(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-161480(P2015-161480A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】給水予熱装置を持ったボイラ
(51)【国際特許分類】
F22D 1/06 20060101AFI20150811BHJP
【FI】
F22D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-38158(P2014-38158)
(22)【出願日】2014年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(72)【発明者】
【氏名】菊池 太希
(72)【発明者】
【氏名】池上 毅
(72)【発明者】
【氏名】柴田 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】森 光義
(72)【発明者】
【氏名】越智 一喜
(57)【要約】
【課題】給水予熱装置の容積をコンパクトにしたものでありながら熱の吸収量は多く維持することができるようにする。
【解決手段】
ボイラから排出される排ガスを通す排ガスの通路内に、水平方向へ延びる伝熱管4を多数設置して伝熱管を連結することでボイラ給水を通すようにしておき、ボイラ給水は前記伝熱管群の最上段伝熱管から最下段伝熱管に向けて順次流すことで、伝熱管4の外面側を流れる排気ガスとの間で熱交換を行い、ボイラ給水を予熱するようにしている給水予熱装置2を持ったボイラにおいて、給水予熱装置2の伝熱管設置箇所の側面位置に排気ガス入り口5、伝熱管設置箇所の直上位置に排ガス出口6を設置しており、排気ガス入り口5は、前記伝熱管群の最下段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置では開口し、最上段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置ではふさいだものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラから排出される排ガスを通す排ガスの通路内に、水平方向へ延びる伝熱管を多数設置して伝熱管を連結することでボイラ給水を通すようにしておき、ボイラ給水は前記伝熱管群の最上段伝熱管から最下段伝熱管に向けて順次流すことで、伝熱管の外面側を流れる排気ガスとの間で熱交換を行い、ボイラ給水を予熱するようにしている給水予熱装置を持ったボイラにおいて、給水予熱装置の伝熱管設置箇所の側面位置に排気ガス入り口、伝熱管設置箇所の直上位置に排ガス出口を設置しており、排気ガス入り口は、前記伝熱管群の最下段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置では開口し、最上段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置ではふさいだものとしていることを特徴とする給水予熱装置を持ったボイラ。
【請求項2】
請求項1に記載の給水予熱装置を持ったボイラにおいて、排気ガス入り口の上部には排気ガス通路の上部より吊り下げた案内板を設置しており、案内板の下端は前記最上段伝熱管設置位置より低く、かつ最下段伝熱管設置位置より高い位置としていることを特徴とする給水予熱装置を持ったボイラ。
【請求項3】
請求項2に記載の給水予熱装置を持ったボイラにおいて、前記の案内板は下部側で給水予熱装置の伝熱管に近づく方向に傾斜を付けて設置していることを特徴とする給水予熱装置を持ったボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラから排出される排気ガスによってボイラへ供給するボイラ給水の予熱を行うようにしている給水予熱装置を持ったボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2013−108643号公報に記載しているように、ボイラから排出する排気ガスを通す排気ガス通路に給水予熱装置を設け、排気ガスによってボイラ給水を予熱することにより、ボイラの効率を向上させることが広く行われている。給水予熱装置では、排気ガス通路内の排気ガスと、排気ガス通路内に設けた伝熱管内を流れるボイラ給水との間で熱交換を行っており、伝熱管が排気ガスから吸収する熱量が多くなるほど給水の温度を上昇させることができ、ボイラの効率は向上する。排気ガス通路内には、排気ガスの流れに対して交差するように水平方向に延びる多数の伝熱管を設置しておき、伝熱管は連結することでボイラ給水が通る長い流路を作る。ボイラ給水は伝熱管によって構成された長い流路を通る際に排気ガスの熱を吸収し、温度を上昇させる。
【0003】
通常の給水予熱装置では、排気ガスの入り口と出口は伝熱管群を挟んで向かい合った面としておき、入り口側の面から入った排気ガスは伝熱管群を挟んだ反対側にある出口側の面へ向けて真っ直ぐに通りに抜けるようにしている。特開2013−108643号に記載の給水予熱装置でも、給水予熱装置の側面に排気ガス入り口を設け、給水予熱装置の上面に排気ガス出口を設けているが、給水予熱装置の内部では仕切り板を設けており、伝熱管群の部分では排気ガスは伝熱管群の上部から下方へ真っ直ぐに抜けた後でターンする構造となっている。そのほか、排ガス入り口は給水予熱装置の側面、排ガス出口は給水予熱装置の上面に設けるが、給水予熱装置の下部には伝熱管を設けていない空間を設け、排ガス入り口は伝熱管を設けていない空間の側面に設けておき、伝熱管は排ガス入り口の部分よりも高い位置に設ける構造とすることもある。この場合、排気ガスは排ガス入り口から横方向に流れて伝熱管下方の空間に入り、空間部分で上向きに流れを変えて伝熱管部分では下方から上方へ流れることになる。そのため、ここでも伝熱管部分での排気ガスは、一方の面から対向する他方の面へ向けて真っ直ぐに流れることになる。
【0004】
特開2013−108643号に記載しているような、給水予熱装置の側面から排気ガスを導入し、給水予熱装置の上方へ排出する構成の場合、内部で排気ガス流をターンさせるようにすると給水予熱装置の容積が大きくなる。しかし、内部でのターンを行わず、伝熱管群の側面側から排気ガスを導入し、そのまま伝熱管群の上面から排出する構成にすると、排気ガスは入り口側の側面と出口側の上面を結ぶ最短距離を通るものが多くなり、最短距離の経路から外れた位置にある伝熱管では熱吸収量が低下することになる。そのため、給水予熱装置での熱吸収量が低下することになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−108643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、給水予熱装置への排気ガス流入り口を側面、排気ガス流出口を上面とするように配置しており、排気ガスの入り口と出口は対向しない面に配置している給水予熱装置において、装置容積をコンパクトにしたものでありながら熱の吸収量は多く維持することのできる給水予熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ボイラから排出される排ガスを通す排ガスの通路内に、水平方向へ延びる伝熱管を多数設置して伝熱管を連結することでボイラ給水を通すようにしておき、ボイラ給水は前記伝熱管群の最上段伝熱管から最下段伝熱管に向けて順次流すことで、伝熱管の外面側を流れる排気ガスとの間で熱交換を行い、ボイラ給水を予熱するようにしている給水予熱装置を持ったボイラにおいて、給水予熱装置の伝熱管設置箇所の側面位置に排気ガス入り口、伝熱管設置箇所の直上位置に排ガス出口を設置しており、排気ガス入り口は、前記伝熱管群の最下段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置では開口し、最上段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置ではふさいだものとしていることを特徴とする給水予熱装置を持ったボイラ。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記の給水予熱装置を持ったボイラにおいて、排気ガス入り口の上部には排気ガス通路の上部より吊り下げた案内板を設置しており、案内板の下端は前記最上段伝熱管設置位置より低く、かつ最下段伝熱管設置位置より高い位置としていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記の給水予熱装置を持ったボイラにおいて、前記の案内板は下部側で給水予熱装置の伝熱管に近づく方向に傾斜を付けて設置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
給水予熱装置の排気ガス入り口部分に設けた案内板により、排気ガスは排気ガス出口とは逆方向である下方へ向かう流れができ、伝熱管群の側部から伝熱管群の上部へ直接流れることを防止できる。排気ガスは、排気ガス出口から離れた位置にある伝熱管の部分にも流れるため、給水予熱装置で吸収する熱量の総計を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明を実施しているボイラの排ガスフローを示した断面説明図
【
図3】排気ガス入り口が高すぎる場合での排気ガス流れ説明図
【
図4】排気ガス入り口が低すぎる場合での排気ガス流れ説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明を実施しているボイラの排ガスのフローを示した断面説明図である。実施例のボイラは、ガスエンジンなどから排出されている高温ガスから熱を回収して蒸気を発生する排熱回収ボイラである。ガスエンジン等において発電用の動力を得るために燃焼を行い、燃焼によって発生した高温ガスは排熱回収ボイラへ供給し、ボイラの部分では高温ガスから回収した熱を利用して蒸気を発生するコジェレーションは、エネルギの有効活用が図れるために近年増加傾向にある。排熱回収ボイラの構成は大きく分けると、高温ガスの導入を行う入り口ダクト3、導入した高温ガスの熱によってボイラ水の加熱を行うボイラ本体1、ボイラ本体での熱交換によって温度の低下した排気ガスとボイラ給水の間で熱交換を行う給水予熱装置2からなる。
【0013】
ボイラ本体1への給水は、給水予熱装置2によって予熱を行ったものを供給する。給水予熱装置2は、ボイラ本体1から排出される排気ガスを通す排気ガス通路の途中に設けており、排気ガス通路内に水平方向に延びる伝熱管4を多数設置している。伝熱管4は排気ガス流とは交差するように設置しており、伝熱管4の外側表面には熱吸収用のフィンを多数設けることで伝熱面積を拡大している。多数の伝熱管は、連結することによって長い流路を形成しており、伝熱管内にボイラ給水通すと、ボイラ給水は排気ガスの熱を吸収することで温度を上昇させ、ボイラ給水の予熱が行われる。
【0014】
ガスエンジンなどから排出された高温ガスは、入り口ダクト3を通してボイラ本体内に入る。ボイラ本体1は、上部管寄せと下部管寄せの間を多数の垂直水管で接続することによって缶体を構成している。ボイラ本体部分では、垂直水管の外面側を高温ガスが流れており、高温ガスが水管の加熱を行い、水管の熱が水管内のボイラ水に伝わることによってボイラ水の温度が上昇する。ボイラ本体1ではボイラ水を加熱することで蒸気を発生し、発生した蒸気を蒸気必要箇所へ供給する。ボイラ本体内を流れる高温ガスは、
図1ではボイラ本体1の右側にある入り口ダクト3からボイラ本体の左側にある給水予熱装置2へ向けて流れる。高温ガスはボイラ本体を貫くように流すものであるため、ボイラ本体内の流路では高温ガスは上部のみや下部のみに片寄って流れるということはなく、ボイラ本体部の垂直水管全体を加熱することができる。そしてボイラ本体部分を通過した排気ガスは、ボイラ本体部の先に設置している給水予熱装置2へ向かう。
【0015】
ボイラへ供給している高温ガスは、ボイラ本体部分でボイラ水の加熱を行うことによって温度が低下し、ボイラ本体1から排出される。しかし、ボイラ給水の温度はボイラ本体1から排出される排気ガスの温度より低く、ボイラ本体で温度を低下させた排気ガスであってもボイラ給水の予熱であれば行える。そのため、ボイラ本体1の下流側に給水予熱装置2を設けている。給水予熱装置2は、直方体の空間内に水平方向へ延びる多数の伝熱管4を設置しておき、伝熱管4を連結することで長い流路を形成しておく。伝熱管4はボイラ本体部分と同じ高さ位置に多数段設置しており、横にも多数列並べることで、断面が長方形の空間内に伝熱管群を設置している。ボイラ給水の給水予熱装置への供給は最上段の伝熱管へ行い、ボイラ給水は上段の伝熱管から1段ずつ下がりながら最下段の伝熱管へ向けて流れる。予熱を行ったボイラ給水は最下段の伝熱管から取り出して、ボイラ本体へ供給するようにしている。給水予熱装置では排ガスは上向きに流れているため、上部から下部へ予熱されながら流れていくボイラ給水と、下部から上部へ熱交換を行いながら流れる排ガス流は向かい合う流れとなる。ボイラ給水は下部へ行くほど高温になるが、排ガスも下部ほど高温となるため、給水予熱装置の下部でもさらに予熱を行うことができる。逆に排ガス温度は給水予熱装置の上部では低くなっているが、ボイラ給水は給水予熱装置の上部では低いため、給水予熱装置の上部でもボイラ給水の予熱を行うことができる。このことにより、給水予熱装置で取り込むことのできる熱量は増加する。
【0016】
給水予熱装置2では、ボイラ本体1と隣り合っている側面を開口して排気ガス入り口5とし、給水予熱装置の上面を開口して排気ガス出口6としている。給水予熱装置の伝熱管はボイラ本体と同じ高さ位置に設置しているため、排気ガス入り口5は伝熱管群の側面に設置し、排気ガス出口6は伝熱管直上の位置に設置することになる。給水予熱装置の排気ガス入り口5部分には、上部に案内板7を吊り下げておく。案内板7の下端は最上段伝熱管の設置位置より低く、かつ最下段伝熱管の設置位置よりは高い位置としておく。案内板7は、排気ガス流に対して対向する排気ガス流遮蔽面8を持った板であり、案内板7は給水予熱装置2の排気ガス入り口5部分で上部をふさぐ。
そのため、ボイラ本体1内を流れてきた排気ガスのうち、給水予熱装置の最上段伝熱管設置高さで流れてきたものは案内板の排気ガス流遮蔽面8に衝突し、案内板の下側を回り込む流れとなるため、伝熱管群の上部へショートカットして流れることはなく、伝熱管群の内部へ入ることになる。
【0017】
そして案内板7は、排気ガス入り口5の上部にのみ設けるようにしており、案内板7より下方の部分では排気ガス入り口5を開口させている。この場合、ボイラ本体1から給水予熱装置2内へ流れ込む排気ガスの流れは、給水予熱装置下部の伝熱管部分に集中し、下部の伝熱管群に対して側面から衝突する流れとなる。伝熱管群の側面に対して直角に衝突した排気ガスの流れは、伝熱管の間を通り抜けながら流れていく。個々の伝熱管は水平方向に長いものであって、排気ガスの流れに対して直交するように設置しているため、この時の排気ガスの流れは、伝熱管に衝突するごとに伝熱管の下面に沿って水平方向に向かう流れと、伝熱管のボイラ本体側の側面に沿って上方に向かう流れに分岐しながら流れていく。給水予熱装置の反対側の壁面まで達した排気ガスは、その後は上向きに流れる。
【0018】
案内板7は、下部側で給水予熱装置の伝熱管4に近づくよう方向に傾斜を付けて設置しておくとより好ましい。案内板7が垂直であると、ボイラ本体1から水平方向に流れてきた排気ガスは案内板7に対して垂直に衝突することになり、排気ガスの流れに対して抵抗となる。案内板7は下部側で伝熱管4に近づく方に傾斜を設けていると、ボイラ本体1から水平方向に流れてきた排気ガスは、案内板7に対して斜めに衝突し、案内板7の面に沿って流れることになるため、案内板7による抵抗の増加を低く抑えることができる。
【0019】
給水予熱装置内に入る排気ガスは、排気ガス入り口部分で上部をふさいでいるために伝熱管群の上部へ直接入ることはなく、排気ガスが排気ガス入り口から伝熱管群の上部のみを通ってすぐに排気ガス出口へ向かう排気ガス流のショートカットを抑制することができる。そして給水予熱装置の最下段伝熱管設置高さで流れてきた排気ガスは、伝熱管の奥へ進入するものである。そのために排気ガスは伝熱管群の全体を加熱することになり、伝熱管に対する加熱量が増加する。給水予熱装置2では、伝熱管で取り込むことのできる熱量が増加するため、ボイラ給水の予熱を効率よく行うことができるようになる。
【0020】
給水予熱装置は、伝熱管群の側面から排気ガスを導入し、伝熱管群の上面から排出する構造となっており、横向きに導入した排ガスは伝熱管部分で上向きに変更するものであるため、装置をコンパクト化することができる。従来の給水予熱装置では、伝熱管群部分で排気ガスの流路を90度変更する構造にすると、排気ガスは最短経路をとろうとするために片寄りが発生し、熱の回収効率が低下することになっていた。そのため、伝熱管群設置部分では排気ガスは一方向に貫通するように流していたが、その場合には給水予熱装置の下流側に排気ガスの流れ方向を変更するための空間を設ける必要があり、装置のコンパクト化が妨げられていた。しかし本発明の構造とすることで給水予熱装置では効率のよい熱吸収が行え、かつ給水予熱装置のコンパクト化を行うことができるようになる。
【0021】
図2から
図4は給水予熱装置の排気ガス入り口5の位置ごとにおける排気ガス流動イメージを記載したものである。排気ガス入り口5は
図2に記載しているように、伝熱管群の最下段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置では開口し、最上段伝熱管設置箇所と同じ高さ位置ではふさいだものとしておかないと、排気ガスからの熱回収量が減少することになる。
図2での排気ガスは、伝熱管群下部の排気ガス入り口に近い部分より伝熱管群内に入り、伝熱管群の全域を流れつつ上向きに流動方向を変更していく。そのため伝熱管の全体で熱交換を行うことができ、排気ガスからの熱回収量を多くすることができる。
【0022】
しかし、
図3に記載のように排気ガス入り口5が高すぎる場合、排気ガス流の流れ方向は伝熱管群の奥に入る前に排ガス出口側である上方向に変化していくものが多くなり、伝熱管群の奥に入り込む排気ガス量が減少する。この場合、伝熱管群の下部であって排気ガス入り口から遠い部分では、排気ガスの流入量が少なくなるデッドスペース9ができ、排気ガスからの熱回収量が減少する。
図4は逆に排気ガス入り口5が低すぎる場合のものである。この場合、多くの排気ガスは伝熱管群下方の空間を通って給水予熱装置の奥側壁面近くまで流れ、そこから上向きの流れとなる。そのため、伝熱管群の下部であって排気ガス入り口に近い部分では、排気ガスの流入量が少なくなるデッドスペース9ができ、排気ガスからの熱回収量が減少することになっている。排気ガスは伝熱管群の全体に流れるような位置に排気ガス入り口を設けることで、排気ガスからより多くの熱を回収することができる。
【0023】
なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 ボイラ本体
2 給水予熱装置
3 入り口ダクト
4 伝熱管
5 排気ガス入り口
6 排気ガス出口
7 案内板
8 排気ガス流遮蔽面
9 デッドスペース