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特開2015-155904世界中のいずれの場所における日の出又は日の入りを表示することができる計時器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-155904(P2015-155904A)
(43)【公開日】2015年8月27日
(54)【発明の名称】世界中のいずれの場所における日の出又は日の入りを表示することができる計時器
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/22 20060101AFI20150731BHJP
   G04B 19/00 20060101ALI20150731BHJP
【FI】
   G04B19/22 C
   G04B19/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-30585(P2015-30585)
(22)【出願日】2015年2月19日
(31)【優先権主張番号】14156008.6
(32)【優先日】2014年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ウィルマン
(72)【発明者】
【氏名】ギロメン・ベアト
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ルショー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】世界中のいずれの場所における日の出又は日の入りを表示することができる計時器を提供する。
【解決手段】計時器は、季節的変動を反映させた日の出及び日の入りを表示する手段17、23を有し、地球を再現する球体17と、球体と同心で、地球の明暗境界の位置を示すことによって、夜である地球上の部分を他の部分と区別するシェル23とを有する。球体は、表盤1の面に平行な方向を向いた第1の回転軸X−Xを中心に24時間当たり1回転の速さで回転するようにムーブメントによって駆動され、シェルは、表盤1の面に垂直な方向を向いた第2の軸を中心にピボット回転するようにマウントされる。日の出及び日の入りを表示する手段は、1年当たり1回転の速さでムーブメントによって回転駆動されるように構成し、赤道面に対する太陽の傾斜を表す輪郭を有する年周期カムを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表盤(1、101、201、301)と、計時器用ムーブメントと、季節的変動を反映させて日の出及び日の入りを表示する手段(17、23、117、123、217、223、317、323)とを有する計時器であって、
前記日の出及び日の入りを表示する手段は、地球を再現する球体(17、117、217、317)と、
前記球体と同心であるように構成し、地球の明暗境界の位置を示すことによって、夜である地球上の部分を他の部分と区別するように構成するシェル(23、123、223、323)とを有し、
前記球体は、地球の極軸に対応する第1の回転軸(X−X)を中心に24時間当たり1回転の速さで回転するように前記ムーブメントによって駆動されるように構成し、
前記シェルは、第1の軸(X−X)に垂直であって前記第1の軸と地球の略中心において実質的に交差する第2の軸(Y−Y)を中心にピボット回転するようにマウントされ、
前記第1の回転軸(X−X)は、前記表盤(1、101、201、301)の平面と平行な方向を向いており、前記第2の軸(Y−Y)は、前記表盤の平面と垂直な方向を向いており、
前記日の出及び日の入りを表示する手段は、さらに、1年当たり1回転の速さで前記ムーブメントによって回転駆動されるように構成し、赤道面に対する太陽の傾斜を表す輪郭を有する年周期カム(35)と、
前記年周期カムと連係するように構成するカム従動子(37)と、
運動学的接続(31、33、131、133、231、331)とを有し、
これによって、前記地球の明暗境界が定める平面が、赤道面に対する太陽の傾斜の角と等しい角を極軸と形成する
ことを特徴とする計時器。
【請求項2】
腕時計である
ことを特徴とする請求項1に記載の計時器。
【請求項3】
日付と月を表示するように構成するカレンダー機構(11、13、38)を有し、
前記カレンダー機構に前記年周期カム(35)が運動学的に接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計時器。
【請求項4】
前記表盤(1、101、201、301)の上において、前記地球の明暗境界は、日が入る場所を示す
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の計時器。
【請求項5】
前記表盤(1、101、201、301)の上において、前記地球の明暗境界は、日が出る場所を示す
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の計時器。
【請求項6】
前記球体と同心であるように構成する前記シェル(23)は、前記第2の軸(Y−Y)上で直径上の反対の位置に配置された2つのピボット軸を支え、
前記2つのピボット軸は、当該計時器の第1(25a)及び第2(25b)の明暗境界ブリッジ上でそれぞれピボット回転し、
前記第1及び第2の明暗境界ブリッジは、それぞれ前記表盤(1)の上及び下に位置する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の計時器。
【請求項7】
前記球体(117、217、317)と同心であるように構成する前記シェル(123、223、323)は、前記第2の軸(Y−Y)上に配置されたピボット軸(127、227、327)を支え、
前記ピボット軸は、当該計時器の明暗境界ブリッジ(125、325)によって支えられたベアリングと連係して前記シェルを支えている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の計時器。
【請求項8】
前記明暗境界ブリッジは、前記表盤(201)の下に位置し、
前記シェルは、浮遊しているシェルとなっている
ことを特徴とする請求項7に記載の計時器。
【請求項9】
前記明暗境界ブリッジは、前記表盤(101、301)の上に位置し、
前記シェルは、つるされたシェルとなっている
ことを特徴とする請求項7に記載の計時器。
【請求項10】
前記シェル(23)は、半球体の形状を有し、その縁は、前記2つのピボット軸の間の直径上の反対側に配置された2つの切り欠き(29a、29b)を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の計時器。
【請求項11】
前記シェル(223)は、半球体の形状を有し、その縁は、直径上の反対側に配置された2つの切り欠き(229a、29b)を有し、
前記ピボット軸(227)も、前記2つの切り欠きの間の縁上に位置している
ことを特徴とする請求項8に記載の計時器。
【請求項12】
前記シェル(323)は、半球体の形状を有し、その縁に垂直に切られており、
前記ピボット軸(327)は、前記切られた端の間の縁上に位置しており、
前記切られた端は、前記球体(317)と同心となっており、120°よりも大きく又は180°未満である角に対している
ことを特徴とする請求項9に記載の計時器。
【請求項13】
前記明暗境界ブリッジ(25a、325)には、開口が設けられており、これによって、所与の瞬間において見ることができる地球の表面の部分を増加させている
ことを特徴とする請求項6、9、10又は12のいずれか1項に記載の計時器。
【請求項14】
前記明暗境界ブリッジ(25、125)は、透明な材料で作られており、これによって、所与の瞬間において見ることができる地球の表面の部分を増加させている
ことを特徴とする請求項6、9、10又は12のいずれか1項に記載の計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表盤と、計時器用ムーブメントと、季節的変動を反映させて日の出及び日の入りを表示する手段とを有する計時器であって、前記日の出及び日の入りを表示する手段は、地球を再現する球体と、前記球体と同心であるように構成し、地球の明暗境界の位置を示すことによって、夜である地球上の部分を他の部分と区別するように構成するシェルとを有し、前記球体は、地球の極軸に対応する第1の回転軸(X−X)を中心に24時間当たり1回転の速さで回転するように前記ムーブメントによって駆動されるように構成し、前記シェルは、第1の軸(X−X)に垂直であって前記第1の軸と地球の略中心において実質的に交差する第2の軸(Y−Y)を中心にピボット回転するようにマウントされるものに関する。
【背景技術】
【0002】
日が出ている時間(duration of the day)とは、毎日、日の出の時に、太陽の上側部分が東で水平線の上に現われてから、日の入り時に、太陽が西で水平線の下に消えるまでの時間である。時間にかかわらず、地球の表面には、太陽によって照らされている半分の表面と、暗くなっている別の半分の表面がある。地球の明暗境界(terminator)は、照らされている部分と暗くなっている部分の間の境界である。幾何学的にいうと、地球の明暗境界は、地球を包囲する大きな円である。この大きな円は、太陽のまわりの地球の軌道の平面(黄道面と呼ばれる)に垂直な平面において延在する。また、地球の中心は、これらの2つの平面が交わる線上にある。
【0003】
一般的には、日が出ている時間は、年間を通して変わり、緯度に依存する。このような多様性は、地球自体の回転軸が黄道面に対して傾斜しているために発生する。この傾斜は、その定義によって、±23°27´である熱帯地方の緯度に対応する。周知なように、日が出ている時間は、北半球では12月の至で、南半球では6月の至で最短である。昼夜平分時では、日が出ている時間と、日が入っている時間とは、地球上のどこでも等しい。
【0004】
上の序言において与えられた定義に対応する計時器は既に知られている。具体的には、ドイツ実用新案DE7014354(U)の図3では、地球を再現する球体であってケース状の支持体の上を回転するように鉛直方向の軸に取り付けられた球体を有する置時計を開示している。前記支持体の上面は、球体の軸と同心であって24時間分の円が表示されているように構成する環状の表盤を有している。また支持体の内部で収容される計時器用ムーブメントは、24時間当たり1回転の速さで表盤の上の地球を回転させるように構成されている。この既知の置時計は、さらに、地球よりわずかに大きく、地球と同心であるように取り付けられた半球状のシェル(殻状体)を有する。これによって、地球の半分のみが見えるように地球を包囲している。この半球状のシェルは、太陽によって照らされている半球と、暗くなっている別の半球との間を地球上で識別することが可能になるように構成している。半球状のシェルは、地球の両側において、2つの鉛直方向の柱にヒンジ付けされている。したがって、シェルは、地球をその中心で支える鉛直方向の軸と交差する水平方向の軸を中心にピボット回転することができる。シェルは、シェルの傾斜の角度を制御するために設けられる機構のピニオン形成部品と連係するように構成するラックが取り付けられている。これによって、−23.5°と+23.5°の間の全範囲の値がこの角度によってカバーされ、1年に1回一方向で動き、その後、別の方向に動く。これによって、季節に応じて赤道の上の太陽の傾斜における多様性の影響を再現することができる。
【0005】
置時計にとっては十分であったとしても、前記従来技術の文献で記載されている構造は、人が着用することを意図された腕時計にはあまり適していない。実際に、地球を再現する球体は、世界のいずれの場所も少なくとも大まかに識別することが容易であるように十分に大きくなければならない。しかし、腕時計の表盤と表蓋との間のスペースが制限されているので、使用する地球は小さな寸法でなければならない。地球に必要な高さを減らすために、もちろん、表盤において凹部の形態の開口を設けて球体を収容することができる。しかし、この種の構成は、見やすさを制限してしまう。なぜなら、上に配置された半球のみを目で見ることになるからである(このことは理論上、北半球と同様に南半球でもある。しかし、従来の場合には、上を向いているのは北極である)。1つの手法は、2つの異なる腕時計を使用することである。すなわち、一方は、北半球で暮らす人用であって、他方は、南半球で暮らす人用というようにである。しかし、一方の半球から他方の半球へ移動するような旅行者にとっては課題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を克服することを目的とする。この目的は、請求項1に係る計時器を提供することによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、地球は、その横が下になるように配置される(二極を通る線が表盤の面と平行であるように)。この構成の1つの利点は、球体が凹部に収容されていてほとんど表盤の高さレベルの下に位置していても、地球のほぼ全表面を見ることができるということである。実際に、地球が回転駆動する場合、様々な領域が表盤の上で連続的に通る。また、本発明によると、地球は二極で2つのピボット軸によって保持することができる、これによって、構造をより堅牢にすることができる。この構成では、二極の領域は部分的に隠される可能性が高いことは否定できない。しかし、このことは大きな問題ではない。なぜなら、極地方は、地球の緯度領域の中でも人口が少ないからである。
【0008】
また、本発明によると、日から夜を区別するために提供されるシェルは、表盤に垂直な回転軸を中心にピボット回転する。この構成の1つの利点は、地球の明暗境界が地球と比べて中心に集まっているということである。このようにして、日と夜の間の境界を最適に見ることができる。横側が下に置かれた地球と、水平方向にピボット回転するシェルとの組み合わせの別の興味深い効果は、表盤の上で見ることができる地球の明暗境界の部分が、日が出る場所又は日が入る場所を表示することである。この特徴によって、日が出る場所を表示する計時器を提供し、日が入る場所を表示する計時器を提供することができる。
【0009】
添付図面を参照して、限定されない例によってのみ与えた本発明の特徴及び利点が以下の説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の特定の実施形態に係る腕時計の上面図である。
図2図1の腕時計の概略断面図である。
図3図3Aは、本発明に係る日の出と日の入りを表示する手段が上に取り付けられた主板を示す概略的な下面図であり、シェルが6月21日(北半球における夏)を占める位置にある。図3Bは、図3Aと同様な概略図であるが、シェルが12月21日(北半球における冬)を占める位置にある。
図4】日の出及び日の入りを表示する手段の一部を詳細に示す部分的な斜視図である。
図5図5A及び5Bは、それぞれ日の出及び日の入りを表示する手段の下側及び上側を示す図3Aの主板の2つの斜視図である。
図6図6A及び6Bは、それぞれ本発明の第2の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段を横から及び上から見た概略的な部分断面図である。
図7図7A及び7Bは、それぞれ本発明の第3の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段を横から及び上から見た概略的な部分断面図である。
図8図8A及び8Bは、それぞれ本発明の第4の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段を横から及び上から見た概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び2に示す腕時計は、具体的には、全体として符号1で示した主要な表盤を有する。主要な表盤は、腕時計のユーザーに様々な情報を提供するために3つの小型表盤(符号7、9及び15)を支えている。まず、分針3及び時針5によって表示される時間がある。これらは、第1の小型表盤7に対して従来の手法で回転するように構成している。図示した腕時計は、さらに、カレンダーを有する。その表示は、他の2つの小型表盤9及び15を使用する。このカレンダーは詳細に説明しない。本発明の主題ではないからである。小型表盤9の上で回転するように構成した小さな針11によってカレンダー表示(1〜31)(ないし日付)が提供され、別の小さな針13が第3の小型表盤15と連係して、年の月の表示を提供するように構成しているという説明で十分であろう。
【0012】
本発明によると、本例の主題である腕時計は、さらに、季節的変動を反映させて、地球上の異なる場所で日の出及び日の入りを表示する手段を有する。この点に関して、図1及び2の腕時計は、さらに、地球を表す球体17を有する。球体17が貫通アーバー19にマウントされていて、貫通アーバー19が地球の極軸(X−X)と同軸に構成していることを理解できるであろう。アーバー19は、表盤の平面と平行な方向を向いており、その2つの端は、球体が極軸(X−X)を中心に回転することが可能になるように、フレームによって支えられる2つのベアリング(符号なし)と係合している。図示した例において、球体は、表盤において12時の方向に設けられた円形の凹部21に収容されている。また、地球の極軸X−Xが腕時計の12時−6時の軸に重なっていることを理解することができるであろう。従来の方法において、地球の北極は、上方(12時の方向)を向いている。
【0013】
本発明によると、地球上の異なる場所における日の出及び日の入りを表示する手段は、さらに、シェル23を有する。シェル23は、球体17と同軸に配置され、夜である地球上の場所を日中である別の場所と識別することが可能なように構成されている。図示した例において、シェル23は、概してくぼんだ半球体の形を有し、これは、地球の2分の1を覆っている。シェルは、好ましくは、わずかに染色された半透明ないし透明な材料で作ることによって、シェルが覆う地球の部分が暗いという印象を与えることができる。
【0014】
本発明によると、シェル23は、表盤1の平面に垂直な方向を向いている回転軸(Y−Y)(以下、この軸を「黄道の軸」と呼ぶ)を中心に回転するように構成している。図示した例において、シェルは、その縁上の直径上の反対の位置で固定される2つのピボット軸を支える。この図は、さらに、2つのブリッジ25a、25bを示す。これらは、地球の両側に、一方が表盤1の上に、他方が表盤1の下に位置する。これらの2つのブリッジ(以下、「明暗境界ブリッジ」と呼ぶ)は、2つのベアリングを支えている。これらのベアリングの中に、シェル23と一体化されている2つのピボット軸が挿入され保持される。2つのヒンジは、それぞれ図において符号27a及び27bで示しており、対応するブリッジベアリング(25a又は25b)の中に、シェルのピボット軸のうちの1つを嵌めることによって形成されている。ブリッジ25a、25bは、それぞれ開口が開いた小さな二等辺三角形の形状を有し、この二等辺三角形の角の1つはベアリングを支えている。この角は、表盤中の凹部21の中心の方向に片持ち(カンチレバー)するように延在する。これによって、2つのヒンジ27a、27bは、凹部21の中心における黄道の軸に沿って位置合わせされている。
【0015】
図3A及び3Bを特に参照する。シェル23が、さらに、ヒンジ27bでピボット軸のうちの1つと一体化されているラック31を支えていることがわかる。ラック31の歯付き区画は、後で説明する機構の一部を形成する第2のラック33の歯付き区画と噛み合う。この機構は、地球の極軸(X−X)に対してシェルを傾斜させるために、黄道の軸(Y−Y)を中心にシェルのピボット回転を制御するために提供される。この機構は、季節に応じて赤道の上の太陽の傾斜における変化の影響を再現するように構成している。これは、シェル23の傾斜の角が、一方向、その後で別の方向へと、+23.5°と−23.5°の間の値の全範囲をカバーすることによって行われる。図面を再度参照する。シェル23の縁は、ヒンジ27aと27bの間に両側にある2つの切り欠き29a及び29bを有する。切り欠き29aは、図4において明瞭に示されている。切り欠き29bは、図1においてのみ示してあるが、これは、切り欠き29aと対称的に形成している。切り欠き29a及び29bの機能は、極軸(X−X)に対してシェル23が傾けられる場合にアーバー19を通すことを可能にすることである。
【0016】
本発明によると、シェルのピボット回転を制御するために提供される機構は、1年当たり1回転の速さでムーブメントによって回転駆動されるように構成する年周期カム35と、及びこのカムと連係するように構成するカム従動子37とを有する。図4及び5Aを参照する。カム35が車38と一体化されていることがわかる。前記のように、本例の腕時計は、カレンダーを有する。この例において、車38は、カレンダーの月カウンター用の車である。このようにして、車38は、年当たり1回転の速さで回転して小さな針13を駆動し、これによって、小型表盤15(図1)上で月表示を提供する。前記から、車38は、さらに、1年当たり1回転の速さでカム35を駆動することを理解できるであろう。
【0017】
図4は、さらに、第2のラック33がカム従動子37と一体化されていることを示す。図3A、3B及び4を再び参照する。シェル23は、2つのラック31及び33によってカム従動子37に運動学的に接続されている。カム35の輪郭は、赤道面に対する太陽の傾斜を表している。(すなわち、地球の極軸に対する明暗境界平面の傾斜を表している)。カムの輪郭によってカム従動子37がカム35の回転軸の近くに下がる場合は、この運動は、カム従動子37と一体化されている第2のラック33を介してラック31に送られる。シェル23がラック31と一体化されているので、シェル23は黄道の軸(Y−Y)を中心に回転し、これによって、この機構は図3Aに示す構成になる。反対に、カムの輪郭がカム従動子37を上げて、カム従動子37がカム35の回転軸から離れる場合、シェル23は、黄道の軸(Y−Y)を中心に反対方向にピボット回転し、これによって、機構は図3Bに示す構成になる。
【0018】
図4は、歯車40及び別の歯車42を示している。車40は、地球の南極にあるアーバー19と一体化されており、これに対して、車42は24時間ごとに1回転の速さで腕時計のムーブメントによって駆動されるように構成されている。図でわかるように、車40及び42は、互いに垂直である。車42は、円錐形のギアを介して車40を駆動するように構成されている。そのギア比は1である。この構成によって、腕時計用ムーブメントは、自体の上の地球を1日当たり1回転の速さで回転させることができる。地球の回転方向は、地球が実際に自転する運動を再現するように選ばれる。これらの条件において、地球の表面上の様々な場所は、太陽に対して西から東へ動く。
【0019】
図1を再び参照する。この図1において、シェル23は地球の右側に置かれる。また、既に述べたように、地球の北極は、図1の上側を向いている。したがって、シェル23によってアメリカの東海岸が覆われていることがわかる(すなわち、暗いところに入れられている)ことがわかる。これに対して、太陽は西海岸から離れた太平洋を照らしている。地球の可視表面が西から東へ回転するので、アメリカの西海岸は、シェルの縁(シェルの縁の地球上の位置は地球の明暗境界の位置に対応する)の下をまもなく通過し、暗くなる。前記から、図1に示す構成において、腕時計の表盤側は、日が入る地球上の場所を示すことがわかる。反対に、表盤側は、日が出る場所に関する表示を提供しない。
【0020】
本発明の変種によって、単に地球の右側の代わりに左側にシェル23を設けることによって、地球上の日が入る場所の代わりに、日が出ている場所を腕時計に表示させることができる。図2を参照する。球体17を収容する凹部21が、フレームを通り抜けて設けられる底がない凹部であることがわかる。また、腕時計のケースには、透明な後蓋44を有し、これによって、地球及びシェル23を下から観測することが可能になる。図示した腕時計が表盤側で太陽が沈んでいる地球上の場所を示すことができること、及び後蓋側で太陽がどこで昇っているかを表示することができることは明らかである。
【0021】
図6A及び6Bは、それぞれ本発明の第2の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段の部分的な概略的な側面図及び上面図である。図6A及び6Bに示す表示手段は、前記手段と比べて、シェル123が1つの明暗境界ブリッジ125のみによって保持されるという点で異なる。図でわかるように、ブリッジ125は、表盤101の上に位置しており、地球117の赤道の上に延在する比較的薄いフープ(輪)の形を有する。シェルは、いわばこのフープからつるされているようである。図6A及び6Bを再び参照する。図示した実施形態において、シェルの傾斜はラックによって制御されないが、しかし、年周期カムに運動学的に接続するピニオン133と連係するように構成するまっすぐな歯付き部分131を介して制御されることがわかる。また、まっすぐな歯付き部分が表盤の高さレベルの下に配置されるので、それは実際上、目で見えない。
【0022】
図7A及び7Bはそれぞれ、本発明の第3の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段の部分的な概略的な側面図及び上面図である。図7A及び7Bに示す表示手段は、前記手段と比べて、シェル223が表盤201の下に位置する単一の明暗境界ブリッジ(図示せず)によって支えられる「浮遊している(flying)」シェルであるという点で相違する。図7A及び7Bを再び参照する。図示した実施形態において、シェルの傾斜は、ラックないしまっすぐな歯付き部分を介してではなく、年周期カムに運動学的に接続される歯車231を介して制御される。また、車231は、地球の下に配置されるので、実際上目で見えない。
【0023】
図8A及び8Bは、それぞれ本発明の第4の実施形態に係る日の出及び日の入りを表示する手段の側面図及び上面図である。図8A及び8Bに示す表示手段は、図6A及び6Bのものと比べて、シェル323が、地球の明暗境界の平面と垂直に切られているという点で相違している。図8Aに示すように、シェルは、ブリッジ325からつるされており、表盤301の高さレベルの下にまで延在しているが、地球の回転軸319のすぐ上までで切れている。したがって、地球の明暗境界は、もはや大きな円によって表されず、球体317と同心の円の弧によって表される。この弧には、120°よりも大きく180°未満の角が対している。この後者の変種によって、要求される高さを著しく小さくすることが可能になる。
【0024】
図8A及び8Bを再び参照する。図示した実施形態において、シェルの傾斜がギアを介して制御されるのではなく、チェーン331又はベルトを介して制御されるということがわかる。添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書の主題を形成する実施形態に対して当業者にとって明白な様々な変更及び/又は改善を行うことができることは明らかである。具体的には、日の出及び日の入りを表示する手段のシェルの傾斜を制御する例の様々な形態はそれぞれ、本発明の特定の実施形態に適用するのではない。これに対して、シェルの傾斜を制御する複数の形態を各実施形態において実装することができる。また、地球の北極が下方(6時の方向)を向くようにすることもできる。この構成によって、シェル23を(図1における)右側に維持しつつ、日が入る場所ではなく、日が出る地球上の場所を腕時計が示すことが可能になる。
【符号の説明】
【0025】
1,101,201,301 表盤
11、13、38 カレンダー機構
17、23、117、123、217、223、317、323 日の出及び日の入りを表示する手段
23,123,223,323 シェル
25a、25b、125、325 明暗境界ブリッジ
29a、29b 切り欠き
31、33、131、133、231、331 運動学的接続
35 年周期カム
37 カム従動子
117、217、317 球体
327 ピボット軸
図2
図3
図4
図6
図7
図8
図1
図5