【解決手段】 1以上の操作ボタンを備える遊技機用のボタンユニットであって、前記操作ボタンは通常時の押し込み規制と、前記通常時の押し込み規制状態の押し込み深さよりも深い押し込み深さを有する特別時の押し込み規制状態とを切り替え制御可能に構成されたことを特徴とするボタンユニットであること、及びかかるボタンユニットを備えた遊技機であることを特徴とする。
1以上の操作ボタンを備える遊技機用のボタンユニットであって、前記操作ボタンは通常時の押し込み規制と、前記通常時の押し込み規制状態の押し込み深さよりも深い押し込み深さを有する特別時の押し込み規制状態とを切り替え制御可能に構成されたことを特徴とするボタンユニット。
前記通常時の押し込み規制状態及び前記特別時の押し込み規制状態は、前記操作ボタンの胴体部を受ける受け部の可動制御によって実現され、前記操作ボタンの押し込みを検知する検知センサをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のボタンユニット。
前記検知センサは、前記通常時の押し込み規制状態と前記特別時の押し込み規制状態とを別個に検出可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のボタンユニット。
前記通常時の押し込み規制状態及び前記特別時の押し込み規制状態は、前記操作ボタンの胴体部を受ける受け部の駆動制御によって実現され、前記操作ボタンの押し込みを検知する検知センサをさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【背景技術】
【0002】
回胴式遊技機(スロットマシン)、或いは回胴装置(スロット)を備えたスロットマシン等の遊技機(以下、「遊技機」と総称する)において、遊技機前面等に配置されたボタンの操作を伴う演出処理を行って遊技者への演出効果を高める工夫が行われてきた。
【0003】
例えば、操作ボタン等の操作手段を遊技者が遊技の中で容易に使いこなすことができ、また、その操作手段自体により演出効果を十分に向上させることが可能な遊技機が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すなわち、特許文献1には、遊技機本体の前側に外部操作可能な操作手段を備えた遊技機において、前記操作手段を、前記遊技機本体の外部方向に突出した突出位置と内部方向に退去した退去位置との間で摺動自在に保持する案内手段と、前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間中、前記操作手段を、前記退去位置から前記突出位置に移動させて保持する移動駆動手段とを備え、前記操作手段は、前記案内手段の案内方向に移動可能な操作ボタンと、該操作ボタンを外向きに弾性付勢する付勢手段と、前記操作ボタンが内向きに移動したときに該操作ボタン側の被検出部を検出することにより前記操作ボタンが操作されたことを検出する操作検出手段と、前記操作ボタンの内向き移動方向に対応して前記案内手段に固定された外部操作防止手段とを備え、前記操作手段が前記突出位置にあるときには、前記操作ボタンが前記付勢手段の付勢力に抗して押されたとき、前記操作ボタンが前記外部操作防止手段に当接するよりも前に前記操作検出手段が前記被検出部を検出し、前記操作手段が前記退去位置にあるときには、前記操作検出手段が前記被検出部を検出するよりも操作方向上流側で前記操作ボタンが前記外部操作防止手段に当接するように構成したことを特徴とする遊技機が開示されている。
【0005】
また、ボタン部を2段階にて大きく突出させるように工夫を凝らし、ボタン部の突出を遊技者に対して強く認識させるようにした遊技機のためのボタン式演出操作装置が提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、遊技機の前面に設けられるボタン式演出操作装置において、前記遊技機の前記前面から前方に延出する基準部位より突出可能なボタン部を有する操作体と、前記基準部位の前記ボタン部の突出側とは反対側にて前記操作体を進退可能に支持する駆動手段とを備えて、当該駆動手段は、回動部材と、前記操作体を進退可能に支持する従動部材であって幅広凹部及び幅狭凹部でもってL字状或いは逆L字状にくり抜き形成した凹所を有する従動部材とを備えて、前記操作体を、初期段階には、前記回動部材から延出する摺接部材の前記回動部材の回動に伴う前記凹所の前記幅狭部の内面から前記幅広凹部内への解離に基づき、バネ手段により前記基準部位から瞬時に突出させ、ついで、後段階にて、前記回動部材のさらなる回動に伴い、前記摺接部材の前記凹所の内面との摺接のもと、当該摺接部材により、前記従動部材を介し、前記初期段階よりも遅い速度にて、大きく突出させるようにしたことを特徴とする遊技機のためのボタン式演出操作装置が開示されている。
【0007】
ここで、従来のスロットマシン等の遊技機が備える一般的なボタンユニットの構造を
図8〜9に示す。
図8(A)は、スロットマシン等の遊技機の前面に配置されるボタンユニット80を遊技機正面から見た外観図を示している。
図8(A)において、ボタンユニット80は、第1回転リール停止ボタン81と、第2回転リール停止ボタン82と、第3回転リール停止ボタン83と、本体部84とを備える。第1回転リール停止ボタン81、第2回転リール停止ボタン82、第3回転リール停止ボタン83は、遊技機の回動装置に備えられた3つの回転リール(第1回転リール〜第3回転リール)をそれぞれ停止させるためのものである。
また、
図8(B)は、ボタンユニット80の断面構造の透視図を概念的に示したものであり、
図8(C)及び(D)は、回転リール停止ボタン81の詳細構造図である(回転リール停止ボタン82、83も同様の構造を有する)。また、
図9(A)及び(B)は、回転リール停止ボタン81が押下された場合の構造の変化の様子を示す(回転リール停止ボタン82、83も同様の構造の変化を伴う)。
【0008】
図8(B)に示されるように、第1回転リール停止ボタン81は、胴体部812と、係止部材811a及び811bと、軸部813とを備えるように成型されている。また、本体部84には、第1回転リール停止ボタン81がこれ以上ユニットの外側へ飛び出さないように係止部材811a及び811bを係止するための係止リブ841a及び841bが設けられている。また、停止ボタンの軸部813を挿入可能な穴部もしくは孔部が設けられた軸部受台842が設けられている。さらに、軸部受台842上部には、第1回転リール停止ボタン81が目いっぱい押下されたときに胴体部812の下面に当接してこれ以上のボタンの押し込みを規制するボタン受けリブ842bが立設されている。第1回転リール停止ボタン81の押し込みを解除した場合の戻しには、
図8(C)に示されるように、軸部813の軸径よりもやや大きい内径を有するコイル状バネ等の弾性体85が採用され、これを軸部813周りに装填することによりボタンの戻しが実現されている。
【0009】
すなわち、弾性体85が装填されてボタンユニットの本体部84に組み込まれた第1回転リール停止ボタン81は、
図8(D)に示されるように、胴体部812の下面と軸部受台842の上面とで弾性体85をやや縮めて挟み込むようにしてボタンユニットの本体部84に組み込まれる。このとき、弾性体85の弾性力(縮めて組み込まれているので上下の伸びようとする力が働く)により、停止ボタン81の胴体部812の下面には停止ボタン81が本体部84の上方へ飛び出す方向へ力がかかるが、停止ボタン側の係止部材811a及び811bが本体部84側の係止リブ841a及び841bによってしっかりと係止されているため、停止ボタン81は、押下されていないときに沈み込むことがなく、かつ、ボタン押下が解除されたときの戻りを備えるようにセッティングがなされている。
【0010】
図9(A)及び(B)は、このようにして本体部84に組み込まれた停止ボタン81のボタン押下に伴う構造の変化を示している。停止ボタン81上面の押下によって、停止ボタン81は、
図9(A)の状態から
図9(B)の状態まで沈み込み、胴体部812の下面とボタン受けリブ842bの上面とが当接することにより押し込みは規制される。ボタン押下が解除されると、弾性体85の弾性力により、再び、
図9(A)の状態まで停止ボタン81は戻される。
また、
図9(A)及び(B)に示されるように、ボタンユニットの本体部84内部の所定位置には光検知センサ91及び92が設けられており、ボタンが押し込まれた状態(B)になったときに、ちょうど係止部材811bが光検知センサ91及び92間の光を遮断するように設計されており、この光遮断状態がボタンの押下であると判断してメイン制御基板の入出力部(不図示)へ所定の信号(ボタンが押下されたことを示す信号)が送信される。
なお、以上の構造及びボタン押下に伴う構造の変化の様子は、第2回転リール停止ボタン82及び第3回転リール停止ボタン83についても同様である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明にかかるボタンユニット及び当該ボタンユニットを備えた遊技機(以下、単に「遊技機」ともいう)を実施するための形態について、図面を参照しながら詳述する。なお、「回胴」を「回転リール」とも呼ぶこととする。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態における遊技機の外観を示す。
図1(A)は、遊技機の正面図であり、
図1(B)は、遊技機の右側面図である。
【0020】
図1(A)及び(B)に示すように、遊技機100は、その機構上大きく分けると、前面が開口した筐体101と、筐体101の開口面にヒンジ等によって開閉可能に取り付けられていた前面扉102とを備えている。前面扉102の前面部分には、後述するように遊技者が遊技を行うためのボタン類や表示部等が配置されている。
【0021】
遊技機100の前面に位置する前面扉102の上部には、ディスプレイ部1021と、照明部(
図1において不図示)と、スピーカ部(
図1において不図示)とが配置されている。また、前面扉102の中段上部には、表示窓103が設けられている。遊技者は、この表示窓103から筐体101の内部に収納されている複数の回転リールの外周面を目視することができる。
【0022】
回転リールは、より詳細には、それぞれが回転可能に設けられている第1回転リール1041と第2回転リール1042と第3回転リール1043とからなり、各リールの外周面には、所定の複数の図柄が付されている。遊技者は、表示窓103から第1回転リール1041、第2回転リール1042、及び第3回転リール1043の各外周面に付された縦3個の図柄を見ることができ、第1回転リールから第3回転リールまでの縦3個ずつ計9個の図柄を視認することができるようになっている。なお、表示窓103には、縦4個以上の図柄を見せるように構成することもできる。
【0023】
前面扉102の中段に位置し、前面に突出して設けられた卓の上面には、遊技媒体(メダル)投入口105と、MAXBETボタン106と、ステータス表示部(
図1において不図示)とが配置されている。
また、突起して設けられた卓の前面には、スタートレバー107、1BETボタン108、精算ボタン109、第1回転リール停止ボタン110、第2回転リール停止ボタン111、第3回転リール停止ボタン112が配置されている。また、前面扉102の下部には、遊技媒体(メダル)の払出口を備えた遊技媒体(メダル)トレイ115が取り付けられている。
【0024】
前面扉102の上部中央に配置されたディスプレイ部1021は、典型的には、液晶ディスプレイ(LCD)であり、遊技者への画像等による演出を表示や情報提示等を行う。
また、ディスプレイ部1021の左右の任意の位置にスピーカ部と照明部とを備えることができる。ディスプレイ部1021、スピーカ部、及び照明部によって、遊技の演出効果を高めることができる。
【0025】
筐体101内部に設けられている回転リールは、典型的には、上述の通り3個(第1回転リール1041、第2回転リール1042、第3回転リール1043)で構成され、リール状の形状に形成され、ステッピング(パルス)モータから成る回転リール駆動部により、それぞれ回動自在に配置されている。回動中の回転リールは、第1回転リール停止ボタン110、第2回転リール停止ボタン111、第3回転リール停止ボタン112の押下により、それぞれ独立して停止させることができる。また、各回転リール停止ボタンの内部には、ランプが内蔵されており、回胴停止ボタンの操作が可能な状態で、内蔵されているランプが点灯する。また、回転リール停止ボタンが押下されたときには、ランプは消灯し、回転リール停止ボタンの操作を受け付ないように構成されている。
【0026】
なお、回転リールの数は、3個を超える構成(例えば、4個)としても良い。
【0027】
第1回転リール1041、第2回転リール1042、及び第3回転リール1043の図柄を確認可能な表示窓には、遊技者が投入したメダルの枚数(ベット数)に応じて回転リールの図柄が有効となる並びである有効ラインが設定されている。なお、メダルの枚数(ベット数)はMAX(例えば、3枚)で固定され、このMAX値に対して有効ラインが固定的に設定されることもある。
【0028】
後述する抽せん処理により決定した成立役、及び、それに対応する回転リールの図柄の組み合わせは、予め規定されており、有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが揃ったかを判断して、図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに入賞と判定される。
【0029】
前面扉102の中段に位置し、突出して設けられた卓の上面に設けられているメダル投入口105は、遊技開始前に所定枚数のメダルを投入するためのものであり、メダル投入口105にメダルを投入するか、BETボタン押下の後、スタートレバー107を操作すると、第1回転リール1041、第2回転リール1042、及び第3回転リール1043が回動し、遊技が開始されて入賞抽せんが行われる。
【0030】
1BETボタン108は、遊技機100内部に貯留しているメダル1枚を自動的に投入して、1枚のメダルを1回のゲームにベットするためのものである。1BETボタン108を押下することにより、メダル投入口105からメダルを1枚投入する必要がなくなる。また、2枚のメダルをベットする場合には、1BETボタン108を2回押下する。3枚のメダルを一度にベットする場合には、以下の、MAXBETボタン106を押下すると便利である。
【0031】
MAXBETボタン106は、遊技機100内部に貯留しているメダルを自動的に3枚投入して、3枚のメダルを1回のゲームに対してベットするためのものである。このMAXBETボタン106により、メダル投入口105から3枚のメダルを投入したり、1BETボタン108を3回押下したりする必要はなくなる。
【0032】
精算ボタン109は、内部貯留(クレジット)されたメダルをメダル払出口からメダルトレイ115に払い出して精算するためのものである。
【0033】
図2に、本発明の一実施形態における遊技機の機能ブロックを説明する。後述する遊技機100の一連の特徴的動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びこれらのハードウェアとソフトウェアとの協調動作によって実現されている。
【0034】
遊技機は、一実施形態における制御構成として、配線(ハーネス)を介して接続されたメイン制御基板21とサブ制御基板22とからなり、筐体101内部に収納されている。
メイン制御基板21は、一種のボードコンピュータであり、演算処理、遊技機100のデバイス制御等を行うCPU211と、プログラムの作業領域としてデータの一時的な記憶等を行う書き換え可能なRAM212と、遊技機100の制御プログラム及び遊技抽せん処理用の抽せんテーブル等を記憶したROM213と、データ通信バス等の制御を行う制御部214と、ボタンやスイッチ等からの入力や各種LED等への出力、及び回転リールユニット等の駆動を行う入出力部215とを備えている。
【0035】
メイン制御基板21の主な機能は、入賞抽せん処理、回転リールの制御等を行うことであり、遊技機に関する規則及び規格等に基づいた処理動作を行うように設計されている。
【0036】
サブ制御基板22は、一種のボードコンピュータであり、演算処理、ディスプレイ部281の制御等を行うCPU221と、プログラムの作業領域としてデータの一時的な記憶等を行う書き換え可能なRAM222と、ディスプレイ部281、照明部282、スピーカ部283の制御を行うプログラム及び各種データを記憶したROM223と、データ通信バス等の制御を行う制御部224と、照明等の駆動を行う入出力部225と、ディスプレイ部281の駆動を行うディスプレイ駆動部226と、スピーカ283から音声や効果音等を発生させるための音源を格納した音源IC227とを備えている。
【0037】
サブ制御基板22の主な機能は、メイン制御基板で判定された抽せん結果に基づく演出等である。具体的には、サブ制御基板22のROM223には、ディスプレイ281、照明部282、及びスピーカ部283によって様々な演出を行うための画像データ等からなる演出データも格納されており、メイン制御基板21から出力される信号によって、ROM内部に格納されている演出データから演出内容を決定して、演出内容に基づいて、ディスプレイ部281、照明部282、及びスピーカ部283の駆動処理を行う。一例として、ディスプレイ部281に停止ボタンの押し順等の提示等を行って、遊技者の利益状態の継続を支援する演出を行う(いわゆる「アシストタイム(AT)」、「アシストリプレイタイム(ART)」等)。
【0038】
上述したような、ディスプレイ部281、照明部282、及びスピーカ部283によってなされる演出は、コンピュータプログラムとしてROM223等に記憶されており、CPU221によって、適宜、RAM222等へ呼び出され実行されることにより実現される。
【0039】
なお、サブ制御基板22における演出用の制御は、遊技機の演出に関する規則や規格等の制約を受けることはなく、このため、遊技機100は、サブ制御基板22によって比較的自由な演出処理が可能となっている。
【0040】
次に、メイン制御基板21の入出力系統について説明する。
図2に示すように、まず、メイン制御基板21は、入出力部215を介して、BETボタン251(1BETボタン及びMAXBETボタンを含む)、精算ボタン252、スタートレバー253、第1回転リール停止ボタン254、第2回転リール停止ボタン255、第3回転リール停止ボタン256の押下を読み出し可能に構成されている。
【0041】
また、メイン制御基板21には、入出力部215を介して、ステータス表示部26のウエイトLED261、投入可能LED262、再遊技LED263、スタートLED264、投入枚数7セグLED265、払出枚数7セグLED266、貯留メダル数7セグLED267が接続されており、各種LEDの点灯制御、各表示器に出力するべき数字の表示制御を行うように構成されている。
【0042】
また、セレクター部257は、図示しない投入センサとソレノイドとを含み、メダル投入口105内に設けられている投入センサからの信号を入出力部215介して読み出し、投入されたメダルの枚数のカウント及び投入されたメダルの真贋等のチェックを行う。
また、セレクター部257のソレノイドは、例えば、規定枚数のメダルが投入されたとき、或いは、スタートレバー107が操作されたとき、メダルを投入しても、メダルが返却されるように作動してメダルが投入されないように機能する。
【0043】
電源ボックス27の設定キー271は、遊技中の抽せんにおける抽せんテーブルの各役の入賞確率に段階を設けて、設定毎の出玉率を変更する機能を有する。入賞確率の設定は、一例として6段階の設定が可能となっている。メイン制御基板21は、入出力部215を介して設定キー271によって設定された設定値を管理することが可能となっている。より具体的には、設定キーをONにすることでメイン制御基板が設定変更可能モードとなり、セレクトスイッチが押下されることによりメイン制御基板に押下された信号が行って、メイン制御基板において管理されている設定値がインクリメント/デクリメントされる。電源ボックス27のセレクトスイッチ272は、設定キー271によって設定可能(設定ON)状態にした場合に設定値を順送り(又は逆送り)に変更するためのスイッチであり、設定不可(OFF)状態には、遊技機にエラー等が発生した場合にメイン制御基板21のCPU211等の初期化を行うことができる。電源スイッチ273は、遊技機に電力を供給するためものである。
【0044】
回転リールユニット23は、第1回転リール1041、第2回転リール1042、及び第3回転リール1043をそれぞれ回転させるためのステッピングモータを備えた第1回転リール駆動部231、第2回転リール駆動部232、第3回転リール駆動部233を有し、各回転リールを独立して回転及び/又は停止するよう制御可能である。また、各回転リールの回転中の位置を検出するための第1回転リール位置センサ234、第2回転リール位置センサ235及び第3回転リール位置センサ236、並びに、それぞれのセンサに対応するインデックス(
図2において不図示)が設けられている。
【0045】
例えば、回転中の第1回転リールの所定の位置を第1回転リール位置センサ234で検出し、第1回転リール位置センサ234により検出した第1回転リールの所定の位置(インデックスの位置)からステッピングモータを駆動したパルス数をカウントすることにより、第1回リールの位置情報を取得ことができる。同様に、第2回転リール及び第3回転リールについても、第2回転リール位置センサ235及び第3回転リール位置センサ236によりそれぞれの回転リールの位置情報を得ることができる。
このようにして、後述する抽せん処理の結果に基づく図柄の表示を制御することができる。
【0046】
ホッパーユニット24は、入賞時にメダルを払い出すためのものであり、図示しないがホッパー駆動部と払出しセンサによって所定の枚数のメダルが払い出される。
【0047】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、ROM213、223等のメモリにインストールないし格納され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じてRAM212、222等のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU211、221において演算実行される。
【0048】
なお、演算実行は必ずCPU等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を採用することもできる。
【0049】
[抽せん処理(1)]
遊技機100における抽せん処理は、一例として、スタートレバーの操作時にメイン制御基板21のROM213に格納されているプログラム及びテーブルに基づいて実行される。ROM213には、抽せん処理プログラムの他、入賞確率テーブル, シンボルテーブルおよび入賞シンボル組合せテーブル等が格納されている。入賞確率テーブルは、乱数発生部(不図示)で発生させる乱数を区分して、各種入賞及び「入賞なし(外れ)」に対応付けられて記憶している。発生させた乱数データと入賞率テーブル等とを参照することにより遊技に対する各種入賞あるいは外れが決定される。
【0050】
このとき、抽せん処理の結果が外れの場合は、所定の図柄が揃わないように制御されたり、逆に、抽せん処理の結果が入賞の場合は、停止ボタンが所定のタイミングで押下されることなどを条件に所定の図柄が揃うように制御されたりする場合もある。これらの制御を、「スベリ制御」あるいは「引き込み制御」と呼ぶ。一例として、「停止ボタンを押下した後0.19秒以内にリールを停止させること」といった規則がある場合には、リールの回転速度から逆算してスベリが可能となるコマ数(図柄の数)が決定される。そして、各種入賞後、所定の図柄が揃えば入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0051】
図3に、本発明の一実施形態における遊技機のボタンユニットの詳細動作例を示す。
図3(A)は、ボタンユニットの本体部34内に組み込まれた第1回転リール停止ボタン31の詳細構造図である(同図には示されていないが、第2回転リール停止ボタン、第3回転リール停止ボタンも第1回転リール停止ボタン31と同様に、ボタンユニットの本体部34に組み込まれている)。なお、第1回転リール停止ボタン31は、
図1の110、
図2の254に対応する。
図3(B)は、
図3(A)の状態からボタンが下方に押下された状態、
図3(C)は、所定の条件のもと、
図3(B)の状態からボタンが下方にさらに押下された状態を示す。
【0052】
図3(A)に示されるように、第1回転リール停止ボタン31は、胴体部312と、係止部材311a及び311bと、軸部313とを備えるように成型されている。また、本体部34には、第1回転リール停止ボタン31がこれ以上ユニットの外側へ飛び出さないように係止部材311a及び311bを係止するための係止リブ341a及び341bが設けられている。また、停止ボタンの軸部313を挿入可能な穴部もしくは孔部が設けられた軸部受台342が設けられている。さらに、軸部受台342上部にはボタン受けリブ342bが立設され、その上部には、第1回転リール停止ボタン31が目いっぱい押下されたときに胴体部312の下面に当接してこれ以上のボタンの押し込みを規制する可動式ボタン受け36が設けられている。
【0053】
第1回転リール停止ボタン31の押し込みを解除した場合の戻しには、
図3(A)に示されるように、軸部313の軸径よりもやや大きい内径を有するコイル状バネ等の弾性体35が採用され、これを軸部313周りに装填することによりボタンの戻しが実現されている。
【0054】
すなわち、弾性体35が装填されてボタンユニットの本体部34に組み込まれた第1回転リール停止ボタン31は、
図3(A)に示されるように、胴体部312の下面と軸部受台342の上面とで弾性体35をやや縮めて挟み込むようにしてボタンユニットの本体部34に組み込まれる。このとき、弾性体35の弾性力(縮めて組み込まれているので上下の伸びようとする力が働く)により、停止ボタン31の胴体部312の下面には停止ボタン31が本体部34の上方へ飛び出す方向へ力がかかるが、停止ボタン側の係止部材311a及び311bが本体部34側の係止リブ341a及び341bによってしっかりと係止されているため、停止ボタン31は、押下されていないときに沈み込むことがなく、かつ、ボタン押下が解除されたときの戻りを備えるようにセッティングがなされる。
【0055】
図3(B)は、このようにして本体部34に組み込まれた停止ボタン31のボタン押下に伴う構造の変化を示している。停止ボタン31上面の押下によって、停止ボタン31は、
図3(A)の状態から
図3(B)の状態まで沈み込み、胴体部312の下面と可動式ボタン受け36の上面とが当接することにより押し込みは規制される(以下、これを「通常時の押し込み規制」もしくは「第1段階押し込み規制」という)。ボタン押下が解除されると、弾性体85の弾性力により、再び、
図3(A)の状態まで停止ボタン31は戻される。
【0056】
また、
図3(A)及び(B)に示されるように、ボタンユニットの本体部34内部の所定位置には光検知センサ38a及び38bが設けられており、ボタンが押し込まれた状態(B)になったときに、ちょうど係止部材311bが光検知センサ38a及び38b間の光を遮断するように設計されており、この光遮断状態がボタンの押下であると判断してメイン制御基板21の入出力部215へ所定の信号(ボタンが押下されたことを示す信号)が送信される。
なお、以上の構造及びボタン押下に伴う構造の変化の様子は、第2回転リール停止ボタン(
図1の111、
図2の255)及び第3回転リール停止(
図1の112、
図2の256)ボタンについても同様である。
【0057】
図3(C)は、
図3(B)から所定の条件下で更にボタンの押し込みが可能になった状態を示す。
図3(B)では、目いっぱいボタン31を押下しても胴体部312の下面と可動式ボタン受け36の上面とが当接することにより押し込みは規制されているが、
図3(C)においては、可動式ボタン受け36の受けが可動解除され、ボタン31は、胴体部312の下面とボタン受けリブ342bの上面とが当接する深さまで押し込みが可能となる。つまり、
図3(C)の状態では、ボタン31は、胴体部312の下面とボタン受けリブ342bの上面とが当接することにより押し込みは規制される(以下、これを「特別時の押し込み規制」もしくは「第2段階押し込み規制」という)。
【0058】
以上のように、本発明の一実施形態においては、可動式ボタン受けの可動制御により、回転リール停止ボタンの押し込みを「第1段階押し込み規制」及び「第2段階押し込み規制」の2段階に制御する。かかる停止ボタンの2段階の押し込み規制制御により、上述の2段階ボタン演出を実現することができる。なお、「特別時の押し込み規制」時もしくは「第2段階押し込み規制」時の押し込み深さは、「通常時の押し込み規制」時もしくは「第1段階押し込み規制」時の押し込み深さよりも深くなるように設定される。
【0059】
また、本発明はこれに限定されるものではないが、「第1段階押し込み規制」時のボタンの押し込み深さを5mm、「第2段階押し込み規制」時のボタンの押し込み深さを3mm(第1段階押し込み規制時の押し込み深さと合わせて、計8mm)とすると、実装上好適である。
【0060】
図4Aに、可動式ボタン受けの可動制御を含めて本発明の一実施形態における遊技機のボタンユニットの詳細動作を示す。
図4A(A)及び
図4A(B)は、
図3(B)及び
図3(C)にそれぞれ対応する。また、
図4A(C)は、
図4A(A)の状態での可動式ボタン受け36と軸部受台342及びボタン受けリブ342bとの位置関係を、
図4A(A)上面から見て更に詳細に説明する説明図であり、
図4A(D)は、
図4A(B)の状態での可動式ボタン受け36と軸部受台342及びボタン受けリブ342bとの位置関係を、
図4A(B)上面から見て更に詳細に説明する説明図である。
【0061】
図4(C)に示されるように、
図4(A)の状態では、対向する係止部材311a及び311bを結ぶ方向とは略垂直方向に設けられた可動式ボタン受け36a及び36bは、胴体部312の下面を支えて第1段階押し込み規制を実現している。そして、図示しないソレノイド機構等によって可動式ボタン受け36a及び36bを図中上下にスライド移動させると、
図4(D)に示されるように、可動式ボタン受け36a及び36bは胴体部312の下面を支える領域から退避して第2段階押し込み規制が実現され、停止ボタン31の更なる押し込みが可能となる(
図4A(B))。
【0062】
図4Bに、本発明の他の実施形態における遊技機のボタンユニットの詳細動作例を示す。
図4Bでは、光検知センサ38a及び38bに加えて光検知センサ48a及び48bを設けた点以外は、
図3及び
図4Aに示したものと同様である。特に、
図4B(A)及び(B)のボタン押下状態は、
図4A(B)及び(D)にそれぞれ対応する。
【0063】
そして、光検知センサ48a及び48bは、
図4Bに示されるように、第2段階押し込み規制を検出する位置に設けられている。これにより、遊技機が第2段階押し込み規制状態になった場合に、実際に遊技者により第2段階押し込み規制位置まで停止ボタンの深い押し込みが行われたかどうかを検出することができ、その検出結果により演出を変えるなどして、遊技に更なる興趣をもたらすことが可能となる。
【0064】
なお、本発明の一実施形態では、ボタンの2段階押し込み規制を回転リールの停止ボタンを例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いわゆる「チャンスボタン」等他のボタンに本発明を適用することも可能である。
【0065】
次に、
図5〜
図6、並びに、
図7(A)及び
図7(B)のフローチャートを用いて、本発明の一実施形態における回胴装置を備えた遊技機の演出処理手順を説明する。なお、説明の便宜上、
図5〜
図7(B)の処理における有効ラインは、第1リール中段、第2リール中段、第3リール中段のライン、または、第1リール下段、第2リール下段、第3リール下段のラインとする。なお、リールの数は4以上でもよく、表示窓には4段以上のリールを見せるように構成することもできるが、説明の便宜上、リール数を3つとし、表示窓には上段・中段・下段の縦3段の図柄を見せる構成とする。
【0066】
図5は、遊技機の遊技を開始し、通常遊技時(ATやART等の特別な遊技モードに入っていない通常ゲーム時)に、本発明に特有の処理手順を経て演出が行われる場合の演出処理例を示している。
【0067】
図5において遊技を開始すると(ステップS501)、ステップS502に進み、遊技者により回転リールを回転させるためにスタートレバーが操作される(ステップS502)。
【0068】
ステップS502においてスタートレバーが操作されると、外見上は第1回転リール〜第3回転リールが回転を始めるが、本実施形態においては、この時メイン制御基板内で抽せん処理が行われる(ステップS503)。この抽せん処理は、通常小役や、前兆ステージ移行(後述)或いはART等へ突入の前提となる「レア小役」の当否抽せん処理である。当否結果はフラグ情報に反映され、一例としてレア小役入賞の場合にはそのフラグ情報がサブ制御基板へ送信され、サブ制御基板では、送信されてきたフラグ情報に基づき、ART等の抽せん処理を更に行うことができる。例えば、レア小役の設定例及びそれぞれのレア小役に入賞した場合にサブ制御基板で実施されるART等の抽せん処理の当せん確率は、下表の通りである。
【0070】
上表では、レア小役として「弱チェリー」、「強チェリー」、「弱スイカ」、「強スイカ」が例示され、メイン制御基板での入賞確率は、「弱チェリー」→「強スイカ」の順に漸次低くなるよう設定されている(レア度が高くなる)。反対に、それぞれのレア小役に入賞した場合にサブ制御基板で実施されるART等の抽せん処理の入賞確率は、「弱チェリー」→「強スイカ」の順に漸次高くなるよう設定されている。つまり、レア度の高いレア小役を引き当てた場合のART等への入賞率は高いものとなっており、その分、期待度が高くなる設計となっている。そうして、例示的に、それぞれのレア小役を引いた場合のART等突入率(入賞率)は、360分の1で一定となっている(必ずしも全て一定にする必要はなく、あくまでも、レア小役入賞とART等の入賞との相対的な関係を説明するものである)。
なお、レア小役のレア度の高低は上表に限定されるものではなく、「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」の順に漸次レア度を高く設定することもできる。また、「リプレイ」役(ベットなしで再遊技が可能な役)をチャンス役の1つに含めることもできる(いわゆる「チャンスリプレイ」)。
【0071】
ステップS503において、通常小役や、ART等へ突入の前提となるレア小役の抽せん処理を終えると、ステップS504へ進み、抽選結果となるフラグ情報を参照し、演出等の要否(フラグ情報参照による)、メダル(遊技媒体)の払い出し要否(入賞情報ないし払い出し情報参照による)の判断を行う(ステップS504)。
【0072】
ステップS504において、演出等を要せず、かつ、メダル(遊技媒体)の払い出しも要しない場合(No)には、ステップS508へ進む。
【0073】
一方で、ステップS504において特定のフラグであった場合(Yes)には、ステップS505へ進み、まず、2段階ボタン演出を行う必要があるフラグであるかどうかが判定される。2段階ボタン演出を行う必要があるフラグである場合(ステップS505においてYes)には、ステップS506へ進み、2段階ボタン演出を行う(その機構動作については、
図3、
図4A、4Bを参照して上述)。
【0074】
ここで、2段階ボタン演出には、次のようなバリエーションを採用することができる。
(E1)構造的には、第1回転リール停止ボタン110〜第3回転リール停止ボタン112まで一様に2段階の押し込み制御を行うことができるが、フラグ情報によって、第1回転リール停止ボタン110〜第3回転リール停止ボタン112までのいずれか1つを2段階押し込みが可能に設定制御する。このとき、第1回転リール停止ボタン110を2段階押し込み可能にするボタン演出よりも、第2回転リール停止ボタン111を2段階押し込み可能にするボタン演出のほうが期待度(レア度)の高い演出となるように割り当てる。このような演出割り当てにより、遊技者は、通常左から順に停止ボタンを押下していく遊技において、最後の停止ボタンを押下するときに「2段階ボタン演出」を体感すると興趣がより高まるという効果を奏する。
【0075】
(E2)構造的には、第1回転リール停止ボタン110〜第3回転リール停止ボタン112まで一様に2段階の押し込み制御を行うことができるが、フラグ情報によって、
(i)第1回転リール停止ボタン110のみ2段階押し込みを可能にする。
(ii)第1回転リール停止ボタン110及び第2回転リール停止ボタン111のみ2段階押し込みを可能にする。
(iii)第1回転リール停止ボタン110〜第3回転リール停止ボタン112まで全て2段階押し込みを可能にする。
といった演出のバリエーションを設ける。そうして、(i)よりも(ii)が、(ii)よりも(iii)が期待度(レア度)の高い演出として位置付けることにより、遊技者にとっての遊技の興趣はより高まるという効果を奏する。
【0076】
そして、ステップS507へ進み、必要に応じてメダルの払い出しを行い、ステップS508へ進む。
【0077】
ステップS508では、前述の特定フラグを更に判定し、前兆ステージへの移行が必要であるかどうかが判断される。前兆ステージとは、例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)、ART等の高確率入賞ステージへの予兆となるステージで、前兆ステージに移行すると、演出上は液晶画面が通常時とは異なるものとなったり、リプレイ等の役の確率がアップしたりする。一方で、前兆ステージに移行したからといって、必ずしもBBやRBやART等の高確率入賞ステージへ突入するとは限らない。ゲーム設計上様々な仕様が考えられるが、BBやRBやART等の高確率入賞ステージへ突入するための必須のステージとして位置付けることもできるし、前兆ステージに移行した場合には、メダルの消費を要しないリプレイ役(高確率入賞ステージへの抽せん処理は行われている)を多く出すことによって、メダルをさほど減らすことなく高確率入賞ステージへの突入の機会を伺う有利なステージとして位置付けることもできる。
【0078】
前兆ステージ移行を前提とする場合の確率の分布は、上表の変形となり、例示的に下表の通りとなる。
【0080】
上表のように、ゲーム設計上「前兆ステージ」を設ける場合には、通常ゲーム時のレア小役の入賞を契機として、さらに前兆ステージ移行抽せんを行い、前兆ステージ移行後にさらにART等の高確率入賞ステージ突入のための抽せんを行うという構成をとる。上表から明らかなように、小役のレア度が高いほど前兆ステージへの移行確率が相対的に高く、さらに前兆ステージ移行後もART等の高確率入賞ステージへの突入確率は相対的に高く設定されている。このような小役のレア度に応じて期待度の高さを調整することにより、最終的な高確率入賞ステージ(ARTやビッグボーナスやレギュラーボーナス等の有利状態)までの工程を興趣あるものにすることができる。
【0081】
なお、「前兆ステージ」を経ずに、通常ゲームからレア小役の入賞を契機に直接ART等へ突入するルートを設けることもできる。
【0082】
そして、「前兆ステージ」が設けられている場合であって、ステップS508での特定フラグ判定で前兆ステージへの移行が必要であると判断されると前兆ステージ(
図6を参照して後述)へ移行し、そうでないと判断される(ステップS508において、No)と、ステップS509へ進み、遊技を終了する操作(例えば、電源OFF等)がなされない限り(No)、ステップS501へ復帰してスタートレバー操作(ステップS502)を待つ。一方で、ステップS509において終了操作がなされる(Yes)と遊技を終了する(ステップS510)。
【0083】
なお、
図5では、通常ゲーム時には、BBやRBやART等の高確率入賞ステージへ直接移行するフローを割愛しているが、レア役の引き当て及びサブ制御基板での抽せんの設定により、通常ゲームから高確率入賞ステージへ直接移行するフローを設けることもできる。
【0084】
図6は、遊技機の遊技を開始し、通常遊技(通常ステージ)から前兆ステージに移行後、本発明に特有の処理手順を経て演出が行われる場合の演出処理例を示している。
【0085】
図6において遊技を開始すると(ステップS601)、ステップS602に進み、遊技者により回転リールを回転させるためにスタートレバーが操作される(ステップS602)。
【0086】
ステップS602においてスタートレバーが操作されると、外見上は第1回転リール〜第3回転リールが回転を始めるが、本実施形態においては、この時メイン制御基板内で抽せん処理が行われる(ステップS603)。この抽せん処理は、通常小役や、ART等へ突入の前提となる「レア小役」の当否抽せん処理である。当否結果はフラグ情報に反映され、一例としてレア小役入賞の場合にはそのフラグ情報がサブ制御基板に記憶され、サブ制御基板では、このフラグ情報に基づき、ART等の抽せん処理を更に行うことができる。例えば、レア小役の設定例及びそれぞれのレア小役に入賞した場合にサブ制御基板で実施されるART等の抽せん処理の当せん確率は、下表の通りである。
【0088】
上表では、P1〜P6までの確率を具体的に示さなかったが、一例として、「中段チェリー」→「チャンス目」→「弱チェリー」の順に高いレア度となる(つまり、確率が、P1>P3>P5となる)ように設定し、引き続いて行われるART等入賞のための確率を「中段チェリー」→「チャンス目」→「弱チェリー」の順に高い確率となる、すなわち期待度が高くなる(つまり、確率が、P2<P4<P6となる)ように設定する。
【0089】
なお、レア小役のレア度の高低は上表に限定されるものではなく、「リプレイ」役(ベットなしで再遊技が可能な小役)をレア小役の1つに含めることもできる。
【0090】
ステップS603において、通常小役や、ART等へ突入の前提となるレア小役の抽せん処理を終えると、ステップS604へ進み、抽選結果となるフラグ情報を参照し、演出等の要否、メダル(遊技媒体)の払い出し要否の判断を行う(ステップS604)。ステップS604では、例示的に、2段階ボタン演出の要否、及びメダル(遊技媒体)の払い出しの要否判定を行っている。
【0091】
ステップS604において、2段階ボタン演出を要せず、かつ、メダル(遊技媒体)の払い出しも要しない場合(No)には、ステップS608へ進む。
【0092】
一方で、ステップS604において特定のフラグであった場合(Yes)には、ステップS605へ進み、まず、2段階ボタン演出を行う必要があるフラグであるかどうかが判定される。2段階ボタン演出を行う必要があるフラグである場合(ステップS605においてYes)には、ステップS606へ進み、2段階ボタン演出を行う(その具体的態様については、上述した(E1)や(E2)等が採用される)。そして、ステップS607へ進み、必要に応じてメダルの払い出しを行い(メダルの払い出しを要しないチャンスリプレイ等の場合もある)、ステップS608へ進む。
【0093】
ステップS608では、前述の特定フラグを更に判定し、ART等の高確率入賞ステージ(有利状態)への突入が必要であるかどうかが判断される。高確率入賞ステージとは、例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)、ATやART等の有利状態である。
【0094】
ステップS608での特定フラグ判定で高確率入賞ステージへ移行が必要であると判断されると高確率入賞ステージ(
図7A及び
図7Bを参照して後述)へ移行し、そうでないと判断される(ステップS608において、No)と、ステップS609へ進み、前兆ステージが終了したかどうかが判断される。
【0095】
ここで、前兆ステージ終了の判断は、一例として、前兆ステージに移行後一定ゲーム数(レア役の引き当てによってゲーム数を増減さえることもできる)だけ継続するものとしてそのゲーム数に到達した場合か、内部抽せんによって前兆ステージ解除のフラグが設定された場合に前兆ステージ終了と判断される。
そして、ステップS609において、前兆ステージが終了したと判断されると通常ステージ(通常ゲーム)に戻る(
図5を参照して説明済み)。
【0096】
前兆ステージが終了していない場合(ステップS609において、No)であって、遊技を終了する操作(例えば、電源OFF等)がなされない限り(ステップS610において、No)、ステップS601へ復帰してスタートレバー操作(ステップS602)を待つ。ステップS610において終了操作がなされる(Yes)と遊技を終了する(ステップS611)。
【0097】
図7Aでは、高確率入賞ステージの一例として、ART突入後に、本発明に特有の処理手順を経て演出が行われる場合の演出処理例を示している。なお、以下の例では、ARTにおけるフローとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ARTの他、AT(アシストタイム)やCT(チャレンジタイム)、或いはビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)等、遊技者にとって有利なゲームモードであれば本発明を適用可能である。
【0098】
図7AにおいてARTを開始すると(ステップS701)、ステップS702に進み、図示しないメモリ上の変数に入賞のグレードに応じた規定のARTゲーム数(一例として、30ゲーム〜100ゲーム程度。それ以上の場合もある。)をセットし、スタートレバーの操作を待つ(ステップS703)。
【0099】
ステップS703においてスタートレバーの操作があった場合には(Yes)、ステップS704へ進み、ステップS702でセットされたARTゲーム数から1を引く(デクリメント)。そして、抽せん処理が行われる(ステップS705)。
【0100】
次に、ステップS765に進み、ステップS705での抽せんで得られたARTゲーム上乗せ数に応じた演出を決定する(但し、ハズレであった場合には何もしない)。ここで、演出には2段階ボタン演出が含まれる。
【0101】
次に、ステップS767に進み、この時点で抽せん結果が演出を必要とするものであったか判断され、演出を必要とする結果であった場合(Yes)には、この段階で、上述した2段階ボタン演出を行うなどの演出を実施する(ステップS768)。この2段階ボタン演出のバリエーションに期待度(レア度)の高低を割り当てるにより、遊技者は、より期待度の高い演出を体感した際には遊技に対する高揚感が増大する。
【0102】
次に、ステップS769に進み、有効ライン(例えば、第1リール中段、第2リール中段、第3リール中段のライン)に停止した役図柄に応じたメダルの払出しを行う(一例として、スイカが揃えば8枚、ベルが揃えば15枚など。役が成立しなければメダルの払出しは行われない)。或いは、遊技者に再遊技(リプレイ)をさせることもできる。
【0103】
次に、ステップS770に進み、ARTゲーム数の上乗せがあったかが判定され、上乗せがあった場合(Yes)には、ステップS771へ進み、液晶画面等を介して上乗せされたARTゲーム数を表示する。ここで初めて遊技者は上乗せされたARTゲーム数の確定及び告知を受ける。一方で、ステップS770でNoであった場合には、ステップS772へ進む。
【0104】
そうして、ステップS772において、残りのARTゲーム数がチェックされ、ゼロとなった場合は全てのARTゲームを消化したこととなるので、終了する(ステップS773)が、ARTゲーム数の残りが1以上の場合(ステップS772において、No)には、次のARTゲームを消化すべくステップS703に復帰する。
【0105】
ここで、ステップS705の抽せん処理は、より詳細には、一例として
図7Bに示すような手順で処理される。すなわち、
図7Bにおいて、抽せん処理が開始されると(ステップS7051)、メイン制御基板(又はサブ制御基板)において内部抽せんが行われ(ステップS7052)、ARTゲーム数の上乗せの有無が定義されるフラグを決定する。次に、ステップS7053に進み、先ほど決定されたフラグを判定し、更にサブ制御基板で行われるサブ抽せんの当せんがあったかどうかが判断される。特定フラグでない場合(ステップS7053において、No)はステップS7056へ進み抽せん処理は終了する。
【0106】
以上の処理を要約すると、典型的には、メイン制御基板における抽選処理によりフラグ情報を成立させ、そのフラグ情報がサブ制御基板に送られる。サブ制御基板では、メイン制御基板から送られてきたフラグ情報に基づき上乗せゲームの抽せん処理を行う。ここで、フラグ情報の成立をもとにサブ制御基板での抽せんの確率を決めているので、必ずしも出目(図柄)との関連性を持たせる必要はない。なお、「内部抽せん」とは、メイン制御基板での抽せん処理を指す。ARTに関連する処理は、原則としてサブ制御基板で抽せん処理となるが、メイン制御基板でのフラグ情報の成立によってサブ制御基板での抽せん処理の各種確率や抽せん処理それ自体の有無等の影響があるので、かかる意味において、メイン制御基板での抽せん処理及びサブ制御基板での抽選処理は関連性を有している。
【0107】
一方で、特定フラグであった場合(ステップS7053において、Yes)、ステップS7054に進み、ARTゲーム数の上乗せ有無の抽せんと、これに当せんした場合のARTゲームの上乗せ数の抽せんがサブ制御基板において行われる。ARTゲームの上乗せ数が抽せんにより決定すると、ステップS7055に進み、ARTゲームの上乗せ数がメモリに格納され、後続の処理に復帰する(ステップS7056)。
【0108】
以上、具体例に基づき、本発明にかかるボタンユニット及び当該ボタンユニットを備える遊技機の実施形態を説明したが、本発明の抽せん処理及び演出制御の実施形態としては、方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0109】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0110】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0111】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0112】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0113】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。