【解決手段】浴槽水の加熱動作が残り湯の追い焚きであるか否かを判定し、残り湯追い焚きであると判定した場合において、残り湯追い焚き実績ありを記憶し、所定期間にわたり残り湯追い焚きが行われなかった場合に、残り湯追い焚き実績なしを記憶すると共に、特定の時間帯において貯湯タンク6内の貯湯量が所定の沸き増し開始条件を満たしたことを検知するとヒートポンプ式加熱手段2を作動させて沸き増し動作を行う制御手段29とを備え、制御手段29は、残り湯追い焚き実績ありを記憶している場合、実績なしを記憶している場合よりも沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更するようにした。
湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク下部に接続された給水管と、前記貯湯タンク上部に接続された出湯管と、前記貯湯タンク内の湯を熱源として浴槽水を加熱する風呂熱交換器と、前記貯湯タンク下部から前記貯湯タンク上部に湯水を循環させる加熱循環回路と、前記加熱循環回路途中に設けられて前記貯湯タンク内の湯を加熱するヒートポンプ式加熱手段と、浴槽水の加熱動作が残り湯の追い焚きであるか否かを判定し、残り湯追い焚きであると判定した場合において、残り湯追い焚き実績ありを記憶し、所定期間にわたり残り湯追い焚きが行われなかった場合に、残り湯追い焚き実績なしを記憶すると共に、特定の時間帯において前記貯湯タンク内の貯湯量が所定の沸き増し開始条件を満たしたことを検知すると前記ヒートポンプ式加熱手段を作動させて沸き増し動作を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、残り湯追い焚き実績ありを記憶している場合、実績なしを記憶している場合よりも沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更することを特徴とするヒートポンプ貯湯式給湯装置。
前記沸き増し開始条件は、前記貯湯タンク側面に複数設けられた貯湯温度センサのうち、特定の貯湯温度センサが所定温度以下となったことを条件とし、残り湯追い焚き実績ありが記憶されている場合は、実績なしを記憶している場合よりも低い位置に設けられた貯湯温度センサを前記特定の貯湯温度センサとすることで沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更するようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ貯湯式給湯装置。
前記沸き増し開始条件は、前記貯湯タンク側面に複数設けられた貯湯温度センサのうち、特定の貯湯温度センサが所定温度以下となったことを条件とし、残り湯追い焚き実績ありが記憶されている場合は、実績なしを記憶している場合よりも高い所定温度を条件とすることで沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更するようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ貯湯式給湯装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態のヒートポンプ貯湯式給湯装置を図面に基づいて説明する。
1は貯湯タンクユニット、2はヒートポンプ式加熱手段を構成するヒートポンプユニット、3は給湯栓、4は浴槽、5はリモートコントローラである。
【0012】
<貯湯タンクユニット1>
6は湯水を貯湯するステンレス製の貯湯タンク、7は貯湯タンク6の底部に給水する給水管、8は貯湯タンク6の頂部から出湯する出湯管、9は給水管7から分岐された給水バイパス管、10は出湯管8からの湯と給水バイパス管9からの水を混合する混合弁、11は混合弁10で混合された湯を給湯栓3に導く給湯管、12は給湯管11を流れる湯の流量を検出する給湯流量センサ、13は給湯11を流れる湯の温度を検出する給湯温度センサ、14は給水管7途中に設けられ給水圧を減圧する減圧弁、15は貯湯タンク6上部に連通してもうけられ貯湯タンク6内の湯水の膨張による過圧を逃がす過圧逃がし弁である。
【0013】
16は貯湯タンク6内の上部に配置された蛇管状に巻回されたステンレス管よりなる風呂熱交換器、17は浴槽4と風呂熱交換器16とを浴槽水が循環可能に接続する風呂循環回路、18は浴槽水を循環させる風呂循環ポンプ、19は風呂循環回路17をバイパスする風呂バイパス管、20は風呂循環回路17の風呂バイパス管19との分岐点または合流点に設けられ、浴槽水を風呂熱交換器16へ循環させるかバイパスさせるかを切り替える風呂三方弁、21は浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、22は一定量以上の流量が流れたことを検知する流水スイッチ、23は圧力を検出することで浴槽14内の水位を検出する水位センサである。
【0014】
24は給湯管11から分岐されて風呂循環回路17に連通する湯張り管、25は湯張り管24の流路を開閉する湯張り開閉弁、26は湯張り管24を流れる湯の流量を検出する湯張り流量センサである。
【0015】
27は貯湯タンク6の底部とヒートポンプユニット2と貯湯タンク6の上部とを湯水が循環可能に接続する加熱循環回路、28は貯湯タンク6の側面上下に複数設けられてそれぞれ貯湯温度を検出する貯湯温度センサ、29は給湯流量センサ12、給湯温度センサ13、風呂温度センサ21、流水スイッチ22、水位センサ23、貯湯温度センサ28の検出値が入力され、混合弁10、風呂循環ポンプ18、風呂三方弁20、湯張り開閉弁25の作動を制御すると共に、ヒートポンプユニット2およびリモートコントローラ5と必要な情報を送受信可能に接続された貯湯制御手段である。ここで、貯湯制御手段29は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0016】
<ヒートポンプユニット2>
30は冷媒を圧縮する圧縮機、31は一次側に圧縮機30からの冷媒が流通し二次側が加熱循環回路27に接続された水熱交換器、32は水熱交換器31から流出した冷媒を減圧膨張する減圧膨張弁、33は減圧膨張弁32で減圧膨張して低温低圧となった冷媒を蒸発させる蒸発器、34は圧縮機30と水熱交換器31と減圧膨張弁32と蒸発器33とを冷媒が循環可能に接続する冷媒循環回路、35は蒸発器33に熱源としての空気を送風する送風機である。
【0017】
冷媒循環回路34には、R410AなどのHFC冷媒や、R32冷媒などのCO2冷媒に比べて低圧で作動する冷媒が用いられ、給水を約65℃程度の温度まで効率よく加熱可能なものとしている。なお、高圧で作動するCO2冷媒を用いて約90℃程度の温度まで加熱可能な構成としてもよい。
【0018】
36は水熱交換器31入口側の加熱循環回路27に設けられた加熱循環ポンプ、37は圧縮機30から吐出された冷媒の温度を検出する吐出温度センサ、38は水熱交換器31に流入する水の温度を検出する入水温度センサ、39は水熱交換器31で加熱された湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ、40は外気温度を検出する外気温度センサ、41は吐出温度センサ37、入水温度センサ38、沸き上げ温度センサ39、外気温度センサ40の検出値が入力され、圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36の作動を制御すると共に、貯湯タンクユニット1の貯湯制御手段29と必要な情報を送受信可能に接続された加熱制御手段である。ここで、加熱制御手段41は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0019】
<リモートコントローラ5>
42は給湯に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、タンク残湯量、給湯装置の作動状態、日時等)を表示するドットマトリクス液晶型の表示部、43は給湯設定温度、風呂設定温度、湯張り設定量等の設定を行う十字キー、44は風呂自動運転を行わせる風呂自動キー、45は浴槽水の追い焚き運転を行わせる追い焚きキー、46は給湯装置の作動状態を表示部42に表示させたり、各操作キーの操作に応じた情報を表示部42に表示させるよう制御すると共に、貯湯タンクユニット1の貯湯制御手段29と必要な情報を送受信可能に接続されたリモコン制御手段である。ここで、リモコン制御手段46は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
【0020】
<給湯動作>
次に、給湯時の動作について説明する。給湯栓3が開かれると、貯湯タンク6底部に給水管7からの水が流入すると共に、出湯管8から貯湯タンク6上部の高温の湯が流出し、混合弁10によって給水バイパス管9からの水と混合されて給湯管11から流出する。そして、給湯流量センサ12が給湯の開始を検知すると、貯湯制御手段29は給湯温度センサ13が検知する給湯温度が給湯設定温度と一致するように混合弁10の開度をフィードバック制御して、給湯栓3が閉じられるまで給湯設定温度の給湯が行われる。
【0021】
このとき、貯湯制御手段29は給湯に消費された湯量(熱量)を、給湯流量、給湯温度、給水温度から算出して当日分の給湯負荷として積算して記憶するようにしている。そして、貯湯制御手段29は一日ごと複数日(ここでは7日間)分の積算給湯負荷を複数日(ここでは7日間)にわたり記憶するようにしている。
【0022】
<風呂動作>
次に、リモートコントローラ5の風呂自動キー44が操作された場合の風呂動作について説明する。風呂自動キー44が操作されると、貯湯制御手段29は、風呂三方弁20を風呂バイパス管19側にした状態で風呂循環ポンプ18を駆動し、流水スイッチ22で流水を検出するか否かによって浴槽4内の残り湯の有無を検出する。
【0023】
流水スイッチ22がONしないことを確認すると、浴槽4に残り湯なしとして、湯張り開閉弁25を開弁すると共に混合弁10を風呂設定温度となるように制御して、湯張り設定量の湯張りを開始する。
【0024】
湯張り流量センサ26が湯張り設定量をカウントすると、湯張り開閉弁25を閉弁した後、風呂循環ポンプ18を駆動して流水スイッチ22で流水があることを確認し、風呂温度センサ21で検出する浴槽水の温度が風呂設定温度より低い場合は、風呂三方弁20を風呂熱交換器16側に切り替えて、浴槽水の追い焚き動作を行い、浴槽水の温度が風呂設定温度に上昇すると、湯張り完了をリモートコントローラ5で報知する。
【0025】
このとき、貯湯制御手段29は湯張りに消費された湯量(熱量)を、給湯流量、給湯温度、給水温度から算出して当日分の給湯負荷として積算して記憶するようにしている。
【0026】
一方、風呂自動キー44が操作されたときに、浴槽4内に前日の残り湯があった場合は、あるいは追い焚きキー45が操作されると、残り湯の有無の確認時に流水スイッチ22で流水を検知すると、残り湯ありのために風呂三方弁20を風呂熱交換器16側に切り替えて、浴槽水の追い焚き動作を行い、風呂温度センサ21が検出する浴槽水の温度が風呂設定温度に達すると、風呂循環ポンプ18の駆動を停止して追い焚き完了をリモートコントローラ5で報知する。
【0027】
このとき貯湯制御手段29は残り湯の温度を検出した際に、風呂設定温度との温度差が一定値(例えば5℃)以上ある場合は、低温の残り湯追い焚きであると判定して、残り湯追い焚き実績ありを記憶するようにしている。
【0028】
そして、貯湯制御手段29は、浴槽水の追い焚き動作の度に上記残り湯追い焚きか否かの判定を行い、所定期間(例えば3日間)にわたり残り湯追い焚き実績がない場合に残り湯追い焚き実績なしを記憶するようにしている。
【0029】
<沸き上げ動作>
次に、沸き上げ動作について説明する。
深夜時間帯の開始時刻になると、貯湯制御手段29は、記憶していた過去複数日分の積算給湯負荷から翌日の給湯負荷を予測し、目標貯湯量を算出する。貯湯温度センサ28で検出する現在の貯湯タンク6の貯湯量を目標貯湯量から減算し、深夜時間帯の間に沸き上げる沸き上げ目標量を算出する。沸き上げ目標量と、予め定められた沸き上げ目標温度と、貯湯タンク6最下部の貯湯温度センサ28で検出する給水温度と、予め数値として記憶しているヒートポンプユニット2の加熱能力とから沸き上げ必要時間を算出する。深夜時間帯の終了時刻から沸き上げ必要時間を遡って沸き上げ開始時刻を算出する。
【0030】
そして、沸き上げ開始時刻が到来すると、貯湯制御手段29は、加熱制御手段41に対して沸き上げ運転の開始指示を出力し、加熱制御手段41は、沸き上げ温度センサ39で検出する温度が沸き上げ目標温度と一致するように圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動して、ヒートポンプサイクルによる沸き上げ運転を開始する。
【0031】
貯湯タンク6最下部の貯湯温度センサ28が所定の沸き上げ終了温度以上を検出すると、沸き上げが終了したと判断して、貯湯制御手段29は沸き上げ運転の停止指示を加熱制御手段41に対して出力し、加熱制御手段41は圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動停止処理してヒートポンプサイクルによる沸き上げ運転を停止する。なお、沸き上げが終了する前に深夜時間帯の終了時刻となると、沸き上げ運転を停止するようにしている。
【0032】
<沸き増し動作>
次に、沸き増し動作について
図2のフローチャートに基づいて説明する。
特定の時間帯の開始時刻である深夜時間帯の終了時刻になると、貯湯制御手段29は貯湯温度センサ28で検出する現在の貯湯量を確認し(ステップS1)、この貯湯量と給湯負荷に応じて算出された目標貯湯量から減算して不足量を算出し、この不足量と、沸き上げ目標温度と、給水温度と、加熱能力とから、不足分を昼間時間帯に沸き増すのに要する時間(予測沸き増し時間)を算出する(ステップS2)。
【0033】
続くステップS3では、貯湯制御手段29は、残り湯追い焚き実績ありが記憶されているか否かを確認し、残り湯追い焚き実績が記憶されている場合にはステップS4に進み、沸き増し動作を開始する条件を予め定められた沸き増し開始条件1とし、残り湯追い焚き実績ありが記憶されていない場合にはステップS5に進み、沸き増し動作を開始する条件を予め定められた沸き増し開始条件2とする。
【0034】
ここで、沸き増し開始条件1は、貯湯タンク6の上から4番目の貯湯温度センサ28が50℃を下回ったことを沸き増し動作の開始の条件とし、沸き増し開始条件2は貯湯タンク6の上から3番目の貯湯温度センサ28が50℃を下回ったことを沸き増し動作の開始の条件としており、沸き増し開始条件1の方が貯湯タンク6からの出湯量が少ない状態で沸き増し開始されるため沸き増し開始条件2よりも沸き増し開始しやすい条件としている。
【0035】
次に、ステップS6では、予測沸き増し時間があるか否かを確認し、予測沸き増し時間がある場合には、YesでステップS7へ進み、ステップS4またはステップS5で定めた沸き増し開始条件が成立するか否かを監視する。
【0036】
給湯や風呂運転によって貯湯タンク6内の熱量が消費され、沸き増し開始条件が成立すると(ステップS7でYes)、貯湯制御手段29は、加熱制御手段41に対して沸き増し運転の開始指示を出力し、加熱制御手段41は、沸き上げ温度センサ39で検出する温度が沸き上げ目標温度と一致するように圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動して、ヒートポンプサイクルによる沸き増し運転を開始する(ステップS8)。このとき、貯湯制御手段29は沸き増し運転の作動時間を計測し、予測沸き増し時間から減算するようにしている。
【0037】
そして、貯湯制御手段29は、沸き増し動作によって沸き増し停止条件が成立したか否かを監視し(ステップS9)、沸き増し停止条件が成立すると、貯湯制御手段29は沸き増し運転の停止指示を加熱制御手段41に対して出力し、加熱制御手段41は圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動停止処理してヒートポンプサイクルによる沸き増し運転を停止する(ステップS10)。
【0038】
ここで、沸き増し停止条件は、貯湯タンク6の最下部の貯湯温度センサ28が50℃以上となるか、予測沸き増し時間の残り時間が0になるか、特定の時間帯の終了時刻である深夜時間帯の開始時刻になるかのいずれかの条件が成立したことを条件としている。
【0039】
沸き増し動作を停止した後は、前記ステップS6に戻り、予測沸き増し時間の残り時間があるか否かを確認し、予測沸き増し時間がある場合には、YesでステップS7へ進み、上記の動作を行い、予測沸き増し時間の残り時間が0である場合には、NoでステップS11へ進み、沸き増し動作を開始させる条件を沸き増し開始条件3とする。
【0040】
ここで、沸き増し開始条件3は、貯湯タンク6内の湯が空っぽになってしまうことを防止するために最低貯湯量を確保する条件で、ここでは貯湯タンク6の最上部の貯湯温度センサ28が50℃を下回ったことを沸き増し動作の開始の条件としており、上記の沸き増し開始条件1および2よりも沸き増し開始し難い条件としている。
【0041】
沸き増し開始条件3が設定された後は、沸き増し開始条件3が成立すると(ステップS7でYes)、貯湯制御手段29は、加熱制御手段41に対して沸き増し運転の開始指示を出力し、加熱制御手段41は、沸き上げ温度センサ39で検出する温度が沸き上げ目標温度と一致するように圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動して、ヒートポンプサイクルによる沸き増し運転を開始する(ステップS8)。
【0042】
そして、貯湯制御手段29は、沸き増し動作によって沸き増し停止条件が成立したか否かを監視し(ステップS9)、沸き増し停止条件が成立すると、貯湯制御手段29は沸き増し運転の停止指示を加熱制御手段41に対して出力し、加熱制御手段41は圧縮機30、減圧膨張弁32、送風機35、加熱循環ポンプ36を駆動停止処理してヒートポンプサイクルによる沸き増し運転を停止する(ステップS10)。
【0043】
ここで、沸き増し停止条件は沸き増し開始条件3が設定されている場合は、貯湯タンク6の上から2番目の貯湯温度センサ28が50℃以上となることを沸き増し停止条件として、全くお湯が使えない状況を回避するためだけの最低貯湯量を確保するようにしている。
【0044】
以上のように、残り湯追い焚き実績ありが記憶されている場合には、実績なしを記憶している場合よりも沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更することによって、貯湯タンク6内に常時多くの熱量を確保することができ、沸き上げ目標温度を高くすることなく残り湯追い焚きを行う時の熱量不足を回避できるとともに、沸き上げ目標温度を高くしなくとも残り湯追い焚きに必要な熱量を確保できるために、貯湯タンク6からの自然放熱量が減少し、さらにはヒートポンプサイクルの加熱効率も低下しないため、総合的な運転効率を向上することができる。
【0045】
一方で、残り湯追い焚き実績なしが記憶されている場合には、実績ありを記憶している場合よりも沸き増し開始し難い方向に沸き増し開始条件が変更されるため、沸き増しを行ってから実際に給湯等に消費されるまでのタイムラグが少なくなり、貯湯タンク6からの無駄な自然放熱量を低減することができる。
【0046】
なお、沸き増し開始条件は上記の例に限定されず、例えば、複数の貯湯温度センサ28のうち、所定の位置の貯湯温度センサ28(ここでは貯湯タンク6の上から3番目の貯湯温度センサ28)が所定温度以下となったことを条件とし、残り湯追い焚き実績ありが記憶されている場合は所定温度を55℃とし、実績なしが記憶されている場合は所定温度を50℃として、残り湯追い焚き実績ありが記憶されている場合は実績なしのときよりも高い所定温度を条件とすることで沸き増し開始しやすい方向に沸き増し開始条件を変更するようにしてもよいものである。
【0047】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の改変が可能なものであり、例えば、風呂熱交換器16を貯湯タンク6の内部に設けた形態としているが、これに限定されず、風呂熱交換器を貯湯タンク6の外部に設け、風呂熱交換器の一次側に浴槽水を加熱するための熱源として貯湯タンク6内の湯が循環するようにした構成としてもよい。