【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1は、
マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットの発光制御において、導光板の端面にLED素子が対面させて設けられているLEDバーモジュールが、所定の間隔で取り付けられている複数のLED素子を一端側から他端側まで順番に点灯、あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0010】
該マジックミラー機能を有するLED導光板を用いた面状発光ユニットとは、すでに出願人が出願済の特許である、特許第5288507号公報に記載されているマジックミラーユニット及び特願2013- 36330号公報に記載の面状発光体である。
【0011】
該導光板は、アクリル樹脂製板の片面に光拡散ドット(白色インク)が印刷されたものであり、アクリル樹脂板の端面からLED素子により光を入光させ、光拡散ドットで散乱させる面状発光体である。アクリル樹脂は、透光性の高い物が好ましい。
【0012】
該ドット粒子は、透光性を有する面状体の表面に印刷できるインクであり、点状(粒子状)に所定の間隔を開けて印刷できるものであればいずれでも良い。点(粒子)の形状は、円形、多角形などいずれでも良い。また、LED光の拡散効果に影響を及ぼすために、インクに各種の顔料、溶剤、金属粉、金属粒子などが混合されたものでも良い。
【0013】
該LEDは、発光ダイオードであり、白色あるいは青色、赤色、黄色等、あるいはカラー発光するものでも良く、面状体の端面から光をスムーズに入光させることができるように、直線状に所定の間隔で並べて配置されたLEDバーモジュールを使用することが好ましい。
【0014】
該LED導光板にマジックミラー機能を付加するために、マジックミラーフィルムやマジックミラーガラス、マジックミラー樹脂板などを組み合わせて使用する。
【0015】
該カーテン状の発光表示は、LED素子の制御において、一端側のLED素子から他の端側のLED素子までを順番に点灯させたり、逆に消灯させたりする、リレー制御であり、これによりスムーズなカーテン状発光制御を実現するものである。
【0016】
本発明の請求項2は、前記の複数のLED素子を中心から両端側へ、あるいは両端側から中心に点灯あるいは消灯させ、カーテン状発光表示を行わせることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0017】
カーテン状発光表示としては、LEDバーモジュールを面状発光体の上部または下部あるいは両方に取り付けた場合の左右への開閉表示と、LEDバーモジュールを導光板の左または右あるいは両方の端面に取り付け上下に開閉表示させるようにしても良い。
【0018】
本発明の請求項3は、前記のLED素子が、その最も輝度が高くなる光軸が導光板の端面に対して垂直から傾斜するように、該LED素子が傾けて設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0019】
該LED素子は、光軸を傾斜させて取り付けるために、LEDバーモジュールにLED素子取付用の傾斜させた台を設け、その台にLED素子を取り付けても良く、また、LED素子に傾斜した基台を取り付けたものをバーモジュールの基盤に取り付けたものでも良い。
【0020】
本発明の請求項4は、前記のLED素子は、その傾斜角度が有効照射角度の1/2の角度を傾けて取り付けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0021】
LED素子による光のアクリル導光板内での有効照射角度は、ほぼ80°〜90°程度である。その1/2の角度である、40°〜45°傾けて取り付けるものである。すなわち、1/2の角度で取り付けると、有効照射の方向は、導光板の端面に対して、垂直の方向から80°〜90°程度の角度までとなる。
【0022】
これにより、リレー制御で順次発光させると、点灯部と消灯部の境界線は、導光板の端面にほぼ垂直なラインを表示することになり、スムーズなカーテン移動の発光表示が可能となる。
【0023】
本発明の請求項5は、
前記のLED素子は、2個のLED素子が1対として設けられており、2個のLED素子が互いに外側に傾斜して1対で設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0024】
2個のLED素子を互いに外側を向けて取り付けると、2個のLED素子を両方点灯すると、アクリル導光板内での照射角度は160°〜180°程度になり、導光板の全面が発光する。
【0025】
2個のLEDの内の片方のみを点灯させると、前記に示すように、点灯部と消灯部の境界線がほぼ垂直となる。順番に点灯させると、カーテン状発光表示となり、1対の片方のみ点灯させた状態で移動表示を止めると、境界線はほぼ垂直の状態で停止することができる。
【0026】
一対のLED素子の各々のLED素子の点灯のタイミングの間隔を異なるようにすると、カーテン移動表示がスムーズに見えることとなる。また、中央から右側のLED素子の2個の点灯タイミングと、左側のLED素子の点灯タイミングを反対にすることで、中央から左右に開くカーテン状発光表示もスムーズに移動発光表示が可能となる。
【0027】
本発明の請求項6は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面にLED素子の取り付け位置に対応して、LED素子から照射された光が屈曲し、光路が端面に対して垂直に真下に進むような角度となる切れ込みが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0028】
LED素子からアクリル導光板内に照射される光は、下方に向かって、80°〜90°程度の照射角度で照射される。この光を垂直方向に屈曲させるように、導光板の端面を切れ込みを入れるものである。例えば、LED素子に対応する導光板の端面に、三角形状の切れ込みを加工するものである。三角形の頂点の角度は80°〜90°程度が好ましい。三角形の頂点がLED素子と同じ位置とすることが好ましい。
【0029】
本発明の請求項7は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、各LED素子間の中間の位置に対応して、スリット状の切れ込みが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0030】
該スリットは、導光板の端面に対して垂直に、切り込まれたもので、スリット幅は、0.1〜2mm程度が良く、好ましくは0.5〜1.0mm程度が良い。深さは10mm〜100mm程度が良く、好ましくは20mm〜50mm程度が良い。
【0031】
本発明の請求項8は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を吸収する黒色となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0032】
光を吸収するものであれば黒色インク以外の物でも良い。スリット部から外側への光の拡散を遮断し、できる限り真下に照射させるものであり、カーテン状発光表示における境界線をできる限り、まっすぐになるようにしたものである。
【0033】
本発明の請求項9は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面側が光を反射する鏡面となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0034】
該鏡面は、LED光を反射できるものであればいずれでも良く、スリット部で内側に反射させ、スリット部を境にその外側へに光の散乱を防止し、カーテン状発光表示における境界線をできる限り、まっすぐになるようにしたものである。
【0035】
本発明の請求項10は、
前記のスリット状の切れ込みにおいて、切れ込み面の内面において、一方が光を反射する鏡面で、他方が光を吸収する黒色となっていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0036】
本発明の請求項11は、
前記のLED素子の先端部分に、照射した光が左右に広がらずに直進するように、筒状の導光管が設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0037】
該筒状の導光管は、LED素子の照射部に筒状の管を被せたものであり、LED素子の照射部から照射された光がほぼ直進するようにし、広がらないようにするものである。
【0038】
本発明の請求項12は、
前記のLED素子が対面して設けられている導光板の端面に、該LED素子の取り付け位置に対応して、LED素子の幅に対応した直径であり、先端が細くなり尖った状態となる細孔が開けられていることを特徴とするカーテン状発光発光ユニットである。
【0039】
該細孔の孔径は、LED素子の外形サイズと同様とし、孔の深さは、10mm〜100mm程度が良く、さらに好ましくは、20mm〜50mm程度が良い。
【0040】
本発明の請求項13は、
前記の細孔の軸線状に導光板の光拡散ドットが設けられていることを特徴とするカーテン状発光ユニットである。
【0041】
本発明の請求項14は、
前記の導光板に印刷される光拡散ドットにおいて、該ドットに対して真上から照射された光に対して光を拡散するように、該ドットの中央部分は光を拡散する白色となっており、該ドットに対して斜めに照射された光を吸収するように、該ドットの左右の端部は光を吸収する黒色となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテン状発光ユニットである。
【0042】
該ドットの中央部の白色は、光を拡散する白色インクなどが使用できる。該ドットの左右の端部の黒色は、光を吸収する黒色インクが使用できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
1)面状発光ユニットにおいて、光面が上下左右に移動するように見える、光のカーテン状表示が可能となる。
【0044】
2)カーテン状表示において、光面が中心から両端部に、また両端部から中心部へ移動するように見える、両開きのカーテン状表示を実現できる。
【0045】
3)カーテン状表示において、点灯部と消灯部の境界線が垂直線となり、スムーズなカーテン動作を実現できる。
【0046】
3)向きを変えた2個のLED素子を一対として順番に点灯あるいは消灯させて制御することにより、光の移動がスムーズになる。
【0047】
4)有効照射角度の1/2の角度を傾けることにより、片側の有効照射限界線が下向きとなり、光の境界線が導光板の端面に対して垂直となる。
【0048】
5)光が屈曲して光路が真下に変更されるように、導光板の端面に切れ込み加工することにより、LED素子を特別に調整することなく、導光板の加工のみにより、光の境界線を垂直線となるように調整できる。
【0049】
6)導光板の端面にスリット状の切れ込みを入れることにより、LED素子を特別に調整することなく、光の境界線を垂直線となるように調整できる。
【0050】
7)導光板の端面のスリット状の切れ込みの内面を鏡面とすることにより、光の境界線を鮮明にすることができる。
【0051】
8)導光板の端面のスリット状の切れ込みの内面を黒色とすることにより、光を吸収し、光の境界線を鮮明にすることができる。
【0052】
9)導光板の端面に細孔を設けることにより、LED光が広がらずに絞られた光とすることができる。また、対応するドットのみを発光させることができる。
【0053】
10)ドットの左右の両端部を黒色とすることにより、上部からの光のみを発光させことができ、斜めからの光を吸収することができ、光の境界線を明確に表示できる。
【0054】
11)LED光の光特性を活かした、種々の発光による今までにない発光表示を実現できる。
【0055】
12)カラーLEDを用いることにより、カラードット粒子との組み合わせにより、様々な光の表現が可能であり、今までにない、カラフルでユニークなデザインが可能となる。アピール性の高い宣伝広告用パネルにも使用できる。