【解決手段】補聴器2’は、一つ又は複数の音声信号を処理するための信号プロセッサ6と、無線データ通信のために信号プロセッサに接続される無線通信ユニット8と、データ端子12と少なくとも一つの制御端子14とを有するアンテナシステム10’を含む。データ端子は無線通信ユニットに接続され、アンテナシステムは第1のアンテナ16及び第1のアンテナ・フィード18を含む一つ又は複数のアンテナ・フィード18、22を備える。アンテナシステムは制御端子に送信された制御信号に応じて、アンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置20をさらに備える。アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで作動するときは第1のアンテナ構成をデータ端子に適用し、第2のアンテナ・モードで作動するときは第2のアンテナ構成をデータ端子に適用する。
前記第1のアンテナ・フィードは、第1の位置で前記第1のアンテナに接続され、第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で前記第1のアンテナに接続される、請求項1に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ・フィードは、第1の位置で前記第1のアンテナに接続され、前記アンテナシステムは第2のアンテナを有し、第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で前記第2のアンテナに接続される、請求項1に記載の補聴器。
前記データ端子は、前記第1のアンテナ・モードでは前記第1のアンテナ・フィードに接続され、前記データ端子は、前記第2のアンテナ・モードでは前記第2のアンテナ・フィードに接続される、請求項2又は3に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ・モードにおける前記アンテナ構成装置は、前記第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用し、前記第2のアンテナ・モードにおける前記アンテナ構成装置は、前記第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用する、請求項2から4のいずれか一項に記載の補聴器。
前記信号プロセッサは、前記アンテナ・モードを選択し、選択したアンテナ・モードで前記アンテナシステムを作動させるために、前記アンテナシステムに前記制御信号を送信するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ構成は第1の放射パターンを有し、前記第2のアンテナ構成は前記第1の放射パターンとは異なる第2の放射パターンを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ構成は第1の方向に延びるアンテナ部を有し、前記第2のアンテナ構成は前記第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に延びるアンテナ部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の補聴器。
前記アンテナシステムを構成することは、前記第1のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときは前記アンテナシステムのデータ端子に第1のアンテナ構成を適用し、前記第2のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときは前記データ端子に第2のアンテナ構成を適用することを含む、請求項11に記載の方法。
前記アンテナシステムを構成することは、前記第1のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときは前記アンテナシステムの第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに前記アンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用することを含み、前記方法は、前記第2のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときに前記第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用することを含む、請求項11又は12に記載の方法。
前記方法は、前記アンテナシステムの外部の信号プロセッサによって実行され、前記信号プロセッサは、前記アンテナシステムに制御信号を送信して前記アンテナシステムを構成する、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線信号の安定した受信状態の獲得及び維持のために、ならびに送信及び/又は受信された電波の空間的差異(例えば、偏極又は電界分布)に対処するために、異なるように配向及び偏極されたアンテナが有用であり得る。
【0004】
補聴器の配向又はユーザの位置にかかわらず、データの無線受信状態を向上させる補聴器に対する要求がある。
【0005】
知られている解決策にもかかわらず、補聴器の制限を克服し、さらに、受信する信号の偏極の違いに対処するという利益を提供するアンテナシステムに対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、適応的に構成可能なアンテナシステムを有する補聴器が提供される。補聴器は、任意選択的に補聴器のユーザの聴力損失を補うために一つ又は複数の音声信号を処理するための信号プロセッサと、無線データ通信のために信号プロセッサに接続された無線通信ユニットと、データ端子及び少なくとも一つの制御端子を有するアンテナシステムとを備える。データ端子は無線通信ユニットに接続され、アンテナシステムは第1のアンテナと、第1のアンテナ・フィードを含む一つ又は複数のアンテナ・フィードとを有する。アンテナシステムは、少なくとも一つの制御端子における制御信号に応じて、第1のアンテナ・モード及び第2のアンテナ・モードを含む複数のアンテナ・モードから選択される選択アンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置を備える。アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで作動するときは第1のアンテナ構成をデータ端子に適用し、及び第2のアンテナ・モードで作動するときは第2のアンテナ構成をデータ端子に適用するように構成される。
【0007】
また、補聴器を作動させるための方法が開示される。ここで、補聴器はデータ通信用のデータ端子を有するアンテナシステムを備える。この方法は、例えばアンテナシステムの第1のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第1のパラメータを受信することと、任意選択的に、例えばアンテナシステムの第2のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第2のパラメータを受信することと、第1及び/又は第2のパラメータに基づいて最適アンテナ・モードを決定することと、最適アンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成することとを含む。アンテナシステムを構成することは、アンテナシステムに制御信号を送信すること又は適用することを含む。
【0008】
また、補聴器を作動させるための方法が本明細書中に開示される。ここで、補聴器はデータ通信用のデータ端子を有するアンテナシステムを備える。この方法は、補聴器が送信状態にある場合は第1のアンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成し、補聴器が受信状態にある場合は第2のモードで作動するようにアンテナシステムを構成することを含む。アンテナシステムを構成することは、アンテナシステムに制御信号を送信すること又は適用することを含む。
【0009】
一つ又は複数の実施形態によると、電磁信号の受信状態を向上させるための、補聴器及び補聴器を作動させるための方法が提供される。
【0010】
補聴器は、補聴器のユーザの聴力損失を補うために一つ又は複数の音声信号を処理するための信号プロセッサと、無線データ通信のために信号プロセッサに接続される無線通信ユニットと、データ端子及び少なくとも一つの制御端子を有するアンテナシステムを含む。データ端子は無線通信ユニットに接続される。アンテナシステムは、第1のアンテナと、第1のアンテナ・フィードを含む一つ又は複数のアンテナ・フィードとを有する。アンテナシステムは、少なくとも一つの制御端子において送信された制御信号に応じて、第1のアンテナ・モード及び第2のアンテナ・モードを含む複数のアンテナ・モードから選択された選択アンテナ・モードで作動するように、アンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置をさらに備える。アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで作動するときは第1のアンテナ構成をデータ端子に適用し、第2のアンテナ・モードで作動するときは第2のアンテナ構成をデータ端子に適用するように構成される。
【0011】
任意選択的に、前記した一つ又は複数のアンテナ・フィードは、第2のアンテナ・フィードをさらに備え、第1のアンテナ・フィードは第1の位置で第1のアンテナに接続され、及び第2のアンテナ・フィードは第2の位置で第1のアンテナに接続される。
【0012】
任意選択的に、第1のアンテナ・フィードは第1の位置で第1のアンテナに接続され、アンテナシステムは第2のアンテナを備え、第2のアンテナ・フィードは第2の位置で第2のアンテナに接続される。
【0013】
任意選択的に、データ端子は第1のアンテナ・モードでは第1のアンテナ・フィードに接続され、データ端子は第2のアンテナ・モードでは第2のアンテナ・フィードに接続される。
【0014】
任意選択的に、第1のアンテナ・モードにおけるアンテナ構成装置は、第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに、第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用する。また、第2のアンテナ・モードにおけるアンテナ構成装置は、第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに、第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用する。
【0015】
任意選択的に、信号プロセッサは、アンテナ・モードを選択するとともに、その選択されたアンテナ・モードでアンテナシステムを作動させるように、アンテナシステムに制御信号を送信するように構成される。
【0016】
任意選択的に、第1のアンテナ構成は第1の放射パターンを有し、及び第2のアンテナ構成は第1の放射パターンとは異なる第2の放射パターンを有する。
【0017】
任意選択的に、第1のアンテナ構成は第1の偏極を有し、及び第2のアンテナ構成は第1の偏極とは異なる第2の偏極を有する。
【0018】
任意選択的に、第1のアンテナ構成は第1の方向に延びるアンテナ部を備え、及び第2のアンテナ構成は第1の方向に実質上垂直な第2の方向に延びるアンテナ部を備える。
【0019】
任意選択的に、第1のアンテナ構成は2.4〜2.5GHzの範囲の周波数用に構成される。
【0020】
データ通信用のデータ端子を有するアンテナシステムを備える補聴器を作動させるための方法であって、この方法は、アンテナシステムの第1のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第1のパラメータを受信することと、アンテナシステムの第2のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第2のパラメータを受信することと、第1及び第2のパラメータに基づいて、少なくとも第1のアンテナ・モード及び第2のアンテナ・モードからアンテナ・モードを選択することと、選択したアンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成することと、を含む。
【0021】
任意選択的に、アンテナシステムを構成する動作は、第1のアンテナ・モードが選択されたアンテナ・モードであるときは、アンテナシステムのデータ端子に第1のアンテナ構成を適用することと、第2のアンテナ・モードが選択されたアンテナ・モードであるときはアンテナシステムのデータ端子に第2のアンテナ構成を適用することと、を含む。
【0022】
任意選択的に、アンテナシステムを構成する動作は、第1のアンテナ・モードが選択されたアンテナ・モードであるときは、アンテナシステムの第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに、アンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用することと、第2のアンテナ・モードが選択されたアンテナ・モードであるときは、アンテナシステムの第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに、アンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用することと、を含む。
【0023】
任意選択的に、受信動作、選択動作、及び構成動作は、アンテナシステムの外部の信号プロセッサによって実行され、方法は、アンテナシステムを構成するためにプロセッサからアンテナシステムに制御信号を送信することさらに含む。
【0024】
任意選択的に、第1のパラメータは第1のアンテナ・モードに関する受信信号強度を示し、及び/又は、第2のパラメータは第2のアンテナ・モードに関する受信信号強度を示す。
【0025】
他の態様及び特徴は以下の詳細な説明を読むことで明らかになるであろう。
【0026】
上記の及び他の特徴及び利点は、例示の実施形態の以下の詳細な説明によって、添付の図面を参照して、当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照してさまざまな実施形態が本明細書中に記載され、その中に例示の実施形態が示される。しかしながら、請求項に係る発明は、別の形で具現化されてもよく、本明細書中の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。同様の参照符号は全体を通して同様の要素を指す。したがって、各図面の説明に関して、同様の要素は詳細には記載されない。図面は単に実施形態の説明を容易にすることを意図されているにすぎないことに注目されたい。それらは、請求項に係る発明の網羅的な説明として、又は特許請求に係る発明の範囲の限定として意図されるものではない。さらに、例示される実施形態は、示された態様又は利点の全てを有する必要はない。特定の実施形態と併せて説明された態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、及び、たとえそのように例示されていなくても、又はたとえそのように明らかに説明されていなくても、任意の他の実施形態において実施され得る。
【0029】
本開示は、アンテナシステムを有する補聴器に関する。アンテナシステムは、データ端子及び少なくとも一つの制御端子を備える。アンテナシステムは、第1のアンテナと、第1のアンテナ・フィードを含む一つ又は複数のアンテナ・フィードとを備えていてもよい。さらに、アンテナシステムは、選択されたアンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置を備えていてもよい。アンテナ・モードは、第1のアンテナ・モード及び第2のアンテナ・モードを含む複数のアンテナ・モードから選択されてもよい。
【0030】
アンテナシステムの構成は、少なくとも一つの制御端子に関する制御信号に応じて適用されてもよい。アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで作動するときは第1のアンテナ構成をデータ端子に適用し、第2のアンテナ・モードで作動するときは第2のアンテナ構成をデータ端子に適用するように構成されてもよい。
【0031】
補聴器は、聴覚装置のユーザの聴力損失又は障害を補うために一つ又は複数の音声信号を処理する信号プロセッサを含む処理装置を備えていてもよい。
【0032】
補聴器は、無線データ通信のために信号プロセッサに接続される無線通信ユニットを備える。無線通信ユニットは、アンテナシステムのデータ端子に接続されてもよい。
【0033】
アンテナ構成は、アンテナ・フィードの位置と共にアンテナ及びアンテナ部分のサイズ、形状、型、及び位置を含んでいてもよい。
【0034】
多くの異なるアンテナ構成から選定又は選択することによる適応型アンテナシステムの提供により、所望の信号を受信する可能性が高められ、及び/又は受信信号の質が高められる。送信信号の偏極及び/又は放射パターンは、受信用アンテナシステムのアンテナ及びそれぞれのアンテナ・フィードの配置及び配向に起因して、特定のアンテナ構成による受信に適さない可能性がある。アンテナ構成の偏極及び/又は放射パターンは、アンテナ特性と呼ばれることがある。
【0035】
開示されるように、アンテナ構成装置を備えるアンテナシステムを有する補聴器は、補聴器が送信用アンテナシステムと受信用アンテナシステムとの間のアンテナ構成特性の差異を低減させることを可能にする。
【0036】
構成可能なアンテナシステムのさらなる利点は、一つのアンテナ構成はユーザの右耳に装着された補聴器に適する可能性があり、一方、別のアンテナ構成はユーザの左耳に装着された補聴器に適する可能性があるということである。補聴器用アンテナシステムにいくつかのアンテナ構成を組み込むことは、同一の補聴器を左耳用及び右耳用に使用することを可能にすることができ、それにより生産コストを削減することができる。
【0037】
受信用アンテナシステムのアンテナ構成装置は、異なるアンテナ特性を有するアンテナ構成を備える異なるアンテナ・モードを適用することを可能にすることができ、それによって、受信用及び/又は送信用アンテナシステムの特性を変更し、したがって、他のアンテナ構成による受信に適さない放射パターン及び/又は偏極を有する信号の受信状態及び/又は送信状態を向上させる。
【0038】
同様に、送信用アンテナシステムのアンテナ構成装置は、異なるアンテナ特性を有するアンテナ構成を備える異なるアンテナ・モードを適用することを可能にすることができ、それによって、送信用アンテナシステムの特性を変更する。
【0039】
アンテナの特性は、いくつかの要因、とりわけ、実際のアンテナならびに信号を供給又は受信するアンテナ・フィードの形状及び位置によって決定され得る。用語「アンテナの特性」は、したがって、物理的なアンテナの性質、一つ又は複数のアンテナ・フィード、及びアンテナ・フィードに適用されるインピーダンスのような特性のような性質の組み合わせの状態を指し得る。
【0040】
第1のアンテナ構成は、例えば第1の方向に第1の主要ローブを有する、第1の放射パターンを有していてもよい。第2のアンテナ構成は、例えば第2の方向に第2の主要ローブを有する、第2の放射パターンを有していてもよい。第2の放射パターンは、第1の放射パターンとは異なっていてもよい。第1及び第2の方向の間の角度は、45°から135°までの範囲内であってもよい。
【0041】
第1のアンテナ構成は、第1の偏極を有していてもよい。第2のアンテナ構成は、第2の偏極を有していてもよい。第2の偏極は、第1の偏極とは異なっていてもよい。第1の偏極及び/又は第2の偏極は、横磁偏極であってもよい。
【0042】
アンテナ構成装置は、アンテナの形状又は位置のような物理的性質を変更することによってアンテナ構成を変更し得る。したがって、第1のアンテナ・モードは、第1の方向に及び/又は第1の軸に沿って延びるアンテナ部を備える第1のアンテナ構成を備えていてもよく、第2のアンテナ・モードは、第2の方向に及び/又は第2の軸に沿って延びるアンテナ部を備えていてもよい。
【0043】
第2の方向は第1の方向に対して実質上垂直であってもよい(例えば、第2の方向及び第1の方向は、互いに90°±10°を成してもよい)。それによって互いを補い合う放射パターンを取得し、すなわち、第2のアンテナ構成は、第1のアンテナ構成によって弱く受信される信号を受信することができ得る。この状況は、弱い受信状態が送信用アンテナの放射パターンと第1のアンテナ構成の放射パターンとの間の差異に起因する場合に、特にあてはまる。
【0044】
代替的又は付加的に、アンテナ構成装置は、アンテナ・モードを選択し及び異なるアンテナ・フィードを利用することによってアンテナシステム特性を変更してもよく、及び/又は異なるアンテナ・フィードに異なる性質を適用してもよい。
【0045】
アンテナ・フィードは、一端子のアンテナ・フィード又は二端子のアンテナ・フィードであってもよい。例えばモノポール・アンテナのために使用される、一端子のアンテナ・フィードに関して、第1のアンテナ端子は、一つ又は複数のアンテナ部分に接続されてもよい。例えばダイポール・アンテナのために使用される、二端子のアンテナ・フィードに関して、第1のアンテナ端子は第1のアンテナ部分に接続され、及び第2のアンテナ端子は第2のアンテナ部分に接続される。
【0046】
例示のアンテナシステムにおいて、第1のアンテナ・フィードは、第1の位置で第1のアンテナに接続されてもよく、第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で第1のアンテナに接続されてもよい。したがって、アンテナシステムのアンテナは、アンテナ構成装置に接続される一つ又は複数のアンテナ・フィードを組み込んでいてもよい。したがって、アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・フィード及び/又は第2のアンテナ・フィードを利用することによって、アンテナ・モードを変更してもよい。代替的に又は付加的に、アンテナ構成装置は、受信又は送信用に利用されない、すなわちその特定のアンテナ・モードにおいてデータ端子に接続されない(一つ又は複数の)アンテナ・フィードに適当な性質を適用してもよい。アンテナ構成装置は、例えば、実際上、少なくとも1キロオームのような、少なくとも10キロオームのような、例えば少なくとも100キロオームのような、非常に大きいインピーダンスを、選択されたアンテナ・モードに応じて第1及び/又は第2のアンテナ端子に適用することによって、アンテナ・モードにおいて一つ又は複数のアンテナ・フィードを分離してもよい。二端子のアンテナ・フィードに関して、アンテナ構成装置は、例えばアンテナの二つのアンテナ部分を結合させるために、アンテナ・モードにおいて一つ又は複数のアンテナ・フィードの第1のアンテナ端子及び第2のアンテナ端子を短絡させてもよい。二端子のアンテナ・フィードに関して、アンテナ構成装置は、例えばアンテナの二つのアンテナ部分を結合させるために、アンテナ・モードにおける一つ又は複数のアンテナ・フィードの第1のアンテナ端子及び第2のアンテナ端子をインピーダンス整合させてもよい。
【0047】
単一のアンテナ及び当該アンテナのためのいくつかのアンテナ・フィードを利用する状況は、サイズが制限され及び全ての部品が望ましくはできる限り小さい、小さな補聴器において特に有用である。
【0048】
アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで、第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに、第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用してもよい。アンテナ構成装置は、第2のアンテナ・モードで、第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに、第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用してもよい。
【0049】
例示のアンテナシステムにおいて、アンテナシステムは、第1のアンテナ及び第2のアンテナを含む複数のアンテナを備えていてもよい。したがって、第1のアンテナ・フィードは第1の位置で第1のアンテナに接続されてもよく、また、アンテナシステムは第2のアンテナと第2のアンテナ・フィードとを備えていてもよい。第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で第2のアンテナに接続されてもよい。この例示のアンテナシステムにおいて、アンテナ構成装置は、第1のアンテナ又は第2のアンテナのいずれかを使用するように選択してもよい。
【0050】
第1のアンテナ・フィードは、第1のアンテナの第1の端に位置付けられていてもよい。第2のアンテナ・フィードは、第1のアンテナの第2の端に又は第2のアンテナの第1の端に位置付けられていてもよい。アンテナ・フィードは、アンテナのそれぞれの端の間に位置付けられていてもよい。
【0051】
いくつかのアンテナ・フィードを有する単一のアンテナ、又は一つ又は複数のアンテナ・フィードをそれぞれ有するいくつかのアンテナを組み入れようとなかろうと、アンテナ構成装置は、あるアンテナ構成にデータ端子を接続することによってあるアンテナ・モードを利用してもよい。したがって、第1及び第2のアンテナ構成をそれぞれ適用するために、データ端子は、第1のアンテナ・モードで第1のアンテナ・フィードに接続されてもよく、データ端子は、第2のアンテナ・モードで第2のアンテナ・フィードに接続されてもよい。
【0052】
アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードで第1のアンテナ・フィードにデータ端子を接続し、第2のアンテナ・モードで第2のアンテナ・フィードにデータ端子を接続するスイッチ回路を制御してもよい。アンテナ構成装置は、スイッチ回路を備えていてもよく、したがって、アンテナ構成装置は、第1のアンテナ・モードでは第1のアンテナ・フィードにデータ端子を接続し、第2のアンテナ・モードでは第2のアンテナ・フィードにデータ端子を接続するのに適している。
【0053】
アンテナ構成装置内にスイッチ回路を組み入れることは、アンテナ構成装置が利用されるアンテナ・モードに応じてアンテナ・フィードの各々に異なる性質を適用し得るので、有益であり得る。
【0054】
アンテナ構成装置は、アンテナ・フィードのインピーダンスを調節するための回路を備えていてもよい。回路は、アンテナ・フィードのインピーダンスを無線通信ユニットのインピーダンスと整合させ又は調節するように構成されていてもよい。
【0055】
アンテナ・モードの選択は、信号プロセッサを含む処理装置により実施されてもよい。信号プロセッサは、アンテナ・モードを選択し及びアンテナシステムに制御信号を送信して、選択アンテナ・モードでアンテナシステムを作動させるように構成されていてもよい。制御信号は、アンテナシステムのアンテナ構成装置に送られてもよい。受信信号の分析及び信号強度や、エラー率等のようなパラメータに基づく、アンテナ・モードの変更が有益であり得るかどうかの決定に基づいて、信号プロセッサによりアンテナ・モードの選択が実行されてもよい。処理装置は、無線通信ユニットから(一つ又は複数の)信号品質指標を受信し、及びアンテナ・モード/アンテナ構成の選択を(一つ又は複数の)信号品質指標に準拠してもよい。
【0056】
信号プロセッサがアンテナ・モードの変更が有益であり得るかどうかを決定する場合、制御信号は、アンテナシステムのアンテナ構成装置に送信されて、第2のアンテナ構成を有する第2のアンテナ・モードにアンテナ構成を再構成してもよい。
【0057】
アンテナシステムは、初期設定アンテナ・モードを有していてもよく、以前に採用されたアンテナ・モードが初期設定であってもよい。
【0058】
信号プロセッサは、表示パラメータがある閾値未満に落ちた場合に第2のアンテナ・モードを利用するようにアンテナシステムを構成してもよい。そのような表示パラメータは、信号強度、信号品質、信号対雑音比、エラー率等のようなパラメータのうちの任意の一つ又はいくつかであってもよい。例示の補聴器において、処理装置は、無線信号の受信状態の間は第1のアンテナ構成を適用し、送信状態の間は第2のアンテナ構成を適用するようにアンテナシステムを構成してもよい。これは例えば両耳用の聴力装置において特に有用であり、両耳用の聴力装置では、例えば映画館又は空港において、第1の補聴器は第2の補聴器に送信し及び外部無線送信機から受信する。
【0059】
例示の補聴器において、第1のアンテナ構成は、初期設定に採用されたアンテナ構成であってもよい。アンテナ構成装置及び/又は信号プロセッサは、したがって、初期設定のアンテナ構成が信号を適切に受信することができない場合に単にアンテナ構成を変更するように構成されていてもよい。信号が適切に受信されたかどうかの決定は、信号強度、信号品質、信号対雑音比、エラー率等のようなパラメータのうちの任意の一つ又はいくつかから決定されてもよい。
【0060】
第1のアンテナ構成及び/又は第2のアンテナ構成は、2.4〜2.5GHzの範囲、及び/又は800MHzから1GHzまでの範囲、及び/又は13MHzから14MHzまでの範囲、及び/又は3.6GHzから3.7GHzまでの範囲、及び/又は4.9GHzから5.9GHzまでの範囲の周波数用に構成されてもよい。アンテナ及びそのアンテナ部分のサイズ及び形状と共にアンテナ・フィードの位置は、当該アンテナがどの周波数を受信するのに最も適し得るかを決定し得る。
【0061】
任意のアンテナ構成、例えば第1のアンテナ構成及び/又は第2のアンテナ構成は、例えば、モノポール・アンテナ、ダイポール・アンテナ、ループ・アンテナ等の任意の知られている型のアンテナを備えていてもよい。
【0062】
本明細書中に開示される方法は、補聴器及び外部送信機/受信機間における内部的に向上された無線通信を提供する。
【0063】
第1の及び/又は第2のパラメータは、受信信号強度、又は信号強度、信号品質、信号対雑音比、エラー率等を示してもよい。第1のパラメータは、聴力装置の作動状態を示してもよい。第1のパラメータ及び/又は第2のパラメータは、補聴器及びしたがって無線通信ユニットが送信状態にあるか又は受信状態にあるかを示してもよい。
【0064】
方法は、アンテナシステムの外部の信号プロセッサによって実行されてもよい。信号プロセッサは、アンテナシステムに制御信号を発信して、アンテナシステムを構成してもよい。したがって、アンテナシステムは、信号プロセッサを含む処理装置の(一つ又は複数の)制御端子のそれぞれに接続される(一つ又は複数の)制御端子を備えていてもよい。
【0065】
アンテナシステムを構成することは、第1のアンテナ・モードが最適アンテナ・モードであるときにアンテナシステムのデータ端子に第1のアンテナ構成を適用することを含んでいてもよい。第1のアンテナ・モードが最適アンテナ・モードであるかどうかの決定は、補聴器の受信信号及び/又は作動状態を分析する信号プロセッサによって実行されてもよい。同様にアンテナシステムを構成することは、第2のアンテナ・モードが最適アンテナ・モードであるときにデータ端子に第2のアンテナ構成を適用することを含んでいてもよい。それによって、方法は、異なるアンテナ構成を備える異なるアンテナ・モード間で変化し、したがって最適アンテナ・モードであるアンテナ・モードを採用し得る。
【0066】
最適アンテナ・モードは、利用可能なアンテナ・モードの各々の信号の受信の際に決定されてもよく、次いで、アンテナ・モードのうちのどれが最良かを決定する。所望の又は最良のアンテナ・モードは、補聴器の作動状態、信号強度、信号品質、信号対雑音比、エラー率等のようなパラメータのうちの任意の一つ又はいくつかに基づいて決定されてもよい。
【0067】
最適アンテナ・モードは、同様にあるいは代替的に、現在採用されているアンテナ・モード又は初期設定のアンテナ・モードであってもよく、及び表示パラメータがある閾値未満に落ちた場合に、異なるアンテナ・モードを利用するようにアンテナシステムを構成することが実行される。そのような表示パラメータは、信号強度、信号品質、信号対雑音比、エラー率等のようなパラメータのうちの任意の一つ又はいくつかであってもよい。
【0068】
アンテナシステムを構成することは、第1のアンテナ・モードが最適アンテナ・モードであるときに、アンテナシステムの第1のアンテナ・フィード、例えば、第1のアンテナ・フィードの第1のアンテナ端子に第1の一次インピーダンスを適用することと、アンテナシステムの第2のアンテナ・フィード、例えば第2のアンテナ・フィードの第1のアンテナ端子に第2の一次インピーダンスを適用することとを含んでいてもよい。例示の方法において、第2のアンテナ・フィードを分離するために、第2の一次インピーダンスは、少なくとも1キロオームのような、少なくとも10キロオームのような、例えば少なくとも100キロオームのような、高インピーダンスであってもよい。第1の一次インピーダンスは、例えば、100オーム未満、75オーム未満、55オーム未満など、低いように選択されてもよい。第1の一次インピーダンスは、無線通信ユニットに従って整合されてもよく、及び第1のアンテナ・フィードは、データ端子に結合されてもよい。
【0069】
方法は、第2のアンテナ・モードが最適アンテナ・モードであるときに第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに、第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用することを含んでいてもよい。第1の二次インピーダンスは、第2の一次インピーダンスと同一であってもよい。第2の二次インピーダンスは、第1の一次インピーダンスと同一であってもよい。例示の方法において、第1のアンテナ・フィードを分離するために、第1の二次インピーダンスは、少なくとも1キロオームのような、少なくとも10キロオームのような、例えば、少なくとも100キロオームのような、高インピーダンスであってもよい。第2の二次インピーダンスは、例えば、100オーム未満、75オーム未満、又は55オーム未満など、低いように選択されてもよい。第2の二次インピーダンスは、無線通信ユニットに従って整合されてもよく、及び第2のアンテナ・フィードはデータ端子に結合されてもよい。
【0070】
図1は、音を受信するとともに受信した音を第1の音声信号に変換するためのマイクロホン4を備える例示の補聴器2を示す。音声信号は、補聴器2のユーザの聴力損失を補うために第1の音声信号を任意選択的に処理するための信号プロセッサ6に送信される。補聴器2は、無線データ通信のために信号プロセッサ6に接続される無線通信ユニット8をさらに備える。受信モードにおいて、無線通信ユニット8は、補聴器2のユーザの聴力損失を補うために第2の音声信号を処理するための信号プロセッサに第2の音声信号を供給する。信号プロセッサ6は、処理された信号を音に変換するための受信機又は受信機アセンブリ9に処理された信号を出力する。処理された信号は、例えば作動のモードに応じて、第1の音声信号及び/又は第2の音声信号に基づいていてもよい。さらに、補聴器2は、データ端子12及び少なくとも一つの制御端子14を有するアンテナシステム10を備える。データ端子12は、アンテナシステムを介して無線信号を受信及び/又は送信するための無線通信ユニット8のデータ端子15’に接続される。少なくとも一つの制御端子14は、信号プロセッサの制御端子15に接続される。アンテナシステム10は、第1のアンテナ16及び第1のアンテナ・フィード18を含む一つ又は複数のアンテナ・フィードを備える。アンテナシステム10は、例えば少なくとも一つの制御端子14に関する制御信号に応じて選択アンテナ・モード又は最適アンテナ・モードで作動するようにアンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置20をさらに備える。アンテナ・モードは、少なくとも一つの制御端子14に関する制御信号に応じて、第1のアンテナ・モード及び第2のアンテナ・モードを含む複数のアンテナ・モードから選択されてもよい。アンテナ構成装置20は、第1のアンテナ・モードで作動するときはデータ端子12に第1のアンテナ構成を適用し、第2のアンテナ・モードで作動するときはデータ端子12に第2のアンテナ構成を適用するように構成されてもよい。
【0071】
信号プロセッサ6は、少なくとも一つの制御端子14に接続されてもよく、すなわち、少なくとも一つの制御端子14に適用される制御信号は、信号プロセッサ6から送信されてもよい。他の例示の補聴器において、無線通信ユニット8は、少なくとも一つの制御端子14に接続されてもよく、すなわち、少なくとも一つの制御端子14に適用された制御信号は、無線通信ユニット8から送信されてもよい。
【0072】
図3から
図5に関して説明されるように、第1のアンテナは、いくつかの異なる特性を持っていてもよい。
【0073】
図2は例示の補聴器2’を示し、アンテナシステム10’は第2のアンテナ24、第2のアンテナ・フィード22、及びアンテナ・スイッチ26をさらに備える。アンテナ・スイッチ26は、アンテナ構成装置20によって制御される。いくつかの例示のアンテナシステムにおいて、スイッチ26は、アンテナ構成装置20の一体化された部分であってもよい。アンテナ・スイッチ26は、アンテナ構成装置20の制御に従って、第1のアンテナ・フィード18又は第2のアンテナ・フィード22にデータ端子12を接続する。第1のアンテナ16及び第2のアンテナ24は、異なる偏極及び/又は放射パターンを用いた信号の受信及び送信を達成するために、互いに関して位置付けられ及び/又は配向されてもよい。
【0074】
図3は、補聴器2のための例示のアンテナシステム10を示す。
図3に示される例示のアンテナシステム10は、第1のアンテナ・フィード18を有する第1のアンテナ16を備える。第1のアンテナ16は、第1の一次アンテナ部16A及び第1の二次アンテナ部16Bを備えていてもよい。第1のブレーカー28及び第2のブレーカー30は、第1のアンテナ16の性質の適応化又は変化を可能にし又は提供する。第1のブレーカー28の有効化及び第2のブレーカー30の無効化によって、第1のアンテナ・モードのための第1のアンテナ構成が有効になる。したがって、第1のアンテナ構成は、第1のアンテナ・フィード18及び第1の一次アンテナ部16Aを備える。反対に、第2のブレーカー30を有効化し及び第1のブレーカー28を無効化することによって、第2のアンテナ・モードのための第2のアンテナ構成は有効になる。したがって、第2のアンテナ構成は、第1のアンテナ・フィード18及び第1の二次アンテナ部16Bを備える。第1及び第2のブレーカー28、30の有効化及び無効化は、アンテナ構成装置20によって制御される。第1のアンテナ構成又は第2のアンテナ構成を使用するかどうかの入力は、アンテナ構成装置20によって制御端子14から受信される。
図3に示された例示のアンテナシステム10において、アンテナ構成はブレーカー28、30を用いて第1のアンテナ16の特性を変化させることによって変化させられるので、データ端子12は第1のアンテナ・フィード18に常に接続される。他の例示のアンテナシステムにおいて、データ端子は、アンテナ・スイッチ26又はアンテナ構成装置20に接続されてもよい。
【0075】
例示のアンテナシステム10において、第1の二次アンテナ部16Bは、第1のアンテナ・フィード18から実質上垂直に第1の一次アンテナ部16Aに延びていてもよい。したがって、第1のアンテナ構成は、第2のアンテナ・モードのアンテナ特性と比べて異なるアンテナ特性を有する。
【0076】
図4は、補聴器のための例示のアンテナシステム10’を示す。アンテナシステム10’は、第1のアンテナ・フィード18を有する第1のアンテナ16、及び第2のアンテナ・フィード22を有する第2のアンテナ24を備える。アンテナ・スイッチ26は、第1のアンテナ・モードでは第1のアンテナ・フィード18にデータ端子12を接続してもよく、アンテナ・スイッチ26は、第2のアンテナ・モードでは第2のアンテナ・フィード22にデータ端子12を接続してもよい。第1のアンテナ・モード又は第2のアンテナ・モードを使用するかどうかの入力は、アンテナ構成装置20によって制御端子14から受信され、これは、受信制御信号に従ってアンテナ・スイッチ26を制御する。
【0077】
第1のアンテナ16及び第2のアンテナ24は、アンテナシステム10’が第1のアンテナ16を備える第1のアンテナ構成において第1の放射パターンを有し、及びアンテナシステム10’は第2のアンテナ24を備える第2のアンテナ・モードにおいて第2の放射パターンを有するように、互いに関して形付けられ及び位置付けられていてもよい。第1の放射パターンは、第2の放射パターンとは異なっていてもよく、したがって、アンテナシステム10’の高度な受信状態及び送信状態の多様性を可能にする。
【0078】
同様に、第1のアンテナ16及び第2のアンテナ24は、アンテナシステム10’が第1のアンテナ16を備える第1のアンテナ構成において第1の偏極を有し、アンテナシステム10’は第2のアンテナ24を備える第2のアンテナ構成において第2の偏極を有するように、互いに関して形付けられ及び位置付けられていてもよい。第1の偏極は、第2の偏極とは異なっていてもよく、したがって、アンテナシステム10’の高度な受信状態及び送信状態の多様性を可能にする。
【0079】
例示のアンテナシステム10’において、第1のアンテナ16は、第2のアンテナ・フィード22からの第2のアンテナ24の延長線に対して実質的に垂直な方向に、第1のアンテナ・フィード18から延びていてもよい。
【0080】
図5は、補聴器2、2’’のための例示のアンテナシステム10’’を示す。アンテナシステム10’’は、第1のアンテナ・フィード18及び第2のアンテナ・フィード22を有する第1のアンテナ16を備える。第1のアンテナ・フィード18は、第1のアンテナ16の第1の位置に接続されてもよく、第2のアンテナ・フィード22は、アンテナ16の第2の位置に接続されてもよい。アンテナ・スイッチ26は、第1のアンテナ・モードでは第1のアンテナ・フィード18にデータ端子12を接続してもよく、アンテナ・スイッチ26は第2のアンテナ・モードでは第2のアンテナ・フィード22にデータ端子12を接続してもよい。第1のアンテナ・モード又は第2のアンテナ・モードを使用するかどうかの入力は、アンテナ構成装置20によって制御端子14から受信され、これは、受信制御信号に従ってアンテナ・スイッチ26を制御する。
【0081】
例示のアンテナシステム10’’において、第1のアンテナ16は、第1のアンテナ・フィード18から第2のアンテナ・フィード22からの第1のアンテナ16の延長線に対して実質上垂直に延びていてもよい。したがって、第1のアンテナ構成は、第2のアンテナ構成のアンテナ特性と比べて異なるアンテナ特性を示す。
【0082】
アンテナ構成装置20は、第1のアンテナ・フィード18のインピーダンス及び第2のアンテナ・フィード22のインピーダンスを制御してもよい。したがって、第1のアンテナ構成を有する第1のアンテナ・モードにおいて、第1のアンテナ・フィード18のインピーダンスは第1の一次インピーダンスに設定されてもよく、第2のアンテナ・フィード22のインピーダンスは第2の一次インピーダンスに設定されてもよい。第2のアンテナ構成を有する第2のアンテナ・モードにおいて、第1のアンテナ・フィード18のインピーダンスは第1の二次インピーダンスに設定されてもよく、及び第2のアンテナ・フィード22のインピーダンスは第2の二次インピーダンスに設定されてもよい。
【0083】
例示のアンテナシステム10’’において、第1の一次インピーダンスは第2の一次インピーダンスと比べて低くてもよく、及び第1の二次インピーダンスは第2の二次インピーダンスと比べて高くてもよい。
【0084】
例示のアンテナシステム10’’において、第2の一次インピーダンス及び/又は第1の二次インピーダンスは、非常に高く又ははるかに高く、例えば1メガオーム超であってもよい。
【0085】
アンテナ構成装置20は、第1のアンテナ・フィード18のインピーダンス及び第2のアンテナ・フィード22のインピーダンスを、制御信号を介してアンテナ・スイッチ26まで制御してもよい。
【0086】
図6は、補聴器2、2’’のための例示のアンテナシステム10’’’を示す。アンテナシステム10’’’は、
図5に示されるようなアンテナシステム10’’と同一の部品を備えるが、しかし、アンテナ16の形状及び第1のアンテナ・フィード18及び第2のアンテナ・フィード22の位置が異なる。アンテナ16及び第1のアンテナ・フィード18及び第2のアンテナ・フィード22は、第1のアンテナ構成がユーザの左耳に着けられる補聴器に適し、及び第2のアンテナ構成がユーザの右耳に着けられる補聴器に適するように、形付けられ及び構成されてもよい。
【0087】
第1のアンテナ・フィード18の位置は、第2のアンテナ・フィード22の位置と異なっていてもよい。第1のアンテナ・フィード18及び/又は第2のアンテナ・フィード22は、第1のアンテナ16の各終点の間に位置する。
【0088】
図7は、データ通信用のデータ端子を有するアンテナシステムを備える補聴器を作動させるための方法100を示す。方法100は、パラメータ102を受信すること、最適アンテナ・モード104を決定すること、アンテナシステム106を構成すること、及び最適アンテナ・モード108を介して受信すること、を含む。
【0089】
パラメータ102を受信することは、アンテナシステムの第1のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第1のパラメータの受信を含んでいてもよい。パラメータ102を受信することは、アンテナシステムの第2のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第2のパラメータの受信を含んでいてもよい。
【0090】
最適アンテナ・モード104を決定することは、102で受信された第1及び/又は第2のパラメータに基づいていてもよい。最適アンテナ・モード104の決定は、一つの例示の方法において、第1及び第2のアンテナ・モードを含むアンテナ・モードの各々の信号強度を比較し、及び最も高い信号強度を提供するアンテナ・モードとして最適アンテナ・モードを決定することによって達成されてもよい。一つ又は複数の例示の方法において、第1及び第2のパラメータは、信号対雑音比又は良好な受信状態の可能性を示し得る任意の他のパラメータであってもよい。一つ又は複数の例示の方法において、第1及び/又は第2のパラメータは、複数の異なるパラメータの組み合わせであってもよい。
【0091】
最適アンテナ・モード104を決定した後、アンテナシステムは、決定したモード又はアンテナ構成106を利用するように構成される。したがって、データは、最適モード108を介して受信される。
【0092】
決定された最適アンテナ・モード104に応じたアンテナシステム106の構成は、第1のアンテナ・モードが最適アンテナ・モード104として決定されているときは、アンテナシステムのデータ端子に第1のアンテナ構成を適用することを含んでいてもよい。アンテナシステム106の構成は、第2のアンテナ・モードが最適アンテナ・モード104として決定されているときは、アンテナシステムのデータ端子に第2のアンテナ構成を適用することをさらに含んでいてもよい。
【0093】
アンテナシステム106の構成は、第1のアンテナ・モードが最適アンテナ・モード104として決定されているときは、アンテナシステムの第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを及びアンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用することを含んでいてもよい。アンテナシステム106の構成は、第2のアンテナ・モードが最適アンテナ・モード104として決定されているときは、第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを及びアンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用することをさらに含んでいてもよい。
【0094】
最適モード104の決定は、信号プロセッサによって実行される。信号プロセッサは、アンテナシステムの外部であってもよく、信号プロセッサは、アンテナシステムに制御信号を送信して、アンテナシステムを構成する。信号プロセッサは、制御信号をアンテナシステムの制御端子に送信してもよい。
【0095】
方法100は、本明細書中、特に
図1から
図6及び付随する説明に記載されるような補聴器及びアンテナシステムを用いることによって実現され得る。
【0096】
加えて、下記する項目に記載された例示的な補聴器及び方法が開示される。
[項目1]
補聴器のユーザの聴力損失を補うために一つ又は複数の音声信号を処理するための信号プロセッサと、
無線データ通信のために前記信号プロセッサに接続される無線通信ユニットと、
データ端子及び少なくとも一つの制御端子を有するアンテナシステムであって、前記データ端子は前記無線通信ユニットに接続され、第1のアンテナと第1のアンテナ・フィードを含む一つ又は複数のアンテナ・フィードとを有するアンテナシステムと、
を備え、
前記アンテナシステムは、前記少なくとも一つの制御端子における制御信号に応じて、第1のアンテナ・モードと第2のアンテナ・モードとを含む複数のアンテナ・モードから選択される選択アンテナ・モードで作動するように、前記アンテナシステムを構成するためのアンテナ構成装置をさらに備え、前記アンテナ構成装置は、前記第1のアンテナ・モードで作動するときは第1のアンテナ構成を前記データ端子に適用し、前記第2のアンテナ・モードで作動するときは第2のアンテナ構成を前記データ端子に適用するように構成される、補聴器。
[項目2]
前記一つ又は複数のアンテナ・フィードは、第2のアンテナ・フィードをさらに含み、前記第1のアンテナ・フィードは、第1の位置で前記第1のアンテナに接続され、前記第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で前記第1のアンテナに接続される、項目1に記載の補聴器。
[項目3]
前記第1のアンテナ・フィードは、第1の位置で前記第1のアンテナに接続され、前記アンテナシステムは第2のアンテナを有し、第2のアンテナ・フィードは、第2の位置で前記第2のアンテナに接続される、項目1又は2に記載の補聴器。
[項目4]
前記データ端子は、前記第1のアンテナ・モードでは前記第1のアンテナ・フィードに接続され、前記データ端子は、前記第2のアンテナ・モードでは前記第2のアンテナ・フィードに接続される、項目2に記載の補聴器。
[項目5]
前記第1のアンテナ・モードにおける前記アンテナ構成装置は、前記第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用し、前記第2のアンテナ・モードにおける前記アンテナ構成装置は、前記第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用する、項目2に記載の補聴器。
[項目6]
前記信号プロセッサは、前記アンテナ・モードを選択し、選択したアンテナ・モードで前記アンテナシステムを作動させるために、前記アンテナシステムに前記制御信号を送信するように構成される、項目1から5のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目7]
前記第1のアンテナ構成は第1の放射パターンを有し、前記第2のアンテナ構成は前記第1の放射パターンとは異なる第2の放射パターンを有する、項目1から6のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目8]
前記第1のアンテナ構成は第1の偏極を有し、前記第2のアンテナ構成は第1の偏極とは異なる第2の偏極を有する、項目1から7のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目9]
前記第1のアンテナ構成は第1の方向に延びるアンテナ部を有し、前記第2のアンテナ構成は前記第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に延びるアンテナ部を有する、項目1から8のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目10]
前記第1のアンテナ構成は、2.4から2.5GHzまでの範囲の周波数用に構成される、項目1から9のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目11]
データ通信用のデータ端子を有するアンテナシステムを備える補聴器を作動させるための方法であって、
前記アンテナシステムの第1のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第1のパラメータを受信することと、
前記アンテナシステムの第2のアンテナ・モードにおける信号品質を示す第2のパラメータを受信することと、
前記第1及び第2のパラメータに基づいて、第1のアンテナ・モードと第2のアンテナ・モードとから一つのアンテナ・モードを決定することと、
選択されたアンテナ・モードで作動するように前記アンテナシステムを構成することと、
を含む方法。
[項目12]
前記アンテナシステムを構成することは、
前記第1のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときは前記アンテナシステムのデータ端子に第1のアンテナ構成を適用し、
前記第2のアンテナ・モードが前記最適アンテナ・モードであるときは前記データ端子に第2のアンテナ構成を適用することを含む、
項目11に記載の方法。
[項目13]
前記アンテナシステムを構成することは、
前記第1のアンテナ・モードが前記選択されたアンテナ・モードであるときは、前記アンテナシステムの第1のアンテナ・フィードに第1の一次インピーダンスを適用するとともに、前記アンテナシステムの第2のアンテナ・フィードに第2の一次インピーダンスを適用することと、
前記第2のアンテナ・モードが前記選択されたアンテナ・モードであるときは、前記第1のアンテナ・フィードに第1の二次インピーダンスを適用するとともに前記第2のアンテナ・フィードに第2の二次インピーダンスを適用することち、
を含む、項目11又は12に記載の方法。
[項目14]
前記受信すること、前記選択すること、及び前記構成することは、前記アンテナシステムの外部の信号プロセッサによって実行され、前記方法は、前記アンテナシステムを構成するために前記アンテナシステムに制御信号を送信することをさらに含む、項目11から13のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]
前記第1パラメータは、第1アンテナ・モードに関する受信信号強度を示し得るものであり、及び/又は、前記第2パラメータは、第2アンテナ・モードに関する受信信号強度を示し得るものである、項目11から14のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
特定の実施形態が示され及び説明されてきたが、それは特許請求に係る発明を好ましい実施形態に限定する意図ではないことは理解され、また、特許請求に係る発明の精神及び範囲を逸脱することなくさまざまな変更及び修正が行われ得ることは、当業者にとって明らかであろう。明細書及び図面は、したがって、制限的な意味というよりはむしろ例示的であるとみなされるべきである。特許請求に係る発明は、代替物、修正物、及び均等物をカバーすることを意図されている。