【解決手段】画像表示サブフィールドと座標検出サブフィールドとを含む複数のサブフィールドで1フィールド期間を構成した画像表示装置の駆動方法であって、座標検出サブフィールドは、同期をとるための発光を発生する同期検出サブフィールドSFoと画像表示面上のy座標を検出するためのy座標検出発光を発生するy座標検出サブフィールドSFyと画像表示面上のx座標を検出するためのx座標検出発光を発生するx座標検出サブフィールドSFxとを含み、画像表示サブフィールドにおいて時間に依存して設定される所定の変位量(δX、δY)だけ画像の表示位置を移動して表示するとともに、y座標検出発光およびx座標検出発光の発光タイミングを変位量に相当する時間(−δX・Tx1)、(−δY・Ty1)だけ変更する。
画像信号を入力して画像を表示するための画像表示サブフィールドと、画像表示面上の座標を検出するための発光を発生する座標検出サブフィールドと、を含む複数のサブフィールドで1フィールド期間を構成した画像表示装置の駆動方法であって、
前記座標検出サブフィールドは、同期をとるための発光を発生する同期検出サブフィールドと、画像表示面上のy座標を検出するためのy座標検出発光を発生するy座標検出サブフィールドと、画像表示面上のx座標を検出するためのx座標検出発光を発生するx座標検出サブフィールドと、を含み、
前記画像表示サブフィールドにおいて、時間に依存して設定される所定の変位量だけ前記画像の表示位置を移動して表示するとともに、
前記y座標検出発光および前記x座標検出発光の発光タイミングを、前記変位量に相当する時間だけ変更することを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
ディスプレイデバイスと、画像信号を入力して画像を表示するための画像表示サブフィールドと画像表示面上の座標を検出するための発光を発生する座標検出サブフィールドとを含む複数のサブフィールドで1フィールド期間を構成して前記ディスプレイデバイスを駆動する駆動回路と、を有する画像表示装置であって、
前記駆動回路は、
同期をとるための発光を発生する同期検出サブフィールドと、画像表示面上のy座標を検出するためのy座標検出発光を発生するy座標検出サブフィールドと、画像表示面上のx座標を検出するためのx座標検出発光を発生するx座標検出サブフィールドと、を含む複数のサブフィールドで前記座標検出サブフィールドを構成し、
前記画像表示サブフィールドにおいて、時間に依存して設定される所定の変位量だけ前記画像の表示位置を移動して表示するとともに、
前記y座標検出発光および前記x座標検出発光の発光タイミングを、前記変位量に相当する時間だけ変更する
ことを特徴とする画像表示装置。
請求項2に記載の画像表示装置と、前記座標検出サブフィールドの発光に基づき指し示す画像表示面の座標を算出する電子ペンと、前記電子ペンが算出した座標に基づき描画信号を作成して前記画像表示装置に出力する描画装置と、を備えたことを特徴とする画像表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態における画像表示システムについて、図面を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の回路ブロック図である。画像表示システム100は、画像表示装置30と、描画装置40と、電子ペン50とを備える。電子ペン50は複数本備えていてもよい。
【0017】
画像表示装置30は、画像を表示するディスプレイデバイスと、それを駆動する駆動回路とを有する。以下、ディスプレイデバイスとしてプラズマディスプレイパネル(「パネル」と略記する)10を用いた画像表示装置30を例に説明するが、液晶、有機EL等のディスプレイデバイスを用いた画像表示装置であってもよい。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100のパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とからなる表示電極対14が複数形成されている。そして表示電極対14を覆うように誘電体層15が形成され、その誘電体層15上に保護層16が形成されている。背面基板21上にはデータ電極22が複数形成され、データ電極22を覆うように誘電体層23が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁24が形成されている。そして、隔壁24の側面および誘電体層23上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層25が設けられている。
【0019】
これら前面基板11と背面基板21とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対14とデータ電極22とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁24によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極22とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより蛍光体層25が発光して画像が表示される。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100のパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に延びたn本の走査電極SC1〜SCn(
図1の走査電極12)およびn本の維持電極SU1〜SUn(
図1の維持電極13)が配列され、列方向に延びたm本のデータ電極D1〜Dm(
図1のデータ電極22)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。ここで隣接する3本のデータ電極と1対の表示電極対との交差する部分に形成される3個の放電セルは、赤のサブピクセル、緑のサブピクセル、青のサブピクセルである。そして赤のサブピクセル、緑のサブピクセル、青のサブピクセルが一組で1つの画素を構成する。したがって、例えばパネル10が1080×1920の画素をもつ高精細度パネルであれば、n=1080、m=1920×3=5760である。
【0021】
次に、パネル10の各電極に印加する駆動電圧波形について説明する。本実施の形態においては、画像信号を入力して画像を表示するための画像表示サブフィールドと、画像表示面上の座標を検出するための発光を発生する座標検出サブフィールドと、を含む複数のサブフィールドで1フィールド期間を構成する。
【0022】
まず画像表示サブフィールドの詳細について説明する。画像表示サブフィールドは、あらかじめ定められた輝度重みを持つ複数のサブフィールドで構成され、それぞれの画像表示サブフィールドの発光・非発光を放電セル毎に制御することにより画像を表示する。
【0023】
本実施の形態において画像表示サブフィールドは、初期化期間Piと書込み期間Pwと維持期間Psとを有する8個のサブフィールドSF1〜SF8であり、サブフィールドSF1〜SF8それぞれの輝度重みは、例えば(1、34、21、13、8、5、3、2)である。しかしサブフィールド数、輝度重み等のサブフィールド構成は、上記に限定されるものではない。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100のパネル10に印加する駆動電圧波形図であり、サブフィールドSF1〜SF3においてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示している。
【0025】
サブフィールドSF1の初期化期間Piでは、各電極に所定の電圧を印加して微弱な初期化放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。またデータ電極D1〜Dm上の壁電圧を書込み動作に適した値に調整する。本実施の形態においては、緩やかに上昇する上り傾斜電圧および緩やかに下降する下り傾斜電圧を走査電極SC1〜SCnに印加する。
【0026】
続く書込み期間Pwでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。
【0027】
次に、1行目の走査電極SC1に電圧Vaの走査パルスを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると書込みパルスを印加した放電セルでは書込み放電が発生し、走査電極SC1上および維持電極SU1上に、維持放電を発生させるための壁電圧が蓄積される。一方、書込みパルスを印加しなかった放電セルでは書込み放電は発生せず、走査電極SC1上および維持電極SU1上に壁電圧が蓄積されない。
【0028】
次に、2行目の走査電極SC2に走査パルスを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち2行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dkに書込みパルスを印加する。すると書込みパルスを印加した放電セルでは書込み放電が発生し、走査電極SC2上および維持電極SU2上に、維持放電を発生させるための壁電圧が蓄積される。
【0029】
以下同様に、走査電極SC3〜SCnに走査パルスを順次印加するとともに、発光させるべき放電セルのデータ電極Dkに書込みパルスを印加して、3行目〜n行目に発光させるべき放電セルで順次書込み放電を発生させる。
【0030】
続く維持期間Psでは、走査電極SC1〜SCnに電圧Vsの維持パルスを印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が発生する。そして走査電極SCi上の壁電圧および維持電極SUi上の壁電圧の極性が反転する。一方、書込み期間Pwにおいて書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間Piの終了時における壁電圧が保たれる。
【0031】
続いて、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに維持パルスを印加する。すると維持放電を発生した放電セルでは再び維持放電が起こり、走査電極SCi上の壁電圧および維持電極SUi上の壁電圧の極性が反転する。以下同様に輝度重みに応じた数の維持パルスを走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に印加し、書込み期間Pwにおいて書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させる。
【0032】
そして維持期間Psの最後には、各電極に所定の電圧を印加して、維持放電を発生した放電セルで微弱な消去放電を発生させ、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を弱める。本実施の形態においては、緩やかに上昇する上り傾斜電圧を走査電極SC1〜SCnに印加する。
【0033】
サブフィールドSF2の初期化期間Piでは、各電極に所定の電圧を印加して微弱な初期化放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。またデータ電極D1〜Dm上の壁電圧を書込み動作に適した値に調整する。本実施の形態においては、緩やかに下降する下り傾斜電圧を走査電極SC1〜SCnに印加する。
【0034】
サブフィールドSF2の書込み期間Pwの動作はサブフィールドSF1の書込み期間Pwの動作と同様であるため説明を省略する。続く維持期間Psの動作も、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF1の維持期間Psの動作と同様である。サブフィールドSF3〜SF8の動作も、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF2の動作と同様である。
【0035】
次に、座標検出サブフィールドの詳細について説明する。座標検出サブフィールドは、同期をとるための発光を発生する同期検出サブフィールドSFoと、画像表示面上のy座標を検出するためのy座標検出発光を発生するy座標検出サブフィールドSFyと、画像表示面上のx座標を検出するためのx座標検出発光を発生するx座標検出サブフィールドSFxとで構成する。同期検出サブフィールドSFoは電子ペン50と画像表示装置30との間で同期を取るためのサブフィールドである。y座標検出サブフィールドSFyは電子ペン50が指し示す表示画面上のy座標を検出するためのサブフィールドである。x座標検出サブフィールドSFxは電子ペン50が指し示す表示画面上のx座標を検出するためのサブフィールドである。
【0036】
なお本実施の形態においては、以下の説明のために、パネル10の画像表示面上の左上隅の座標を座標原点(0、0)と定義し、右方向がX座標の増加する方向、下方向がY座標の増加する方向と定義する。
【0037】
図5は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100のパネル10に印加する駆動電圧波形図であり、同期検出サブフィールドSFo、y座標検出サブフィールドSFy、x座標検出サブフィールドSFxにおいてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示している。
【0038】
同期検出サブフィールドSFoの初期化期間Piでは、各電極に所定の電圧を印加して微弱な初期化放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。またデータ電極D1〜Dm上の壁電圧を書込み動作に適した値に調整する。
【0039】
同期検出サブフィールドSFoの書込み期間Pwでは、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。その後、データ電極D1〜Dmに電圧Vdの書込みパルスを印加するとともに走査電極SC1〜SCnの複数本毎に電圧Vaの走査パルスを順次印加して、全ての放電セルで書込み放電を発生させる。
【0040】
同期検出サブフィールドSFoの同期検出期間Poでは、時刻to1において、走査電極SC1〜SCnに電圧Vsoの同期検出パルスを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加して、全ての放電セルで同期検出放電を発生させる。次に、時刻to1から時間To1経過後の時刻to2において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに同期検出パルスを印加して、再び同期検出放電を発生させる。次に、時刻to2から時間To2経過後の時刻to3において、走査電極SC1〜SCnに同期検出パルスを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加して、3回目の同期検出放電を発生させる。続いて時刻to3から時間To3経過後の時刻to4において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに同期検出パルスを印加して、4回目の同期検出放電を発生させる。本実施の形態において、時間To1、時間To2、時間To3は、例えばそれぞれ40μs、20μs、30μsである。
【0041】
そして同期検出期間Poの最後には、各電極に所定の電圧を印加して、維持放電を発生した放電セルで微弱な消去放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。
【0042】
y座標検出サブフィールドSFyの初期化期間Piでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに上り傾斜電圧を印加して微弱な初期化放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。またデータ電極D1〜Dm上の壁電圧をy座標検出放電に適した値に調整する。
【0043】
y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyでは、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。そして所定の時間(Ty0−δY・Ty1)の間、この状態を保つ。ここで時間Ty0はあらかじめ定められた一定の時間であり、本実施の形態においては700μsである。また詳細は後述するが、δYはウオブリング処理による画像のy軸方向(下方向)への変位量であり、時間Ty1はy座標検出パルスを印加する時間である。なおy軸方向の変位量δYは、正の値、負の値、または「0」である。
【0044】
次に、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加するとともに、1行目の走査電極SC1に電圧Vayのy座標検出パルスを印加する。すると1行目の放電セルで放電が発生する。こうして1行目の放電セルでy座標検出のための放電を同時に発生させて、1行目の画素行、すなわち1行目の放電セルで構成される1行目の放電セル行でy座標検出のための発光(y座標検出発光)が発生する。
【0045】
次に、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、2行目の走査電極SC2にy座標検出パルスを印加する。すると2行目の画素行、すなわち2行目の放電セル行でy座標検出発光が発生する。以下同様に、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま走査電極SC3〜SCnにy座標検出パルスを順次印加して、3行目〜n行目の放電セル行で順次、y座標検出発光を発生させる。ここでy座標検出パルスを印加する時間Ty1は、例えば1μsである。
【0046】
こうしてy座標検出期間Pyでは、1本の横線が、画像表示面の上端部から下端部まで移動するのが表示される。そのため後述するように、電子ペン50で放電セル行の発光を受光し、発光のタイミングを知ることで電子ペンが示している表示画面の位置のy座標を検出することができる。ただし本実施の形態においては、ウオブリング処理にともない、y座標検出発光の発光タイミングを時間(−δY・Ty1)だけ変更している。なお横線の移動する速度は非常に速いので、視覚的には表示画面全体が僅かに明るくなったようにしか見えない。
【0047】
y座標検出サブフィールドSFyの消去期間Peでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに上り傾斜電圧を印加して、各放電セルで微弱な消去放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。
【0048】
なお本実施の形態においては、ウオブリング処理に依存してy座標検出期間Pyが時間(δY・Ty1)だけ短くなるが、消去期間をその分長くしているので、y座標検出サブフィールドSFyの時間的な長さはウオブリング処理に依存することなく一定である。
【0049】
x座標検出サブフィールドSFxの初期化期間Piでは、各電極に所定の電圧を印加して微弱な初期化放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。またデータ電極D1〜Dm上の壁電圧をx座標検出放電に適した値に調整する。
【0050】
x座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。そして所定の時間(Tx0−δX・Tx1)の間、この状態を保つ。ここで時間Tx0はあらかじめ定められた一定の時間であり、本実施の形態においては700μsである。また詳細は後述するが、δXはウオブリング処理による画像のx軸方向(右方向)への変位量であり、時間Tx1はx座標検出パルスを印加する時間である。なおx軸方向の変位量δXは、正の値、負の値、または「0」である。
【0051】
次に、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加するとともに、1つの画素、すなわち赤のサブピクセル、緑のサブピクセル、青のサブピクセルに対応する1列目〜3列目のデータ電極D1〜D3に電圧Vdxのx座標検出パルスを印加する。すると1列目〜3列目の放電セルで放電が発生する。こうして、1列目〜3列目の放電セルでx座標検出のための放電を同時に発生させて、1列目の画素列、すなわち1列目の放電セルで構成される1列目の放電セル列、2列目の放電セルで構成される2列目の放電セル列、3列目の放電セルで構成される3列目の放電セル列でx座標検出のための発光(x座標検出発光)が発生する。
【0052】
次に、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、4列目〜6列目のデータ電極D4〜D6に電圧Vdxのx座標検出パルスを印加する。すると2列目の画素列、すなわち4列目〜6列目の放電セル列でx座標検出発光が発生する。
【0053】
以下同様に、データ電極3本ずつ、データ電極Dmに至るまでx座標検出パルスを順次印加して、放電セル列3列ずつ、m列目の放電セル列に至るまで順次、x座標検出発光を発生させる。ここでx座標検出パルスを印加する時間Tx1は、例えば1μsである。
【0054】
こうしてx座標検出期間Pxでは、1本の縦線が、画像表示面の左端部から右端部まで移動するのが表示される。そのため後述するように、電子ペン50で放電セル列の発光を受光し、発光のタイミングを知ることで電子ペン50が示している表示画面の位置のx座標を検出することができる。ただし本実施の形態においては、ウオブリング処理にともない、x座標検出発光の発光タイミングを時間(−δX・Tx1)だけ変更している。なお縦線の移動する速度は非常に速いので、視覚的には表示画面全体が僅かに明るくなったようにしか見えない。
【0055】
x座標検出サブフィールドSFxの消去期間Peでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに上り傾斜電圧を印加して、各放電セルで微弱な消去放電を発生させ、走査電極SC1〜SCn上および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧を弱める。
【0056】
以上により、座標検出期間が終了する。なお本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Va=電圧Vay=電圧Vax=−200(V)、電圧Vc=−50(V)、電圧Vs=電圧Vso=205(V)、電圧Ve=155(V)、電圧Vd=電圧Vdy=電圧Vdx=55(V)である。ただしこれらの電圧値は一例を挙げたに過ぎず、パネル10の特性や画像表示装置30の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【0057】
次に画像表示装置30の駆動回路について説明する。
図1に示したように、画像表示装置30の駆動回路は、画像信号処理部31と、データ電極駆動部32と、走査電極駆動部33と、維持電極駆動部34と、制御部35と、ウオブリング部36と、各回路ブロックに必要な電源を供給する電源部(図示せず)とを備えている。
【0058】
ウオブリング部36は、描画装置40から入力した画像信号sig1にウオブリング処理を施し、画像信号sig2として出力する。
【0059】
図6A、
図6Bは、本発明の実施の形態1における画像表示システム100のウオブリング部36の動作を説明する模式図である。
図6Aには画像の一例として、文字列「ABC」を示している。このような文字列を長時間連続して表示し続けると、焼き付きを発生することがある。そのためウオブリング部36は、入力した画像信号sig1の画像表示位置を非常にゆっくりした速度で移動して、画像信号sig2として出力する。
図6Bには、画像信号sig1の画像をX方向(右方向)へ座標δXだけ移動し、Y方向(下方向)へ座標δYだけ移動した画像信号sig2の例を示している。例えば
図6Aに示す文字「C」の書き終りの座標を座標(X、Y)とすると、ウオブリング処理後の画像信号sig2の文字「C」の書き終りの座標は、
図6Bに示したように、座標(X+δX、Y+δY)である。ここで座標δXおよび座標δYは時間とともに非常にゆっくりした速度で変化する時間の関数である。こうして本実施の形態においては、画像表示サブフィールドにおいて、時間に依存して設定される所定の変位量(δX、δY)だけ画像の表示位置を移動させることにより、焼き付きを防止している。
【0060】
またウオブリング部36は、画像の変位量(δX、δY)を制御部35に出力する。
【0061】
画像信号処理部31は、ウオブリング部36から出力される画像信号sig2をサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。
【0062】
データ電極駆動部32は、画像表示サブフィールドにおいては
図4に示したように、画像データをデータ電極D1〜Dmのそれぞれに対応する書込みパルスに変換し、データ電極D1〜Dmのそれぞれに印加する。また座標検出サブフィールドにおいては
図5に示した駆動電圧波形をデータ電極D1〜Dmのそれぞれに印加する。
【0063】
走査電極駆動部33は、
図4および
図5に示した駆動電圧波形を走査電極SC1〜SCnのそれぞれに印加し、維持電極駆動部34は、
図4および
図5に示した駆動電圧波形を維持電極SU1〜SUnのそれぞれに印加する。
【0064】
制御部35は、
図4および
図5に示した駆動電圧波形を駆動回路の各回路ブロックで発生させるための各種の制御信号を発生して、それぞれの回路ブロックへ供給する。特に座標検出サブフィールドにおいて、ウオブリング部36から出力される変位量(δX、δY)に基づき、y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyの所定の時間(Ty0−δY・Ty1)を設定し、x座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxの所定の時間(Tx0−δX・Tx1)を設定する。
【0065】
次に、電子ペン50について説明する。電子ペン50はパネル10の画像表示面上から文字や絵などを入力するためのものであり、パネル10の発光を受光して、指し示す画像表示面上のy座標およびx座標を出力する。電子ペン50は、描画スイッチ51と、受光素子52と、同期検出部53と、座標算出部54と、送信部55とを備えている。
【0066】
描画スイッチ51は電子ペン50の先端部付近に取付けられ、電子ペン50がパネル10の画像表示面に接触しているとオンになり、画像表示面から離れるとオフになる。
【0067】
受光素子52は、電子ペン50の先端部に取付けられ、パネル10の発光を受光して同期検出部53、座標算出部54のそれぞれに受光信号を出力する。
【0068】
同期検出部53は、受光信号の中から、あらかじめ定められた所定の間隔で連続する複数の発光を検出し、画像表示装置30の駆動に同期した座標基準信号を作成し、座標算出部54に出力する。
【0069】
図7は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の位置座標検出方法を説明するタイミングチャートであり、受光信号および座標基準信号を示している。本実施の形態において、電子ペン50は、発光の間隔が順に時間To1、時間To2、時間To3となる4個の連続する発光を受光信号の中から探す。そして電子ペン50は、4個の連続する発光を検出すると、その発光の1つ、例えば時刻to1に発生した発光を基準とし、あらかじめ決められている時間Toyおよび時間Toxに基づいて、y座標検出期間Pyの開始時刻ty0とx座標検出期間Pxの開始時刻tx0とに立上りを有する座標基準信号を作成し、座標算出部54に出力する。
【0070】
なお、電子ペン50には、ウオブリング処理にともなう画像の変位量(δX、δY)は通知されない。
【0071】
座標算出部54は、時間の長さを計測するためのカウンタと、カウンタの出力に演算を施す演算回路とを備える。そして電子ペン50が指し示す画像表示面のx座標およびy座標を、座標基準信号および受光信号にもとづき算出する。
【0072】
図8は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の位置座標検出方法を説明する模式図である。上述したように、y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyでは、画像表示面の上端部から下端部まで移動する横線Lyが表示される。そして電子ペン50が指し示す画像表示面の座標を横線Lyが通過する時刻tyyにおいて、電子ペン50の受光素子は横線Lyの発光を受光する。そのため、受光素子は、
図7に示したように時刻tyyで受光を示す受光信号を出力する。
【0073】
またx座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxでは、画像表示面の左端部から右端部まで移動する縦線Lxが表示される。そして電子ペン50が指し示す画像表示面の座標を縦線Lxが通過する時刻txxにおいて、電子ペン50の受光素子は縦線Lxの発光を受光する。そのため、受光素子は、時刻txxで受光を示す受光信号を出力する。
【0074】
座標算出部54は、y座標検出サブフィールドSFyにおいて座標基準信号と受光信号とにもとづき、時刻ty0から時刻tyyまでの時間Tyyを測定する。次に時間Tyyから時間Ty0を減ずる。そして時間(Tyy−Ty0)を時間Ty1で除算してy座標Yを求める。すなわち、
y座標:(Tyy−Ty0)/Ty1
である。
【0075】
またx座標検出サブフィールドSFxにおいて座標基準信号と受光信号とにもとづき、時刻tx0から時刻txxまでの時間Txxを測定する。次に時間Txxから時間Tx0を減ずる。そして時間(Txx−Tx0)を時間Tx1で除算してx座標Xを求める。すなわち、
x座標:(Txx−Tx0)/Tx1
である。
【0076】
こうして算出される座標により、後述するように、ウオブリング処理を行う場合であっても電子ペンの指し示す位置と描画位置とを一致させることができる。
【0077】
送信部55は、座標算出部54が算出した座標をエンコードして描画装置40に無線で送信する。
【0078】
次に描画装置40について説明する。描画装置40は、電子ペン50が指し示す画像表示面の座標に基づき画像信号を作成する。この画像信号は、使用者が描画した画像を表示するためのものである。描画装置40は、受信部41と、描画部42と、信号切換部43とを備える。
【0079】
受信部41は、電子ペン50の送信部55から送られる無線信号をデコードして、座標に変換して描画部42に出力する。
【0080】
描画部42はフレームメモリを備え、電子ペン50の座標算出部54が算出した座標にもとづき、画像表示面上の電子ペン50の軌跡を示す描画信号を作成し、画像表示装置30に出力する。
【0081】
図9は、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の描画の一例を示す模式図である。描画部42は、座標算出部54が算出した座標に対応する画素を中心に、所定の色および大きさの丸などのパターンをフレームメモリに書込む。使用者が電子ペン50を画像表示装置30の画像表示面に接触させたまま移動させると、座標算出部54が算出する座標も移動する。そして描画部42は移動する座標を中心に所定のパターンをフレームメモリに順次書き込む。こうして描画部42は、
図9に示したように、画像表示面上の電子ペン50の軌跡を示す描画信号を作成する。
【0082】
信号切換部43は、プレゼンテーション用の画像等を入力するための画像信号入力端子を有し、入力した画像信号と描画部42から出力される描画信号とを切換えて、あるいは合成して、画像表示装置30に出力する。これにより、電子ペン50で書いた画像と入力した画像信号の画像とが切換えられて、あるいは重畳されて表示される。
【0083】
次に画像表示システム100の動作について説明する。
図10A〜
図10Cは、本発明の実施の形態1における画像表示システム100の動作を説明するための模式図である。
【0084】
ここで
図10Aは、描画部42のフレームメモリに書込まれた描画信号を、ウオブリング処理を行わずに画像表示装置30で表示した場合の画像を示している。なお文字「C」の書き終りの座標を座標(X、Y)とする。
【0085】
実際には、画像表示装置30でウオブリング処理を行うので、文字列「ABC」は、
図10Bに示す位置に表示されることになる。このとき、文字「C」の書き終りは、座標(X+δX、Y+δY)の位置に表示される。
【0086】
使用者は文字列「ABC」の最後の文字「C」の書き終りの点に電子ペン50を接触させたとする。ここで仮に、y座標検出期間Pyにおいて、移動する横線Lyの表示のタイミングを変更しなかったと仮定すると、電子ペン50はy座標(Y+δY)を出力する。また仮に、x座標検出期間Pxにおいて、移動する縦線Lxの表示のタイミングを変更しなかったと仮定すると、電子ペン50はx座標(X+δX)を出力する。すると描画装置40の描画部42は、座標算出部54が算出した座標(X+δX、Y+δY)に対応する画素を中心に、所定の色および大きさの丸などのパターンをフレームメモリに書込む。そしてウオブリング部36は座標(X+δX、Y+δY)のパターンにウオブリング処理を施して、電子ペン50が指し示す画像表示面の座標を座標(X+2δX、Y+2δY)に表示することになる(
図10Cに「K1」で示した位置)。
【0087】
しかしながら本実施の形態においては、y座標検出期間Pyにおいて、移動する横線の表示を時間(−δY・Ty1)だけ変更するので、電子ペン50は、ウオブリング処理による変位量δYを補正したy座標(Y)を出力する。またx座標検出期間Pxにおいて、移動する縦線の表示を時間(−δX・Tx1)だけ変更するので、電子ペン50は、ウオブリング処理による変位量δXを補正したx座標(X)を出力する。
【0088】
すると描画装置40の描画部42は、座標算出部54が算出した座標(X、Y)に対応する画素を中心に、所定の色および大きさの丸などのパターンをフレームメモリに書込む。そしてウオブリング部36は座標(X、Y)のパターンにウオブリング処理を施して、電子ペン50が指し示す画像表示面の座標を座標(X+δX、Y+δY)に表示することになる(
図10Cに「K0」で示した位置)。
【0089】
このように本実施の形態においては、画像表示装置30でウオブリング処理を行う場合であっても、y座標検出発光およびx座標検出発光の発光タイミングを、変位量に相当する時間(−δY・Ty1)、(−δX・Tx1)だけ変更することにより、画像の変位量(δX、δY)を電子ペン50および描画装置40に通知することなく、電子ペン50の指し示す位置と描画位置とを一致させることができる。
【0090】
なお本実施の形態においては、各サブフィールドの時間的な長さ、特にy座標検出サブフィールドSFyの長さが、ウオブリング処理の画像の変位量に依存しないと仮定した。しかしy座標検出サブフィールドSFyの長さがウオブリング処理に応じて時間(−δY・Ty0)だけ変化する場合には、続くx座標検出サブフィールドSFxにおいて時間(δY・Ty0)の補正を施せばよい。以下にこのような駆動波形の一例を、実施の形態2として説明する。
【0091】
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2における画像表示システム100のパネル10に印加する駆動電圧波形図であり、同期検出サブフィールドSFo、y座標検出サブフィールドSFy、x座標検出サブフィールドSFxにおいてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示している。また
図11には、各サブフィールドの初期化期間Piおよび消去期間Peにおいて各電極に印加する駆動電圧波形の他の例を示している。
【0092】
同期検出サブフィールドSFoの初期化期間Piでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi1から電圧Vi2まで上昇する上り傾斜電圧を印加する。このとき
図11に示したように、データ電極D1〜Dmを電圧0(V)にした後でハイインピーダンス状態としてもよい。次にデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。このとき
図11に示したように、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加した後にハイインピーダンス状態に設定してもよい。
【0093】
すると全ての放電セルで微弱な初期化放電が発生して、走査電極SC1〜SCn上の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。
【0094】
続く同期検出サブフィールドSFoの書込み期間Pwおよび同期検出期間Poは、実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。なお、同期検出期間Poの最後に、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vrまで上昇する上り傾斜電圧を印加して全ての放電セルで微弱な消去放電を発生させる。
【0095】
y座標検出サブフィールドSFyの初期化期間Piでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。次にデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vsを印加する。次に維持電極SU1〜SUnに電圧Vsを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加する。次に維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。なおこのときも
図11に示したように、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加した後にハイインピーダンス状態に設定してもよい。
【0096】
すると全ての放電セルで微弱な初期化放電が発生し、走査電極SC1〜SCn上の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dmの壁電圧がy座標検出のための放電に適した値に調整される。
【0097】
y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyでは、実施の形態1と同様に、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。そして所定の時間(Ty0−δY・Ty1)の間、この状態を保つ。そしてその後は、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま走査電極SC1〜SCnにy座標検出パルスを順次印加して、1行目〜n行目の放電セル行を順次発光させる。
【0098】
y座標検出サブフィールドSFyの消去期間Peでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vrまで上昇する上り傾斜電圧を印加して、全ての放電セルで微弱な消去放電を発生させる。
【0099】
なお実施の形態2においては、消去期間の時間的な長さが一定であるとする。そのため、ウオブリング処理に依存してy座標検出サブフィールドSFyの時間的な長さも時間(−δY・Ty1)だけ変化する。
【0100】
x座標検出サブフィールドSFxの初期化期間Piでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi1から電圧Vi2まで上昇する上り傾斜電圧を印加する。このとき
図4に示したように、データ電極D1〜Dmを電圧0(V)にした後でハイインピーダンス状態としてもよい。次にデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vaまで下降する下り傾斜電圧を印加する。すると全ての放電セルで微弱な初期化放電が発生して、走査電極SC1〜SCn上の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の壁電圧はx座標検出のための放電に適した値に調整される。
【0101】
x座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加する。そして所定の時間(Tx00+δY・Ty1−δX・Tx1)の間、この状態を保つ。そしてその後、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi1から電圧Vi2まで上昇する上り傾斜電圧を印加し、さらに走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vaxまで下降する下り傾斜電圧を印加する。この間の時間を時間Tx01とし、時間(Tx00+Tx01)を改めて時間Tx0とおく。
【0102】
そしてその後は、データ電極3本ずつ、データ電極Dmに至るまでx座標検出パルスを順次印加して、放電セル列3列ずつ、m列目の放電セル列に至るまで順次発光させる。
【0103】
x座標検出サブフィールドSFxの消去期間Peでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi2まで上昇する上り傾斜電圧を印加する。このとき
図4に示したように、データ電極D1〜Dmを電圧0(V)にした後でハイインピーダンス状態としてもよい。その後、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。こうして、全ての放電セルで微弱な消去放電を発生させる。
【0104】
このように駆動した場合であっても、座標算出部54は座標(X、Y)を算出することができるので、画像表示装置30でウオブリング処理を行う場合であっても、画像の変位量(δX、δY)を電子ペン50および描画装置40に通知することなく、電子ペン50の指し示す位置と描画位置とを一致させることができる。
【0105】
なお本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Vi1=150(V)、電圧Vi2=350(V)、電圧Vi4=−175(V)、電圧Va=電圧Vay=電圧Vax=−200(V)、電圧Vc=−50(V)、電圧Vs=電圧Vso=205(V)、電圧Vr=205(V)、電圧Ve=155(V)、電圧Vd=電圧Vdy=電圧Vdx=55(V)である。
【0106】
ただしこれらの電圧値は一例であり、さらに
図11に記載したパネルの各電極に印加する駆動電圧波形も一例である。これら駆動電圧波形や電圧値は、パネル10の特性や画像表示装置30の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【0107】
なお実施の形態1および実施の形態2においては、y座標検出期間Pyに1行分の放電セル行を順次発光させて、表示画面の上端部から下端部まで走査する横線を示した。しかし本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2行分ずつ放電セル行を順次発光させて走査する横線を表示してもよく、また1行おきに放電セル行を発光させて走査する横線を表示してもよい。同様に、x座標検出期間Pxにおいても、3列分の放電セル列を順次発光させて走査する横線を示したが、任意の複数列ずつ放電セル列を順次発光させてもよく、また複数列おきに放電セル列を発光させてもよい。これによりy座標検出サブフィールドSFy、x座標検出サブフィールドSFxに要する時間を短縮することができる。
【0108】
なお、実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、電子ペンの仕様や画像表示装置の特性等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。