【解決手段】試験装置1は、アプリケーションを選択するアプリケーション選択画面、選択したアプリケーションによる試験条件を設定する試験条件設定画面及び選択したアプリケーションによる試験結果を表示する試験結果表示画面を含む画面を表示する表示部12と、表示部12に表示された画面を操作する操作部11と、操作部11の操作に基づいて、アプリケーション選択画面を含む第1階層画面と、試験条件設定画面及び試験結果表示画面を含む第2階層画面とを切り替える階層間画面切替部21aと、第2階層画面に含まれる画面を切り替える階層内画面切替部21bと、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施形態における試験装置の構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態における試験装置1は、試験対象機器2を試験するものであって、タッチパネル10、表示操作制御装置20、試験制御装置30を備えている。
【0022】
試験装置1は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、各種インタフェースが接続される入出力回路等を備えたマイクロコンピュータを含む。試験装置1は、ROMに予め格納された制御プログラムを実行させることにより、マイクロコンピュータを、タッチパネル10、表示操作制御装置20、試験制御装置30等の機能部として機能させるようになっている。
【0023】
タッチパネル10は、試験者のタッチ操作に応じて操作信号を出力する操作手段としての操作部11と、この操作部11に重ねて配置され、液晶ディスプレイからなる表示手段としての表示部12と、を備えている。操作部11は、タッチ操作を検出すると操作位置を示す操作信号を表示操作制御装置20に出力するようになっている。表示部12は、表示操作制御装置20からの表示制御信号に基づいて所定の画面を表示する表示制御を実行するようになっている。
【0024】
表示操作制御装置20は、タッチパネル10に対して所定の表示画面を表示する制御やタッチ操作に関する制御を実行するものであって、表示画面制御部21、アプリケーション選択画面制御部22、試験信号設定画面制御部23、試験条件設定画面制御部24、試験結果表示画面制御部25、レポート作成画面制御部26を備えている。この表示操作制御装置20は、設定情報記憶部27及び試験結果情報記憶部28に接続されている。
【0025】
アプリケーション選択画面制御部22は、複数のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」という)の中から試験者に所望のアプリケーションを選択させるためのアプリケーション選択画面を表示する表示制御信号を表示部12に出力することによって表示制御を行うようになっている。
【0026】
試験信号設定画面制御部23は、試験者が選択したアプリケーションを実行する試験において、試験対象機器2に出力する試験信号を設定するための試験信号設定画面を表示する表示制御信号を表示部12に出力することによって表示制御を行うようになっている。
【0027】
試験条件設定画面制御部24は、試験者が選択したアプリケーションを実行する試験において、試験条件を設定するための試験条件設定画面を表示する表示制御信号を表示部12に出力することによって表示制御を行うようになっている。
【0028】
試験結果表示画面制御部25は、試験者が選択したアプリケーションを実行する試験において、試験結果を表示するための試験結果表示画面を表示する表示制御信号を表示部12に出力することによって表示制御を行うようになっている。
【0029】
レポート作成画面制御部26は、試験者が選択したアプリケーションを実行する試験において、試験結果の情報を含むレポートを作成するためのレポート作成画面を表示する表示制御信号を表示部12に出力することによって表示制御を行うようになっている。
【0030】
設定情報記憶部27は、表示操作制御装置20が有する各画面制御部が表示部12に表示した各画面において試験者に設定、選択等をさせる情報、試験者がタッチパネル10を操作して設定、選択等を行った情報、試験に関する情報を説明するためのヘルプ情報等を記憶するようになっている。
【0031】
試験結果情報記憶部28は、試験対象機器2に対して行った試験結果の情報を記憶するようになっている。
【0032】
表示画面制御部21は、タッチパネル10に表示する画面を階層化するようになっている。具体的には、表示画面制御部21は、アプリケーション選択画面及びレポート作成画面を第1階層画面とし、信号設定画面、試験条件設定画面及び試験結果表示画面を含む第2階層画面とする階層化を行うようになっている。
【0033】
この表示画面制御部21は、階層間画面切替手段としての階層間画面切替部21aと、階層内画面切替手段としての階層内画面切替部21bと、を備えている。階層間画面切替部21aは、操作部11の操作に基づいて、第1階層画面と第2階層画面とを切り替えるようになっている。階層内画面切替部21bは、第1階層画面及び第2階層画面に含まれる各画面をそれぞれの階層内で切り替えるようになっている。
【0034】
ここで、階層間画面切替部21a及び階層内画面切替部21bの機能について
図2に示す概念図を用いて説明する。
【0035】
図2には、アプリケーション選択画面41、試験信号設定画面42、試験条件設定画面43、試験結果表示画面44、レポート作成画面45が示されている。ここで、アプリケーション選択画面41及びレポート作成画面45は第1階層画面としている。また、試験信号設定画面42、試験条件設定画面43及び試験結果表示画面44は第2階層画面としている。
【0036】
第1階層画面は、アプリケーション選択画面41を必ず含む画面であって、比較的使用頻度の低い画面で構成される。本実施形態では、通常、試験終了後に使用されるため比較的使用頻度の低いレポート作成画面45を第1階層画面に含ませている。
【0037】
一方、第2階層画面は、アプリケーション選択画面41において選択されたアプリケーション固有の機能に関する画面を含む画面であって、比較的使用頻度の高い画面を含む。本実施形態では、試験信号設定画面42、試験条件設定画面43及び試験結果表示画面44を含む構成としている。第2階層画面に含まれる各画面の内容は、選択されたアプリケーションに応じて変化する。この構成により、試験者は、第1階層画面でアプリケーションを選択した後の試験実行中は、第2階層画面内の画面遷移を行うだけになる。
【0038】
階層間画面切替部21aは、図中の黒い矢印で示す方向に、第1階層画面と第2階層画面とを切り替えるようになっている。具体的には、階層間画面切替部21aは、アプリケーション選択画面41と試験信号設定画面42との間、アプリケーション選択画面41と試験条件設定画面43との間、レポート作成画面45と試験結果表示画面44との間において画面を切り替える機能を有する。
【0039】
一方、階層内画面切替部21bは、図中の白抜きの矢印で示す方向に、すなわち、同じ階層内で、画面を切り替えるようになっている。具体的には、階層内画面切替部21bは、第1階層においては、アプリケーション選択画面41とレポート作成画面45とを切り替える機能を有する。また、階層内画面切替部21bは、第2階層においては、試験信号設定画面42と試験条件設定画面43との間、試験条件設定画面43と試験結果表示画面44との間、試験結果表示画面44と試験信号設定画面42との間において画面を切り替える機能を有する。
【0040】
前述の構成により、表示画面制御部21は、2回以下の遷移で目的の画面を表示させることができる。例えば、図示のように、試験信号設定画面42がタッチパネル10に表示されている場合において、表示画面制御部21は、アプリケーション選択画面41、試験条件設定画面43及び試験結果表示画面44をそれぞれ1回の遷移で表示させることができる。また、表示画面制御部21は、レポート作成画面45を、アプリケーション選択画面41又は試験結果表示画面44を経由して2回の遷移で表示させることができる。
【0041】
図1に戻り、試験制御装置30は、アプリケーション部31、信号送信部32、信号受信部33を備え、試験対象機器2に接続されている。
【0042】
アプリケーション部31は、試験対象機器2を試験するための複数のアプリケーションを有し、試験者が選択したアプリケーションを実行して所定の試験を行うようになっている。
【0043】
信号送信部32は、試験信号設定画面42において試験者が設定した情報に基づいて試験信号を生成し、試験対象機器2に送信するようになっている。
【0044】
信号受信部33は、試験対象機器2が試験信号に対応して送信した信号を受信し、所定の処理を行ってアプリケーション部31に出力するようになっている。
【0045】
信号送信部32及び信号送信部32は、例えば、イーサネット(登録商標)などの通信規格に基づいて試験対象機器2に対してフレームデータを送受信するようになっている。フレームデータは、所定数のパケットに分割される。各パケットは、宛先や送信元に関する情報を含むヘッダと、試験情報を含むペイロードとを有する。
【0046】
次に、表示操作制御装置20が有する各画面制御部が表示部12に表示する各画面を、試験対象機器2がネットワーク機器である場合と、携帯端末である場合とについて、以下に具体例を挙げて説明する。試験対象機器2がネットワーク機器である場合は、本実施形態における試験装置1は、ネットワーク試験装置として機能する。ネットワーク機器としては、例えば、ルータ、スイッチングハブ、伝送装置などがある。また、試験対象機器2が携帯端末である場合は、本実施形態における試験装置1は、携帯端末試験装置として機能する。
【0047】
(1)試験対象機器2がネットワーク機器である場合について、
図3〜
図8を用いて説明する。
【0048】
[アプリケーション選択画面]
図3は、第1階層に属するアプリケーション選択画面51の一例を示している。この例では、3つの規格についてBER(Bit Error Rate:ビット誤り率)を試験するためのアプリケーションが表示されている。例えば、試験者がEthernet(イーサネット)(登録商標)の文字が含まれる表示領域を指先でタッチすることにより、Ethernet規格でのBERを試験するためのアプリケーションが選択される。以下、Ethernet規格でのBERの試験を行うアプリケーションが選択されたものとして説明する。
【0049】
また、アプリケーション選択画面51には、試験信号設定ボタン511、試験条件設定ボタン512、左矢印ボタン513、右矢印ボタン514、試験実行ボタン515、ヘルプボタン516が表示されている。
【0050】
試験信号設定ボタン511がタッチされると、第2階層の試験信号設定画面52(
図4参照)が表示される。試験条件設定ボタン512がタッチされると、第2階層の試験条件設定画面53(
図5参照)が表示される。左矢印ボタン513又は右矢印ボタン514がタッチされると、同階層(第1階層)のレポート作成画面55(
図7参照)が表示される。試験実行ボタン515がタッチされると、アプリケーション部31が、試験者が選択したアプリケーションを実行する。ヘルプボタン516がタッチされると、ネットワーク機器の試験に関する情報を説明するためのヘルプ情報が表示部12に表示される。なお、本実施形態では、試験実行ボタン515及びヘルプボタン516は、各画面に表示されるものとしているので、以下では、その説明を省略する。
【0051】
[試験信号設定画面]
図4は、第2階層に属する試験信号設定画面52の一例を示している。この例では、BER測定において、ビットレートを40Gbps、測定パターンをPRBS(Pseudo Random Bit Sequence:疑似ランダムパターン)の7ビット長に設定した画面を示している。ビットレート及び測定パターンは、それぞれ、プルダウンメニューボタン521及び522で設定が行えるようになっている。
【0052】
図4に示した試験信号設定画面52において、左矢印ボタン523がタッチされると、同階層(第2階層)の試験結果表示画面54(
図6参照)が表示される。右矢印ボタン524がタッチされると、同階層(第2階層)の試験条件設定画面53(
図5参照)が表示される。アプリケーション選択ボタン525がタッチされると、第1階層のアプリケーション選択画面51(
図3参照)が表示される。
【0053】
[試験条件設定画面]
図5は、第2階層に属する試験条件設定画面53の一例を示している。この例では、BER測定において、試験結果を何秒おきに出すかを設定する時間長(Interval Length)を5秒に設定した画面を示している。この時間長は、プルダウンメニューボタン531で設定が行えるようになっている。
【0054】
図5に示した試験条件設定画面53において、左矢印ボタン532がタッチされると、同階層(第2階層)の試験信号設定画面52(
図4参照)が表示される。右矢印ボタン533がタッチされると、同階層(第2階層)の試験結果表示画面54(
図6参照)が表示される。アプリケーション選択ボタン534がタッチされると、第1階層のアプリケーション選択画面51(
図3参照)が表示される。
【0055】
[試験結果表示画面]
図6は、第2階層に属する試験結果表示画面54の一例を示している。この例では、BER測定において、ビットエラーが"3"であったことを示している。これは、5秒間(
図5参照)で3ビットのエラーが発生したことを示す。
【0056】
図6に示した試験結果表示画面54において、左矢印ボタン542がタッチされると、同階層(第2階層)の試験条件設定画面53(
図5参照)が表示される。右矢印ボタン543がタッチされると、同階層(第2階層)の試験信号設定画面52(
図4参照)が表示される。レポート作成ボタン544がタッチされると、第1階層のレポート作成画面55(
図3参照)が表示される。
【0057】
[レポート作成画面]
図7は、第1階層に属するレポート作成画面55の一例を示している。この例では、BER測定のレポートを作成するためのOKボタン551が示されている。
【0058】
図7に示したレポート作成画面55において、試験者がOKボタン551をタッチするとレポートが作成される。信号結果ボタン552がタッチされると、第2階層の試験結果表示画面54(
図6参照)が表示される。左矢印ボタン553又は右矢印ボタン554がタッチされると、同階層(第1階層)のアプリケーション選択画面51(
図3参照)が表示される。
【0059】
次に、表示画面の変形例について
図8を用いて説明する。
図8に示した試験条件設定画面56には、画面の表示領域の一部に、画面位置表示エリア56aが設けられている。画面位置表示エリア56aには、
図2に示した全画面の配置図(矢印の図示は省略)が描かれており、現在選択されて表示されている画面、すなわち、試験条件設定画面56の位置が他画面と識別して示されている。試験者は、この画面位置表示エリア56aを見ることにより、現在選択されて表示されている画面の確認や、画面間の移動可能方向等の情報を容易に取得することができる。なお、この変形例においては、画面位置表示エリアが、試験条件設定画面56のみではなく、すべての表示画面に表示される。
【0060】
(2)試験対象機器2が携帯端末である場合について、
図9〜
図12を用いて説明する。この場合、
図1に示した信号送信部32は、ベースバンド周波数の信号を無線周波数の信号に変換して携帯端末に送信する構成を有する。また、信号受信部33は、無線周波数の信号をベースバンド周波数の信号に変換する構成を有する。なお、前述した試験対象機器2がネットワーク機器である場合と同様な構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
[アプリケーション選択画面]
図9は、第1階層に属するアプリケーション選択画面61の一例を示している。この例では、3つの通信規格であるLTE、W−CDMA及びGSM(登録商標)についてBERを試験するためのアプリケーションが表示されている。例えば、試験者がLTEの文字が含まれる表示領域を指先でタッチすることにより、LTE通信規格でのBERを試験するためのアプリケーションが選択される。以下、LTE通信規格でのBERの試験を行うアプリケーションが選択されたものとして説明する。
【0062】
[試験信号設定画面]
図10は、第2階層に属する試験信号設定画面62の一例を示している。この例では、BER測定において、信号周波数を2.1000GHzに、測定パターンをPN7にそれぞれ設定した場合を示している。信号周波数は、信号周波数設定枠621に表示されている。信号周波数の値は、例えばキーボードによって入力される構成となっている。測定パターンは、プルダウンメニューボタン622によって設定が行われるようになっている。
【0063】
[試験条件設定画面]
図11は、第2階層に属する試験条件設定画面63の一例を示している。この例では、BER測定において、測定ビット数の入力枠631と、測定エラービット数の入力枠632が表示されている。
【0064】
[試験結果表示画面]
図12は、第2階層に属する試験結果表示画面64の一例を示している。この例では、BER測定において、BERの結果をパーセント表示で示すBER結果枠641が表示されている。
【0065】
[レポート作成画面]
試験対象機器2が携帯端末である場合のレポート作成画面は、前述した試験対象機器2がネットワーク機器である場合の画面(
図7参照)と同じであるので説明を省略する。
【0066】
次に、本実施形態における試験装置1の動作について
図13を中心に説明する。なお、試験対象機器2はネットワーク機器であるとする。
【0067】
アプリケーション選択画面制御部22は、アプリケーション選択画面51(
図3参照)をタッチパネル10の表示部12に表示する(ステップS11)。
【0068】
表示画面制御部21は、タッチパネル10の操作部11からの操作信号に基づいて、画面操作があったか否かを判断する(ステップS12)。
【0069】
具体的には、
図3において、例えば、Ethernetの文字が含まれる表示領域を試験者が指先でタッチした場合、操作部11はその旨を示す信号を表示画面制御部21に出力する。この場合、表示画面制御部21は、アプリケーション選択画面51において画面操作があったと判断し、Ethernetのアプリケーションが選択されたことがわかる。表示画面制御部21は、選択されたアプリケーションを示す信号をアプリケーション部31に出力する。アプリケーション部31は、選択されたアプリケーションのプログラムをメモリにロードする。
【0070】
ステップ12において、画面操作があったと判断した場合は、表示画面制御部21は、試験を開始するか否かを判断し(ステップS13)、画面操作があったと判断しなかった場合は、ステップ12の処理を繰り返す。
【0071】
具体的には、
図3に示したアプリケーション選択画面51において、試験実行ボタン515がタッチされた場合、操作部11はその旨を示す信号を表示画面制御部21に出力する。この場合、表示画面制御部21は、試験者により試験開始の指示が出されたことがわかり、ステップS13において試験を開始すると判断する。ここで、試験で用いる試験信号やその他の試験条件等を既定値としてアプリケーションごとに予め決めておいて選択されたアプリケーションにより試験を行う設定としてもよいし、試験で用いる試験信号やその他の試験条件等が決定されていない場合は試験実行ボタン515がタッチされても試験を開始しない構成としてもよい。
【0072】
ステップS13において、試験を開始すると判断しなかった場合は、表示画面制御部21は、階層間切り替えの指示があったか否かを判断する(ステップS14)。
【0073】
具体的には、例えば、
図3において、表示画面制御部21は、試験信号設定ボタン511又は試験条件設定ボタン512がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、階層間切り替えの指示があったと判断する。
【0074】
ステップS14において、階層間切り替えの指示があったと判断した場合は、階層間画面切替部21aは、階層間で画面を切り替える処理を実行する(ステップS15)。なお、このステップS15においては、各画面が表示部12に表示されることとなる。すなわち、ステップS15は、本発明に係る表示ステップに対応する。
【0075】
具体的には、例えば、
図3において、階層間画面切替部21aは、試験信号設定ボタン511がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、現在表示されているアプリケーション選択画面51から試験信号設定画面52(
図4参照)に切り替えるよう試験信号設定画面制御部23に制御信号を出力する。この場合、試験信号設定画面制御部23は、試験信号設定画面52を表示部12に表示する表示制御を実行する。
【0076】
ステップS14において、階層間切り替えの指示があったと判断しなかった場合は、表示画面制御部21は、階層内切り替えの指示があったか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、例えば、
図4に示した試験信号設定画面52において、表示画面制御部21は、左矢印ボタン523又は右矢印ボタン524がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、階層内切り替えの指示があったと判断する。
【0077】
ステップS16において、階層内切り替えの指示があったと判断した場合は、階層内画面切替部21bは、階層内で画面を切り替える処理を実行する(ステップS17)。なお、このステップS17においては、各画面が表示部12に表示されることとなる。すなわち、ステップS17は、本発明に係る表示ステップに対応する。
【0078】
ここで、階層内画面切替部21bは、左矢印ボタン523がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、現在表示されている試験信号設定画面52から試験結果表示画面54(
図6参照)に切り替えるよう試験結果表示画面制御部25に制御信号を出力する。この場合、試験結果表示画面制御部25は、試験結果表示画面54を表示部12に表示する表示制御を実行する。
【0079】
一方、階層内画面切替部21bは、右矢印ボタン524がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、現在表示されている試験信号設定画面52から試験条件設定画面53(
図5参照)に切り替えるよう試験条件設定画面制御部24に制御信号を出力する。この場合、試験条件設定画面制御部24は、試験条件設定画面53を表示部12に表示する表示制御を実行する。
【0080】
ステップS16において、階層内切り替えの指示があったと判断しなかった場合は、表示画面制御部21は、試験者のタッチ操作に応じた所定の処理を行う(ステップS18)。例えば、
図4に示した試験信号設定画面52において、表示画面制御部21は、ヘルプボタン516がタッチされたことを示す信号を操作部11から入力した場合は、設定情報記憶部27からヘルプ情報を読み出し、ヘルプ情報を表示部12に表示する。
【0081】
前述のステップS13において、試験を開始すると判断した場合は、試験制御装置30が試験を実行する。具体的には、アプリケーション部31は選択されたアプリケーションを実行し、試験信号やその他の試験条件等の試験情報を信号送信部32に出力し、信号送信部32は試験情報を含めた試験信号を試験対象機器2に出力する(ステップS19)。
【0082】
試験対象機器2は、試験信号に応答した応答信号を信号受信部33に出力する。信号受信部33は、応答信号を受信し(ステップS20)、アプリケーション部31に出力する。アプリケーション部31は、応答信号を解析し(ステップS21)、応答信号に含まれる試験結果情報を表示操作制御装置20経由で試験結果情報記憶部28に記憶する。
【0083】
その結果、試験結果表示画面制御部25は、試験結果情報記憶部28から試験結果情報を読み出すことにより、試験結果情報を表示部12に表示可能となる。また、レポート作成画面制御部26は、試験結果情報記憶部28から試験結果情報を読み出すことにより、試験結果情報のレポートを作成可能となる。
【0084】
なお、前述のステップS15、ステップS17、ステップS18、ステップS21の処理の終了後は、ステップS12に戻る。
【0085】
以上のように、本実施形態における試験装置1は、試験に関する複数の画面を概念的に上下に分類し、アプリケーションを選択するという大きなカテゴリ(第1階層画面)を上側に、選択したアプリケーションに関する詳細な設定を行う小さなカテゴリ(第2階層画面)を下側に分ける構成としたので、操作が容易な試験装置を提供することができる。
【0086】
また、本実施形態における試験装置1は、アプリケーションを選択した後の試験実行中は、第2階層画面内の画面遷移を行うだけになるので、従来よりも操作が簡潔で分かりやすくなり、多機能になっても操作が容易となる。
【0087】
また、本実施形態における試験装置1は、従来のもののように、利用者が操作する複数のボタンを配置する必要がないので、表示エリアを従来よりも広くできる。したがって、本実施形態における試験装置1は、試験装置の小型化を図ることもできるので、例えば、片手で持ち他方の手で操作可能な携帯型(ハンドヘルドタイプ)の試験装置を実現することができる。
【0088】
なお、前述の実施形態において、第1階層画面を上側に、第2階層画面を下側に概念的に分ける構成を例に上げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1階層画面を左側に、第2階層画面を右側に概念的に分ける構成としてもよい。