【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
施設の位置情報を含む施設情報を保存する施設情報保存部と、
ナビゲーションシステムが探索した案内ルートを保存する案内ルート保存部と、
前記案内ルートと前記施設の位置情報とに基づいて、該案内ルート周辺の施設を前記施設情報保存部から検索する施設検索部と、
所定の評価条件に基づいて、前記検索された施設の評価を行う施設評価部と、
を備える、施設評価装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の施設評価装置によれば、ナビゲーションシステムが探索した案内ルートと、施設の位置情報とに基づいて検索された案内ルート周辺の施設について、所定の評価条件に基づいて評価を行う。このようにして得られる評価結果を利用すれば、ユーザの便宜に応じて周辺施設の情報を提供することができる。
案内ルートの周辺に位置する施設であっても、上記評価の指標としては、例えば、上記検索された施設の案内ルートからのアクセスのし易さを挙げることができる(第5の局面)。
【0007】
ここで、アクセスのし易さとは、案内ルートを走行中のユーザがその施設に到着するに際してかかる負担であり、この負担が小さいほどアクセスし易く、大きいほどアクセスしにくいことを示す。アクセスし易い施設の例としては、後でも示すように、案内ルートの道路沿いに位置する施設や、該道路沿いの施設の中でも特に走行車線側の道路沿いに位置する施設、案内ルートの道路属性が高速道路等の場合にはその出入口に位置する施設等が挙げられる。また、アクセスしにくい施設の例としては、案内ルートの道路属性が高速道路等の場合に、該道路の周辺施設等が挙げられる。
【0008】
また、施設評価部は、前記案内ルートに含まれる道路の通り名称及び/又は道路属性と前記施設情報とに基づいて、前記検索された施設の評価を行う(第2の局面)。案内ルートに含まれる道路の通り名称や道路属性と、直接的又は間接的に位置情報を表す施設情報とを比較することにより、検索された周辺施設のうち、案内ルートからのアクセスし易さを考慮した評価を行うことが可能となる。
案内ルートからのアクセスし易さを考慮すれば、該案内ルート沿いの施設に高い評価を付与することが好ましい。一方、道路沿いに位置している施設は、該施設の名称や住所名に当該道路の通り名称を含んでいることが多い。例えば、施設の名称に、通り名称としてのストリート名が含まれている例として、施設名称「Hawthorne Market」とストリート名「Hawthorne Blvd」、施設名称「Villa Appia」とストリート名「Appian Way」等が挙げられる。また、施設の住所名にストリート名が含まれている例として、施設名称「Mobil」に対して住所名「3328 W Carson St, Torrance, CA」とストリート名「W Carson St」、施設名称「Starbucks」に対して住所名「Hawthorne Blvd」とストリート名「21035 Hawthorne Blvd, Torrance, CA」等が挙げられる。そこで、施設評価部は、前記案内ルートに含まれる道路の通り名称と、前記施設の名称及び/又は住所名とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う(第3の局面)。このような第3の局面の施設評価装置で得られた評価結果を利用すれば、案内ルートの周辺施設のうち、該案内ルート沿いに位置する施設の情報を優先的にユーザに提供することができるため、ユーザの便宜に資する。ここで、施設の名称は、店名のみから構成されるものに限られず、例えば、「コンビニAAA/BB通り店」のように店名と店舗名で構成されるものも含まれる。また、施設の名称は、正式名称の他に一般的に認知されている呼称、略称等であってもよい。
【0009】
案内ルートからのアクセスし易さを考慮した別の観点として、案内ルートの道路属性によっては位置的に該案内ルート周辺の施設であっても容易に立ち寄ることができないことがある。例えば、道路の道路属性が高速道路や高架道路、陸橋、トンネル、地下道等である場合、該道路上のある地点から位置的に該周辺に位置する施設であっても、該施設に直接アクセスすることができない。すなわち、該施設に立ち寄ろうとするユーザは該地点を一旦通り過ぎ該高速道路等を降りなければならないため、ユーザにとって負担となる。そこで、施設評価部は、前記案内ルートに含まれる道路の道路属性と、前記施設の位置情報とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う(第4の局面)。このような第4の局面の施設評価装置では、案内ルートの周辺施設のうち、該案内ルートの道路属性によって該施設の評価を行う。上記の例で言えば、案内ルートに含まれる道路の道路属性が高速道路等他の道路との接続ポイント間の距離が大きい場合には、位置的に案内ルート周辺の施設であっても高速道路の出入口等を経由して遠回りしなければ該施設に到達できないため評価を下げる。このようにすれば、案内ルート周辺の施設のうち、実際に即した施設の情報を優先的にユーザに提供することができ、ユーザにとって便宜である。
【0010】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
第1〜第5の局面に規定の施設評価装置において、表示部と、
前記評価の結果に基づいて、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、を備える。
このような第6の局面の施設評価装置によれば、ユーザは上記施設の評価の結果について視覚を通じて容易に認識可能となるため便宜である。
【0011】
また、この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
施設の位置情報を含む施設情報を施設情報保存部に保存する施設情報保存ステップと、
ナビゲーションシステムが探索した案内ルートを案内ルート保存部に保存する案内ルート保存ステップと、
施設検索部が、前記案内ルートと前記施設の位置情報とに基づいて、該案内ルート周辺の施設を前記施設情報保存部から検索する施設検索ステップと、
施設評価部が、所定の評価条件に基づいて、前記検索された施設の評価を行う施設評価ステップと、
を備える、施設評価方法。
このように規定される第7の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0012】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、前記施設評価ステップでは、前記案内ルートを形成する道路の通り名称及び/又は道路属性と前記施設情報とに基づいて、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第8の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0013】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、前記施設評価ステップでは、前記案内ルートを形成する道路の通り名称と、前記施設の名称及び/又は住所名とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第9の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0014】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、前記施設評価ステップでは、前記案内ルートを形成する道路の道路属性と、前記施設の位置情報とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第10の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
第7〜第10のいずれかの局面に規定の方法において、前記施設評価ステップでは、前記検索された施設の前記案内ルートからのアクセスのし易さを評価する。
このように規定される第11の局面の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
第7〜第11のいずれかの局面に規定の方法において、表示部が、前記検索された施設を表示する表示ステップと、
表示制御部が、前記評価の結果に基づいて、前記表示ステップにおける表示を制御する表示制御ステップと、を備える。
このように規定される第12の局面の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0017】
また、この発明の第13の局面は次のように規定される。即ち、
施設を評価するためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、
施設の位置情報を含む施設情報を施設情報保存部に保存する施設情報保存手段と、
ナビゲーションシステムが探索した案内ルートを保存する案内ルート保存手段と、
前記案内ルートと前記施設の位置情報とに基づいて、該案内ルート周辺の施設を前記施設情報保存部から検索する施設検索手段と、
所定の評価条件に基づいて、前記検索された施設の評価を行う施設評価手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
このように規定される第13の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0018】
この発明の第14の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記施設評価手段は、前記案内ルートを形成する道路の通り名称及び/又は道路属性と前記施設情報とに基づいて、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第14の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0019】
この発明の第15の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記施設評価手段は、前記案内ルートを形成する道路の通り名称と、前記施設の名称及び/又は住所名とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第15の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0020】
この発明の第16の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記施設評価手段は、前記案内ルートを形成する道路の道路属性と、前記施設の位置情報とを比較することにより、前記検索された施設の評価を行う。
このように規定される第16の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0021】
この発明の第17の局面は次のように規定される。即ち、
第13〜第16のいずれかの局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記施設評価手段は、前記検索された施設の前記案内ルートからのアクセスのし易さを評価する。
このように規定される第17の局面の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0022】
この発明の第18の局面は次のように規定される。即ち、
第13〜第17のいずれかの局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
前記検索された施設を表示する表示手段と、
前記評価の結果に基づいて、前記表示手段の表示を制御する表示制御手段、として機能させる。
このように規定される第18の局面の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0023】
第13〜第18のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第19の局面として規定される。