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特開2015-153419音響信号入力を用いたページ遷移動作の処理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-153419(P2015-153419A)
(43)【公開日】2015年8月24日
(54)【発明の名称】音響信号入力を用いたページ遷移動作の処理
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20150728BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20150728BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20150728BHJP
【FI】
   G06F3/16 320Z
   G06F3/048 656A
   G06F17/30 310Z
   G06F17/30 380A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-158584(P2014-158584)
(22)【出願日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】14/179,106
(32)【優先日】2014年2月12日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】林 靖之
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス ウー
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC08
5E555CA47
5E555CB64
5E555CC01
5E555DC06
5E555EA23
5E555FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】触覚インターフェースとの間の指スワイプ又は接触により、ページめくりを行う。
【解決手段】コンピューティング装置が、ハウジング118と、画面を有するディスプレイアセンブリ116と、ページ付けされたコンテンツアイテムに関する初期ページ状態の少なくとも一部を表示するプロセッサとを含む。触覚インターフェース132がハウジングの表面上に設けられ、ユーザ操作に基づいて複数の音響信号が生成される。プロセッサは、触覚インターフェースによって生成された複数の音響信号を複数のユーザ入力としてそれぞれ解釈され、第1のタイプの1つ又は複数の音響信号がページめくり命令に対応する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する表面及び裏面と、該表面及び裏面の間に設けられた側面とを有する略直方体形状の端末装置であって、
前記表面に構成されたディスプレイと、
前記裏面及び前記側面の少なくとも一部を構成すると共に、所定方向に交互に配列された複数の凸部及び凹部からなる凹凸部を少なくとも一部に有するハウジングと、
ユーザによる前記凹凸部を擦る操作により発生する音響信号を検出するマイクロフォンと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記マイクロフォンにより検出された音響信号に基づいて操作内容を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された操作内容に応じて、前記ディスプレイに表示されたコンテンツに関する処理を制御する制御手段と、を含む、
端末装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記裏面の一部に前記凹凸部を有する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記裏面における長手方向中央部より上方に前記凹凸部を有する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記凹凸部は、前記ハウジングの裏面における短手方向の中心位置からいずれかの方向にオフセットされた位置に設けられ、
前記凹凸部の凹部及び凸部は、前記裏面における下方向に向かうに従って前記中心位置に近付く方向に沿って配列される、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記側面の一部に前記凹凸部を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記側面における上下方向中央部より上方に前記凹凸部を有する、
請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ディスプレイに表示されたコンテンツのページ遷移を制御する、 請求項1〜6のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記凹凸部における凹部及び凸部の間隔及び/又は配列の方向に直行する方向の幅は、前記配列の一方側から他方側に進むに従い漸次変化し、
ユーザによる、前記凹凸部を凹部及び凸部の配列方向に沿う第1の方向に擦る操作により発生する第1の音響信号は、前記第1の方向の反対の方向である第2の方向に擦る操作により発生する第2の音響信号と異なり、
前記特定手段は、前記第1及び第2の音響信号のそれぞれを、異なる操作内容として特定する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
端末装置に着脱可能なケースであって、
前記端末装置は、
ディスプレイと、
音響信号を検出するマイクロフォンと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記マイクロフォンにより検出された音響信号に基づいて操作内容を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された操作内容に応じて、前記ディスプレイに表示されたコンテンツに関する処理を制御する制御手段と、を含み、
前記ケースは、所定方向に交互に配列された複数の凸部及び凹部からなる凹凸部を少なくとも一部に有し、
前記マイクロフォンは、ユーザによる前記凹凸部を擦る操作により発生する音響信号を検出可能である、
ケース。
【請求項10】
互いに対向する表面及び裏面と、該表面及び裏面の間に設けられた側面とを有する略直方体形状を有し、
前記表面に構成されたディスプレイと、
前記裏面及び前記側面の少なくとも一部を構成すると共に、所定方向に交互に配列された複数の凸部及び凹部からなる凹凸部を少なくとも一部に有するハウジングと、
ユーザによる前記凹凸部を擦る操作により発生する音響信号を検出するマイクロフォンと、
プロセッサと、を備える端末装置における方法であって、
前記マイクロフォンにより検出された音響信号に基づいて操作内容を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定された操作内容に応じて、前記ディスプレイに表示されたコンテンツに関する処理を制御する制御ステップと、を有する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施例は、音響信号入力を使用してページ遷移動作を処理することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電子パーソナルディスプレイは、ユーザに情報を表示するモバイル電子装置である。電子パーソナルディスプレイは一般に、パーソナルコンピュータの機能の多くが可能であるが、ユーザ通常、電子パーソナルディスプレイ自体とは分離され、又は電子パーソナルディスプレイ自体に結合されるが電子パーソナルディスプレイ自体とは別個のものであるキーボードの使用なしに、電子パーソナルディスプレイと直接対話することができる。電子パーソナルディスプレイのいくつかの例には、モバイルデジタル装置/タブレットコンピュータ((例えば、Apple iPad(登録商標)、Microsoft(登録商標) Surface(登録商標)、Samsung Galaxy Tab(登録商標)など)、ハンドヘルドマルチメディアスマートフォン(例えば、Apple iPhone(登録商標)、Samsung Galaxy S(登録商標)など)、及びハンドヘルド電子リーダ(例えば、Amazon Kindle(登録商標)、Barnes and Noble Nook(登録商標)、Kobo Aura HDなど)が含まれる。
【0003】
[0003]eリーダ装置とも呼ばれる電子リーダは、電子書籍(eBook)、電子雑誌、及び他のデジタルコンテンツを読むために使用される電子パーソナルディスプレイである。例えば、ユーザが紙ベースの書籍中の印刷されたページのアナログコンテンツを読むのとほぼ同様にデジタルコンテンツを読むことができるように、eブックのデジタルコンテンツが、eリーダのディスプレイ上に英数字文字及び/又はグラフィックイメージとして表示される。eリーダ装置は、普通なら従来の紙フォーマットでは大量の空間を潜在的に占有するはずのデジタルコンテンツの大量のコレクションを格納、位相、及び閲覧するのに好都合なフォーマットを提供する。
【0004】
[0004]いくつかの場合には、eリーダ装置は、可読コンテンツを表示するのに特に良好に動作するように設計された特定用途向け装置である。例えば、特定用途向けeリーダ装置は、グレアを低減し、高照明条件で良好に動作し、及び/又は実際の紙上のテキストの外観を模倣するディスプレイを含む。そのような特定用途向けeリーダ装置は、ユーザが読むためのコンテンツを表示するのに秀でているが、とりわけ、イメージを表示すること、オーディオを発すること、オーディオを記録すること、ウェブサーフィンなどの他の機能も実施することができる。
【0005】
[0005]ネットワークサービスからサービス及びリソースを受け取ることのできる多数の種類の家庭用装置も存在する。そのような装置は、アプリケーションを操作することができ、又は特定のサービスの特定のアカウントに装置をリンクする他の機能を提供することができる。例えば、eリーダ装置は通常、オンライン書店にリンクし、メディア再生装置はしばしば、ユーザがオンラインメディアライブラリにアクセスすることを可能にするアプリケーションを含む。この状況では、ユーザアカウントにより、ユーザが装置の最大限の利点及び機能を受けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態による、音響入力機能を備えるコンピューティング装置上でeブックサービスを提供するシステムを示す図である。
図2】本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態と共に使用されるeリーダ装置又は他の電子パーソナルディスプレイ装置の一例を示す図である。
図3A】いくつかの実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置の正面図である。
図3B】他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置の背面図である。
図3C】他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置の正面図である。
図3D】他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置の背面図である。
図4】1つ又は複数の実施形態による、音響信号を検出及び処理する音響インターフェースを示す図である。
図5】1つ又は複数の実施形態による、ページ付けされたコンテンツを表示するeリーダシステムを示す図である。
図6】1つ又は複数の実施形態による、ページ付けされたコンテンツを表示する方法を示す図である。
図7】ハウジングの裏面に設けられる凹凸部の他の例を示す図である。
図8A】端末装置に着脱可能なハウジングを示す図である。
図8B】端末装置に着脱可能なハウジングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0015]本明細書に記載の実施形態は、音響信号を入力として解釈するコンピューティング装置を提供する。いくつかの実施形態は、eブックなどのページ付けされたコンテンツを表示する状況などで、そのような音響信号を受信し、ページめくり動作として解釈することを可能にする。音響信号は、例えば、コンピューティング装置のハウジングインターフェースを通じて作成されたユーザ発生音に対応することができる。いくつかの実施形態では、触覚インターフェースとの間の指スワイプ又は接触に対応するコンピューティング装置のユーザ操作が、ページめくり命令として解釈される音響信号を生成する。
【0008】
[0016]本明細書では、「ページ遷移」という用語は、コンテンツのレンダリング済みページが別のそのようなページに遷移する動作を意味するものとする。所与のページをカード、パネル、又はウィンドウの形態でレンダリングすることができる。eリーディング活動の状況では、ページ遷移は、eブックのページが別のページに遷移するイベントに対応することができる。例として、eリーディング活動の状況でのページ遷移は、単一のページ、章、又はクラスタごとのページを遷移することを指すことができる。
【0009】
[0017]さらに、いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、ハウジングと、画面を有するディスプレイアセンブリと、ページ付けされたコンテンツアイテムに関する初期ページ状態の少なくとも一部を表示するプロセッサとを含む。触覚インターフェースがハウジングの表面上に設けられ、ユーザ操作に基づいて複数の音響信号が生成される。オーディオ入力装置が、触覚インターフェースによって生成された音響信号を検出するためにハウジングの一部と共に設けられる。プロセッサは、触覚インターフェースによって生成された複数の音響信号を複数のユーザ入力としてそれぞれ解釈すべきであり、第1のタイプの1つ又は複数の音響信号がページ遷移命令に対応する。プロセッサは、少なくとも初期ページ状態を表示することから、ページめくりの値又はタイプによって決定される別のページ状態を表示することに遷移することにより、第1のタイプの音響信号にさらに応答する。
【0010】
[0018]触覚インターフェースは、ユーザ操作に応答して複数の音響信号を生成するために複数のピーク及びバレーを備えることができる。いくつかの実施形態では、複数のピーク及びバレーが、異なるユーザ操作に応答して触覚インターフェースが異なる音響信号を生成することを可能にする格子型に構成される。そのようなユーザ操作の例は、1つ又は複数の方向の指スワイプを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のピーク及びバレーは、変動する程度又はサイズであり、それによって、スワイプされたとき、触覚インターフェースは、スワイプの方向性を示す音響信号を生成する。
【0011】
[0019]プロセッサは、第1の方向の指スワイプによって生成された音響信号を順方向ページ遷移命令として解釈し、初期ページ状態を表示することから、後続のページ状態を表示することに遷移することによって順方向ページ遷移命令に応答することができる。さらに、プロセッサは、第2の方向の指スワイプによって生成された音響信号を逆方向ページ遷移命令として解釈し、初期ページ状態を表示することから、前のページ状態を表示することに遷移することによって逆方向ページ遷移命令に応答することができる。例えば、第2の方向は第1の方向と反対でよい。
【0012】
[0020]いくつかの実施形態では、ハウジングの裏面に触覚インターフェースを設けることができる。代替又は追加として、ハウジングの側面に触覚インターフェースを設けることができる。例えば、触覚インターフェースをハウジングの表面に重ねることができる。或いは、触覚インターフェースをハウジングの表面と一体的に形成することができる。
【0013】
[0021]利点の中でもとりわけ、本明細書に記載の実施例は、eリーダ装置などのパーソナルディスプレイ装置が、ユーザがどのようにペーパーバックのページをめくるかを模倣する方式で、ユーザがeブックのページの中を遷移することを可能にするセンサを備えることを可能にする。
【0014】
[0022]本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態は、コンピューティング装置によって実施される方法、技法、及び動作がプログラム的に、又はコンピュータ実装方法として実施されることを実現する。プログラム的にとは、コード、又はコンピュータ実行可能命令の使用によることを意味する。プログラム的に実施されるステップは、自動であることがあり、又は自動ではないことがある。
【0015】
[0023]本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態は、プログラマティックモジュール又は構成要素を使用して実装することができる。プログラマティックモジュール又は構成要素は、プログラム、サブルーチン、プログラムの一部、或いは1つ又は複数の提示されたタスク又は機能を実施することのできるソフトウェア又はハードウェア構成要素を含むことができる。本明細書では、モジュール又は構成要素は、他のモジュール又は構成要素とは独立にハードウェア構成要素上に存在することができる。或いは、モジュール又は構成要素は、他のモジュール、プログラム、又はマシンの共有要素又はプロセスでよい。
【0016】
[0024]さらに、1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令により、本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態を実装することができる。これらの命令は、コンピュータ可読媒体上で実施することができる。以下の図と共に示され、又は説明されるマシンは、本発明の実施形態を実装する命令を実施及び/又は実行することのできる処理リソース及びコンピュータ可読媒体の例を与える。特に、本発明の実施形態と共に示される多数のマシンは、プロセッサ(複数可)と、データ及び命令を保持する様々な形態のメモリとを含む。コンピュータ可読媒体の例には、パーソナルコンピュータ又はサーバ上のハードドライブなどの永続メモリ記憶装置が含まれる。コンピュータ記憶媒体の他の例には、CD又はDVDユニット、(多くの携帯電話及び家庭用電子装置に搭載されるような)フラッシュ又は固体メモリ、磁気メモリなどのポータブル記憶ユニットが含まれる。コンピュータ、端末、ネットワーク使用可能装置(例えば、携帯電話などのモバイル装置)はすべて、プロセッサ、メモリ、及びコンピュータ可読媒体に格納された命令を利用するマシン及び装置の例である。さらに、コンピュータプログラム、又はそのようなプログラムを搬送することのできるコンピュータ使用可能搬送媒体の形態で実施形態を実装することができる。
【0017】
[0025]システム説明
[0026]図1に、一実施形態による、音響入力機能を備えるコンピューティング装置上でeブックサービスを提供するシステム100を示す。図1の例では、システム100は、例としてeリーダ装置110として示される電子ディスプレイ装置と、ネットワークサービス120とを含む。ネットワークサービス120は、eリーダ装置110にインストールされる1つ又は複数のアプリケーションと共に様々なサービスを提供する複数のサーバ及び他のコンピューティングリソースを含むことができる。例として、一実装では、ネットワークサービス120は、eリーダ装置110と通信するeブックサービスを提供することができる。ネットワークサービス120を通じて提供されるeブックサービスは、例えば、eブックが販売、共有、ダウンロード、及び/又は格納されるサービスを含むことができる。より一般には、ネットワークサービス120は、コンテンツレンダリングサービス(例えば、ストリーミングメディア)又は他のネットワークアプリケーション環境若しくはサービスを含む様々な他のコンテンツサービスを提供することができる。
【0018】
[0027]eリーダ装置110は、アプリケーション及びアプリケーションリソース(例えば、eブック、メディアファイル、文書)をレンダリング及び消費することができる任意の電子パーソナルディスプレイ装置に対応することができる。例えば、eリーダ装置110は、タブレット又はテレフォニー/メッセージング装置(例えば、スマートフォン)に対応することができる。一実装では、例えば、eリーダ装置110は、ネットワークサービス120に装置をリンクし、サービスを通じて提供されるeブックを閲覧及び消費することを可能にするeリーダアプリケーションを実行することができる。別の実装では、eリーダ装置110は、ネットワークサービス120からファイル又はストリーミングデータを受信するメディア再生又はストリーミングアプリケーションを実行することができる。例として、eリーダ装置110は、電子コンテンツ(例えば、eブック)を読むことなどの一定のアプリケーション活動を最適化するハードウェア及びソフトウェアを備えることができる。例えば、eリーダ装置110は、タブレット状の形状因子を有することができるが、変形が可能である。いくつかのケースでは、eリーダ装置110は、E−inkディスプレイをも有することができる。
【0019】
[0028]さらに詳細には、ネットワークサービス120は、装置インターフェース128、リソースストア122、及びユーザアカウントストア124を含むことができる。ユーザアカウントストア124は、eリーダ装置110をユーザ及びアカウント125に関連付けることができる。アカウント125はまた、1つ又は複数のアプリケーションリソース(例えば、eブック)にも関連付けることができ、アプリケーションリソースはリソースストア122に格納することができる。さらに説明するように、ユーザアカウントストア124は、個々のアカウント125に関するメタデータを保持し、所与のアカウントに関する消費のために購入され、又は利用可能にされたリソースを識別することができる。eリーダ装置110をユーザアカウント125に関連付けることができ、複数の装置を同一のアカウントに関連付けることができる。以下でより詳細に説明するように、eリーダ装置110は、購入され、或いはeリーダ装置110のユーザに対して利用可能にされたリソース(例えば、eブック)を格納することができ、ユーザアカウント125に関して購入されたが、特定のコンピューティング装置に格納されないeブック及び他のデジタルコンテンツアイテムを保存することができる。
【0020】
[0029]図1の例を参照すると、eリーダ装置110は、ディスプレイ画面116及びハウジング118を含むことができる。一実施形態では、ディスプレイ画面116は、ジェスチャ(例えば、スワイプ)を含むタッチ入力を処理するためにタッチ感応性である。代替又は追加として、ハウジング118は、ユーザ操作に応答して音響信号を生成する触覚インターフェース132を含むことができる。音響信号はユーザ操作のタイプを示し、コンピューティング装置110によってユーザ入力として解釈される。図1の例では、触覚インターフェース132が、ハウジング118の側面又は縁部、及び/又はハウジング118の裏面(図示せず)に設けられる。代替実施形態では、触覚インターフェース132は、例えば、eリーダ装置110に関するリモートコントロール型機能を提供するために、メインハウジング118とは別々でよく、又はメインハウジング118から着脱可能でよい。
【0021】
[0030]いくつかの実施形態では、eリーダ装置110は、ページ付けしたコンテンツを表示することに関する改善された機能を提供するための特徴を含む。eリーダ装置は、ページ付けしたコンテンツの中をユーザが遷移することを可能にするページ遷移ロジック115を含むことができる。eリーダ装置は、eブックからのページを表示し、ユーザがあるページ状態から別のページ状態に遷移することを可能にすることができる。特に、eブックは、ページ単位に順次レンダリングされるコンテンツを提供することができ、eブックは、単一のページ、複数のページ、又はその部分の形態のページ状態を表示することができる。したがって、所与のページ状態は、例えば、単一のページ、又は1度に表示される2つ以上のページと一致することができる。ページ遷移ロジック115は、ユーザが所与のページ状態から別のページ状態に遷移することを可能にするように動作することができる。いくつかの実装では、ページ遷移ロジック115は、単一のページ遷移、章遷移、又はクラスタ遷移(1度に複数のページ)を可能にする。
【0022】
[0031]ページ遷移ロジック115は、ページ遷移を可能にするために、様々な種類のインターフェース及び動作に応答することができる。一実装では、ユーザは、例えば、触覚インターフェース132と対話することにより、ページ状態を遷移するためにページ遷移イベントを知らせることができる。例えば、ユーザは、ページ遷移の順次方向を示すために、特定の方向(例えば、上、下、左、又は右)に触覚インターフェース132をスワイプすることができる。より具体的には、スワイプされたとき、触覚インターフェース132は、ページ遷移命令及び/又は方向を表す音響信号(すなわち、音)を生成する。変形形態では、ユーザは、異なる種類の入力を通じて異なる種類のページ遷移入力(例えば、単一のページめくり、複数のページめくり、章めくり)を指定することができる。
【0023】
[0032]いくつかの実施形態では、ユーザのページめくり入力を大きさと共に与えて、ページ状態の遷移の大きさ(例えば、遷移するページ数)を示すことができる。例えば、ユーザは、クラスタ又は章ページ状態遷移を引き起こすために、より高速に触覚インターフェース132をスワイプすることができ、より低速のスワイプが、(例えば、あるページからシーケンス中の次のページへの)単一のページ状態遷移を実施することができる。例として、ユーザは、触覚インターフェース132を通じて第1のタイプの入力(例えば、垂直方向の低速通常スワイプ運動)を与えて、単一のページめくりを示すことができ、第2のタイプの入力(例えば、垂直方向のフェーススワイプ運動)を与えて、複数ページ遷移を示すことができ、及び/又は第3のタイプの入力(例えば、水平方向のスワイプ)を与えて、章遷移を指定することができる。別の例として、ユーザは、(例えば、タップ、ジェスチャ、及び/又は他のタイプ接触を通じて)タッチ感応性ディスプレイ画面116と対話することにより、異なる種類又は大きさのページめくりを指定することができる。
【0024】
[0033]いくつかの実施形態によれば、eリーダ装置110は、触覚インターフェース132との対話を通じて行われるユーザ入力を検出及び解釈するための音響インターフェース134を含む。例として、音響インターフェース134は、触覚インターフェース132(音響インターフェース134に極めて近接するハウジング118の領域に重ねることができ、又はそれと一体的に形成することができる)との間のユーザ操作(例えば、指スワイプ)を通じて行われる音響信号を検出することができる。音響インターフェース134は、オーディオ入力装置(例えば、マイクロフォン)を介して音響信号を受信又は検出することができ、様々な方法で音響入力を解釈することができる。例えば、eブックアプリケーションの状況では、特定のタイプの音響信号は、ページめくり又はページ/章遷移に対応することができる。より一般的な状況では、音響信号を音響インターフェース134によって解釈し、任意の数及び/又は組合せのユーザ入力コマンド(例えば、コンピューティング装置110をオン又はオフにする、eブックを開く、又は閉じるなど)を実施することができる。いくつかの実施形態では、ユーザプリファレンスに基づいて音響信号に応答するように音響インターフェース134を動的及び/又はプログラム的に構成することができる。
【0025】
[0034]ハードウェア説明
[0035]図2に、本明細書に記載の1つ又は複数の実施形態と共に使用されるeリーダ装置200又は他の電子パーソナルディスプレイ装置の一例を示す。図2の例では、eリーダ装置200は、例えば、図1に関して上記で説明した装置110に対応することができる。図2を参照すると、eリーダ装置200は、プロセッサ210、ネットワークインターフェース220、ディスプレイ230、マイクロフォン242、触覚インターフェース244、及びメモリ250を含む。
【0026】
[0036]プロセッサ210は、メモリ250に格納された命令を使用して機能を実装することができる。さらに、いくつかの実装では、プロセッサ210は、ネットワークインターフェース220を利用してネットワークサービス120(図1参照)と通信する。より具体的には、eリーダ装置200は、ネットワークサービス120にアクセスして、様々な種類のリソース(例えば、eブックなどのデジタルコンテンツアイテム、構成ファイル、アカウント情報)を受信し、情報(例えば、ユーザアカウント情報、サービス要求など)を提供することができる。例えば、eリーダ装置200は、ユーザがネットワークサービス120から購入或いはダウンロードすることを選ぶeブックやメディアファイルなどのアプリケーションリソース221を受信することができる。eリーダ装置200にダウンロードされるアプリケーションリソース221は、メモリ250に格納することができる。
【0027】
[0037]いくつかの実装では、ディスプレイ230は、例えば、プロセッサ210から発生されたコンテンツを提供するために明るくなる液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイに対応することができる。いくつかの実装では、ディスプレイ230はタッチ感応性でよい。いくつかの変形形態では、ディスプレイ230は、コンテンツが表示される方式で従来の紙を模倣する電子ペーパー型ディスプレイに対応することができる。そのようなディスプレイ技術の例には、電気泳動ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、及びエレクトロフルイディックディスプレイが含まれる。
【0028】
[0038]触覚インターフェース244は、ユーザ操作に基づいて音響信号を発生させ、或いは生成することができる。いくつかの実施形態では、触覚インターフェース244は、eリーダ装置200のハウジングの表面に設けられた機械的構造である。例えば、触覚インターフェース244をハウスの表面に機械的に結合する(例えば、重ねる)ことができる。或いは、触覚インターフェースをハウジング自体の外面の部分として一体的に形成することができる。片手操作を可能にするために、同じ手で装置を保持しながら、ユーザの指(複数可)によって容易にアクセス可能である(例えば、スワイプすることができる)ハウジングのエリア又は領域内に触覚インターフェース244を配置することができる。例えば、ハウジングの側面及び/又は裏面に触覚インターフェース244を設けることができる。
【0029】
[0039]いくつかの実施形態では、触覚インターフェース244は、純粋に機械的な手段で音響信号を生成する(すなわち、触覚インターフェース244は電子的構成要素及び/又は接続を含まない)。例えば、触覚インターフェース244は、タッチ又は衝撃に応答して共振し、音/振動を生成する材料(アルミニウムやプラスチックなど)から形成することができる。具体的には、触覚インターフェース244は、スワイプされたとき(例えば、連続してタッチ又は接触されたとき)に一連のトーン(協同的に「音」と呼ばれることがある)を生成するいくつかのピーク及び/又はバレーを含むことができる。さらに、スワイプの方向に応じて異なる音を生成するために、ピーク及びバレーは、変動するサイズ、形状、程度、配置、及び/又はピッチ(例えば、格子型)でよい。例えば、触覚インターフェース244上の下方スワイプ(例えば、デクレッシェンド)がインターフェース244に上の上方スワイプ(例えば、クレッシェンド)とははっきりと異なる音を生成するように、ピーク及びバレーを漸減するサイズで配置することができる。これにより、触覚インターフェース244によって生成された音響信号で(スワイプの)方向性を示すことが可能となる。
【0030】
[0040]プロセッサ210は、マイクロフォン242、ディスプレイ230、又は他の入力機構(例えば、ボタン、キーボード、マウスなど)を含む様々なソースから入力を受信することができる。マイクロフォン242は、非専用多目的マイクロフォンに対応することができる。例えば、マイクロフォン242は、音楽及び/又は音声を検出するのに使用されるものを含む、多種多様な音響スペクトルの音を受けるように製造された「市販の」構成要素でよい。本明細書に記載の実施例を参照すると、プロセッサ210は、マイクロフォン242からの音響入力231に応答することができる。音響入力231は、例えば触覚インターフェース244によって生成された音響信号を含む、マイクロフォン242によって受信又は検出された任意及び/又はすべてのオーディオを含むことができる。一実施形態では、プロセッサ210は、マイクロフォン242からの音響入力231の音響信号を検出し、ページ遷移などのeブック活動を促進又は改善するために音響信号に応答する。例として、音響信号は、単一のページめくり、複数のページめくり、及び/又は章めくりを示すことができる(すなわち、ユーザがeブックに対するページめくり動作を実施しているとき)。
【0031】
[0041]いくつかの実施形態では、メモリ250は、マイクロフォン222を介して受信される音響入力231の音響信号を監視し、特定のユーザ入力又はユーザ入力のタイプとして音響信号をさらに処理する音響センサロジック211を格納する。一実装では、音響センサロジック211をマイクロフォン242と一体化することができる。例えば、マイクロフォン242を、集積回路又は他のハードウェアロジックを含むモジュラ構成要素として設けることができ、そのようなリソースは、音響センサロジック211の一部又はすべてを提供することができる。例えば、マイクロフォン242の集積回路は、触覚インターフェース244によって生成される音響信号を監視し、及び/又は音響信号を(例えば、ページめくり動作に対応する)特定の種類又はタイプであるとして処理することができる。変形形態では、音響センサロジック211の一部又はすべてが、(メモリ250に格納された命令を利用する)プロセッサ210、又は1つ又は複数の代替処理リソースと共に実装される。
【0032】
[0042]一実装では、ハウジングセンサロジック211は、音響信号(AS)検出ロジック213及びスワイプロジック215を含む。AS検出ロジック213は、(例えば、触覚インターフェース244に対するユーザ操作に応答して)マイクロフォン242によってピックアップされる音響入力231の音響信号を監視するための操作を実装する。スワイプロジック215は、(例えば、ユーザが触覚インターフェース244を上、下、左、又は右方向にスワイプすることに基づいて)音響信号の方向性又は音を検出し、特定のタイプの入力又はユーザ操作として相関させる。スワイプロジック215はまた、より高速なスワイプ運動とより低速なスワイプ運動とを区別するように、音響信号の大きさ又は程度を検出することができる。
【0033】
[0043]eブックハウジング構成
[0044]図3Aは、いくつかの実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置300の正面図である。eリーダ装置300は、フロントベゼル312を有するハウジング310と、ディスプレイ画面314とを含む。eリーダ装置300は、コンテンツ視野を高めるようにディスプレイ画面314によってほぼ占有される前面を有するように、ほぼ平板状又は矩形でよい。ディスプレイ画面314はディスプレイアセンブリの部分でよく、タッチ感応性でよい。例えば、ディスプレイ画面314を、タッチ感応性であるモジュラディスプレイアセンブリの構成要素として設け、製造工程及び組立て工程中にハウジング310と一体化することができる。
【0034】
[0045]本明細書に記載の実施例によれば、eリーダ装置300は、ハウジング310の側面又は縁部に設けられた触覚インターフェース318を含む。一実施形態では、例えば製造工程中に、触覚インターフェース318をハウジング310と一体的に形成する(例えば、ハウジング310内に成形する)ことができる。或いは、例えば組立て工程中に、ハウジング310の表面に触覚インターフェース318を重ね、又は(接着剤を使用して)取り付けることができる。触覚インターフェース318は、ユーザタッチに応答して共振又は振動によって音を生成する材料(アルミニウム、プラスチック、及び/又はハウジング310が作成される材料なら何でも)から作成される。さらに、触覚インターフェース318は、ユーザによって連続的にスワイプ或いはタッチされたときに別個の音(例えば、トーンのシーケンス)を生成するいくつかの離散的なピーク311及びバレー313を含むことができる。ピーク311及びバレー313は、例えば、スワイプの方向に応じて異なる音を生成するように、変動するサイズ、形状、程度、配置、及び/又はピッチでよい。
【0035】
[0046]一実施例では、ピーク311は、変動する高さであり、漸減する大きさの順序で配置され、触覚インターフェース318が下方運動でスワイプされたときに、触覚インターフェース318が上方運動でスワイプされたときとは異なる音を生成する。具体的には、より高いピーク311(例えば、触覚インターフェース318の上端の方のもの)は、より短いピーク311(例えば、触覚インターフェース318の下端の方のもの)よりも大きく、及び/又は長く共振する可能性が高い。その結果、上方スワイプ動作は、音のクレッシェンドが伴うことがあるのに対して、下方スワイプ動作の後には、音のデクレッシェンドが続くことがある。これにより、触覚インターフェース318によって生成される音(すなわち、音響信号)に対して方向性が与えられ、したがってeリーダ装置300が、上方スワイプ運動と下方スワイプ運動に対応するユーザ入力を区別することが可能となる。
【0036】
[0047]図3Bは、他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置350の背面図である。eリーダ装置350は、ハウジング320と、ハウジング320の裏面に設けられた触覚インターフェース328とを含む。上述のように、触覚インターフェース328は、ハウジング320と一体的に形成され、或いはハウジング320の表面に重ねられる共振材料(例えば、アルミニウム又はプラスチック)から作成することができる。触覚インターフェース328は、ユーザによってスワイプ或いはタッチされたときに別個の音を生成する(例えば、変動するサイズ、形状、程度、配置、及び/又はピッチの)いくつかのピーク321及びバレー323からさらに作成される。
【0037】
[0048]一実施例では、ピーク321は、変動する長さであり、漸減する大きさの順序で配置され、触覚インターフェース328が下方運動でスワイプされたときに、触覚インターフェース328が上方運動でスワイプされたときとは異なる音を生成する。具体的には、より広いピーク321(例えば、触覚インターフェース328の上端の方のもの)は、より狭いピーク321(例えば、触覚インターフェース328の下端の方のもの)よりも大きく、及び/又は長く共振する可能性が高い。その結果、上方スワイプ動作は、音のクレッシェンドが伴うことがあるのに対して、下方スワイプ動作の後には、音のデクレッシェンドが続くことがある。これにより、触覚インターフェース328によって生成される音(すなわち、音響信号)に対して方向性が与えられ、触覚インターフェース328との特定のタイプの対話を示すことができる。
【0038】
[0049]図3Cは、他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置360の正面図である。本明細書に記載の実施例によれば、eリーダ装置360は、ハウジング310の側面又は縁部に設けられた触覚インターフェース368を含む。上述のように、触覚インターフェース368は、スワイプされたときに別個の音を生成するいくつかの離散的なピーク361及びバレー363を含む。一実施例では、ピーク361は、非周期的構成で配置される。具体的には、触覚インターフェース368の上端の方のピーク361間の距離(すなわち、バレー363の幅)は、触覚インターフェース368の下端の方のピーク361間の距離よりも短い。言い換えれば、触覚インターフェース368は、下端よりも上端の方が細かいピッチを有する。その結果、触覚インターフェース368をスワイプすることにより、スワイプの方向(例えば、上方又は下方スワイプ運動)に応じて、変動する倍音を有する「チャーピング」音を生成することができる。したがって、eリーダ装置300は、倍音に基づいて、触覚インターフェース368によって生成された音響信号の方向性を決定することができる。
【0039】
[0050]図3Dは、他の実施形態による、触覚音響入力機構を有するeリーダ装置370の背面図である。本明細書に記載の実施例によれば、eリーダ装置370は、ハウジング320の裏面に設けられた触覚インターフェース378を含む。上述のように、触覚インターフェース378は、非周期的構成で配置されたいくつかの離散的なピーク371及びバレー373を含み、スワイプされたときに別個の音を生成する。具体的には、触覚インターフェース378は、下端よりも上端の方が細かいピッチを有する。その結果、触覚インターフェース378をスワイプすることにより、スワイプの方向(例えば、上方又は下方スワイプ運動)に応じて、変動する倍音を有する「チャーピング」音を生成することができる。したがって、eリーダ装置370は、倍音に基づいて、触覚インターフェース378によって生成された音響信号の方向性を決定することができる。
【0040】
[0051]図3A〜3Dの例は、触覚インターフェースの配置及び/又は設計に関するいくつかの可能な構成を示すが、変形形態は、スワイプの方向に応じて互いに区別可能な固有の音を生成するために、サイズ(例えば、長さ、幅、及び/又は高さ)、形状、程度、配置、及び/又はピッチの任意の組合せのピーク及びバレーを有する触覚インターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、左向き及び右向きスワイプ音が上方及び下方スワイプ音と区別可能となるように、ピーク及びバレーを格子型に配置することができる。さらに、触覚インターフェースがユーザによって(例えば、1つ又は2つの手を使用して)動作可能となるように、ハウジングの任意の表面の任意の場所に触覚インターフェースを設けることができる。他の実施形態は、同一のeリーダ装置上の複数の触覚インターフェースの配置を企図する(例えば、1つをハウジングの側面に、1つをハウジングの裏面に)。例えば、各触覚インターフェースは、他の厳密なコピーでよく、したがってユーザに(例えば、冗長性の形で)より多くのアクセス可能性オプションを提供することができる。別の実施例では、ある触覚インターフェースは別の触覚インターフェースとは異なるものでよく(例えば、スワイプされたときに異なる音を生成する)、したがって、より高い程度の(例えば、多くのタイプの)ユーザ入力が可能となる。
【0041】
[0052]さらに、eリーダ装置は、(例えば、複数の触覚インターフェースから同時に生成された)複数の同時の音響信号を検出するように装備することができる。例えば、eリーダ装置は、同時の音響信号を単一の組み合わせた入力として解釈することができる。そのような実施例では、特定のタイプの入力(例えば、ページめくり動作)として、又は一般的入力(例えば、ユーザ検出)として同時スワイプ動作を解釈することができる。
【0042】
[0053]図3A〜3Dの例は、eリーダ装置の片手操作を可能にし、及び/又は容易にするそれぞれの実施形態を示す。より具体的には、本明細書の実施形態は、ユーザが(例えば、指を使用して)eリーダ装置と対話することを可能にし、同一の手で装置を保持しながらの、ページフリッピングや章フリッピングなどの活動を容易にする。さらに、eリーダ装置の既存のリソース(万能マイクロフォンなど)を活用することにより、装置のハードウェアへの最小限の変更(それがある場合)で本明細書に記載の実施形態を実装することができる。例えば、ユーザ入力を発生させ、又は生成するのに使用される触覚インターフェースを既存のeリーダ装置のハウジングに(すなわち、製造工程とは別に)適用することできる。或いは、既存のeリーダ装置と共に使用される別々又はスタンドアロンの特徴として触覚インターフェースを設けることができる。
【0043】
[0054]音響インターフェース
[0055]図4に、1つ又は複数の実施形態による、音響信号を検出及び処理する音響インターフェース400を示す。音響インターフェース400は、eリーダ装置110(図1参照)又は他のエンドユーザ装置によって実装することができる。したがって、音響インターフェース400の動作環境を示すために、図1の要素を参照することができる。図4の実施例では、一実施形態によれば、音響インターフェース400を操作して、特定のタイプのユーザ入力に対応する音響信号を受信及び処理することができる。より詳細には、音響インターフェース400は、音響処理構成要素410、音−データ変換構成要素420、及びスワイプ解析構成要素430を含む。
【0044】
[0056]音響処理構成要素410は、マイクロフォン401からオーディオ入力411を受信する。上述のように、マイクロフォン401は、音声入力又は周囲雑音を含む任意の形態のオーディオ又は音響入力を受信することのできる市販の非専用構成要素に対応することができる。音響処理構成要素410は、オーディオ入力411を処理して、検出可能な変調特性(例えば、振幅及び/又は波長)を有する音響信号413を識別することができる。音/データ変換構成要素420は、音響データ415を求めるために音響信号413を処理することができる。例えば、音/データ変換構成要素420は、アナログ音響信号413をサンプリングしてデジタルデータ(すなわち、音響データ415)に変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)に対応することができ、及び/又はアナログ−デジタル変換器(ADC)を含むことができる。
【0045】
[0057]スワイプ解析構成要素430は、音響データ415を解析して、音響信号413の1つ又は複数の特性を求める。例えば、上述のように、異なるスワイプ運動に応答して、異なる音響信号を触覚インターフェース132によって生成することができる(例えば、上方スワイプは、下方スワイプとは異なる「音」を生成することができる)。さらに、より高速なスワイプは、より短い音のバーストを生成することができるのに対して、より低速なスワイプはより長い音のストリームを生成する。したがって、スワイプ解析構成要素430は、例えば音響信号413の振幅変化又は変調に基づいて、音響信号413に関連するスワイプ運動の方向性を求めることができる。さらに、スワイプ解析構成要素430は、例えば音響信号413の長さ又は持続時間に基づいて、音響信号413に関連するスワイプ運動の程度又は大きさを求めることができる。
【0046】
[0058]スワイプ解析構成要素430は、音響データ415を、(例えば、対応するスワイプ動作の方向/大きさに対応する)方向及び/又は大きさパラメータを含むスワイプ入力417に変換する。スワイプ入力417をさらなる処理のためにCPU402に供給することができる。CPU402は、特定の動作を実施するコマンド又は命令としてスワイプ入力417を解釈することができる。一実施形態では、CPU402は、ページ遷移ロジック115を実装する際に、スワイプ入力417をページめくり動作として解釈することができる。
【0047】
[0059]ページ遷移機能
[0060]図5に、1つ又は複数の実施形態による、ページコンテンツを表示するeリーダシステムを示す。eリーダシステム500は、例えば、図1、2、3A、及び3Bの実施例と共に示されるようなeリーダ装置上で実行される構成要素を使用して、例えばアプリケーション又は装置として実装することができる。さらに、記載されるようなeリーダシステム500は、図1で示されるような状況で実装することができ、図2及び図3の実施例で説明されるように構成することができる。
【0048】
[0061]図5の実施例では、システム500は、ネットワークインターフェース510、ビューワ520、及びページ遷移ロジック540を含む。図1の実施例と共に説明したように、ネットワークインターフェース510は、データ及びプログラマティックリソースを受信するためにネットワークサービスと通信するプログラマティック構成要素に対応することができる。例えば、ネットワークインターフェース510は、ユーザが購入及び/又はダウンロードするeブック511をネットワークサービスから受信することができる。eブック511は、eリーダ装置のメモリリソース(例えば、eリーダ装置200のメモリ250を参照)と共にeブックライブラリ525の部分として格納することができる。
【0049】
[0062]ビューワ520は、eブックライブラリ525と共に提供される、選択されたeブックからのページコンテンツ513にアクセスすることができる。ページコンテンツ513は、選択されたeブックを含む1つ又は複数のページに対応することができる。ビューワ520は、所与の瞬間に、取り出されたページコンテンツ513に対応する1つ又は複数のページをディスプレイ画面上にレンダリングする。ページ状態は、特定のページ、又は所与の瞬間に表示されるページのセットに対応することができる。
【0050】
[0063]ページ遷移ロジック540をビューワ520の特徴又は機能として設けることができる。或いは、プラグイン又はビューワ520から独立した機能としてページ遷移ロジック540を設けることができる。ページ遷移ロジック540は、ページ状態更新545をビューワ520に知らせることができる。ページ状態更新545はページ遷移を指定することができ、ビューワ520に新しいページをレンダリングさせる。ページ状態更新545を指定する際に、ページ遷移ロジック540は、単一のページめくり、複数のページめくり、又は章めくりを実現することができる。単一のページめくりに関するページ状態更新545は、表示中のページコンテンツのシーケンス中の次(順方向又は逆方向)にあるページコンテンツ513を提示することにより、ビューワ520にページ状態を遷移させる。複数ページめくりに関するページ状態更新545は、表示下のページ状態からシーケンス中の順方向又は逆方向のジャンプであるページコンテンツ513を提示することにより、ビューワ520にページ状態を遷移させる。同様に、章めくりに関するページ状態更新545は、現ページ状態の章に対するシーケンス中の次の章(順方向又は逆方向)であるページコンテンツ513を提示することにより、ビューワ520にページ状態を遷移させる。ページ状態更新545は、次に表示されるページ状態を表す遷移値(例えば、1ページ遷移又は10ページ遷移)又は遷移タイプ(例えば、ページ遷移と章遷移)を示すことができる。
【0051】
[0064]いくつかの実施形態によれば、ページ遷移ロジック540は、ページめくり(又はページ遷移)を示す、音響インターフェース400によって発生されるスワイプ入力417を含む異なる種類の入力に応答することができる。スワイプ入力417は、例えば、単一ページめくり、複数ページめくり、又は章めくりを示すことができる。ページめくり又は遷移のタイプは、スワイプ入力417のパラメータ(例えば、方向及び/又は大きさ)から求めることができる。上述のように、例えば、ユーザが触覚インターフェースと対話する(例えば、スワイプする)ことに応答して触覚インターフェースによって生成される音響信号からスワイプ入力417を導出することができる。したがって、スワイプ入力417は、スワイプ動作の方向(例えば、上、下、左、又は右)及び/又はスワイプの大きさ(例えば、高速又は低速)を指定し、或いは示すことができる。同様に、タッチアンドホールドなどの他の入力を複数ページめくり又は章入力として解釈することができる。さらに、タップやスワイプなどの動作を章遷移と解釈することができる。
【0052】
[0065]スワイプ入力417を受信したことに応答して、ページ遷移ロジック540が、ビューワ520にページ状態更新545を知らせる。一実施形態では、ページ遷移ロジック540は、スワイプ入力417の方向をページめくり方向として解釈することができる。例えば、ページ遷移ロジック540は、下方スワイプ方向を順方向ページめくり命令と関連付けることができる。ページ遷移ロジック540は、上方スワイプ方向を逆方向ページめくり命令とさらに関連付けることができる。さらに、一実施形態では、ページ遷移ロジック540は、スワイプ入力417の大きさを単一ページ、複数ページ、又は章遷移命令として解釈することができる。例えば、ページ遷移ロジック540は、低速の(又は通常の)スワイプ速度を単一のページめくりと関連付けることができる。ページ遷移ロジック540は、より高速なスワイプ速度を複数のページめくりとさらに関連付けることができる(例えば、遷移するページ数はスワイプの速度に依存する)。次いで、ビューワ520は、ページコンテンツ513を更新して、ページ状態更新545によって表される変更を反映する(例えば、単一ページ遷移、複数ページ遷移、又は章遷移)。
【0053】
[0066]方法
[0067]図6に、1つ又は複数の実施形態による、ページ付けされたコンテンツを表示する方法を示す。図6の実施例を説明する際に、説明しているステップ又はサブステップを実施する適切な構成要素を示すために、図4及び5と共に説明したような構成要素を参照することができる。
【0054】
[0068]図5の実施例を参照すると、ビューワ520が、初期ページ状態に対応するページコンテンツを表示する(610)。例えば、ビューワ520は、ユーザが読んでいるページに対応する単一のページを表示することができ、或いは、ユーザのディスプレイモードプリファレンスを反映するように複数のページを並べて表示することができる。
【0055】
[0069]次いで、eリーダ装置500は、装置500に設けられた、又は装置500の音響範囲内にある触覚インターフェースによって生成された音響信号を(例えば、音響インターフェース400を介して)検出することができる(620)。例えば、音響処理構成要素410は、マイクロフォン401から受信されるオーディオ入力411から音響信号413を検出することができる。より具体的には、音響処理構成要素410は、オーディオ入力411を処理して、既知の検出可能な変調特性(例えば、振幅及び/又は波長)に基づいて音響信号413を識別することができる。
【0056】
[0070]次いで、音響信号を処理してスワイプ情報を求める(630)。スワイプ情報は、例えば、受信した音響信号に関連するスワイプ動作の方向性及び/又は大きさを含むことができる(632)。例えば、音/データ変換構成要素420が、受信した音響信号413をサンプリングして、デジタルデータ(例えば、音響データ415)に変換することができる。次いで、スワイプ解析構成要素430は、音響データ415を解析して、音響信号413の1つ又は複数の特性を求めることができる。上述のように、異なるスワイプ運動に応答して、触覚インターフェースによって異なる音響信号を生成することができる。特に、スワイプ解析構成要素430は、音響信号413に関連するスワイプ運動の方向性(例えば、振幅変化また又は信号変調に基づいて)及び/又は大きさ(例えば、信号の長さ又は持続時間に基づいて)を求めることができる。
【0057】
[0071]ページ状態遷移を可能にするためにスワイプ情報をさらに解釈することができる(640)。スワイプ情報は、単一ページめくり(642)、複数ページめくり(644)、又は章めくり(646)のうちの1つ又は複数を示すことができる。例えば、ページ遷移ロジック540は、音響インターフェース400からスワイプ入力417を受信し、スワイプ入力417で提供される情報を特定のタイプのページ状態遷移にマッピングすることができる。特に、スワイプ入力417の方向(例えば、上方又は下方)をページめくり方向(例えば、逆方向又は順方向)として解釈することができる。さらに、スワイプ入力417の大きさ(例えば、高速又は低速)を単一ページ、複数ページ、又は章遷移命令として解釈することができる。さらに、スワイプ入力417と共に含まれる追加の方向性情報(例えば、左方向又は右方向)を章めくり方向(例えば、逆方向又は順方向)として解釈することができる。
【0058】
[0072]実施すべきページ状態遷移のタイプを判定するとき、eリーダ装置500は、ページ状態遷移に一致する新しいページ状態を求める(650)。次いで、eリーダ装置500のビューワ520に新しいページ状態を表示する(660)。例えば、ページ遷移ロジック540は、スワイプ入力417に応答して、対応するページ状態更新545をビューワ520に知らせることができる。したがって、スワイプ入力417が単一のページめくりを示す場合、ページ状態更新545は、順方向又は逆方向ページめくりを指定することができる。スワイプ入力417が複数ページめくりを示す場合、ページ状態更新545は、順方向にスキップし、又はジャンプバックするいくつかのページを指定することができる。スワイプ入力417が章変更を示す場合、ページ状態更新545は、順方向又は逆方向の章ジャンプを指定することができる。
【0059】
[0073]添付の図面を参照して例示的実施形態を本明細書で詳細に説明したが、特定の実施形態及び細部に対する変形形態が、本開示によって包含される。本明細書に記載の実施形態の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるものとする。さらに、個々に、又は一実施形態の部分として説明した特定の特徴を、他の個々に説明した特徴、又は他の実施形態の部分と組み合わせることができることが企図される。したがって、組合せの説明の欠如は、本発明者(ら)がそのような組合せに対する権利を主張することを妨げないものとする。
【0060】
本実施形態について更に説明する。本実施形態のeリーダ装置200は、ユーザにより片手で保持されて、例えば電子書籍(eブック)を閲覧可能な端末装置により構成される。端末装置により構成されたeリーダ装置200は、互いに対向する表面及び裏面と、表面及び裏面の間に設けられた側面とを含む略直方体形状を有し、前述のように、ディスプレイ230、ハウジング、マイクロフォン242及びプロセッサ210を含む。
【0061】
ディスプレイ230は、プロセッサ210等の制御に基づき、種々のコンテンツを表示可能な表示手段であって、eリーダ装置200の表面に構成される。ディスプレイ230は、例えば、電子書籍を表示する。
【0062】
ハウジングは、eリーダ装置200の筐体を構成する部材であって、eリーダ装置200の裏面及び側面を構成する。マイクロフォン242は、eリーダ装置200の周辺で発生する音響信号を取得可能である。
【0063】
eリーダ装置200のハウジングは、凹凸部を少なくとも一部に有する。凹凸部は、所定方向に交互に配列された凸部及び凹部(ピーク及びバレー)からなり、触覚インターフェースを構成する。
【0064】
プロセッサ210は、ソフトウェア及び他のハードウェアとの協働により、eリーダ装置200を制御する。プロセッサ210は、特定手段及び制御手段を含む。
【0065】
特定手段は、マイクロフォン242により検出された音響信号を取得する。本実施形態では、マイクロフォン242は、ユーザによる凹凸部を擦る操作により発生する音響信号を検出する。従って、特定手段は、ユーザが凹凸部を擦る操作によって発生した音響信号を取得する。
【0066】
特定手段は、例えばスワイプ解析構成要素430に相当し、音響信号に基づいてユーザによる操作内容を特定する。例えば、特定手段は、取得された音響信号を、電子書籍のページ捲り操作入力として特定することができる。
【0067】
制御手段は、例えばページ遷移ロジック540に相当し、特定手段により特定された操作内容に応じて、ディスプレイ230に表示されたコンテンツに関する処理を制御する。具体的には、制御手段は、音響信号に基づいてページ捲り操作入力が特定された場合には、ディスプレイ230に表示された電子書籍のページ捲り制御を行う。ページ捲り制御は、取得された音響信号及び受け付けられた操作入力情報に応じて、順方向のページ遷移、逆方向のページ遷移、1ページのページ遷移、所定数のページの遷移、章の遷移等であることができる。
【0068】
次に、ハウジングにおける凹凸部が設けられる位置について説明する。例えば、図3B及び図3D等に示すように、凹凸部は、eリーダ装置200の裏面においてハウジングの一部に設けられる。より具体的には、ディスプレイ230に表示されるコンテンツの上方向及び下方向をそれぞれハウジングにおける上方向及び下方向としたときに、ハウジングは、eリーダ装置200の裏面における上下方向中央部より上方に凹凸部を有してもよい。eリーダ装置200の裏面における上下方向は、例えば、eリーダ装置200の裏面の長手方向である。これにより、片手でeリーダ装置200を保持した場合に第2指の先が触れる位置に凹凸部が設けられることとなるので、保持する手及び指により凹凸部を擦る操作を行い、音響信号を発生させることが容易である。従って、片手で保持したときに、保持した手でディスプレイをタッチ操作するのが困難であるような大きさを有するeリーダ装置200であっても、eリーダ装置200を保持した手で種々の操作を実施できる。
【0069】
図7を参照して、eリーダ装置の裏面においてハウジングに設けられる凹凸部の他の例を説明する。図7に示すeリーダ装置700では、eリーダ装置700裏面におけるハウジング710の外縁を構成する左辺721及び右辺722の中心位置から左にオフセットされた位置に、凹凸部718が設けられている。eリーダ装置700裏面における左右方向は、例えば、eリーダ装置700裏面における短手方向である。凹凸部718の凸部711及び凹部713は、下方向に向かうに従って、左辺721及び右辺722の中心位置に近付く方向に沿って配列される。これにより、第2指の指先を動かしやすい方向に沿って凸部711及び凹部713が配列されることとなるので、eリーダ装置200を保持した手の第2指による音響信号の発生が容易となる。なお、図7に示す例では、凹凸部718は、左辺721及び右辺722の中心位置から左にオフセットされた位置に設けられているが、右にオフセットされた位置に設けられることとしてもよい。
【0070】
また、図3A及び図3C等に示すように、ハウジングは、eリーダ装置の側面の一部において凹凸部を有してもよい。より具体的には、ディスプレイ230に表示されるコンテンツの上方向及び下方向をそれぞれハウジングにおける上方向及び下方向としたときに、ハウジングは、eリーダ装置の側面における上下方向中央部より上方に凹凸部を有してもよい。これにより、片手でeリーダ装置200を保持した場合に第3指の先が触れる位置に凹凸部が設けられることとなるので、保持する手及び指により凹凸部を擦る操作を行い、音響信号を発生させることが容易である。
【0071】
また、図3A〜3D及び図7に示すように、凹凸部は、凹部及び凸部の間隔及び/又は配列の方向に直行する方向の幅が、配列の一方側から他方側に進むに従って漸次変化するように設けられることとしてもよい。この場合には、ユーザが、凹凸部を第1の方向に擦る操作により発生する第1の音響信号は、第1の方向の反対の方向である第2の方向に擦る操作により発生する第2の音響信号と異なることとなる。これにより、プロセッサ210の操作受付手段は、第1及び第2の音響信号に基づく操作入力情報のそれぞれを、異なる操作入力情報として受け付けるように構成することができる。例えば、操作受付手段は、第1の音響信号を順方向のページ捲り操作入力として受け付け、第2の音響信号を逆方向のページ捲り操作入力として受け付けることができる。
【0072】
また、eリーダ装置の裏面及び/又は側面においてハウジングに凹凸部が設けられたeリーダ装置では、eリーダ装置を片手で保持した場合に指先が触れる位置に凹凸部が設けられることとなるので、eリーダ装置に対して指先が滑りにくく、eリーダ装置の保持が容易である。
【0073】
次に、図8A及び図8Bを参照して、本発明の更なる他の実施形態を説明する。図8A及び図8Bは、端末装置に着脱可能なケースを示す図である。図8A及び図8Bに示されるケースが着脱される端末装置は、ディスプレイ、マイクロフォン及びプロセッサを含み、前述したeリーダ装置200と同様のeリーダ装置を構成可能である。即ち、図8A及び図8Bに示されるケースが着脱される端末装置は、互いに対向する表面及び裏面と、表面及び裏面の間に設けられた側面とを含む略直方体形状を有する。また、端末装置が備えるディスプレイは、端末装置の表面に構成される。図8A及び図8Bに示されるケースは、端末装置の裏面及び側面の少なくとも一部を覆う。
【0074】
図8Aに示されるケース810は、その側面に上下方向に配列された複数の凸部及び凹部からなる凹凸部818を有する。また、図8Bに示されるケース820は、その裏面に、下方向に向かうに従って裏面の外縁を構成する左辺及び右辺の中心位置に近付く方向に沿って配列された複数の凸部及び凹部からなる凹凸部828を有する。
【0075】
ケース810または820が装着された端末装置では、ユーザがケースの凹凸部を擦る操作により音響信号が発生し、マイクロフォンが、発生した音響信号を検出する。プロセッサの特定手段により、検出された音響信号に基づきユーザの操作内容が特定される。そして、プロセッサの制御手段は、操作内容に応じて、ディスプレイに表示された電子書籍等のコンテンツのページ遷移等の制御を実施する。
【0076】
ケース810または820によれば、筐体に予め凹凸部の如き構成が設けられていない端末装置であっても、端末装置を保持した手の指先でケースの一部を擦るといった容易な操作により、ページ遷移等の制御を行うことが可能となる。また、ケース810または820が装着された端末装置では、その裏面及び/又は側面における、端末装置を片手で保持した場合に指先が触れる位置に凹凸部が設けられることとなるので、端末装置に対して指先が滑りにくく、端末装置の保持が容易である。
【0077】
次に、以上述べた本発明の各実施形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の記載に本発明が限定されるものではない。
【0078】
(項目1)
ハウジングと、
画面を含むディスプレイアセンブリであって、前記ハウジングが、前記画面が閲覧可能となるように前記画面を少なくとも部分的に迂回する、ディスプレイアセンブリと、
前記ハウジングの表面に設けられた触覚インターフェースであって、ユーザ操作に基づいて複数の音響信号を生成すべきである触覚インターフェースと、
前記ハウジングの一部と共に設けられるオーディオ入力装置であって、前記触覚インターフェースによって生成された前記音響信号を検出すべきであるオーディオ入力装置と、
前記ハウジング内に設けられたプロセッサであって、
ページ付けされたコンテンツアイテムに関する初期ページ状態の少なくとも一部を表示すること、
前記触覚インターフェースによって生成された前記複数の音響信号を複数のユーザ入力としてそれぞれ解釈することであって、第1のタイプの1つ又は複数の音響信号がページ遷移命令に対応すること、
少なくとも前記初期ページ状態を表示することから、前記ページ遷移の値又はタイプによって決定される別のページ状態を表示することに遷移することにより、前記第1のタイプの音響信号に応答すること
を行うように動作するプロセッサと
を備えるコンピューティング装置。
(項目2)
前記触覚インターフェースが、前記ユーザ操作に応答して前記複数の音響信号を生成するために複数のピーク及びバレーを備える、項目1に記載のコンピューティング装置。
(項目3)
前記複数のピーク及びバレーが、異なるユーザ操作に応答して前記触覚インターフェースが異なる音響信号を生成することを可能にする格子型に構成される、項目2に記載のコンピューティング装置。
(項目4)
前記ユーザ操作が、1つ又は複数の方向の指スワイプを含む、項目3に記載のコンピューティング装置。
(項目5)
前記複数のピーク及びバレーが、変動する程度又はサイズであり、それによって、スワイプされたとき、前記触覚インターフェースが、前記指スワイプの方向性を示す音響信号を生成する、項目4に記載のコンピューティング装置。
(項目6)
前記プロセッサがさらに、
第1の方向の指スワイプによって生成された前記音響信号を順方向ページ遷移命令として解釈し、
前記初期ページ状態を表示することから、後続のページ状態を表示することに遷移することによって前記順方向ページ遷移命令に応答すべきである、項目5に記載のコンピューティング装置。
(項目7)
前記プロセッサがさらに、
第2の方向の指スワイプによって生成された前記音響信号を逆方向ページ遷移命令として解釈し、
前記初期ページ状態を表示することから、前のページ状態を表示することに遷移することによって前記逆方向ページ遷移命令に応答すべきである、項目6に記載のコンピューティング装置。
(項目8)
前記第2の方向が前記第1の方向の反対である、項目7に記載のコンピューティング装置。
(項目9)
前記触覚インターフェースが前記ハウジングの裏面に設けられる、項目1に記載のコンピューティング装置。
(項目10)
前記触覚インターフェースが前記ハウジングの側面に設けられる、項目1に記載のコンピューティング装置。
(項目11)
前記触覚インターフェースが前記ハウジングの表面に重ねられる、項目1に記載のコンピューティング装置。
(項目12)
前記触覚インターフェースが、前記ハウジングの表面と一体的に形成される、項目1に記載のコンピューティング装置。
(項目13)
コンピューティング装置を操作する方法であって、1つ又は複数のプロセッサによって実装され、
ページ付けされたコンテンツアイテムに関する初期ページ状態の少なくとも一部を表示するステップと、
前記コンピューティング装置の触覚インターフェースによって生成された複数の音響信号を複数のユーザ入力としてそれぞれ解釈するステップであって、第1のタイプの1つ又は複数の音響信号がページ遷移命令に対応するステップと、
少なくとも前記初期ページ状態を表示することから、前記ページ遷移の値又はタイプによって決定される別のページ状態を表示することに遷移することにより、前記第1のタイプの音響信号に応答するステップと
を含む方法。
(項目14)
前記触覚インターフェースが、前記ユーザ操作に基づいて前記複数の音響信号を生成するために複数のピーク及びバレーを備える、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記複数のピーク及びバレーが、異なるユーザ操作に応答して前記触覚インターフェースが異なる音響信号を生成することを可能にする格子型に構成される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ユーザ操作が、1つ又は複数の方向の指スワイプを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記複数のピーク及びバレーが、変動する程度又はサイズであり、それによって、スワイプされたとき、前記触覚インターフェースが、前記指スワイプの方向性を示す音響信号を生成する、項目16に記載の方法。
(項目18)
第1の方向の指スワイプによって生成された前記音響信号を順方向ページ遷移命令として解釈するステップと、
前記初期ページ状態を表示することから、後続のページ状態を表示することに遷移することによって前記順方向ページ遷移命令に応答するステップと
をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
第2の方向の指スワイプによって生成された前記音響信号を逆方向ページ遷移命令として解釈するステップであって、前記第2の方向が前記第1の方向の反対であるステップと、
前記初期ページ状態を表示することから、前のページ状態を表示することに遷移することによって前記逆方向ページ遷移命令に応答するステップと
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
ページ付けされたコンテンツアイテムに関する初期ページ状態の少なくとも一部を表示すること、
前記コンピューティング装置の触覚インターフェースによって生成された複数の音響信号を複数のユーザ入力としてそれぞれ解釈することであって、第1のタイプの1つ又は複数の音響信号がページ遷移命令に対応すること、及び
少なくとも前記初期ページ状態を表示することから、前記ページ遷移の値又はタイプによって決定される別のページ状態を表示することに遷移することにより、前記第1のタイプの音響信号に応答すること
を含む動作を実施させる命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0079】
100…システム、110…リーダ装置、115…ページ遷移ロジック、116…ディスプレイ画面、118…ハウジング、120…ネットワークサービス、122…リソースストア、124…ユーザアカウントストア、125…アカウント、128…装置インターフェース、132…触覚インターフェース、134…音響インターフェース、200…eリーダ装置、210…プロセッサ、211…音響センサロジック、213…音響信号(AS)検出ロジック、215…スワイプロジック、220…ネットワークインターフェース、221…アプリケーションリソース、230…ディスプレイ、231…音響入力、242…マイクロフォン、244…触覚インターフェース、250…メモリ、400…音響インターフェース、401…マイクロフォン、410…音響処理構成要素、411…オーディオ入力、413…音響信号、415…音響データ、417…スワイプ入力、420…音−データ変換構成要素、430…スワイプ解析構成要素、510…ネットワークインターフェース、511…eブック、513…ページコンテンツ、520…ビューワ、525…eブックライブラリ、540…ページ遷移ロジック、545…ページ状態更新、700…eリーダ装置、710…ハウジング、718…凹凸部、810…ケース、818…凹凸部、820…ケース、828…凹凸部。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B