特開2015-158988(P2015-158988A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-158988(P2015-158988A)
(43)【公開日】2015年9月3日
(54)【発明の名称】カーテン状発光ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150807BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150807BHJP
【FI】
   F21S2/00 444
   F21S2/00 439
   F21S2/00 436
   F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-32125(P2014-32125)
(22)【出願日】2014年2月21日
(71)【出願人】
【識別番号】508334340
【氏名又は名称】株式会社未来企画
(71)【出願人】
【識別番号】594054195
【氏名又は名称】金秀アルミ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野原 剛
(72)【発明者】
【氏名】金城 準
(72)【発明者】
【氏名】呉屋 良和
(72)【発明者】
【氏名】舟ヶ崎 貴士
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 新三
(72)【発明者】
【氏名】有賀 俊二
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244AA06
3K244BA23
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA25
3K244DA27
3K244EB06
3K244EB07
3K244EC19
3K244ED19
(57)【要約】
【課題】昼間(明るい側から暗い側を見たとき)は、室内空間からの眺望景観を確保し、かつ、昼夜間を問わず、室外からの覗き見防止を実現すると共に、夜間の発光時においては、発光によるカーテン表示を可能とする、意匠性が高く、信頼性の高いカーテン状発光ユニットを実現することを課題とする。
【解決手段】マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットの発光制御において、導光板の端面にLED素子が対面させて設けられているLEDバーモジュールが、所定の間隔で取り付けられている複数のLED素子を一端側から他端側まで順番に点灯、あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニットとするものである。

【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットの発光制御において、
導光板の端面にLED素子が対面させて設けられているLEDバーモジュールが、所定の間隔で取り付けられている複数のLED素子を一端側から他端側まで順番に点灯、あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニット。
【請求項2】
前記の複数のLED素子を中心から両端側へ、あるいは両端側から中心に点灯あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とする請求項1に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項3】
。前記のLED素子が、その最も輝度が高くなる光軸が導光板の端面に対して垂直から傾斜するように、該LED素子が傾けて設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット
【請求項4】
前記のLED素子は、その傾斜角度が有効照射角度の1/2の角度を傾けて取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項5】
前記のLED素子は、2個のLED素子が1対として設けられており、2個のLED素子が互いに外側に傾斜して1対で設けられていることを特徴とする請求項4に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項6】
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面にLED素子の取り付け位置に対応して、LED素子から照射された光が屈曲し、光路が端面に対して垂直に真下に進むような角度となる切れ込みが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項7】
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、各LED素子間の中間の位置に対応して、スリット状の切れ込みが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項8】
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を吸収する黒色となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項9】
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を反射する鏡面となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項10】
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面において、一方が光を反射する鏡面で、他方が光を吸収する黒色となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項11】
前記のLED素子の先端部分に、照射した光が左右に広がらずに直進するように、筒状の導光管が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項12】
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、該LED素子の取り付け位置に対応して、LED素子の幅に対応した直径であり、先端が細くなり尖った状態となる細孔が開けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項13】
前記の細孔の軸線状に導光板の光拡散ドットが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【請求項14】
前記の導光板に印刷される光拡散ドットにおいて、該ドットに対して真上から照射された光に対して光を拡散するように、該ドットの中央部分は光を拡散する白色となっており、該ドットに対して斜めに照射された光を吸収するように、該ドットの左右の端部は光を吸収する黒色となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状の発光ユニットにおいて、発光面をカーテンのように開閉式に発光制御することができるLED導光板のカーテン状発光ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願願人らは、マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状の発光ユニット(特許第5288507号)による窓構造体を開発した(特願2013-36330)。
【0003】
この窓構造体は、内側にハーフミラー層が設けられた透光性を有する面状発光体と、該面状発光体の内側と外側にガラス製の板体が設けられていることを特徴とする窓構造体であり、通常のマジックミラーの機能に加え、夜間においても、室外からの覗き見防止を実現するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5288507号公報
【特許文献1】特願2013-36330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の窓構造は、昼間は通常のマジックミラーとして機能し、夜間においては、LED導光板の機能とハーフミラーの機能により、窓全面が発光し、外部から内部が見通せない状態となる。
【0006】
この窓の全面発光状態において、導光板の端面に並べられたLEDを両端部からそれぞれ中心に向かって連続的に点灯させることにより、窓のカーテンを閉じるときのように光でカーテンを表現することができるものである。
【0007】
しかしながら、LEDの発光素子は、光を照射する角度が概ね120℃になっており、順番に点灯させたり、消灯させたりしても、光の点灯部分と消灯部分の境界部分は、角度がついており、またぼけてしまうため、カーテンのような開閉状態とならない。
【0008】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、昼間(明るい側から暗い側を見たとき)は、室内空間からの眺望景観を確保し、かつ、昼夜間を問わず、室外からの覗き見防止を実現すると共に、夜間の発光時においては、発光によるカーテン表示を可能とする、意匠性が高く、信頼性の高いカーテン状発光ユニットを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1は、
マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットの発光制御において、導光板の端面にLED素子が対面させて設けられているLEDバーモジュールが、所定の間隔で取り付けられている複数のLED素子を一端側から他端側まで順番に点灯、あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0010】
該マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットとは、すでに出願人が出願済の特許である、特許第5288507号公報に記載されているマジックミラーユニット及び特願2013- 36330号公報に記載の面状発光体である。
【0011】
該導光板は、アクリル樹脂製板の片面に光拡散ドット(白色インク)が印刷されたものであり、アクリル樹脂板の端面からLED素子により光を入光させ、光拡散ドットで散乱させる面状発光体である。アクリル樹脂は、透光性の高い物が好ましい。
【0012】
該ドット粒子は、透光性を有する面状体の表面に印刷できるインクであり、点状(粒子状)に所定の間隔を開けて印刷できるものであればいずれでも良い。点(粒子)の形状は、円形、多角形などいずれでも良い。また、LED光の拡散効果に影響を及ぼすために、インクに各種の顔料、溶剤、金属粉、金属粒子などが混合されたものでも良い。
【0013】
該LEDは、発光ダイオードであり、白色あるいは青色、赤色、黄色等、あるいはカラー発光するものでも良く、面状体の端面から光をスムーズに入光させることができるように、直線状に所定の間隔で並べて配置されたLEDバーモジュールを使用することが好ましい。
【0014】
該LED導光板にマジックミラー機能を付加するために、マジックミラーフィルムやマジックミラーガラス、マジックミラー樹脂板などを組み合わせて使用する。
【0015】
該カーテン状の発光表示は、LED素子の制御において、一端側のLED素子から他の端側のLED素子までを順番に点灯させたり、逆に消灯させたりする、リレー制御であり、これによりスムーズなカーテン状発光制御を実現するものである。
【0016】
本発明の請求項2は、前記の複数のLED素子を中心から両端側へ、あるいは両端側から中心に点灯あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0017】
カーテン状発光表示としては、LEDバーモジュールを面状発光体の上部または下部あるいは両方に取り付けた場合の左右への開閉表示と、LEDバーモジュールを導光板の左または右あるいは両方の端面に取り付け上下に開閉表示させるようにしても良い。
【0018】
本発明の請求項3は、前記のLED素子が、その最も輝度が高くなる光軸が導光板の端面に対して垂直から傾斜するように、該LED素子が傾けて設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0019】
該LED素子は、光軸を傾斜させて取り付けるために、LEDバーモジュールにLED素子取付用の傾斜させた台を設け、その台にLED素子を取り付けても良く、また、LED素子に傾斜した基台を取り付けたものをバーモジュールの基盤に取り付けたものでも良い。
【0020】
本発明の請求項4は、前記のLED素子は、その傾斜角度が有効照射角度の1/2の角度を傾けて取り付けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0021】
LED素子による光のアクリル導光板内での有効照射角度は、ほぼ80°〜90°程度である。その1/2の角度である、40°〜45°傾けて取り付けるものである。すなわち、1/2の角度で取り付けると、有効照射の方向は、導光板の端面に対して、垂直の方向から80°〜90°程度の角度までとなる。
【0022】
これにより、リレー制御で順次発光させると、点灯部と消灯部の境界線は、導光板の端面にほぼ垂直なラインを表示することになり、スムーズなカーテン移動の発光表示が可能となる。
【0023】
本発明の請求項5は、
前記のLED素子は、2個のLED素子が1対として設けられており、2個のLED素子が互いに外側に傾斜して1対で設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0024】
2個のLED素子を互いに外側を向けて取り付けると、2個のLED素子を両方点灯すると、アクリル導光板内での照射角度は160°〜180°程度になり、導光板の全面が発光する。
【0025】
2個のLEDの内の片方のみを点灯させると、前記に示すように、点灯部と消灯部の境界線がほぼ垂直となる。順番に点灯させると、カーテン状発光表示となり、1対の片方のみ点灯させた状態で移動表示を止めると、境界線はほぼ垂直の状態で停止することができる。
【0026】
一対のLED素子の各々のLED素子の点灯のタイミングの間隔を異なるようにすると、カーテン移動表示がスムーズに見えることとなる。また、中央から右側のLED素子の2個の点灯タイミングと、左側のLED素子の点灯タイミングを反対にすることで、中央から左右に開くカーテン状発光表示もスムーズに移動発光表示が可能となる。
【0027】
本発明の請求項6は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面にLED素子の取り付け位置に対応して、LED素子から照射された光が屈曲し、光路が端面に対して垂直に真下に進むような角度となる切れ込みが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0028】
LED素子からアクリル導光板内に照射される光は、下方に向かって、80°〜90°程度の照射角度で照射される。この光を垂直方向に屈曲させるように、導光板の端面を切れ込みを入れるものである。例えば、LED素子に対応する導光板の端面に、三角形状の切れ込みを加工するものである。三角形の頂点の角度は80°〜90°程度が好ましい。三角形の頂点がLED素子と同じ位置とすることが好ましい。
【0029】
本発明の請求項7は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、各LED素子間の中間の位置に対応して、スリット状の切れ込みが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0030】
該スリットは、導光板の端面に対して垂直に、切り込まれたもので、スリット幅は、0.1〜2mm程度が良く、好ましくは0.5〜1.0mm程度が良い。深さは10mm〜100mm程度が良く、好ましくは20mm〜50mm程度が良い。
【0031】
本発明の請求項8は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を吸収する黒色となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0032】
光を吸収するものであれば黒色インク以外の物でも良い。スリット部から外側への光の拡散を遮断し、できる限り真下に照射させるものであり、カーテン状発光表示における境界線をできる限り、まっすぐになるようにしたものである。
【0033】
本発明の請求項9は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を反射する鏡面となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0034】
該鏡面は、LED光を反射できるものであればいずれでも良く、スリット部で内側に反射させ、スリット部を境にその外側へに光の散乱を防止し、カーテン状発光表示における境界線をできる限り、まっすぐになるようにしたものである。
【0035】
本発明の請求項10は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面において、一方が光を反射する鏡面で、他方が光を吸収する黒色となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0036】
本発明の請求項11は、
前記のLED素子の先端部分に、照射した光が左右に広がらずに直進するように、筒状の導光管が設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0037】
該筒状の導光管は、LED素子の照射部に筒状の管を被せたものであり、LED素子の照射部から照射された光がほぼ直進するようにし、広がらないようにするものである。
【0038】
本発明の請求項12は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、該LED素子の取り付け位置に対応して、LED素子の幅に対応した直径であり、先端が細くなり尖った状態となる細孔が開けられていることを特徴とするカーテン状発光発光ユニットである。
【0039】
該細孔の孔径は、LED素子の外形サイズと同様とし、孔の深さは、10mm〜100mm程度が良く、さらに好ましくは、20mm〜50mm程度が良い。
【0040】
本発明の請求項13は、
前記の細孔の軸線状に導光板の光拡散ドットが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0041】
本発明の請求項14は、
前記の導光板に印刷される光拡散ドットにおいて、該ドットに対して真上から照射された光に対して光を拡散するように、該ドットの中央部分は光を拡散する白色となっており、該ドットに対して斜めに照射された光を吸収するように、該ドットの左右の端部は光を吸収する黒色となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニットである。
【0042】
該ドットの中央部の白色は、光を拡散する白色インクなどが使用できる。該ドットの左右の端部の黒色は、光を吸収する黒色インクが使用できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
1)面状発光ユニットにおいて、光面が上下左右に移動するように見える、光のカーテン状表示が可能となる。
【0044】
2)カーテン状表示において、光面が中心から両端部に、また両端部から中心部へ移動するように見える、両開きのカーテン状表示を実現できる。
【0045】
3)カーテン状表示において、点灯部と消灯部の境界線が垂直線となり、スムーズなカーテン動作を実現できる。
【0046】
3)向きを変えた2個のLED素子を一対として順番に点灯あるいは消灯させて制御することにより、光の移動がスムーズになる。
【0047】
4)有効照射角度の1/2の角度を傾けることにより、片側の有効照射限界線が下向きとなり、光の境界線が導光板の端面に対して垂直となる。
【0048】
5)光が屈曲して光路が真下に変更されるように、導光板の端面に切れ込み加工することにより、LED素子を特別に調整することなく、導光板の加工のみにより、光の境界線を垂直線となるように調整できる。
【0049】
6)導光板の端面にスリット状の切れ込みを入れることにより、LED素子を特別に調整することなく、光の境界線を垂直線となるように調整できる。
【0050】
7)導光板の端面のスリット状の切れ込みの内面を鏡面とすることにより、光の境界線を鮮明にすることができる。
【0051】
8)導光板の端面のスリット状の切れ込みの内面を黒色とすることにより、光を吸収し、光の境界線を鮮明にすることができる。
【0052】
9)導光板の端面に細孔を設けることにより、LED光が広がらずに絞られた光とすることができる。また、対応するドットのみを発光させることができる。
【0053】
10)ドットの左右の両端部を黒色とすることにより、上部からの光のみを発光させことができ、斜めからの光を吸収することができ、光の境界線を明確に表示できる。
【0054】
11)LED光の光特性を活かした、種々の発光による今までにない発光表示を実現できる。
【0055】
12)カラーLEDを用いることにより、カラードット粒子との組み合わせにより、様々な光の表現が可能であり、今までにない、カラフルでユニークなデザインが可能となる。アピール性の高い宣伝広告用パネルにも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明によるカーテン状発光ユニットの音開きのカーテン状発光状態を示す図である。
図2】LED導光板の上端部に設けられるLEDバーモジュールのLED素子の配置状態及びその発光状態を示す模式図である。
図3】本発明によるLEDバーモジュールを用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
図4】本発明によるLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
図5】本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
図6】本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
図7】本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明によるカーテン状発光ユニットを窓に使用した場合の実施の一形態を、図1に基づいて説明する。
【0058】
図1は、観音開きのカーテン状発光状態を示す。
【0059】
本実施の形態のカーテン状発光ユニット1は、アクリル樹脂製板の内側面にドット粒子が印刷されたLED導光板2の上部端面に、複数のLED素子が直線状に取り付けられたLEDバーモジュール3がその上端面に対面して設けられており、そのアクリル樹脂製板の内外面を2枚のガラス板で挟み込み、内面側のガラス板の内部側にマジックミラーシートが貼付され、サッシ枠4で固定され、窓構造ユニットを構成している。
【0060】
該導光板4は、透明で、透光性の高いアクリル樹脂製のものが使用されている。LEDバーモジュール3は、LEDチップがアルミ製基板上に所定の間隔で一列に配置されたLED発光装置である。LEDチップは単色、カラー色、いずれを用いても良い。LED光がアクリル樹脂板の内部に適切に入光するように、LED発光面は、アクリル樹脂板の端面にしっかりと対面させて設置する。
【0061】
該ガラス板は、一般建築用の窓ガラスに使用するガラス板を使用できる。マジックミラーシートは、市販されているマジックミラーシートを使用でき、反射率は70%〜90%程度のものが好ましく、マジックミラーシートを貼付するのではなく、マジックミラーガラスを使用しても良い。
【0062】
アクリル樹脂製のLED導光板2を内外面からガラス板で挟み込んだ状態でサッシ枠4により、固定されている。従来の2重ガラス窓のサッシ枠を使用しても良い。
【0063】
該マジックミラーシートは、アルミニウムや銀等の光線反射率の高い金属によって、所定の光線透過率(光線反射率)を有するように設けられた薄膜層がコーティング形成されたシートである。
【0064】
このような構成によるLED導光板2による発光ユニット1は、上部のLEDバーモジュール3の取り付けられたLED素子を両端側から順番に点灯されることにより、図1に示すように、中心側の消灯部5に対して、両側の発光部6a、6bが図中の矢印7に示すように中心側に向かって光が移動するように発光し、カーテン状に光を表現することができるものである。
【0065】
図2は、LED導光板の上端部に設けられるLEDバーモジュールのLED素子の配置状態及びその発光状態を示す模式図である。
【0066】
LEDバーモジュール3には、LED素子8a、8b、8cが一定の間隔で取り付けられている。この状態で、LED素子を点灯すると、(1)に示すように、ほぼ80°〜90°の照射角度で下方に向かって照射される。
【0067】
このLEDバーモジュール3のLED素子を左側から8a、8b、8cの順番に点灯させると、(2)に示すように、照射角度に従って、点灯部9と消灯部10の光の境界線11は斜めの曲線となり、カーテン状に点灯移動して表現されるが、境界線は垂直にはならない。
【0068】
図3は、本発明によるLEDバーモジュールを用いたカーテン状発光制御を示す模式図であり、LEDバーモジュール13に取り付けられるLED素子を2個(12L、12R)を一組として、互いに外側に向けて、照射角度に対して1/2の角度傾けて取り付けたものである。
【0069】
図に示すように、LEDバーモジュール13に三角状のLED素子の取付台14が設けられており、この取付台の左右の三角の面に各々LED素子12L、12Rが取付けられている。
【0070】
この状態でLED素子12L、12Rを点灯すると、LEDの照射角度は、最大で90°程度であり、(1)に示すように、各々の内側の照射限界線15L、15Rが垂直線となり、外側の照射限界線16L、16Rは、ほぼ水平線となり、LED導光板全体が発光する。
【0071】
この状態で左側のLED素子12Lを消灯すると、(2)に示すように、LED素子12Rの点灯により、光の発光部は、左側の境界線15Rから右側の境界線16Rまでとなる。
【0072】
このように2個のLED素子を互いに外側に向けて照射角度の1/2の角度を傾けて取り付けることにより、片側から順番に点灯すると、光の境界線が垂直線状となって発光移動し、カーテン状の発光表示となる。
【0073】
図4は、本発明によるLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
【0074】
このカーテン状発光制御は、LEDバーモジュールの構成を工夫することでLEDの照射角度を変更するものではなく、LEDモジュールを従来のままとし、LED導光板側を工夫することにより、カーテン状発光を実現するものである。
【0075】
すなわち、図に示すように、LED素子17a、17bの取り付け位置に対応して、LED素子17a、17bから照射された光が屈曲し、光路が端面に対して垂直に真下方向に進むような角度となる切れ込みを導光板の端面に設けるものである。
【0076】
アクリルの屈曲率を1.49とすると、LED素子から照射された光がアクリル導光板の端面から入光した場合、垂直線から、ほぼ42.2°の角度が限界照射角度となる。
【0077】
したがって、切れ込み面18の角度は、端面に対して40°〜45°程度が好ましく、三角形状の切れ込みとすれば、その頂点がLED素子の位置に対応するように設けることが好ましい。
【0078】
図5は、本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
【0079】
前記のLED素子8a、8bが対面して設けられているLED導光板19の端面19aには、各LED素子間の中間の位置に対応して、スリット状の切れ込み20が設けられている。
【0080】
該スリット20は、図に示すように、LED導光板19の端面19aに対して垂直に、切り込まれたもので、スリット幅は、1mmであり、深さは50mmである。
【0081】
(1)のスリット20は、その内側面が鏡面21となっており、この鏡面21でLED素子8a、8bから発せられた光が内側の鏡面21で反射し、光はスリット20より外側に広がらず、下方へ照射されることになる。
【0082】
ここで、LED素子を順番に点灯させると、スリット部20で光が下方に屈曲するので、カーテン状の発光となる。
【0083】
(2)のスリット20は、その内面が黒色22に彩色されており、この黒色のスリット面22で光が吸収される。
【0084】
ここで、LED素子を順番に点灯させると、スリット部20で光が吸収されてスリット20より外側に光が広がらないので、カーテン状の発光となる。
【0085】
図6は、本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
【0086】
(1)は、LED素子8a、8bの先端部分に、照射した光が左右に広がらずに直進するように、筒状の導光管23が設けられているものである。
【0087】
該筒状の導光管23は、LED素子8a、8bの照射部に筒状の管を被せたものであり、LED素子8a、8bの照射部から照射された光がほぼ直進するようにし、広がらないようにするものである。
【0088】
これにより、LED素子8a、8bからの光は、下方に向かって直線的に照射され、その照射線上に位置する光拡散ドット24が発光することとなる。
【0089】
ここで、LED素子を順番に点灯させると、導光管23の位置に対応した光拡散ドット24が発光するので、カーテン状の発光となる。
【0090】
(2)は、LED素子8a、8bが対面するLED導光板の端面19aの位置に、LED素子8a、8bの幅に対応した直径であり、先端が細くなり尖った状態となる細孔25が開けられているものである。
【0091】
該細孔25の孔径は、LED素子8a、8bの外形サイズと同様とし、孔の深さは、50mmとした。
【0092】
これにより、LED素子8a、8bからの光は、細孔25内を下方に向かって直線的に照射され、その照射線上に位置する光拡散ドット24が発光することとなる。
【0093】
ここで、LED素子を順番に点灯させると、細孔25の位置に対応した光拡散ドット24が発光するので、カーテン状の発光となる。
【0094】
図7、本発明による他のLED導光板を用いたカーテン状発光制御を示す模式図である。
【0095】
LED導光板2に印刷される光拡散ドット24において、(1)に示すように、該光拡散ドット24に対して真上から照射された光(光路1)に対して光を拡散するように、該ドット24の中央部分は光を拡散する白色部24aとなっており、該ドット24に対して斜めに照射された光(光路2)を吸収するように、該ドット24の左右の端部は光を吸収する黒色24bとなっている。
【0096】
(2)に示すように、該拡散ドット24の中央部の白色部24aは、光を拡散する白色インクなどが使用できる。該ドット24の左右の端部の黒色24bは、光を吸収する黒色インクが使用できる。
【0097】
LED素子8bから真下方向に照射された光、光路1では、(3)に示すように、中央の白色ドット部24aに光が照射され、発光する。
【0098】
LED素子8aから斜め方向に照射された光、光路2では、(4)に示すように、左右端部の黒色ドット部24bに光が照射され、その光は吸収され、発光しない。
【0099】
ここで、LED素子を順番に点灯させると、真下方向の光路1に対応した光拡散ドット24xは発光するが、斜め方向の光路2に対応した光拡散ドット24yは発光しないので、カーテン状の発光表示となる。
【0100】
以上のように、本発明によるカーテン状発光ユニットを用いることにより、光の境界面が直線的に表現できるカーテン状発光表示が可能となり、光のカーテンを実現でき、今までにないユニークな発光デザインとすることが可能である。
【0101】
尚、本発明の発光ユニットを用いた窓によれば、日中は、マジックミラー効果により、室内側からの眺望景観の確保と室外側からの覗き見防止が実現され、夜間は、発光効果により、室外側からの覗き見防止が実現されると共に、カーテンやブラインドを必要としない光のカーテンとなる。
【0102】
また、本発明による発光ユニットは、窓構造を有したどのような被取付物(例えば、ビルの窓、電飾看板、掲示板、店舗のショーウィンドウ、エレベータ外面窓、パーテーション等)に対しても適用できる。そして、室外側をライトアップすることにより、室内側からの眺望景観の確保、室外側からの覗き見防止、さらには、室外側から見える被取付物の外観のデザイン性の向上を図ることができるものである。
【0103】
さらに、本発明による発光ユニットは、発光装置が窓枠内に収まるため、様々な窓に適用可能である。例えば、電車や自動車などの窓にも適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 カーテン状発光ユニット
2 LED導光板
3 LEDバーモジュール
4 サッシ枠
5 消灯部
6a、6b 発光部
7 矢印
8a、8b、8c LED素子
9 点灯部
10 消灯部
11 光の境界線
12L、12R LED素子
13 LEDバーモジュール
14 LED素子の取付台
15L、15R 内側照射限界線
16L、16R 外側照射限界線
17a、17b LED素子
18 切れ込み面
19 LED導光板
19a 端面
20 スリット
21 鏡面
22 黒色面
23 導光管
24 光拡散ドット
24a 白色部
24b 黒色部
25 細孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7