【課題】LTEフェムトセルは、何万も展開されることが予期され、すべて、高額な運転費用を伴わずに円滑に管理されなければならない。さらに、機能不全フェムトセルまたは誤調整されたフェムトセルは、LTEマクロネットワークのパフォーマンスをさらに劣化する可能性がある。
【解決手段】LTEフェムトセルネットワークを計画、最適化、および管理するために使用される方法ならびにシステムは、様々なフェムトセル態様の解析および計画を可能にする解析的なフレームワークおよびアルゴリズムを記述する。このフレームワークは、分散型制御と集中型ポリシー実施の両方のハイブリッドを使用することを推奨する。密接に関係する2つの態様を有するアルゴリズム(IDAおよびACA)が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般に、2つのタイプの最適な手法、すなわち、a)集中型と、b)分散型とが存在する。集中型手法では、最適化アルゴリズムは、フェムトセルの外部で完全に実行される。フェムトセルの状態が監視されて、最適化のために、集中型エンティティにデータが送信し戻される。集中型エンティティは、ポリシー設定、ならびに最適化を実行することが可能であるが、調整の頻度は、通常、比較的低い。この利点は、集中型エンティティはフェムトネットワークのより良好なビューを有し、包括的に最適化された解決策を提供することが可能な点である。しかし、集中型の最適化は、実行により時間がかかり、フェムトセルおよびオプティマイザ(optimizer)の間に多くの協調を必要とする。これは、フェムトセルの数が非常に多いとき、スケーリング問題をもたらす場合がある。分散型の手法では、受信電力または干渉測定値など、その近隣のフェムトセルの状態または影響に関してそのフェムトセルが収集した情報を使用して、決定および電力調整がそれぞれのフェムトセルにおいて局所的に行われる。最適化目標を実現するために、外部のポリシーサーバからのハイレベルのガイダンスを使用することが可能である。それぞれのフェムトセルは、ポリシーおよびアルゴリズムの適切な選択に応じて、その独自の調整および収束を実行する。分散型の手法の利点は、それぞれのフェムトセルはその独自の決定だけを行えばよいため、フェムトセルの数が非常に多いとき、スケーリング問題をより良好に制御する可能性がある点である。リスクは、収束が達成されない場合、不良な動作点で終わる可能性がある点である。フェムトセルの機能不全の場合、安定性の問題も存在し、所望されない伝搬効果を引き起こす。本発明は、分散型の手法の最適化問題を解決することに重点を置く。加えて、集中型の計画および最適化アルゴリズムを使用して、包括的なポリシーを実施するためのハイレベルのガイダンスを発行する。これらの2つの手法は、同じ数学的フレームワークによって記述することが可能である。
【0019】
この発明性のある手法は、フェムトセルがローカルルールを実行するが、集中型ポリシーサーバの指示の下でこれを行う、ハイブリッド手法と見なすことができる。そのような手法は、本明細書において記述されない。
【0020】
フェムトおよびマクロの間の干渉の最適化問題は、数学用語で記述することができる。本発明者らは、目標属性および制御パラメータを定義することから始める。目標機能の多くの変形が存在するが、それらは、以下の基準の組合せとして分類することができる。
【0021】
●フェムト基準領域内のフェムトUEの容量を増大する。変形は以下を含むことができる。
○最小ビットレートを最大化する
○平均ビットレートを最大化する
○ある最小平均ビットレートを条件に標準偏差を最小限に抑える
○上記の重み付き結合を最適化する
●事前に定義されたマクロ基準領域内のマクロUEの容量を増大する。
○最小ビットレートを最大化する
○平均ビットレートを最大化する
○ある最小平均ビットレートを条件に標準偏差を最小限に抑える
○上記の重み付き結合を最適化する
●フェムトとマクロUE両方の容量を共に最適化する。
○最小MUE容量を条件にHUE容量を最適化する
○最小HUE容量を条件にMUEを最適化する
○マクロセルサービスが存在しないMUE向けのデッドゾーン領域を削減する
【0022】
これらの基準は包括的ではなく、使用可能な基準を単に例示する。包括的な最適化に関する効用関数を形成する成分として、その他の統計的性質(例えば、95%百分位数)を容易に定義することができる。本発明の目標は、新しい統計基準を導入することなど、変形が容易に達成できる最適化フレームワークを作成することである。
【0023】
本発明者らは、最適化技術を使用して3つのタイプの問題を解決することに重点を置く。第1に、それぞれのフェムトセルがその近隣のフェムトセルまたはマクロセルとの明示的な協調なしに決定を下す場合、フェムトセルは包括的な最適化目標を満たすための基準属性をどのように選択すべきであるか?どの種類のアルゴリズムが機能することになるか、さらにそのアルゴリズムはどの程度良好に機能するか?第2に、フェムト同士の間の干渉、またはフェムトおよびマクロの間の干渉など、特定の干渉問題を解決するためにオペレータは最適化フレームワークをどのように使用するか?第3に、提案される最適化フレームワークに関して、様々なQoSレベルをどのように満たすか?トレードオフは何か、さらにそれらのトレードオフのユーザ制御をどのようにサポートするか?これらの問題およびその解答は下に記述される。以下の説明において、本発明者らは、問題の公式化の一部として、解析的フレームワークを作成する。
【0024】
図2は、
図1のアーキテクチャに対応する数学的フレームワーク200を示す。
図2では、例示のために、4個のフェムトセル(Fi)202および1個のマクロセル(M)204が使用される。フェムト領域は、FAPを囲む円206として例示される。フェムト領域は、マクロセルの経路損失モデルと異なる経路損失モデルによって記述される。MUEサービスが存在しない、フェムト領域外部の(陰影付き)環状領域208は、デッドゾーン領域と呼ばれる。
【0025】
下に提示される解析は、任意の数のフェムトセルおよびマクロセルに適用される。フェムトセルiの場合、スポットsi、i=1、...、4に位置するホームUE(HUE)の信号対干渉雑音(SINR
f)、およびスポットA
i、i=1...4に位置するマクロUEのSINR
mに関する式は以下の通りである。
【0028】
方程式1および2は、線形項で表現されている、すなわち、dBで表現されていない。右側の分子は、受信電力であり、分母は、それぞれ、スポットs
iおよびA
iにおける総干渉電力である。Pは、ソースにおける電力であり、gは、経路利得(1/経路損失)であり、下付き文字i、jは、それぞれフェムトiおよびすべての近隣のフェムトセルjを表し、下付き文字mは、マクロセルソースであり、スペクトルの雑音電力に関するN
iは、リソース要素
【0030】
の1個の物理的なリソースブロックの帯域幅に対応する。
【0031】
屋内経路モデルに関して、本発明者らは、
L
femto(dB)=28+40log
10(d)−gain_femto(方程式3)
によって与えられる微小都市モデル(micro−urban model)を採用し、式中、dは、メートルで表され、gain_femtoは、フェムト送信機およびフェムト受信機の結合利得であり、本記述の残りの部分に関して0dBiに設定される。
【0032】
屋外経路損失に関して、経路損失(L
m)を使用して、2GHzのスペクトル周波数の都市環境の場合、本発明者らは、
L
m(dB)=128.1+37.6log
10(d
km)+L
sh−G
m(方程式4a)
を得て、式中、d
kmは、kmで表された送信機および受信機の間の距離であり、L
shは、シミュレーションのために、10dBに設定された対数正規分散シャドーイングであり、G
mは、(15dBiに設定された)アンテナの利得である。屋外ソースが屋内建物に侵入するとしたとき、室内損失を表すために別の係数を加え、その結果、
L
mi(dB)=128.1+37.6log
10(d
km)+L
sh−G
m+W(方程式4b)
であり、式中、Wは、侵入損失であり、標準値は20〜40dBである。
【0033】
LTEに関する雑音N
tは、
N
t=(−174+10
*log
10(BW/nRB)+NF)(方程式5)
として与えられ、式中、BWは、LTEサービスの総スペクトルであり、nRBは、リソースブロック帯域幅の数であり、NFは、雑音指数である。10MHz帯域幅の場合、nRBは25であり、dBで、
N
t=(−174+10
*log
10(1×10
7/25)+9(方程式6)
である。
【0034】
本発明者らは、制約された最適化問題としてフェムトおよびマクロの間の干渉を公式化する。これらの制約は、クラスタ内のフェムトセルの数、それぞれのフェムトセルの最大電力、当該位置、HUEおよびMUEの望ましい容量、ならびに様々なQoS態様によって与えられる。この手法は、それぞれのフェムトセルが、すべての上記の制約が満たされるように、その電力レベルを独立して調整することを可能にすることである。制約の所与のセットをすべて満たすことができない場合、このアルゴリズムは、実行可能な解決策を検索するために、一定のパラメータ、したがって、制約を緩和することになる。
【0035】
分散型の最適化
分散型の最適化手法では、それぞれのフェムトセルは、最適化のためのアルゴリズム、またはいくつかの特定の目標を達成するためのアルゴリズムを実施する。最適化は、通常、いくつかの望ましい属性間のトレードオフを含む。例えば、25m
2のフェムト領域内のHUEの容量を増大することが望ましいが、近隣のフェムト領域を「過度に」干渉しないことも望ましい。加えて、フェムト領域外部のMUEに対して過度の干渉を生み出すことも望まない。したがって、最適化は、これらのような基準を満たすことができるような形でフェムトセルの電力の調整を可能にする。時として、すべての所望される基準を満たすことが可能でない場合がある。そのような場合、これらの基準は緩和される必要があることになるか、または最適化は、一定の基準に従って、最善の解決策を見出すことを試みることになる。これらの基準は、通常、ポリシーの形で捕捉される、いくつかのより高いレベルの条件に関係する。
【0036】
以下は、いくつかの関連するパラメータをリストアップする。
●フェムト送信機の電力
●マクロ送信機の電力
●当該フェムト領域
●マクロ信号が存在しないデッドゾーン
●当該マクロ領域
●当該フェムト領域の所望されるビットレート
●当該マクロ領域の所望されるビットレート
●フェムトセルの位置
●マクロセルの位置
●屋内および屋外に関する経路モデル
【0037】
このリストは、包括的なすべての関連するパラメータではなく、いくつかの関連するパラメータの単なる記述である。
【0038】
最適化条件
本発明者らは、SNR
fを計算するためのHUEがどこに存在するか、およびSNR
mを計算するためのMUEがどこに存在するかを定義する必要がある。開始点として、
図2に例示されるように、HUEに関してs1〜s4、およびMUEに関して対応する位置A1〜A4を使用する。解決されることになる問題のタイプ、または施行されることになる特定のポリシーに応じて、(
図2の位置Bなど)その他の位置を画定することも可能である。
【0039】
本発明者らは、まず、システムの基本的な制約を審査する。次に、N個のフェムトセルおよび1個のマクロセルを有すると想定する。これを複数のマクロセルシナリオに容易に拡張することができる。(dBではなく、線形項として)T
fとして目標SNR
fを、T
mとして目標SNR
mを達成することが望ましいと想定する。方程式1および方程式2を使用して、HUEに関するSNR
f、ならびにMUEに関するSNR
mについて、以下の式を取得する。
【0042】
P
iに関して解決し、P
iの下界をP
minと指定して、本発明者らは、フェムトに関して以下の電力制約を導くことができる。
【0044】
方程式9は、フェムト領域内のHUEに関する目標SNR
fを達成するために、そのフェムトの電力レベルがP
minよりもより大きく設定される必要があることを示している。
【0045】
同様に、方程式8のP
iに関して解決し、P
iの上界をP
maxと指定して、本発明者らは、フェムトに関して以下の電力制約を導く。
【0047】
方程式10は、MUEが少なくともT
mの目標SNR
mを有するという基準を満たすために、フェムトセルの電力はP
max未満でなければならないことを示している。方程式10および方程式9は、近隣のフェムトセルによる総干渉、ならびにマクロセルの総干渉を既に考慮に入れている点に留意されたい。しかし、
P
i≧0 (方程式11)
の追加制約が存在する。
【0048】
目的関数
使用できる様々な目的関数が存在する。例えば、何らかの最小レート(w
m)制約を満たすためのMUEレート(w
i)を必要とすると同時に、すべてのフェムトセルの総容量(V)を最適化することが可能であり、その結果、v
jが第j番目のフェムトセルのレートである場合、
【0051】
一般に、Vは、電力の非線形関数であり、これは、最適化を複雑にする。本発明者らは、以下の中間目的関数を使用することを提案する。
すべてのiに関して、P
i=αP
min(i)+(1−α)P
max(i)(方程式13)
【0052】
方程式13は、それぞれのP
iは、方程式9および方程式10によって要求される最小電力制約および最大電力制約の線形結合であると想定する。パラメータαは、0と1の間であり、少数の態様において重要である。第1に、αはフェムトおよびマクロネットワークの間にリソースを割り振る。αが0に近いとき、選択されたフェムト電力はP
max(i)に近く、したがって、フェムトネットワークに(SINRの点で)より多くのリソースを提供する。反対に、αが1に近い場合、選択された電力はP
min(i)に近く、それによって、マクロネットワークにより多くのリソースを割り振る。したがって、αに関して適切な値を設定することによって、すべてのフェムトセルに関して包括的なQoSポリシーを設定することが可能である。第2に、α空間全体を検索することによって、方程式12によって与えられる目的関数に対する解決策を見出すことができる。最終的に、方程式13は、最適化問題に解析的解決策を公式化するために使用できる数学的フレームワークを導くことが示される。
【0053】
αの有意性についてより多くの洞察を得るために、本発明者らは、方程式9から方程式11によって与えられるα空間および実行可能性領域の間の関係を例示する。この場合、本発明者らは、
図3に示される単純な2個のフェムトノードシナリオを使用して、この構想を例示する。
【0054】
図3の単純な2個のフェムトセルネットワークに関して、本発明者らは、フェムトセル1とフェムトセル2の両方に関して、方程式9から方程式11によって必要とされる対応する制約を表現することができ、結果として、以下によって与えられる(雑音項を無視して)4つの不等式が生じる。
フェムトセル1に関して、
【0056】
図3.2個のフェムトセルの干渉シナリオ フェムトセル1
フェムトセル1に関して、≧()(’+)≦(/−’)フェムトセル2に関して、(14)(15)
≧()(’+)≦()(/−’) (16)(17)
【0061】
g
mx1、g
mx0、x=1、2は、それぞれ、フェムトセルのちょうど内部およびちょうど外部の基準位置に関する経路利得を指す点に留意されたい。これらの4つの制約方程式によって与えられる典型的な実行可能領域が
図4に示される。
【0062】
図4から、本発明者らは、この実行可能領域が凸多面体を形成することを理解する。やはりこの例では、異なるαを用いて方程式13を満たすこれらの解決策は、
図4において点として示されている。これらの解決策は、実行可能領域内に存在することも示される。1から0にαを低減するにつれて、収束された解決策の点は、実行可能領域の極点に近づく。この極点は、方程式12によって与えられる目的関数をやはり最大化することが分かる。一般に、すべてのαが実行可能領域内に存在するとは限らないが、特定の目的関数を最適化するためにα空間を検索するための方法を提供する。
【0063】
最適化アルゴリズム
以下は、方程式7から方程式12のフレームワーク、および方程式13によって与えられる目的関数に基づく最適化に関するアルゴリズムである。全体的なアーキテクチャが
図5に示される。
【0064】
反復・分散アルゴリズム
アルゴリズムの密接に関係する2つの態様が存在する。第1の部分は、フェムトセル内で実行されることが意図される反復・分散アルゴリズム(IDA)である。このアルゴリズムの第2の部分は、ツールセットとして使用されることが意図され、集中型計画および動作センタ内で使用されることが意図される解析計算アルゴリズム(ACA)と呼ばれる。ACAは、IDAの収束に関して検査するために使用される条件のセットを提供する。以下の説明には、まずIDAの記述が存在する。次いで、ACAの派生物が存在し、IDAの計画および解析の様々な態様をACAから直接的に導出できることを示す。
【0065】
反復・分散アルゴリズムのコアは、2つのステップのプロセスとして概念的に記述することができる。このアルゴリズムのハイレベル構想が、
図5の右側502に示される。第1のステップは、それぞれのフェムトセルに関連する数学的手順である。この「ローカル」プロセスは、それぞれのフェムトセル506向けのRF環境、トラフィック、および外部干渉504に関する測定または推定から情報を取得する。インスタンス時間(instance time)=tにおいて、それぞれのフェムトローカルプロセスは、その入力、および事前に定義されたかまたは遠隔的にダウンロードされたいくつかのルールに従って、その独自のリソース(電力、P
i(t))を調整する。これらのルールは、ネットワークポリシー計画サーバ(図示せず)によって制御および設定される包括的なポリシーを反映する。ローカルフェムト電力のそれぞれの調整は、定期的に(例えば、数秒ごとに一回)実行される。しかし、フェムトセルは、局所的な調整に関して同期することが必要とされない。調整の後で、それぞれのフェムトセルは、干渉の形でその影響をシステム全体に提示する。x秒後、システムは、第2のステップに入り、同じローカルプロセスを繰り返すが、これは新しい入力パラメータを用いて行われる。この第2のステップは、概念的に、継続的に反復する外部ループと見なすことができる。したがって、第2のステップは、事実上、暗示的なステップであり、このステップは、それぞれのフェムトセルのローカルプロセスによって実施される。
【0066】
図6は、フェムトローカルプロセスの流れ図を示す。このアルゴリズムは、3段階の反復を含む。外部ループ602において、ループ実行は、すべてのフェムトセルに影響を及ぼす、
図5のステップ2に対応する。それぞれの反復(実行)604において、ループフェムト606がそれぞれのフェムトセルに適用される。それぞれのフェムトループ内で、ループsi608がそれぞれのHUE位置、および対応するMUE位置に適用される。ループフェムトおよびループsiは共に、
図5のステップ1を実施する。このアルゴリズムは、いずれかの任意の初期電力設定で開始することが可能である。それぞれの反復において、それぞれのフェムトセルは、基準信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)に基づいて、総干渉のレベルを監視して(610)、P
min(i)およびP
max(i)を計算する(612)。
【0067】
ステップ620において、局所的な実行可能条件の下で、
P
min(i)<P
max(i)(方程式18)
であると定義し、
フェムトiは、
P
i(sel)=αP
min(i)+(1−α)P
max(i)(方程式19)
の電力レベルを選択する。ステップ618の条件が満たされない場合、P
i(sel)=P
constantである。
【0068】
方程式18によって与えられる局所的な実行可能条件は、IDAが収束するためのすべての反復ステップに関して必要ではない点に留意されたい。しかし、方程式18の局所的な実行可能条件が満たされないとき、P
min>ピークの条件も満たされる場合、フェムトセルは、選択電力を事前に定義された一定値P
constantに設定することになる。この追加の条件の理由は、他のフェムトセルに反応させ、それによって、不適切な状況をもたらす可能性がある、装置故障または2個のフェムトセルが最近接で配置されているなど、異常シナリオを保護するためである。リソースブロックベースごとのP
constantの値の推奨範囲は、−14から−10dBmであり、ピークに関する推奨範囲は、−8から−5dBmである。
【0069】
IDAの実施
上で記述された、記述されたIDAは、システムおよびシミュレーションの観点からアルゴリズム手順に重点を置く。次に、本発明者らは、フェムトセルの機能の観点からIDAを提示し、これは、IDAのフェムトセル実施に使用するのに適することになる。
【0070】
図7は、IDAを実施するフェムトセルの主な構成要素を示す。この実施は、
図6の流れ図と一致する。しかし、実際的に実施する際に困難であるため、
図6で定義されたように正確に測定するのではなく、少数のパラメータを推定することが可能である。例えば、フェムトセルが近隣のセルの電力を測定するために(ネットワーク聴取モードと呼ばれる)内蔵型機構を使用する場合、フェムトセルが存在する、測定された位置に基づいてsiを推定することが可能である。近隣の電力を測定するためにUEが使用されることを意味するUE支援測定が使用される場合、このアルゴリズムは、推定された近隣のセルの電力に関してUEの測定値を平均化することになる。
【0071】
図7を参照すると、電力センサモジュール702は、近隣のフェムトセルおよびマクロセルの電力を測定する。この1つの実施は、基準信号受信電力(RSRP)信号を経由する。RSRPは3GPPで定義されている。RSRPは、受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator:RSSI)タイプの測定である。RSRPは、ある周波数帯域幅内でセル特定の基準信号を伝送するリソース要素の全体にわたる平均受信電力を測定する。RSRPは、方程式9および方程式10の数量、すなわち、
【0073】
およびP
mg
milを測定するための1つの様式を提供する。電力センサは、OFMA復号器およびデータプロセッサ704からRSRPを取得する。この情報は、次いで、P
min(i)およびP
max(i)、ならびに特定の反復に関するP
sel(t)を計算するIDAモジュール706に提供される。P
sel(t)は、データプロセッサ704に送信される、IDAモジュールの主要出力である。このデータプロセッサは、2つの機能を実行する。すなわち、1)現在の反復に関するP
sel(i)についてリソーススケジュール708に指令すること、および2)P
sel(i)の新しい設定に従って、適切なリソース要素周波数に関するRSRPを調整することである。リソーススケジューラは、特定のリソース要素周波数に関する電力制約として、新しく選択された電力P
sel(i)を使用することになる。そうでない場合、その機能は、正規の(非IDA)実施の機能と変わらない。OFDM生成装置および復号器710、ならびにRFモジュール712は、すべて典型的なフェムトセルの正規の構成要素であり、IDAの実施に関して何の追加の変更も必要ではない。近隣のフェムトセルおよびマクロセルの受信電力に加えて、IDAモジュールは、P
sel(i)の計算のために、目標FUE SINR
f(T
f)および目標MUE SINR
m(T
m)を含むパラメータ714、およびQoSパラメータも受信する。これらのパラメータは、フェムトセルに対して事前に構成することが可能であるか、または、それは、
図7に示されるように、遠隔制御チャネルを経由して動的に更新することが可能である。
【0074】
解析計算アルゴリズム(ACA)
次に、フェムトセル電力最適化問題を解決するための解析計算アルゴリズムが記述される。IDAに関して記述されたのと同じフレームワークがここで使用される。しかし、本発明者らは、直接的な解析計算によってこの解決を取得することが可能であることを示すべきである。本発明者らは、収束行動および反復アルゴリズムの条件を解析するために、取得された結果も使用することになる。ACAは、ローカルフェムトセルではなく、中央位置で実施するのに適している。
【0075】
図5の左側に示されるように、包括的なポリシーの計画、最適化、および作成のためのツールとしてACA510が使用される。ACAは、IDAと協働して、ハイブリッド解決策を形成する。ACA510は、ユーザ512からのパラメータ入力を利用して、計画、最適化、およびポリシー管理インターフェース514を経由してフェムトローカルポリシーを構成するために使用される、選択された最善のパラメータのセットを作成する。関連するパラメータの例が表1に提示される。システムが動作モードに入ると、フェムトセル506は監視されて、関連属性がACAに報告し戻される。ACAは、動作モードで動作するとき、フェムトセルネットワークから入力を受信して、現在の設定を調整する必要があるかどうかを決定する(再調整プロセス)。加えて、ユーザレベルポリシーに関して、ポリシーの変更または新しいポリシーの追加が存在し、ACA計算が、新しいパラメータをフェムトネットワークに送信する必要があることを検出する場合、ACAは、新しい設定をフェムトセルネットワーク内にプッシュすることになる。
【0077】
ACAに基づく典型的な計画および「起こり得る事態(what−if)」問題は、
フェムトセル位置を考慮すると、サポートできるT
fおよびT
mの範囲は何であるか?
フェムトセル位置およびQoS要件を考慮すると、サポートできる最小フェムト同士の間の距離は何であるか?
局所的な分散アルゴリズムは収束するか?しない場合、収束を達成するために、何のパラメータを緩和する必要があるか?
HUEおよびMUEに対するリソース割り当ての形で何のQoS(α)がサポートされるか?
【0078】
以下において、ACAの最重要点が記述および解析される。
【0079】
本発明者らは、まず、方程式9および方程式10を以下のように行列表記で表現し直す。
【0082】
「0」が経路利得行ベクトルの第i番目の位置内に挿入された点に留意されたい。方程式20および方程式21は、計2N個の不等式を表す。2個の不等式のそれぞれのセットは、フェムトセルiに関する下界電力および上界電力を提示する。これらの2N個の不等式を満たすP
iのセットが、実行可能領域である。方程式19をこれらの2N個の範囲のそれぞれの組に適用することは、i=1、...Nの場合、
【0086】
を定義し、方程式22を再構成して、本発明者らは、
【0089】
方程式22または方程式23は、N個の方程式のセットを記述する。方程式22を使用して、本発明者らは、
【0091】
として、反復ステップt+1におけるフェムトセルiのIDA電力調整を表すことができ、式中、
【0093】
は、αに依存し、そのij番目の要素k
ij(α)が
【0095】
によって与えられるN×N行列である。
【0097】
は、その第i番目の要素c
i(α)が、
【0099】
によって与えられる列ベクトルであり、
【0101】
は、時点tにおけるフェムトセルの電力レベルである。
【0104】
は、フェムトセル領域の内部(s
i)および外部(A
i)の両方に関して、フェムトiからjまでの経路利得、およびs
iにおけるフェムトソースからHUEまでの経路利得を含めて、フェムトセルシステムに関する多くの情報を捕捉する。
【0106】
は、α、およびフェムトセルに関する目標SINR要件に関するQoS要件も組み込む。やはりαに依存するベクトル
【0108】
は、タワーからフェムトへの経路利得、ならびに、フェムトUEとマクロUEの両方に関する目標SINRに関する情報を捕捉する。
【0109】
方程式22から方程式26は、定数α、T
m、およびT
fを用いて表現されているが、すべてのこれらのパラメータは、iの関数として一般化することができ、その結果、α→α
i、T
m→T
mi、T
f→T
fiとなり、これらのパラメータは、一般に、異なるフェムトセルに関して異なる可能性があることを示す点に留意されたい。したがって、異なるQoSを異なるフェムトセルに割り振ることが可能である。同じ一般化は、
【0113】
の要素に影響を与える、フェムトセルのサイズならびに経路利得モデルにも適用される。
【0114】
IDAでは、電力ベクトルは、それぞれの反復に関して変化する。しかし、システムが収束する場合、およびシステムが収束するとき、電力ベクトルの変化の大きさがある事前に定義された定数εよりも小さいように、基準をtに下げて、電力ベクトルを
【0116】
と表現することができる。N×N恒等行列としてIを示し、方程式24は、
【0126】
が一度知られている場合、逆が存在するかどうかを検査することは非常に簡単なはずである。しかし、方程式27bによって与えられる解決策は、それが方程式9から方程式11によって記述された実行可能領域内であることを保証しない点に留意されたい。
【0128】
が実行可能性を満たすかどうかを確かめる1つの方法は、それが、すべてのiに関して、ベクトル
【0132】
の間に位置するかどうかを検査することである。
【0136】
になるように、方程式23および方程式25において、α=1に設定し、方程式27aを使用することによって取得できる。
【0137】
同様に、方程式23および方程式25において、α=0に設定することによって、本発明者らは、
【0139】
を取得することができ、方程式27aから、本発明者らは、
【0145】
は実行可能であり、そうでない場合、実行可能でない。
【0146】
これにより、ACAは、目標SINRのあるQoS要件が満たされるように、フェムトセルに関する解決電力のセットを取得するための簡単で効率的な方法を提供する。
【0147】
収束に関する条件
方程式19および方程式24から、本発明者らは、ここで、フェムト電力適応問題に対する解決策を取得するために、2つの方法を導出した。方程式24を実施するためには、通常、ローカルフェムトセル内で利用可能でないことになる
【0151】
ベクトルの完全な知識を必要とする。しかし、そのような知識は、集中型エンティティ内で取得することができる。したがって、方程式24で与えられる解決策は、集中型の実施に適している。適切な条件の下で、2つのアルゴリズムは同じ解決策を導く。本発明者らは、このアサーションを以下のように証明する。
【0154】
内の下付き文字tを使用して、方程式24を表現し直す。IDAプロセスは、異なる方程式、すなわち、
【0157】
方程式24および方程式30を使用して、反復t+1における現在の電力および最終的に収束された電力の間の差異は、
【0160】
IDAは、t+2、t+3、...、t+Lに関して、方程式30を反復的に適用するとして記述でき、これは、
【0163】
ベクトルのl
2基準、およびL番目の反復後の結果が最終的な解決策
【0165】
に対してどの程度離れているかを測定するための測定基準として||・||を使用して、本発明者らは、
【0168】
最後の範囲(不等式)は、行列のl
2基準の定義から直接得られる。t=0と見なし、本発明者らは、
【0184】
本発明者らは、方程式34の右側は、大きなLに関して消滅し、これはIDAが結果として、解決ベクトル
【0188】
をもたらすことになることを意味するという結論を下す。
【0189】
本開示の様々な態様は、コンピュータ上、プロセッサ上、および/または機械上で実行されたとき、コンピュータもしくは機械に本方法のステップを実行させる、コンピュータ使用可能デバイスもしくはコンピュータ可読デバイスまたは機械使用可能デバイスもしくは機械可読デバイスの中で実施されるプログラム、ソフトウェア、またはコンピュータ命令として実施することが可能である。
【0190】
本開示のシステムおよび方法は、汎用コンピュータシステム上または専用コンピュータシステム上で実施および実行することが可能である。コンピュータシステムは、任意のタイプの知られているシステムまたは知られることになるシステムであってよく、典型的には、通信ハードウェアおよび通信ソフトウェアなどと共に他のコンピュータシステムと通信するために、プロセッサ、メモリデバイス、記憶デバイス、入出力デバイス、内部バス、および/または通信インターフェースを含むことが可能である。
【0191】
本出願で使用される場合、「コンピュータシステム」および「コンピュータネットワーク」という用語は、固定されたかつ/または携帯用のコンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア、コンピュータ周辺装置、およびコンピュータ記憶デバイスの様々な組合せを含むことが可能である。コンピュータシステムは、協力して実行するためにネットワーク接続されるか、もしくはそうでない場合、連結された複数の個々の構成要素を含むことが可能であるか、または、1つもしくは複数の独立型構成要素を含むことが可能である。本出願のコンピュータシステムのハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素は、デスクトップ、ラップトップ、および/またはサーバなど、固定デバイスならびに携帯用デバイスを含むことが可能であり、かつこれらの中に含まれることも可能である。モジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、電子回路などとして実施することができる、何らかの「機能性」を実施するデバイス、ソフトウェア、プログラム、またはシステムの構成要素であってよい。
【0192】
LTEフェムトセルパフォーマンスを最適化するためのシステムおよび方法が記述および例示されているが、本明細書に添付された特許請求の範囲によってだけ限定されるべきである、本発明の広い教示から逸脱せずに、改変および修正が可能である点は当業者に明らかになるであろう。