【解決手段】取得手段31が、ページ毎に重要度が設定された複数のページを含み、1以上のページを1つのグループとして複数のグループに区切られた画像データを取得し、グループ重要度算出手段32が、取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度に基づいて、グループ毎にグループ重要度を算出し、レイアウト決定手段33が、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力する最大のページ数である最大出力ページ数とに基づいてグループ毎の出力ページを決定し、画像データに基づいて決定された出力ページのサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定し、出力手段34が、レイアウト決定手段33により決定されたレイアウトで出力する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1を有するプリンタネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
(プリンタネットワークシステムの全体構成)
図1に示すように、プリンタネットワークシステムは、印刷装置として機能するインクジェット記録装置100と、サムネイル出力装置として機能する複数のクライアント端末1(
図1中では、代表して1つのクライアント端末1についてのみ示している)とを有している。
【0020】
各クライアント端末1は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものである。このクライアント端末1は、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16を有している。また、CPU16には、ワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20と、外部記憶装置21と、ディスクドライブ22とが接続されている。
【0021】
外部記憶装置21には、文書、写真等の画像データを生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、インクジェット記録装置100のプリンタドライバプログラムの格納領域、その他各種アプリケーションプログラムの格納領域が確保されている。
【0022】
CPU16は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置であり、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させる。また、CPU16は、入力部19からのパラメータ入力等により指示された画像データを、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された画像データは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21のデータベース領域に記憶される。
【0023】
ここで生成される画像データは、ページ毎に重要度が設定された複数のページを含んでおり、1以上のページを1つの章(グループ)として複数の章に区切られている。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1が生成する画像データの一例を示した図である。
【0025】
図2に示すように、この画像データは、第1章から第3章として、3つの章(グループ)に区切られている。
【0026】
第1章310は、第1ページ目〜第4ページ目まで、第2章320は、第5ページ目〜第6ページ目まで、第3章330は、第7ページ目〜第13ページ目までとして区切られている。
【0027】
また、各章に含まれる各ページには、括弧書きで示すように重要度が付されている。例えば、第1章310に含まれる第1ページ目の重要度は、“1”、第2ページ目の重要度は、“6”、第3ページ目の重要度は、“10”、第4ページ目の重要度は、“1”として、記憶されている。この重要度は、画像データが生成される際に、ユーザ入力に基づいて設定される。なお、この区切りは章に限らず、複数の画像データを区切るための識別データが含まれていればよい。
【0028】
そして、CPU16は、アプリケーションプログラム等で生成した画像データの印刷要求が入力された場合に、プリンタドライバプログラムをCPU16上で実行させることでCPU16上にプリンタドライバ30を仮想的に構築する。
【0029】
プリンタドライバ30は、クライアント端末1に接続されたインクジェット記録装置100を制御するために、クライアント端末1上で実行される。ユーザにより、入力部19から印刷を要求する操作や、所定のサムネイルを印刷するサムネイル印刷を要求する操作が行われた場合、プリンタドライバ30は、ユーザ操作に基づいて、アプリケーションにより生成された画像データを取得し、所定の印刷設定情報に従って、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを外部インターフェイス部15からインクジェット記録装置100へ送信する。
【0030】
また、プリンタドライバ30は、その機能上、取得手段31と、グループ重要度算出手段32と、レイアウト決定手段33と、出力手段34とを実装する。
【0031】
取得手段31は、ページ毎に重要度が設定された複数のページを含み、1以上のページを1つの章(グループ)として複数の章(グループ)に区切られた画像データを取得する。
【0032】
グループ重要度算出手段32は、取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度に基づいて、章(グループ)毎にグループ重要度を算出する。具体的には、グループ重要度算出手段32は、ユーザ操作により選択された判断ルールと取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度とに基づいて、判断ルール毎および章(グループ)毎に個別重要度を算出し、この算出した個別重要度を章(グループ)毎に加算または乗算することにより、グループ重要度を算出する。ここで、判断ルールは、例えば、「A.章を構成する『各ページの総和』」、「B.章を構成する『各ページの平均値』」、「C.重要度が高いページ群を持つ」、「D.最も重要度が高いページを持つ」、「E.ユーザにて任意の重要度を設定する」の5種類を有するとする。
【0033】
以下に、各判断ルールにおける個別重要度の算出方法を説明する。
(A.章を構成する『各ページの総和』による個別重要度算出方法)
グループ重要度算出手段32は、章(グループ)毎に、ページに設定された重要度を合計し、この合計値を個別重要度とする。
【0034】
例えば、
図2に示した例では、第1章310におけるページに設定された重要度の合計は、“18”(=1+6+10+1)であり、第2章320におけるページに設定された重要度の合計は、“14”(=3+11)であり、第3章330におけるページに設定された重要度の合計は、“19”(=3+2+3+3+3+2+3)として算出される。
【0035】
そこで、グループ重要度算出手段32は、重要度の合計が高い章から、第3章、第1章、第2章の順に、個別重要度を、“19”、“18”、“14”とする。
(B.章を構成する『各ページの平均値』による個別重要度算出方法)
グループ重要度算出手段32は、章(グループ)毎に、ページに設定された重要度の平均値を算出し、この平均値を個別重要度とする。
【0036】
例えば、
図2に示した例では、第1章310におけるページに設定された重要度の平均値は、“4.5”(=18/4)であり、第2章320におけるページに設定された重要度の平均値は、“7”(=14/2)であり、第3章330におけるページに設定された重要度の平均値は、“2.71”(≒19/7)として算出される。
【0037】
そこで、グループ重要度算出手段32は、重要度の合計が高い章から、第2章、第1章、第3章の順に、個別重要度を、“7”、“4.5”、“2.71”とする。
(C.重要度が高いページ群に基づく個別重要度算出方法)
グループ重要度算出手段32は、画像データ全体におけるページに設定された重要度の平均値より重要度が高いページを多く有する章(グループ)ほど重要度が高くなるように設定する。
【0038】
例えば、
図2に示した例では、画像データ全体におけるページに設定された重要度の平均値は、“3.92”(≒51/13)となる。
【0039】
第1章310において、この“3.92”より高い重要度は、第2ページ目(重要度:6)と、第3ページ目(重要度:10)であり、第2章320において、この“3.92”より高い重要度は、第6ページ目(重要度:12)である。
【0040】
そこで、グループ重要度算出手段32は、1ページ当たりの個別重要度を“5”として、画像データ全体におけるページに設定された重要度の平均値より重要度が高いページを多く有する章から、第1章、第2章、第3章の順に、個別重要度を“10”、“5”、“0”とする。
(D.最も重要度が高いページに基づく個別重要度算出方法)
グループ重要度算出手段32は、最も高い重要度のページを有する章(グループ)を個別重要度が高いとする。
【0041】
例えば、
図2に示した例では、第1章310において、最も高い重要度は、第3ページ目の“10”であり、第2章320において、最も高い重要度は、第6ページ目の“12”であり、第3章330において、最も高い重要度は、第7,9,10,11,13ページ目の“3”である。
【0042】
そこで、グループ重要度算出手段32は、最も高い重要度のページを有する第2章320の個別重要度を“10”とし、その他の第1章310、第3章330の個別重要度を“0”とする。
(E.ユーザにて任意の重要度の設定による個別重要度算出方法)
グループ重要度算出手段32は、ユーザにより判断ルール設定画面からの入力に基づいて、個別重要度を算出する。詳細は後述する。
【0043】
レイアウト決定手段33は、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力する最大のページ数である最大出力ページ数(最大出力ページ数情報)とに基づいてグループ毎の出力ページを決定し、画像データに基づいて決定された出力ページのサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定する。
【0044】
出力手段34は、レイアウト決定手段33により決定されたレイアウトで出力する。
【0045】
インクジェット記録装置100は、インクジェット方式のラインカラープリンタであり、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の印刷用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成する。
【0046】
具体的には、
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、原稿上の画像情報を画像データとして読み取って画像データを出力するスキャナ部101と、スキャナ部101から出力された画像データに基づいて印刷用紙(片面又は両面)に印刷するプリンタ部102と、全体制御用の制御ユニット90とを備えている。プリンタ部102における印刷に使用する印刷用紙は、不図示の給紙部からプリンタ部102を介して不図示の排紙部に搬送される。
【0047】
また、制御ユニット90の外部インターフェイス部94には、ローカルエリアネットワークLANを介して、複数のクライアント端末1の外部インターフェイス部15がそれぞれ接続されている。制御ユニット90は、各クライアント端末1から印刷ジョブを受け取り、印刷ジョブにおいて指定された条件で、プリンタ部102において印刷処理を実行させる。
【0048】
さらに、制御ユニット90にはディスプレイ80が接続されており、インクジェット記録装置100の上部に配置されており、印刷設定画面などを表示する。
【0049】
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェット記録装置100の制御ユニット90は、CPU95を備える。このCPU95は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ80から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
【0050】
なお、制御ユニット90にはRAM92が設けられており、RAM92には、クライアント端末1から制御ユニット90に入力された印刷ジョブや、ディスプレイ80から入力された各種の設定内容等が随時記憶される。
【0051】
さらに、制御ユニット90には外部記憶装置93が設けられており、この外部記憶装置93はCPU95に接続されている。外部記憶装置93には、上述したRAM92から転送された印刷ジョブを記憶する複数の領域が設けられている。
【0052】
CPU95は、画像形成プログラムを実行することにより、クライアント端末1から送信された印刷ジョブに基づいて、例えばサムネイル印刷などの印刷処理を実行する。
(クライアント端末1の作用)
次に、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1による処理手順について、詳細に説明する。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1による処理手順を示したフローチャートである。
【0054】
図3に示すように、ユーザ操作により入力部19からサムネイル印刷が要求されると(ステップS101;YES)、プリンタドライバ30の取得手段31は、アプリケーションプログラム等で生成され、RAM18や外部記憶装置21に記憶された画像データを取得する。ここで、取得される画像データは、
図2に示したように、ページ毎に重要度が設定された複数のページを含んでおり、1以上のページを1つの章(グループ)として複数の章に区切られているものとする。
【0055】
次に、プリンタドライバ30は、出力部20に、判断ルール設定画面を表示させる(ステップS103)。
【0056】
図4は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の出力部20に表示された判断ルール設定画面の一例を示した図である。
【0057】
図4に示すように、判断ルール設定画面には、「A.章を構成する『各ページの総和』」(符号:201)、「B.章を構成する『各ページの平均値』」(符号:202)、「C.重要度が高いページ群を持つ」(符号:203)、「D.最も重要度が高いページを持つ」(符号:204)、「E.ユーザにて任意の重要度を設定する」(符号:205)の5つの判断ルールが表示されており、これらの判断ルールから1以上の判断ルールを選択可能なように、チェックボックス211〜215が表示されている。
【0058】
また、「E.ユーザにて任意の重要度を設定する」(符号:205)に対応するチェックボックス215がチェックされた場合、取得された画像データに含まれる章が表示される(符号:216)と共に、ユーザが、章の重要度として「高」、「中」、「低」のうちいずれかを選択するためのドロップダウンボックス216が表示される。
【0059】
これにより、ユーザは、入力部19から、A〜Eの判断ルールのうちいずれか1以上のチェックボックスにチェック操作した後、OKボタン(符号:220)を押下操作することにより、判断ルールが選択され、後述するように、選択された判断ルールを用いてサムネイル画像として出力するページが選択されることになる。
【0060】
図2に戻り、ステップS105において、判断ルールが選択されたと判定された場合(S105;YES)、プリンタドライバ30のグループ重要度算出手段32は、
図2に示したように、取得手段31により取得された画像データからページ毎の重要度を抽出する(ステップS107)。
【0061】
そして、グループ重要度算出手段32は、選択された判断ルールと取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度とに基づいて、判断ルール毎およびグループ毎に個別重要度を算出し、この算出した個別重要度と下記の(数式1)とを用いて第n章(第nグループ)のグループ重要度Pg(n)(n=1,2、・・・)を算出する(ステップS111)。ここで、判断ルールA〜Eにそれぞれ対応する個別重要度をPa(n)〜Pe(n)(n=1,2、・・・)とする。
Pg(n)=Pa(n)+Pb(n)+Pc(n)+Pd(n)+Pe(n) ・・・(数式1)
例えば、選択された判断ルールが、「B.章を構成する『各ページの平均値』」、「C.重要度が高いページ群を持つ」、「D.最も重要度が高いページを持つ」、「E.ユーザにて任意の重要度を設定する」の4つであったとする。
【0062】
この場合、グループ重要度算出手段32は、選択された判断ルールである個別重要度Pb(n),Pc(n),Pd(n),Pe(n)をそれぞれ算出し、算出した個別重要度Pb(n),Pc(n),Pd(n),Pe(n)を(数式1)に代入することにより、グループ重要度Pg(n)を算出する。
【0063】
図2に示した例では、上述したように、グループ重要度算出手段32は、それぞれ第1章、第2章、第3章の順に、個別重要度Pb(n)を“4.5”、“7”、“2.71”と算出し、個別重要度Pc(n)を“10”、“5”、“0”として算出し、個別重要度Pd(n)を“0”、“10”、“0”として算出し、個別重要度Pd(n)を“10”、“5”、“0”として算出する。
【0064】
また、判断ルール設定画面の「E.ユーザにて任意の重要度を設定する」(符号:205)に対応するチェックボックス215がチェックされ、ユーザが、章の重要度として、第1章、第2章、第3章の順に、「高」、「中」、「低」が選択されたとすると、グループ重要度算出手段32は、それぞれ第1章、第2章、第3章の順に、個別重要度Pe(n)を“10”、“5”、“1”として算出する。
【0065】
そして、グループ重要度算出手段32は、これらの個別重要度Pb(n)〜Pe(n)を(数式1)に代入することにより、第n章(グループ)のグループ重要度Pg(n)(n=1,2、・・・)を算出する。これにより、章(グループ)毎のグループ重要度を算出することができる。
【0066】
図2に示した例では、グループ重要度Pg(1)は、19.5(=4.5+10+0+5)、グループ重要度Pg(2)は、18(=7+5+5+1)、グループ重要度Pg(3)は、2.714(=3.714+0+0+0)として算出される。即ち、グループ重要度Pg(n)が高い章は、第1章、第2章、第3章の順となる。
【0067】
次に、レイアウト決定手段33は、画像データ全体のグループ重要度Pg(1)〜Pg(n)、即ち、グループ重要度Pg(1)〜Pg(n)の合計に対する各章(グループ)のグループ重要度Pg(n)の割合を算出する(ステップS111)。
【0068】
図5は、
図2に示した例において、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1のレイアウト決定手段33が算出した算出結果の一例を示した図である。
図5では、グループ重要度Pg(n)が高い第1章、第2章、第3章の順に並べている。
【0069】
図5に示すように、レイアウト決定手段33は、章401毎に、グループ重要度Pg(1)〜Pg(3)の合計に対する各グループのグループ重要度Pg(n)の割合402を算出している。例えば、
図2に示した例の場合、グループ重要度Pg(1)〜Pg(3)の合計は、40.214(=19.5+18+2.714)であるので、グループ重要度Pg(1)〜Pg(3)の合計に対する第1章(グループ)のグループ重要度Pg(1)の割合402は、48.5(%)(=19.5/40.214)となり、第2章(グループ)のグループ重要度Pg(2)の割合402は、44.8(%)(=18/40.214)となり、第3章(グループ)のグループ重要度Pg(3)の割合402は、7.0(%)(=2.714/40.214)となる。
【0070】
図3に戻り、レイアウト決定手段33は、予め設定された最大印刷可能面数に、ステップS111において算出したグループ重要度Pg(1)〜Pg(n)の合計に対する各章(グループ)のグループ重要度Pg(n)の割合を乗算することにより、各章の印刷可能面数を算出する(ステップS113)。
【0071】
例えば、最大印刷可能面数が“8”(枚)と設定されているとすると、
図5に示すように、第1章(グループ)の印刷可能面数403は、“3.88”(ページ)(=8×0.485)となる。この印刷可能面数403は、計算値であり、小数点以下の数値が含まれる場合があるので、章(グループ)毎に何ページを割り当てるかを求めるためには、整数として印刷使用可能面数を求める必要がある。
【0072】
そこで、レイアウト決定手段33は、各章のグループ重要度の高いグループを優先して、各章のページ数を割り当てることにより、章毎の印刷使用可能面数を算出し、この印刷使用可能面数に基づいて、章毎の出力ページ数を決定する(ステップS115)。
【0073】
図5に示した例では、グループ重要度Pg(n)が高い章は、第1章、第2章、第3章の順であるので、印刷可能面数403の小数点を切り上げて整数とすることで、章毎の印刷使用可能面数404を算出する。
【0074】
例えば、第1章(グループ)の印刷可能面数403は、“3.88”(ページ)であるので、レイアウト決定手段33は、印刷可能面数403の小数点を切り上げて、第1章(グループ)の印刷使用可能面数404を“4”として算出する。同様に、第2章(グループ)の印刷可能面数403は、“3.58”(ページ)であるので、レイアウト決定手段33は、印刷可能面数403の小数点を切り上げて、第2章(グループ)の印刷使用可能面数404を“4”として算出する。ここで、第1章と第2章との印刷使用可能面数404の合計が、最大印刷可能面数“8”に達するので、レイアウト決定手段33は、第3章(グループ)の印刷使用可能面数404を“0”とする。
【0075】
そして、レイアウト決定手段33は、各章に含まれるページ数と、印刷使用可能面数404とに基づいて、出力ページ数を決定する。例えば、第1章(グループ)の印刷使用可能面数404は“4”であるので、“4”(ページ)まで出力可能であるところ、第1章(グループ)に含まれるページ数は、第1ページ目〜第4ページ目の“4”(ページ)である。そこで、レイアウト決定手段33は、第1章(グループ)の出力ページ数405を、“4”(ページ)とする。また、第2章(グループ)の印刷使用可能面数404は“4”であるので、“4”(ページ)まで出力可能であるところ、第2章(グループ)に含まれるページ数は、第5ページ目〜第6ページ目の“2”(ページ)である。そこで、レイアウト決定手段33は、第2章(グループ)の出力ページ数405を、“2”(ページ)とする。
【0076】
次に、レイアウト決定手段33は、決定した出力ページ数とページ毎の重要度と基づいて、グループ毎に出力ページを選定し、画像データに基づいて選択された出力ページのサムネイル画像を生成する(ステップS117)。
【0077】
図2に示した例では、第1章(グループ)の出力ページ数405は、“4”(ページ)であるので、レイアウト決定手段33は、第1ページ目〜第4ページ目の画像データを縮小することにより、4(ページ)それぞれのサムネイル画像を生成する。また、第2章(グループ)の出力ページ数405は、“2”(ページ)であるので、レイアウト決定手段33は、第5ページ目〜第6ページ目の画像データを縮小することにより、2(ページ)それぞれのサムネイル画像を生成する。
【0078】
そして、レイアウト決定手段33は、生成したサムネイル画像の出力する印刷用紙のレイアウトを決定し、この決定したレイアウトの印刷画像データを生成する(ステップS119)。
【0079】
図6は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1のレイアウト決定手段33により生成された印刷画像データの一例を示した図である。
【0080】
図6に示すように、出力される印刷用紙の1ページ目に対応する印刷画像501には、第1章(グループ)の出力ページ数405に相当する“4”(ページ)分のサムネイル画像が配置される。具体的には、第1ページ目のサムネイル画像511と、第2ページ目のサムネイル画像512と、第3ページ目のサムネイル画像513と、第4ページ目のサムネイル画像514との4ページ分のサムネイル画像が、配置されている。
【0081】
また、出力される印刷用紙の2ページ目に対応する印刷画像502には、第2章(グループ)の出力ページ数405に相当する“2”(ページ)分のサムネイル画像が配置される。具体的には、第5ページ目のサムネイル画像521と、第6ページ目のサムネイル画像522との2ページ分のサムネイル画像が、配置されている。
【0082】
次に、出力手段34は、レイアウト決定手段33により決定されたレイアウトで生成された印刷画像データに、印刷設定を含むヘッダを付与して印刷ジョブとして生成し、この生成した印刷ジョブを、LANを経由してインクジェット記録装置100へ送信する(ステップS121)。
【0083】
以上のように、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1によれば、グループ重要度算出手段32が、取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度に基づいて、グループ毎にグループ重要度を算出し、レイアウト決定手段33が、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力する最大のページ数である最大出力ページ数とに基づいてグループ毎の出力ページを決定し、画像データに基づいて決定された出力ページのサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定するので、画像データが複数のページを含み、例えば、章など画像データの記載内容に応じた区切りが設けられている場合には、ユーザは、この章単位で画像データを確認することができるので、画像データの全体像を容易に把握できる。
【0084】
仮に、特許文献1に記載の技術のように、ページ毎に重要か否かを判定し、重要なページのサムネイル画像のみを表示するようにすると、章に関係なくページが選定される。例えば、
図2に示した画像データに対して、重要度が高い第2ページ目、第3ページ目、第6ページ目、第7ページ目、第9ページ目、第10ページ目、第11ページ目、第13ページ目の8ページのサムネイル画像が生成されることになる。
【0085】
このように章に関係なくサムネイル画像が生成されるので、このサムネイル画像を集約して印刷したとしても、ユーザは、章にかかわらず断片的なページの画像データを見ることになるので、画像データの全体像を把握することが困難である。
【0086】
一方、上述したように、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1によれば、ユーザは、章単位で画像データを確認することができるので、画像データの全体像を容易に把握できる。
【0087】
なお、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1では、レイアウト決定手段33が、生成したサムネイル画像の出力する印刷用紙のレイアウトを決定し、この決定したレイアウトの印刷画像データを生成するが、これに限らず、レイアウト決定手段33が、生成したサムネイル画像の出力する出力部20の表示画面上のレイアウトを決定し、この決定したレイアウトの表示画像データを生成するようにしてもよい。
【0088】
また、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1では、取得手段31が、ページ毎に重要度が設定された複数のページを含み、1以上のページを1つの章(グループ)として複数の章(グループ)に区切られた画像データを取得したが、必ずしも、ページ毎に重要度が設定されている必要はなく、グループ重要度算出手段32が、取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度を算出すればよい。
【0089】
例えば、グループ重要度算出手段32が、取得手段31により取得された画像データを文字認識し、この文字認識された文字に、重要であることを示す文字として「重要」、「社外秘」、「機密情報」、「Confidential」などの文字が含まれているか否かを判定し、重要であることを示す文字が含まれていると判定された場合、重要度が高いページであると判定するようにしてもよい。
(変形例1)
本発明の一実施形態に係るクライアント端末1では、レイアウト決定手段33が、生成した同一サイズのサムネイル画像の出力する印刷用紙のレイアウトを決定し、この決定したレイアウトの印刷画像データを生成するが、これに限らず、ページ毎の重要度に応じて、ページ毎の重要度が高いほどサムネイル画像が大きくなるように拡大または縮小し、章(グループ)毎に、出力ページのサムネイル画像のレイアウトを決定するようにしてもよい。
【0090】
図7は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例1において、レイアウト決定手段33により生成された印刷画像データの一例を示した図である。
【0091】
図7に示すように、出力される印刷用紙の1ページ目に対応する印刷画像503には、第1章(グループ)の出力ページ数405に相当する“4”(ページ)分のサムネイル画像が配置される。具体的には、第1ページ目のサムネイル画像531と、第2ページ目のサムネイル画像532と、第3ページ目のサムネイル画像533と、第4ページ目のサムネイル画像534との4ページ分のサムネイル画像が、配置されている。
【0092】
ここで、第1章(グループ)の第1ページ目の重要度は、“1”、第2ページ目の重要度は、“6”、第3ページ目の重要度は、“10”、第4ページ目の重要度は、“1”であるので、このページ毎の重要度が高いほど、サムネイル画像の面積が広くなるように、または対角線の長さが長くなるように拡大または縮小され、サムネイル画像531〜534が配置されている。
【0093】
また、出力される印刷用紙の2ページ目に対応する印刷画像502には、第2章(グループ)の出力ページ数405に相当する“2”(ページ)分のサムネイル画像が配置される。具体的には、第5ページ目のサムネイル画像541と、第6ページ目のサムネイル画像542との2ページ分のサムネイル画像が、配置されている。
【0094】
第2章(グループ)の第5ページ目の重要度は、“3”、第6ページ目の重要度は、“12”であるので、第1章(グループ)と同様に、ページ毎の重要度が高いほど、サムネイル画像の面積が広くなるように、または対角線の長さが長くなるように拡大または縮小され、サムネイル画像541および542が配置されている。
【0095】
また、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1では、グループ重要度算出手段は、選択された判断ルールと取得手段31により取得された画像データのページ毎の重要度に基づいて、判断ルール毎およびグループ毎に個別重要度を算出し、この算出した個別重要度と下記の(数式1)とを用いて第n章(グループ)のグループ重要度Pg(n)(n=1,2、・・・)を算出したが、グループ重要度Pg(n)の算出式は、(数式1)に限らず、例えば、下記の(数式2)であってもよい。
Pg(n)=(Pa(n)+Pb(n)+Pc(n)+Pd(n))×Pe(n) ・・・(数式2)
この場合、ユーザ操作に基づいて設定される個別重要度Pe(n)を他の個別重要度に対して乗算するので、よりユーザの嗜好を反映させることがきる。
(変形例2)
本発明の一実施形態に係るクライアント端末1では、レイアウト決定手段33が、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力する最大のページ数である最大出力ページ数とに基づいてグループ毎の出力ページを決定し、画像データに基づいて決定された出力ページのサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定したが、出力ページに限らず、最大出力領域に応じた出力領域を決定すればよい。
【0096】
具体的には、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例2では、レイアウト決定手段33が、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力可能な最大出力領域とに基づいてグループ毎の出力領域を決定し、画像データに基づいて決定された出力領域内にサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定する。ここで、出力領域とは、整数値である出力ページに限らず、グループ毎に定められる画像データを印刷用紙上に出力させる領域のことであり、最大出力領域とは、整数値である最大出力ページ数に限らず、印刷用紙に出力可能な最大の領域として、例えば、1ページ、1.5ページ、2ページなどと予め設定される。
【0097】
例えば、
図5に示すように、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例2では、最大出力領域を1ページとすると、レイアウト決定手段33が、第1章(グループ)のグループ重要度Pg(1)の割合402を、48.5(%)として算出し、第2章(グループ)のグループ重要度Pg(2)の割合402を、44.8(%)として算出し、第3章(グループ)のグループ重要度Pg(3)の割合402を、7.0(%)として、出力領域として算出する。
【0098】
そして、レイアウト決定手段33は、決定した各章(グループ)の出力領域内に、サムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定する。
【0099】
図8は、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例2において、レイアウト決定手段33により生成された印刷画像データの一例を示した図である。
【0100】
図8に示すように、出力される印刷用紙の印刷画像505には、1ページの印刷用紙のうち、第1章(グループ)のグループ重要度Pg(1)の割合402である、48.5(%)の出力領域に、第1ページ目のサムネイル画像551と、第2ページ目のサムネイル画像552と、第3ページ目のサムネイル画像553と、第4ページ目のサムネイル画像554との4ページ分のサムネイル画像が配置されている。
【0101】
また、1ページの印刷用紙のうち、第2章(グループ)のグループ重要度Pg(2)の割合402である、44.8(%)の出力領域に、第5ページ目のサムネイル画像561と、第6ページ目のサムネイル画像562との2ページ分のサムネイル画像が配置されている。
【0102】
同様に、1ページの印刷用紙のうち、第3章(グループ)のグループ重要度Pg(3)の割合402である、7.0(%)の出力領域に、第7ページ目のサムネイル画像571と、第8ページ目のサムネイル画像572と、第9ページ目のサムネイル画像573と、第10ページ目のサムネイル画像574と、第11ページ目のサムネイル画像575と、第12ページ目のサムネイル画像576と、第13ページ目のサムネイル画像577との7ページ分のサムネイル画像が配置されている。
【0103】
このように、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例2によれば、レイアウト決定手段33が、グループ重要度算出手段32により算出されたグループ重要度と出力可能な最大出力領域とに基づいてグループ毎の出力領域を決定し、画像データに基づいて決定された出力領域内にサムネイル画像を生成し、グループ毎に、サムネイル画像のレイアウトを決定するので、章(グループ)毎の出力ページを整数値として算出することなく、章(グループ)毎のグループ重要度Pg(n)の割合に応じた出力領域を決定するので、比較的算出負荷を低減することができる。
【0104】
なお、本発明の一実施形態に係るクライアント端末1の変形例2では、1ページにレイアウト決定手段33により生成された印刷画像データを配置したが、これに限らず、複数のページであってもよい。