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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-161605(P2015-161605A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】点検治具
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20150811BHJP
【FI】
   G01N27/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-37315(P2014-37315)
(22)【出願日】2014年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】舩橋 祐一
【テーマコード(参考)】
2G046
【Fターム(参考)】
2G046AA02
2G046AA07
2G046AA11
2G046BF05
2G046CA03
(57)【要約】
【課題】点検治具の取扱いが容易となる点検治具を提供することを課題とする。
【解決手段】ガスセンサ53が備えられるガス検知器1に装着可能であって、被検知ガスをガスセンサ53に供給する供給部15と、ガスセンサ53で検知した被検知ガスを排出する排出部16と、を備え、供給部15と排出部16とが並置されるものとし、より好ましくは、供給部15と排出部16とが、ガスセンサ63の検知面53aに対向してそれぞれ配置されるものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサが備えられるガス検知器に装着可能であって、
被検知ガスを前記ガスセンサに供給する供給部と、
前記ガスセンサで検知した前記被検知ガスを排出する排出部と、を備え、
前記供給部と前記排出部とが並置される、
点検治具。
【請求項2】
前記供給部と前記排出部とは、前記ガスセンサの検知面に対向してそれぞれ配置される、
請求項1に記載の点検治具。
【請求項3】
前記供給部は、前記ガスセンサの検知口からずれるようにして、前記ガスセンサの検知面側に前記被検知ガスを流通させる、
請求項1または請求項2に記載の点検治具。
【請求項4】
前記供給部は、前記ガスセンサ側における前記被検知ガスが流通する流路の幅を小さく構成される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の点検治具。
【請求項5】
前記供給部の前記ガスセンサ側の開口が前記ガスセンサの検知面に近接して配置される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点検治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス検知器が正常に動作するか否かを点検する際に用いる点検治具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス検知器に関する技術は、種々知られている(特許文献1参照)。ガス検知器は、検知部を備え、検知部のガスセンサは、例えば、酸素センサ、COセンサ、または、都市ガスセンサ等で構成される。
【0003】
また、ガス検知器が正常に動作するか否かを点検するために、ガス検知器の検知部に装着されて用いられる、点検治具がある。
前記点検治具には、底部を有する有底略円筒状に構成される本体を備え、本体に、検知部のガスセンサに被検知ガスを供給する供給部と、検知部のガスセンサで検知した被検知ガスを排出する排出部と、が配置されて構成されるものがある。
前記点検治具では、検知部のガスセンサを点検する場合、例えば、被検知ガスが収納されるガスバックが接続され、ポンプ(不図示)によって圧送されることによって、ガスバックに収納される被検知ガスが、供給部から点検治具内に供給され、検知器のガスセンサに供給される。そして、検知器のガスセンサに検知された被検知ガスは、本体の排出部から点検治具外に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−215001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記点検治具では、例えば、本体の底部に供給部が配置され、本体の側部に排出部が配置されて、供給部と排出部とがまとまって配置されていない。
前記点検治具では、このように供給部と排出部とがまとまって配置されていないので、点検治具のコンパクト化が十分に図れておらず、また点検治具の点検作業を行うときに、その取扱いが煩雑に感じる場合があった。
【0006】
発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、点検治具のコンパクト化を図り、取扱いが容易となる点検治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本願に開示する点検治具においては、ガスセンサが備えられるガス検知器に装着可能であって、被検知ガスを前記ガスセンサに供給する供給部と、前記ガスセンサで検知した前記被検知ガスを排出する排出部と、を備え、前記供給部と前記排出部とが並置されるものである。
【0009】
本願に開示する点検治具は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
本願に開示する点検治具においては、前記供給部と前記排出部とは、前記ガスセンサの検知面に対向してそれぞれ配置されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する点検治具においては、前記供給部は、前記ガスセンサの検知口からずれるようにして、前記ガスセンサの検知面側に前記被検知ガスを流通させることが好ましい。
【0011】
本願に開示する点検治具においては、前記供給部は、前記ガスセンサ側における前記被検知ガスが流通する流路の幅を小さく構成されることが好ましい。
【0012】
本願に開示する点検治具においては、前記供給部の前記ガスセンサ側の開口が前記ガスセンサの検知面に近接して配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、点検治具のコンパクト化を図り、取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る点検治具と検知器とを示した一部断面図。
図2図1に示すA‐A断面図。
図3】本発明の実施形態に係る点検治具と検知器とが分離した状態を示した正面図。
図4】同じく点検治具を示した正面図。
図5】同じく点検治具を示した平面図。
図6】同じく点検治具の本体を示した正面図。
図7】同じく点検治具の本体を示した平面図。
図8】同じく点検治具の本体を示した底面図。
図9】同じく点検治具の本体を示した斜視図。
図10】本発明の実施形態に係る点検治具と検知器とを示した一部断面図。
図11】同じく点検治具と検知器とを示した一部断面図。
図12】同じく点検治具と検知器とを示した一部断面図。
図13】同じく検知器のガスセンサを示す平面拡大図。
図14】同じく検知器のガスセンサを示す平面拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図1から図14に記載の点検治具1および検知器50について説明する。
なお、以下において、点検治具1および検知器50における被検知ガスが流入する側を、点検治具1および検知器50の先端側として説明する。
被検知ガスは、検知器50が検知対象とするガス以外にも、点検用に用いられるガスなど、ガスセンサ53が検知可能なガスを含む。
【0016】
まず、点検治具1が装着される検知器50について説明する。
検知器50は、所定のガスの濃度を検知する。
図1乃至図3に示すように、検知器50は、検知部51と、検知器本体(不図示)と、ケーブル52と、を備え、検知部51と検知器本体とがケーブル52によって接続されて構成される。検知部51は、外部環境の変化を検知するガスセンサ53を備える。検知器本体は、検知部51のガスセンサ53が外部環境の変化を検知した際に出力する検知出力を、ケーブル52を介して受信して演算する。ケーブル52は、例えば、長さが5mのもので構成される。
【0017】
検知部51のガスセンサ53は、酸素センサ、COセンサ、または、都市ガスセンサ等で構成される。ガスセンサ53では、例えば、酸素センサは酸素ガスを検出でき、COセンサは不完全燃焼で発生する一酸化炭素ガスを検出でき、都市ガスセンサは炭化水素ガス等の漏洩ガスを検出することができるものであれば、公知の半導体式センサ素子や接触燃焼式センサ素子等が使用できる。
以下において、検知部51のガスセンサ53は、被検知ガスとして酸素ガスを検知する酸素ガスセンサであるものとして説明する。検知部51のガスセンサ53は、検知面53aを有し、検知面53aに形成される検知口53bから流入する被検知ガスを検知する。検知部51のガスセンサ53の検知面53aの直径は、例えば、80mmに構成される。
【0018】
検知部51は、キャップ部材54と、キャップカバー55と、センサケース56と、ケーブルコネクタ57と、を備える。
【0019】
検知部51のキャップ部材54は、筒状に形成され、検知面53aおよび検知口53bを先端側に向けてガスセンサ53を収容する。キャップ部材54は、その先端側の開口部54aから内部(ガスセンサ53側)に被検知ガスが流入する構成とされる。キャップ部材54は、略四角棒状のバー54bを有する。バー54bは、作業者の手指や異物等がキャップ部材54の内側に開口部54aから侵入して、ガスセンサ53の検知面53aに接触することを防止するものであり、開口部54aを横断するように配置される。キャップ部材54の開口部54aの近傍には、Oリング58と防水フィルタ59とが配置される。Oリング58と防水フィルタ59とは、キャップ部材54のバー54bとガスセンサ53の検知面53aとの間に配置される。
【0020】
検知部51のキャップカバー55は、弾性体の筒状に形成され、キャップ部材54の周囲を覆う。キャップカバー55は、このことから、例えば、酸素濃度が不明なマンホール内に検知部51を下ろして酸素濃度を測定するときに、検知部51がマンホールの壁面に接触しても検知部51に及ぼす衝撃を緩和する。キャップカバー55は、その先端側の開口部55aから内部(キャップ部材54の開口部54aおよびガスセンサ53側)に被検知ガスが流入する構成とされる。キャップカバー55は、凸条のリブ55bを有する。リブ55bは、キャップカバー55の先端側の外周に沿って配置され、環状に構成される。
【0021】
検知部51のセンサケース56は、キャップ部材54の基端側の開口部を塞ぐようにキャップ部材54に嵌め込まれる。センサケース56の基端側(ケーブル52側)は、ケーブルコネクタ57と接続される。
なお、点検治具1は、上記構成に限定されず、例えば、ケーブル52を備えずに、検知部51と検知器本体とが一体的に構成されるものであってもよい。
【0022】
次に、点検治具1について説明する。
点検治具1は、検知器50の検知部51のガスセンサ53の動作が正常に行えるか否かを点検する際に用いられる。点検治具1では、ガス検知器に装着可能に構成され、検知器50の検知部51の先端部に装着された状態で、前記検知器50を点検する作業が行われる。
図1乃至図9に示すように、点検治具1は、本体10と、供給管20と、排出管30と、を備える。
【0023】
点検治具1の本体10は、先端側に底部11を有する有底略円筒状に構成される。本体10は、その側部12の内径が検知部51のキャップカバー55のリブ55bの外径と同等に構成される。
本体10の底部11は、その基端側の面の中央部に円板状の突出部を有し、当該基端側の面に段差が形成されて構成される。底部11は、点検治具1が検知部51に装着されたときに、検知部51のガスセンサ53に対向する。
また、本体10は、凸部13と、溝部14と、供給部15と、排出部16と、を有する。
【0024】
本体10の凸部13は、略円柱状に形成される。凸部13は、本体10の底部11の基端側の面(底部11の円板状部分)の中央部に配置される。凸部13は、本体10の底部11から基端側に突出する。凸部13は、その外径が、キャップ部材54の開口部54aの内径およびキャップカバー55の開口部55aの内径よりも小さく構成される。凸部13は、点検治具1が検知部51に装着されたときに、キャップ部材54の開口部54aおよびキャップカバー55の開口部55aの内側に位置する。
【0025】
本体10の溝部14は、直方体状の溝であり、点検治具1が検知部51に装着されたときに、キャップ部材54のバーが嵌合するように構成される。溝部14は、凸部13の基端側の端部(端面)に形成される。溝部14は、凸部13の基端側の端部を横断するように配置される。
【0026】
本体10の供給部15は、被検知ガスが流通する流路として構成される。供給部15は、被検知ガスを検知部51のガスセンサ53に供給する。供給部15は、先端側から基端側に被検知ガスが流通するように構成される。供給部15は、本体10の軸心よりも外側(本体10の側部12側)に配置される。
供給部15は、供給孔15aと供給溝15bとを有し、供給孔15aと供給溝15bとが連通して構成される。先端側に供給孔15aが配置され、基端側(検知部51のガスセンサ53側)に供給溝15bが配置される。
【0027】
本体10の供給部15の供給孔15aは、円柱状の孔であり、底部11の先端側の面に形成される。供給孔15aは、底部11の基端側の面に至らないように(底部11を貫通しないように)構成される。供給孔15aは、供給管20を着脱可能に構成される。供給孔15aは、その内周面に供給管20の基端部と螺合可能なネジ溝を有する。
【0028】
本体10の供給部15の供給溝15bは、凸部13の基端側の端部から凸部13の突出方向(凸部13の軸心方向)に沿って凸部13の側面を切欠くとともに底部11の基端側の面に円柱状の孔を形成して、供給孔15aと連通する。供給溝15bは、凸部13においては断面が扇形状に形成される。
供給部15の供給溝15bにおいては、その底部11の基端側の面の孔(円柱状の孔)、その凸部13を切欠く部分とキャップ部材54の開口部54aの内面とで形成される空間、および、その凸部13を切欠く部分とキャップカバー55の開口部55aの内面とで形成される空間によって、被検知ガスの流通する流路が構成される。
【0029】
本体10の排出部16は、被検知ガスが流通する流路として構成される。排出部16は、ガスセンサ53で検知した被検知ガスを排出する。排出部16は、本体10の軸心よりも外側(本体10の側部12側)に配置される。
排出部16は、排出孔16aで構成される。
【0030】
本体10の排出部16の排出孔16aは、円柱状の孔であり、底部11の先端側の面から凸部13の基端側の面に貫通する。排出孔16aは、その先端側部分に排出管30を着脱可能に構成される。排出孔16aは、その先端側部分の内周面に排出管30の基端部と螺合可能なネジ溝を有する。排出孔16aの基端側部分は、先端側部分よりも小径に構成される。排出孔16aの基端側部分は、その幅が排出孔16aの先端側部分の幅よりも小さく構成される。
【0031】
点検治具1の供給管20は、管状の部材であり、その基端部の外周面に本体10の供給部15の供給孔15aと螺合可能なネジ溝を有する。供給管20の軸心方向中途部の外面は、側方に突出する六角状に形成される。
供給管20は、本体10の供給部15の供給孔15aに螺合することによって、供給部15に装着される。供給管20は、本体10の底部11から先端側に突出するように配置される。供給管20は、供給部15に装着された状態で、供給部15(供給孔15a)と連通する。
供給管20の中途部と本体10の底部11の先端側の面との間には、ガスケット21が設けられる。
【0032】
点検治具1の排出管30は、管状の部材であり、その基端部の外周面に本体10の排出部16の排出孔16aと螺合可能なネジ溝を有する。排出管30の軸心方向中途部の外面は、側方に突出する六角状に形成される。
排出管30は、本体10の排出部16の排出孔16aに螺合することによって、排出部16に装着される。排出管30は、本体10の底部11から先端側に突出するように配置される。排出管30は、排出部16に装着された状態で、排出部16(排出孔16a)と連通する。
排出管30の中途部と本体10の底部11の先端側の面との間には、ガスケット31が設けられる。
【0033】
このように構成される点検治具1では、本体10の側部12の内面を検知部51のキャップカバー55のリブ55bの外周に圧接させることで、点検治具1と検知部51との気密を確保する。
このとき、点検治具1の本体10の溝部14と検知部51のキャップ部材54のバー54bとを嵌合させるようにして、点検治具1を検知部51に装着することで、点検治具1を検知部51に装着するときの位置決めを容易に行うことができる。
また、点検治具1の本体10が溝部14を有することによって、検知部51のキャップ部材54がバー54bを有し且つ点検治具1の本体10が凸部13を有する構成であっても、点検治具1を軸心方向に長く構成することを抑制し、点検治具1をコンパクトに構成することができる。
【0034】
点検治具1では、検知部51のガスセンサ53を点検する場合、チューブ40の一端部を供給管20に接続する。チューブ40の他端部は、被検知ガスが収納されるガスバック(不図示)に接続される。
そして、ポンプ(不図示)によって圧送されることによって、ガスバックに収納される被検知ガスは、チューブ40および供給管20を介して、本体10の供給部15の基端側(ガスセンサ53側)の開口から本体10の内側に供給され、検知部51のガスセンサ53に供給される。
さらに、検知部51のガスセンサ53に供給された被検知ガスは、本体10の排出部16の基端側(ガスセンサ53側)の開口から排出部16内を流通し、排出管30を介して点検治具1外に排出される。
なお、点検治具1では、チューブ(不図示)の一端部を排出管30に接続し、当該チューブの一端部をガスバックに接続し、当該チューブおよびチューブ40を介してガスバックと点検治具1(検知部51)との間を被検知ガスが循環する構成とすることもできる。
【0035】
点検治具1では、本体10の供給部15と排出部16とは、底部11にそれぞれ配置される。供給部15と排出部16とは、並置される。供給部15と排出部16とは、本体10の中心を通る(本体10の軸心と交差する)同一直線上にそれぞれ配置される。供給部15と排出部16とは、本体10の軸心に対して略対称な位置に配置される。供給部15と排出部16とは、本体10の軸心方向(または凸部13の突出方向)に沿って形成され、互いが平行するように形成される。
供給部15と排出部16とは、本体10の軸心方向に沿って被検知ガスが流通するように構成される。供給部15と排出部16とは、先端側から基端側、または、基端側から先端側に被検知ガスが流通するように構成される。供給部15と排出部16とは、流通方向が略180度異なる向きに被検知ガスが流通するように構成される。
供給部15の先端側の開口(上流側の開口)と排出部16先端側の開口(下流側の開口)とは、底部11の先端側の面にそれぞれ形成されて並置される。供給部15の先端側の開口と排出部16先端側の開口とは、同一方向(先端側)に向かって開口する。
供給部15の基端側の開口(下流側の開口)と排出部16基端側の開口(上流側の開口)とは、底部11の基端側(凸部13)にそれぞれ形成されて並置される。供給部15の基端側の開口と排出部16基端側の開口とは、同一方向(基端側)に向かって開口する。
供給管20と排出管30とは、それぞれ本体10の底部11(底部11の先端側の面)に配置される。供給管20と排出管30とは、並置される。
【0036】
以上のように、本体10の供給部15と排出部16とが並置される点検治具1では、供給部15と排出部16とが比較的まとまって配置されることとなり、検知部51のガスセンサ53の点検作業を行うときの取扱いが煩雑に感じることを軽減することができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1の取扱いが容易となる。
また、点検治具1では、本体10の供給部15と排出部16とが並置されて比較的まとまって配置されることから、供給管20と排出管30とは、それぞれ本体10(供給部15および排出部16)に装着された際に、比較的まとまって配置されることとなる。
したがって、点検治具1によれば、本体10の供給部15と排出部16とのうち一方または両方が本体10の側部12に設けられて、供給管20と排出管30とがまとまって配置されないものと比べて、コンパクトな構成を実現することができる。
【0037】
点検治具1では、本体10の供給部15と排出部16とは、本体10における検知部51のガスセンサ53に対向する部分(底部11)にそれぞれ配置される。供給部15(供給部15の下流側の開口)と排出部16(排出部16の上流側の開口)とは、検知部51のガスセンサ53の検知面53aに対向してそれぞれ配置される。供給部15(供給部15の下流側の開口)と排出部16(排出部16の上流側の開口)とは、先端側からみて、検知部51のガスセンサ53の検知面53aと重なるように配置される。
供給管20と排出管30とは、本体10における検知部51のガスセンサ53に対向する部分(底部11)にそれぞれ配置される。供給管20(供給管20の下流側の開口)と排出管30(排出管30の上流側の開口)とは、先端側からみて、検知部51のガスセンサ53の検知面53aと重なるように配置される。
【0038】
ここで、本体10の供給部15と排出部16とが検知部51のガスセンサ53の検知面53aに対向して配置されない点検治具1(例えば、本体10の側部12に排出部15が配置されるもの)では、点検治具1内に供給された被検知ガスは、供給部15から排出部15に直接流通し易くなり、検知部51のガスセンサ53を介さずにそのまま排出部15から排出され易くなる。
本構成のように、本体10の供給部15と排出部16とが検知部51のガスセンサ53の検知面53aに対向して配置される、点検治具1では、点検治具1内に供給された被検知ガスは、供給部15(先端側)から検知部51のガスセンサ53(基端側)に向かって吹きかけられてガスセンサ53に流通し易くなるとともに、当該検知部51のガスセンサ53(基端側)から排出部16(先端側)に流通し易くなる。つまり、点検治具1では、点検治具1内に供給された被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53側に流通して排出部16から排出され易くなる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53側に流通せずに(ガスセンサ53側において検知されずに)点検治具1外に流出することを抑制して、検知部51のガスセンサ53を点検するときに、ガスセンサ53に被検知ガスを確実に接触させることができる。
【0039】
点検治具1の本体10の供給部15は、検知部51のガスセンサ53の検知面53aの中央部よりも外側(検知面53aの縁部)に被検知ガスを流通させる。供給部15は、検知部51のガスセンサ53の検知口53bからずれるようにして、検知部51のガスセンサ53の検知面53a側に被検知ガスを流通させる。
図1または図2に示すように、本体10の供給部15は、先端側からみて、その下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)が、ガスセンサ53の検知面53aの中央部よりも外側において、検知面53aと重なるように配置される。本体10の供給部15は、先端側からみて、その下流側の開口が、ガスセンサ53の検知面53aの縁部と重なるように配置される。本体10の供給部15は、先端側からみて、その下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)が、ガスセンサ53の検知口53bと重ならないように配置される。
【0040】
以上のように、本体10の供給部15が、検知部51のガスセンサ53の検知口53bからずれるようにして、検知部51のガスセンサ53の検知面53a側に被検知ガスを流通させる、点検治具1では、検知部51のガスセンサ53の検知口53bからずれるようにして、ガスセンサ53の検知面53a側に被検知ガスを流通させるため、被検知ガスの流勢を低減させることができる。
したがって、検知器50によれば、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを抑制することができる。
【0041】
また以上のように、本体10の供給部15の供給溝15bが凸部13の側面を切欠くように形成される、点検治具1では、供給溝15bを流通する被検知ガスは、供給溝15bによって案内されるようにして検知器50のガスセンサ53に流通する。
したがって、点検治具1によれば、被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを抑制するにあたって、本体10の供給部15が検知部51のガスセンサ53の検知面53aの中央部よりも外側に被検知ガスを流通させる構成であっても、ガスセンサ53側に確実に流通させることができる。
【0042】
また以上のように、本体10の供給部15が本体10の軸心よりも外側(本体10の側部12側)に配置され、凸部13が本体10の底部11の中央部に配置される、点検治具1では、被検知ガスが供給溝15bを流通するときに供給溝15bと接触することによって、被検知ガスの流勢を低減させることができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを、より確実に抑制することができる。
【0043】
点検治具1の本体10の供給部15(下流側の開口)と排出部16(上流側の開口)とは、凸部13(キャップ部材54のバー54b)を挟むような位置にそれぞれ配置される。供給部15と排出部16とは、凸部13に対して略対称な位置にそれぞれ配置される。供給部15と排出部16とは、凸部13の外周方向(円周方向)において略180度位相をずらすようにそれぞれ配置される。供給部15と排出部16とは、凸部13に近接してそれぞれ配置される。
【0044】
以上のように、本体10の供給部15と排出部16とが凸部13を挟むような位置に配置される、点検治具1では、点検治具1内に供給された被検知ガスは、排出部16側に流通するためには凸部13(キャップ部材54のバー54b)を迂回するように流通することを要するため、供給部15から検知部51のガスセンサ53に向かって吹きかけられてガスセンサ53に流通して、当該ガスセンサ53(基端側)から排出部16(先端側)に流通することとなる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53側に流通せずに点検治具1外に流出することをより確実に抑制して、検知部51のガスセンサ53を点検するときに、ガスセンサ53に被検知ガスをより確実に接触させることができる。
【0045】
図1に示すように、点検治具1の本体10の凸部13は、側部12の基端側の端部の近傍まで突出する。凸部13は、点検治具1が検知部51に装着されたときに、凸部13の基端側の端部(凸部13の突出側端部)が検知部51の防水フィルタ59に当接し、また、凸部13の基端側の端部が検知部51のガスセンサ53の検知面53aに近接するように構成される。
本体10の供給部15の供給溝15bは、凸部13の基端側の端部から凸部13の側面を切欠くように形成される。本体10の供給部15の下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)が、ガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される。
【0046】
以上のように、本体10の供給部15の下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)がガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される、点検治具1では、供給部15から点検治具1内に供給された被検知ガスが不所望な方向(ガスセンサ53側に流通しない方向)に拡散することを極力防ぐことができ、検知部51のガスセンサ53に被検知ガスを確実に流通させることができる。
【0047】
図1または図2に示すように、本体10の供給部15の供給溝15bは、その凸部13の外面を切欠いている部分の幅が供給溝15bの幅よりも小さく構成される。
供給部15は、ガスセンサ53側における被検知ガスが流通する流路の幅を小さく構成される。
【0048】
以上のように、本体10の供給部15は、ガスセンサ53側(供給溝15b)における被検知ガスが流通する流路の幅を小さく構成される、点検治具1では、ガスセンサ53側(供給溝15b)における被検知ガスが流通する流路の幅を小さくすることによって被検知ガスが供給溝15bを流通するときに、被検知ガスの流勢を低減させることができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを、より確実に抑制することができる。
【0049】
点検治具1の本体10の排出部16の上流側の開口(基端側の開口)は、凸部13の基端側(ガスセンサ53側)の端部に開口する。排出部16の上流側の開口は、ガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される。排出部16の上流側の開口は、先端側からみて、検知部51のガスセンサ53の検知面53aの中央よりも外側(ガスセンサ53の検知面53aの縁部側)に配置される。
【0050】
以上のように、本体10の排出部16の下流側の開口がガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される、点検治具1では、ガスセンサ53に供給された被検知ガスを、排出部16から容易に排出することができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1に流入し、ガスセンサ53に接触し、点検治具1から流出する、被検知ガスの流通性を向上させることができる。
【0051】
点検治具1の本体10の排出部16の上流側の開口は、供給部15の下流側の開口とできるだけ離れた位置に配置されることが好ましい。排出部16の上流側の開口は、供給部15の下流側の開口との距離ができるだけ長くなるように配置されることが好ましい。
本実施形態では、排出部16の上流側の開口が供給部15の下流側の開口とできるだけ離れた位置(離間した位置)に配置されるにあたって、供給部15と排出部16とは、本体10の軸心に対して略点対称な位置に形成されている。
【0052】
以上のように、本体10の排出部16の上流側の開口が供給部15の下流側の開口と離間した位置に配置されることによって、供給部15から点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53全体を通過してから本体10の排出部16側に流通し易くなる。
このため、点検治具1では、点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53の一部のみを通過して、排出部16側に流通することを防止することができる。
したがって、点検治具1によれば、検知部51のガスセンサ53による被検知ガスの検出を確実に行うことができる。
【0053】
また以上のように、本体10の供給部15と排出部16とが検知部51のガスセンサ53の検知面53aに対向してそれぞれ配置されるとともに、供給部15の下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)がガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される、点検治具1では、検知部51のガスセンサ53に被検知ガスをより確実に流通させることができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53側に流通せずに点検治具1外に流出することをより確実に抑制して、検知部51のガスセンサ53を点検するときに、ガスセンサ53に被検知ガスをより確実に接触させることができる。
【0054】
また以上のように、本体10の供給部15と排出部16とが検知部51のガスセンサ53の検知面53aに対向してそれぞれ配置されるとともに凸部13を挟むような位置に配置され、供給部15の下流側の開口(供給溝15bの基端側の開口)がガスセンサ53の検知面53aに近接して配置される、点検治具1では、ガスセンサ53に被検知ガスをより確実に流通させることができる。
したがって、点検治具1によれば、点検治具1内に流入した被検知ガスが、検知部51のガスセンサ53側に流通せずに点検治具1外に流出することをより確実に抑制して、検知部51のガスセンサ53を点検するときに、ガスセンサ53に被検知ガスをより確実に接触させることができる。
【0055】
点検治具1の本体10は、樹脂素材で成形され、透明または半透明に構成される。
【0056】
以上のように、本体10が透明または半透明に構成される点検治具1によれば、点検治具1を検知部51に装着したときに、点検治具1と検知部51(キャップカバー55のリブ55b)との気密が確保されているか否かの状態を容易に確認することができる。
【0057】
図10に示すように、点検治具1の本体10の供給部15は、供給溝15bを有さない構成とすることもできる。
このとき、供給部15は、供給孔15cで構成される。
【0058】
点検治具1の本体10の供給部15の供給孔15cは、円柱状の孔であり、底部11の先端側の面から凸部13の基端側の面に貫通する。供給孔15cは、その先端側部分に供給管20を着脱可能に構成される。供給孔15cは、その先端側部分の内周面に供給管20の基端部と螺合可能なネジ溝を有する。供給孔15cの基端側部分は、先端側部分よりも小径に構成される。供給孔15cの基端側部分は、その幅が供給孔15cの先端側部分の幅よりも小さく構成される。
【0059】
図11に示すように、本体10の供給部15は、基端側(ガスセンサ53側)に行くに従って縮径されるテーパ状に形成される供給孔15dで構成することもできる。
【0060】
図12に示すように、検知器50では、キャップ部材54がバー54bを有さない構成とすることもできる。このとき、点検治具1では、本体10が凸部13に溝部14を有さない構成とする。
【0061】
図2または図13に示すように、検知器50では、検知部51のガスセンサ53の検知面53aに、複数個の検知口53bが形成される。ガスセンサ53の検知面53aの検知口53bは、小径の孔で構成される。
本体10の供給部15は、先端側からみて、その下流側の開口が、ガスセンサ53の複数個の検知口53bと重ならないように配置される。本体10の排出部16は、先端側からみて、その上流側の開口が、検知部51のガスセンサ53の複数個の検知口53bのうち一部のものと重なるように配置される。
検知部51のガスセンサ53の検知口53bは、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスが検知面53aに接触するように流通した後に複数個の検知口53bに流通するように構成される。本体10の供給部15は、検知部51のガスセンサ53の検知口53bからずれるようにして、検知部51のガスセンサ53の検知面53a側に被検知ガスを流通させる。
【0062】
以上のように、検知部51のガスセンサ53の検知面53aに複数個の検知口53bが形成される、検知器50では、被検知ガスがガスセンサ53の検知口53bを流通するときに、被検知ガスの流勢を低減させることができる。
したがって、検知器50によれば、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを、より確実に抑制することができる。
【0063】
図14に示すように、検知器50では、検知部51のガスセンサ53の検知面53aに、一個の検知口53bを形成することもできる。
本体10の供給部15は、先端側からみて、その下流側の開口が、ガスセンサ53の検知口53bと重ならないように配置される。本体10の排出部16は、先端側からみて、その上流側の開口が、検知部51のガスセンサ53の検知口53b(検知口53bのうち少なくとも一部)と重なるように配置される。
検知部51のガスセンサ53の検知口53bは、検知面53aの中央部に配置される。検知部51のガスセンサ53の検知口53bは、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスが検知面53aに接触するように流通した後に検知口53bに流通するように構成される。本体10の供給部15は、検知部51のガスセンサ53の検知口53bからずれるようにして、検知部51のガスセンサ53の検知面53a側に被検知ガスを流通させる。
【0064】
以上のように、検知部51のガスセンサ53の検知口53bは、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスが検知面53aに接触するように流通した後に検知口53bに流通するように構成される、検知器50では、被検知ガスが、ガスセンサ53の検知口53bを流通するときにガスセンサ53の検知面53aに接触するため、被検知ガスの流勢を低減させることができる。
したがって、検知器50によれば、点検治具1内に供給されてガスセンサ53側に流通する被検知ガスによる圧力依存を検知部51のガスセンサ53が受けることを、より確実に抑制することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 点検治具
10 本体
11 底部
12 側部
13 凸部
14 溝部
15 供給部
16 排出部
20 供給管
30 排出管
50 検知器
51 検知部
53 ガスセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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