【実施例】
【0055】
以下に、本発明の実施例に係る光拡散体の物性について詳述する。
【0056】
まず、本発明の実施例に係る光拡散体の製造に用いた樹脂粒子及び硫酸バリウムの体積平均粒子径の測定方法、前記樹脂粒子及び硫酸バリウムの粒子径の変動係数(CV値)の算出方法、硫酸バリウムの比表面積の測定方法、樹脂粒子の屈折率の測定方法、並びに促進曝露後の色差の測定方法について説明する。
【0057】
〔樹脂粒子の体積平均粒子径の測定方法〕
樹脂粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizer
TM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
【0058】
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が90μmより大きく150μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択するなど、適宜行う。測定後の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行う。
【0059】
又、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μmおよび400μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−3200、Gain(ゲイン)は1と設定する。
【0060】
測定用試料としては、樹脂粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10ml中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。コールターマルチサイザーIIIの測定部に、ISOTON(登録商標)II(ベックマン・コールター株式会社製:測定用電解液)を満たしたビーカーをセットし、ビーカー内を緩く攪拌しながら、前記分散液を滴下して、コールターマルチサイザーIII本体画面の濃度計の示度を5〜10%に合わせた後に、測定を開始する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。樹脂粒子の体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均径である。
【0061】
〔硫酸バリウムの体積平均粒子径の測定方法〕
硫酸バリウムの体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「LS 13 320型」)で測定する。具体的には、硫酸バリウム0.1g、1重量%ピロリン酸ナトリウム水溶液10mlを試験管に投入し、タッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)で2秒間混合する。この後、試験管中の硫酸バリウムを市販の超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて10分間分散させて、分散液を得る。分散液に超音波を照射しながら、分散液中の硫酸バリウムの体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)を、上記のレーザー回折散乱粒度分布測定装置で測定する。その測定のときの光学モデルは、測定する硫酸バリウムの屈折率(1.64)にあわせる。
【0062】
〔樹脂粒子及び硫酸バリウムのCV値の算出方法〕
樹脂粒子及び硫酸バリウムの各々のCV値を、前述の体積基準の粒度分布の測定を行った際の標準偏差(σ)および体積平均粒子径(x)から、以下の式により算出する。
【0063】
CV値(%)=(σ/x)×100
【0064】
〔硫酸バリウムの比表面積の測定方法〕
硫酸バリウムの比表面積は、JIS R1626記載のBET法(窒素吸着法)により測定する。測定対象となる硫酸バリウムについて、株式会社島津製作所社製の自動比表面積/細孔分布測定装置Tristar3000を用いてBET窒素吸着等温線を測定し、窒素吸着量からBET多点法を用いて比表面積を算出する。なお、窒素吸着等温線の測定は、吸着質として窒素を用い、吸着質断面積0.162nm
2の条件下で定容法を用いて行った。
【0065】
〔樹脂粒子の屈折率の測定方法〕
樹脂粒子の屈折率測定はベッケ法により行った。このベッケ法による屈折率測定においては、スライドガラス上に樹脂粒子を載せ、屈折液(CARGILLE社製:カーギル標準屈折液、屈折率1.538〜1.562の屈折液を、屈折率差0.002刻みで複数準備)を滴下する。そして、樹脂粒子と屈折液をよく混ぜた後、下から、岩崎電気株式会社製の高圧ナトリウムランプ(型番「NX35」、中心波長589nm)の光を照射しながら、上部から光学顕微鏡により粒子の輪郭を観察した。そして、輪郭が見えない場合を、屈折液と樹脂粒子の屈折率が等しいと判断した。
【0066】
なお、光学顕微鏡による観察は、樹脂粒子の輪郭が確認できる倍率での観察であれば特に問題ないが、粒子径5μmの粒子であれば、500倍程度の倍率で観察することが適当である。上記操作により、樹脂粒子と屈折液の屈折率が近いほど樹脂粒子の輪郭が見えにくくなることから、樹脂粒子の輪郭が最も判りにくい屈折液の屈折率をその樹脂粒子の屈折率と等しいと判断した。
【0067】
また、屈折率差が0.002の2種類の屈折液の間で樹脂粒子の見え方に違いがない場合は、これら2種類の屈折液の屈折率の中間値を当該樹脂粒子の屈折率と判定した。例えば、屈折率1.554と1.556の屈折液それぞれで試験をしたときに、両屈折液で樹脂粒子の見え方に違いがない場合は、これら屈折液の屈折率の中間値1.555を樹脂粒子の屈折率と判定した。
【0068】
次に、本発明の実施例に係る光拡散体の全光線透過率及び分散度の測定方法について説明する。なお、全光線透過率及び分散度の測定では、後述する実施例及び比較例で得た厚さ2mm、50mm×100mmの板状の光拡散体(光拡散板)を測定対象とする。
【0069】
〔光拡散体の全光線透過率の測定方法〕
光拡散体の全光線透過率はJIS K 7361に従って測定する。具体的には、全光線透過率を、日本電色工業株式会社製の「NDH−4000」を使用して測定する。測定サンプル数n=10として、これら10個の測定サンプルの全光線透過率(%)の平均値を算出し、この平均値を光拡散体の全光線透過率(%)とする。
【0070】
〔光拡散体の分散度の測定方法〕
光拡散体の分散度(D50)は、自動変角光度計(村上色彩技術研究所製ゴニオフォトメータGP−200)を用いて以下の手順で求める。
【0071】
自動変角光度計の光源からの直進光線を、光源から75cmの距離に設置した光拡散体の法線方向から当てる。可動式受光器にて光拡散体を透過した光の強度を測定する。この強度を透過率に換算し、法線方向からの角度に対応させて透過率をグラフにプロットする。このグラフから、法線方向の光の透過率(直進光透過率)の50%の透過率になるところの角度を求める。この角度を分散度(D50)と称する。この分散度(D50)の単位は「°(度)」である。また、分散度(D50)は大きいほど拡散性に優れていることを意味する。
【0072】
次に、本発明の実施例に係る光拡散体の促進曝露後の色差の測定方法について説明する。なお、促進暴露後の色差の測定では、後述する実施例及び比較例で得た厚さ2mm、50mm×100mmの板状の光拡散体(光拡散板)を試験片とする。
【0073】
〔促進曝露後の色差の測定方法〕
まず、試験片のハンター値(E
0)を下記に示す色の測定方法により測定する。次いで、以下に示す促進曝露試験を行い、促進曝露試験後の試験片のハンター値(E
1)を下記に示す色の測定方法により測定した。そして、促進曝露試験前の試験片のハンター値(E
0)と、促進曝露試験後の試験片のハンター値(E
1)との差(E
1−E
0)を、促進曝露後の色差(ハンターΔE値)とした。
【0074】
−促進曝露試験−
光拡散体の促進暴露試験は、JIS K7350-2(プラスチック−実験室光源による曝露試験方法−第2部:キセノンアークランプ)に準拠して行った。具体的には、試験片を、下記試験条件下で、キセノンアークランプで200時間曝露した。
【0075】
<試験条件>
照射装置:スーパーキセノンウェザーメーターSX75型(スガ試験器株式会社製)
照射条件:ブラックパネル温度(63℃)、暗転無し、スプレー(噴霧)無し、アウターフィルター#275
波長域:300〜400nm
放射照度:180W/m
2
試験片:厚さ2mm、50mm×100mm
試験槽:温度(28〜32℃)、湿度(45〜55%)
−色の測定方法−
色の測定は、JIS Z8722(色の測定方法−反射及び透過物体色)に準拠して行った。具体的には、下記の測定条件下で、試験片の色を基準押え専用白板の上に載せて測定し、ハンター値を求めた。
【0076】
<測定条件>
測定装置:分光式色彩計 SE−2000(日本電色工業株式会社製)
色彩管理ソフト カラーメイト5(日本電色工業株式会社製)
標準板の三刺激値(C/2):Y=96.09、X=94.13、Z=113.36
基準押え専用白板:Y=76.5、X=75.4、Z=84.6
測定方法:反射法
光源:C/2°視野条件測定
【0077】
次いで、本発明の実施例1〜6の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(A)及び樹脂粒子(B)の製造方法について、説明する。
【0078】
〔樹脂粒子(A)の製造方法〕
容積5Lのステンレスビーカーに、純水3000g、ラウリル硫酸ナトリウム1.5g(500ppm)、ピロ燐酸マグネシウム90gを投入し、水相を調製した。
【0079】
水相の調製に使用したステンレスビーカーとは別のステンレスビーカーに、(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチル400gと、スチレン系単官能単量体としてのスチレン500gと、多官能単量体としてのジビニルベンゼン(DVB)100gと、連鎖移動剤としてのn−ドデシルメルカプタン3gと、重合開始剤としての2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7gと、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4gとを投入し、十分に攪拌して油相を調製した。
【0080】
調製した油相を、先に調製した水相に加え、プライミクス株式会社製TKホモミキサーを用いて8000rpmで、15分攪拌し、懸濁液を得た。次いで、得られた懸濁液を、攪拌機および温度計を備えた容量5Lの反応器に移し、その後、60℃で5時間単量体(モノマー)を重合させてから、110℃で2時間加熱した後、30℃まで冷却し、樹脂粒子スラリーを得た。次に、樹脂粒子スラリーに、スラリーのpHが2以下になるまで塩酸を加えた。次に、塩酸が加えられた樹脂粒子スラリーを、遠心脱水機を用いて、洗浄水のpHが6〜7になるまで洗浄し、その後脱水した。これにより得られた脱水ケーキを、真空乾燥機を用いてジャケット温度60℃で20時間真空乾燥した。次に400メッシュの篩いを通過させ、樹脂粒子(A)を得た。
【0081】
この樹脂粒子(A)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.4μmであった。また、樹脂粒子(A)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、37.9%であった。また、この樹脂粒子(A)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.555であった。
【0082】
〔樹脂粒子(B)の製造方法〕
メタクリル酸メチルの使用量を550gとし、スチレンの使用量を350gとした以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(B)を得た。この樹脂粒子Bの体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、樹脂粒子(B)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、33.9%であった。また、この樹脂粒子(B)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.540であった。
【0083】
次いで、後述する比較例1の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(C)、及び比較例9の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(D)の製造について、説明する。
【0084】
〔樹脂粒子(C)の製造方法〕
メタクリル酸メチルを使用せず、スチレンの使用量を900gとした以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(C)を得た。この樹脂粒子(C)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.6μmであった。また、樹脂粒子(C)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、38.2%であった。また、この樹脂粒子(C)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.592であった。
【0085】
〔樹脂粒子(D)の製造方法〕
容積5Lのステンレスビーカーに、純水3000g、ラウリル硫酸ナトリウム1.5g(500ppm)、ピロ燐酸マグネシウム90gを投入し、水相を調製した。
【0086】
水相の調製に使用したステンレスビーカーとは別のステンレスビーカーに、(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチル950gと、多官能単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)50gと、連鎖移動剤としてのn−ドデシルメルカプタン3gと、重合開始剤としての2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7gと、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4gとを投入し、十分に攪拌して油相を調製した。
【0087】
調製した油相を、先に調製した水相に加え、プライミクス株式会社製TKホモミキサーを用いて8000rpmで、15分攪拌し、懸濁液を得た。次いで、得られた懸濁液を、攪拌機および温度計を備えた容量5Lの反応器に移し、その後、50℃で5時間単量体(モノマー)を重合させてから、105℃で2時間加熱した後、30℃まで冷却し、樹脂粒子スラリーを得た。次に、樹脂粒子スラリーに、スラリーのpHが2以下になるまで塩酸を加えた。次に、塩酸が加えられた樹脂粒子スラリーを、遠心脱水機を用いて、洗浄水のpHが6〜7になるまで洗浄し、その後脱水した。これにより得られた脱水ケーキを、真空乾燥機を用いてジャケット温度60℃で20時間真空乾燥した。次に400メッシュの篩いを通過させ、樹脂粒子(D)を得た。この樹脂粒子(D)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.2μmであった。また、樹脂粒子(D)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、34.2%であった。また、この樹脂粒子(D)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.496であった。
【0088】
次いで、本発明の実施例7〜11の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(E)〜(H)の製造方法について、説明する。
【0089】
〔樹脂粒子(E)の製造方法〕
(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を350gとし、スチレン系単官能単量体としてのスチレンの使用量を600gとし、さらに、多官能単量体として、ジビニルベンゼン(DVB)100gに代えて、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)50gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(E)を得た。
【0090】
この樹脂粒子(E)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.5μmであった。また、樹脂粒子(E)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、37.0%であった。また、この樹脂粒子(E)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.554であった。
【0091】
〔樹脂粒子(F)の製造方法〕
(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を350gとし、スチレン系単官能単量体としてのスチレンの使用量を600gとし、さらに、多官能単量体として、ジビニルベンゼン(DVB)100gに代えて、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP)50gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(F)を得た。
【0092】
この樹脂粒子(F)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.4μmであった。また、樹脂粒子(F)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、36.5%であった。また、この樹脂粒子(F)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.553であった。
【0093】
〔樹脂粒子(G)の製造方法〕
(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を350gとし、スチレン系単官能単量体としてのスチレンの使用量を600gとし、さらに、多官能単量体として、ジビニルベンゼン(DVB)100gに代えて、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(1,6HX)50gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(G)を得た。
【0094】
この樹脂粒子(G)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.3μmであった。また、樹脂粒子(G)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、38.9%であった。また、この樹脂粒子(G)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.553であった。
【0095】
〔樹脂粒子(H)の製造方法〕
(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を350gとし、スチレン系単官能単量体としてのスチレンの使用量を600gとし、さらに、多官能単量体として、ジビニルベンゼン(DVB)100gに代えて、アリルメタクリレート(AMA)50gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(A)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(H)を得た。
【0096】
この樹脂粒子(H)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、樹脂粒子(H)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、39.4%であった。また、この樹脂粒子(H)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.554であった。
【0097】
次いで、本発明の実施例12〜16の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(I)及び(J)の製造方法について、説明する。
【0098】
〔樹脂粒子(I)の製造方法〕
油相の調製において、(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を250gとし、多官能単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を50gとし、さらに、スチレン系単官能単量体としてのスチレン700gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(D)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(I)を得た。
【0099】
この樹脂粒子(I)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.5μmであった。また、樹脂粒子(I)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、35.1%であった。また、この樹脂粒子(I)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.564であった。
【0100】
〔樹脂粒子(J)の製造方法〕
油相の調製において、(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を150gとし、多官能単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を50gとし、さらに、スチレン系単官能単量体としてのスチレン800gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(D)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(J)を得た。
【0101】
この樹脂粒子(J)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.3μmであった。また、樹脂粒子(J)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、35.6%であった。また、この樹脂粒子(J)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.574であった。
【0102】
次いで、本発明の比較例10の光拡散体の製造に用いた樹脂粒子(K)の製造方法について、説明する。
【0103】
〔樹脂粒子(K)の製造方法〕
油相の調製において、(メタ)アクリル系単官能単量体としてのメタクリル酸メチルの使用量を50gとし、多官能単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を50gとし、さらに、スチレン系単官能単量体としてのスチレン900gを使用したこと以外は、上記した樹脂粒子(D)の製造方法と同様にして、樹脂粒子(K)を得た。
【0104】
この樹脂粒子(K)の体積平均粒子径は、上記測定方法により測定したところ、5.6μmであった。また、樹脂粒子(K)のCV値は、上記算出方法により算出したところ、34.7%であった。また、この樹脂粒子(K)の屈折率は、上記した測定方法により測定したところ1.584であった。
【0105】
以下に、本発明の実施例1〜16及び比較例1〜12に係る光拡散体を示す。
【0106】
〔実施例1〕
基材樹脂としてのアクリル系樹脂(住友化学株式会社製、商品名「スミペックス(登録商標)EX」)100重量部と、ゴム成分としてのアクリルゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレン(登録商標)W−300A」)2.5重量部と、上記製造方法により得られた屈折率1.555の樹脂粒子(A)2.0重量部と、上記測定方法により測定される体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)とを、ヘンシェルミキサーで15分間混合し、混合物を得た。この混合物を単軸型押出機(株式会社ホシプラスチック製の「R50」)を用いて温度210〜260℃、吐出量10〜25kg/hの条件で押出し、水冷後、ペレタイザーでカットして、ペレット状の光拡散性樹脂組成物を得た。次いで、得られたペレット状の光拡散性樹脂組成物を105℃で、5時間予備乾燥し、水分を十分に除去した後、Tダイ押出成形機(株式会社創研製、口径30mm、L/D=38、Tダイ幅250mm、リップ2mm)を用いて温度220〜260℃で板状に押出成形し、厚み2mmの光拡散板(光拡散体)を得た。この様にして得た光拡散板を幅50mm、長さ100mmにカットし、光学特性の評価(全光線透過率及び分散度の測定)及び耐光性の評価(促進曝露試験後の色差の測定)を行った。
【0107】
図1は、実施例1で得た光拡散板(光拡散体)の透過光強度を、自動変角光度計を用いて測定した結果である。縦軸は透過光強度の相対値で、この値が50%時のグラフのプロット点から垂線を引き、横軸との交点を求める。この横軸の値は角度(°)であり、分散度(D50)と呼ぶ。この
図1に示す測定結果では、分散度(D50)は57.3°となる。なお、分散度(D50)は、横軸の原点0°の左右2つの値(透過光強度が50%のときの角度の値)の絶対値の相加平均とする。
【0108】
〔実施例2〕
基材樹脂100重量部に対し、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0109】
〔実施例3〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を1.5重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1.33重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0110】
〔実施例4〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を2.5重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)1.5重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.6重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0111】
〔実施例5〕
基材樹脂100重量部に対し、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)を配合し、ゴム成分としてのアクリルゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレン(登録商標)W−300A」)を配合しない以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0112】
〔実施例6〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.540の樹脂粒子(B)2.5重量部を配合した以外は、実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0113】
〔実施例7〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.554の樹脂粒子(E)2.0重量部を配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0114】
〔実施例8〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.553の樹脂粒子(F)2.0重量部を配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0115】
〔実施例9〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.553の樹脂粒子(G)2.0重量部を配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0116】
〔実施例10〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.554の樹脂粒子(H)2.0重量部を配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0117】
〔実施例11〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.554の樹脂粒子(E)5.0重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.2重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.24重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0118】
〔実施例12〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.564の樹脂粒子(I)2.5重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.5重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.60重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0119】
〔実施例13〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.564の樹脂粒子(I)3.0重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.2重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.40重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0120】
〔実施例14〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.564の樹脂粒子(I)5.0重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.20重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0121】
〔実施例15〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.574の樹脂粒子(J)1.2重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.4重量部(樹脂粒子1重量部に対して1.17重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0122】
〔実施例16〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.574の樹脂粒子(J)1.6重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.2重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.75重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0123】
〔比較例1〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.592の樹脂粒子(C)2.0重量部を配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0124】
〔比較例2〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を0.7重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.2重量部(樹脂粒子1重量部に対して3.14重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0125】
〔比較例3〕
基材樹脂100重量部に対して、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.34μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B30」、CV値89.4%、比表面積13.84g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0126】
〔比較例4〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を1重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)4重量部(樹脂粒子1重量部に対して4重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0127】
〔比較例5〕
基材樹脂100重量部に対して、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)を配合しない以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0128】
〔比較例6〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を3重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)を配合しない以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0129】
〔比較例7〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)を5重量部配合し、さらに、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)を配合しない以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0130】
〔比較例8〕
基材樹脂100重量部に対して、体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.75μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B−1」、CV値49.4%、比表面積2.2g/m
2)2.0重量部を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0131】
〔比較例9〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.496の樹脂粒子(D)を2.0重量部配合し、更に体積平均粒子径が0.50μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「B55」、CV値65.9%、比表面積4.13g/m
2)2.0重量部に代えて、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)2.0重量部(樹脂粒子1重量部に対して1重量部)を配合した以外は実施例1と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0132】
〔比較例10〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.584の樹脂粒子(K)1.2重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を1.4重量部(樹脂粒子1重量部に対して1.17重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0133】
〔比較例11〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.574の樹脂粒子(J)10.0重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を配合しない以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0134】
〔比較例12〕
基材樹脂100重量部に対して、樹脂粒子(A)2.0重量部に代えて、上記した製造方法により得られた屈折率1.564の樹脂粒子(I)10重量部を配合し、体積平均粒子径が0.62μmの硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製の沈降性硫酸バリウム「300」、CV値59.9%、比表面積3.4g/m
2)を0.5重量部(樹脂粒子1重量部に対して0.05重量部)配合した以外は、実施例5と同様の方法により、光拡散板(光拡散体)を得た。
【0135】
表1及び表2に、実施例1〜16および比較例1〜12に係る光拡散体の製造に用いた光拡散性樹脂組成物の各種原料の配合量(基材樹脂100重量部に対する重量部)、これらの製造に用いた樹脂粒子1重量部に対する硫酸バリウム(BaSO
4)の重量部(重量比(BaSO
4/樹脂粒子))、これら実施例1〜16および比較例1〜12に係る光拡散体の全光線透過率、分散度(D50)、及び促進曝露試験後の色差(ハンターΔE値)を示す。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
表1及び表2に示されるように、本発明の実施例1〜16の光拡散体は、2mmの厚みとされた場合において、55%以上(具体的には、55.44〜59.63%)の全光線透過率と、55°以上(具体的には、55.00〜58.20°)の分散度を示し、優れた光透過性と光拡散性を示すことが認められた。また、本発明の実施例1〜16の光拡散体の促進曝露200時間後の色差(ハンターΔE値)は3未満(具体的には、2.9以下)であり、実施例1〜16の光拡散体は、少なくとも屋内照明用として実用上十分な耐光性を有することが認められた。
【0138】
また、多官能単量体として(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体を使用して製造された屈折率が1.540〜1.560の樹脂粒子(E)〜(H)のいずれかを基材樹脂100重量部に対して1.5〜2.5重量部含む実施例7〜10の光拡散体は、多官能単量体としてジビニルベンゼン(DVB)を使用して製造された屈折率が1.540〜1.560の樹脂粒子(A)又は(B)を基材樹脂100重量部に対して1.5〜2.5重量部含む実施例1〜6の光拡散体と比べて、促進曝露200時間後の色差(ハンターΔE値)が小さく、耐光性により優れることが認められた。具体的には、実施例7〜10の光拡散体の促進曝露200時間後の色差(ハンターΔE値)は、1未満(具体的には、0.6以下)であり、屋内照明用としてだけでなく、屋外照明用としても、実用可能な耐光性を有していた。
【0139】
また、実施例1〜10の光拡散体と、実施例12の光拡散体と、実施例16の光拡散体との光学特性の比較より、多官能単量体として(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体を使用して製造された屈折率が1.560超〜1.580の樹脂粒子(具体的には、樹脂粒子(I)及び(J))は、ジビニルベンゼン(DVB)を使用して製造された屈折率が1.540〜1.560の樹脂粒子(具体的には、樹脂粒子(A)及び(B))、及び、多官能単量体として(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体を使用して製造された屈折率が1.540〜1.560の樹脂粒子(具体的には、樹脂粒子(E)〜(H))と比べて、光拡散体の全光線透過率を向上させて、光透過性を向上させる効果に特に優れるものであることが認められた。
【0140】
また、屈折率が1.580を超える樹脂粒子(具体的には、樹脂粒子(C)及び(K))を用いて製造した比較例1及び比較例10の光拡散体は、屈折率1.540〜1.580の樹脂粒子(A)、(B)、及び(E)〜(J)のいずれかを用いて製造した実施例1〜16の光拡散体と比べて、促進曝露後の色差が3を超えるものであり、耐光性に劣るものであった。
【0141】
また、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して0.7重量部で、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して3.14重量部である光拡散性樹脂組成物からなる比較例2の光拡散体は、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して1.0〜5.0重量部(より具体的には、1.2〜5.0重量部)で、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して0.20〜1.35重量部(より具体的には、0.20〜1.33重量部)である光拡散性樹脂組成物からなる実施例1〜16の光拡散体と比べて、全光線透過率及び分散度が低く、光学特性に劣るものであった。
【0142】
また、体積平均粒子径が0.34μmの硫酸バリウムを用いて製造した比較例3の光拡散体は、体積平均粒子径が0.4〜0.7μm(より、具体的には、0.50〜0.62μm)の硫酸バリウムを用いて製造した実施例1〜16の光拡散体と比べて、全光線透過率が低く、光透過性に劣るものであった。
【0143】
また、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して4重量部である光拡散性樹脂組成物からなる比較例4の光拡散体は、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して0.20〜1.35重量部(より具体的には、0.20〜1.33重量部)である光拡散性樹脂組成物からなる実施例1〜16の光拡散体と比べて、全光線透過率が低く、光透過性に劣るものであった。
【0144】
また、硫酸バリウムを含有しない光拡散性樹脂組成物からなる比較例5〜7の光拡散体は、硫酸バリウムを含有する光拡散性樹脂組成物からなる実施例1〜16の光拡散体と比べて、分散度が低く、光拡散性に劣るものであった。また、比較例6及び7の光拡散体は、促進曝露後の色差が3を超えるものであり、耐光性に劣るものであった。
【0145】
また、体積平均粒子径が0.75μmの硫酸バリウムを用いて製造した比較例8の光拡散体は、体積平均粒子径が0.4〜0.7μm(より、具体的には、0.50〜0.62μm)の硫酸バリウムを用いて製造した実施例1〜16の光拡散体と比べて、分散度が低く、光拡散性に劣るものであった。
【0146】
屈折率1.496の樹脂粒子(D)を用いて製造した比較例9の光拡散体は、屈折率1.540〜1.580の樹脂粒子(A)、(B)、及び(E)〜(J)のいずれかを用いて製造した実施例1〜16の光拡散体と比べて、分散度が低く、光拡散性に劣るものであった。
【0147】
また、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して10重量部であり、硫酸バリウムを含有しない光拡散性樹脂組成物からなる比較例11の光拡散体は、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して1.0〜5.0重量部(より具体的には、1.2〜5.0重量部)で、硫酸バリウムを含有する光拡散性樹脂組成物からなる実施例1〜16の光拡散体と比べて、全光線透過率が低く、光透過性に劣るものであった。また、比較例11の光拡散体は、促進曝露後の色差が3を超えるものであり、耐光性にも劣るものであった。
【0148】
また、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して10重量部で、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して0.05重量部である光拡散性樹脂組成物からなる比較例12の光拡散体は、樹脂粒子の含有量が基材樹脂100重量部に対して1.0〜5.0重量部(より具体的には、1.2〜5.0重量部)で、硫酸バリウムの含有量が樹脂粒子1重量部に対して0.20〜1.35重量部(より具体的には、0.20〜1.33重量部)である光拡散性樹脂組成物からなる実施例1〜16の光拡散体と比べて、全光線透過率が低く、光透過性に劣るものであった。