特開2015-161780(P2015-161780A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-161780(P2015-161780A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】防水ケース
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/08 20060101AFI20150811BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20150811BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20150811BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20150811BHJP
【FI】
   G03B17/08
   G03B15/00 V
   H04N5/225 C
   H04N5/225 E
   B60R1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-36718(P2014-36718)
(22)【出願日】2014年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】有吉 俊晃
【テーマコード(参考)】
2H101
5C122
【Fターム(参考)】
2H101CC01
2H101CC53
2H101CC55
5C122DA14
5C122EA02
5C122EA55
5C122GE01
5C122GE11
5C122GE21
(57)【要約】
【課題】
本発明は、フロントケースとリアケースに分割される防水ケースを結合するために使用するネジを4本から少なくし、さらに、リアケースが背面側に反ることによる防水性能が低下するおそれを無くした防水ケースを提供することを目的としたものである。
【解決手段】
本発明の防水ケースは、フロントケースとリアケースのいずれか一方のケースの当接面の縁部に沿って当接面より突き出した形状をした壁部が設けられ、かつ、他方のケースの当接面に同壁部に対向する位置に同壁部が挿入できる溝部が設けられる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントケースとリアケースを結合して構成され、内部に収納空間を備えた防水ケースにおいて、
前記フロントケースと前記リアケースとが互いに当接する面には其々当接面が設けられ、
前記フロントケースおよび前記リアケースの前記当接面には、同当接面により囲まれた平面上にあり同平面の中心を通過する仮想直線上にあって、かつ同当接面上にあり同中心を挟んで位置する2点に、前記フロントケースと前記リアケースとを接続する接続手段が設けられ、
前記フロントケースおよび前記リアケースのいずれか一方のケースの前記当接面には、前記接続手段より内側であって、同当接面の縁部に沿って同当接面より突き出した形状をした壁部が設けられ、
他方のケースの前記当接面には、前記壁部に対向する位置に同壁部が挿入される溝部が設けられることを特徴とする防水ケース。
【請求項2】
前記溝部の底部にパッキンが設けられることを特徴とする請求項1に記載の防水ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防水ケースに関するもので、特に車載カメラに用いられ、2つに分割される防水ケースを結合する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載カメラは、例えば、車両の後部に設置され、車両の後方側の安全を確認するものである。車載カメラは、図6の防水ケースの分解斜視図に示すように、略直方体形状の防水ケース100と、その防水ケース100内に収容されて保持される図示しないカメラ本体とを備えている。
【0003】
カメラ本体は、撮像部を備えている。撮像部は、図示しない撮像素子と、その撮像素子に映像を結像させるレンズ110aとを有している。図6に示すように、防水ケース100の前面には、レンズ110aのレンズ面が配置される。
【0004】
上記のような車載カメラの防水ケース100の防水構造に関しては、特許文献1の従来例に示すものがある。この防水構造は、4本のネジで2つに分割された防水ケースの四隅をネジ止めするもので、これにより防水を行っている。なお、ネジ止めは接続手段の一つである。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された方法ではネジを4本使用するため、ネジを締める作業に手間がかかり製造コストが増える問題があった。そこで、図6の防水ケース100の分解斜視図に示すように、ネジ130を2本だけ用いてネジ止めする方法が考えられる。以下に、その防水構造について説明する。
【0006】
防水ケース100は、図6に示すように、フロントケース110と、リアケース120と、ゴム製のパッキン140と、2本のネジ130とを備えている。フロントケース110とリアケース120とを結合し、結合された防水ケース100の内部空間内に図示しないカメラ本体が収容保持される。
【0007】
フロントケース110には前面にレンズ110aのレンズ面が設けられており、図6(B)に示すように、フロントケース110におけるリアケース120との略ロの字型の当接面で、対角線上にある2か所の角には、ネジ130がネジ込まれて固定される底の有る穴形状のネジ止め部111(ネジ穴)が設けられている。
【0008】
リアケース120には、図6(A)に示すように、フロントケース110の各ネジ止め部111と対向する2か所の角には、リアケース120の背面側の表面からフロントケース110と当接する略ロの字型の当接面の表面にまで貫通する貫通孔121が設けられている。なお、ネジ止め部111と貫通孔121で接続手段の一つとなる。
【0009】
ゴム製のパッキン140は、略ロの字型の形状を有し、フロントケース110とリアケース120とのそれぞれの当接面の間に挟み込まれて防水を図る。
【0010】
防水ケース100の組み立てにおいては、パッキン140を挟み込むようにしてフロントケース110とリアケース120とを当接させた状態で、リアケース120の背面側からネジ130が貫通孔121内に挿入されてネジ止め部111にネジ込まれて固定される。これによって、フロントケース110とリアケース120が結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−169234号公報(図1図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記の防水ケースの結合方法では、ネジ130がネジ止め部111にネジ込まれた時、図7の防水ケース100のネジ止めされていない2か所の角を通る対角線(A−A)上の断面図に示すように、ネジ止めされていない2か所の角にはネジ止めによる抑える力が掛かりにくいことにより、リアケース120のネジ止めされていない2か所の角が、レンズ110aが配置される前面側とは反対の背面側に向かって反ることで、フロントケース110とリアケース120との間に隙間が出来て、防水性能が低下するおそれがあった。
【0013】
そこで、本発明は、使用するネジを4本から少なくしても防水性能が低下するおそれがない防水ケースを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の防水ケースは、フロントケースとリアケースを結合して構成され、内部に収納空間を備えた防水ケースにおいて、フロントケースとリアケースとが互いに当接する面には其々当接面が設けられ、フロントケースおよびリアケースの当接面には、当接面により囲まれた平面上にあり平面の中心を通過する仮想直線上にあって、かつ当接面上にあり同中心を挟んで位置する2点に、フロントケースとリアケースとを接続する接続手段が設けられ、フロントケースおよびリアケースのいずれか一方のケースの当接面には、接続手段より内側であって、当接面の縁部に沿って当接面より突き出した形状をした壁部が設けられ、他方のケースの当接面には、壁部に対向する位置に壁部が挿入される溝部が設けられる。また、溝部の底部にパッキンが設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の防水ケースによれば、詳細については後述するが、一方のケースには当接面の縁部全周に沿って壁部が設けられ、他方のケースにはこの壁部と対向する位置に溝部が設けられ、壁部を溝部に挿入することでリアケースが背面側に向かって反ることを防ぐことができるため、リアケースとフロントケースとの間に隙間ができず、防水性能が低下するおそれを無くすことができる。また、使用するネジを4本から少なくすることでコストを削減することができ、また、ネジ止めの作業工数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明にかかる防水ケースを示した斜視図である。
図2】本発明にかかる防水ケースを示した分解斜視図である。
図3】本発明にかかる防水ケースの対角線上の断面図である。
図4】本発明にかかる防水ケースを示した別実施例の分解斜視図である。
図5】本発明にかかる防水ケースの各ケースの背面図である。
図6】従来発明にかかる防水ケースを示した分解斜視図である。
図7】従来発明にかかる防水ケースの対角線上の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明にかかる防水ケースについて、車載カメラの防水ケースを実施例として、以下に詳細に説明する。
【0018】
本実施形態に係る防水ケースの防水構造の構成が前述の従来例に係る防水ケースの防水構造の構成と実質的に異なっている点は、当接面にある構成のみである。よって、共通する構成は同一の符号を付けて、説明を省略する。
【0019】
本実施形態に係る防水構造について、図2の防水ケースの分解斜視図を用いて以下に説明する。リアケース120には、図2(A)に示すように、フロントケース110と当接する略ロの字型の当接面160bの対角上に位置する2か所の角に貫通孔121が設けられ、貫通孔121よりも内側で当接面160bの縁部全周に沿って当接面160bより突き出した形状をした壁部122が設けられる。一方、フロントケース110には、図2(B)に示すように、リアケース120の貫通孔121に対向する角のそれぞれにネジ130がネジ込まれて固定される底の有る穴形状のネジ止め部111(ネジ穴)が設けられ、リアケース120の壁部122に対向する位置には壁部122が挿入される底の有る溝形状の溝部112が設けられる。このネジ止め部111と貫通孔121は接続手段の一部となる。また、この壁部122は溝部112に嵌るように形成され、壁部122の高さは溝部112の底部に設けられているパッキン140を押しつぶすことができる長さである。
【0020】
リアケース120の壁部122は、図3の防水ケースの2か所の角を通る対角線(B−B)上の断面図に示すように、リアケース120と一体で形成されている。防水ケース100の組み立て時に、壁部122はフロントケース110の溝部112に挿入される。壁部122の先端と溝部112の底部の間にはパッキン140が設けられる。パッキン140を溝部112の底部に設けることで、フロントケース110とリアケース120の間から侵入する水がパッキン140に直接当たることがないので、防水性能を高くすることができると共に、パッキン140を溝部112に差し込むためパッキン140を確実に取付けることができる。
【0021】
次に、本実施例でのフロントケース110とリアケース120の組み立てについて、以下に説明する。図1図2に示すように、リアケース120の壁部122がフロントケース110の対向する溝部112に挿入されるように、フロントケース110とリアケース120とを当接させる。この当接させた状態で、リアケース120の背面側からネジ130がリアケース120の貫通孔121内に挿入されて、さらにフロントケース110のネジ止め部111にネジ込まれる。これにより、フロントケース110とリアケース120が結合される。また、溝部112により壁部122が外側に向かって広がる事が抑えられるため、リアケース120が背面側に向かって反ることがない。よって、リアケース120とフロントケース110との間に隙間が出来ず、防水性能が低下するおそれを無くすことが出来る。なお、フロントケース110のネジ止め部111の深さは、ネジ止めした時に、リアケース120の背面側から見た時のネジ130の頭部がリアケース120からとび出さないだけネジ130を挿入できる深さがある。
【0022】
なお、本実施例では、フロントケース110の当接面160aにネジ止め部111と溝部112を設け、リアケース120の当接面160bに貫通孔121と壁部122を設けているが、本発明の防水ケースはこれに限定したものではく、フロントケース110に貫通孔121を設け、リアケース120にネジ止め部111を設けても良く、また、図4に示すようにフロントケース110に壁部122を設け、リアケース120に溝部112を設けても良い。
【0023】
また、本実施例では、接続手段であるネジ止め部111および貫通孔121は、図5に示すように各ケースの角に設けられているが本発明はこれに限定したものではなく、同平面の中心150を通過する仮想直線151上にあって、かつ同当接面160上にあり中心150を挟んで位置する2点に設けられても良い。さらに、溝部112と壁部122はネジ止め部111および貫通孔121の内側を通過し、かつ、当接面160の縁部全周に沿って設けられる。
【0024】
また、本実施例では、壁部122はリアケース120の当接面160bの縁部全周に沿って設けられているが本発明はこれに限定したものではない。壁部122は縁部全周に沿って設けられる必要はなく、壁部122の一部に切欠きなどが設けられていても良い。
【0025】
また、本実施例では車載カメラを例に防水ケースについて説明したが、本発明の防水ケースは車載カメラに限定したものではなく、水に濡れると故障する電子部品などを内部に収納する電子機器の防水ケース全般に適用できるものである。
【0026】
以上より、本発明の防水ケースは、ネジを4本から少なくしても、フロントケースとリアケースとの間に隙間が生じないため、防水性能が下がらない。
【符号の説明】
【0027】
100 防水ケース
110 フロントケース
110a レンズ
111 ネジ止め部
112 溝部
120 リアケース
121 貫通孔
122 壁部
130 ネジ
140 パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7