【解決手段】筐体の上部空間に、熱交換器50、補助ヒータ装置32、膨張タンク36および循環ポンプ39を配置し、筐体の下部空間に、第2配管31の給排水弁38a,38b、圧力計35,圧力安全弁37およびストレーナ34を含むように配置して、上部空間に電装品箱60を下部空間の前面を遮蔽することなく取り付ける。
熱媒体を加熱する熱源ユニットと、水を循環させる温水ユニットと、利用側の暖房ユニットとを備え、上記温水ユニットの筐体内に、第1接続口を介して上記熱源ユニットと接続され上記熱媒体が循環する第1配管と、第2接続口を介して上記暖房ユニットが水循環路の一部に含まれるように接続される第2配管と、上記第1配管を流れる熱媒体と上記第2配管を流れる水との間で熱交換し、上記熱媒体により上記第2配管内の水を所定温度の温水とする熱交換器と、電装品箱とが含まれており、上記第2配管に、少なくとも補助ヒータ装置、循環ポンプ、給排水弁、圧力計、圧力安全弁、膨張タンクおよびストレーナが設けられ、上記第1および第2接続口がともに上記筐体の底面に配置されている温水暖房装置において、
上記筐体の上部空間内に、上記熱交換器、上記補助ヒータ装置、上記膨張タンク、上記循環ポンプおよび電装品箱が配置されており、
上記筐体の下部空間内で、上記第2配管のうちの上記第2接続口から上記筐体の上部空間に至る配管部分に上記給排水弁、上記圧力計、上記圧力安全弁および上記ストレーナが設けられており、上記筐体の下部空間の少なくとも筐体前面側が、当該温水暖房装置の設置時およびメンテナンス時の作業性を高めるため開放されていることを特徴とする温水暖房装置。
上記筐体は、所定の壁面に沿って設置される背板と、上記背板の下端から上記壁面から離反する方向に水平に突設された底板と、天面、前面および左右側面を覆うように上記背板に着脱可能に取り付けられる箱形の外装カバーとを含み、
上記外装カバーを取り外した際に、上記筐体の下部空間の少なくとも筐体前面側が開放された状態で現れることを特徴とする請求項1に記載の温水暖房装置。
【背景技術】
【0002】
最近では、石油やガスなどの化石燃料を使用する燃焼系の温水暖房装置に代えて、ヒートポンプユニットを熱源とする温水暖房装置が提案されている。その一例として、例えば特許文献1には、ヒートポンプユニット(通常は屋外に設置)を熱源とし、温水ユニット(通常は屋内に設置)との間で熱交換することで温水を生成して、閉ループ型の温水循環路を循環させて給湯や床暖房器で放熱するヒートポンプ式温水暖房装置が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のヒートポンプ式温水暖房装置によれば、ヒートポンプユニットを熱源としているため、火災などの事故が起きにくく、CO
2排出量も少ないため地球環境にも優しい。また、ヒートポンプユニットの駆動制御が細かく設定できるため、温水の設定温度を低温から高温まで幅広く設定することができる。
【0004】
ところで、この種の温水ユニットは、箱形の筐体を有し、その内部には、温水循環用の配管やポンプ、制御用の電装品を備えた電装品箱などが収納されている。また、筐体の底面には、温水の送り側と戻り側の温水接続口や冷媒接続口などが設けられており、そこから筐体内に温水や冷媒が引き込まれるようになっている。したがって、この種の筐体は、底面を浮かせるため、例えば家屋などの固定構造物のほぼ垂直な壁面に対して取り付けられる壁掛け式である(例えば特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、従来の温水ユニットは、まず、熱交換器や膨張タンク、循環ポンプや補助ヒータ装置などの大型部品のレイアウト設計を行った後、それら大型部品の位置に合わせて配管設計をしていた。そのため、圧力計や圧力安全弁、給排水弁などの小型の計器類は筐体内でまとまり無く配置されていた。
【0006】
また、温水ユニットは壁面に設置した後で、配管内への水の充填作業を行うが、その際、これら計器類が筐体内に分散して配置されていたため、作業効率が悪かった。さらに、電装品箱が、筐体の前面を塞ぐように配置されていたため、電装品箱を外して作業する必要があった。
【0007】
また、温水ユニットを屋内の隅に設置するような状況では、側面に開口スペースがなく、筐体内に前面からしかアクセスができないため、場合によっては、各部品を取り外して保守しなければならず、作業性が極めて悪かった。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、
図1ないし
図5を参照して、本発明の温水暖房装置について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、この実施形態に係る温水暖房装置10は、ヒートポンプユニット20と、ヒートポンプユニット20を熱源とする温水ユニット30と、利用側の暖房端末を備えた暖房ユニット40とを備えている。
【0017】
ヒートポンプユニット20は、熱媒体である冷媒を圧縮する圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23および蒸発器24を備え、それらを冷媒配管25で接続してなる冷媒回路を備えている。ヒートポンプユニット20には、冷媒配管25を温水ユニット30内の第1配管26に接続するための往路側と復路側の2つの冷媒接続口25a,25bが設けられている。
【0018】
本発明において、ヒートポンプユニット20は、暖房用の熱源として用いるため、可逆サイクルのため四方弁は特に必要としない。したがって、温水を生成する熱源となりうる最小限の機能を備えていればよく、各構成要素の具体的な構成は、仕様に応じて任意に選定されて良い。
【0019】
温水ユニット30には、冷媒接続口25a,25bを介してヒートポンプユニット20に接続される第1配管26と、温水接続口31a,31bを介して暖房ユニット40側の放熱回路41に接続される第2配管31と、冷媒と水との間で熱交換する熱交換器50とが設けられている。
【0020】
熱交換器50は、水−冷媒熱交換器であって、この実施形態において、温水ユニット30の第2配管31の一部分に設けられている所定容積の循環水用のタンク51内に凝縮器22が収納され、タンク51内で循環水が凝縮器22により加熱されて温水が生成されるる。なお、図示しないが、熱交換器50を例えば二重管熱交換器としてもよい。
【0021】
第2配管31は、熱交換器50で生成された温水を暖房ユニット40に送り出す往路側の温水接続口31aと、暖房ユニット40で放熱した温水を温水ユニット30内に戻す復路側の温水接続口31bとを備えている。
【0022】
第2配管31のうちの熱交換器50と往路側温水接続口31aとの間の往路側配管311には、熱交換器50で生成された温水をさらに加熱する補助ヒータ装置32、空気抜き弁33および第1給排水弁38aが配置されている。
【0023】
補助ヒータ装置32は、円筒状ケーシングの中に電気ヒータを有し、流入口から内部に引き込まれた水または温水(以下、まとめて循環水とする)が下流側に向かって流れながら電気ヒータで加熱され、流出口(ともに図示しない)から流出するようになっている。
【0024】
空気抜き弁33は、補助ヒータ装置32内に溜まった空気を大気中に放出するため、補助ヒータ装置32の上端に取り付けられている。空気抜き弁33の具体的な構成は、本発明において任意的事項である。
【0025】
第1給排水弁38aは、第2配管31内に水を注水したり、循環水を抜き取るために設けられており、先端には、水道管などに接続されるニップル381と開閉コック382(
図5参照)が設けられている。第1給排水弁38aは、往路側温水接続口31aに隣接して設けられている。
【0026】
第2配管31のうちの復路側温水接続口31bと熱交換器50との復路側配管312には、ストレーナ34、圧力計35、膨張タンク36、圧力安全弁37、第2給排水弁38bおよび循環ポンプ39がそれぞれ配置されている。
【0027】
ストレーナ(不純物除去手段)34は、第2配管31内を流れる循環水に含まれるゴミや不純物を除去する。ストレーナ34以外に、循環水に含まれるカルシウム成分の析出物であるスケール(炭酸カルシウムCaCo
3)を除去するスケール除去手段をさらに備えていてもよい。スケール除去手段の一例としては、循環水をヒータで温めてヒータにスケールを付着させて除去するスケール除去ヒータがある。
【0028】
圧力計35は、暖房ユニット40が接続されることにより閉ループ回路となる第2配管31内の管内圧力を測定するために用いられる。圧力計35の測定データは、図示しない制御部に送られる。
【0029】
膨張タンク36は、循環水の熱膨張を吸収するタンクである。圧力安全弁37は、循環水が沸騰するなどして第2配管31内の管圧が規定値以上となった際に、管破裂を防ぐために強制的に第2配管31を外気に開放するリリーフバルブである。
【0030】
第2給排水弁38bは、第2配管31内に水を注水したり、第2配管31内の循環水を抜き取るために設けられており、先端には、水道管などに接続されるニップル381と開閉コック382が設けられている(
図5参照)。この実施形態において、第2給排水弁38bは、復路側温水接続口31bに隣接して設けられている。
【0031】
循環ポンプ39は、第2配管31内の循環水を一方向(この実施形態では時計回り)に循環するためのポンプであって、制御部により、その駆動が制御される。
【0032】
暖房ユニット40は、往路側の温水接続口31aと復路側の温水接続口31bとを介して、温水ユニット30側の温水循環路31にそれぞれ接続される放熱回路41を備えている。温水循環路41には、熱源の利用側としての暖房端末42が設けられている。暖房端末42は、例えば床暖房装置やラジエータ、ファンコンベクタなどであってよい。
【0033】
次に、
図2ないし5を併せて参照し、温水ユニット30の筐体構造について説明する。まず、温水ユニット30は、例えば家屋などの固定構造物のほぼ垂直な壁面に沿って取り付けられる背板100と、背板100の下端からほぼ水平に、壁面から離反する方向に突設される底板200とを有し、それらが外装カバー30aによって覆い隠されている。
【0034】
背板100は、金属製の頑丈な平板が用いられており、その上端には、温水ユニット30を壁面に取り付けるための取付孔101が2カ所設けられている。背板100には、熱交換器50と膨張タンク36を背板100に固定するための支持部材300が設けられている。
【0035】
図3を参照して、支持部材300は、熱交換器50の底面側を支える第1支持部材310と、膨張タンク36の底面側を支える第2支持部材320と、熱交換器50と第2支持部材320を組として、その上部を支える第3支持部材330とを備えている。
【0036】
第1支持部材310は、背板100に対してほぼ直角で水平方向に立設され、熱交換器50の幅に合わせて左右(
図3では紙面に垂直な方向)に延在する金属製の支持プレートであって、熱交換器50の底面51を支える水平な第1支持部311が設けられている。第1支持部材310の両端には、補強板312が背板100の上下方向に沿って設けられている。
【0037】
第2支持部材320は、背板100に対してほぼ直角で水平方向に立設され、膨張タンク36の幅に合わせて左右に延在する金属製の支持プレートであって、膨張タンク36の背面361(
図3では左側面)が熱交換器50の前面53(
図3では右側面)に沿って当接する位置で、膨張タンク36の底面362を支持可能な高さを有している。
【0038】
第2支持部材320には、膨張タンク36の背面361,底面362,前面363および左右両側面365,365を支持する第2支持部321が設けられている。第2支持部321は、膨張タンク36の下端側を差し込んで、底面362を水平に支持する筒状に形成されている。第2支持部材320にも、その両端に補強板322が設けられている。
【0039】
第3支持部材330は、背板100に対して着脱可能であって、熱交換器50と膨張タンク36を一組として、その上部を囲むように取り付けられるキャップ状に形成されている。この実施形態において、第3支持部材330は、熱交換器50の上面54と両側面55,55、ならびに、膨張タンク36の両側面365,365と上面364から前面363にかけての角部を一体的に覆うように被せられるが、少なくとも外周を囲むように配置されていれば良い。
【0040】
これによれば、第1支持部材310に熱交換器50を載せてから、膨張タンク36を第2支持部材320に取り付けた後、それらに第3支持部材330を被せて、第3支持部材330を背板100にネジ止めすることで、熱交換器50と膨張タンク36とを一体的に固定することができ、合理的なレイアウトによってメンテナンス性が向上する。
【0041】
図2,3に示すように、第2支持部材320と第3支持部材330には、電装品箱60を取り付けるための支柱340が取り付けられている。
図4に示すように、支柱340は、第2支持部材320と第3支持部材330の正面左側の角部に沿ってネジ止めされるL字型アングルで、そこに電装品箱60の底面の左側がネジ止め固定される。
【0042】
この実施形態において、電装品箱60と支柱340は、図示しないヒンジ手段を介して取り付けられており、電装品箱60がヒンジ部を中心に開閉可能となっている。本発明において、「上部空間」とは、電装品箱60が配置された空間を含む、筐体中の上方の空間をいい、「下部空間」とは、上部空間を除く、筐体中の下方の空間をいう。
【0043】
電装品箱60は、内部に温水暖房装置10を制御するための、例えば制御基板や電源回路などが収納されており、内部に水や埃が浸入しにくい構造になっている。電装品箱60には、万が一、電装品箱60内で火災が発生した際、筐体から外に延焼しない加工が施されていることが好ましい。
【0044】
筐体の上部空間にはさらに、第2配管31の往路側の循環ポンプ39が設けられている。これにより、熱交換器50、膨張タンク36、補助ヒータ装置32、循環ポンプ39および電装品箱60という大型の構成部品が空間上部に配置されることで、下部空間が露出する。
【0045】
図5に示すように、底板200の左端側に設けられた復路側温水接続口31bから筐体内に引き込まれた第2配管31の復路側配管312は、まず、背板100に沿って垂直に配管されたのち、ほぼ直角に折り曲げられ、右側面に向かって水平に延び、さらに右側面から左斜め上に向かって鋭角的に折り曲げられて上部空間に配置された循環ポンプ39に接続される。その途中の下部空間に復路側配管312の給排水弁38b,圧力計35、圧力安全弁37およびストレーナ34が配置されている。
【0046】
また、第2配管31の復路側配管311は、底板200のほぼ中央に設けられた往路側温水接続口31aから上部空間にある補助ヒータ装置32の流出口の高さまでほぼ垂直に配置されたのち、そこから補助ヒータ装置32に向かってほぼ直角に折り曲げられ、さらに補助ヒータ装置32の前面に向かって背板100側に向けて折り曲げられて補助ヒータ装置32の流出口に接続される。その途中の下部空間に給排水弁38aが配置される。
【0047】
これによれば、第2配管31のへの注水作業を行う際に必要な計器類(給排水弁38a,38b,圧力計35および圧力安全弁37)が全て下部空間に集中配置されており、かつ、それらは筐体の前面に向かって露出しているため、注水および排水作業を効率よく行うことができるし、電装品箱60に水が係ることも無い。
【0048】
また、不純物を除去するストレーナ34も筐体の下部空間に収納したことにより、ストレーナ34に溜まった不純物を簡単に除去することができる。
【0049】
さらには、熱交換器50と膨張タンク36を前後に重ねて背板100に立て掛けるようにして上部空間に配置し、さらに循環ポンプ39や補助ヒータ装置33などの大型部品も上部空間に合理的に配置したことにより、レイアウトの最適化を図ることができる。
【0050】
また、筐体の上部空間の前面に電装品箱60を取り付けることにより、電装品箱60を取り外さずに、下部空間でのメンテナンス作業を行うことができる。さらには、電装品箱60が上部の最前面に配置されているため、水の影響を極力受けにくくなる。
【0051】
以上、説明したように、本発明によれば、筐体の上部空間に、熱交換器、補助ヒータ装置、膨張タンクおよび循環ポンプを配置し、筐体の下部空間に、第2配管の一部が注水口、圧力計、圧力安全弁およびストレーナを含むように配置するとともに、上部空間に内部に所定の電装品を含む電装品箱を下部空間の前面を遮蔽することなく取り付けることにより、電装品箱を外すことなく、第2配管への注排水および不純物除去を行うことができる。