(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-156792(P2015-156792A)
(43)【公開日】2015年8月27日
(54)【発明の名称】航空機用ギャレーの適応電力管理システム
(51)【国際特許分類】
H02H 3/08 20060101AFI20150731BHJP
B64D 11/04 20060101ALI20150731BHJP
【FI】
H02H3/08 D
B64D11/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-42286(P2015-42286)
(22)【出願日】2015年3月4日
(62)【分割の表示】特願2010-530117(P2010-530117)の分割
【原出願日】2008年10月16日
(31)【優先権主張番号】60/980,709
(32)【優先日】2007年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/251,382
(32)【優先日】2008年10月14日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】598154383
【氏名又は名称】ビーイー・インテレクチュアル・プロパティー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BE INTELLECTUAL PROPERTY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】アロンソン ウィリアム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デットマー ジョセフ シー.
(72)【発明者】
【氏名】レイマス セバスチャン エイ.
【テーマコード(参考)】
5G004
【Fターム(参考)】
5G004AA01
5G004AB02
5G004BA03
5G004DA01
5G004DC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な交換可能な航空機用ギャレーインサートの様々な電流要求に対して利用可能な、航空機用ギャレーの電力管理システムを提供する。
【解決手段】航空機用ギャレーの適応電力管理システムは、対応する交換可能な航空機用ギャレーインサート18(オーブン)、20(コーヒーメーカー)に対して一つ又は複数のプログラム可能な回路遮断機12、14、16を備える。プログラム可能な回路遮断器の定格電流設定は、ギャレーネットワーク制御部26による直接の問い合わせによって変更可能である。ギャレーネットワーク制御部は、必要に応じて、または受動信号によって、選択された回路遮断器のスイッチを自動的に開いて、ギャレー複合体全体又は個別のギャレーインサートへの電力供給を遮断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用ギャレーの適応電力管理システムであって、
電流要件を有し、該電流要件を示す受動信号を提供するように動作する、少なくとも一つのギャレーインサート装置と、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と動作可能に接続され、該少なくとも一つのギャレーインサート装置のそれぞれに電力を供給する、少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器と、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置に動作可能に接続されるギャレーネットワーク制御部であって、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件を示す受動信号を受け取り、該受動信号に基づいて、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件に対応する電流定格設定を、前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器に通信するように構成された、ギャレーネットワークコントローラと、
を備えることを特徴とする適応電力管理システム。
【請求項2】
前記ギャレーネットワーク制御部は、前記少なくとも一つのプログラム可能な回路遮断器のスイッチを開いて、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置への電力供給を遮断するように動作することを特徴とする請求項1に記載の適応電力管理システム。
【請求項3】
航空機用ギャレーの適応電力管理システムであって、
電流要件を有し、該電流要件を示す受動信号を提供するように動作する、少なくとも一つのギャレーインサート装置と、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と動作可能に接続され、該少なくとも一つのギャレーインサート装置のそれぞれに電力を供給する、少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器であって、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件を示す前記少なくとも一つのギャレーインサート装置からの前記受動信号に応答して、電流定格設定に設定されるように構成される、少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器と、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と動作可能に接続されるネットワーク接続であって、前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器の前記電流定格設定に対応する前記電流要件を示す、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置からの前記受動信号を通信するように構成される、ネットワーク接続と、
を備えることを特徴とする適応電力管理システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器は、前記少なくとも一つのプログラム可能な回路遮断器の論理プログラミングによって、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件を示す前記少なくとも一つのギャレーインサート装置からの前記受動信号に応答して、前記電流定格設定に設定されるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の適応電力管理システム。
【請求項5】
前記ネットワーク接続は、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器との間に動作可能に接続されたローカルデータバスを含むことを特徴とする請求項3または4に記載の適応電力管理システム。
【請求項6】
前記ネットワーク接続は、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器との間に動作可能に接続されたアナログシステムを含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の適応電力管理システム。
【請求項7】
航空機用ギャレーの適応電力管理方法であって、
電流要件を示す受動信号を提供するように動作する、電流要件を有する少なくとも一つのギャレーインサート装置を準備するステップと、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置と動作可能に接続され、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置のそれぞれに電力を供給する、少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器を準備するステップと、
前記少なくとも一つのギャレーインサート装置からの前記受動信号を、前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器に通信するステップであって、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件を示す前記受動信号が、前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器の電流定格設定に対応する、ステップと、
を含む適応電力管理方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの対応するプログラム可能な回路遮断器の前記電流定格設定は、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置の前記電流要件を示す前記受動信号に基づくことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプログラム可能な回路遮断器のスイッチを開いて、前記少なくとも一つのギャレーインサート装置への電力供給を遮断するステップをさらに含む請求項7または8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2007年10月17日に出願された仮特許出願第60/980709号に基づく。
【0002】
本発明は一般に配電の分野に関し、より詳細には航空機用ギャレーの適応電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
共通の/モジュール式の航空機用ギャレー(例えばARINC810およびARINC812に記載されているような)内への柔軟な製品の設置をサポートする目的で、現在の航空機用ギャレーは設定の固定された(10アンペア、15アンペア、20アンペアなど)回路遮断器(circuit breaker)を利用している。ARINC810は、ギャレーインサート機材の寸法および標準インタフェースと物理インタフェースの安全要求を記述している。ギャレーインサート機材は、例えば、様々なタイプの飲料作成器(beverage maker)(サイズ1)、オーブン/冷蔵庫(サイズ2)、カート/ゴミ圧縮機(サイズ3)、コンテナ/パン保温機(サイズ4)などである。ARINC812は、ギャレーインサート(GAIN)機材の標準データおよびネットワークインタフェースの要件を記述する。航空機用ギャレーインサート装置の設置等のための回路遮断器は、普通はインサートから予期される最大電流引き込み(current draw)に応じた、配線の規格に基づく大きさにされる。回路を適切に保護するために、回路遮断器の定格はインサートの最大電流引き込みよりも大きくなければならないが、機材が故障した場合にギャレーの配線を保護する程度に十分に小さくなければならない。
【0004】
従来の固定容量の回路遮断器では、回路遮断器を交換せずに、接続相手の既存の回路遮断器とは異なる電流引き込み容量を有するインサートを航空機用ギャレー内に設置することは、現在のところ不可能である。例えば、8アンペアの最大引き込みを有するコーヒーメーカーが元々ギャレー内に設置されていた場合、ギャレーの製造業者は通常10アンペアの回路遮断器を設置している。後日に、航空会社が、コーヒーメーカーを13アンペアの最大電流容量を有する湯沸かし器と交換することを決めた場合、より高い定格の回路遮断器(例えば15アンペア)を用いて航空機のギャレーを改修する必要が生じる。既に認定された航空機機材を改修するために要求される文書化のレベルのために、このような改修を再認定するためのコストは高い。
【0005】
加えて、既存の航空機用ギャレーにおいて、フライト中にギャレー複合体または個別のギャレーインサートのいずれかへの電力供給を遮断する必要が生じた場合、この操作は、必要な個々の回路遮断器を乗員が物理的に引っ張って開く手動によってしか実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回路遮断器のその場での交換を必要とせずに、様々な交換可能な航空機用ギャレーインサートの様々な電流要求に対して利用可能な電流引き込み容量を調節することができる、航空機用ギャレーの電力管理システムを提供することが望ましい。また、ギャレー複合体または個別のギャレーインサートへの電力供給を自動的に遮断できる航空機用ギャレーの電力管理システムを提供することが望ましい。本発明はこれらのおよび他の必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔にかつ一般的に述べると、本発明は、回路遮断器の交換を必要とせずに、交換可能な航空機用ギャレーインサートのそれぞれの現在需要に合わせ適切な電流設定をプログラム可能な回路遮断器に提供する、航空機用ギャレーの適応電力管理システムを提供する。一つの好適な実施形態では、本発明は、必要に応じて、選択された回路遮断器のスイッチを自動的に開きそれによってギャレー複合体全体または個別のギャレーインサートへの電力供給を遮断することができるギャレーネットワーク制御部を備える。プログラム可能な回路遮断器を用いて、各ギャレーインサート装置への電流を安全に制限することができる。電流制限は、ギャレー内のプログラム可能な回路遮断器に対する直接の問い合わせ(interrogation )またはギャレー内のプログラム可能な回路遮断器に対して適切な設定を通信する受動信号に基づき決定される。
【0008】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の動作を一例として図解した添付の図面と共に、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明による航空機用ギャレー適応電力管理システムの第1実施形態の模式図である。
【
図2】本発明による航空機用ギャレー適応電力管理システムの第2実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
限定のためではなく例示のために提供される図面を参照して、本発明は航空機用ギャレーの適応電力管理システムを提供する。適応電力管理システムは、回路遮断器の交換を必要とせずに、対応する交換可能な航空機用ギャレーインサートのそれぞれの現在需要に合わせて適切な電流設定をプログラム可能な回路遮断器に提供する。
【0011】
図1を参照して、第1の好適な実施形態では、本発明の適応電力管理システム10は、対応するギャレーインサート(galley insert)に電力を供給するための一つまたは複数のプログラム可能な回路遮断器12、14、16を備える。ギャレーインサートは、オーブン18、コーヒーメーカー20、または他のインサート装置用の一つまたは複数の追加ベイ22などである。他のインサート装置は、例えば湯沸かし器、トースター、冷却器(図示せず)、または同様の適切な電化製品などである。プログラム可能な回路遮断器は、航空機の給電線24に動作可能に接続され給電線24から電力を受け取り、またギャレーネットワーク制御部26に動作可能に接続される。ギャレーネットワーク制御部26は、ネットワークバス28によってギャレーインサートのそれぞれに動作可能に接続されており、それらの電流要求を決定し、ギャレー内の対応するプログラム可能な回路遮断器に適切な定格電流設定を通信する。本好適な態様では、いざというときに、ギャレーネットワーク制御部が選択された回路遮断器のスイッチを自動的に開いて(「電力負荷制限(load shedding)」とも呼ばれるプロセスで)、ギャレー複合体全体または個別のギャレーインサートへの電力供給を遮断することができる。
【0012】
図2を参照して、第2の好適な実施形態では、本発明の適応電力管理システム30は、対応するギャレーインサート装置に電力を供給するための一つまたは複数のプログラム可能な回路遮断器32、34、36を備える。ギャレーインサート装置は、オーブン38、コーヒーメーカー40、湯沸かし器42、または他のインサート装置用の一つまたは複数の追加ベイなどである。他のインサート装置は、例えばトースター、冷却器(図示せず)、または同様の適切な電化製品などである。プログラム可能な回路遮断器は、航空機の給電線44に動作可能に接続され給電線44から電力を受け取り、またギャレーインサート装置に動作可能に接続される。この実施形態におけるプログラム可能な回路遮断器は、例えばコネクタピンコーディング(connector pin coding)からなどの受動信号システム46によって、または論理プログラミングによって、またはローカルバスあるいはアナログシステム(例えば電圧や抵抗)などによる対応するギャレーインサート装置とのネットワーク接続によって、対応するギャレーインサート装置用の適切な定格電流に設定されるように調整されて(keyed)いてもよい。
【0013】
本発明の適応電力管理システムにより、ギャレーにいかなる修正も加える必要なく、電力消費レベルの異なるギャレーインサートを同一のギャレーインサートキャビティ内で交換可能に用いることができるようになる。例えば、航空機のギャレー設計に修正を加えることなく、1200ワットのみを必要とするインサート用に使用可能な同一のスロット(ギャレーインサート位置)内で、5000ワットを消費するインサートを使用することができる。
【0014】
ギャレーインサート装置は、ギャレーネットワーク制御部を通じてまたはプログラム可能な回路遮断器に直接のいずれかで、プログラム可能な回路遮断器に適切な電流設定を通信するように構成されているので、プログラム可能な回路遮断器は、同一の物理回路内でギャレーインサートに与えられる電流を安全なレベルに制限することができ、したがって異なる電流引き込みを有する複数の装置をサポートする。
【0015】
ギャレー内にこの機能を配置することによって、システムに要する全体のコストをマクロレベルで最小化することができる。これは、大半の航空会社がかなりの数の予備のインサートを運んでいるという事実による。したがって、各ギャレー(少数の予備がある)に本発明の適応電力管理システムが設置されると、各ギャレーインサートに電流設定が固定である回路遮断器が設置されている場合よりも、必要となる予備の総数が少なくて済む。
【0016】
航空機用ギャレー装備とともにプログラム可能な回路遮断器を用いると、多数の利点がある。第1に、ギャレーインサートを異なる(高いまたは低い)電流引き込み要件を有する装備に交換することを航空会社が決定した場合、ギャレー設計を修正する必要なく、ギャレーの回路遮断器の設定が自動的に調整される。第2に、フライト中にギャレー複合体または個別のギャレーインサートのいずれかへの電力供給を遮断する必要が生じた場合、ギャレーネットワーク制御部が選択された回路遮断器のスイッチを開くことができ、したがって電力負荷制限が実現される。
【0017】
プログラム可能な回路遮断器に電流測定能力が備えられている場合、電流測定値をギャレーネットワーク制御部に戻すことができる。この情報を用いて、ギャレーネットワーク制御部は、ギャレーインサート装置の適切な動作を確認し、またギャレー内に設置された他のインサートの電力消費を管理することができる。
【0018】
本発明の特定の形態を例示し説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な修正をなしうることは上記記載から明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲によるものを除き、本発明を限定することは意図していない。