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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-154(P2015-154A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20141202BHJP
【FI】
   A63F9/30 502C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-125388(P2013-125388)
(22)【出願日】2013年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】599032176
【氏名又は名称】株式会社オーバ
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】大庭 俊司
(57)【要約】
【課題】プレーヤの希望する景品を獲得できる景品獲得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シャベル13a,13bは、長方形の板状の底面部24と、直角三角形の板状の2つの側面部25,25と、長方形の板状の取付部26とから構成されている。底面部24は、腕12a、12bの閉じる方向に向けて設けられている。シャベル13a,13bを、取付部26とは反対側の方向である矢印Bの方向より見ると、底面部24と側面部25,25とでコの字型になるように形成されていて、底面部24の周縁のうち取付部26が取り付けられている周縁と垂直である周縁つまり腕12a,12bの伸びている方向と平行な周縁に、底面部24に対して垂直に側面部25,25が設けられている。シャベル13a,13bは、腕12a,12bの閉じる方向にコの字型の開口側が向くように取り付けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間と、
前記ゲーム空間内に収容された1つ以上の保持対象物と
前記保持対象物を拾って保持し、前記ゲーム空間内を移動することができる保持部と、
前記保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、
前記腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、
前記保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部と、
を備えた景品獲得ゲーム装置であって、
前記保持部材は、
腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、
前記底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部と、
を備え、
前記腕を閉じて前記腕の前記保持部材の前記底面部と前記側面部とで囲まれた空間内に前記保持対象物を保持し、前記腕を開いて前記保持部材から前記保持対象物を前記的部に落下させ、前記保持対象物の収容された前記穴の位置に応じて、景品を獲得できる景品獲得ゲーム装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記保持対象物を保持する際に、2つ以上の前記保持対象物の間に、前記ゲーム空間の床面に対して垂直に入り込む、請求項1に記載の景品獲得ゲーム装置。
【請求項3】
前記保持対象物が球形である、請求項1または2に記載の景品獲得ゲーム装置。
【請求項4】
前記保持部材が、前記腕と一体に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の景品獲得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、景品獲得ゲームに係り、プレーヤが保持部を操作して、保持対象物を保持部で保持し、保持対象物を的部に落として的部に設けられた穴に入れることで、景品の獲得を狙う景品獲得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の景品獲得ゲーム装置が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の景品獲得ゲーム装置は、筐体の天井とアクリル板等の透明な仕切りとで囲われたゲーム空間の天井に搬送装置を設けている。搬送装置は、ゲーム空間の天井に設けられた固定レールと、固定レールに対して移動可能な移動レールと、該移動レールに設けられ下方に伸びることのできる棒状の伸縮棒と、該伸縮棒の下端に設けられた保持部とを備えている。保持部は、本体部と、本体部から伸びる複数の腕とを備えている。搬送装置は、保持部を移動レールを介して固定レールに沿って移動させる移動機構と、保持部を移動レールに沿って移動させる移動機構と、伸縮棒を伸縮させて保持部を上下動させる移動機構と、保持部の本体部から伸びる複数の腕を開閉する開閉機構とを備えている。保持部の腕が開閉することにより、保持部の腕は物体の保持が可能である。ゲーム空間の底面には人形等の景品が雑然と積み上げられている。プレーヤが景品獲得ゲーム装置に設けられた操作ボタンを操作することにより、ゲーム空間内で保持部を移動させ、景品の真上に保持部を移動させると、自動的に伸縮棒が伸びて保持部が景品の近くまで降下し、腕が閉じて景品を保持し、伸縮棒が縮んで保持部が景品を持ち上げる。保持部は移動レールの動作により自動的にゲーム空間内の景品取出パイプの真上まで移動し、腕が自動的に開くことにより景品が落下することで、景品取り出しパイプに連通して景品獲得ゲーム装置の筐体外部に開口している景品取出口よりプレーヤが景品を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−157773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された景品獲得ゲーム装置では、ゲーム空間の底面に積み上げられた景品のうち獲得可能であるのは、積み上げられた景品のうち上方に位置する景品に限られ、それ以外の下方に位置する景品を獲得することはできず、プレーヤの希望する景品を獲得できないという問題点があった。景品を直接獲得するのではなく、例えばピンポン玉等のボールを保持部を使用して獲得し、獲得に成功した場合にプレーヤの希望する景品と引き換えるというルールとすることもできるが、その場合は、従来の保持部の腕ではピンポン玉等のボールの保持には適さない。
【0005】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、プレーヤの希望する景品を獲得できる景品獲得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る景品獲得ゲーム装置は、ゲーム空間と、ゲーム空間内に収容された1つ以上の保持対象物と、保持対象物を拾って保持し、ゲーム空間内を移動することができる保持部と、保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部とを備えた景品獲得ゲーム装置であって、保持部材は、腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部とを備え、腕を閉じて腕の保持部材の底面部と側面部とで囲まれた空間内に保持対象物を保持し、腕を開いて保持部材から保持対象物を的部に落下させ、保持対象物の収容された穴の位置に応じて、景品を獲得できる。
保持部材は、保持対象物を保持する際に、2つ以上の保持対象物の間に、ゲーム空間の床面に対して垂直に入り込んでもよい。
保持対象物が球形であってもよい。
保持部材が、腕と一体に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ゲーム空間と、ゲーム空間内に収容された1つ以上の保持対象物と、保持対象物を拾って保持し、ゲーム空間内を移動することができる保持部と、保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部とを備えた景品獲得ゲーム装置であって、保持部材は、腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部とを備え、腕を閉じて腕の保持部材の底面部と側面部とで囲まれた空間内に保持対象物を保持し、腕を開いて保持部材から保持対象物を的部に落下させ、保持対象物の収容された穴の位置に応じて、景品を獲得できることで、希望する景品を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置の概略図である。
図2】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置の内部の概略図である。
図3】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置の外部に設けられたサービスカウンタの概略図である。
図4】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられた保持部の概略図である。
図5】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられた保持部の概略図である。
図6】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられた保持部の概略図である。
図7】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられたシャベルの概略図である。
図8】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられた的部の概略図である。
図9】この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置に設けられた玉受け器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置の概略図を図1に示す。
景品獲得ゲーム装置1は、景品獲得ゲーム装置1を動作させるための電気機器類を収容する電装室2と、電装室2の上側に設けられたゲーム空間5とを備えている。ゲーム空間5は、天井3と、天井3の下側で四方に向いて設けられた透明な仕切りであるアクリル板4と、各アクリル板4の下端に設けられている床面14とで囲われた直方体型の空間である。ゲーム空間5は、各アクリル板4の設けられている面のうち向かい合う2面が他の向かい合う2面に対して水平方向に大きくなっている。この、他の向かい合う2面に対して水平方向に大きくなっている2面の、水平方向の向きをゲーム空間5の左右方向とし、他の向かい合う2面の、水平方向の向きをゲーム空間5の前後方向とする。
【0010】
天井3には搬送装置6が設けられている。搬送装置6は、ゲーム空間5の左右方向に伸び、互いに平行な2本の固定レール7と、ゲーム空間5の前後に伸び、固定レール7に対して移動可能な移動レール8と、該移動レール8に設けられ下方に伸びることのできる伸縮棒9と、該伸縮棒9の下端に設けられた保持部10とを備えている。保持部10は、釣鐘型の本体部11と、本体部11の両側面から伸びる2本の屈曲した腕12a,12bとを備えている。固定レール7のそれぞれには、移動レール8を固定レール7に沿って移動させることで保持部10を伸縮棒9と移動レール8とを介して左右に移動させる図示しない移動機構が設けられている。移動レール8には、伸縮棒9を移動レール8に沿って前後に移動させることで保持部10を伸縮棒9を介して前後に移動させる図示しない移動機構が設けられている。伸縮棒9には、伸縮棒9を伸縮させて保持部10を上下動させる図示しない移動機構が設けられている。保持部10には、保持部10の本体部11から伸びる腕12a,12bを開閉する図示しない開閉機構が設けられている。各移動機構及び開閉機構は、電装室2の内部に設けられた制御装置34(図2参照)と電気的に接続されている。腕12a,12bの先端部には、それぞれアルミニウム合金でできたシャベル13a,13bが設けられている。
【0011】
ゲーム空間5の床面14の上には、半球状の鉢15が設けられている。鉢15には、保持対象物として、例えばピンポン玉のボール16が複数収容されている。鉢15は、後述する景品獲得ゲーム装置1の動作において、伸縮棒9が一杯に伸びたときに保持部10のシャベル13a,13bがボール16を拾い上げることのできる高さに設けられている。床面14の上には、鉢15から離れた位置に的部17が設けられている。電装室2の前面には、傾斜しながら電装室2より突き出しているテーブル18が設けられている。テーブル18の上面に、プレーヤが景品獲得ゲーム装置1を操作するための操作パネル19が設けられている。操作パネル19には、景品獲得ゲーム装置1のゲーム料金である硬貨を投入するための硬貨投入口20と、搬送装置6の操作ボタン21a,21bとが設けられていて、図2に示すように、電装室2の内部に設けられた制御装置34と電気的に接続されている。電装室2の内部に設けられた制御装置34は、アンテナを備えた無線送信装置35と電気的に接続されている。
【0012】
図3に示すように、景品獲得ゲーム装置1の外部には、景品獲得ゲーム装置1が設置された店舗のサービスカウンタ36が設けられている。サービスカウンタ36には、アンテナを備えた無線受信装置37が設けられており、サービスカウンタ36にいる係員Aに、景品獲得ゲーム装置1でのゲームの結果を通知する通知装置38と電気的に接続されている。
【0013】
図4に示すように、保持部10の本体部11の上部に略円筒形の接続部22が設けられており、接続部22は伸縮棒9(図1参照)に図示しないボルトで接続している。本体部11の上部に、螺旋状の伸縮自在なコード23が設けられている。コード23は、搬送装置6(図1参照)と伸縮棒9との接続部に設けられた図示しない接続用箱部を経て、電装室2(図1参照)に設けられた制御装置34(図2参照)及び図示しない電源に電気的に接続されている。コード23は、腕12a、12bの開閉制御信号及び開閉のための電力を本体部11に伝送する。図5は、腕12a,12bを最も開いた状態であり、図6は腕12a,12bを最も閉じた状態である。
【0014】
図7(a)に示すように、シャベル13a,13bは、長方形の板状の底面部24と、直角三角形の板状の2つの側面部25,25と、長方形の板状の取付部26とから構成されている。底面部24は、腕12a、12bの閉じる方向に向けて設けられている。取付部26は、底面部24の周縁のうちの1つから突き出すように、底面部24と同一平面上に設けられている。取付部26と腕12a,12bとは、ねじ27によってねじ止めされている。取付部26と、底面部24とは、腕12a、12bの閉じる方向に向いている面43に対して平行になるように設けられている。シャベル13a,13bを、取付部26とは反対側の方向である矢印Bの方向より見ると、図7(b)に示すように底面部24と側面部25,25とでコの字型になるように形成されていて、底面部24の周縁のうち取付部26が取り付けられている周縁と垂直である周縁つまり腕12a,12bの伸びている方向と平行な周縁に、底面部24に対して垂直に側面部25,25が設けられている。シャベル13a,13bは、腕12a,12bの閉じる方向にコの字型の開口側が向くように取り付けられている。底面部24及び側面部25,25は、腕12a,12bを最も閉じた状態(図6参照)で、底面部24及び側面部25,25により構成されるコの字型の部分にボール16を収容可能な大きさに形成されている。具体的には、この実施の形態ではボール16にピンポン玉を使用しているため、ボール16の大きさは直径40mmである。そのため、図7(c)に示すように底面部24のコの字型の開口側に向いている面の寸法は、側面部25,25間の距離(底面部24の幅)が40mmを超えるように、底面部24の幅に対して垂直方向である底面部24の長さが40mmを超えるように形成される。この実施の形態では、底面部24の幅は43mm、底面部24の長さは41mmに形成されている。
【0015】
図8に示すように、的部17は、ゲーム空間5の床面14(図1参照)上に設置された略円柱形の玉受け器29と、玉受け器29の側面部に張り巡らされるように設置された網部28とで構成されている。網部28は、金属やプラスチック等の素材で作られた略円筒形状の網であり、略円柱状の玉受け器29の側面部の直径よりも僅かに大きい内径を持つ。網部28の網の目は、ボール16が通過することができないように、ボール16の直径(この実施の形態では40mm)よりも十分に小さく形成されている。網部28の高さは、後述する景品獲得ゲーム装置1(図1参照)の動作において、伸縮棒9を縮めた状態で的部17の真上に保持部10が進入した際に保持部10の腕12a,12bやシャベル13a,13bが接触することがなく、且つ保持部10の腕12a,12bが開いてボール16が落下して跳ねた際にボール16が網部28(図8参照)の内側から飛び出すことのない高さである。
【0016】
図9に示すように、玉受け器29は網部28より高さの低い略円柱形をしている。玉受け器29の天板30は、鉄等の十分な硬さを持つ材料で形成されており、中央に当たり穴31が1つ設けられ、その周囲に外れ穴32が14つ設けられている。当たり穴31と外れ穴32とは、いずれもボール16(図1参照)が入ることのできる十分な直径を持つ半球状の穴である。図9に示すように、当たり穴31の底部には、接触式スイッチ又は近接センサである検知スイッチ33が設けられており、検知スイッチ33は、電装室2(図2参照)の内部に設けられた制御装置34(図2参照)と電気的に接続されている。
【0017】
次にこの発明の実施の形態に係る景品獲得ゲーム装置の動作を説明する。
図1に示す景品獲得ゲーム装置1の保持部10は、初期状態では的部17の真上である初期位置にて静止している。このとき、伸縮棒9はいっぱいに縮んだ状態であり、この状態が伸縮棒9の初期状態である。またこのとき、保持部10の腕12a、12bは、図5に示す腕12a,12bを最も開いた状態と、図6に示す腕12a,12bを最も閉じた状態との略中間程度に開いた状態の図4に示すような状態であり、この状態が腕12a,12bの初期状態である。図1に示すように、この初期状態では、ボール16は全て鉢15に収容されていて、玉受け器29の当たり穴31と外れ穴32とには何も入っていない。
【0018】
プレーヤが硬貨投入口20に指定の金額の硬貨を投入すると、景品獲得ゲーム装置1の制御装置34(図2参照)は硬貨の投入を検知し、ゲームを開始しプレーヤの操作を受け付ける状態へ遷移する。プレーヤが操作ボタン21a,21bを押すと、操作ボタン21a,21bが押されたことを、制御装置34(図2参照)が検知する。制御装置34は、搬送装置6の固定レール7と移動レール8とに設けられた図示しない移動機構を駆動させることにより、移動レール8に設けられた伸縮棒9がゲーム空間5の左右方向及び前後方向へ移動する。これにより、移動レール8に伸縮棒9を介して接続されている保持部10がゲーム空間5の左右方向及び前後方向へ移動する。つまり、プレーヤの操作ボタン21a,21bの操作によって、保持部10がゲーム空間5の左右方向及び前後方向へ移動する。プレーヤは、保持部10が鉢15の真上に移動することを目指して操作ボタン21a,21bを操作する。具体的には、プレーヤが操作ボタン21aを押している間、保持部10はゲーム空間5内を景品獲得ゲーム装置1の正面から見て左方向へ移動し、プレーヤが操作ボタン21bを押している間、保持部10はゲーム空間5内を景品獲得ゲーム装置1の正面から見て後方向へ移動する。
【0019】
操作ボタン21a,21bがそれぞれ1回ずつ操作されるか、ゲームの開始後からの時間が、あらかじめ制御装置34(図2参照)に設定されている制限時間に到達するかのいずれかの条件を満たすと、保持部10の位置決めが終了し、制御装置34(図2参照)は、プレーヤの操作ボタン21a,21bに対する操作の検知を終了する。
【0020】
制御装置34(図2参照)は、本体部11内の図示しない開閉装置を駆動させて、図5に示すように、腕12a,12bを最も開いた状態にする。制御装置34(図2参照)は、図1に示されている伸縮棒9に設けられた図示しない移動機構を駆動させて伸縮棒9を下方へ伸ばす。これにより、保持部10はゲーム空間5の下方へ降下する。シャベル13a,13bの底面部24(図7(a)参照)と取付部26とは、腕12a、12bの閉じる方向に向いている面43に対して平行になるように設けられている。そのため、図5に示すように腕12a,12bを最も開いた状態では、シャベル13a,13bの底面部24(図7(a)参照)がゲーム空間5の床面14に対して垂直に向く。腕12a,12bを開いた状態で保持部10を降下させると、シャベル13a,13b(図7(a)参照)が床面14(図1参照)に対して垂直になるため、鉢15(図1参照)内にある複数のボール16同士の間に入りやすくなる。伸縮棒9が一杯に伸びた後、制御装置34(図2参照)は、本体部11(図6参照)内の図示しない開閉装置を駆動させて、腕12a,12bを最も閉じた状態にする。腕12a,12bの先端に設けられたシャベル13a,13bは、複数のボール16同士の間に床面14(図1参照)に対して垂直に入り、さらに1つのボール16の直径に合わせて底面部24(図7(a)参照)の幅と長さとが決められて形成されているため、シャベル13a,13bが閉じる際に、ボール16を1つだけ拾い、シャベル13a,13bの両方のコの字型の開口が閉じ合わさってできた空間に収容して持ち上げる(図6参照)。制御装置34(図2参照)は、図1に示されている伸縮棒9に設けられた図示しない移動機構を駆動させて伸縮棒9を縮める。これにより、保持部10は、シャベル13a,13bに1つのボール16をおおよそ確実に保持しつつゲーム空間5の上方へ上昇する。なお、保持部10が鉢15の真上に位置していなかったり、シャベル13a,13bがボール16を拾うことに失敗していたりという状況で保持部10がボール16を保持していない場合には、腕12a,12bは閉じているがボール16を保持していない状態で上記動作を行う。
【0021】
制御装置34(図2参照)は、図1に示す搬送装置6の固定レール7と移動レール8とに設けられた図示しない移動機構を駆動させることにより、保持部10を初期位置へ移動させる。保持部10が初期位置に移動すると、制御装置34(図2参照)は本体部11(図5参照)内の図示しない開閉装置を駆動させて、腕12a,12bを最も開いた状態にする。図1に示すように保持部10の初期位置の真下には的部17が設けられているため、シャベル13a,13bにボール16を保持している状態で腕12a,12bが開くと、ボール16が的部17の玉受け器29の天板30へ向かって落下する。ボール16の落下に十分な時間が経過した後、制御装置34(図2参照)は本体部11(図4参照)内の図示しない開閉装置を駆動させて、腕12a,12bを初期状態に戻す。なお、保持部10がボール16を保持していない場合には、同様に上記動作を実施した後、1回のゲームが終了する。
【0022】
図1に示すようにボール16が天板30へ向かって落下するとき、腕12a,12bが開いたときの動きやシャベル13a,13bでのボール16の保持状態等のばらつきによって、ボール16の天板30における落下点がばらつく。このため、ボール16は天板30(図9参照)の当たり穴31又は外れ穴32のいずれかに直接入るか、天板30の当たり穴31又は外れ穴32の無い位置に当たりはじかれる。ボール16(図1参照)が天板30(図9参照)の当たり穴31又は外れ穴32の無い位置に当たりはじかれた場合は、網部28(図8参照)はボール16(図1参照)が落下して跳ねた際にボール16(図1参照)が網部28(図8参照)の内周からゲーム空間5(図1参照)へ飛び出すことのない高さに設けられているため、ボール16は網部28(図9参照)に跳ね返り、再度天板30に落下する。ボール16(図1参照)は当たり穴31(図9参照)又は外れ穴32のいずれかに直接入るか、天板30の当たり穴31又は外れ穴32の無い位置に当たりはじかれることを繰り返し、最終的には当たり穴31又は外れ穴32のいずれかに入る。ボール16(図1参照)が外れ穴32(図9参照)のいずれかに入った場合は、1回のゲームが終了する。
【0023】
ボール16(図1参照)が当たり穴31(図9参照)に入った場合は、当たり穴31に設けられた検知スイッチ33がオンになり、信号を制御装置34(図2参照)へ入力する。制御装置34は無線送信装置35を動作させ、無線送信装置35は無線信号を送信する。サービスカウンタ36(図3参照)の無線受信装置37が該無線信号を受信し、通知装置38を動作させることにより、景品獲得ゲーム装置1(図1参照)が設置されている店舗の係員A(図3参照)にゲームの結果を通知し、1回のゲームが終了する。係員はボール16(図1参照)と引き換えに、プレーヤに希望する景品を渡す。
【0024】
このように、ゲーム空間5と、ゲーム空間5内に収容された1つ以上のボール16と、ボール16を拾って保持し、ゲーム空間5内を移動することができる保持部10と、保持部10に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕12a,12bと、腕12a,12bの先端にそれぞれ設けられているシャベル13a,13bと、ボール16を収容する少なくとも1つの当たり穴31を有する的部17とを備えた景品獲得ゲーム装置1において、シャベル13a,13bは、腕12a,12bの閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部24と、底面部24の周縁のうち、底面部24に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部25とを備え、腕12a,12bを閉じて腕12a,12bのシャベル13a,13bの底面部24と側面部25とで囲まれた空間内にボール16を保持し、腕12a,12bを開いてシャベル13a,13bからボール16を的部17に落下させ、ボール16の収容されたのが当たり穴31であれば、景品を獲得できることで、希望する景品を獲得することができる。
【0025】
この実施の形態では、シャベル13a,13bの材料にアルミニウム合金を用いているが、ボール16を拾い、保持するために必要な強度が確保できれば他の種類の金属や樹脂等が材料であってもよい。また、この実施の形態ではシャベル13a,13bの大きさ及び形状は、底面部24が長方形の板状であり、底面部24のコの字型の開口側に向いている面の寸法のうち、側面部25,25間の距離(底面部24の幅)が43mm、底面部24の幅に対して垂直方向である底面部24の長さが41mmとなるように形成されていたが、ボール16の大きさに応じて、ボール16を拾い、保持できる適当な大きさ及び形状にしてもよい。
【0026】
この実施の形態では、保持部10の腕及びシャベルはそれぞれ2つであったが、それぞれ3つ以上であってもよい。その場合、腕及びシャベルの大きさ及び形状は、ボール16を拾い、保持できる適当な大きさ及び形状にしてもよい。
【0027】
この実施の形態では、側面部25は底面部24に対して垂直に設けられていたが、側面部25の底面部24に対する角度は垂直でなくてもよい。
【0028】
この実施の形態では、腕12a,12bとシャベル13a,13bとは別々に形成されていたが、腕とシャベルが一体形成されていてもよい。
【0029】
この実施の形態では、当たり穴31を一つ設け、外れ穴32を14つ設けていたが、当たり穴31は1つ以上の適当な数を設ければよく、外れ穴32は設けないか、1つ以上の適当な数を設けるかのいずれかでもよい。
【0030】
この実施の形態では、保持対象物は、ピンポン玉であるボール16であったが、他の球状の物を用いてもよいし、他の球状以外の任意の形状の物を用いてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 景品獲得ゲーム装置、5 ゲーム空間、10 保持部、12a、12b 腕、13a、13b シャベル(保持部材)、14 床面、16 ボール(保持対象物)、17 的部、24 底面部、25 側面部、31 当たり穴(穴)、32 外れ穴(穴)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2014年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明に係る景品獲得ゲーム装置は、ゲーム空間と、ゲーム空間内に収容されたつ以上の球形の保持対象物と、保持対象物を拾って保持し、ゲーム空間内を移動することができる保持部と、保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部とを備えた景品獲得ゲーム装置であって、保持部材は、腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部とを備え、保持部材は、保持対象物を保持する際に、2つ以上の保持対象物の間に、ゲーム空間の床面に対して垂直に入り込み、腕を閉じて腕の保持部材の底面部と側面部とで囲まれた空間内に保持対象物を保持し、腕を開いて保持部材から保持対象物を的部に落下させ、保持対象物の収容された穴の位置に応じて、景品を獲得できる。
保持部材が、腕と一体に形成されていてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この発明によれば、ゲーム空間と、ゲーム空間内に収容されたつ以上の球形の保持対象物と、保持対象物を拾って保持し、ゲーム空間内を移動することができる保持部と、保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部とを備えた景品獲得ゲーム装置であって、保持部材は、腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部とを備え、保持部材は、保持対象物を保持する際に、2つ以上の保持対象物の間に、ゲーム空間の床面に対して垂直に入り込み、腕を閉じて腕の保持部材の底面部と側面部とで囲まれた空間内に保持対象物を保持し、腕を開いて保持部材から保持対象物を的部に落下させ、保持対象物の収容された穴の位置に応じて、景品を獲得できることで、希望する景品を獲得することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間と、
前記ゲーム空間内に収容されたつ以上の球形の保持対象物と
前記保持対象物を拾って保持し、前記ゲーム空間内を移動することができる保持部と、
前記保持部に設けられ、開閉することのできる少なくとも2つの腕と、
前記腕の先端にそれぞれ設けられている保持部材と、
前記保持対象物を収容する少なくとも1つの穴を有する的部と、
を備えた景品獲得ゲーム装置であって、
前記保持部材は、
腕の閉じる方向に向けて設けられた板状の底面部と、
前記底面部に対して同一平面上ではない向きに伸びる側面部と、
を備え、
前記保持部材は、前記保持対象物を保持する際に、2つ以上の前記保持対象物の間に、前記ゲーム空間の床面に対して垂直に入り込み、前記腕を閉じて前記腕の前記保持部材の前記底面部と前記側面部とで囲まれた空間内に前記保持対象物を保持し、前記腕を開いて前記保持部材から前記保持対象物を前記的部に落下させ、前記保持対象物の収容された前記穴の位置に応じて、景品を獲得できる景品獲得ゲーム装置。
【請求項2】
前記保持部材が、前記腕と一体に形成されている、請求項1に記載の景品獲得ゲーム装置。