【解決手段】コアを包囲するケーシング層と、ケーシング層を包囲し、かつ、プレポリマーおよび鎖延長剤の反応によって製造されるカバー組成物から製造されるカバー層とを有し、プレポリマーは、(i)アロファネートを有するイソシアネート(「ICA」)であって、平均NCO官能性が1.9から2.8の範囲であるイソシアネートと、(ii)ポリオール含有要素またはアミン含有要素との反応生成物から形成され、かつ、鎖延長剤が、アミン末端鎖延長剤、ヒドロキシル末端鎖延長剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。カバーの厚さは少なくとも約0.010インチであり、その曲げ弾性率は約10000psiまたはそれ以上である。
上記イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、少なくとも1つのモノアルコール、および、ビスマス含有触媒の反応生成物を有する請求項1記載のゴルフボール。
上記コアの表面硬度Hが約50ショアCから約90ショアCであり、その中心硬度CHが約50ショアCから約90ショアCであり、上記ケーシング層の表面硬度Aが約45ショアDから約80ショアDであり、上記カバーの硬度Bが約65ショアCから約90ショアCである請求項1記載のゴルフボール。
上記アミン末端鎖延長剤は、4,4'−ジアミノ−ジフェニルメタン;3,5−ジエチル−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;2,2'−ジクロロ−3,3'5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノ−ジフェニルメタン;ポリテトラメチレングリコール−ジ(p−アミノベンゾエート);4,4'−ビス(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;およびこれらの混合物からなるグループから選択される請求項1記載のゴルフボール。
上記ヒドロキシル末端鎖延長剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、およびこれらの混合物からなるグループから選択される請求項1記載のゴルフボール。
上記コアはセンタおよび上記センタを包囲する外側コア層を有し、上記センタはポリブタジエン組成物から形成され、上記外側コア層は、アイオノマー;ポリエステル;ポリエステル−エーテルエラストマー;ポリエステル−エステルエラストマー;ポリアミド;ポリアミド−エーテルエラストマーおよびポリアミド−エステルエラストマー;ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド、およびこれらの混合物からなるグループから選択される熱可塑性組成物から形成される請求項1記載のゴルフボール。
上記コアはセンタおよび上記センタを包囲する外側コア層を有し、上記センタはポリブタジエン組成物から形成され、上記外側コア層は、ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド、エポキシ、およびこれらの混合物からなるグループから選択される熱硬化性組成物から形成される請求項1記載のゴルフボール。
【発明の開示】
【0012】
したがって、この発明のゴルフボールは:コアと;上記コアを包囲するケーシング層と;上記ケーシング層を包囲し、かつ、プレポリマーおよび鎖延長剤の反応によって製造されるカバー組成物PCから製造されるカバー層とを有し、上記プレポリマーは:(i)アロファネートを有するイソシアネート(「ICA」)であって、平均NCO官能性が1.9から2.8の範囲である上記イソシアネートと;(ii)ポリオール含有要素との反応生成物から形成され、かつ、上記鎖延長剤が、アミン末端鎖延長剤、ヒドロキシル末端鎖延長剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。「NCO官能性が1.9から2.8の範囲である」という用語により、ポリイソシアネートが分子当たり1.9から2.8NCO基の平均値を有することを意味する。
【0013】
他の実施例において、この発明のゴルフボールは:コアと;上記コアを包囲するケーシング層と;上記ケーシング層を包囲し、かつ、プレポリマーおよび鎖延長剤の反応によって製造されるカバー組成物PCから製造されるカバー層とを有し、上記プレポリマーは:(i)アロファネートを有するイソシアネート(「ICA」)であって、平均NCO官能性が1.9から2.8の範囲である上記イソシアネートと;(ii)アミン含有要素との反応生成物から形成され、かつ、上記鎖延長剤が、アミン末端鎖延長剤、ヒドロキシル末端鎖延長剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0014】
1実施例において、ICAは、アロファネートを有するイソシアネートを形成するために、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、少なくとも1つのモノアルコール、および、ビスマス含有触媒の反応生成物を有する。1実施例において、モノアルコールは、エトキシ化C
12〜C
14アルコール、エトキシ化C
16〜C
18アルコール、および、エトキシ化C
10〜C
16アルコールからなるグループから選択される。
【0015】
1実施例において、ICAの平均NCO官能性の範囲は約1.9から約2.1である。他の実施例において、ICAの平均NCO官能性の範囲は約1.9から約2.3である。さらに他の実施例において、ICAの平均NCO官能性の範囲は約1.9から約2.5である。さらに他の実施例において、ICAの平均NCO官能性の範囲は約1.9から約2.7である。異なる実施例において、ICAの平均NCO官能性の範囲は約2.0から約2.2である。
【0016】
1実施例において、ICAの平均当量が約200から約350である。他の実施例において、ICAの平均当量が約200から約240である。さらに他の実施例において、ICAの平均当量が約210から約300である。さらに他の実施例において、ICAの平均当量が約275から約340である。異なる実施例において、ICAの平均当量が約301から約330である。他の代替的な実施例において、ICAの平均当量が約320から約330である。具体的な実施例において、ICAの平均当量が約325である。
【0017】
適切なICAの非制約的な例は、Tolpnate(商標)X FLO 100、Vencorexから入手可能な2官能性HDIベースのアロフォネート、およびBayer Material Scienceから入手可能なDESMODUR(しょうひょう)XP2580である。
【0018】
1実施例において、プレポリマーの平均当量が約420から約840である。他の実施例において、プレポリマーの平均当量が約420から約700である。さらに他の実施例において、プレポリマーの平均当量が約450から約650である。さらに他の実施例において、プレポリマーの平均当量が約475から約625である。代替的な実施例において、プレポリマーの平均当量が約500から約600である。異なる実施例において、プレポリマーの平均当量が約550から約575である。
【0019】
1実施例において、アミン末端鎖延長剤は、4,4'−ジアミノ−ジフェニルメタン;3,5−ジエチル−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−(2,4−または2,6−)トルエンジアミン;2,2'−ジクロロ−3,3'5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノ−ジフェニルメタン;ポリテトラメチレングリコール−ジ(p−アミノベンゾエート);4,4'−ビス(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0020】
1実施例において、ヒドロキシル末端鎖延長剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0021】
カバー組成物PC、AC、またはこれらのブレンドは、改善された光安定性、および剪断抵抗/耐久性を含み多くの利点を有し、仕上げられた圧縮、「フィーリング」、およびスピンを実現するために広範囲の種々のゴルフボール構造に組み込まれて良い。この発明のゴルフボールの1実施例において、コアの表面硬度Hは約50ショアCから約90ショアCであり、コアの中心硬度CHは約50ショアCから約90ショアCであり;ケーシング層の表面硬度Aは約45ショアDから約80ショアDであり;カバーの表面硬度Bは約65ショアCから約90ショアCである。
【0022】
1実施例において、HはCHより大きい。他の実施例において、CHはHより大きい。さらに他の実施例において、HおよびCHは実質的に同一である。
【0023】
1実施例において、コアは単一コアであって良く、実質的に均一な組成物を有し、幾何中心および外側表面を具備する。代替的には、コアは、センタ、および、そのまわりに形成された少なくとも1つの外側コア層を有して良く、典型的には「二重コア」配列と呼ばれる。「二重コア」配列において、表面硬度Hは最も外側のコアそうの外側表面硬度である。
【0024】
他の実施例において、CHは約65ショアCから約75ショアCであり、Hは約65ショアCから約75ショアCであり、Aは約60ショアDから約75ショアDであり、Bは約75ショアCから約88ショアCである。さらに他の実施例において、CHは約68ショアCから約72ショアCであり、Hは約65ショアCから約75ショアCであり、Aは約64ショアDから約69ショアDであり、Bは約80ショアCから約84ショアCである。さらに他の実施例において、CHは約69ショアCから約71ショアCであり、Hは約65ショアCから約75ショアCであり、Aは約65ショアDから約68ショアDであり、Bは約81ショアCから約83ショアCである。
【0025】
ICAから形成されたカバー組成物PCおよび/またはACを組み込んだ、この発明のゴルフボールの付加的な例は、以下のとおりである。1つの構造において、CHは約45ショアCから約55ショアCであり、Hは約75ショアCから約85ショアCであり、Aは約65ショアDから約75ショアDであり、Bは約77ショアCから約83ショアCである。他の実施例において、CHは約48ショアCから約52ショアCであり、Hは約78ショアCから約82ショアCであり、Aは約68ショアDから約72ショアDであり、Bは約78ショアCから約82ショアCである。さらに他の例において、CHは約70ショアCから約74ショアCであり、Hは約84ショアCから約88ショアCであり、Aは約66ショアDから約70ショアDであり、Bは約79ショアCから約83ショアCである。さらに他の実施例において、CHは約63ショアCから約67ショアCであり、Hは約86ショアCから約90ショアCであり、Aは約65ショアDから約75ショアDであり、Bは約79ショアCから約83ショアCである。異なる実施例において、CHは約48ショアCから約52ショアCであり、Hは約84ショアCから約89ショアCであり、Aは約63ショアDから約66ショアDであり、Bは約79ショアCから約83ショアCである。
【0026】
USGAはゴルフボールについて最大重量の1.62オンス(45.93g)を確立した。USGA規則の外の競技では、ゴルフボールはより重くて良い。1つの好ましい実施例において、マルチ層コアの重量は約28から約38グラムの範囲である。また、この発明に従って製造されたゴルフボールは任意のサイズであってよく、ただし、USGAは競技用に使用されるゴルフボールの直径として少なくとも1.68インチを要求する。合衆国ゴルフ協会(USGA)の外の競技では、ゴルフボールはより小さな寸法であって良い。通常、ゴルフボールはUSGA要件に従って製造され、その直径の寸法範囲は約1.68インチから約1.80インチである。ただし、この発明のゴルフボールの直径は1.80インチより大きくて良いことは明らかである。
【0027】
この発明のゴルフボールにおいて、カバーの厚さは、0.010インチ以上である。1実施例において、カバーの厚さは約0.020インチから約0.050インチである。他の実施例において、カバーの厚さは約0.015インチから約0.030インチである。さらに他の実施例において、カバーの厚さは約0.020インチから約0.040インチである。さらに他の実施例において、カバーの厚さは約0.030インチから約0.050インチである。代替的な実施例において、カバーの厚さは約0.010インチから約0.025インチである。異なる実施例において、カバーの厚さは約0.050インチより大きい。
【0028】
この発明のゴルフボールの1実施例において、コアの直径は約1.26インチから約1.60インチであり、ケーシングされたコアの直径は約1.580インチから約1.640インチであり、カバーの厚さは約0.020インチから約0.050インチである。
【0029】
コアおよびケーシングされたコアの直径はどのようなものでもよく、これがカバーの厚さを組み合わされたときに完成ゴルフボールを形成し、これが約40から約120の、または約65から約110の、または約60から約100の圧縮を有する。例えば、1実施例において、コアは、直径が0.100インチから1.100インチのセンタと、厚さが0.200インチから1.200インチの外側コア層とを有する。他の実施例において、コアは単一コアであり、その外側直径が約1.51インチから約1.59インチであり、外側表面および幾何中心を有する。
【0030】
1実施例において、この発明のゴルフボールの反発係数(COR)は少なくとも約0.780である。他の実施例において、この発明のゴルフボールのCORは少なくとも約0.790である。さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールのCORは少なくとも約0.800である。さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールのCORは少なくとも約0.810である。
【0031】
1実施例において、外側コアそうは中間層である。外側コア層/中間層は、アイオノマー;ポリエステル;ポリエステル−エーテルエラストマー;ポリエステル−エステルエラストマー;ポリアミド;ポリアミド−エーテルエラストマー;およびポリアミド−エステルエラストマー;ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッドおよびこれらの混合物からなるグループから選択された熱可塑性組成物から形成されて良い。中間層は、また、ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド、エポキシ、およびこれらの混合物からなるグループから選択された熱硬化性組成物から形成されて良い。
【0032】
1実施例において、ゴルフボールは、ポリブタジエンコア、このコアのまわりに形成されアイオノマー樹脂を有するケーシング層、およびこのケーシング層を包囲し、少なくともカバー組成物PCおよびACのうちの1つから形成されるカバーを含む。もちろん、この発明に従って製造されたゴルフボールは種々の構造を有して良い。例えば、カバーは1または複数の層を有して良い。カバーが少なくとも2つの層を有する実施例において、カバー層の少なくとも1つは当該カバー組成物を有する。好ましい実施例において、最も外側のカバー層が当該カバー組成物を有し、これは当該カバー組成物が良好な光安定性を具備し、耐久性のある材料であるからである。
【0033】
さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールを製造する方法は:コアを準備するステップ;上記コアの回りにケーシング層を準備するステップ;および、上記ケーシング層の回りにカバー層を形成するステップとを有し、上記カバー層は、プレポリマーおよび鎖延長剤の反応によって製造されるカバー組成物PCから製造され、上記プレポリマーは、(i)アロファネートを有するイソシアネート(「ICA」)であって、平均NCO官能性が1.9から2.8の範囲である上記イソシアネートと、(ii)ポリオール含有要素との反応生成物から形成され、かつ、上記鎖延長剤が、アミン末端鎖延長剤、ヒドロキシル末端鎖延長剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0034】
さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールを製造する方法は:コアを準備するステップ;上記コアの回りにケーシング層を準備するステップ;および、上記ケーシング層の回りにカバー層を形成するステップを有し、上記カバー層は、プレポリマーおよび鎖延長剤の反応によって製造されるカバー組成物ACから製造され、上記プレポリマーは、(i)アロファネートを有するイソシアネート(「ICA」)であって、平均NCO官能性が1.9から2.8の範囲である上記イソシアネートと、(ii)アミン含有要素との反応生成物から形成され、かつ、上記鎖延長剤が、アミン末端鎖延長剤、ヒドロキシル末端鎖延長剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。
【0035】
この発明のゴルフボールにおいて、得られたゴルフボールの曲げ弾性率は約10000psi以上、または約15000psi以上、または20000psi以上であり、この測定はASTM D−790に従う。他の実施例において、この発明のゴルフボールのカバーの曲げ弾性率は、約10000psiから約50000psi、または約10000psiから約30000psi、または約10000psiから約20000psiである。
【0036】
以下の予測的な実験例は慣用的なゴルフボールに対するこの発明のゴルフボールにより得られるいくつかの利点を説明する。カバー組成物PCおよび/またはACかれ形成されたカバーを組み込んだこの発明のゴルフボールは所望の色安定性および剪断耐久性を示す。この点に関し、1つのこの発明のゴルフボールカバーEx.1および3つの比較用の予測的なゴルフボールカバーComp.Ex.1、Comp.Ex.2、およびComp.Ex.3について、以下の表Iは調合を示し、表IIは特性を示す。
【表1】
1.Tolonate X FLOはVencorexから入手可能な2官能性のHDIベースのアロフォネートである。
2.Desmodur N−3400はBayer Material Scienceから入手可能なHDIベースのダイマー/トリマーである。
3.Desmodur N−3200はBayer Material Scienceから入手可能なHDIベースのビウレットである。
4.Mondur MはBayer Material Scienceから入手可能な4,4'−HDIである。
5.PTMEG 2000は、例えば、Invista、BASF、およびDiaren Chemicalから入手可能な、平均分子量が2000g/molのポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
6.Ethacure 100−LCは、Albemarleにより市販されるジエチルトルエンジアミンである。
7.Ethacure 300は、Albemarleにより市販されるジメチルトルエンジアミンである。
8.TiO
2顔料分散剤は、PolyOneからの長鎖トリオール中の56%重量添加のものである。
【0037】
表Iに示されるように、予測的なカバーEx.1、Comp.Ex.1、Comp.Ex.2、およびComp.Ex.3はつぎの点で、顕著に異なり、すなわち、カバーEx.1が2官能性DDIをベースにしたアロフォネートから形成され、他方、カバーComp.Ex.1は芳香族4,4'−MDIから形成され、カバーComp.Ex.2およびComp.Ex.3がマルチコンポーネント脂肪族ポリイソシアネートから形成される。その他、例の各々は、ジアミン、TiO
2顔料、およびポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む。
【0038】
以下の表IIに実例で明示するように、ここで開示され権利請求されるカバー組成物から形成されるゴルフボールは、良好な光安定性および良好な剪断抵抗/耐久性の双方を好ましくも同時に具備し実証し、優れたものである。
【表2】
【0039】
他方、比較カバーの各々は光安定性または剪断耐久性のいずれかにおいて不十分である。とくに、Comp.Ex.1の芳香族4,4'−MDIベースのカバーは劣った光安定性を示し、カバーComp.Ex.2の脂肪族ポリイソシアネートはすぐれた剪断耐久性しか示さず、Comp.Ex.3の脂肪族ポリイソシアネートは剪断耐久性に乏しい。
【0040】
光安定性に関しては、当業者は、時の経過にともなってその色合いを保持するカバー組成物を有することが重要なことを理解できる。すなわち、その色が当初の材料色とずっと類似している。熱酸化の劣化、および光分解の双方により引き起こされる光不安定性は、ポリウレタン層の「黄色化」(yellowing)または「褐色化」(browing)を引き起こし、これはウレタン組成物をゴルフボールのカバーに使用する上で好ましくない特性である。
【0041】
人間の視覚システムは明るさ、および暗さ(それぞれ白および黒)に感応するロッド、および、色に対応するコーンからなり、数学的なモデルを使用してシミュレーションできることは、当業者にとって、良く知られている。すべての既存のモデルは、カラースペクトロメータ(またはカラーメータ)から得ることができる視覚可能なスペクトラムから値を導出し、これは、反射光の強度(不透明サンプル)を人間が視覚可能な電磁スペクトラムの領域(およそ400から740nm)において測定する。
【0042】
CIE LChおよびCIE LABシステムは、対象の実効的な「色」を記述する色および外観の技術分野に置いて広く知られている標準的な色システムである。参照および試験片の間の色の相違は、CIE LChおよびCIE LABの値に関して容易に放言でき、これは色の相違の大きさおよび方向を示す。したがって、CIE LChまたはCIE LABのしずれも使用してこの発明のポリウレタン組成物の色を測定できる。CIE LChスケールはサンプルの「色」を円筒局座標上の3つのパラメータに分離する。CIE LChにおいて、L*はサンプルの暗さ、または明るさ(黒および白)の成分を定義する。例えば、0のL*値は純粋な黒、すべての波長の光を吸収することである。ただし、C*は彩度(飽和)の測度であり、色空間の中心(L*軸)からのベクトル距離である。色相(h°)は3番目のパラメータであり、0°から360°の範囲の角度として表され、ここで0°=赤、90°=黄色、180°=緑、270°=青である。
【0043】
塗装していないゴルフボールカバーが通常の使用でUV光に露出されて経年変化するとき、L*値は減少し(より暗くなる)、C*値は増大する。色相は90°(すなわち黄色)に近いままであり、若干大きくなって緑黄色へとシフトし、または若干小さくあって赤黄色へとシフトする。これは比較的軽微で、彩度C*における増加に較べてより視覚的に感受できないものである。C*は基本的には90°の色相角に沿って移動していくので、この場合、大きなC*値がより黄色であると考えられる。したがって、この発明の目的を達成するには、この未塗装のカバーの初期のC*値(より黄色未が少ない)を最小化し、また、UV照射の露出による、時間の経過に伴うC*の増加、C*の増加速度、または双方を阻止または抑制することが望ましい。また、初期L*(白方向)値を最大化し、またUV、または類似の不利な効果をゴルフボールに与える他の照射の露出による、時間の経過に伴う黒への減少を阻止し、または抑制することが望ましい。
【0044】
先の表IIは、ゴルフボールEx.1、Comp.Ex.2、およびComp.Ex.3のカバー材料が良好な色保持を示し、したがってComp.Ex.2の材料にくらべて、好ましいことに、より遅い速度で色変化が生じることを明らかにしている。
【0045】
剪断抵抗は、ゴルフボールにゴルフクラブおよび/またはアイアンで打撃された置きにそれに加わる剪断力に耐えるゴルフボールの性能である。ゴルフクラブおよび/またはアイアンの打撃フェース上の溝が下方斜めスイングでゴルフボールに衝突して、フェースにわたって上方にこれをスライドさせ、ただちに、当該クラブフェースから外側の軌道に沿って力強くゴルフボールを推進するときに、ゴルフボールカバーに剪断力が印加され、これにより、ゴルフボールのカバー材料の表面に切断または摩耗マークが生じる。角ゴルフボールの剪断抵抗は、耐久性を評価する分野において知られている任意の手順によって評価して良い。例えば、ハンデキャップンが小さなゴルファを用いて繰り返しゴルフボールを打撃市、このときのカバーの任意の損傷を評価してレーティングする。上述の表Iはこの発明のカバー組成物Ex.1および比較ゴルフボールカバーComp.Ex.1が良好な剪断抵抗を示し、他方カバー組成物Comp.Ex.2およびComp.Ex.3はそうでないことを明らかにしている。
【0046】
この発明のゴルフボールのコアは単一コアまたはマルチコアであってよい。この発明のゴルフボールは硬度勾配を呈しても良い。好ましい実施例において、ここで特定される硬度勾配は、コアの幾何中心から外側表面へと径方向に測定され、これは、正、負、またはゼロ(実質的に同一の硬度)であって良い。コアは硬度勾配を有して良く、この硬度勾配は、内側コアの中心、および外側表面への径方向に、典型的には2mmの増分で行われる硬度測定値により定義される。ここで使用されるように、用語「負」および「正」は、測定対象の要素の最も内側の部分(例えば、ソリッドコアまたは二重コア構造における内側コアの中心;コア層の内側表面;その他)の硬度値を、測定対象の要素の外側表面(例えば、ソリッドコアの外側表面;二重コアにおける内側コアの外側表面;二重コアにおける外側コア層の外側表面、等)の硬度値から引いた結果を指す。例えば、ソリッドコアの外側表面の硬度値が中心より小さい(すなわち、表面が中心より柔らかい)ならば、硬度勾配は「負」の勾配と見なされる(小さな数−大きな数=負の数)。
【0047】
コアは、少なくとも1つの熱硬化性ベースゴム、例えば、ポリブタジエンゴムを含む組成物から製造され、これは少なくとも1つの過酸化物および少なくとも1つの反応性コエージェントにより硬化され、これは不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸の金属塩、非金属コエージェント、またはこれらの混合物であってよい。好ましくは、適切な酸化防止剤が組成物中に含まれる。オプションの柔軟化・高速化剤(およびしばしばシス・ツー・トランス触媒)、例えば有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物もコア調合に含ませてよい。
【0048】
当業者に知られている他の含有物を用いて良く、これに限定されないけれども、密度調整フィラー、処理助剤、可塑剤、発泡剤また起泡剤、硫黄促進剤、および/または非過酸化物ラジカル源を含むと理解できる。ベースの熱硬化性ゴムは他のゴムおよびポリマーとブレンドしてよく、典型的には、天然ゴムまたは合成ゴムを含む。好ましいベースゴムは、少なくとも40%、好ましくは80%より多くの、さらに好ましくは90%より多くのシス構造を伴う1,4−ポリブタジエンである。所望のポリブタジエンゴムの例は、LANXESS社から商業的に入手可能なBUNA(商標)CB22およびBUNA(商標)CB23;日本国、東京のUBE Industry社から商業的に入手可能なUBEPOL(商標)360LおよびUBEPOL(商標)150LおよびUBEPOL−BRゴム;オハイオ州アクロンのGoodyear社から購入可能なKINEX(商標)7245;Dow Chemical社から商業的に入手可能なSE BR−1220およびTAKTENE(商標)1203G1、220、および221;Polimeri Europa社から商業的に入手可能なEuroprene(商標)NEOCIS(商標)BR40およびBR60;およびJapan Synthetic Rubber社から商業的に入手可能なBR 01、BR 730、BR 11、およびBR 51;PETROFLEX(商標)BRNd−40;およびKarbochem社から商業的に入手可能なKABOCHEM(商標)ND40、ND45、およびND60を含む。
【0049】
ベースゴムはムーニー(Mooney)粘度が大きな、または中くらいのゴム、またはそのブレンドを有してもよい。「ムーニー」単位は、生すなわち非加硫のゴムの可塑性を測定するのに採用する単位を指す。ムーニー単位の可塑性は、任意のスケールで測定された、100°Cの温度のゴムを含み、1分に2回転する容器中のディスクに加わるトルクと等しい。ムーニー粘度の測定はASTM D−1646に規定されている。
【0050】
ムーニー粘度の範囲は好ましくは約40より大きく、より好ましくは約40から約80の範囲であり、さらに好ましくは約40から約60の範囲である。ムーニー粘度がより大きなポリブタジエンゴムを用いてもよい。ただし、ポリブタジエンの粘度が、高粘度のポリブタジエンが詰まったり、その他、製造機械に悪影響を与えるレベルに至らないことを条件とする。粘度が65ムーニーより小さなポリブタジエンはこの発明に採用可能であると理解できる。
【0051】
この発明の1実施例において、中間から高ムーニー粘度のポリブタジエン材料で製造したゴルフボールコアは、ボールの硬度を増大させることなく、大きな弾力性(したがって、距離が大)を実現する。そのようなコアは柔らかく、すなわち、圧縮が約60より小さく、より具体的には約50−55の範囲である。圧縮が約30から約50の範囲のコアも、かかる好ましい実施例の範囲内である。
【0052】
適切な中位、または高いムーニー粘度のポリブタジエンの商業的なリソースは、Bayer AG CB23(Nd触媒)およびShell 1220(共触媒)を含み、前者は50辺りのムーニー粘度を伴い、硬度に線型菜ポリブタジエンである。望ましいときには、ポリブタジエンは、当業界で知られている他のエラストマー、例えば他のポリブタジエンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、および/またはイソプレンゴムと混合してコアの特性を修正してもよい。エラストマーの混合物を用いるときには、コア組成物中の他の成分の量は典型的にはエラストマー混合物の総量の100重量部に基づく。
【0053】
1実施例において、ベースゴムはNd触媒ポリブタジエン、希土類触媒ポリブタジエンゴム、またはこれらのブレンドを有する。望ましいときには、ポリブタジエンは、当業界で知られている他のエラストマー、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、および/またはスチレンブタジエンゴムと混合してコアの特性を修正してもよい。他の適切なベースゴムは熱硬化性材料、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、およびシリコーンゴムを含む。
【0054】
熱可塑性エラストマー(TPE)は、これをベースの熱硬化性ゴムと混合して、コア層または非硬化のコア層ストックの特性を修正してもよい。これらPTEは、天然または合成ゴム、または高トランス−ポリイソプレン、高トランス−ポリブタジエン、または任意のスチレンブロックコポリマー、例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレン、スチレン−イソプレン−スチレン等、メタローセンまたは他のシングルサイト触媒ポリオレフィン、例えばスチレン−オクテン、またはエチレン−ブテン、または熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み、これは例えばシリコーンとのコポリマーを含む。この発明の熱硬化性ゴムと混合して適切な他のTPEは、ポリエーテルアミドコポリマーを有すると考えられる、PEBAX(商標)、ポリエーテルエステルコポリマー、熱可塑性ウレタンを有すると考えられる、HYTEL(商標)、およびスチレンブロックコポリマーエラストマーを有すると考えられる、KRATON(商標)を含む。上述のTPEまたはTPUのいずれもグラフト化に適切な官能基を含有し、マレイン酸または無水マレイン酸を含む。
【0055】
付加的なポリマーをベースゴムにオプションとして組み入れてもよい。かかる例は、これに限定されないが、熱硬化性エラストマー、例えばコアリグリンド、熱可塑性加硫物、コポリマー性アイオノマー、ターポリマー性アイオノマー、ポリカーボネート、ポリアミド、コポリマー性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、衝突改質ポリフェニレンエーテル、高衝突ポリスチレン、フタル酸ジアリルポリマー、スチレン−アクリロニトリルポリマー(SAN)(オレフィン改質SANおよびアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルポリマーを含む)、スチレン−マレイン酸無水物コポリマー、スチレンコポリマー、官能性スチレンコポリマー、官能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリ尿素、およびポリシロキサンまたはこれら種のメタローセン触媒ポリマーである。
【0056】
この発明の範囲内の組成物の付加的なポリマー材料として用いて好適なポリアミドは、つぎのようにして取得された樹脂を含む。(1)として、(a)ジカルボン酸例えば蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を(b)ジアミン例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミンまたはm−キシリレンジアミンで宿重合する。(2)として、環状ラクタム例えばイプシロンカプロカクタム、またはオメガラウロラクタムを開環重合する。(3)として、アミノカルボン酸例えば6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノカプロン酸または12−アミノカプロン酸を宿重合する。または、(4)として、環状ラクタムをジカルボン酸およびジアミンで共重合する。適切なポリアミドの具体的な例は、NYLON6、NYLON66、NYLON610、NYLON11、NYLON12、コポリマーNYLON、NYLONMXD6およびNYLON46である。
【0057】
適切な過酸化物開始剤は、ジクミルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;2,2'−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジ−イソ−プロピルベンゼン;1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート;t−ブチルペルベンゾエート;ベンゾイルペルオキシド;n−ブチル−4,4'−ビス(ブチルペルオキシ)バレレート;ジ−t−ブチルペルオキシド;または2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ラウリルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α−αビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロプロピルベンゼン、ジ(2−tブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシドを含む。好ましくは、ゴム組成物は、ゴム100重量部に対して約0.25から約5.0重量部(phr)の過酸化物を含み、より好ましくは0.5phrから3phr、最も好ましくは0.5phrから1.5phrの過酸化物を含む。最も好ましい実施例においては、過酸化物は約0.8phrの量だけ存在する。過酸化物のこれらの範囲は、過酸化物が100%活性であり、存在するかもしれないいずれのキャリアも考慮していないという仮定の下で与えられる。多くの商業的に入手可能な過酸化物はキャリア化合物とともに販売されるので、活性の過酸化物の実際の存在量を計算しなければならない。商業的に入手可能な過酸化物開始剤は、Cropton(Geo Specialty Chemicals)から入手可能なDICUP(商標)ファミリのジクミルペルオキシド(DICUP(商標)R、DICUP(商標)40CおよびDICUP(商標)40KE)を含む。類似の開始剤は、AkroChem、Laxess、Flexsys/Haewick、およびR.T. Vanderbiltから入手できる。他の商業的に入手可能で好ましい開始剤はAkzo NobelからのTRIGONOX(商標)265−50Bであり、これは1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、およびジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンである。TRIGONOX(商標)過酸化物はキャリア化合物とともに販売される。
【0058】
適切な反応性コエージェントは、これに限定されないが、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩を含み、この発明に使用して好適なものは、金属が亜鉛、マンガン、カルシウム、バリウム、錫、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ジルコニウム、およびビスマスであるものである。亜鉛ジアクリレート(ZDA)が好ましいけれども、この発明はこれに限定されない。ZDAはゴルフボールに大きな初期速度を付与する。DZAは種々の純度グレードであってよい。この発明の目的を実現する上では、ZDA中に存在するステアリン酸亜鉛の量が少なければZDA純度が大きくなる。約10%未満のステアリン酸亜鉛を含有するZDAが好ましい。さらに約4−8%のステアリン酸亜鉛しか含有しないZDAがより好ましい。適切な商業的に入手可能な亜鉛ジアクリレートはSartmer社から入手できるものを含む。利用可能なZDAの好ましい濃度は約10phrから約40phrであり、より好ましくは約20phrから約35phrであり、最も好ましくは約25phrから約35phrである。具体的な好ましい実施例において、反応性コエージェントは約29phrから約31phrの量だけ存在する。
【0059】
単独で、または上述のものと組み合わせて利用してよい付加的な好ましいコエージェントは、これに限定されないが、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、その他を含む。コエージェントが室温で液体の場合には、有利なことに、これら化合物を適切なキャリア上に分散させてゴム混合物への一体化がより容易になることが、当業者には理解できるであろう。
【0060】
酸化防止剤は、エラストマーの酸化破壊を阻止し、および/または酸素ラジカルによって助長される反応を阻止する化合物である。この発明に利用できるいくつかの例示的な酸化防止剤は、これに限定されないが、キノリン型酸化防止剤、アミン型酸化防止剤、およびフェノール型酸化防止剤を含む。好ましい酸化防止剤はR.T.VanderbiltからVANOX(商標)MBPCとして利用可能な2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)である。他のポリフェノール性酸化防止剤はVANOX(商標)T、VANOX(商標)L、VANOX(商標)SKT、VANOX(商標)SWP、VANOX(商標)13、およびVANOX(商標)1290を含む。
【0061】
適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、アルキレン−ビス−アルキル置換クレゾール、例えば4,4'−メチレン−ビス(2,5−キシレノール);4,4'−エチリデン−ビス−(6−エチル−m−クレゾール);4,4'−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−m−クレゾール);4,4'−デシリデン−ビス−(6−メチル−m−クレゾール);4,4'−メチレン−ビス−(2−アミル−m−クレゾール);4,4'−プロピリデン−ビス−(5−ヘキシル−m−クレゾール);3,3'−デシリデン−ビス−(5−エチル−p−クレゾール);2,2'−ブチリデン−ビス−(3−n−ヘキシル−p−クレゾール);4,4'−(2−ブチリデン)−ビス−(6−t−ブチル−m−クレゾール);3,3'−4(デシリデン)−ビス−(5−エチル−p−クレゾール);(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン;(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)(2−エチル−3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン;(3−メチル−5−ヒドロキ−6−t−ブチルフェニル)(2−ヒドロキシ−4−メチル−5−デシルフェニル)−n−ブチルメタン;(2−ヒドロキシ−4−エチル−5−メチルフェニル)(2−デシル−3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ブチルアミルメタン;(3−エチル−4−メチル−5−ヒドロキシフェニル)−(2,3−ジメチル−3−ヒドロキシ−フェニル)ノニルメタン;(3−メチル−2−ヒドロキ−6−エチルフェニル)−(2−イソプロピル−3−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)シクロヘキシルメタン;(2−メチル−4−ヒドロキ−5−メチルフェニル)(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−エチルフェニル)ジシクロヘキシルメタン;その他を含む。
【0062】
他の適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、置換フェノール、例えば、2−タート−ブチル−4−メトキシフェノール;3−タート−ブチル−4−メトキシフェノール;3−タート−オクチル−4−メトキシフェノール;2−メチル−4−メトキシフェノール;2−ステアリル−4−n−ブトキシフェノール;3−t−ブチル−4−ステアリロキシフェノール;3−ラウリル−4−エトキシフェノール;2,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール;2−メチル−4−メトキシフェノール;2−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メトキシフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルオキシフェノール;2−(1−メチルベンジル)−4−メトキシフェノール;2−t−オクチル−4−メトキシフェノール;メチルガレート;n−プロピルガレート;n−ブチルガレート;ラウリルガレート;ミリスチルガレート;ステアリルガレート;2,4,5−トリヒドロキシアセトフェノール;2,4,5−トリヒドロキシ−n−ブチロフェノール;2,4,5−トリヒドロキシステアロフェノール;2,6−ジタート−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジタート−オクシル−4−メチルフェノール;2,6−ジタート−ブチル−4−ステアリルフェノール;2−メチル−4−メチル−6−タート−ブチルフェノール;2,6−ジステアリル−4−メチルフェノール;2,6−ジラウリル−4−メチルフェノール;2,6−ジ(n−オクチル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(n−ヘキサデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルウンデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルヘプタデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(トリメチルヘキシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1,1,3,3−テトラメチルオクチル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−タートブチル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1−メチルウンデシル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1,1,3,3−テトラメチルオクチル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−n−オクタデシル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−n−オクチル−4−メチルフェノール;2−メチル−6−n−オクタデシル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1−メチルヘプタデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール;2,6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール;2−(1−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;および関連する置換フェノールを含む。
【0063】
より適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、アルキレンビスフェノール、例えば、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2−ブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2'−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2'−ブチリデンビス(4−t−ブチル−6−メチルフェノール);2,2'−エチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2'−メチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4'−エチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−t−ブチル−6−フェニルフェノール);2,2'−ジヒドロキシ−3,3',5,5'−テトラメチルスチルベン;2,2'−イソプロピリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);エチレンビス(ベータ−ナフトール);1,5−ヒドロキシナフタレン;2,2'−エチレンビス(4−メチル−6−プロピルフェノール);4,4'−メチレンビス(2−プロピル−6−t−ブチルフェノール);4,4'−エチレンビス(2−メチル−6−プロピルフェノール);2,2'−メチレンビス(5−メチル−6−t−ブチルフェノール);および4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を含む。
【0064】
適切な酸化防止剤は、さらに、これに限定されないが、アルキレントリフェノール、例えば、2,6−ビス(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2,6−ビス(2'−ヒドロキシ−3'−t−エチル−5'−ブチルベンジル)−4−メチルフェノール;および2,6−ビス(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メプロピルベンジル)−4−メチルフェノールを含む。
【0065】
酸化防止剤は典型的には約0.1phrkら約5phrの量だけ存在し、好ましくは、約0.1phrから約2phr、さらに好ましくは、約0.1phrから約1phrの量だけ存在する。具体的な好ましい実施例においては、酸化防止剤は約0.4phrの量だけ存在する。代替的な実施例において、酸化防止剤は、本件発明のコアの硬度勾配が確実に負になることを保障する量だけ存在しなければならない。好ましくは、酸化防止剤は、約0.2phrから約1phr、より好ましくは約0.3phrから約0.8phr、最も好ましくは約0.4phrから約0.7phrだけ、コア層(内側コアまたは外側コア層)の調合に加えられる。好ましくは、100%活性として計算されたときに、約0.25phrから約1.5phrの過酸化物がコアの調合に加えられて良く、より好ましくは約0.5phrから約1.2phr、最も好ましくは約0.7phrから約1.0phrが加えられてよい。ZDAの量は、製造される誤ブルボールの所望の圧縮、スピンおよびフィーリングに適合するように可変してよい。硬化養生は約290°F(143°C)から約335°F(168°C)、より好ましくは約300°F(149°C)から約325°F(163°C)の温度範囲を伴って良く、ストックは少なくとも約10分から約30分の間その温度に保持される。
【0066】
この発明の熱硬化性組成物はオプションの柔軟化・高速化剤を含んでもよい。ここで使用されるように「柔軟化・高速化剤」(soft and fast agent)は、柔軟化・高速化剤なしに準備した場合に較べて、コアを1)一定のCORの下でより柔らかく(より小さな圧縮)し、または2)等しい圧縮でより大きなCORを伴うようにする、任意の化合物またはそれらのブレンド、または任意の組み合わせを意味する。好ましくは、この発明の組成物は約0.05phrから約10.0phrの柔軟化・高速化剤を含有する。1実施例において、柔軟化・高速化剤は約0.05phrから約3.0pr、好ましくは約0.05phrから約2.0phr、より好ましくは約0.05phrから約1.0phrの範囲で存在する。他の実施例では、柔軟化・高速化剤は約2.0phrから約5.0pr、好ましくは約2.35phrから約4.0phr、より好ましくは約2.35phrから約3.0phrの範囲で存在する。代替的な高濃度の実施例では、柔軟化・高速化剤は約5.0phrから約10.0pr、より好ましくは約6.0phrから約9.0phr、最も好ましくは約7.0phrから約8.0phrの範囲で存在する。最も好ましい実施例では、柔軟化・高速化剤は約2.6phrの量だけ存在する。
【0067】
適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが、有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物、無機硫黄化合物、第VIA族の化合物、またはこれらの混合物を含み、有機硫黄化合物は、モノ、ジ、およびポリスルフィド、チオール、またはメルカプト化合物を含む。柔軟化・高速化剤化合物は、有機硫黄化合物おおび無機硫黄化合物のブレンドであってもよい。
【0068】
この発明の適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが以下の一般式を有するものを含む。
【化1】
式中、R
1〜R
5はいずれの順番であってもよく、C
1〜C
8アルキル基;ハロゲン基;チオール基(−SH)、カルボキシレート基;スルホネート基;、及び水素であってよく、また、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェノール;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩であってよい。好ましくはハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールであり、これは純粋な形態で市場から入手可能であり、又はペンタクロロチオフェノールを45パーセント(2.4部のPCTPに相当する)付加した硫黄化合物を含むクレイをベースとするキャリヤであるSTRUKTOL(登録商標)の商標名で入手可能である。STRUKTOL(商標)はオハイオ州ストウのStruktolCompanyof Americaから商業的に入手可能である。PCTPは商業的にカリフォルニア州サンフランシスコのeChinachemから純粋な形態で入手可能であり、サンフランシスコのeChinachemから塩の形態で入手可能である。最も好ましくは、ハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これはサンフランシスコのeChinachemから商業的に入手可能である。
【0069】
この発明を参照する際にはここで使用されるように、用語「有機硫黄化合物」は、炭素、水素およびイオウを含有する任意の化合物を称し、ここで、硫黄は少なくとも1個の炭素に直接に結合する。ここで使用されるように、用語「イオウ化合物」は、元素状イオウ、高分子イオウ、またはこれらの組合せである化合物を意味する。さらに、「元素状イオウ」はS
8の環構造体を称し、「高分子イオウ」は元素状イオウに対して少なくとも1個の追加のイオウを含む構造体であることを理解すべきである。
【0070】
柔軟化・高速化剤の付加的に適切な例(これはシス−トランス触媒とも考えられる)は、これに限定されないが、ジフェニルジスルフィド;4,4'−ジトリルジスルフィド;2,2'−ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス(2−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(3−アミノフェニル)ジスルフィド;2,2'−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(2−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,2'−ジアミノ−1,2'−ジチオジナフタレン;2,3'−ジアミノ−1,2'−ジチオジナフタレン;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−イオドフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(2−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2'−ジチオベンゾイックエチル;2,2'−ジチオベンゾイックメチル;2,2'−ジチオ安息香酸;4,4'−ジチオベンゾイックエチル;ビス(4−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(2−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1'−ジナフチルジスルフィド;2,2'−ジナフチルジスルフィド;1,2'−ジナフチルジスルフィド;2,2'−ビス(1−クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(1−ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1'−ビス(2−クロロナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(1−シアノナフチル)ジスルフィド;2,2'−ビス(1−アセチルナフチル)ジスルフィド等の;またはこれらの混合物がある。好ましい有機イオウ化合物は、ジフェニルジスルフィド、4,4'−ジトリルジスルフィド、または2,2'−ベンズアミドジフェニルジスルフィド、またはこれらの混合物である。より好ましい有機硫黄化合物は、4,4'−ジトリルジスルフィドである。他の実施例において、金属含有有機硫黄化合物をこの発明に従って使用してよい。適切な金属含有有機硫黄化合物は、これに限定されないが、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメート、およびジメチルジチオカルバメートのカドミウム、銅、鉛、およびテルリウム類似体、またはこの混合物である。
【0071】
硫黄または金属を含まない、適当な置換または無置換の芳香族有機成分は、4,4'−ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C
6〜C
20なる範囲にあり、またより好ましくはC
6〜C
10なる範囲にある。適当な無機硫化物成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫、およびビスマスの類似の硫化物を包含するが、これらに限定されない。
【0072】
また、置換または非置換芳香族有機化合物も柔軟化・高速化剤である。適切な置換または非置換芳香族有機成分としては、限定するものではないが、式(R
1)
x−R
3−M−R
4−(R
2)
yを有する成分があり、式中、R
1およびR
2は、各々、水素、または置換または非置換のC
1〜C
20線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、または単環、多環または縮合環のC
6〜C
24芳香族基であり;xおよびyは、各々、0〜5の整数であり;R
3およびR
4は、各々、単環、多環または縮合環のC
6〜C
24芳香族基から選ばれ;Mは、アゾ基または金属成分である。R
3およびR
4は、各々、好ましくはC
6〜C
10芳香族基から選ばれ、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミドおよびベンゾチアジルから選ばれる。R
1およびR
2は、各々、好ましくは、置換または非置換のC
1〜C
10線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、またはC
6〜C
10芳香族基から選ばれる。R
1、R
2、R
3またはR
4が置換されている場合、その置換基としては、1種以上の以下の置換基があり得る:ヒドロキシおよびその金属塩;メルカプトおよびその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノおよびアミド;エステル類、酸類およびその金属塩を含むカルボキシル;シリル;アクリレート類およびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェート類およびホスファイト類。Mが金属成分である場合、Mは、当業者に入手し得る任意の適切な元素状金属であり得る。典型的には、金属は、遷移金属であるが、好ましくは、テルルまたはセレニウムである。上記シス−トランス−変換触媒中に含ませ得る。1実施例において、芳香族有機化合物は、金属を実質的に含まず、他方、他の実施例において、芳香族有機化合物は、金属を完全に含まない。
【0073】
柔軟化・高速化剤は、また第VIA族成分を含むこともできる。元素硫黄および重合体硫黄は、例えばオハイオ州、シャルドンのElastochem社から、市販品として入手できる。硫黄触媒化合物の例は、PB(RM−S)−80元素硫黄およびPB(CRST)−65重合体硫黄を含み、これら各々は、Elastochem社から入手できる。「TELLOY」という商品名のテルル触媒の例および「VANDEX」という商品名のセレン触媒の例は、各々RT Vanderbilt社から市販品として入手できる。
【0074】
フィラーもコアの熱硬化性組成物に付加して組成物の密度を上方または下方に調整してよい。フィラーは、典型的には、タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物および塩、リグリンド(リサイクルしたコア材料であって典型的には約30メッシュの粒子に粉砕したもの)、高ムーニー粘度ゴムリグリンド、トランス−リグリンドコア材料(リサイクルしたコア材料であって、ポリブタジエンの高trans−アイソマーを含むもの)等を含む。trans−リグリンドがあるときは、trans−アイソマーの量は好ましくは約10%から約60%の間である。本発明の好ましい例では、コアは、約95%を超える内容量のcis−アイソマーを有するポリブタジエンと、フィラーとしてのtrans−リグリンド材料(すでに硫化されている)を含む。任意の粒子サイズのtrans−リグリンドコア材料で十分であるが、好ましくは、約125μm未満である。
【0075】
ゴルフボールの1部または多数の部分に添加するフィラーは、典型的には、レオロジー特性および混合特性に影響を与える処理助剤または化合物、密度調整用フィラー、引き裂き強度または強化用フィラー等を含む。フィラーは一般に無機物であり、適切なフィラーは多数の金属又は金属酸化物を含み、例えば酸化亜鉛及び酸化スズ、ならびに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、炭化タングステン、シリカのアレイ、及びこれらの混合物を含む。フィラーは種々の発泡剤又はブローイング剤を含むこともでき、当業者はこれらを容易に選択することができる。フィラーはポリマー、セラミック、金属で含んでよく、ガラスの微小球はソリッドでも空洞でもよく、充填しても充填しなくてもよい。フィラーも典型的にはゴルフボールの1部又は複数部分に添加されてその密度を調整し、均一なゴルフボール標準に適合させる。フィラーを使用してセンタ又は特別なボールのための少なくとも一つの追加的な層の質量を調整することもでき、例えば質量が小さいボールはスイング速度が小さい競技者に好ましいものである。
【0076】
タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物および塩、リグリンド(リサイクルしたコア材料であって典型的には約30メッシュの粒子に粉砕したもの)のような材料も適切なフィラーである。
【0077】
ポリブタジエンおよび/または任意の他のベースゴムまたはエラストマーシステムも、発泡処理され、あるいは、空洞の微小球または硬化処理中に設定温度で拡張する拡張可能微小球を充填して、任意の低比重レベルにしてよい。他の含有成分、例えば、硫黄促進剤、具体的には、テトラメチルチウラム、ジ、トリ、またはテトラスルフィド、および/または金属含有有機硫黄促進剤を本発明に従って使用してもよい。適切な金属含有有機硫黄促進剤は、これに限定されないが、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメートおよびジメチルジチオカルバメートまたはこれらの混合物の、カドミウム、銅、鉛、およびルテニウム類似体を含む。他の含有成分、例えば処理助剤、具体的には、脂肪酸および/またはその金属塩、処理オイル、染料および顔料、ならびに、当業者に周知の他の添加物をこの発明によりそれらが典型的に用いられる目的を達成するのに十分な量だけ使用しても良い。
【0078】
理論に拘束されることなく、トランス構造の二重結合のパーセンテージが、少なくとも1つの主鎖不飽和ゴム(例えばポリブタジエン)、プラスチック、またはエラストマーを含むコアに渡って操作でき、これがトランス勾配をもたらすと考えられている。トランス勾配は、cis−to−trans触媒(または柔軟化および高速化剤)のタイプおよび量、過酸化物のタイプおよび量、ならびに調合のコエージェントのタイプおよび量を変化させて調整(上昇または下降)できる。例えば、約0.25phrのZnPCTPを含有する調合はコアに渡って約5%のトランス勾配を伴い、他方、約2phrのZnPCTPを含有する調合は約10%またはそれ以上のトランス勾配を伴う。トランス勾配は、また、硬化時間および温度によって調整できる。温度を低くし、また、硬化時間を短くすると、より低い硬度勾配になると考えられるけれども、これらのファクターの多くからなる組み合わせは、単一のファクターを採用するときにもたらされる場合に較べて、異なる方向および/または反対の方向の勾配をもたらすこともある。
【0079】
一般的には、硬化レートが大きくなり、または速くなると、トランス含有量のレベルが大きくなり、これは、過酸化物、ソフト・高速剤の濃度が大きくなり、また、ある程度は、ZDAの濃度が大きくなるとそうなるのと同じである。ゴムのタイプさえもトランスレベルに影響を与え、希土類金属、例えばNdによって触媒処理されたものは、グループVIII、例えばCo、Ni、およびLiから形成されたゴムに較べて、トランスブタジエンのレベルを大きくできる。
【0080】
コアは外側表面および中心をぐびし、実質的に均一な組成物から形成されて良い。中間層、例えば、ケーシング層(内側カバー)は、コアのまわりに配され、カバーは中間層の回りに形成され、このカバーがここで詳述した材料によって形成される。いくつかの実施例において、コアの外側表面の硬度は、ここで定義される幾何中心の硬度と異なる。谷実施例において、外側表面の硬度および幾何中心の硬度は異ならない。
【0081】
さらに、コアは「二重コア」配列を具備して良く、これはセンタおよび少なくとも1つの外側コア層を含む。
【0082】
コアの中心硬度は以下の手順に従って得られる。コアは、コアの直径より近似的に若干小さな内部直径の半球ホルダーに静かに押し込まれる、この際、コアは半球ホルダー中に配置され、同時にコアの幾何中心面が露出されるようにする。コアは摩擦でホルダー内に固着され、切断および削り取りステップにおいて移動しないようにし、それでいて、摩擦は、コアの自然な形状が乱されないよう過剰なものでない。コアは、コアの分離線がホルダーの頂部とおおよそ平行になるように取り付けられる。コアの直径は、取り付けに先立って、この方位と80度の角度で測定される。さらに、ホルダーの底からコアの頂部までの測定もなされ、これは将来の計算の基準点を実現する。また、ホルダーの底からコアの頂部までの距離を測定して将来の較正のための基準点を得る。コアの露出された幾何中心の若干上で、コアがこのステップ中にホルダー内で動かないようにしながら、帯ノコまたは他の適切な切断ツールを用いて、大まかに切断する。ホルダー内に依然として保持されているコアの残りの部分が表面研磨機のベース板に固定される。露出されている「粗い」コア表面が平滑で平坦な表面に研磨され、コアの幾何中心が現れるようにし、この幾何中心はホルダーの底からコアの露出表面までの高さを測定して検証できる。これによりコアのオリジナルの高さのちょうど半分が、+−0.004インチの範囲内で除去されたことを確実にする。コアをホルダー内に保持して、コアの中心を芯出し定規で見いだし、注意して印付けし、この中心印で硬度をASTM−D2240に従って測定する。コアの中心から任意の距離での硬度測定を、中心マークから径方向外側に伸びる線を引き、中心から典型的には2mmの増分の距離位置で硬度を測定することにより行う。中心からの具体的な距離における硬度は、180°または90°それぞれ離れる、少なくとも2つ、好ましくは4つ半径の線分に知って測定すべきであり、その後平均がとられる。幾何中心を通る面の上ですべての硬度測定が実行されても、コアは依然としてホルダーの中にあり、その配位が乱されないようにし、測定面がホルダーの底に常に平行になるようにし、また、それゆえに、デュロメータの足に正確に整合するようにする。
【0083】
コアの硬度は、コアの中心およびコアの外側表面に向かって外側に径方向に典型的には2mmの増分で測定を行うことにより測定できる。ここで、用語「負」および「正」は、測定対象の部品(例えばコアのセンタ)の最も内側の部分の硬度を測定対象部品の外側の表面(縦叔母、単一コアの外側表面、または二重コア構造における外側コア層の外側表面等)の硬度から引いた結果を指す。
【0084】
コアの中心硬度、および、単一コアまたは多重コア構造の外側コア層の外側表面については、付加的なコア層で当該層を包囲するのに先立って測定を行えば、ここで提示される手順に従って容易に決定される。
【0085】
付加的なコア層が、一旦、当該層を包囲すると、任意の内側または中間層の内側または外側層の硬度は決定するのが困難なので、以下の説明する異なる手順を用いてインターフェースから1mmに位置する点でゴルフボール層の硬度が取得される。まず、コアの中心硬度を測定するための上述の手順に従ってコアを用意することにより、コアの幾何中心を定義する軸を露出させる。コアをホルダー内に保持したままとし、2つの層のインターフェースから径方向に内側または外側に1mmに位置する添を決定してマーク付けし、その硬度をASTM D−2240に従って測定する。
【0086】
ゴルフボール層の外側表面の硬度は、当該層の実際の外側表面上で測定され、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボールアッセンブリをデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータを硬度測定に用いる。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし、自動スタンドの基部に取り付けなければならない。デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。
【0087】
酸化防止剤の開始剤に対する比率はコアの表面硬度を制御するための1つの要素である。
【0088】
この発明のすべての好ましい実施例において、コアの表面の硬度はここで定義されるコアの中心の硬度と高々ほぼ同一であり、または異なる。さらに、コアの中心硬度はコアのなかで最も硬いポイントでなくて良いけれども、すべての場合において、これが表面と少なくとも同じか、またはより硬いことが好ましい。さらに、コア中のどこであっても最も小さな硬度は表面では生じない。いくつかの実施例において、最も小さな硬度値はコア表面の外側約6mm内で生じて良い。ただし、表面硬度が中心硬度と等しいかまたは小さい限り、コア内の最も小さな硬度値は、表面から中心までの、衷心を除いた、任意の点で生じて良い。この発明においては、調合はコアまたはコア層を通じて同一であり、また好ましい表面硬度を得るために表面処理を加えていないことに留意されたい。
【0089】
ケーシング層は種々の材料から製造されて良い。1実施例において、ケーシング層は、アイオノマー性ポリマーを含むアイオノマー性材料、好ましくは、高度に中和されたポリマー(「HNP」)から製造される。HNPの酸部分は、典型的にはエチレンを塩基にしたアイオノマーであり、好ましくは約70%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。HNPも第2のポリマー成分とブレンドすることができ、この成分を、酸基を含む場合は、従来法に従って、本発明の有機脂肪酸(organic fatty acids)によって、又は両者によって中和することができる。第2のポリマー成分は、部分的に又は完全に中和されていてもよく、好ましくはアイオノマーコポリマー及びアイオノマーターポリマー、アイオノマー前駆体、熱可塑性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタローセンで触媒したポリマー(グラフト化したもの及びグラフト化していないもの)、単一サイトポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、等を含む。HNPポリマーの材料硬度は、典型的には、約20および約80ショアDの間であり、曲げ弾性率は約3,000psiおよび約200,000の間である。
【0090】
この発明の1実施例では、HNPは、アイオノマーおよび/またはその酸先駆体であり、これは、好ましくは完全にまたは部分的に有機酸コポリマーまたはその塩により中和されている。酸コポリマーは好ましくはα−オレフィン、例えばエチレン、C
3−8 α,β−エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリルまたはメタクリル酸コポリマーである。これらはオプションとして軟化モノマー、例えばアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートを含有してよい。ただし、アクリル基は1から8個の炭素原子を具備する。
【0091】
酸コポリマーをE/X/Yコポリマーと記載することができ、ここでEはエチレン、Xはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、かつYは柔軟化コモノマーである。好ましい態様では、Xはアクリル酸又はメタクリル酸であり、YはC
1−8アルキルアクリレート又はメタクリレートエステルである。Xは好ましくはポリマーの約1〜約35重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約30重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。Yは好ましくはポリマーの約0〜約50重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約25重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。
【0092】
具体的な酸含有エチレンコポリマーは、これに限定されないが、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、および、エチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートである。好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/エチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/エチルアクリレート、および、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
【0093】
アイオノマーは、典型的には、金属カチオン例えばLi、Na、Mg、K、Ca、またはZnにより中和される。十分な有機酸または有機酸の塩を、適切な塩基とともに、酸コポリマーまたはアイオノマーに添加することにより、アイオノマーが、加工性を損なうことなく、金属カチオンに対してよりかなり多くのレベルまで中和される。好ましくは、酸部分は約80%以上中和され、好ましくは90−100%中和され、最も好ましくは100%中和される。ただし、加工性を損なわない。これは、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸コポリマーを例えば有機酸または有機酸の塩とともにメルトブレンドし、その後、十分な量のカチオン源を添加してすべての酸部分(酸コポリマーおよび有機酸の酸部分を含む)の中和レベルを90%を越えて(好ましくは100%を越えて)増大させることにより達成される。
【0094】
この発明の有機酸は、脂肪族、モノ−またはマルチ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸又はこれらの二量化した誘導体の塩を含む。本発明の有機酸及び塩は相対的に非移行性(常圧下でポリマーの表面にブルーミングを生じないこと)でありかつ非揮発性(メルトブレンドに必要な温度で蒸発しないこと)であることが好ましい。
【0095】
この発明のアイオノマーは、また、より慣用的なアイオノマーでよく、すなわち金属カチオンで部分的に中和されても良い。酸コポリマーの酸部分は、カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムまたはこれらの混合物により、約1から約90%、好ましくは、少なくとも約20から約75%、より好ましくは、少なくとも約40から約70%中和され、アイオノマーを生成する。
【0096】
任意のゴルフボール部品、すなわち、コア、ケーシング層、カバー等は、当業界で知られている以下の組成物のいずれから生成され、有し、含み、ブレンドされ、その他、組み合わされまたは混合されて良い。さらに。そのような材料は、この発明のカバー組成物とともに、または代替して、混合され、ブレンドされ、その他、結合されて具体的な所望のゴルフボール特性を実現して良い。
(1)ポリウレタン、例えば、ポリオールまたはポリアミンおよびジイソシアネートまたはポリイソシアネートおよび、/またはそれらのプレポリマーから準備されたもの、ならびに、米国特許第5,33,4673号、同第6,506,851号に開示されているもの。
(2)ポリ尿素、例えば、米国特許第5,484,870号および同第6,835,794号に開示されているもの。
(3)ウレタンまたは尿素セグメントを含む、ポリウレタン−尿素ハイブリッド、ブレンドまたはコポリマー。
【0097】
適切なポリウレタン組成物は、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つの硬化剤との反応生成物を含む。硬化剤は、例えば、1または複数のポリアミン、1または複数のポリオール、またはこれらの組み合わせを含んでよい。ポリイソシアネートは1または複数のポリオールと組み合わせてプレポリマーを形成しても良い。これは、上述の少なくとも1つの硬化剤と組み合わされる。このように、ここで説明されるポリオールは、ポリウレタン材料の1または双方の要素として適切である。すなわち、プレポリマーおよび硬化剤の一部として使用して好適である。適切なポリウレタンは米国特許第7,331,878号明細書に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0098】
当業者が利用可能ないずれのポリオールも、この発明に従って使用するのに適している。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。好ましい実施例では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。その例は、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。
【0099】
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリエステルポリオールが含まれる。適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないが、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジーペート)グリコール;及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカプロラクトンポリオールが含まれる。適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0100】
さらに他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカーボネートポリオールが含まれる。適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールである。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換芳香族及び環状基を有することができる。1実施例では、ポリオールの分子量は約200〜約4000である。ポリアミン硬化剤もこの発明のポリウレタン組成物中に使用して好適であり、製品ボールの耐切断性、耐剪断性、および耐衝撃性が改善することがわかっている。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4'−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4'−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)("MCDEA");ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N'−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p'−メチレンジアニリン("MDA");m−フェニレンジアミン("MPDA");4,4'−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)("MOCA");4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)("MDEA");4,4'−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)("MDCA");4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン;2,2'−3,3'−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの混合物である。好ましくはこの発明の硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばバトンルージュのアルバマール社(Albermarle Corporation of Baton Rouge,LA)から入手可能なEthacure(登録商標)300である。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含み、好ましくは、その分子量は約64〜約2000の範囲である。
【0101】
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を上述のポリウレタン組成物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は以下を含む:エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの混合物である。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤は1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール、及びこれらの混合物である。好ましくは、ヒドロキシ−末端硬化剤の分子量は約48〜約2000の範囲である。ここで、分子量は、絶対重量平均文四郎であり、当業者が理解するとおりのものである。
【0102】
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン組成物を単一の硬化剤で製造することができる。
【0103】
この発明の好ましい実施例において、1または複数のカバー層、特に外側カバー層を形成するのに使用する飽和ポリウレタンを、注型可能な熱硬化性及び熱可塑性ポリウレタンの両者から選択することができる。
【0104】
この実施例において、この発明の飽和ポリウレタンは芳香族基又は部分を実質的に含まない。この発明に使用して好適な飽和ポリウレタンは、少なくとも1つのポリウレタンプレポリマーおよび少なくとも1つの飽和硬化剤の反応生成物である。ポリウレタンプレポリマーは少なくとも1つのポリオールおよび少なくとも1つの飽和ジイソシアネートの反応生成物である。当技術分野で周知のとおり、触媒を採用して硬化剤およびイソシアネートおよびポリオールの反応を促進させても良い。
【0105】
使用可能な飽和のジイソシアネートは、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」);2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネートを含む。最も好ましい飽和ジイソシアネートは4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。
【0106】
この発明で使用するのに適した飽和ポリオールは、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリ(オキシプロピレン)グリコールである。適切な飽和ポリステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカーボネートポリオール及びエチレンオキシドでキャップしたポリオキシプロピレンジオールである。この発明で有用な飽和ポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、およびポリテトレメチルエーテルグリコール開始ポリカプロラクトンである。最も好ましい飽和ポリオールはPTMEG及びPTMEG開始ポリカプロラクトンである。
【0107】
適切な飽和硬化剤は、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、プロピレングリコール;トリメタノールプロパン;テトラ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン;シクロヘキシルジメチロールのアイソマーのアイソマー及び混合物、シクロヘキサンビス(メチルアミン)のアイソマーのアイソマー及び混合物;トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、1−メチル−2,4−シクロヘキシルジアミン、1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド−ビス−プロピルアミン、ジアミノシクロヘキサンのアイソマーのアイソマー及び混合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、及びジイソプロパノールアミン。最も好ましい飽和硬化剤は1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキシルジメチロール及び4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
【0108】
代替的には、他の適切なポリマーは、部分的にまたは十分に中和されたアイオノマー、メタローセン、または他のシングルサイト触媒ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、非アイオノマー性熱可塑性エラストマー、コポリエーテル−エステル、コポリエーテル−アミド、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレンブロックコポリマー(例えばスチレン−ブタジエン−スチレン)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン等、およびこれらのブレンドを含む。熱硬化性ポリウレタンまたはポリ尿素はこの発明のゴルフボールの外側カバー層として適切である。
【0109】
さらに、ポリウレタンをポリ尿素材料に替えて、またはブレンドしてよい。ポリ尿素は、明らかにポリウレタン組成物と異なるが、ゴルフボール部品に用いられるときには所望の空力特性や美観特性をもたらす。ポリ尿素ベースの組成物は好ましくはその性質上飽和である。
【0110】
特定の理論に拘束されるものではないが、ポリウレタンプレポリマー中の長鎖ポリオールセグメントを長鎖ポリアミンオリゴマーソフトセグメントで置換してポリ尿素プレポリマーを形成することにより、せん断性、切断性及び反発弾性が改良され、かつ他の成分に対する接着性が改良されると、現在考えられている。したがって、この発明のポリ尿素組成物はイソシアネートと硬化剤により架橋されたポリアミンプレポリマーとの反応生成物からなる。例えば、この発明のポリ尿素ベースの組成物は、少なくとも1つのイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルアミンとから準備されてよい。
【0111】
当業者が入手可能な任意のポリアミンが、このポリ尿素プレポリマーに利用されて適切である。ポリエーテルアミンが、このプレポリマーに使用されて特に適切である。ここで使用されるように、「ポリエーテルアミン」は、ポリエーテル主鎖の末端に結合された第1級アミノ基を含むポリオイシアルキレンアミンを少なくとも指す。しかしながら、イソシアネートおよびアミンの早い反応と、多くの尿素瀬生物の不溶性のために、ポリ尿素プレポリマーを成功裏に生成可能にするには字アミンおよびポリエーテルアミンを選択することになる。1実施例において、ポリエーテル主鎖は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびこれらの混合物をベースにしている。適切なポリエーテルアミンは、これに限定されないが、メチルジエタノールアミン;ポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、およびポリオキシプロピレンジアミンのようなポリオキシアルキレンジアミン;ポリ(エチレンオキシドキャップドオキシプロピレン)エーテルジアミン;プロピレンオキシドをベースとするトリアミン;トリエチレングリコールジアミン;、トリメチロールプロパンをベースとするトリアミン;グリセリンをベースとするトリアミン;、及びこれらの混合物である。1実施例では、プレポリマーを製造するために使用するポリエーテルアミンはJEFFAMINE(商標) D2000(Huntsman社製、オースチン、テキサス)である。
【0112】
ポリ尿素プレポリマーに使用するポリエーテルアミンの分子量は約100〜約5000の範囲にある。1実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約230又はそれより大きい。他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約4000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約600又はそれより大きい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約3000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約1000〜約3000であり、より好ましくは約1500〜約2500である。ポリエーテルアミンの分子量が低いと固形ポリ尿素を形成しがちであるので、大きい分子量のオリゴマー、たとえばJEFFAMINE D2000が好ましい。
【0113】
先に簡単に述べたように、アミンとイソシアネートとの反応が早いために、多くのアミンはイソシアネートとの反応に不適切である。特に短鎖のアミンは早く反応する。しかしながら、1実施例において、立体障害を有する第2ジアミンはプレポリマーで使用するのに適している可能性がある。いずれの特定の理論に束縛されるものではないが、高度の立体障害を有するアミン、例えば窒素原子に結合した第3ブチル基を有するアミンは、障害がないか又はその程度が低いアミンより反応速度が遅くなると考えられる。例えば、4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン(CLEARLINK(商標) 1000)は、イソシアネートと組み合わせてポリ尿素プレポリマーを製造するのに適している可能性がある。
【0114】
イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を変化させて、反応の速度、得られた組成物の硬度等の因子を制御することができる。例えば、イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を約14%より小さくすることができる。1実施例では、ポリ尿素プレポリマーは約5%〜約11%の未反応のNCO基を有し、より好ましくは約6%〜約9.5%の未反応のNCO基を有する。1実施例では、未反応のNCO基の割合は約3%〜約9%である。代替的には、未反応のNCO基の割合は約7.5%又はそれより低く、より好ましくは約7%又はそれより低い。他の実施例では、未反応のNCO基の割合は約2.5%〜約7.5%、より好ましくは約4%〜約6.5%である。
【0115】
生成された状態で、ポリ尿素プレポリマーが、プレポリマーの約10重量%から約20重量%の遊離イソシアネートモノマーを含んでもよい。この結果、1実施例では、ポリ尿素プレポリマーから遊離イソシアネートモノマーを除去しても良い。例えば、除去後、プレポリマーは1%またはそれ未満の遊離イソシアネートモノマーを含むことになる。他の実施例では、プレポリマーは約0.5重量%または逸れ未満の遊離イソシアネートモノマーを含んでよい。
【0116】
ポリエーテルアミンを追加のポリオールとブレンドしてコポリマーを形成し、これを過剰のイソシアネートと反応させてポリ尿素プレポリマーを製造することもできる。1実施例では、コポリマーの約30重量%より少ないポリオールを飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。他の実施例では、コポリマーの約20重量%より少ない、好ましくはコポリマーの約15重量%より少ないポリオールを、飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。当業者に利用可能ないずれかの飽和ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、他のポリオール、及びこれらの混合物が、本発明に従ってブレンドするのに適している。これらのポリマーの分子量は約200〜約4000であることができるが、約1000〜約3000であることができ、より好ましくは約1500〜約2500であることができる。
【0117】
ポリ尿素組成物を、ポリ尿素プレポリマーを単一の硬化剤またはそのブレンドで架橋して製造することができる。この発明で使用する硬化剤は、好ましくは、アミン−末端硬化剤、より好ましくは第2ジアミン硬化剤であり、これにより、組成物が単一の尿素結合のみを含むようになる。1実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約64又はそれより大きい。他の実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約2000又はそれより小さい。上述のとおり、所定のアミン−末端硬化剤を互換性のあるアミン−末端凝固点降下剤またはその混合物により改質してもよい。
【0118】
適切なアミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4'−メチレンビス−(2−クロロアニリン);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,6−トルエンジアミン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン及びその誘導体;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;N,N'−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;4,4'−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチレンアニリン);4,4'−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン);メタ−フェニレンジアミン;パラ−フェニレンジアミン;シクロヘキシルジメトール;及びこれらの混合である物。1実施例では、アミン−末端硬化剤は4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
【0119】
適切な飽和アミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;トリイソプロパノールアミン;及びこれらの混合物である。さらに、上記のポリエーテルアミンのいずれかを、ポリ尿素プレポリマーと反応させる硬化剤として使用することができる。
【0120】
この発明のゴルフボールにおいて、カバーは、好ましくは不透明または半透明の熱硬化性または熱可塑性の脂肪族イソシアネートをベースにした材料を有する。
【0121】
この発明のゴルフボールのカバー材料の曲げ弾性率はASTM D−790西違って評価されて良い。
【0122】
圧縮値は測定対象の部品の直径に左右される。この発明においては、発明の材料からなるソリッドの1.55インチの球は、どこでも−75から200のDCMを有し、これはでき上がったゴルフボールの所望の特性に左右されるけれども、種々の好ましい範囲がここで開示され、まとめられている。ダイナミックコンプレッションマシーン(「DCM」)は、荷重をコアまたはボールに印加して測定荷重の下でコアまたはボールが何インチ変形したかを測定する装置である。Atti圧縮に適合する生の荷重/変形曲線が生成されて、これにより、Atti圧縮を表す値がもたらされる。DCMは、これを、静止状態のコアに対して固定レート(典型的には約1.0ft/s)で空気的にトリガーされる油圧シリンダの底部に取り付けられた荷重セルを用いて行う。シリンダに取り付けられるものはLVDTであり、これはテスト時間フレームにおいてシリンダが移動する距離を測定する。ソフトウエアベースの対数アルゴリズムによって、テストの最初のフェーズで少なくとも5回継続して荷重が増加するまでは、測定がなされないようになっている。DCMスケールの圧縮範囲は−246から200であるので、DCMは−75から200のAtti圧縮スケール範囲の外側の圧縮を把握するのにしばしば使用される。
【0123】
ここで使用されるように、CORは、ゴルフボールまたはゴルフボールのサブアッセンブリ(例えばゴルフボールコア)を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、38.1m/s(125ft/s)の速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=V
out/V
in=T
in/T
outとして計算される。COR値は、過酸化物および酸化防止剤のタイプおよび量、ならびに、硬化温度および時間を変化させることにより目的のものとすることができる。
【0124】
この発明のゴルフボールのカバーは任意の既知の色を有して良く、オプションとして表面オフセット、または凹み、突起をその表面に有する。表面オフセットはディンプルまたはディンプル以外のマーキングを含む。例えば、半透明なカバーは、凹んだロゴ、テキスト、線、弧、円、または多角形を有して良い。表面は、ロゴ、テキスト、線、弧、円、または多角形の形の、浮き上がった突起を有しても良い。半透明なカバー上にそのような表面オフセットを含ませることにより、不透明カバー材料の厚い部分と薄い部分が併置されて半透明カバーの下の不透明な表面上に「影」の効果を形成するので、ユニークな視覚効果が生じる。
【0125】
ここに示した実施例のいずれもいずれの既知のディンプル数およびパターンを伴ってよいけれども、ディンプルの好ましい数は252から456であり、より好ましくは330から392である。ディンプルは先行技術に開示された任意の幅、深さ、およびエッジ角度を伴って良く、パターンは異なる幅、深さおよびエッジ角の複数のディンプルを有してよい。典型的なディンプルカバー率は約60%より大きく、好ましくは約65%より大きく、より好ましくは約75%より大きい。パターンの分離線構造は、直線でも、互い違いの波状の分離線(SWPL:Staggered Wave Parting Line)でもよい。最も好ましくはディンプル数が330、332、または392であり5から7のディンプル寸法を伴い、分離線がSWPLである。
【0126】
これら実施例のいずれにおいても、単一層コアは2またはそれ以上の層のコアに置き換えてよく、この場合少なくとも1つのコア層が負の硬度勾配を伴う。
【0127】
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
【0128】
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
【0129】
ここに説明した発明の事例的な実施例は上述の目的を達成することは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。
ここに説明した発明の事例的な実施例は上述の目的を達成することは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。