【解決手段】並列される複数のLED3A,3Bから出射される光が入射し、互いに対向して配置される端面6および端面7と、各端面6,7から入射した光が出射する互いに対向して配置される第1主平面8および第2主平面9と、第2主平面9に対向して配置され、反射手段5とを有し、各主平面8,9には、並列される複数のLED3A,3Bの隣り合う光源の間に対応した領域に、各端面6,7から対向する端面に向かうに従って幅が狭くなる点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bが形成されていることとする。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る照明装置1および導光板2について、図面を参照しながら説明する。なお、導光板2は、照明装置1の構成に併せて説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る照明装置1の構成を示す斜視図であり、上段(A)は、照明装置1を右後方から見た斜視図であり、下段(B)は、照明装置1を右前方から見た斜視図である。
図2は、
図1(A)(B)に示す切断線A−Aにおける照明装置1の断面の構造を示す断面図である。
図2においては、構成を判り易くするため、ハッチングが省略されている。
図3は、照明装置1を光出射面側から見た平面図である。
図4は、反射板5を取り除いた状態の照明装置1を、下方から見た斜視図である。なお、以下の各実施の形態の説明において、導光板2の光の導光方向を前後方向とし、矢視X1方向を前方(前側)、矢視X2方向を後方(後側)として説明する。また、LED3AおよびLED3Bの並列方向を左右方向とし、矢視Y1方向を左方(左側)、矢視Y2方向を右方(右側)として説明する。そして、照明装置1の光の出射方向を上方向とし、矢視Z1方向を上方(上側)、矢視Z2方向を下方(下側)として説明する。
【0019】
(照明装置1)
図1(A)(B)および
図2に示すように、照明装置1は、導光板2と、光源としてのLED3A,3Bとを有する。導光板2は、導光板本体4と、反射手段を構成する反射板5とを有し、反射板5の上方に導光板本体4が配置されている。導光板本体4の後側の端面6には、複数のLED3Aが備えられている。LED3Aは、左右方向に並列されている。また、導光板本体4の前側の端面7には、複数のLED3Bが備えられ、LED3BもLED3Aと同様に、左右方向に並列されている。すなわち、導光板本体4に対して配置されるLED3AおよびLED3Bとは、導光板本体4を前後方向に挟んで反対側に配置されている。
【0020】
なお、LED3A,3Bに代えて、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極蛍光管)、電球(たとえば白熱電球)や蛍光灯などを光源として用いてもよい。LEDは、他の光源と比べ、消費電力および発熱量が小さく、また、小型化しやすい点等で優れている。したがって、光源としては、LEDを用いることが好ましい。
【0021】
(導光板本体4)
導光板本体4は、たとえば、透明なアクリル樹脂から形成される充実構造である。導光板本体4は、平面視において矩形であり、全体として上下方向に扁平した板状体を呈し、LED3Aが配置される端面6と、LED3Bが配置される端面7と、第1主平面8と、第2主平面9とを有する。
【0022】
導光板本体4の第1主平面8の周縁部のうち、端面6側の周縁部8Aには、点状第1光拡散部としての点状光拡散部10Aが形成されている。点状光拡散部10Aは、導光板本体4に対して備えられる複数のLED3A(
図1(A)参照)の隣接するLED3A同士の間に対応する位置に形成されている。点状光拡散部10Aは、周縁部8Aの左右の端縁にも形成されている。点状光拡散部10Aは、後方から前方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなる形状を呈している。すなわち、点状光拡散部10Aは、端面6側を底辺とする三角形を呈している。
【0023】
また、導光板本体4の第1主平面8の周縁部のうち、端面7側の周縁部8Bには、点状第1光拡散部としての点状光拡散部10Bが形成されている。点状光拡散部10Bは、導光板本体4に対して備えられる複数のLED3B(
図1(B)参照)の隣接するLED3B同士の間に対応する位置に形成されている。点状光拡散部10Bは、周縁部8Bの左右の端縁にも形成されている。点状光拡散部10Bは、前方から後方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなる形状を呈している。すなわち、点状光拡散部10Bは、端面7側を底辺とする三角形を呈している。
【0024】
導光板本体4の第1主平面8には、点状光拡散部10Aと点状光拡散部10Bとの間に点状第2光拡散部としての点状光拡散部11が形成されている。点状光拡散部11は、前後方向で互いに対向して配置される点状光拡散部10Aと点状光拡散部10Bとのそれぞれの間に形成されている。
【0025】
点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11は、第1主平面8の点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11に対応する位置に粗面化処理を施すことにより形成される凹凸面である。粗面化処理により、点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11は、たとえば、多数の孔の集合にて凹凸面が形成される。点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11は、多数の突起の集合にて凹凸面を形成してもよい。
【0026】
図2,4に示すように、導光板本体4の第2主平面9の周縁部のうち、端面6側の周縁部9Aには、線状第1光拡散部としての線状光拡散部12Aが形成されている。線状光拡散部12Aは、導光板本体4に対して備えられる複数のLED3A(
図1(A)参照)の隣接するLED3A同士の間に対応する位置に形成されている。線状光拡散部12Aは、周縁部9Aの左右の端縁にも形成されている。線状光拡散部12Aは、後方から前方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなる形状を呈している。すなわち、線状光拡散部12Aは、端面6側を底辺とする三角形を呈している。
【0027】
また、導光板本体4の第2主平面9の周縁部のうち、端面7側の周縁部9Bには、線状第1光拡散部としての線状光拡散部12Bが形成されている。線状光拡散部12Bは、導光板本体4に対して備えられる複数のLED3B(
図1(B)参照)の隣接するLED3B同士の間に対応する位置に形成されている。線状光拡散部12Bは、周縁部9Bの左右の端縁にも形成されている。線状光拡散部12Bは、前方から後方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなる形状を呈している。すなわち、線状光拡散部12Bは、端面7側を底辺とする三角形を呈している。
【0028】
線状光拡散部12A,12Bは、第2主平面9に形成される複数の溝12AA,12BBにて形成することができる。溝12AA,12BBは、長手方向が複数のLED3A,3Bの並列方向に平行な溝である。すなわち、溝12AA,12BBは、端面6,端面7に平行であり、長手方向が左右方向に形成される溝である。
【0029】
また、導光板本体4の第2主平面9には、線状光拡散部12Aと線状光拡散部12Bとの間に線状第2光拡散部としての線状光拡散部13(
図2,4参照)が形成されている。線状光拡散部13は、第2主平面9に形成される複数の溝13Aにて形成することができる。溝13Aは、長手方向が複数のLED3A,3Bの並列方向に平行な溝である。すなわち、溝13Aは、端面6,端面7に平行であり、第2主平面9の左右方向の一端縁から他端縁に亘って形成される。
【0030】
溝12AA,12BBおよび溝13Aは、たとえば、第1主平面8あるいは第2主平面9に対して切削により形成したり、あるいは、導光板本体4を成形型により製造する場合には、成形時に同時に型の転写形状として形成することもできる。また、線状光拡散部12A,12Bおよび線状光拡散部13は、凸条にて形成してもよい。
【0031】
溝12AA,12BBの溝の幅および深さは、溝13Aに比べて幅広であり深い形状となっている。また、溝12AA同士が隣接する間隔(複数の溝12AAの前後方向の形成ピッチ)は、溝13A同士が隣接する間隔(複数の溝13Aの前後方向の形成ピッチ)に比べて密に形成されている。複数の溝12BBの前後方向の形成ピッチも複数の溝13Aの前後方向の形成ピッチに比べて密に形成されている。
【0032】
(反射板5)
反射板5は、導光板本体4の第2主平面9と対向する面に、たとえば、アルミ蒸着を施すことで反射面5Aが形成されている。反射板5は、第2主平面9の全面に対向する形状であることが好ましい。すなわち、反射板5は、平面視において導光板本体4と同一の形状か、あるいは第2主平面9よりも若干輪郭において大きいことが好ましい。これにより、後述するように第2主平面9から出射した光を導光板本体4側に反射させる光量を増やすことができる。また、反射板5は、反射面5Aを導光板本体4の第2主平面9に平行に対向するように配置される。なお、反射板5を備える代わりに、導光板本体4の第2主平面9に反射シートを貼着したり、あるいは、第2主平面9に直接、たとえば、アルミ蒸着を施すことで、第2主平面9の外側に反射面を形成し、反射手段としてもよい。
【0033】
(出射光の出射効率の向上および輝度の均一化)
次に、照明装置1のLED3A,3Bの出射光が、端面6,7から導光板2に入射し、導光板2から出射するまでの光の進行の様子を説明する。
【0034】
先ず、LED3Aから出射し、導光板本体4の端面6から導光板本体4内に入射した光の進行について説明する。端面6から導光板本体4に入射した光の一部は、導光板本体4内を透過し、直接、第1主平面8から導光板本体4の上方に出射する。また、他の一部の光は、第2主平面9から反射板5の側に出射し、反射面5Aで反射され、再び導光板本体4を透過して第1主平面8から上方に出射する。
【0035】
第2主平面9には、線状光拡散部13が形成されている。線状光拡散部13を形成する複数の溝13Aは、各々、端面6側に斜面を向けた傾斜面13Bを有する。第2主平面9に傾斜面13Bが形成されることで、第2主平面9の線状光拡散部13の領域が平面だけで構成される場合に比べて、LED3Aから出射された光が第2主平面9で全反射する光量を低減でき、第2主平面9を透過する光量を増加させことができる。つまり、第2主平面9に線状光拡散部13を形成することで、LED3Aから出射された光が、第2主平面9から反射面5A側に出射する量を増やすことができる。反射面5A側に出射された光は、反射面5Aで反射され導光板本体4を透過して第1主平面8から上方に出射する。そのため、第2主平面9に線状光拡散部13を形成することで、第1主平面8からの出射する光の量を増やすことができる。
【0036】
隣接するLED3Bの照射範囲と照射範囲との間の照射範囲外となる領域は、輝度が低くなり易い。具体的には、点状光拡散部10Bが形成される領域は、隣接するLED3BとLED3Bの照射角の範囲外となる領域となり易く、輝度が低くなり易い。この点に着目し、導光板2では、第2主平面9の端面7側の周縁部9Bに線状光拡散部12Bを形成することで、LED3BとLED3Bの間の領域の輝度の向上を図っている。
【0037】
つまり、線状光拡散部12Bを形成する複数の溝12BBは、各々、端面6側に斜面を向けた傾斜面12BCを有する。第2主平面9の線状光拡散部12Bの領域が平面だけで構成される場合に比べて、傾斜面12BCが形成されることで、LED3Aから出射された光が第2主平面9で全反射する光量を低減でき、第2主平面9を透過する光量を増加させることができる。線状光拡散部12Bが形成される領域から反射面5A側に出射された光は、反射面5Aで反射され導光板本体4を透過して、主に、第1主平面8の点状光拡散部10Bを含む領域から上方に出射する。したがって、第2主平面9に線状光拡散部12Bを形成することで、第1主平面8の点状光拡散部10Bを含む領域から出射する光の量を増やすことができる。
【0038】
次に、LED3Bから出射し、導光板本体4の端面7から導光板本体4内に入射した光の進行について説明する。LED3Bから出射した光は、導光板本体4の端面7から導光板本体4内に入射し、上述したLED3Aから出射した光と同様に、光の一部は、直接、第1主平面8から導光板本体4の上方に出射し、他の一部の光は、第2主平面9から反射板5の側に出射し、反射面5Aで反射され、再び導光板本体4を透過して第1主平面8から上方に出射する。
【0039】
線状光拡散部13を形成する複数の溝13Aは、各々、端面7側に斜面を向けた傾斜面13Cを有する。したがって、上述した傾斜面13Bと同様に、LED3Bから出射した光が、第2主平面9で全反射される量を低減され、第2主平面9から反射面5A側に出射する量を増やすことができる。反射面5A側に出射された光は、反射面5Aで反射され導光板本体4を透過して第1主平面8から上方に出射するため、第1主平面8からの出射する光の量を増やすことができる。
【0040】
隣接するLED3Aの照射範囲と照射範囲との間の照射範囲外となる領域は、輝度が低くなり易い。具体的には、点状光拡散部10Aが形成される領域は、隣接するLED3AとLED3Aの照射角の範囲外となる領域となり易く、輝度が低くなり易い。この点に着目し、導光板2では、第2主平面9の端面6側の周縁部9Aに線状光拡散部12Aを形成することで、LED3AとLED3Aの間の領域の輝度の向上を図っている。
【0041】
つまり、線状光拡散部12Aを形成する複数の溝12AAは、各々、端面7側に斜面を向けた傾斜面12ACを有する。第2主平面9の線状光拡散部12Aの領域が平面だけで構成される場合に比べて、傾斜面12ACが形成されることで、LED3Bから出射した光が第2主平面9で全反射される光量を低減でき、第2主平面9を透過する光量を増加させることができる。線状光拡散部12Aが形成される領域から反射面5A側に出射された光は、反射面5Aで反射され導光板本体4を透過して、主に、第1主平面8の点状光拡散部10Aを含む領域から上方に出射する。したがって、第2主平面9に線状光拡散部12Aを形成することで、第1主平面8の点状光拡散部10Aを含む領域から出射する光の量を増やすことができる。
【0042】
上述したように、第2主平面9に線状光拡散部12A、線状光拡散部12Bおよび線状光拡散部13が形成されることで、LED3A,3Bから導光板本体4に入射した光が第1主平面8から出射される出射効率が図られる。また、線状光拡散部12A,12Bが形成されることで、隣接するLED3AとLED3Bの照射角の範囲外となる輝度が低い領域の輝度を向上させることができ、第1主平面8の輝度の均一化を図ることができる。
【0043】
また、導光板本体4内の光は、第2主平面9から反射面5A側に出射する際、線状光拡散部12A、線状光拡散部12Bあるいは線状光拡散部13により拡散された状態で出射する。さらに、第2主平面9から出射した光は、反射面5Aで反射され再び第2主平面9に入射する際にも、線状光拡散部12A、線状光拡散部12Bあるいは線状光拡散部13により拡散される。つまり、線状光拡散部12A、線状光拡散部12Bおよび線状光拡散部13は、LED3A,3Bから導光板本体4に入射した光の第1主平面8からの出射効率の向上を図ることに加えて、光の拡散を行うことで第1主平面8における輝度の均一化にも寄与する。
【0044】
LED3A,3Bから出射し導光板本体4内に入射した光は、上述したように、導光板本体4を透過し、直接、第1主平面8から出射したり、あるいは、導光板本体4から反射面5A側に出射した後、反射面5Aで反射され、再び導光板本体4を透過して第1主平面8から上方に出射する。第1主平面8には、点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11が形成されている。導光板本体4から点状光拡散部10A,10Bあるいは点状光拡散部11を透過して出射する光は、点状光拡散部10A,10Bあるいは点状光拡散部11により拡散されて出射される。つまり、第1主平面8に点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11が形成されることで、第1主平面8における輝度の均一化が図られる。
【0045】
点状光拡散部10Aには、主に線状光拡散部12Aを透過した光が入射し、拡散され出射される。つまり、線状光拡散部12Aにより、点状光拡散部10Aを含む領域から出射する光の輝度の均一化が図られる。また、線状光拡散部12Aは、LED3Bから出射し、導光板本体4を進行し線状光拡散部12Aに到達した光が線状光拡散部12Aで拡散され第1主平面8から出射する。したがって、線状光拡散部12Aは、第1主平面8の線状光拡散部12Aにおける出射効率を上げることもできる。
【0046】
点状光拡散部10Bには、主に線状光拡散部12Bを透過した光が入射し、拡散され出射される。つまり、線状光拡散部12Bにより、点状光拡散部10Bを含む領域から出射する光の輝度の均一化が図られる。また、線状光拡散部12Bは、LED3Aから出射し、導光板本体4を進行し線状光拡散部12Bに到達した光が線状光拡散部12Bで拡散され第1主平面8から出射する。したがって、線状光拡散部12Bは、第1主平面8の線状光拡散部12Bにおける出射効率を上げることもできる。
【0047】
さらに、点状光拡散部11には、主に線状光拡散部13を透過した光、あるいは、LED3A,3Bから出射し、導光板本体4を進行し点状光拡散部11に到達した光が、進行し点状光拡散部11で拡散され第1主平面8から出射する。したがって、進行し点状光拡散部11は、第1主平面8の点状光拡散部11における出射効率を上げることもできる。
【0048】
上述の実施の形態では、線状光拡散部12A,12Bおよび線状光拡散部13を形成する溝12AA,12BBおよび溝13Aの断面の形状は、略三角形を呈している。しかしながら、該溝の断面形状は、端面6,7に向く斜面を有すれば三角形に限らず、たとえば、略半円形や台形等とすることもできる。また、線状光拡散部12A,12Bおよび線状光拡散部13は、溝とする代わりに、下方、すなわち反射面5A側に突出する凸条にて形成してもよい。
【0049】
導光板2は、上述したように、並列される複数の光源である複数のLED3Aと複数のLED3Bから出射される光が入射し、互いに対向して配置される第1端面としての端面6および第2端面としての端面7と、各端面6,7から入射した複数のLED3A,3Bからの光が出射する互いに対向して配置される第1主平面8および第2主平面9と、第2主平面9に対向して配置され、第2主平面9から出射された光を第2主平面9側に反射する反射手段としての反射板5とを有する。そして、第1主平面8には、複数のLED3Aの隣り合うLED3Aの間に対応した領域に、端面6および端面7の各端面から他方の端面に向かうに従って幅が狭くなる第1光拡散部としての点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bが形成されている。第1主平面8および第2主平面9のうち、いずれか一方の主平面である第1主平面8には、点状光拡散部10A,10Bが形成され、他方の主平面である第2主平面9には、線状光拡散部12A,12Bが形成されている。点状光拡散部10A,10Bは、多数の突起または穴の集合にて形成される。線状光拡散部12A,12Bは、長さ方向が並列される複数のLED3A,3Bの並列方向に平行な多数の凸条または溝の集合にて形成される。
【0050】
導光板2がこのように構成されることで、LED3A,3Bから出射し導光板本体4内に入射した光が、第1主平面8から出射する出射効率を向上させることができ、併せて、第1主平面8における輝度分布の均一化を図ることができる。また、隣接するLED3BとLED3Bの間の照射角の範囲外となる領域、および隣接するLED3AとLED3Aの間の照射角の範囲外となる領域は輝度が低くなり易い。しかしながら、導光板本体4に点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bが形成されることで、第1主平面8の該輝度が低くなり易い領域から出射する光の出射光量の向上および輝度分布の均一化が図られる。
【0051】
点状光拡散部11は、各LED3AおよびLED3Bの光軸からの距離が離れるほど、凹部あるいは凸部の形成密度が高くなることが好ましい。
【0052】
点状光拡散部11が形成される部分は、導光板本体4を進行する光の第1主平面8における全反射が破られ易い。したがって、点状光拡散部11では、導光板本体4を進行する光の出射効率が向上する。
【0053】
LED3A,3Bの光軸からの距離が離れるほど、LED3A,3Bから出射される光の強度は弱まる。そこで、各LED3AおよびLED3Bの光軸からの距離が離れるほど、点状光拡散部11を構成する凹部あるいは凸部の形成密度を高くすることにより、LED3A,3Bの光軸からの距離が離れた位置での光の出射効率を向上させることができ、第1主平面8における光の出射効率の輝度の均一化を図ることができる。
【0054】
なお、点状光拡散部11の凹部あるいは凸部の形成密度は、各LED3AおよびLED3Bの光軸からの距離が離れるに従って徐々に高くなることが好ましい。徐々に高くすることで、輝度分布の変化が滑らかになり第1主平面8の輝度分布の均一化を図ることができる。
【0055】
点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bは、LED3A,3Bの照射角の70%よりも外側の範囲に形成されることが好ましい。
【0056】
点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bでは、導光板本体4内を進行する光の出射効率が高くなる。そのため、仮に、LED3A,3Bの光軸上に点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bを形成すると、もともと輝度の高い部分での光の出射効率が高くなってしまい、光軸から離れた輝度の低い部分へ進行する光の量が低減されてしまう。
【0057】
そこで、点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bは、LED3A,3Bの照射角の70%よりも外側の範囲に形成し、LED3A,3Bの光軸に近い領域での光の出射量を減らすことで、該光軸から遠い輝度の低下し易い領域に進行する光の量を増やすことができる。
【0058】
導光板2は、端面6と端面7との間隔が30mm以上80mm以下であることが好ましい。
【0059】
導光板2のサイズが小さくなるほど、LED3A,3Bから出射した光が導光板本体4内で拡散される回数が減り、輝度斑が生じやすくなる。しかしながら、上述したように、導光板本体4と反射板5を備え、導光板本体4に点状光拡散部10A,10Bおよび線状光拡散部12A,12Bを形成することで、端面6と端面7との間隔が30mm以上80mm以下であっても、第1主平面8における光出射効率の向上と輝度分布の均一化を図ることができる。さらに、点状光拡散部11および線状光拡散部13が形成されることで、第1主平面8における光の出射効率の向上と輝度分布の均一化が一層図られる。
【0060】
LED3A,3Bが、たとえば、
図5に示すように、LEDチップ20をカップ状の反射板21内に配置されている構成のものを用いることができる。この場合、導光板本体4の厚さ、すなわち第1主平面8と第2主平面9との間隔Dは、反射板21の開口径R以上であり開口径Rの3倍以下であることが好ましい。
【0061】
導光板本体4の厚さが、開口径R未満となると、LED3A,3Bから出射した光が端面6,7に入射しきれず漏れてしまう量が増え適当でない。一方、導光板本体4の厚さが増すほど、一方の端面(端面6または端面7)から他方の端面(端面7または端面6)に進行する光が第1主平面8と第2主平面9との間で反射を繰り返す回数が減る。そのため、端面6,7から入射した光が、点状光拡散部10A,10B、線状光拡散部12A,12B、点状光拡散部11あるいは線状光拡散部13により拡散される回数が減り、出射効率の向上や輝度分布の均一化を図り難くなる。したがって、導光板本体4の厚さを、開口径R以上であり開口径Rの3倍以下とすることで、LED3A,3Bから出射した光の端面6,7への入射効率を上げることができると共に、第1主平面8から出射する光の出射効率と輝度分布の均一化を効率的に図ることができる。
【0062】
なお、点状光拡散部10Aは、端面6側に近いほど密に突起または穴が形成され、端面6から遠ざかるにしたがって粗となるように形成することが好ましい。点状光拡散部10Bも同様に、端面7側に近いほど密に突起または穴が形成され、端面7から遠ざかるにしたがって粗となるように形成することが好ましい。さらに、線状光拡散部12Aは、端面6側に近いほど密に凸条または溝が形成され、端面6から遠ざかるにしたがって粗となるように形成することが好ましい。そして、線状光拡散部12Bも同様に、端面7側に近いほど密に凸条または溝が形成され、端面7から遠ざかるにしたがって粗となるように形成することが好ましい。このようにすることによって、隣接するLED3AとLED3Aとの間、および隣接するLED3BとLED3Bとの間の暗くなる位置や、LED3AやLED3Bが配置されない左右の端部位置における明るさの落ち込みを効果的に低減でき、導光板2の光出射面である第1主平面8の輝度の均一化をより効果的に図ることができる。
【0063】
なお、点状光拡散部10A,10Bは、粗面化処理によって形成された多数の微細な突起または穴で構成されているが、点状光拡散部10A,10Bは、たとえば、微細な複数のレンズ形状の凹凸部等で形成してもよい。点状光拡散部10A,10Bの凹凸形状は、凸レンズ形状、凹レンズ形状、円錐形状の凹凸部を設ける構造としてもよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
図6の上段(A)および下段(B)に示すように、端面6の点状光拡散部10Aおよび線状光拡散部12Aに対応した部分と、端面7の点状光拡散部10Bおよび線状光拡散部12Bに対応した部分とは、下方(第2主平面9側)から上方(第1主平面8側)に向かって、互いに間隔が広くなる斜面6Aと斜面7Aとを形成することが好ましい。
【0065】
斜面6A,7Aを形成することで、LED3A,3Bから出射した光を第1主平面8から出射させる出射効率の向上を図ることができる。つまり、LED3Aから出射し端面6から導光板本体4に入射し斜面7Aに到達した光は、斜面7Aで上側に向けて反射される。また、LED3Bから出射し端面7から導光板本体4に入射し斜面6Aに到達した光は、斜面6Aで上側に向けて反射される。これにより、LED3A,3Bから出射した光を第1主平面8から出射させる出射効率の向上を図ることができる。
【0066】
(第3の実施の形態)
図7,8に示すように、導光板2は、第1主平面8の上方に拡散板30と、光遮蔽部材としての遮光板31を備えた構成としてもよい。拡散板30は、導光板2の導光板本体4の側に、第1主平面8から出射した光が入射する光入射面32と、この光入射面32から入射した光が出射する光出射面33を有する。また、拡散板30の前後には、凸条部34が形成されている。凸条部34は、導光板本体4側に突出し、導光板本体4の第1主平面8の点状光拡散部10Aが形成される縁部である周縁部8A(
図1,3参照)と、点状光拡散部10Bが形成される縁部である周縁部8B(
図1,3参照)とに対向する位置に設けられている。凸条部34の下面には、周縁部8A,8Bから出射する光が入射する光入射面である周縁光入射面35が形成されている。拡散板30の前後の凸条部34の間は、凹部36として形成されている。凹部36の底面である光入射面32は、第1主平面8から出射した光が入射する光入射面として形成されている。
【0067】
拡散板30としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂あるいはガラスなどの透明な材料に、光散乱粒子を混合することで、拡散板30内に入射した光を散乱させ外部に出射できる構成となっている。光散乱粒子としては、たとえば、特開2010−97088、特開2010−123309等に開示される光散乱粒子を用いることができる。また、拡散板30は、光散乱粒子を混合する代わりに、拡散板30の表面に粗面化処理を施すことにより、多数の孔または突起の集合にて凹凸面が形成される光散乱面を有する構成としてもよい。
【0068】
拡散板30は、平面視において矩形であり、拡散板30の外周の側面(前後左右の側面)は、導光板本体4の外周の側面(端面6、端面7、および左右の側面)と同一面内に配置されるか、それよりも外側に突出している。
図7,8に示す拡散板30は、前後方向において、凸条部外側面37が導光板本体4の端面6および端面7よりも外側に突出し、左右方向において、導光板本体4の左右の側面と同一面内に配置されている。
【0069】
拡散板30の外周の側面を、導光板本体4の外周の側面と同一面内に配置されるか、それよりも外側に突出させることで、照明装置1の平面視における外形が拡散板30により規定される。なお、本実施の形態に係る照明装置1において、凸条部34は、拡散板30の周縁部のうち、前後のみに形成されているが、拡散板30の左右側にも形成してもよい。拡散板30の全周にわたって凸条部34を形成することで、拡散板30の剛性を高めることができる。
【0070】
凸条部34の外側の側面である凸条部外側面37は、空気に接する面である。また、凸条部34の内側の側面である凸条部内側面38も空気に接する面である。したがって、周縁光入射面35から凸条部34内に入射した光の一部は、凸条部外側面37および凸条部内側面38で全反射され、光出射面33から出射することができる。凸条部外側面37と凸条部内側面38とは互いに平行な面であり、周縁光入射面35は、凸条部外側面37と凸条部内側面38とに直交する面である。
【0071】
凸条部34の周縁光入射面35は、LED3A,3Bあるいは周縁部8A,8Bから出射する光が遮光板31により遮蔽される領域である遮光領域Bと、遮光板31により遮蔽されることなく入射する領域である入射領域Cとを有する。すなわち、凸条部34の周縁光入射面35と、周縁部8A,8Bとの間に遮光板31を配置することにより、周縁部8A,8Bから出射した光が周縁光入射面35に入射する光量を制限することができる。
【0072】
遮光領域Bは、LED3A,3Bから出射された光を導光板2を介さずに直接拡散板30に入射させない広さ(前後の幅寸法)を少なくとも有する。また、遮光領域Bの広さ(前後方向の幅寸法)と入射領域Cの広さ(前後方向の幅寸法)とは、周縁部8A,8B(
図1,3参照)から周縁光入射面35に入射する光が光出射面33から出射する際に、光出射面33の全体の明るさが均一となるように設定される。周縁部8A,8Bから周縁光入射面35に入射した光は主に、光出射面33の周縁部から出射することになる。光出射面33の周縁部の明るさが、該周縁部よりも内側の明るさに近づくように、遮光領域Bの広さおよび入射領域Cの広さが設定される。
【0073】
続いて、照明装置1において、LED3A,3Bから出射された光が光出射面33から出射するまでの光の経路について説明する。LED3A,3Bから出射された光は、導光板2内を導光することで輝度の均一化が図られた状態で第1主平面8から出射する。
【0074】
第1主平面8から出射された光は、拡散板30の光入射面32および周縁光入射面35に入射され、拡散板30内を進行し光出射面33から出射される。拡散板30には光散乱粒子が含有されている。そのため、拡散板30内に入射した光が拡散板30内で散乱され、光出射面33から出射する光の輝度分布の均一化を図ることができる。
【0075】
LED3A,3Bから出射される光は、LED3A,3Bに近い位置では明るく、遠くなるに従い暗くなる。しかしながら、照明装置1では、導光板本体4の端面6にLED3Aを備え、導光板本体4の端面7にLED3Bを備え、相互に前後に向かって光が進行するので、前後からの光とが互いに補完しあうことで、導光板2の第1主平面8の輝度が均一化される。
【0076】
導光板2のLED3A,3Bに近い周縁部8A,8Bには、遮光板31が配置されている。遮光板31により、LED3A,3Bから直接あるいは周縁部8A,8Bから凸条部34へ入射する光が制限され、周縁光入射面35の一部は遮光領域Bとなっている。つまり、LED3A,3Bから出射され周縁光入射面35に向かう光の一部は遮光領域Bすなわち遮光板31より遮蔽される。
【0077】
一方、入射領域Cでは、第1主平面8から凸条部34の周縁光入射面35に向けて出射された光の一部が入射される。凸条部34の周縁光入射面35から入射された光の一部は、凸条部34の凸条部内側面38と凸条部外側面37とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、拡散板30の光出射面33の主として凸条部34の配置領域上方、すなわち光出射面33のLED3A,3Bが配置される側の周縁部から出射される。すなわち、凸条部34内に入射された光の一部は、凸条部外側面37と凸条部内側面38とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進むことで、光出射面33から拡散状態で出射される。凸条部34に入射した光は主として凸条部34の配置位置上方から出射する。
【0078】
以上説明した照明装置1は、遮光板31により遮光領域Bが形成されている。これにより、LED3A,3Bの出射光が、拡散板30に直接入射することを防止されている。また、導光板2に入射された光の一部は、導光板2内を光散乱粒子で散乱されながら導光され、第1主平面8から拡散光として出射され、拡散板30に入射される。そして、第1主平面8から出射した光は、拡散板30を透過し、この拡散板30でさらに拡散された状態で光出射面33から出射される。さらに、照明装置1は、拡散板30のLED3A,3Bの配置位置側の周縁部に凸条部34が形成されている。凸条部34が設けられることで、凸条部外側面37および凸条部内側面38が形成される。そのため、導光板2の周縁部8A,8Bから出射し凸条部34の周縁光入射面35に入射した光の一部は、凸条部34の凸条部外側面37と凸条部内側面38とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、拡散板30の光出射面33の周縁部から拡散光を出射させられる。
【0079】
つまり、遮光板31で遮光領域Bを形成することで、LED3A,3Bの出射光は拡散板30に直接入射させられることなく導光板2に入射することができる。導光板2に入射した光の一部は、導光板2内を光散乱粒子で散乱されながら導光され、第1主平面8から拡散光として出射し、拡散板30に入射される。これにより、LED3A,3Bの出射光が拡散板30に直接入射した場合にLED3A,3Bの部分が点光源のように見えてしまうことを防止できる。
【0080】
また、拡散板30に凸条部34が設けられているため、周縁部8A,8Bから出射した光は凸条部34の周縁光入射面35から凸条部34内に導光され、凸条部34の凸条部内側面38と凸条部外側面37とで全反射させながら、また、光散乱粒子で散乱され、拡散板30の光出射面33の周縁部から拡散光として出射させられる。これにより、遮光板31を備える構成とした場合にも、光出射面33の遮光板31が備えられる側の周縁部に、遮光板31により遮光され縁取りされたような暗部が生じることを防止できる。
【0081】
したがって、照明装置1は、LED3A,3Bが点光源に見えることによる見栄えが悪くなることを排除しながら、光出射面33の周縁部が縁取りされたように暗くならずに周縁部を含めて光出射面33の全体の明るさの均一化を図ることができる。
【0082】
なお、凸条部34の光の入射領域Cの大きさは、凸条部34の幅寸法を大きくする、または小さくすることで調整可能である。つまり、拡散板30の光出射面における中央部と周縁部の明るさの均一化は、導光板2から出射された光の凸条部34への入射量を調整することで容易に行うことができる。
【0083】
本実施の形態における照明装置1において、遮光領域Bは、たとえば、周縁光入射面35に遮光性を有するテープを貼着したり、あるいは、遮光性を有する塗料の塗布を施すことで形成することができる。
【0084】
導光板2と周縁光入射面35との間に遮光板31を設けない構成としてもよい。かかる構成とした場合においても、周縁光入射面35から凸条部34内に入射した光が、凸条部34内を。凸条部外側面37と凸条部内側面38とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進むことで、光出射面33から拡散状態で出射される。そのため、光出射面33の周縁について輝度の低下が抑えられ、光出射面33の全体の明るさの均一化を図ることができる。
【0085】
(第4の実施の形態)
図9に示すように、導光板本体4は、点状光拡散部10A,10Bおよび点状光拡散部11を反射面5Aに対向する第2主平面9に形成し、線状光拡散部12A,12Bおよび線状光拡散部13を光出射面となる第1主平面8に形成する構成としてもよい。
【0086】
なお、
図10に示すように、上述の第3の実施の形態に示す拡散板30を備えた照明装置1を複数並列させることで、大判のパネル型照明装置100を構成することができる。
【0087】
図10は、照明装置1を2個並列させたパネル型照明装置100の1例を示す平面図である。
図10に示すように、パネル型照明装置100は、各照明装置1を、各照明装置1の凸条部外側面37同士を密接させて配置している。
【0088】
照明装置1は、前述したように、光出射面33の周縁部が縁取りされたように暗くならず、周縁部を含めて輝度が均一化されている。したがって、2つの照明装置1を並列させたときにも、つなぎ目部分が縁取りされたようにならずに、見栄えのよい大判のパネル型照明装置100を実現できる。
【0089】
なお、パネル型照明装置100としては、照明装置1の配列の仕方は限定されない。たとえば、照明装置1の配列数は3個以上でもよく、配列の方向も特に限定されない。