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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-160608(P2015-160608A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】操舵角報知装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/04 20060101AFI20150811BHJP
【FI】
   B62D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-39167(P2014-39167)
(22)【出願日】2014年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】竹中 祐司
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DB16
3D030DB19
(57)【要約】
【課題】車両のステアリングホイールに設けられた発光部をステアリングホイールの操舵角に応じた発光態様で発光させることにより、運転者に対してステアリングホイールの操舵角を視覚的に報知することができる操舵角報知装置を提供する。
【解決手段】操舵角報知装置1は、車両のステアリングホイールの操舵角を示す操舵角情報を取得する取得部14と、ステアリングホイールに設けられた発光部3と、操舵角情報及び発光部3の発光態様を対応付けて記憶する記憶部13と、取得部14が取得した操舵角情報及び記憶部13が記憶する情報に基づいて、ステアリングホイールの操舵角に対応する発光態様で発光部3が発光するように発光部3の発光制御を行う制御部11とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングホイールの操舵角を示す操舵角情報を取得する取得部と、
前記ステアリングホイールに設けられた発光部と、
操舵角情報及び前記発光部の発光態様を対応付けて記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した操舵角情報及び前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対応する発光態様で前記発光部が発光するように該発光部の発光制御を行う制御部と
を備える操舵角報知装置。
【請求項2】
前記発光部は、
前記ステアリングホイールのハブ又はスポークに設けられている
請求項1に記載の操舵角報知装置。
【請求項3】
前記発光部は複数の発光素子を備え、
前記制御部は、
前記ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの前記発光素子を発光させる
請求項1又は請求項2に記載の操舵角報知装置。
【請求項4】
前記発光部は、
ニュートラル位置にある前記ステアリングホイールのハブ又はスポークの右側に配された右側発光素子と、該ハブ又はスポークの左側に配された左側発光素子とを含み、
前記制御部は、
前記ステアリングホイールが右回りに操舵されている場合、前記右側発光素子を発光させ、前記ステアリングホイールが左回りに操舵されている場合、前記左側発光素子を発光させる
請求項1又は請求項2に記載の操舵角報知装置。
【請求項5】
前記右側発光素子及び左側発光素子はそれぞれ複数であり、
前記制御部は、
前記ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの前記右側発光素子又は前記左側発光素子を発光させる
請求項4に記載の操舵角報知装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ステアリングホイールの操舵角が180度の略整数倍である場合、前記右側発光素子及び前記左側発光素子の双方を発光させる
請求項4又は請求項5に記載の操舵角報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリングホイールの操舵角に応じた発光態様で、該ステアリングホイールに設けられた発光部を発光させることにより、ステアリングホイールの操舵状態を報知する操舵角報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運転者が操舵操作を行う際に使用する操舵入力手段と、車両の左右の操舵輪との間に機械的な接続が無い所謂ステアバイワイヤ方式の操舵装置が開示されている。該操舵装置の操舵入力手段は、操作部材及び該操作部材の移動量を操舵操作量として検出する操舵操作量検出手段を備える。操舵装置は、操舵操作量検出手段により検出された操舵操作量に基づいて操舵輪の目標転舵角を設定し、操舵入力手段との機械的な連結無しに目標転舵角となるよう操舵輪を転舵させる。また、操舵装置は、操舵入力手段を振動させることによって操舵輪の転舵動作に伴う操舵反力の存在を運転者に伝える操舵反力伝達手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−290633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の操舵装置においては、操舵入力手段を振動させることによって、操舵輪が操舵されたことを運転者に伝えることができるが、運転中に操舵入力手段が振動すると、運転者は運転に集中できなくなるという問題があった。
また、操舵入力手段の操舵状態によっては、車両の発進時において操舵輪がどの程度操舵された状態にあるのかを、車内の運転者は認識できないという問題があった。例えば環状の操作部材が360度回転しているような場合、車内の運転者は操作部材が操舵されていない状態にあるのか、360度右回りに回転した状態にあるのか、あるいは360度左回りに回転した状態にあるのかを認識できない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両のステアリングホイールに設けられた発光部をステアリングホイールの操舵角に応じた発光態様で発光させることにより、運転者に対してステアリングホイールの操舵角を視覚的に報知することができる操舵角報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る操舵角報知装置は、車両のステアリングホイールの操舵角を示す操舵角情報を取得する取得部と、前記ステアリングホイールに設けられた発光部と、操舵角情報及び前記発光部の発光態様を対応付けて記憶する記憶部と、前記取得部が取得した操舵角情報及び前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記ステアリングホイールの操舵角に対応する発光態様で前記発光部が発光するように該発光部の発光制御を行う制御部とを備える。
【0006】
本発明にあっては、取得部がステアリングホイールの操舵角情報を取得する。記憶部は、操舵角情報と、ステアリングホイールに設けられた発光部の発光態様とを対応付けて記憶している。制御部は、前記取得部が取得した操舵角情報に対応する発光態様で発光部が発光するように該発光部の発光制御を行う。
従って、運転者は、発光部の発光態様を確認することによって、ステアリングホイールの操舵角を認識することが可能になる。
【0007】
本発明に係る操舵角報知装置は、前記発光部は、前記ステアリングホイールのハブ又はスポークに設けられている。
【0008】
本発明にあっては、発光部がステアリングホイールのハブ又はスポークに設けられているため、ステアリングホイールを掴む運転者の手で発光部が隠れることは無い。
【0009】
本発明に係る操舵角報知装置は、前記発光部は複数の発光素子を備え、前記制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの前記発光素子を発光させる。
【0010】
本発明にあっては、発光部が複数の発光素子を備え、ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの発光素子が発光する。
従って、運転者は、ステアリングホイールの操舵角の大きさを、発光している発光素子の数によって認識することができる。
【0011】
本発明に係る操舵角報知装置は、前記発光部は、ニュートラル位置にある前記ステアリングホイールのハブ又はスポークの右側に配された右側発光素子と、該ハブ又はスポークの左側に配された左側発光素子とを含み、前記制御部は、前記ステアリングホイールが右回りに操舵されている場合、前記右側発光素子を発光させ、前記ステアリングホイールが左回りに操舵されている場合、前記左側発光素子を発光させる。
【0012】
本発明にあっては、ステアリングホイールが右回りに回転した場合、ハブ又はスポークの右側に配された右側発光素子が発光し、ステアリングホイールが左回りに回転した場合、ハブ又はスポークの左側に配された左側発光素子が発光する。
従って、運転者はステアリングホイールが右回りに回転した状態にあるか、左回りに回転した状態にあるかを容易に認識することができる。
【0013】
本発明に係る操舵角報知装置は、前記右側発光素子及び左側発光素子はそれぞれ複数であり、前記制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの前記右側発光素子又は前記左側発光素子を発光させる。
【0014】
本発明にあっては、右側発光素子及び左側発光素子はそれぞれ複数であり、ステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの右側発光素子又は左側発光素子が発光する。
従って、運転者は、ステアリングホイールの操舵角の大きさを、発光している右側発光素子又は左側発光素子の数によって認識することができる。
【0015】
本発明に係る操舵角報知装置は、前記制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角が180度の略整数倍である場合、前記右側発光素子及び前記左側発光素子の双方を発光させる。
【0016】
本発明にあっては、ステアリングホイールの操舵角が180度の略整数倍である場合、前記右側発光素子及び前記左側発光素子の双方が発光する。ステアリングホイールの操舵角が180度の略整数倍である場合、右側発光素子及び左側発光素子は左右方向に配列する状態になるが、右側発光素子及び左側発光素子の双方が発光するため、ステアリングホイールの操舵方向が誤って認識されることは無い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車両のステアリングホイールに設けられた発光部をステアリングホイールの操舵角に応じた発光態様で発光させることにより、運転者に対してステアリングホイールの操舵角を視覚的に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態における操舵角報知システムの一構成を示すブロック図である。
図2】ステアリングホイールに設けられた発光部の一例を示す模式図である。
図3】発光態様テーブルの一例を示す概念図である。
図4】操舵角の報知に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
図5】ステアリングホイールを右回りに回転させたときの発光部の発光状態を示す模式図である。
図6】ステアリングホイールを大きく右回りに回転させたときの発光部の発光状態を示す模式図である。
図7】ステアリングホイールを左回りに回転させたときの発光部の発光状態を示す模式図である。
図8】ステアリングホイールを略180度回転させたときの発光部の発光状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、実施形態における操舵角報知システムの一構成を示すブロック図である。操舵角報知システムは車両に設けられており、操舵角報知装置1、発光ECU2、発光部3及び操舵角センサ4を備える。操舵角報知装置1は、操舵角センサ4によって検出された操舵角に応じた制御情報を発光ECU2へ送信することによって、発光部3の発光制御を行う。車両の運転者は発光部3の発光状態から、ステアリングホイール5(図2参照)の操舵方向及び操舵角の大きさを視覚的に認識することができる。
【0020】
操舵角報知装置1は、該操舵角報知装置1の各構成部の動作を制御する制御部11を備える。制御部11は、例えば一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU等を有する。制御部11には、バスを介して一時記憶部12、記憶部13、取得部14及び通信部15が接続されている。制御部11は、記憶部13に記憶されている後述の制御プログラムを一時記憶部12に読み出し、各構成部の動作を制御する。
【0021】
一時記憶部12は、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)等の揮発性メモリである。一時記憶部12は、制御部11の演算処理を実行する際に記憶部13から読み出された制御プログラム、演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。揮発性メモリは一時記憶部12の一例であり、不揮発性メモリで一時記憶部12を構成しても良い。
【0022】
記憶部13は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部13は、制御部11が操舵角報知装置1の各構成部の動作を制御することにより、ステアリングホイール5の操舵方向及び操舵角に応じた発光態様で発光部3を発光させる報知処理を実行するための制御プログラムを記憶している。記憶部13は、車両のステアリングホイール5の操舵角を示す操舵角情報と、発光部3の発光態様とを対応付けた情報として発光態様テーブル13aを記憶している。発光態様テーブル13aは、ステアリングホイール5の操舵方向及び操舵角に対応した発光態様を特定するためのテーブルである。発光態様テーブル13aの詳細は後述する。
【0023】
取得部14は、操舵角センサ4に接続されたインタフェースであり、操舵角センサ4によって検出されたステアリングホイール5の操舵角を示す操舵角情報を取得する。
【0024】
通信部15は、通信線を介して発光ECU2、その他のECUに接続されている。通信部15は、LIN(Local Interconnect Network)、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに従って、発光部3の発光を制御するための制御情報を発光ECU2へ送信する。
本実施形態では、操舵角報知装置1の取得部14に操舵角センサ4が接続されている例を説明するが、操舵角センサ4を通信線に接続し、制御部11が通信部15を介して操舵角情報を取得するように構成しても良い。
【0025】
図2は、ステアリングホイール5に設けられた発光部3の一例を示す模式図である。発光部3は、ステアリングホイール5のハブ5aに設けられている。発光部3は、ニュートラル位置にあるステアリングホイール5のハブ5aの右側に並置された複数の右側発光素子31と、ハブ5aの左側に並置された複数の左側発光素子32とを有する。複数の右側発光素子31及び左側発光素子32は、例えば横方向に5つずつ並び配されている。右側発光素子31及び左側発光素子32は、例えばLED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)等であるが、光源の種類は特に限定されるものでは無い。
【0026】
各右側発光素子31及び左側発光素子32は、発光ECU2に接続されている。発光ECU2は通信部21及び駆動部22を備える。通信部21は、通信線を介して操舵角報知装置1の通信部15に接続されており、LIN又はCAN通信プロトコルに従って、操舵角報知装置1から送信された制御情報を受信する。駆動部22には各右側発光素子31及び左側発光素子32が接続されており、発光ECU2は、受信した制御情報に従って駆動部22の動作を制御し、各右側発光素子31及び左側発光素子32を発光させる。具体的には、発光ECU2は、制御情報に含まれる発光態様の情報に従って、各右側発光素子31及び左側発光素子32のいずれか一つ又は複数を発光させる。
本実施形態では、操舵角報知装置1が発光ECU2へ制御情報を送信することによって、各右側発光素子31及び左側発光素子32の発光制御を行う例を説明したが、操舵角報知装置1が駆動部22を備え、各右側発光素子31及び左側発光素子32の発光を直接的に制御するように構成しても良い。
【0027】
図3は、発光態様テーブル13aの一例を示す概念図である。発光態様テーブル13aは、「操舵角」列、「右側発光素子」列、「左側発光素子」列から構成されている。各行には、ステアリングホイール5の操舵角の方向及び大きさを示す情報、右側発光素子31を点灯させる個数、左側発光素子32を点灯させる個数が格納されている。右側発光素子31及び左側発光素子32を点灯させる個数は、ステアリングホイール5の操舵角が大きくなる程、多くなるように構成されている。
【0028】
図4は、操舵角の報知に係る制御部11の処理手順を示すフローチャートである。制御部11は、操作角センサから取得部14を介して操舵角情報を取得する(ステップS11)。制御部11は取得した操舵角情報を記憶部13に記憶させる。そして、制御部11は、ステップS11で取得部14が取得した操舵角情報及び記憶部13が記憶する発光態様テーブル13aに基づいて、ステアリングホイール5の操舵角に対応する発光態様を特定する(ステップS12)。
【0029】
次いで、制御部11は、操舵角情報が示す操舵角が180度の略整数倍であるか否かを判定する(ステップS13)。180度の略整数倍は、180度の整数倍を含む所定角度範囲を意味する。所定角度範囲は例えば5〜10度である。ステアリングホイール5の操舵角が180度の略整数倍であると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部11は、発光ECU2へ制御情報を送信することにより、各右側発光素子31及び左側発光素子32の双方を点滅発光させ(ステップS14)、処理を終える。
【0030】
ステアリングホイール5の操舵角が180度の略整数倍で無いと判定した場合(ステップS13:NO)、制御部11は、ステップS12で特定された発光態様に基づく制御情報を発光ECU2へ送信することにより、ステアリングホイール5の操舵角に応じた発光態様で発光部3が発光するように、該発光部3の発光制御を行い(ステップS15)、処理を終える。例えば、制御部11は、ステアリングホイール5が右回りに操舵されている場合、右側発光素子31を発光させ、ステアリングホイール5が左回りに操舵されている場合、左側発光素子32を発光させる。また、操舵角の大きさが大きい程、より多くの右側発光素子31又は左側発光素子32を発光させる。右側発光素子31又は左側発光素子32を複数個点灯させる場合、ステアリングホイール5の中心側から順番に点灯させる個数を増加させると良い。
【0031】
図5は、ステアリングホイール5を右回りに回転させたときの発光部3の発光状態を示す模式図である。図5に示すようにステアリングホイール5が右回りに回転した場合、右側発光素子31が一つ発光する。より具体的には、図3に示すように、ステアリングホイール5の操舵角が、右回りの第1角度範囲である場合、発光部3の発光態様として、1つの右側発光素子31を発光させ、左側発光素子32を発光させない態様が特定される。制御部11は、特定された発光態様の制御情報を発光ECU2へ送信することにより、右側発光素子31を一つ発光させる。
【0032】
図6は、ステアリングホイール5を大きく右回りに回転させたときの発光部3の発光状態を示す模式図である。図6に示すように、ステアリングホイール5が更に右回りに回転した場合、右側発光素子31が2つ発光する。ステアリングホイール5の操舵角が更に大きくなった場合、発光する右側発光素子31の数が3つ、4つ、5つと増加する。
【0033】
図7は、ステアリングホイール5を左回りに回転させたときの発光部3の発光状態を示す模式図である。図7に示すようにステアリングホイール5が左回りに回転した場合、左側発光素子32が発光する。ステアリングホイール5の操舵角が更に大きくなった場合、発光する左側発光素子32の数が3つ、4つ、5つと増加する。
【0034】
図8は、ステアリングホイール5を略180度回転させたときの発光部3の発光状態を示す模式図である。ただし、ステアリングホイール5の操舵角が180度の略整数倍になった場合、制御部11は、右側発光素子31及び左側発光素子32の双方を点滅発光させる。ステアリングホイール5の操舵角が180度の略整数倍になった場合、右側発光素子31及び左側発光素子32の一方を発光させると、回転方向を誤解するおそれがあるためである。特に、ステアリングホイール5の操舵角が360度である場合、車両の運転者は、操舵角が0度で無いことを認識することができ、車両の発進時に車両が曲がってしまうことを防止することができる。
【0035】
このように構成された本実施形態に係る操舵角報知装置1によれば、車両のステアリングホイール5に設けられた発光部3をステアリングホイール5の操舵角に応じた発光態様で発光させることにより、運転者に対してステアリングホイール5の操舵角を視覚的に報知することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、発光部3がステアリングホイール5のハブ5aに設けられているため、ステアリングホイール5を掴む運転者の手で発光部3が隠れることは無く、車両の運転者はより確実に操舵角の情報を認識することができる。
【0037】
更に、本実施形態によれば、ステアリングホイール5のハブ5aに並置された複数の右側発光素子31及び左側発光素子32の発光によって、運転者に対して操舵状態をより詳細に報知することができる。
【0038】
更にまた、ステアリングホイール5が右回りに回転した場合、右側発光素子31が発光し、ステアリングホイール5が左回りに回転した場合、左側発光素子32が発光するため、運転者は、ステアリングホイール5の回転方向を直感的に認識することができる。
【0039】
更にまた、ステアリングホイール5の操舵角が大きい程、より多くの右側発光素子31又は左側発光素子32が発光するため、運転者は発光している右側発光素子31又は左側発光素子32の個数から、ステアリングホイール5の回転角の大きさを認識することができる。
【0040】
更にまた、ステアリングホイール5の操舵角が180度の略整数倍である場合、右側発光素子31及び左側発光素子32の双方が発光するため、ステアリングホイール5の操舵方向が誤って認識されることを防ぐことができる。
【0041】
なお、本実施形態では、発光部、即ち右側発光素子及び左側発光素子をハブに設ける例を説明したが、ステアリングホイールのスポークに発光部を設けても良い。
また、発光部は、ニュートラル位置にあるステアリングホイールにおけるハブの右側及び左側に複数の右側発光素子及び左側発光素子を備える例を説明したが、ステアリングホイールの任意の箇所に複数の発光素子を備えても良い。かかる場合、制御部は、操作角センサから取得部を介して操舵角情報を取得し、該操舵角情報が示すステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの発光素子を発光させるように制御すると良い。例えば、ハブの中央部に複数の発光素子を備え、制御部はステアリングホイールの操舵角が大きい程、より多くの発光素子を発光させる。
このように構成することにより、運転者は、ステアリングホイールの操舵角の大きさを、発光している発光素子の数によって認識することができる。
【0042】
また、本実施形態ではステアリングホイールの操舵角が180度の略整数倍である場合、右側発光素子及び左側発光素子の双方を点灯させる例を説明したが、操舵角が360度の略整数倍である場合に右側発光素子及び左側発光素子の双方を点灯させるように構成しても良い。
【0043】
更に、本実施形態では操舵角センサから操舵角情報を取得し、発光部の発光制御を行う例を示したが、取得した操舵角情報を制御部が記憶部に記憶させ、エンジン起動時又はエンジン起動前において、記憶部が記憶している操舵角情報を読み出し、読み出された該操舵角情報に基づいて、発光部の発光制御を行うように構成しても良い。例えば、車両のドアの施錠が解除された場合、又はドアが開扉した場合、制御部は、記憶部が記憶している操舵角情報に基づいて発光部の発光制御を行うと良い。この場合、操舵角センサの動作を開始させること無く、速やかにステアリングホイールの操舵角情報を運転者に報知することができる。
【0044】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
1 操舵角報知装置
2 発光ECU
3 発光部
4 操舵角センサ
5 ステアリングホイール
5a ハブ
11 制御部
12 一時記憶部
13 記憶部
13a 発光態様テーブル
14 取得部
15 通信部
21 通信部
22 駆動部
31 右側発光素子
32 左側発光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8