特開2015-153006(P2015-153006A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-153006(P2015-153006A)
(43)【公開日】2015年8月24日
(54)【発明の名称】発熱機器用ラックの空調機構
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20150728BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20150728BHJP
【FI】
   G06F1/00 360C
   G06F1/00 360B
   H05K7/20 U
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-24255(P2014-24255)
(22)【出願日】2014年2月12日
(11)【特許番号】特許第5657153号(P5657153)
(45)【特許公報発行日】2015年1月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成25年12月16日 http://www.niccabi.co.jp/products/otheroption/wit/airveil/index.html
(71)【出願人】
【識別番号】597028829
【氏名又は名称】ニッキャビ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071102
【弁理士】
【氏名又は名称】三觜 晃司
(72)【発明者】
【氏名】寺林 英明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭一
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322BA03
5E322BA04
5E322BB08
5E322EA05
(57)【要約】
【課題】従来のラックの空調機構では、コールドアイル空間を密閉又は準密閉に構成しているので、防災設備上のコストや地震等の耐性等に課題があった。
【解決手段】本発明では、発熱機器を収容する複数のラックを結合して構成されるラック列の複数を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、対向する一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成とし、前記夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に板体を突設すると共に、夫々のラック列から突設した板体の端縁間には間隔を設けて、天井側に隙間を有するコールドアイル空間を構成し、前記隙間は、上記床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が、天井側外側空間との間に圧力差を生じない間隔に設定されている発熱機器用ラックの空調機構により、上述した課題を解決した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱機器を収容する複数のラックを結合して構成されるラック列の複数を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、対向する一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成とし、前記夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に板体を突設すると共に、夫々のラック列から突設した板体の端縁間には間隔を設けて、天井側に隙間を有するコールドアイル空間を構成し、前記隙間は、上記床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が、天井側外側空間との間に圧力差を生じない間隔に設定されていることを特徴とする発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項2】
コールドアイル空間の奥行方向の端部に対応する一対のラックの庇状の板体の外側に支持フレームを支持して隙間を介して対向させ、これらの支持フレームにより、コールドアイル空間の奥行方向の端部に間仕切り扉部材を支持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項3】
間仕切り扉部材は板体により構成されることを特徴とする請求項2に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項4】
間仕切り扉部材は可撓シート体により構成されることを特徴とする請求項2に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項5】
庇状の板体は、矩形枠状のフレームによりラック毎に支持する構成とし、隣接したラックのフレームを結合して一体化する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項6】
フレームは、外周に軸方向のナット装着溝が形成されたアルミ構造材により形成され、このナット装着溝に装着したナットにより結合する構成とした請求項5に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサーバルームやデータセンタ等に設置して、ラックマウント型サーバや通信機器等の各種発熱機器を設置するラックの空調機構に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバルームや、データセンタ等においてサーバ等の発熱機器を設置するラックは、一般に、規模に応じて複数台が列設されて配置され、これらのラックに設置されたサーバ等の発熱機器が効率的に確実に冷却されることが必要である。
【0003】
このため従来では、必要数のラックを列設したラック列を二重床上に設置し、空調機からの冷気を床面から上方に供給してラックに流すようにした方式が多く行われ、この際、隣接のラック列間には、ラックへの空気吸込側のコールドアイル空間と、ラックからの空気排出側のホットアイル空間と称される各空間が構成される配置とすることにより、空調効率を高める工夫がなされている。
【0004】
そして、このような配置による冷却効果をより確実なものとするために、コールドアイル空間に供給され、ラックを通過して暖められた暖気がホットアイル空間側に排出された後に、暖気としてコールドアイル空間側に回り込むことを防止するための各種の対策がなされている。
【0005】
例えば特許文献1では、発熱機器を収容する複数のラックを列設した一対のラック列を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、前記一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成において、この一対のラック列間の空間、即ち、コールドアイル空間の天井側を、ラック列の上面間に掛け渡した遮蔽体によって遮蔽する構成としている。
【0006】
一方、特許文献2では、特許文献1と同様に、コールドアイル空間の天井側を、ラック列の上面間に掛け渡した遮蔽体によって遮蔽する構成としているが、この遮蔽体には、ラックの排気ファンに係る風圧を一定に保つために、フラップやスリット等による風圧調整部を設けている。
【0007】
このようにコールドアイル空間を密閉又は準密閉に維持することにより、冷気と暖気との混合を効果的に防止して、冷却効率を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3835615号公報
【特許文献2】特許第4873997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献に記載された発明のように、遮蔽体によりコールドアイル空間を密閉又は準密閉に維持する構成では、冷気と暖気との混合が効果的に防止されて、高い冷却効率を得ることができるのであるが、一般に、建物内に壁等により囲まれた空間が新たに構成される場合には、密閉の程度に応じて、法規上必要な防災設備の増設が必要となる場合があり、コスト増になる可能性がある。
【0010】
また、上述した特許文献に記載された発明では、対向して配置された一対のラック列が遮蔽体により一体に結合されるため、地震動による各ラック列の揺れが他方に伝わって、一体的に運動するため、地震動のパターンによっては破損の危険性が高くなる。
【0011】
本発明では、このような課題を解決したラックの空調機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、発熱機器を収容する複数のラックを結合して構成されるラック列の複数を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、対向する一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成とし、前記夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に板体を突設すると共に、夫々のラック列から突設した板体の端縁間には間隔を設けて、天井側に隙間を有するコールドアイル空間を構成し、前記隙間は、上記床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が、天井側外側空間との間に圧力差を生じない間隔に設定されている発熱機器用ラックの空調機構を提案する。
【0013】
また本発明では、前記構成において、コールドアイル空間の奥行方向の端部に対応する一対のラックの庇状の板体の外側に支持フレームを支持して隙間を介して対向させ、これらの支持フレームにより、コールドアイル空間の奥行方向の端部に間仕切り扉部材を支持する構成とした発熱機器用ラックの空調機構を提案する。この場合、間仕切り扉部材は板体や可撓シート体により構成することができる。
【0014】
また本発明では、前記構成において、庇状の板体は、矩形枠状のフレームによりラック毎に支持する構成とし、隣接したラックのフレームを結合して一体化する構成とした発熱機器用ラックの空調機構を提案する。この場合、フレームは、外周に軸方向のナット装着溝が形成されたアルミ構造材により形成され、このナット装着溝に装着したナットにより結合する構成とすることを提案する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれぱ、夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に突設した板体の端縁間には間隔を設けて、コールドアイル空間は、天井側に隙間を有する構成としている。この隙間は、床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が天井側外側空間との間に圧力差を生じない比較的広い間隔に設定されているため、コールドアイル空間は密閉性を全く有しない。
【0016】
従って、建物内に設けられた密閉又は準密閉空間に対しては法規上必要となる防災設備の増設が、本発明に係るコールドアイル空間では不要となる可能性がある。
【0017】
また床面からの冷気の供給状況に変動があった場合にも、コールドアイル空間内の圧力変動を緩和し、ラックに設置した発熱機器用のファンの動作に影響を与えにくい。
【0018】
また本発明に係るコールドアイル空間では、比較的広い間隔の隙間はあるものの、冷気の供給と、発熱機器を通しての排出のバランスが取れている状態では、冷気の下降性と暖気の上昇性により、実質的に暖気が、隙間を通して内部に流入することはない。
【0019】
更に本発明では、対向する一対のラック列が一体化されていないため、地震時における各ラック列の同相でない振動に起因する破損を防止することができる。
【0020】
更に本発明では、隙間を介してコールドアイル空間の内外側にケーブルや配管等を配置することができる。
【0021】
本発明では、コールドアイル空間の奥行方向の端部に間仕切り扉部材を支持することにより、奥行方向の端部を経ての暖気の流入を阻止して冷却効率の向上に寄与することができる。
【0022】
この間仕切り扉部材及びそれを支持する支持フレームも、対向する一対のラックの一体化に寄与しない構成とすることにより、一体化に起因する地震時の破損を防止することができる。
【0023】
更に本発明において、庇状の板体は、矩形枠状のフレームによりラック毎に支持し、隣接したラックのフレームを結合して一体化する構成とすることにより、ラックの結合数に応じて適切に庇状の板体を構成することができる。
【0024】
矩形枠状のフレームを構成するフレーム材は、外周に軸方向のナット装着溝が形成されたアルミ構造材とすることにより、このナット装着溝に装着したナットにより容易に結合することができると共に、カメラやモニタ、各種センサ類や、カーテン等の可撓シート体、壁やドアとして利用する板体等を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構の第1の実施の形態を示す斜視図である。
図2図2図1の模式的断面図である。
図3図3は本発明に係る発熱機器用ラックのラック単体の実施の形態を示す斜視図である。
図4図4は本発明に係る発熱機器用ラックのラック単体を結合して所望のラック列を構成する過程を示す斜視図である。
図5図5は本発明に係る発熱機器用ラックのラック単体を結合して所望のラック列を構成する過程の他の局面を示す斜視図である。
図6図6は本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構の第2の実施の形態を示す斜視図である。
図7図7は本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構の第3の実施の形態を示す斜視図である。
図8図8の(a)、(b)、(c)及び(d)は、ラックのフレームに設置することができる部材の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
まず図1図5を参照して本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構を説明すると、以下のとおりである。
【0027】
符号1は、例えばサーバールームやデータセンタ等の室内に設置した発熱機器用ラックの空調機構を概して示すものである。符号2は、ラックマウント型サーバや通信機器等の各種発熱機器3を収容するラックを示すもので、このラック2を複数結合させてラック列4を構成している。この実施の形態では、4つのラック2を結合して1つのラック列4を構成している。ラック列4は、複数列を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて室内の床面5上に配置している。実施の形態を示す図においては、ラック列4は2列を一対として、一対のみを示しているが、必要に応じて、複数対のラック列4を配置できることは勿論である。
【0028】
上述したように室内に配置したラック列4において、対向する一対のラック列4a,4b間に対応する床面5cには、空調機(図示省略)からの冷気供給部6を構成しており、こうして対向する一対のラック列4a,4b間に対応する床面5cから上方に冷気を供給する構成としている。また、夫々のラック列4a,4bに対して、床面5cとは反対側の床面5hには冷気供給部6は構成していない。
【0029】
以上の構成において、本発明では、前記夫々のラック列4a,4bの上端側から、対向する他方のラック列4b,4aの上端方向に、庇状に板体7a,7bを突設しており、夫々のラック列4a,4bから突設した板体7a,7bの端縁間には間隔Lを設けている。これにより、本発明では、一対のラック列4a,4b間の床面5cの上方に、天井側に隙間8を有するコールドアイル空間Scを構成している。一方、夫々のラック列4a,4bに対して、床面5cとは反対側の床面5hの上方は、ホットアイル空間Shとして構成され、このホットアイル空間Sh内の暖気が前記空調機に還流されて、空調機構が構成されている。
【0030】
コールドアイル空間Scの隙間8は、上記床面5cから供給される冷気によってコールドアイル空間Scが、天井側外側空間Soとの間に圧力差を生じない間隔Lに設定されている。ここで、床面5cから供給される冷気によってコールドアイル空間Scが、天井側外側空間Soとの間に圧力差を生じないとは、供給される冷気の量が変動して、例えば多くなった場合には、コールドアイル空間Sc内の冷気が、小さい流通抵抗で隙間8を経て排出されることにより、コールドアイル空間Sc内の実質的圧力上昇が起こらず、逆に少なくなった場合には、天井側外側空間Soの空気が、小さい流通抵抗で隙間8を経て流入されることにより、コールドアイル空間Sc内の実質的圧力降下が起こらないということである。
【0031】
以上の構成において、図2に示すように、空調機からの冷気は、床下空間Suを経て冷気供給部6により、床面5cから上方に吹き出してコールドアイル空間Sc内に供給された後、各発熱機器3に設けられているファン9により、コールドアイル空間Sc側の面からラック2内に流入し、ラック2内に収容されている発熱機器3を通って冷却に供され、自体は暖められて暖気となって他方側の面からラック2外のホットアイル空間Shに流出する。このようにホットアイル空間Sh内に流出した暖気は、上述したように前記空調機に還流され、再び冷気となって冷却に供される。
【0032】
以上の動作において、本発明に係るコールドアイル空間Scには、天井側に比較的広い間隔Lの隙間8はあるが、床面5cからの冷気の供給と、発熱機器3を通過して暖まった暖気の排出のバランスが取れている状態では、冷気の下降性と暖気の上昇性により、実質的に暖気が、隙間8を通してコールドアイル空間Scの内部に流入することはない。尚、図2において符号17は天井である。
【0033】
尚、以上の説明では、図2にしめすように、発熱機器3を通過する冷気の流れは、発熱機器3自体に設置したファン9によって形成しているが、このファン9に代えて、又はこのファン9に加えて、ラック2自体にファンを設置するようにすることもできる。
【0034】
本発明では上述した通り、コールドアイル空間Scは、天井側に比較的広い間隔Lに設定さ隙間8を有する構成としているので、コールドアイル空間Scは密閉性を全く有しない。
【0035】
従って、建物内に設けられた密閉又は準密閉空間に対しては法規上必要となる防災設備の増設が、本発明に係る空調機構のコールドアイル空間Scでは不要となる可能性がある。
【0036】
そして隙間8の間隔Lは上述したように設定されているため、床面5cからの冷気の供給状況に変動があった場合にも、コールドアイル空間Sc内の圧力変動を緩和し、ラックに設置した発熱機器用のファン9の動作に影響を与えにくい。
【0037】
そして、本発明では、対向する一対のラック列4a,4bが一体化されていないため、地震時における各ラック列4a,4bの同相でない振動では、夫々独立的に振動するため、一体化に起因する破損を防止することができる。
【0038】
上述した通り、本発明では、ラック2を複数結合させてラック列4を構成するのであるが、ラック2のみを結合するのではなく、図3図5に示すように、庇状の板体7を、矩形枠状のフレーム10によりラック2毎に支持し、隣接したラック2のフレーム10を結合して一体化する構成とすることができる。
【0039】
このような構成の場合には、ラック列4におけるラック2の結合数に応じて適切に庇状の板体7を構成することができる。
【0040】
この際、矩形枠状のフレーム10を構成するフレーム材は、外周に軸方向のナット装着溝が形成されたアルミ構造材とすることにより、このナット装着溝に装着したナットにより容易に結合することができる。また図8に例示するように、(a)に示すようなカメラやモニタ、各種センサ類18等の他、(b)に示すようなカーテン等として利用する可撓シート体19、(c)に示すような引き戸、開き戸等として利用する板体20、(d)に示すように壁として利用する板体21等を容易に設置することができる。尚、アルミ構造材の構成や部品の取付方法自体は周知であるので図示は省略する。
【0041】
次に図6は本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構の第2の実施の形態を示す斜視図である。
この実施の形態は、コールドアイル空間Scの奥行方向の端部に間仕切り扉部材11を支持することにより、奥行方向の端部を経ての暖気の流入を阻止する構成で、このような構成により冷却効率の向上を図るものである。
この他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同一構成要素に同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0042】
この第2の実施の形態では、コールドアイル空間Scの奥行方向の端部に対応する一対のラック2(2e)の庇状の板体7の外側に支持フレーム12を支持して間隔13を置いて対向させ、これらの支持フレーム12により、コールドアイル空間Scの奥行方向の端部にビニールカーテン等の可撓シート体14で間仕切り扉部材11を支持する構成としたものである。
【0043】
このように対向するラック2e,2eに対応する一対の支持フレーム12は、一体でなく、間隔を置いて対向させているため、やはり、地震動における同相以外の振動に対しての損傷防止効果を有する。
【0044】
次に図7は本発明に係る発熱機器用ラックの空調機構の第3の実施の形態を示す斜視図である。
この実施の形態は、第2の実施の形態と同様に、コールドアイル空間Scの奥行方向の端部に間仕切り扉部材11を支持することにより、奥行方向の端部を経ての暖気の流入を阻止する構成で、このような構成により冷却効率の向上を図るものである。
またこの実施の形態では、コールドアイル空間Scの内外側にケーブルや配管等16を配置したものである。
この他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同一構成要素に同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0045】
この第2の実施の形態では、第2の実施の形態のビニールカーテン等の可撓シート体14に代えて、支持フレーム12により、板体15を引き戸状に支持して、間仕切り扉部材11を構成したものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は以上のとおりであり、コールドアイル空間を従来のように、密閉空間又は準密閉空間として構成しないことにより、防災設備上のコスト低減や地震に対しての耐性を向上することのできる発熱機器用ラックの空調機構を提供することができるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 空調機構
2 ラック
3 発熱機器
4(4a,4b) ラック列
5(5c,5h) 床面
6 冷気供給部
7(7a,7b) 板体(庇状)
8 隙間
9 ファン
10 フレーム
11 間仕切り扉部材
12 支持フレーム
13 間隔
14 可撓シート体
15 板体
16 ケーブルや配管等
17 天井
18 カメラやモニタ、各種センサ類
19 可撓シート体
20、21 板体
L 間隔
Sc コールドアイル空間
Sh ホットアイル空間
So 天井側外側空間
Su 床下空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2014年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱機器を収容する複数のラックを結合して構成されるラック列の複数を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、対向する一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成とし、前記夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に板体を突設すると共に、夫々のラック列から突設した板体の端縁間には間隔を設けて、天井側に隙間を有するコールドアイル空間を構成し、前記隙間は、上記床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が、天井側外側空間との間に圧力差を生じない間隔に設定されていると共に、コールドアイル空間の奥行方向の端部に対応する一対のラックの庇状の板体の外側に支持フレームを支持して隙間を介して対向させ、これらの支持フレームにより、コールドアイル空間の奥行方向の端部に間仕切り扉部材を支持する構成とし、この間仕切り扉部材は、前記コールドアイル空間を隙間なく仕切る構成としたことを特徴とする発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項2】
間仕切り扉部材は板体により構成されることを特徴とする請求項1に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項3】
間仕切り扉部材は可撓シート体により構成されることを特徴とする請求項1に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項4】
庇状の板体は、矩形枠状のフレームによりラック毎に支持する構成とし、隣接したラックのフレームを結合して一体化する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【請求項5】
フレームは、外周に軸方向のナット装着溝が形成されたアルミ構造材により形成され、このナット装着溝に装着したナットにより結合する構成とした請求項4に記載の発熱機器用ラックの空調機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明では、発熱機器を収容する複数のラックを結合して構成されるラック列の複数を、それらの長手方向を対向させて間隔を置いて配置すると共に、対向する一対のラック列間の床面から上方に空調機からの冷気を供給する構成とし、前記夫々のラック列の上端側から、対向する他方のラック列の上端方向に庇状に板体を突設すると共に、夫々のラック列から突設した板体の端縁間には間隔を設けて、天井側に隙間を有するコールドアイル空間を構成し、前記隙間は、上記床面から供給される冷気によってコールドアイル空間が、天井側外側空間との間に圧力差を生じない間隔に設定されていると共に、コールドアイル空間の奥行方向の端部に対応する一対のラックの庇状の板体の外側に支持フレームを支持して隙間を介して対向させ、これらの支持フレームにより、コールドアイル空間の奥行方向の端部に間仕切り扉部材を支持する構成とし、この間仕切り扉部材は、前記コールドアイル空間を隙間なく仕切る構成とした発熱機器用ラックの空調機構を提案する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】