特開2015-157625(P2015-157625A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-157625車両のウインドスクリーンワイパー用の加熱装置、これを有するウインドスクリーンワイパー、及びかかるウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-157625(P2015-157625A)
(43)【公開日】2015年9月3日
(54)【発明の名称】車両のウインドスクリーンワイパー用の加熱装置、これを有するウインドスクリーンワイパー、及びかかるウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20150807BHJP
【FI】
   B60S1/38 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-33313(P2015-33313)
(22)【出願日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】1451451
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル、ジャラソン
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA03
3D025AB01
3D025AD02
3D025AD09
3D025AE15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウインドスクリーンワイパーが洗浄液を分配するためのマニホールドを備えている場合、マニホールドが分配孔まで凍結すると、マニホールドが液体の放出を妨げ、ウインドスクリーンワイパー全体を過度に硬直させてしまう可能性がある。
【解決手段】加熱装置は、支持要素3の長手方向ハウジングの内部に設置されて薄板を形成するように構成された要素4であって、前記ハウジングは長手方向スロット17を介して上方に開放している薄板形成要素4と、前記薄板形成要素4に配置されるとともに、導電手段19によって前記薄板の上面に配置された電気コネクタ12に連結された加熱要素と、を備えている。前記加熱要素は、前記薄板形成要素4のいわゆる下面に配置され、前記導電手段19は、前記薄板の前記下面から前記上面に向かってその両端部のうちの一方の端部の周りを通っている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドスクリーンワイパー(1)の支持要素(3)に組み付けられるように構成された加熱装置であって、
・長手方向主軸を有するとともに、前記支持要素(3)の長手方向ハウジング(5)の内部に設置されて薄板を形成するように構成された少なくとも1つの要素(4)であって、前記ハウジング(5)は前記薄板の上方に長手方向スロット(17)を介して開放している、薄板形成要素(4)と、
・前記薄板形成要素(4)に配置されるとともに、導電手段(19)によって前記薄板形成要素(4)のいわゆる上面に配置された電気コネクタ(12)に連結された少なくとも1つの加熱要素(13)と、を備え、
前記加熱要素(13)は、前記薄板形成要素(4)のいわゆる下面に配置され、
前記導電手段(19)は、前記薄板形成要素(4)の前記下面から前記上面に向かって前記薄板形成要素の両端部のうちの一方の端部で当該要素(4)の周りを通っている、ことを特徴する加熱装置。
【請求項2】
前記導電手段(19)は、前記薄板形成要素(4)の前記上面上の前記スロット(17)に沿って延在している、ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記導電手段(19)は、前記薄板形成要素(4)の前記下面の端部領域に配置された集電シュー(20)を介して前記加熱要素(13)に連結されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記端部領域は中央に配置されている、ことを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記集電シュー(20)は、これらのシューを覆う樹脂(23)に埋設されている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記加熱要素は、前記薄板形成要素(4)の前記下面に取り付けられるとともに、前記導電手段(19)が周りを通る前記端部の近傍まで延在している抵抗フィルムである、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項7】
ウインドスクリーンワイパーであって、
・請求項1乃至6のいずれか一項に記載の加熱装置と、
・長手方向主軸を有する支持要素(3)であって、長手方向ハウジングとワイパーブレードを保持するための手段とを有する支持要素(3)と、
・ワイパーブレードと、
・前記ウインドスクリーンワイパーをワイパー装置の作動アームに連結するように構成された機械的コネクタ(10)であって、薄板形成要素(4)が挿入される支持要素(3)に設置される機械的コネクタ(10)と、を備えたことを特徴とするウインドスクリーンワイパー。
【請求項8】
請求項7に記載のウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法であって、
−加熱要素(13)が薄板形成要素(4)の下面に沿って配置されて、加熱要素が下面に取り付けられる工程と、
−前記薄板形成要素(4)が前記加熱要素(13)とともに、支持要素(3)に設けられた長手方向ハウジング(5)に挿入される工程であって、前記加熱要素(13)の長さは前記薄板形成要素(4)の長さに一致しているので、その両端部が前記ハウジング(5)から突出する工程と、
−導電手段(19)が、前記加熱要素(13)の両端部のうちの一方の端部に取り付けられて前記加熱要素(13)が電気コネクタ(12)に連結される工程と、
−前記導電手段(19)が、前記薄板形成要素(4)の下面からその上面に向かって前記薄板形成要素(4)の前記端部の周りを通される工程と、
−前記導電手段(19)が上方に開放した前記支持要素(3)の前記上面の長手方向スロット(17)に位置付けられるとともに、前記電気コネクタ(12)が前記支持要素(3)の略中央に配置された機械的コネクタ(10)にスイッチされる工程と、
−カバー部材(6)が前記機械的コネクタ(10)の各側に取り付けられる工程と、
−ワイパーブレード2が、前記支持要素(3)の溝に設置される工程と、
−端部キャップ(7)が、前記支持要素(3)と薄板形成要素(4)と前記カバー要素(6)とから形成された組立体の両端部に取り付けられる工程と、を備えたことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記導電手段(19)は、前記加熱要素(13)の前記端部に設けられた集電シュー(20)に取り付けられる、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記導電手段(19)を前記薄板形成要素(4)の両端部のうちの一方の端部の周りを通す前に、前記導電手段(19)は前記電気コネクタ(12)に連結される、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドスクリーンワイパー用の加熱装置、及びこれを有するウインドスクリーンワイパーに関する。また、本発明は、このようなウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のウインドスクリーンにおける加熱装置は、ウインドスクリーンワイパーの本体に一体化されるとともにその略全長に亘って延在する加熱要素を備えている。この加熱要素の存在により、ウインドスクリーンワイパー上の氷や雪を融解することができる。もし加熱要素がなければ、低温の気候においてウインドスクリーンワイパー上に氷が形成されたり雪が堆積して、ウインドスクリーンワイパーの適切な動作を阻害するであろう。ウインドスクリーンワイパーが洗浄液を分配するためのマニホールドを備えている場合、更に面倒なことが起こり得る。すなわち、マニホールドが特には分配孔まで凍結すると、マニホールドが液体の放出を妨げ、多くの場合ウインドスクリーンワイパー全体を過度に硬直させてしまう可能性がある。
【0003】
ウインドスクリーンワイパーの加熱装置は、ウインドスクリーンワイパーを構成している要素のうちの1つに結合された1つ以上の抵抗ワイヤを有し得る。単数又は複数の抵抗ワイヤは、これらの構成要素の1つに沿って全体的に延在している。
【0004】
ウインドスクリーンワイパーに組み込まれた抵抗フィルムを有するこの種の加熱装置も知られている。このウインドスクリーンワイパーはフラットタイプのものであり、可撓性ウインドスクリーンワイパー又はフラットウインドスクリーンワイパーと称されることが多い。
【0005】
この公知のウインドスクリーンワイパーの構成要素を図1に示す。これらの構成要素は、下から上に向かって、全体的にエラストマーからなり、細長い支持要素3に取り付けられるワイパーブレード2、全体的に半剛性(セミリジッド)プラスチック材料からなる細長い支持要素3、長手方向主軸を有するとともに支持要素3の長手方向ハウジング5に配置される薄板を形成する要素(薄板形成要素)4、及び支持要素3にクリップ留めされるカバー要素6を含んでいる。これらの構成要素は実質的に同じ長さであり、ウインドスクリーンワイパーの組み立てに際して、端キャップ7が各端部に取り付けられる。
【0006】
図2は、組み立てられたときのこのようなウインドスクリーンワイパーの断面を示している。カバー要素6は付属品を構成している。本例において、この付属品はその長さの一部に亘って、洗浄液を噴霧するためのマニホールド8を更に有している。マニホールド8は、噴霧孔(図示せず)を設けられている。有利には、このような付属品は、ワイパーブレード2をより強く車両の窓ガラス(図示せず)に対して押し付けることが意図された空気力学的デフレクタ9を有している。或いは、カバー要素6は、カバー要素の各側に沿う2つの噴霧マニホールドを有していてもよい。
【0007】
ウインドスクリーンワイパー1のカバー要素6は略同一長さの2つの部品からなっており、これらは機械的コネクタ10を介して互いに連結される。機械的コネクタ10は、洗浄液用の油圧コネクタ11を電気コネクタ12とともに収容する。電気コネクタ12は、ウインドスクリーンワイパーに組み込まれる抵抗フィルムの形状とされた加熱要素13に連結される。
【0008】
機械的コネクタ10は、連結部材14を形成するキャップにより外側から閉鎖される。連結部材14は、機械的コネクタ10を、作動アーム(図示せず)に結合部(図示せず)を介して連結する。したがって、ワイパー装置は、ウインドスクリーンワイパー1と、上記作動アームと、作動アームを搖動駆動するためのモータ(図示せず)と、から形成される。
【0009】
支持要素3は、中央領域に、互いに向き合うように配置された2つの側方切欠16を有している。これらの切欠は、ウインドスクリーンワイパーの組み立てに際して、機械的コネクタ10をウインドスクリーンワイパーにクリップ留めするためのものである。
【0010】
薄板形成要素4は全体的に金属からなり、以下で「薄板」という用語により称される場合がある。薄板は、本発明のウインドスクリーンワイパーにおいて必要不可欠な機能を果たす。なぜならば、薄板は、ウインドスクリーンワイパー全体に、力の適切な分散を目的とする良好な機械的強度のために必要とされる剛性を与え、これによりウインドスクリーンワイパーが、通常ドーム状の形状を有するウインドスクリーンの表面の形状に適合するように十分な可撓性を保ちつつ同時にウインドスクリーンを圧迫するからである。
【0011】
この可撓性ワイパーが持ち上げられた場合、ワイパーはその下面が窪み結果としてその上面が凸となるような豆のさや形状をとる。
【0012】
加熱装置を備えたこのウインドスクリーンワイパーにおいて、薄板4は、その上面に配置された加熱要素13からの熱を伝えるとともに分散させる機能も有している。したがって、加熱装置を備えたウインドスクリーンワイパーにおいて、薄板が良好な熱導体である材料からなりこれにより加熱装置の有効な部品を形成するということが重要である。
【0013】
公知のウインドスクリーンワイパーの本例における加熱要素13は、抵抗フィルム形状であって、支持要素3のハウジング5内に配置された薄板形成要素4の上面に取り付けられている。ハウジング5は、その全長に亘って幅広の長手方向スロット17を介して上方に開放している。上記抵抗フィルムは、長手方向スロット17の内部に延在している。したがって、薄板の上面の両方の側方領域は、この抵抗フィルムによって覆われていない。
【0014】
機械的コネクタの真下に位置する抵抗フィルムに設けられた電気接点18は、電気コネクタ12に導電手段を介して連結されている。本例において示される導電手段は、ハウジング5のスロット17を貫通する導電ワイヤ19を有している。
【0015】
導電ワイヤ19に代えて、リードフレーム又は可撓性集電シューを使用することも可能である。
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、加熱要素が既述のウインドスクリーンワイパーに比較してより良好に保護される、同種のウインドスクリーンワイパー用の加熱装置を提供することである。加熱要素は、支持要素の下面及びワイパーブレードに対する熱の分散に最適であるように配置され、同時に作動アームへの連結のための機械的コネクタに一体化される電気コネクタに加熱要素を連結するための単純な手法を提供する。
【0017】
薄板4の幅が8乃至10mmと比較的限られている場合、上記の後者の態様は実施するのが非常に困難である。また、薄板の強度を下げないように、且つウインドスクリーンワイパーの動作中の圧力の分散に影響を与えないように、薄板のコア(中心)に比較的大きい孔を設けないようにすることが望ましい。
【0018】
本発明によれば、加熱要素は、機械的コネクタの内部の要素が加熱要素から放射される熱に直接さらされないように配置されるとともに、加熱要素と、機械的コネクタに結合された電気コネクタと、の間の単純な連結を提供する。
【0019】
これは、加熱装置が頻繁に使用される場合に、電気コネクタを含む機械的コネクタ内の要素に損傷を与える過熱の危険性を減少させる。
【0020】
本発明は、ウインドスクリーンワイパーの支持要素に組み付けられるように構成された加熱装置に関する。加熱装置は、
・長手方向主軸を有するとともに、支持要素の長手方向ハウジングの内部に設置されて薄板を形成するように構成された少なくとも1つの要素であって、ハウジングは前記薄板の上方に長手方向スロットを介して開放している、薄板形成要素と、
・前記薄板形成要素に配置されるとともに、導電手段によって当該薄板形成要素のいわゆる上面に配置された電気コネクタに連結された少なくとも1つの加熱要素と、を備え、
加熱要素は、薄板形成要素のいわゆる下面に配置され、
導電手段は、薄板形成要素の下面から上面に向かって薄板形成要素の両端部のうちの一方の端部で当該薄板形成要素の周りを通っている、ことを特徴としている。
【0021】
本発明の他の特徴は、以下のようなものである。
−導電手段は、薄板形成要素の上面に位置する(上面上の)スロットに沿って延在している。
−導電手段は、薄板形成要素の下面の端部領域に配置された集電シューを介して加熱要素に連結されている。
−端部領域は、中央に配置されている。
−集電シューは、これらのシューを覆う樹脂に埋設されている。
−加熱要素は、薄板形成要素の下面に取り付けられるとともに、導電手段が周りを通されている前記端部の近傍まで延在している抵抗フィルムである。
【0022】
本発明の他の目的は、このような加熱装置を有するウインドスクリーンワイパーを提供することである。
【0023】
本発明の更なる目的は、このようなウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法を提供することである。
【0024】
本発明の他の特徴及びメリットは、添付図面を参照してなされる以下の非制限的な本発明の実施形態の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】既に説明された、従来技術のウインドスクリーンワイパーの分解図である。
図2】既に説明された、組み立て後の図1のウインドスクリーンワイパーの断面図であって、加熱要素が薄板の上面に配置されている断面図である。
図3】薄板の下面の部分斜視図であって、その下面に取り付けられた加熱要素及び加熱要素に連結された集電シューを概略的に示す部分斜視図である。
図4】加熱要素を支承した薄板の支持要素の長手方向ハウジングへの挿入を概略的に示す斜視図である。
図5】薄板の一端部の部分斜視図であって、一端部が、支持要素から突出するとともに、加熱要素を電気コネクタに導電ワイヤを介して連結するための集電シューを支承している部分斜視図である。
図6】集電シューが被覆樹脂に埋設されている、図5に対応する部分斜視図である。
図7】導電ワイヤがいかにして薄板の端部の周りを通されて薄板の上面上の支持要素のスロット内に配置されるかを概略的に示す図である。
図8】支持要素のスロット内に配置された導電ワイヤ、及び薄板が挿入される支持要素に取り付けられた機械的コネクタに設置された電気コネクタを概略的に示す図である。
図9図8の線A−Aに沿う横断面図である。
図10】薄板の下面の中央部の部分斜視図であって、中央に対して長手方向にオフセットされるとともに導電ワイヤを薄板の下面からその上面に通すように使用されることが意図された側方ノッチを有する薄板の下面に配置された加熱要素を示す部分斜視図である。
図11図10の薄板の中央部の部分斜視図であって、導電ワイヤが一方では加熱要素に結合された集電シューに連結され、他方では電気コネクタに連結されていることを示す部分斜視図である。
図12】集電シューが被覆樹脂に埋設されている、図11に対応する部分斜視図である。
図13】長手方向にオフセットされた側方ノッチを介して薄板の下面からその上面に延在する導電ワイヤを概略的に示す図である。
図14】加熱要素と一体とされた薄板の支持要素の長手方向ハウジングへの挿入を概略的に示す斜視図である。
図15】オフセットノッチを貫通するとともに、支持要素に取り付けられた機械的コネクタに設置された電気コネクタに連結された導電ワイヤを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図において、図1及び図2を参照して既に説明した要素と同一又は同等の要素には同じ参照記号を付している。
【0027】
図1及び2を参照して既に説明したウインドスクリーンワイパーの加熱装置に対する重要な差異点は、加熱要素13が、薄板を形成する要素(薄板形成要素)4の上方ではなく下方に配置されているという事実である。これにより、加熱要素から放射される熱をよりよく下方に分配及び分散させると同時に、長時間に亘る使用の際にコネクタの過熱の原因となり得る直接的な熱放射から電気コネクタ12を保護するというメリットが得られる。
【0028】
有利には、加熱要素13は、支持要素3に設けられたハウジング5内で良好に保護されるであろう抵抗フィルムにより形成されている。当然ながら、抵抗ワイヤに代えて同様に配設される抵抗ワイヤの使用が排除されるものではない。
【0029】
加熱要素として、薄板4上に堆積された抵抗塗料又は他のコーティング形状の抵抗コーティングを同様に使用することが可能である。
【0030】
ここで、このような加熱要素13の有利な配置に対して、薄板4の下方に位置する加熱要素13とその上方に位置する電気コネクタ12との間の電気的接続という接続上の問題が発生する。
【0031】
本発明によれば、この接続上の問題は、加熱要素13を電気コネクタ12に結合する導電ワイヤ19等の導電手段又は他の導電手段が、薄板4の下面からその上面に向かってその一側、特にはその両端部のいずれか一方の端部の周りを通っているという事実によって解決される。
【0032】
これにより、特に薄板の幅が8乃至10mm程度と相対的に制限されているために、薄板に孔を作成することによって薄板が弱体化するという事態が回避される。
【0033】
本発明を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
図3は、抵抗フィルム形状の加熱要素13が取り付けられている薄板4の下面の一部を示している。有利には、この抵抗フィルムは、導電手段19が周りを通っている薄板の端部の近傍まで延在している。
【0035】
抵抗フィルム13は、集電シュー20としての形状をとる2つの接続点を有している。これらの集電シュー20は、薄板の下面の端部領域において互いに平行に配置されている。この端部領域は、薄板4の端部において中央に配置されている。
【0036】
更に、薄板4は、その両端部に、各キャップ7(図1参照)にクリップ留めするための側方ノッチ21を有している。図示例において、集電シュー20は、ノッチ21の後方に配置されているが、その前方にも配置され得る。
【0037】
図4は、支持要素3のハウジング5の内部に配置された、図3の薄板4を示す。薄板の両端部は、キャップ7を取り付けるための側方ノッチ21が露出するように、支持要素3の両端部から突出している。
【0038】
更に、機械的コネクタ10が、支持要素3の中央にクリップ留めされている。図8に示すように、この機械的コネクタ10は、その上面に、電気コネクタ12を受容するためのハウジング22を有している(図4参照)。組み立てを実施する場合、薄板形成要素4は、次いで、支持要素3のハウジング5に挿入される。その後、薄板形成要素4は、機械的コネクタ10内においてレール形状のワイパー1の中央まで、機械的コネクタ10に設けられたニップル(図示せず)に対応した関係となるノッチ24に援助されて通る。その後、ハウジング22は、図1に示すキャップ14で閉鎖される。
【0039】
加熱要素13は、導電ワイヤ19の形状をとる導電手段によって、電気コネクタ12に連結されている。図5に示す例において、各導電ワイヤ19の両端部のうちの一方の端部は、薄板4の端部領域において各シュー20にはんだ付けされているとともに、他方の端部は電気コネクタ12に取り付けられている。
【0040】
図6は、図5の集電シュー20が樹脂23に埋設され、シューが覆われる(封止される)ことで保護されている状態を概略的に示す。
【0041】
また、本発明は、本発明による加熱装置を有するウインドスクリーンワイパーを組み立てる方法に関する。
【0042】
本発明による組み立て方法は、
−加熱要素13が薄板4の下面に沿って配置されて、加熱要素が下面に取り付けられる工程と、
−薄板4が加熱要素13とともに、支持要素3に設けられた長手方向ハウジング5に挿入される工程であって、加熱要素13の長さは薄板4の長さに一致しているので、その両端部がハウジング5から突出する工程と、
−導電手段19が、加熱要素13の両端部のうちの一方の端部に取り付けられて加熱要素が電気コネクタ12に連結される工程と、
−導電手段19が、薄板の下面からその上面に向かって薄板の端部の周りを通される工程と、
−導電手段19が上方に開放した支持要素3(図7参照)の上面の長手方向スロット17に位置付けられるとともに、電気コネクタ12が支持要素3の略中央に配置された機械的コネクタ10(図8参照)に取り付けられる工程と、
−カバー部材6が、機械的コネクタ(10)の各側に取り付けられる工程と、
−ワイパーブレード2が、支持要素3の溝に設置される工程と、
−端部キャップ7が、支持要素3と薄板4とカバー要素6とから形成された組立体の両端部に取り付けられる工程と、を備えている。
【0043】
本発明の方法の他の特徴によれば、導電手段19は、加熱要素の端部に設けられた集電シュー20に取り付けられる。
【0044】
本発明による方法の更なる特徴によれば、導電手段19を薄板4の両端部のうちの一方の端部の周りを通す(巻く)前に、導電手段19は電気コネクタ12に連結される。
【0045】
図10乃至15は、上述と同様に薄板4のコア(中心)に孔を作成することを避けるべく、導電ワイヤ19が薄板4の両側部のうちの一方の側部の周りを通されることを可能にする加熱装置の実施形態を示している。
【0046】
図10は、抵抗フィルム形状の加熱要素13を設けられた薄板4の下面の中央部を示す。加熱要素13は、この下面に接着されている。薄板は、薄板の両側部に配置された、機械的コネクタ10を取り付けるための2つの対向中央ノッチ24を有している。更に、薄板は、側方ノッチ25を設けられている。側方ノッチ25は、支持要素3の中央部に対して長手方向にオフセットされている。当該中央部では、薄板4を支持要素のハウジング5の内部に摺動させることにより薄板4が挿入された際に、機械的コネクタ10が支持要素3に並べられるように固定される(図14及び15参照)。
【0047】
オフセットノッチ25は、一方では導電ワイヤ19を受容しつつ他方では導電ワイヤ19が薄板4の支持要素3への挿入を阻害しないことを確保するように、十分深いものとなっている。
【0048】
加熱要素13は、集電シュー20を設けられている。本例では、集電シュー20は、オフセットノッチ25の比較的近傍に配置されている。
【0049】
有利には、薄板4を支持要素のハウジング5の内部に摺動させる前に、導電ワイヤ19の両端部の一方の端部が、各シュー20にはんだ付けされる。導電ワイヤ19の他方の端部は、既に電気コネクタ12に連結されている。まず機械的コネクタ10が支持要素3に載置され、次いで薄板4がハウジング5に挿入されて電気コネクタ12が機械的コネクタ10に設けられたハウジング22に設置される。その後は、ワイパーブレード2と2つのカバー要素6とキャップ7、及び機械的コネクタ10を覆うキャップ14を組み付けるだけである。
【0050】
更に、本発明は、本発明による加熱装置を有するウインドスクリーンワイパーに関する。有利には、このウインドスクリーンワイパーは、車両に使用されるワイパー装置の一部品である。
【0051】
本発明が上述の例に限定されないことは当然のことであり、当業者は、本発明の範囲を逸脱せずに変形例、特に抵抗フィルムの代わりに抵抗ワイヤ又は抵抗コーティングのいずれか又は両方が使用される変形例に到達するであろう。
【0052】
本発明による加熱装置を備えたウインドスクリーンワイパーは、洗浄液を分配するための装置を有さなくてもよいし、逆にワイパーの各側方に設けられた一対型分配装置を備えていてもよい。また、空気力学的デフレクタの存在は、本発明の実施に必須ではない。
図1
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【外国語明細書】
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