特開2015-154083(P2015-154083A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-154083基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-154083(P2015-154083A)
(43)【公開日】2015年8月24日
(54)【発明の名称】基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20150728BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-26512(P2015-26512)
(22)【出願日】2015年2月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0016469
(32)【優先日】2014年2月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン, ジュンジン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ビョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム, キョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨンキ
(72)【発明者】
【氏名】シン, ヤンシク
(72)【発明者】
【氏名】キム, チャンドル
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA37
5F131BB04
5F131CA32
5F131CA39
5F131DA33
5F131DA35
5F131DA36
5F131DB02
5F131DB57
5F131DB76
5F131DB82
5F131EB72
5F131HA02
5F131HA22
(57)【要約】
【課題】トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなく、プロセスチャンバー内に配置される基板の数を増加させることができる基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の基板処理装置は、外部から搬送された基板Wが配置され、内部が真空状態と大気圧状態とに切り換えられるロードロックチャンバー106と、基板Wに対する処理が行われる基板処理モジュール110と、ロードロックチャンバー106と基板処理モジュール110との間に配置され、基板Wを搬送するトランスファーチャンバー102と、トランスファーチャンバー102の内部に設けられ、基板Wを搬送する基板搬送ロボット500とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から搬送された基板が配置され、内部が真空状態と大気圧状態とに切り換えられるロードロックチャンバーと、
前記基板に対する処理が行われる基板処理モジュールと、
前記ロードロックチャンバーと前記基板処理モジュールとの間に配置され、前記基板を搬送するトランスファーチャンバーと、
前記トランスファーチャンバーの内部に設けられ、前記基板を搬送する基板搬送ロボットとを備えており、
前記基板搬送ロボットは、
前記トランスファーチャンバーの下部に回転可能に設けられたベースフレームと、
一端が前記ベースフレームに回転可能に連結された第1回転フレームと、
一端が前記第1回転フレームの他端に回転可能に連結された第2回転フレームと、
一端が前記第2回転フレームの他端に回転可能に連結されたアームと、該アームの他端に連結されて前記基板を載置することができるホルダーとを備えた搬送フレームと、を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記トランスファーチャンバーは、水平断面が円形である内部空間を備えており、
前記第1回転フレームは、直線形状で、前記内部空間の半径よりも短い長さを有しており、
前記第1回転フレームの前記一端は、前記内部空間の中央部に配置されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記トランスファーチャンバーは、水平断面が円形である内部空間を備えており、
前記搬送フレームは、直線形状で、前記内部空間の直径より短い長さを有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板搬送ロボットは、
前記トランスファーチャンバーと前記ベースフレームとに結合する中心軸と、
前記ベースフレームと前記第1回転フレームの一端とに結合する第1回転軸と、
前記第1回転フレームの他端と前記第2回転フレームの一端とに結合する第2回転軸と、
前記第2回転フレームの他端と前記アームの一端とに結合する第3回転軸と、
前記中心軸、前記第1回転軸、前記第2回転軸、及び前記第3回転軸にそれぞれ連結され、前記中心軸、前記第1回転軸、前記第2回転軸、及び前記第3回転軸に回転駆動力をそれぞれ提供する中心モーター、第1モーター、第2モーター、及び第3モーターとを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板処理モジュールは、
隔壁によって区画される第1処理空間と第2処理空間とを有し、一側に前記第1処理空間と前記第2処理空間に基板をそれぞれ搬出入する第1通路と第2通路とが形成されたプロセスチャンバーと、
該プロセスチャンバーの内部に設けられ、前記第1通路と前記第2通路との前方にそれぞれ配置され、上方と下方とに貫通して形成された複数の貫通孔を有し、処理進行時に上部に前記基板が載置される第1サセプターと、
前記プロセスチャンバーの内部に設けられ、前記第1通路と前記第1サセプターの間及び前記第2通路と前記第1サセプターの間にそれぞれ配置され、上方と下方とに貫通して形成された複数の貫通孔を有し、処理進行時に上部に前記基板が載置される第2サセプターと、
前記第1サセプターと前記第2サセプターの下部にそれぞれ設けられ、前記貫通孔を通って移動可能な複数のリフトピンとを含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板処理モジュールは、
前記リフトピンに連結され、前記リフトピンの上端が前記ホルダーより高く位置する収容高さと前記リフトピンの上端が前記サセプターの上部面より低く位置するロード高さとに移動させることができるリフトピン駆動モジュールを含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板搬送ロボットは、
前記中心モーター、前記第1モーター、前記第2モーター、及び前記第3モーターに連結され、前記ホルダーがトランスファーチャンバーの内部に位置する回転位置と前記ホルダーが前記基板処理モジュールの内部に位置するロード位置とに移動するように、前記中心モーター、前記第1モーター、前記第2モーター、及び前記第3モーターを制御する制御部を含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ロード位置は、
前記ホルダーが前記第1サセプターの上方に位置する第1ロード位置と前記ホルダーが第2サセプターの上方に位置する第2ロード位置との何れか一方の位置である、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ロード位置で、前記第2回転フレームが、前記第1回転フレームを基準として、前記ホルダーと同じ側に位置する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記回転位置で、前記第2回転フレームが、前記第1回転フレームを基準として前記ホルダーの反対側に位置する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ホルダーが前記回転位置と前記ロード位置とに移動するとき、
前記制御部は、前記第1モーターと前記第3モーターを同じ方向に回転させ、前記第2モーターを前記第1モーターと異なる方向に回転させる、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項12】
回転可能なベースフレームと、
前記ベースフレームに回転可能に直列に連結される1つ以上の回転フレームと、
一端が前記回転フレームに回転可能に連結されたアームと、該アームの他端に連結されて前記基板を載置することができるホルダーとを備えた搬送フレームと、
前記ベースフレーム、前記回転フレーム、及び前記搬送フレームに連結され、前記ベースフレーム、前記回転フレーム、及び前記搬送フレームを回転させて前記ホルダーの移動距離を制限する制御部と、を含む基板搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳細には、トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなく、プロセスチャンバー内に配置される基板の数を増加させることができる基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)方式の基板処理装置では、2つ以上のウエハを一つのチャンバー(Chamber)内で処理を行うためにサセプターに搬送する場合、一般に基板搬送ロボット(Transfer Robot)を用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第2007−0080767号公報(公開日:2007年8月13日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなく、プロセスチャンバー内に配置される基板の数を増加させることができる基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、同一処理内により多くの基板を処理することができる基板搬送ロボット及びそれを用いた基板処理装置を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、以下の詳細な説明と添付の図面により、さらに明確になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、基板処理装置は、外部から搬送された基板が配置され、内部が真空状態と大気圧状態とに切り換えられるロードロックチャンバーと、前記基板に対する処理が行われる基板処理モジュールと、前記ロードロックチャンバーと前記基板処理モジュールとの間に配置され、前記基板を搬送するトランスファーチャンバーと、前記トランスファーチャンバーの内部に設けられ、前記基板を搬送する基板搬送ロボットとを備えることができる。
【0008】
前記基板搬送ロボットは、前記トランスファーチャンバーの下部に回転可能に設けられたベースフレームと、一端が前記ベースフレームに回転可能に連結された第1回転フレームと、一端が前記第1回転フレームの他端に回転可能に連結された第2回転フレームと、一端が前記第2回転フレームの他端に回転可能に連結されたアーム及び該アームの他端に連結されて前記基板を載置することができるホルダーを備えた搬送フレームと、を含むことができる。
【0009】
前記トランスファーチャンバーは、水平断面が円形である内部空間を備えることができる。
【0010】
前記第1回転フレームは、直線形状で、前記内部空間の半径よりも短い長さを有しており、前記第1回転フレームの前記一端は、前記内部空間の中央部に配置されることができる。
【0011】
前記搬送フレームは、直線形状で、前記内部空間の直径より短い長さを有することができる。
【0012】
前記基板搬送ロボットは、前記トランスファーチャンバーと前記ベースフレームとに結合する中心軸と、前記ベースフレームと前記第1回転フレームの一端とに結合する第1回転軸と、前記第1回転フレームの他端と前記第2回転フレームの一端とに結合する第2回転軸と、前記第2回転フレームの他端と前記アームの一端とに結合する第3回転軸と、前記中心軸、前記第1回転軸、前記第2回転軸、及び前記第3回転軸にそれぞれ連結され、前記中心軸、前記第1回転軸、前記第2回転軸、及び前記第3回転軸に回転駆動力をそれぞれ提供する中心モーター、第1モーター、第2モーター、及び第3モーターとを含むことができる。
【0013】
前記基板処理モジュールは、隔壁によって区画される第1処理空間と第2処理空間とを有し、一側に前記第1処理空間と前記第2処理空間に基板をそれぞれ搬出入する第1通路と第2通路とが形成されたプロセスチャンバーと、該プロセスチャンバーの内部に設けられ、前記第1通路と前記第2通路との前方にそれぞれ配置され、上方と下方とに貫通して形成された複数の貫通孔を有し、処理進行時に上部に前記基板が載置される第1サセプターと、前記プロセスチャンバーの内部に設けられ、前記第1通路と前記第1サセプターの間及び前記第2通路と前記第1サセプターの間にそれぞれ配置され、上方と下方とに貫通して形成された複数の貫通孔を有し、処理進行時に上部に前記基板が載置される第2サセプターと、前記第1サセプターと前記第2サセプターの下部にそれぞれ設けられ、前記貫通孔を通って移動可能な複数のリフトピンとを含むことができる。
【0014】
前記基板処理モジュールは、前記リフトピンに連結され、前記リフトピンの上端が前記ホルダーより高く位置する収容高さと前記リフトピンの上端が前記サセプターの上部面より低く位置するロード高さとに移動させることができるリフトピン駆動モジュールを含むことができる。
【0015】
前記基板搬送ロボットは、前記中心モーター、前記第1モーター、前記第2モーター、及び前記第3モーターに連結され、前記ホルダーがトランスファーチャンバーの内部に位置する回転位置と前記ホルダーが前記基板処理モジュールの内部に位置するロード位置とに移動するように、前記中心モーター、前記第1モーター、前記第2モーター、及び前記第3モーターを制御する制御部を含むことができる。
【0016】
前記ロード位置は、前記ホルダーが前記第1サセプターの上方に位置する第1ロード位置と前記ホルダーが第2サセプターの上方に位置する第2ロード位置との何れか一方の位置とすることができる。
【0017】
前記ロード位置で、前記第2回転フレームが、前記第1回転フレームを基準として、前記ホルダーと同じ側に位置するよう構成することができる。
【0018】
前記回転位置で、前記第2回転フレームが、前記第1回転フレームを基準として前記ホルダーの反対側に位置するよう構成することができる。
【0019】
前記ホルダーが前記回転位置と前記ロード位置とに移動するとき、前記制御部が、前記第1モーターと前記第3モーターを同じ方向に回転させ、前記第2モーターを前記第1モーターと異なる方向に回転させるよう構成することができる。
【0020】
本発明の他の実施形態によると、基板搬送ロボットは、回転可能なベースフレームと、前記ベースフレームに回転可能に直列に連結される1つ以上の回転フレームと、一端が前記回転フレームに回転可能に連結されたアーム及び該アームの他端に連結されて前記基板を載置することができるホルダーを備えた搬送フレームと、前記ベースフレーム、前記回転フレーム、及び前記搬送フレームに連結され、前記ベースフレーム、前記回転フレーム、及び前記搬送フレームを回転させて前記ホルダーの移動距離を制限する制御部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によると、トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなく、プロセスチャンバー内に配置される基板の数を増加させることができる。また、複数の基板に対する処理を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略図である。
図2】本発明の一実施形態による基板処理装置の作動状態を示したものである。
図3】本発明の一実施形態による基板処理装置の作動状態を示した詳細図である。
図4】本発明の一実施形態による基板搬送ロボットの作動状態を示したものである。
図5】本発明の一実施形態による基板処理モジュールの断面図である。
図6】本発明の一実施形態による基板をプロセスチャンバー内に搬送する過程を示したものである。
図7】本発明の一実施形態による基板をプロセスチャンバーから引出する過程を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図1図7を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0024】
しかしながら、本発明の実施形態は様々な形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されると解釈してはならない。本実施形態は、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。
【0025】
従って、図面に示された各要素の形状や大きさは、より明確な説明のために誇張されることがあり、また、同じ参照符号を同じまたは同様の要素を示すために用いる。
【0026】
一方、以下では蒸着処理を例に挙げて説明するが、本発明は、蒸着処理を含む様々な処理に応用できる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示したものである。本発明の一実施の形態における基板処理装置1は、処理設備2と、設備前方端部モジュール(Equipment Front End Module:EFEM)3と、境界壁(interface wall)4と、を含む。設備前方端部モジュール3は、処理設備2の前方に装着されており、基板を受け取り収容する容器(図示していない)と処理設備2との間で基板を搬送する。
【0028】
設備前方端部モジュール3は、複数のロードポート(load ports)60とフレーム部分(frame part)50を有する。フレーム50は、ロードポート60と処理設備2との間に位置する。基板を受け取り収容する容器は、オーバーヘッドトランスファー(overhead transfer)、オーバーヘッドコンベア(overhead conveyor)、または自動案内車両(automatic guided vehicle)のような搬送手段(図示していない)によってロードポート60上に置かれる。
【0029】
容器には、前面開放一体型ポッド(Front Open Unified Pod:FOUP)のような密閉容器を用いることができる。フレーム50内には、ロードポート60に置かれた容器と処理設備2との間で基板を搬送するフレームロボット70を設けることができる。フレーム50内には、容器のドアを自動開閉するドアオープナー(図示していない)を設けることができる。さらに、フレーム50内には、清浄空気がフレーム50内の上部から下部に流れるように清浄空気をフレーム50内に供給するファンフィルターユニット(Fan Filter Unit:FFU、図示していない)を設けることができる。
【0030】
基板には、処理設備2内で所定の処理を行うことができる。処理設備2は、トランスファーチャンバー102と、ロードロックチャンバー(loadlock chamber)106と、基板処理モジュール110と、を含むことができる。トランスファーチャンバー102は、内部で基板の搬送を行うもので、通常、上方からみて多角形であり、断面が円形の内部空間を有する。ロードロックチャンバー106と基板処理モジュール110は、トランスファーチャンバー102の側面に設けることができる。
【0031】
ロードロックチャンバー106は、設備前方端部モジュール3と隣接する側部に、トランスファーチャンバー102との間に配置することができる。基板は、ロードロックチャンバー106内に一時的に留められてから、処理設備2にロードされて、処理が行われる。処理完了後、基板は処理設備2からアンロードされて、ロードロックチャンバー106内に一時的に留められる。トランスファーチャンバー102と基板処理モジュール110は、その内部を真空状態に保持されるが、ロードロックチャンバー106の内部は、真空と大気圧に切り換ることができる。ロードロックチャンバー106は、外部の汚染物質がトランスファーチャンバー102と基板処理モジュール110の内部に流入することを防止することができる。さらに、基板の搬送中に基板が大気にさらされないため、基板上に酸化膜が成長することを防止することができる。
【0032】
ロードロックチャンバー106とトランスファーチャンバー102との間、及び、ロードロックチャンバー106と設備前方端部モジュール3との間には、ゲートバルブ(図示していない)を設けることができる。設備前方端部モジュール3とロードロックチャンバー106との間で基板を搬送する場合、ロードロックチャンバー106とトランスファーチャンバー102との間に設けられたゲートバルブを閉じることができる。ロードロックチャンバー106とトランスファーチャンバー102との間で基板を搬送する場合、ロードロックチャンバー106と設備前方端部モジュール3との間に設けられたゲートバルブを閉じることができる。
【0033】
基板搬送ロボット500は、トランスファーチャンバー102の内部に設けることができる。基板搬送ロボット500は、ロードロックチャンバー106と基板処理モジュール110との間で基板を搬送することができる。トランスファーチャンバー102は、基板を搬送する際に、内部を真空状態を保持するために密封されることができる。真空状態を保持するのは、基板が汚染物(例えば、O、粒子状物質など)にさらされることを防止するためである。
【0034】
基板処理モジュール110は、基板上に薄膜を蒸着するために用意することができる。図1は、基板処理モジュール110が4つの処理チャンバー120を含む場合を示したものであるが、基板処理モジュール110は、5つ以上の処理チャンバー120を含むことができる。さらに、他の処理(例えば、洗浄やエッチング)を行うモジュールをトランスファーチャンバー102の側面に設けることができる。
【0035】
図2の(A)〜(C)は、本発明の一実施形態による基板処理装置の作動状態を示したものである。図3の(A)〜(C)は、本発明の一実施形態による基板処理装置の作動状態を示す詳細図である。図4の(A)〜(C)は、本発明の一実施形態による基板搬送ロボットの作動状態を示したものである。図2の(A)〜(C)に示したように、基板搬送ロボット500は、ベースフレーム510と、第1回転フレーム520と、第2回転フレーム530と、搬送フレーム540と、制御部(図示していない)と、を含むことができる。
【0036】
ベースフレーム510は、トランスファーチャンバー102の内部空間の中央部に設けて、第1回転軸512を介して第1回転フレーム520に連結することができる。ベースフレーム510は、中心軸(図示していない)を介してトランスファーチャンバー102の下部面に回転可能に結合することができる。この場合、中心モーター503が中心軸に連結されて、中心軸に回転駆動力を提供することで、ベースフレーム510を回転させることができる。ベースフレーム510が回転することにより、後述するホルダー544がトランスファーチャンバー102とプロセスチャンバー120の入口に位置することができる。
【0037】
第1回転フレーム520は、ベースフレーム510の上方に配置して、第1回転軸512を介して第1回転フレーム520の一端をベースフレーム510に回転可能に連結することができる。この場合、第1モーター513を第1回転軸512に連結して第1回転軸512に回転駆動力を提供することにより、第1回転フレーム520を回転させることができる。第1回転フレーム520が回転することにより、第1回転フレーム520に連結された搬送フレーム540のホルダー544は、ロードロックチャンバー106または基板処理モジュール110の入口に位置することができる。
【0038】
第1回転フレーム520の一端は、トランスファーチャンバー102の内部空間の中央部に配置することができる。第1回転フレーム520は、直線形状で、トランスファーチャンバー102の内部空間の半径よりも短い長さを有することができる。そうすることで、トランスファーチャンバー102の内側面に当たることなく、第1回転フレーム520を回転させることができる。
【0039】
第2回転フレーム530は、第1回転フレーム520の上部に配置して、第2回転軸522を介して第2回転フレーム530の一端を第1回転フレーム520の他端に回転可能に連結することができる。この場合、第2モーター523を第2回転軸522に連結して第2回転軸522に回転駆動力を提供することにより、第2回転フレーム530を回転させることができる。即ち、搬送フレーム540のホルダー544がロードロックチャンバー106または基板処理モジュール110の入口に位置した状態で、第2回転フレーム530を回転させることにより、ホルダー544をロードロックチャンバー106または基板処理モジュール110の内部または外部に移動させることができる。
【0040】
搬送フレーム540は、第2回転フレーム530の上部に配置することができ、また、アーム542とホルダー544をそれぞれ含むことができる。アーム542の一端は、第3回転軸532を介して第2回転フレーム530の他端に回転可能に連結することができる。この場合、第3モーター533を第3回転軸532に連結して第3回転軸532に回転駆動力を提供することにより、搬送フレーム540を回転させることができる。ホルダー544をアーム542の他端に連結することができ、基板Wをホルダー544上に配置することができる。
【0041】
図2の(A)に示したように、搬送フレーム540は、直線形状で、トランスファーチャンバー102の内部空間Sの直径よりも短い長さLを有することができる。
搬送フレーム540のホルダー544をロードロックチャンバー106または基板処理モジュール110の入口に移動させると、トランスファーチャンバー102の内側面に当たることなく、搬送フレーム540を回転させることができる。
【0042】
制御部は中心モーター503、第1モーター513、第2モーター523、及び第3モーター533に連結することができ、ホルダー544がトランスファーチャンバー102の内部に位置する回転位置とホルダー544がプロセスチャンバー120の内部に位置するロード位置とに移動できるように、中心モーター503、第1モーター513、第2モーター523及び第3モーター533を制御することができる。
【0043】
この場合、ロード位置は、ホルダー544が第1サセプター141、142上に位置する第1ロード位置と、ホルダー544が第2サセプター143、144上に位置する第2ロード位置との、何れか一方の位置とすることができる。即ち、図2の(B)のように、ホルダー544が回転位置と第1ロード位置との間で移動すると、ホルダー544は距離L1分だけ移動することができる。一方、図2の(C)のように、ホルダー544が回転位置と第2ロード位置との間で移動すると、ホルダー544は距離L2分だけ移動することができる。
【0044】
図2の(B)及び(C)を参照すると、ロード位置においては、第2回転フレーム530とホルダー544は、第1回転フレーム520を基準として同じ側に位置することができる。また、図2の(A)を参照すると、回転位置においては、第2回転フレーム530は、第1回転フレーム520を基準としてホルダー544の反対側に位置することができる。
【0045】
さらに、ホルダー544が回転位置とロード位置との間で移動する場合、制御部は、第1モーター513と第3モーター533とを同じ方向に回転させ、一方、第2モーター523を第1モーター513と異なる方向に回転させる。
【0046】
ここで、図3の(A)〜(C)を参照して、基板搬送ロボット500が複数の基板をプロセスチャンバー120に搬送する過程を説明する。
【0047】
まず最初に、図3の(A)に示したように、第1回転フレーム520と第2回転フレーム530との回転によって、搬送フレーム540がトランスファーチャンバー102の内部空間Sに位置する準備段階が行われる。
【0048】
次いで、図3の(B)に示したように、第1回転フレーム520と第2回転フレーム530との回転によって、搬送フレーム540のホルダー544が第1サセプター141、142上に位置する第1搬送段階が行われる。
【0049】
その後、図3の(C)に示したように、第1回転フレーム520と第2回転フレーム530との回転によって、搬送フレーム540のホルダー544が第2サセプター143、144上に位置する第2搬送段階が行われる。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態による基板処理モジュールの断面図である。図5を参照すると、基板処理モジュール110は、プロセスチャンバー120と、複数のサセプター141、142、143、144と、複数のリフトピン161と、リフトピン駆動モジュール162と、を含むことができる。
【0051】
プロセスチャンバー120は処理空間を提供することができ、基板Wに対する処理は処理空間内で行うことができる。プロセスチャンバー120の内部には隔壁122を設けることができ、この隔壁122によってプロセスチャンバー120の処理空間を第1処理空間120aと第2処理空間120bとに分離することができる。
【0052】
プロセスチャンバー120は、その一側に形成された通路130を有することができ、この通路130を介して基板W1、W2をプロセスチャンバー120の内部に搬出入することができる。即ち、第1処理空間120aに対応するプロセスチャンバー120の一側には第1通路131を形成することができ、第2処理空間120bに対応するプロセスチャンバー120の一側には第2通路(図示していない)を形成することができる。ゲートバルブ170は第1と第2通路130の外側に設けることができ、第1及び第2通路130はゲートバルブ170によって開放または閉鎖することができるようになっている。上述したように、基板搬送ロボット500は、基板W1、W2とともに、第1及び第2通路130を介してプロセスチャンバー120の内部に移動することができる。基板W1、W2を後述するリフトピン161の上端やフォーク155上に載置すると、第1及び第2通路130を介して基板W1、W2をプロセスチャンバー120の外部に移動させることができる。この場合、第1及び第2通路130は、ゲートバルブ170により開放される。
【0053】
プロセスチャンバー120は、その底面の端に形成された排気ポート124を有することができ、この排気ポート124は、各サセプター141、142、143、144の外側にそれぞれ配置することができる。処理進行時の反応副産物や未反応ガスは、排気ポート124を介してプロセスチャンバー120の外部に排出することができる。
【0054】
複数のサセプター141、142、143、144は、プロセスチャンバー120の内部に設けることができ、サセプター141、142、143、144の上面に貫通する貫通孔145を形成することができる。第1サセプター141、142及び第2サセプター143、144は、基板Wが搬入される方向と平行に規則的に順に並べて配置することができる。第2サセプター143と144は、第1通路130と対応する位置に配置することができ、第1サセプター141と142は、第2サセプター143と144の内側に配置することができる。この場合、基板W1、W2は、基板搬送ロボット500を介してプロセスチャンバー120の内部に移動することができ、処理を実行するときに、基板W1、W2を第1サセプター141と142、及び、第2サセプター143と144上に載置することができる。第1サセプター141と142、及び、第2サセプター143と144は、それぞれ支持軸146によって支持することができ、支持軸146は、プロセスチャンバー120の底表面に固定することができる。
【0055】
第2サセプター143と144は、それぞれ通路130の(通路130を介してプロセスチャンバー120の内部に基板W1、W2が移動する方向における)前方に位置することができる。全てのサセプター141、142、143、144上にそれぞれ個々の基板W1、W2を載置した状態で、処理を開始することができる。それぞれの基板W1、W2に対して処理を同時に行うことができる。従って、一度に4枚の基板に対する処理を完了することができるため、生産性を確保することができる。
【0056】
リフトピン161は、サセプター141、142、143、144の下部にそれぞれ設けられており、貫通孔145を通って移動可能となっている。即ち、リフトピン161の上端がサセプター141、142、143、144の貫通孔145を貫通してサセプター141、142、143、144の上面から突出することにより、後述する収容高さに位置することができる。また、リフトピン161の上端がリフトピン161の上端が貫通孔145の内部またはサセプター141、142、143、144の下方に位置することにより、後述するロード高さに位置することができる。リフトピン161は、収容高さで基板搬送ロボット500から基板W1、W2をそれぞれ受け取ることができ、そして、リフトピン161がロード高さに移動することができることにより、受け取った基板W1、W2をサセプター141、142、143、144上に配置することができる。リフトピン161は、リフトピン駆動モジュール162によって昇降することができる。
【0057】
図6の(A)〜(F)は、本発明の一実施形態による基板をプロセスチャンバー内に搬送する過程を示したものである。図6の(A)〜(F)を参照して、基板W1、W2を第1サセプター141、142及び第2サセプター143、144上に載置する過程を説明する。
【0058】
まず最初に、基板W1が載置されたホルダー544は、基板搬送ロボット500によって第1サセプター141、142上に位置することができる。
【0059】
その後、リフトピン駆動モジュール162によって、第1サセプター141、142用のリフトピン161の上端を、ホルダー544よりも高い位置(「収容高さ」)にする。この場合、基板W1をリフトピン161の上端に載置することができる。
【0060】
その後、ホルダー544は、通路130を介してプロセスチャンバー120の外部に移動することができる。この場合、プロセスチャンバー120に搬送する基板W2をホルダー544上に載置することができる。さらに、リフトピン161の上端を第1サセプター141、142の上部面より低い位置(「ロード高さ」)にすることができる。即ち、基板W1を第1サセプター141、142の上面に載置することができる。
【0061】
その後、基板搬送ロボット500によって、基板W2が載置されたホルダー544を第2サセプター143、144上に位置させることができる。
【0062】
その後、リフトピン駆動モジュール162によって、第2サセプター143、144用のリフトピン161を収容高さに位置させることができる。この場合、基板W2をリフトピン161の上端に載置することができる。
【0063】
その後、通路130を介して、ホルダー544をプロセスチャンバー120の外部に移動することができる。さらに、リフトピン161をロード高さに位置させることができる。即ち、基板W2を第2サセプター143、144の上面に載置することができる。
【0064】
上記では、基板W1を第1サセプター141、142上に載置してから、基板W2を第2サセプター143、144上に載置する順序で説明したが、基板W2を第2サセプター143、144上に載置した後で、基板W1を第1サセプター141、142上に載置することもできる。
【0065】
図7の(A)〜(F)は、本発明の一実施形態で説明したプロセスチャンバーから基板を引出す過程を示した図である。図7の(A)〜(F)を参照して、第1サセプター141、142及び第2サセプター143、144から基板W1、W2を分離する過程を説明する。
【0066】
まず最初に、リフトピン駆動モジュール162は、第1サセプター141、142用のリフトピン161を収容高さに移動させることができる。
【0067】
その後、基板搬送ロボット500によって、ホルダー544を第1サセプター141、142の上方に移動することができる。
【0068】
その後、リフトピン駆動モジュール162が第1サセプター141、142用のリフトピン161をロード高さに移動させることができる。
ホルダー544は、通路130を介してプロセスチャンバー120の外部に移動することができる。この場合、ホルダー544に載置された基板W1は、基板搬送ロボット500によってロードロックチャンバー106に搬送することができる。
【0069】
次に、リフトピン駆動モジュール162は、第2サセプター143、144用のリフトピン161を収容高さに移動させることができる。
【0070】
その後、ホルダー544は、基板搬送ロボット500によって第2サセプター143、144の上方に移動することができる。
【0071】
その後、リフトピン駆動モジュール162が第2サセプター143、144用のリフトピン161をロード高さに移動させることができる。ホルダー544は、通路130を介してプロセスチャンバー120の外部に移動することができる。この場合、ホルダー544に載置された基板W2は、基板搬送ロボット500によってロードロックチャンバー106に搬送することができる。
【0072】
上記では、基板W1を第1サセプター141、142から離脱させてから、基板W2を第2サセプター143、144から離脱させる順序で説明したが、基板W2を第2サセプター143、144から離脱させた後で、基板W1を第1サセプター141、142から離脱させることもできる。
【0073】
上記では、第1回転フレーム、第2回転フレーム、及び搬送フレームの回転によって、トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなく複数の基板をプロセスチャンバーに搬出入することができる。
【0074】
上記では、本発明を好ましい実施形態で説明したが、トランスファーチャンバーのサイズを増大させることなくロセスチャンバー内の基板の数を増加させることができる。さらに、複数の基板に対して処理を同時に行うことができる。
【0075】
これまで、好ましい実施の形態を示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって記載された本発明の技術的思想と趣旨から離れない範囲内で改修したり変形することができることは、本発明の技術分野で通常の知識を有する者には明白であろう。
【符号の説明】
【0076】
102:トランスファーチャンバー、 106:ロードロックチャンバー、 110:基板処理モジュール、 120:プロセスチャンバー、 124:排気ポート、 130:通路、 141、142:第1サセプター、 143、144:第2サセプター、 145:貫通孔、 146:支持軸、 161:リフトピン、 162:リフトピン駆動モジュール、 170:ゲートバルブ、 500:基板搬送ロボット、 510:ベースフレーム、 520:第1回転フレーム、 530:第2回転フレーム、 540:搬送フレーム、 542:アーム、 544:ホルダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7