングされた固体の量に影響を与えることなく、サンプリングヘッドの移動部分の詰まりを妨げることができる簡単な固体サンプリング装置によって上述の欠点を克服することにある。この詰まりは、ある種の固体によって、あるいは、低い頻度でサンプリング動作が行われたときに発生する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、シールされた容器から固体をサンプリングするための装置に関する。この装置は、固体収集穴部を備えるサンプリングヘッドを支持する胴体と、収集された固体を移送する穴部と、制御手段によって制御された、各穴部のための角度変位シャッター手段と、を有している。装置は、該手段の無荷重角度変位のためのシャッター手段の角度クリアランスを制限するための制限手段をさらに有する。
【0017】
制御手段は、シャッター手段に接続されたロッドを有し、制限手段は角度変位を制限するための止め部を有してもよく、止め部の少なくとも1つは移動可能である。
【0018】
ロッドは、止め部と協働する作動レバーに接続されてもよい。
【0019】
ロッドは、止め部の1つに位置するレバーの円周方向支持のためのトーションバネ手段を支持してもよい。
【0020】
制御手段は、シャッター手段の無荷重角度変位を制限するための端部位置検知装置に固定され2方向に回転することができる歯車付モータとシャッター手段とに接続されたロッドを有してもよい。
【0021】
制御手段は、シャッター手段とシリンダによって制御されるカムとに接続されたロッドを有してもよい。
【0022】
制御手段は、シャッター手段に接続された、シリンダによって支持された歯竿と協働する小歯車を支持するロッドを有してもよく、シャッター手段の無荷重角度変位の制限は、シリンダのピストンのストロークによってもたらされてよい。
【0023】
シャッター手段は、カップを貫通する軸方向空洞が設けられたカップを有してよい。
【0024】
本発明は、大気から隔離された容器内の触媒サンプルを採取するために使用されることができる装置にも関する。
【0025】
本発明は、オイル精製ユニット内の触媒サンプルを採取するために使用されることができる装置にも関する。
【0026】
本発明は、改質ユニット内の触媒サンプルを採取するために使用されることができる装置にも関する。
【0027】
さらに、本発明は、シールされた容器から固体をサンプリングする装置であって、固体収集穴部を備えたサンプリングヘッドと、収集された固体を移送する穴部と、制御手段によって制御された、各穴部のための角度変位シャッター手段と、を有する装置を使用する方法に関し、シャッター手段及び/または制御手段の詰まりを防止するため、シャッター手段の無荷重角度変位を行う工程を含むことを特徴とする。
【0028】
本方法は、サンプリングヘッドによって固体を収集することなく、シャッター手段の無荷重角度変位を行う工程を含んでよい。
【0029】
本方法は、定期的に無荷重角度変位を行ってもよい。
【0030】
本方法は、一週間ごとに無荷重角度変位を行ってもよい。
【0031】
本発明の他の特徴と利点は、非限定の例によって示され、かつ添付の図面を参照する以降の記載を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明のサンプリング装置の部分断面図である。
図2図1のサンプリング装置の矢印Aの方向から見た端面図である。
図3】サンプリング装置の要素の1つの斜視図である。
図4図1のサンプリング装置の矢印Bの方向から見た端面図である。
図5図1の装置の下方端部の拡大部分断面図である。
図6図5の線6−6に沿った半径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1に示された例において、サンプリング装置10は、容器12上に設けられており、容器12は、好ましくはシールされ、有利には大気から分離しており、分裂した固体14を収容している。
【0034】
有利には、このサンプリング装置は、容器が運転中あるいは休止中のときに使用することができる。
【0035】
一例としてのみ後述された容器は固定床触媒反応器であるが、サイロ、ホッパー、再生器あるいは吸着器のような他の容器は除外されない。
【0036】
この容器に収容された固体は、砂粒、押出成形品、あるいはボールの形状をした固体粒子である。
【0037】
サンプリング装置は、この容器内で固体サンプルを取るためのヘッド16を有し、ヘッド16は、反応器12の壁20通って動作する、長手方向軸XXの管状胴体18によって運ばれる。
【0038】
また、図2図3を参照すると、ヘッドは所定量の固体粒子を取ることができ、大量の流れを避けることができる偏向器の原理に基づいて動く。
【0039】
このヘッドは、胴体の軸と一致するが、上部がカバー24で塞がれ、底部が底26で塞がれている長手方向軸の筒状、ここでは円筒状のハウジングを有する。カバーと底には、それぞれ角形区域(angular sector)の形状の穴部28、28’が設けられている。
【0040】
ハウジングの内側には、ハウジングの軸と一致する長手方向軸の完全な筒状部の形状の穴部シールカップが収容されている。このカップが、ハウジングの内側かつカバーと底との間で自由に回転できるように、このカップの直径は、ハウジングの内側の直径にほぼ相当し、カップの高さは、このハウジングの高さにほぼ等しい。
【0041】
このカップには、軸方向にほぼ平行であり、カップを通って連続している空洞が設けられている。有利なことに、空洞32は、カバーと底の角形領域に相当する形状の角形区域(b)の形状の断面を有している。
【0042】
好ましくは、カバーの角形区域は、カップの空洞よりも小さな寸法と扇角を有し、一方で、底の角形区域(a’)は、カップの空洞の角形部分(angular section)よりも大きな寸法と扇角を有する。したがって、この空洞の体積は、固体のサンプリング体積を決定することができる。このカップは、その上部平面に、カップの軸と同軸であり、カバーの内面に設けられた隠し穴36と協働する位置決めピンで固定されている。カップの下部平面において、カップは、詳しくは後述する回転制御部を受け入れるための穴38を有する。この制御部がカップに接続できるように、底28には、穴38に対応する貫通部42が設けられている。
【0043】
図1に関連して、有利には容器12の下方に設けられる胴体18は、水平から30°から90°の間の範囲の角度αで傾いている。
【0044】
この胴体は、ここでは円形である上部管状延長部44を有し、該上部管状延長部44は、容器に部分的に貫通し、この容器に収容された固体のためのサンプリングヘッドを支持している。また、この胴体は、カップ30の回転を制御するための様々な手段48を含む下部管状延長部46を有する。
【0045】
また、下部管状延長部は、エアロック54に至る管状パイプ52に向かってサンプルを運ぶための、容器内に収容され取付けられた偏向部材50を有する。エアロックは3つのバルブV1、V2、V3と管状部55とを有し、管状部55は、該管状部55にほぼ直交し、バルブV2に接続されたライン55aを支持する。
【0046】
バルブの開閉シークエンスに応じて、管状部分55に配置されたサンプルを隔離することができ、したがって、ライン55aを通じてサンプルを排出でき、結局、任意の受け取り手段にサンプルを集めることができる。
【0047】
偏向部材は、管状スリーブ58によって支持され、垂直に対して、エアロックに向かう固体サンプルの重力流を生じさせることができる角度を有する偏向面を有する。この角度は、好ましくは0°から60°の間、より好ましくは5°から45°の間、さらに好ましくは10°から30°の間である。また、この部材は、胴体の下方端部に位置する固定ベースプレート60と、偏向面から始まり、ベースプレート60に至る長手方向軸孔62とを有する。
【0048】
パイプ52は、胴体の軸XXに対して、ほぼ10°から90°の間の範囲、好ましくは20°から70°の範囲、より好ましくは30°から60°の間の範囲、あるいはもっと言えば40°から50°の間の範囲の角度βで方向づけられている。
【0049】
図1においてよく示されているように、胴体には、壁20の外側に固定され、上方管状延長部用の貫通孔68に囲まれたソール66の上の組み立て体用のクランプ64が設けられている。
【0050】
図1と、図4図5図6とを組み合わせることで、カップ30用の回転制御手段48には、カップから胴体の下端の外側に延びることで胴体18と偏向部材50を貫通し作動する駆動ロッド70が設けられ、それは、胴体の外側に配置された作動レバー72に接続されている。
【0051】
このロッドの上端は、ねじ止めや雄−雌継手のような公知の手段によって、穴38を介してカップ30に接続されており、このロッドの下端は、好ましくはキーイング(keying)とねじ止めによってレバーに固定して接続されている。
【0052】
有利なことに、円形プレート74は、作動レバーと胴体の下端との間に、偏向部材のベースプレートに固定されることで収容されている。固定は、例えばピンとナットとを組み合わせるシステムによってもたらされる。したがって、レバー72が作動され、レバーがその作用によってロッド用の軸方向止め具として働くとき、この固定は、プレートが回転してしまうことを妨げることができる。
【0053】
さらに、一般的にはスタッフィングボックスと呼ばれるシール装置は、ロッド70と孔62との間に収容されている。したがって、この装置は、容器と外部との間の温度差と圧力差とを吸収することができる。
【0054】
プレートは、レバーと、したがってロッドによって接続されたカップとのための角度クリアランス制限手段を支持する。これらの制限手段は、角度距離を有するように配置された角度止め部78、80を含み、角度止め部78、80は、それらの間の角度範囲(c)内にレバーの回転クリアランスを制限することができる。
【0055】
止め部78、80は、レバーを完全に回転させることができるように、全体的にまたは部分的に取り外すことができる。
【0056】
好ましくは、図4図5に示されているように、1つの引っ込められる止め部80のみを有することが望ましい。一例によれば、この止め部は、プレート74によって摺動自在に支持され、引張りコイルバネの作用を受けるロッド82で構成され、このロッドの端がレバーの回転を止めるためにプレートを越えて突出している。
【0057】
この止め部を移動させ、したがってレバーの通過を可能にするため、端部84への牽引力のような、バネの力の作用とは反対の作用が、プレートにおいてロッドの自由端を後退させることができる。
【0058】
図6に示されているように、渦巻きバネ型のトーションバネ86によって、ロッド70とカップ30が所定の位置に戻ることができる。このバネは、ロッドと胴体あるいは偏向部材に固定されたピン88に固定される。
【0059】
この所定の位置は、有利には、レバーとカップのニュートラル位置(N)によって特定される位置である。
【0060】
もちろん、本発明の要旨から外れない限り、ロッド68とカップ30の回転を電動化することができる。
【0061】
したがって、ロッドは、電気あるいは空気歯車付モータと接続され、モータは、カップの角度変位範囲(c)内に留まるための端部位置検知装置とともに両回転方向に作動する。この場合、止め部78、80はもはや必要ではない。
【0062】
また、ロッドに取付けられた小歯車を駆動する歯竿が装着されたシリンダを設けることも可能である。ピストンストロークは構造によって制限されるので、帰りは組み込まれたバネを有する複動シリンダあるいは単動シリンダによってもたらされる。
【0063】
同様に、図1に示されているように、構造によってストロークが制限されているピストン94に固定されたアーチ型カム92が設けられた単動空気シリンダ90を使用することが可能である。シリンダの帰りはそれに組み込まれたバネ96によってもたらされる。
【0064】
レバーの位置Nにおいて、カム92はレバー72と半径方向接触をしている。シリンダ90から位置伸長が要求されるとき、このシリンダの適切なチャンバにおける圧力が、ピストン94の伸長の並進運動を生じさせる。この並進運動の結果として、この位置が伸長するにつれて、ピストン94に固定されたカムによってレバー72の回転がもたらされる。
【0065】
位置Nにおいてレバー72と接触するときのカム92の外形形状の直径と、位置94が完全に伸長したときの直径との間の違いは、装置10によるサンプリングを引き起こさないストローク(c)によるレバーの回転をもたらすことができる。
【0066】
位置伸長命令が停止されると、ピストンはバネ96の作用下で初期位置に戻る。
【0067】
サンプリング装置は、いつでも、シリンダ90のどの動作段階でも主導で動作させることができることを留意することができる。
【0068】
サンプリング装置を形成するために、カップ30はハウジング22内に収容される。そして、底26は、底部において穴38と貫通部42とを合わせることによる部分組み立て体に加えられる。そして、隠し穴36に一致させるピンとともにカバーは加えられる。
【0069】
図2によく示されているように、カバー24の穴部28と底26の穴部28’は、互いに関してオフセット(offset)であり、ここでは正反対のオフセットであり、したがって、カップ30に設けられた空洞32と通ってつながることはない。
【0070】
もちろん、カバーと底は、ねじ止めや溶接などの公知手段によってハウジング22に固定されている。
【0071】
この部分組み立て体が形成されると、それは管状延長部44の上端に取付けられ、固定される。
【0072】
そして、ロッド70、止め部78、80を有するプレート、トーションバネ86及びロッドを通じてカップを制御するレバー72で構成される組み立て体は、下部管状延長部46内に設けられている。
【0073】
この導入中、ロッド70の端部は、カップに固定されるが、回転においてカップ30の穴38と協働するように導かれる。これが完了すると、渦巻きバネの端部をピン88にもたれさせることで渦巻きバネを引っ張る一方、プレート74は上述したように偏向部材50に固定される。
【0074】
バネの効果の下、作動レバー72は引っ込み可能な止め部80に支えられ、カップの空洞32は、ニュートラルと呼ばれる位置N(図2図4参照)、すなわち穴部28、28’の間の連通がなく、上部平面でシール穴部28による位置にある。
【0075】
この組み立て体が形成されると、サンプリングヘッド16を支持する胴体18が貫通孔68を通って容器12に設けられ、ねじ−ボルト結合のような公知の手段によってソール66上に固定される。そして、エアロック54が加えられ、胴体の環状パイプ52に固定される。
【0076】
図2によく示されているように、カップの空洞32は、上述のニュートラル位置に加えていくつかの他の位置を有することができる。
【0077】
より正確には、空洞32は、穴部28と一致する収集位置(位置P1)を有することができる。この位置は、カップ内の空洞化した内部体積と同量の固体サンプルが、容器からカップの空洞32へ重力によって移動させられ、そして、空洞の下部において底26の平面によってシールされる。
【0078】
ここでは収集位置とは正反対である排出位置(位置P2)は、底26の穴部28’と一致し、重力による穴部からサンプリング装置の胴体へ固体サンプルが移動する位置に相当し、穴部28は、カップの上部平面によってシールさえる。
【0079】
最後に、休止位置(位置P3)は、作動レバー72が固定された止め部78に支えられ、穴部28と28’とが連通することができない、カップの空洞32の位置である。
【0080】
したがって、レバーの回転、したがってレバーの回転時に、位置Nと位置P3との間に、無荷重変位と呼ばれ、固体サンプリングが行われない角度範囲(c)がある。
【0081】
位置Nからのレバーの動作中、オペレータは、レバーが停止する移動可能な止め部80を操作し、このレバーの角度変位を妨げないようにするため、それをプレート内に引っ込める。オペレータは、レバー、したがってカップを、位置Nと位置P1との間の角度変位(d)の分反時計回りに作動させる。この位置に到達すると、空洞はカバーの穴部28に対向し、容器内にある固体サンプルはこの空洞内に集められる。
【0082】
穴部が十分な量の固体を含むとすぐに、休止位置に止め部が維持される一方、空洞32が底の穴部28’に一致する位置P2に到達するために、オペレータはレバー(及びカップ)を180°の角度クリアランス分、時計回りに移動させる。そして、空洞内に集められた固体は、この穴部を通って排出され、胴体18に、そして管状パイプ52を通ってエアロック54の入口に運ばれる。バルブV1、V3は閉位置にある。
【0083】
有利なことに、移動可能な止め部は、カップが収集位置P1に戻ることを妨げるため、初期位置に戻される。
【0084】
そして、バルブV1は、開位置に位置され、固体サンプルはバルブV3の上流の管状部分55を通って流れる。サンプルを含む管状部分は空にされ、バルブV2を開閉することでベントされる。最後に、容器の外で適した容器にサンプルを回収するために、バルブV3は開けられる。
【0085】
もちろん、本発明の要旨から外れない限り、止め部78を、止め部80に似た移動可能な止め部とすることもできる。
【0086】
したがって、オペレータは、止め部78がプレートに引っ込むように制御し、レバーが空洞32と穴部28’とが一致する位置P2に到達するように、レバーを位置P1から反時計回りに180°の角度クリアランス分移動させる。
【0087】
1つのあるいは一連のサンプリングの後、カップ30は、サンプルを取ることなく、トッド70とレバー72の働きを通じて、無荷重条件下で駆動される。これは、位置Nと位置P3との間に制御されるレバーとカップの一方向(時計回りあるいは反時計回り)または両方向(時計回りと反時計回り)への変位によって起こる。
【0088】
図2によく示されているように、この無荷重移動の間、カップの空洞32は底26の穴部28’と完全にまたは部分的に接続することができる。それに対し、空洞32は、カバーの穴部と部分的にでさえ決して一致しない。したがって、この角度範囲(c)において、サンプルはこの範囲で採取されないので、所望の頻度でカップを作動させることができる。
【0089】
したがって、粉の堆積と、化学組成の性質と圧力及び温度条件と容器内での露出時間とによる生成物の塊との結果として長い不動化期間の後に現れる、カップのような可動部の詰まりをこの無荷重変位は妨げることができる。
【0090】
したがって、例えば、サンプリング装置が、触媒再生が連続的でない改質ユニット内の触媒のサンプルを採取するために使用されるとき、触媒のサンプリングは約6ヶ月ごとに行われ、毎週少なくとも1回の無荷重変位を行うことが推奨される。
【0091】
もちろん、本発明の要旨から外れない限り、サンプリング装置は、オイル精製ユニットにおける触媒サンプルの採取のために適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6