【解決手段】底壁部と該底壁部の周縁から立設された側壁部24とからなり、内部に収容室25が形成された発泡樹脂製の容器本体20を備え、該側壁部24は、前記収容室25が前記底壁部に向かうに従い窄まるように形成され、前記側壁部24の外面及び内面の双方もしくはいずれか一方には、凸状の補強部が形成されていることよりなる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる容器について、以下に図面を参照して説明する。
図1の容器1は、蓋体10と容器本体20とを備える。
【0010】
図1〜4に示すように、容器本体20は、平面視長方形の底壁部22と、底壁部22の周縁から立設された側壁部24とを備え、有底四角筒状とされている。容器本体20は、上端に開口部21が形成され、内部(即ち、底壁部22と側壁部24とで囲まれた空間)が収容室25とされている。
対向する側壁部24同士は、開口部21から底壁部22に向かうに従い互いに近づく。即ち、側壁部24は、収容室25が底壁部22に近づくに従い窄まるように形成されている。
【0011】
側壁部24の上端には、外方に張り出すフランジ部26が形成されている。フランジ部26は、開口部21を周回する。
フランジ部26には、上方に突き出た凸条である本体嵌合部28が形成されている。本体嵌合部28は、開口部21を周回する。
また、フランジ部26の下面には、本体嵌合部28の位置に、凹条である嵌合溝27が形成されている。
【0012】
側壁部24の4つの外面の各々には、フランジ部26の下端から底壁部22に向かって延びる複数の凸条30が形成されている。側壁部24の各外面において、複数の凸条30は、凸条30の幅方向に隣接して並んでいる。
本実施形態において、補強部は、側壁部24の外面に形成された複数の凸条30で構成されている。
【0013】
側壁部24の4つの内面の各々には、上下方向に延びる複数の凹条32が、凸条30の位置に形成されている。凹条32は、本体嵌合部28の下端近傍から底壁部22に向かって延びる。側壁部24の各内面において、複数の凹条32は、凹条32の幅方向に隣接して並んでいる。
【0014】
図2に示すように、底壁部22の内面には、上方に突出した凸条であるリブ23と、リブ23によってハニカム状に画された平面視六角形の凹部が形成されている。
【0015】
容器本体20は、発泡樹脂製である。容器本体20を構成する発泡樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の各種合成樹脂の発泡体を用いることができる。中でも、ポリスチレン系樹脂、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡性粒子による型内発泡成形体が好適に用いられる。ポリスチレン系樹脂の中でも、ポリスチレンが好ましい。スチレン改質ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られるものである。スチレン改質ポリオレフィン系樹脂の中でも、スチレン改質ポリエチレン樹脂が好ましく、例えば、スチレン成分40〜90質量%のものが好ましく、スチレン成分50〜85質量%のものがより好ましく、スチレン成分55〜75質量%のものがさらに好ましい。また、発泡樹脂の発泡倍数は、10〜70倍が好ましい。
また、容器本体20は、表面に非発泡層が形成されていてもよい。表面に非発泡層が形成されていることで、容器本体20の強度のさらなる向上を図れる。
【0016】
容器本体20の大きさは、収容される内容物の大きさや数量等に応じて適宜決定され、例えば、幅10〜50cm×長さ20〜150cm×高さ5〜50cm程度とされる。
側壁部24の厚みT1(
図4)は、内容物の重量を勘案して適宜決定され、例えば、5〜20mmの範囲で適宜決定される。厚みT1は、側壁部24の内面の基準面と、凸条30の突端までの距離である。
底壁部22の厚みT2は、側壁部24の厚みT1と同様である。底壁部22の厚みT2と側壁部24の厚みT1とは同じでもよいし異なってもよい。
【0017】
底面に対する側壁部24の外面の角度(傾斜角度θ)は、容器本体20の材質や、側壁部24の厚みT1等を勘案して決定され、例えば、50〜80°が好ましく、60〜70°がより好ましい。上記下限値未満では、側壁部24の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超では、スタック率が大きくなるおそれがある。
【0018】
本実施形態において、凸条30は、突端面が円弧状とされている。
凸条30の高さH1は、容器本体20の材質や、厚みT2等を勘案して決定され、例えば、1〜10mmが好ましく、3〜6mmがより好ましい。上記下限値未満では、容器本体20の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超では、スタック率が大きくなるおそれがある。
凸条30の長さは、容器本体20の大きさや材質等を勘案して決定される。例えば、
図4に示すように、容器本体20の高さh1と凸条30の高さh3との比(h3/h1比)は、60/100〜80/100が好ましく、65/100〜75/100がより好ましい。上記下限値以上であれば、容器本体20の強度のさらなる向上を図れ、上記上限値以下であれば、フランジ部26の大きさを十分なものにしやすい。
側壁部24の外面の面積に対して、補強部の形成されている面積は、50%以上が好ましく、50〜80%がより好ましい。上記下限値以上であれば、容器本体の強度のさらなる向上を図れ、上記上限値以下であれば、過剰な補強による樹脂使用量の増大を防止できる。
【0019】
凹条32の深さD1は、容器本体20の材質や、厚みT1、凸条30の高さH1等を勘案して決定され、例えば、1〜10mmが好ましく、3〜6mmがより好ましい。加えて、深さD1は、凸条30の高さH1と同じか、高さH1よりも大きいことが好ましい。深さD1が、高さH1と同じか、高さH1よりも大きければ、容器本体20同士を積み重ねた際に、上段の容器本体20の凸条30が下段の容器本体20の凹条32内に挿入され、スタック率のさらなる低減を図れる。
【0020】
本体嵌合部28は、突端に向かうに従い幅が広くなる。
本体嵌合部28の高さH2は、容器本体20の材質等を勘案して決定され、例えば、5〜15mmが好ましい。上記下限値未満では、本体嵌合部28を形成する効果が低下するおそれがある。上記上限値超では、本体嵌合部28の強度が低下するおそれがある。
本体嵌合部28の幅W1は、容器本体20の材質等を勘案して決定され、例えば、5〜15mmが好ましい。上記下限値未満では、本体嵌合部28の強度が低下するおそれがある。上記上限値超では、樹脂量が多くなり、経済的に不利となる場合がある。
【0021】
フランジ部26の高さH3は、容器本体20の材質等を関して決定され、例えば、35〜55mmが好ましく、40〜50mmがより好ましい。上記下限値以上であれば、容器本体20の強度をより高められ、上記上限値以下であれば、側壁部24の外面に形成される凸条30を十分な長さにしやすい。
嵌合溝27の深さD2は、本体嵌合部28の高さH2を勘案して決定され、本体嵌合部28の高さH2と同じか、高さH2よりも大きいことが好ましい。深さD2が、高さH2と同じか、高さH2よりも大きければ、容器本体20同士を積み重ねた際に、下段の容器本体20の本体嵌合部28が、上段の容器本体20の嵌合溝27に挿入され、スタック率のさらなる低減を図れる。
嵌合溝27の幅W2は、本体嵌合部28の幅W1を勘案して決定され、本体嵌合部28の幅W1と同じか、幅W1よりも大きいことが好ましい。幅W2が、幅W1と同じか、幅W1よりも大きければ、容器本体20同士を積み重ねた際に、下段の容器本体20の本体嵌合部28が、上段の容器本体20の嵌合溝27に挿入される。このため、フランジ部26の高さH3を大きくしても、スタック率の低減を図れる。
【0022】
蓋体10は、開口部21を塞ぐものであり、平面視長方形である。蓋体10には、開口部21を臨む面に、周縁に沿って周回する凹条である蓋体嵌合部12が形成されている。蓋体嵌合部12は、閉蓋した際に本体嵌合部28を受け入れる形状とされている。
蓋体10の大きさは、容器本体20の大きさに応じて適宜決定される。
蓋体10の材質は、特に限定されず、容器本体20の材質と同様の発泡樹脂、非発泡の樹脂等が挙げられる。蓋体10の材質は、容器本体20の材質と同じでもよいし、異なってもよい。
【0023】
次に、容器1の使用方法を説明する。
図5は、5個の容器本体20を積み重ねた状態を示す断面図であり、
図6は、
図5の領域Xの拡大図である。
図5の断面は、
図2におけるV−V断面である。
空状態の容器本体20は、
図5に示すように、複数個が積み重ねられた状態で、保管されたり輸送されたりする。
底壁部22を下にし、各々の容器本体20を積み重ねると、上段の容器本体20の底壁部22と側壁部24の一部が下段の容器本体20の収容室25内に挿入される。この際、上段の容器本体20の凸条30が、下段の容器本体20の凹条32に嵌め込まれる。このように、容器本体20の内面形状が、容器本体20同士を積み重ねた際に、容器本体20の外面形状を嵌入可能であるため、スタック率のさらなる低減を図れる。
また、容器本体20同士を積み重ねると、下段の容器本体20の本体嵌合部28が、上段の容器本体20の嵌合溝27に嵌め込まれる。この際、本体嵌合部28は、突端に向かうに従い幅が広くなっているため、嵌合溝27と強固に嵌合する(
図6)。このように、嵌合溝27が、容器本体20同士を積み重ねた際に、本体嵌合部28を嵌入可能であるため、スタック率のさらなる低減を図れる。加えて、嵌合溝27に本体嵌合部28が嵌め込まれると、容器本体20同士を積み重ねた状態で、フランジ部26がより強固となり、開口部21が変形しにくくなるため、空状態で容器本体20同士を積み重ねた状態での強度が高まる。
【0024】
容器1に内容物を収容する場合には、容器本体20の収容室25に内容物を収容し、蓋体10で開口部21を閉じる。この際、本体嵌合部28を蓋体嵌合部12に嵌め込む。このように、蓋体嵌合部12が本体嵌合部28を嵌入可能であるため、収容状態において、開口部21が変形しにくくなり、容器1の強度が高まる。
収容状態の容器1は、積み重ねられて保管されたり、輸送されたりする。
収容状態の容器1の積み重ね方は特に限定されず、平面視において、下段の容器1が上段の容器1で隠れるように、一列に積み重ねられてもよいし、複数の容器1で下段を構成し、上段の容器1が下段の複数の容器1に跨るように積み重ねられてもよい。
【0025】
本実施形態の容器1によれば、側壁部24は、収容室25が底壁部22に向かうに従い窄まるように形成されているため、容器本体20同士を積み重ねた際のスタック率を低減でき、より省スペース化を図れる。
加えて、容器本体20の内面形状が、容器本体20の外面形状を嵌入可能とされているため、スタック率のさらなる低減を図れる。
さらに、容器本体20のフランジ部26の下端に、嵌合溝27が形成されているため、嵌合溝27が形成されていない場合に比べて、スタック率の低減を図れ、かつ容器本体20同士を積み重ねた状態での強度の向上を図れる。
【0026】
本実施形態の容器1によれば、側壁部24の外面に凸条30が形成されているため、上からの荷重に対する強度が高められている。このため、側壁部24を過度に厚くしなくても、優れた強度を発揮でき、収容状態で容器1同士を積み重ねた際に、容器本体20が破損しにくい。
【0027】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる容器について、
図7〜8を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7の容器100は、蓋体10と容器本体120とを備える。
【0028】
図7〜8に示すように、容器本体20は、平面視長方形の底壁部122と、底壁部122の周縁から立設された側壁部124とを備え、有底四角筒状とされている。
対向する側壁部124同士は、開口部21から底壁部122に向かうに従い互いに近づく。即ち、側壁部124は、収容室25が底壁部122に近づくに従い窄まるように形成されている。
【0029】
側壁部124の上端には、外方に張り出すフランジ部126が形成されている。
フランジ部126には、上方に突き出た凸条である本体嵌合部28が形成されている。
【0030】
側壁部124の4つの外面の各々には、水平方向に延びる複数の凸条130が形成されている。凸条130は、断面視三角形とされ、側壁部124の各外面において、複数の凸条130は、凸条30の幅方向(即ち、容器本体120の上下方向)に隣接して並んでいる。
本実施形態において、補強部は、側壁部124の外面に形成された複数の凸条130で構成されている。補強部は、全体として階段状とされている。
【0031】
側壁部124の4つの内面の各々には、水平方向に延びる複数の凹条132が、凸条130の位置に形成されている。凹条132は、断面視三角形とされている。側壁部24の各内面において、複数の凹条32は、凹条32の幅方向(即ち、容器本体120の上下方向)に隣接して並んでいる。本実施形態において、側壁部124の内面は、複数の凹条132によって、階段状とされている。
【0032】
容器本体120の材質は、第一の実施形態における容器本体20の材質と同様である。
側壁部124の厚みは、第一の実施形態における側壁部24の厚みと同様であり、底壁部122の厚みは、第一の実施形態における底壁部22の厚みと同様である。
側壁部124の傾斜角度は、第一の実施形態における側壁部24の傾斜角度θと同様である。
【0033】
凸条130の高さは、第一の実施形態における凸条30の高さと同様である。
凸条130の長さは、容器本体120に求める強度等を勘案して、適宜決定される。
凹条132の深さは、第一の実施形態における凹条32の深さと同様である。
凹条132の長さは、凸条130の長さ等を勘案して決定される。
【0034】
本実施形態によれば、容器本体120の外面及び内面が共に階段状とされているため、容器本体120同士を重ね合わせるのが容易である。
【0035】
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態にかかる容器について、
図9を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同じ構成には同じ符号をし、その説明を省略する。
図9の容器200は、蓋体10と容器本体220とを備える。容器200は、収容室25内に補強部材240が設けられている以外は、第一の実施形態における容器1と同様である。
【0036】
補強部材240は、対向する側壁部224に跨って設けられている。補強部材240は、対向する側壁部224同士に跨る架橋部242と、架橋部242の両端に突設された係止爪244とを備える。
側壁部224の内面には、係止爪244が挿入される係止穴226が形成されている。
架橋部242は、角柱状、円柱状等の棒状でもよいし、平板状でもよい。
補強部材240の材質は、特に限定されず、例えば、第一の実施形態における容器本体20と同様の材質が挙げられる。
【0037】
本実施形態によれば、補強部材240が対向する側壁部224に跨って設けられているため、収容状態で積み重ねられた際に、側壁部224が広がるのを抑制し、強度のさらなる向上を図れる。
【0038】
(第四の実施形態)
本発明の第四の実施形態にかかる容器について、
図10を参照して説明する。
図10は、内容物350が収容された容器300を積み重ねた状態を示し、容器300を平面視短手方向に沿って切断した断面図である。
容器300は、蓋体310と容器本体320とを備える。
蓋体310は、その周縁近傍に凸部312が形成された以外は、第一の実施形態の蓋体10と同じである。凸部312の高さは特に限定されず、例えば、5〜15mmとされる。凸部312の平面視の大きさは特に限定されず、例えば、10〜50mm×10〜50mmとされる。
また、容器本体320は、底面に凹部321が形成された底壁部322を備える以外は、第一の実施形態の容器本体20と同じである。凹部321の大きさは、水平方向に並べられた2つの凸部312が受け入れられる大きさとされている。
【0039】
収容状態の容器300は、
図10のように積み重ねられる。即ち、水平方向に並べられた2つの容器300を下段とし、下段の2つの容器300に跨るように、上段の容器300を載せている。この状態において、下段の容器300の蓋体310の凸部312が、上段の容器300の底壁部322の凹部321に嵌め込まれている。このため、積み重ねられた容器300は、輸送中の姿勢が安定する。
【0040】
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第四の実施形態では、容器本体が有底四角筒状とされているが、本発明はこれに限定されず、容器本体が、有底三角筒状、有底五角筒状等、有底四角筒状以外の有底多角筒状でもよいし、有底円筒状でもよい。加えて、蓋体の形状は、容器本体の形状に合わせて適宜選択されればよい。
【0041】
第一〜第四の実施形態では、側壁部の外面に補強部(凸条)が形成されているが、本発明はこれに限定されず、側壁部の外面及び内面の双方もしくはいずれか一方に補強部が形成されていればよい。側壁部の内面に補強部が形成されている場合、側壁部の外面に補強部と相補形を成す凹部が形成されていることが好ましい。
【0042】
第一〜第四の実施形態では、側壁部の内面に補強部を受け入れる凹条が形成されているが、本発明はこれに限定されず、側壁部の内面が平坦でもよい。ただし、スタック率のさらなる低減を図る観点から、側壁部の内面には、容器本体同士を積み重ねた際に、補強部を受け入れる凹部が形成されていることが好ましい。
【0043】
第一〜第四の実施形態では、上下方向又は水平方向に延びる凸条により補強部が構成されているが、本発明はこれに限定されない。
補強部は、側壁部の表面から突出した凸状のものであればよく、例えば、上下方向に延びる凸条と、水平方向に延びる凸条との組み合わせでもよいし、曲線でもよいし、側壁部の表面から突出して形成された文字、図柄等でもよい。
ただし、容器本体を容易に成形でき、容器本体の強度をより高める観点からは、補強部は、上下方向に延びる凸条又は水平方向に延びる凸条を有していることが好ましい。
【0044】
第一、第三及び第四の実施形態では、凸条の下端が底面に至っているが、本発明はこれに限定されず、凸条の下端が底面に至っていなくてもよい。ただし、容器本体の強度のさらなる向上を図る観点からは、凸条の下端が底面に至っていることが好ましい。
【0045】
第一、第三及び第四の実施形態では、底壁部の内面に、リブによってハニカム状に画された平面視六角形の凹部が形成されているが、本発明はこれに限定されない。リブは、凹部が六角形以外の多角形や円形となるように、形成されていてもよい。
【0046】
第一〜第四の実施形態では、蓋体を上方にして、容器同士が積み重ねられるが、本発明はこれに限定されない。
例えば、
図11に示すように、蓋体10を上方にした容器1と、蓋体10を下方にした容器1とが水平方向に交互に並べられ、かつ蓋体10同士が当接するか又は底壁部22同士が当接するように、容器1同士を積み重ねてもよい。
図11のように積み重ねることで、保管時又は輸送時における積載効率を高められる。
【実施例】
【0047】
以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0048】
(実施例1)
ポリスチレンとして、食品用発泡樹脂ポリスチレン粒子(商品名「HDMF2]、積水化成品工業株式会社製)を用いた。このポリスチレン粒子を円筒型バッチ式予備発泡機に供給し、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気で加熱し、予備発泡粒子(嵩密度0.025g/cm
3、発泡倍数=40倍)を得た。
得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間放置した。その後、予備発泡粒子を成形型内に充填し、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間加熱した。次いで、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、第一の実施形態の容器本体20と同様の容器本体を取り出した。得られた容器本体は、平面視長さ490mm×幅360mm、高さ174mm、フランジ部の高さが43mm、密度0.025g/cm
3(発泡倍数40倍)であり、その他の仕様は表1に記載の通りである。
また、容器本体と同様にして、第一の実施形態と同様の蓋体を得た。得られた蓋体は、平面視長さ490mm×幅360mm、厚み24mmであった。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0049】
(実施例2)
底壁部にリブを形成しない以外は、実施例1と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0050】
(実施例3)
フランジ部の下部に嵌合溝を形成せず、フランジ部の高さを38mmとした以外は、実施例2と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0051】
(実施例4)
食品用発泡樹脂ポリスチレン粒子に代えて、スチレン改質ポリエチレン(商品名「ピオセラン」、積水化成品工業株式会社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0052】
(実施例5)
容器本体を第二の実施形態の容器本体と同様にした以外は、実施例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0053】
(比較例1)
側壁部の傾斜角度を90°とし、補強部である凸条及び側壁部内面の凹条を形成しない以外は、実施例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0054】
(比較例2)
容器本体を特許文献1の
図1と同様の形状とした以外は、実施例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0055】
(比較例3)
補強部である凸条及び側壁部内面の凹条を形成しない以外は、実施例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0056】
(比較例4)
側壁部の厚みを12.3mmとした以外は、比較例3と同様にして容器本体及び蓋体を得た。
得られた容器本体について、スタック率を評価し、その結果を表1に示す。また、蓋体と容器本体とについて、強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0057】
(評価方法)
<スタック率>
図5に示すように、容器本体5個を積み重ねて、高さh2を測定し、下記(2)式によりスタック率を求めた。
スタック率(%)=h2÷(h1(174mm)×5)×100 ・・・(2)
スタック率が40%以下を「◎(非常に省スペース化が図れる)」、40%超50%未満を「○(十分に省スペース化を図れる)」、50%以上を「×(省スペース化が不十分である)」と評価した。
【0058】
<強度>
容器本体に蓋体を被せて容器とし、この容器に対し、蓋体から下方に向けて荷重を掛けた。この際、容器が破損するまでの最大荷重を強度(N)とした。
強度が1700N以上を「○(十分)」、1700N未満を「×(不十分)」と評価した。
【0059】
<総合評価>
スタック率の評価及び強度の評価が、いずれも「○」又は「◎」である場合を総合評価「○(十分)」と評価し、スタック率の評価及び強度の評価の双方もしくはいずれか一方が「×」である場合を総合評価「×(不十分)」と評価した。
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜5は、総合評価が「○」であった。中でも、嵌合溝が形成され実施例1及び2は、嵌合溝が形成されていない実施例3〜5に比べて、強度が高まっていた。
一方、側壁部の傾斜角度が90°である比較例1〜2は、強度に優れるもの、スタック率が不十分であった。加えて、補強部が形成されていない比較例3〜4は、強度が不十分であった。
これらの結果から、本発明を適用した容器は、優れた強度を有し、保管時又は輸送時に、より省スペース化を図れることが確認された。