特開2015-162360(P2015-162360A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-162360(P2015-162360A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】カードコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20150811BHJP
【FI】
   H01R12/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-36897(P2014-36897)
(22)【出願日】2014年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良
(72)【発明者】
【氏名】江尻 孝一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 達也
【テーマコード(参考)】
5E123
【Fターム(参考)】
5E123AB17
5E123AC04
5E123AC38
5E123BA07
5E123BA09
5E123CA17
5E123CB22
5E123CB31
5E123CB38
5E123GB16
5E123GB42
5E123GB52
(57)【要約】
【課題】プローブ型の検査治具を使用した検査に対応し、且つ、検査治具によるコンタクトの塑性変形を防止することができるカードコネクタの提供。
【解決手段】カードAが挿入されるカード挿入部2が前面に開口したハウジング3と、カード挿入部2の内底部に支持され、接点部4がカード挿入部2内に突出するように形成されたバネ状の弾性接触片部5を有する複数のコンタクト6,6...とを備え、ハウジング3には、弾性接触片部5の位置に合わせてカード挿入部2内に連通した治具挿通孔7が形成され、治具挿通孔7を通して検査用治具を弾性接触片部5の上面に接触させるようにし、ハウジング3には、検査治具に押し込まれた弾性接触片部5の下面を支持させる変形防止用受け部21,21を備えたカードコネクタ1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが挿入されるカード挿入部が前面に開口したハウジングと、前記カード挿入部の内底部に支持され、接点部が前記カード挿入部内に突出するように形成されたバネ状の弾性接触片部を有する複数のコンタクトとを備え、前記ハウジングには、前記弾性接触片部の位置に合わせて前記カード挿入部内に連通した治具挿通孔が形成され、該治具挿通孔を通して検査用治具を前記弾性接触片部の上面に接触させるようにしたカードコネクタにおいて、
前記ハウジングに、前記検査治具に押し込まれた前記弾性接触片部の下面を支持させる変形防止用受け部を備えたことを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
前記弾性接触片部にその側縁より外向きに張り出した支持用凸部を一体に備え、且つ、前記変形防止用受け部を前記弾性接触片部の側部に配置し、該支持用凸部を前記変形防止用受け部に支持させるようにした請求項1に記載のカードコネクタ。
【請求項3】
前記コンタクトは、前記カード挿入部の底部に形成されたコンタクト収容溝底部に固定される固定片部を備え、前記弾性接触片部は、該固定片部の一端より折り返して該固定片部上に配置されるように形成され、前記コンタクト収容溝の開口縁部に前記変形防止用受け部を備えた請求項1又は2に記載のカードコネクタ。
【請求項4】
前記コンタクトは、切り起こし加工により前記弾性接触片部又は前記固定片部から立ち上げた形状の補強立上げ片部を一体に備え、前記検査治具に押し込まれた前記弾性接触片部が前記補強立ち上げ片を介して前記固定片部又はハウジングに支持されるようにした請求項1〜3の何れか1項に記載のカードコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やスマートフォン等の電子機器にICカード等のカードを接続するためのカードコネクタであって、実装基板との導通検査が可能なカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカードコネクタは、前面にカード挿入部が開口したハウジングと、一端がカード挿入部の内底部に支持されて接点部がカード挿入部内に突出したばね状の弾性接触片部を有する複数のコンタクトとを備え、ICカード等のカードをカード挿入部に挿入すると、カードの片面に形成されたパッド部が対応する各コンタクトの接点部と接触し、カードが各コンタクトを介して実装基板に電気的に接続されるようになっている。
【0003】
このようなカードコネクタでは、電子機器の組み立てに際し、実装基板に実装された段階で実装基板に対する実装状態の検査を行い、各コンタクトと実装基板の接続パターンとの半田付け状態に不具合がないかを検査する場合があった。
【0004】
そこで、このようなカードコネクタでは、各コンタクトの位置に合わせてハウジングの上面部にカード挿入部内に連通した治具挿通孔が形成され、治具挿通孔を通してプローブ型の検査治具を上方よりカード挿入部内に降下させ、検査治具の下端をコンタクトの一部に接触させることにより、各コンタクトと実装基板との導通状態等を検査できるようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
従来、このような検査治具による検査に際しては、コンタクトに対し検査治具をハウジングに固定された安定した部分に接触させることが望ましいが、コネクタの小型化に伴いコンタクトの固定部を広く確保できない場合や弾性接触片部をU字状に折り返した形状に形成し、弾性接触片部がハウジングに対する固定部上に覆いかぶさる配置となっている場合には、検査治具をばね状の弾性接触片部の表面に接触させる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−87832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、バネ状の弾性接触片部に検査治具を接触させた際に弾性接触片部が検査治具より過大な負荷を受けると、弾性接触片部が塑性変形してしまう虞があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、プローブ型の検査治具を使用した検査に対応し、且つ、検査治具によるコンタクトの塑性変形を防止することができるカードコネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、カードが挿入されるカード挿入部が前面に開口したハウジングと、前記カード挿入部の内底部に支持され、接点部が前記カード挿入部内に突出するように形成されたバネ状の弾性接触片部を有する複数のコンタクトとを備え、前記ハウジングには、前記弾性接触片部の位置に合わせて前記カード挿入部内に連通した治具挿通孔が形成され、該治具挿通孔を通して検査用治具を前記弾性接触片部の上面に接触させるようにしたカードコネクタにおいて、前記ハウジングに、前記検査治具に押し込まれた前記弾性接触片部の下面を支持させる変形防止用受け部を備えたカードコネクタにある。
【0010】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記弾性接触片部にその側縁より外向きに張り出した支持用凸部を一体に備え、且つ、前記変形防止用受け部を前記弾性接触片部の側部に配置し、前記支持用凸部を前記変形防止用受け部に支持させるようにしたことにある。
【0011】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記コンタクトは、前記カード挿入部の底部に形成されたコンタクト収容溝底部に固定される固定片部を備え、前記弾性接触片部は、該固定片部の一端より折り返して該固定片部上に配置されるように形成され、前記コンタクト収容溝の開口縁部に前記変形防止用受け部を備えたことにある。
【0012】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1項の構成に加え、前記弾性接触片部又は前記固定片部に切り起こし加工により一体に形成された補強立ち上げ片を備え、前記弾性接触片部が検査治具に押し込まれた際に前記弾性接触片部が前記補強立ち上げ片を介して前記固定片部又はハウジングに支持されるようにしたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るカードコネクタは、上述したように、カードが挿入されるカード挿入部が前面に開口したハウジングと、前記カード挿入部の内底部に支持され、接点部が前記カード挿入部内に突出するように形成されたバネ状の弾性接触片部を有する複数のコンタクトとを備え、前記ハウジングには、前記弾性接触片部の位置に合わせて前記カード挿入部内に連通した治具挿通孔が形成され、該治具挿通孔を通して検査用治具を前記弾性接触片部の上面に接触させるようにしたカードコネクタにおいて、前記ハウジングに、前記検査治具に押し込まれた前記弾性接触片部の下面を支持させる変形防止用受け部を備えたことにより、弾性接触片部に検査治具から過剰な負荷が作用した場合、弾性接触片部を変形防止用受け部で支持するので弾性接触片部の塑性変形を防止することができる。
【0014】
また、本発明において、前記弾性接触片部にその側縁より外向きに張り出した支持用凸部を一体に備え、且つ、前記変形防止用受け部を前記弾性接触片部の側部に配置し、前記支持用凸部を前記変形防止用受け部に支持させるようにしたことにより、弾性接触片部に検査治具が接触する部分の面積が広く確保され、検査治具の位置ずれにも対応することができる。
【0015】
更に本発明において、前記コンタクトは、前記カード挿入部の底部に形成されたコンタクト収容溝底部に固定される固定片部を備え、前記弾性接触片部は、該固定片部の一端より折り返して該固定片部上に配置されるように形成され、前記コンタクト収容溝の開口縁部に形成された前記変形防止用受け部に前記支持用凸部を支持させるようにしたことにより、カードコネクタの小型化に対応するとともに、係るコンタクト形状においても検査治具に押し込まれた弾性接触片部を好適に支持することができる。
【0016】
更にまた、本発明において、前記弾性接触片部又は前記固定片部に切り起こし加工により一体に形成された補強立ち上げ片を備え、前記弾性接触片部が検査治具に押し込まれた際に前記弾性接触片部が前記補強立ち上げ片を介して前記固定片部又はハウジングに支持されるようにしたことにより、弾性接触片部をより安定した状態で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明に係るカードコネクタの一例を示す正面図、(b)は同平面図である。
図2】(a)は同A−A線断面図、(b)は同B−B線断面図である。
図3】同上のカードコネクタの背面側から見た分解斜視図である。
図4】(a)図3中のモールド部材を示す平面図、(b)は同背面図、(c)は同C−C線断面図、(d)は同D−D線断面図である。
図5】(a)は図2中のコンタクトを示す拡大斜視図、(b)は同拡大縦断面図である。
図6】コンタクトをモールド部材に取り付けた状態を示すシールドカバーを外した部分拡大平面図である。
図7】(a)は導通検査の状態を示す部分拡大縦断面図、(b)は同E−E線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係るカードコネクタの実施の態様を図1図7に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号AはICカードやフラッシュメモリーカード等のカード、符号1はカードコネクタである。
【0019】
このカードコネクタ1は、カードAが挿入されるカード挿入部2が前面に開口したハウジング3と、カード挿入部2の内底部に支持され、接点部4がカード挿入部2内に突出するように形成されたバネ状の弾性接触片部5を有する複数のコンタクト6,6...とを備え、ICカード等のカードAをカード挿入部2に挿入すると、カードAの片面に形成されたパッド部(図示せず)が対応する各コンタクト6,6...の接点部4と接触し、カードAが各コンタクト6,6...を介してコネクタが実装された基板に電気的に接続されるようになっている。
【0020】
また、このカードコネクタ1は、ハウジング3にコンタクト6,6...の弾性接触片部5の位置に合わせて長孔状の治具挿通孔7が形成され、この治具挿通孔7を通して導通検査等に使用されるプローブ型の検査用治具8を降下させ、弾性接触片部5の上面に接触させられるようになっている。
【0021】
ハウジング3は、図3に示すように、導電性金属板材からなるシールドカバー10と、絶縁性合成樹脂材からなるモールド部材11とを備え、シールドカバー10とモールド部材11とを組み付けることにより前面に開口しカード挿入部2が形成されるようになっている。
【0022】
シールドカバー10は、導電性金属板材を折り返し加工することにより形成され、平板状の天板部12と、天板部12の両側縁より鉛直下向きに折り曲げた形状の側板部13,13とを備え、天板部12と両側板部13,13とが下面側に開口したコ字状を成し、その内側にモールド部材11が組みつけられるようになっている。
【0023】
天板部12には、コンタクト6,6...の弾性接触片部5の位置に合わせ、且つ、各コンタクト6,6...に対応する部分を一つに繋げた長孔状に治具挿通孔7が形成されている。
【0024】
また、天板部12の後縁側には、鉛直下向きに折り曲げた形状のストッパー板部14を備え、シールドカバー10とモールド部材11とを組み付けた際に、このストッパー板部14がカード挿入部2の後端部に配置され、カードAの前端縁が当て止めされるようになっている。
【0025】
モールド部材11は、図4に示すように、絶縁性合成樹脂材により全高がシールドカバー10の側板部13,13の全高より低い横長の直方体状に形成され、シールドカバー10とモールド部材11とを組み付けることにより、モールド部材11の上面と天板部12との間に前面に開口したカード挿入部2が形成されるようになっている。
【0026】
モールド部材11の上面部には、コンタクト6,6...がそれぞれ背面側より圧入される複数のコンタクト収容溝20,20...が互いに平行配置に形成され、このコンタクト収容溝20,20...の両側部に検査用治具8に押し込まれた弾性接触片部5の下面を支持させる変形防止用受け部21,21を備えている。
【0027】
各コンタクト収容溝20,20...は、モールド部材11の上面及び背面に開口した両内側部に段部を有する断面逆凸状に形成され、段部上面が変形防止用受け部21,21を形成している。
【0028】
また、コンタクト収容溝20,20...には、上面開口内側縁に内向きに突出した突条22,22が形成され、底部両側縁に後述するコンタクト6,6...の固定片部30両側縁が挿し込まれる係止溝23,23が形成されている。
【0029】
各コンタクト6,6...は、図5に示すように、弾性を有する導電性金属板材を打ち抜き・折り曲げ加工することにより形成され、コンタクト収容溝20,20...の底部に固定される固定片部30と、固定片部30の一端より折り返し部31を介して折り返して固定片部30上に配置される弾性接触片部5と、固定片部30の他端側より下向きに延出した形状の基板接続片部32とを備え、固定片部30、折り返し部31及び弾性接触片部5が側面視U字状を成している。
【0030】
固定片部30は、後端側に幅広な拡幅部30aを有する細長平板状に形成され、その両側部略中央部に係止突片33,33が一体に突設され、コンタクト6,6...をモールド部材11の背面側よりコンタクト収容溝20,20...内に圧入した際に、両係止突片33,33がコンタクト収容溝20,20...の底部両側部の係止溝23,23内面に食い込むとともに、拡幅部30aの両側縁が係止溝23,23に挿し込まれて固定片部30がコンタクト収容溝20,20...底部に固定される。
【0031】
また、この固定片部30には、弾性接触片部5の位置に合わせて、切り起こし加工により先端側を弾性接触片部5側に向けて立ち上げた形状の補強立ち上げ片34を備えている。
【0032】
補強立ち上げ片34は、図5に示すように、固定片部30に折り返し部31側に開口したコ字状の切れ目を入れ、その一端側を引き起こすことで弾性接触片部5と交差する方向に向けて立ち上げた形状に形成されている。
【0033】
この補強立ち上げ片34は、固定片部30に対し、やや斜めに傾いて立ち上げた形状であって、その先端と弾性接触片部5との間に一定の隙間が介在するように形成されている。
【0034】
弾性接触片部5は、固定片部30の一端より円弧状に湾曲させた折り返し部31の他端(上端)より略水平に向けて延出した形状の弾性基部40と、弾性基部40の他端より斜め上向きに延出した形状の弾性動作部41と、弾性動作部41の先端に一体に形成された円弧状の接点部4とを備え、固定片部30に折り返し部31を介して一端が支持された片持ちバネ状を成している。
【0035】
また、弾性接触片部5には、接点部4の下端より斜め方向に延出した下向き延長部42と、下向き延長部42の下縁より水平内向き折り曲げた形状の抜け出し規制部43とを備えている。
【0036】
弾性基部40は、その幅がコンタクト収容溝20,20...の底部幅よりやや狭く形成され、プローブ型の検査用治具8先端が接触する治具接触部を兼ねるとともに、その中央両側縁より外向きに張り出した支持用凸部44,44を一体に備えている。
【0037】
また、弾性基部40は、コンタクト6,6...がモールド部材11に固定された状態において、図6に示すように、コンタクト収容溝20,20...の上面開口を通してモールド部材11の上面に露出するとともに、両支持用凸部44,44が変形防止用受け部21,21上に一定の距離を隔てて浮いた状態に位置するように形成されている。
【0038】
弾性動作部41は、弾性基部40より幅が狭く形成され、コンタクト収容溝20,20...の上面開口の両突条22,22間より接点部4とともにモールド部材11、即ち、カード挿入部2の内底面よりカード挿入部2内に突出するようになっている。
【0039】
一方、抜け出し規制部43の両側部には、水平幅方向に突出した抜け出し規制片43a,43aが一体に突設され、この抜け出し規制片43a,43aが突条22,22の下側に入り込むことにより、弾性動作部41が必要以上にカード挿入部2側に突出するのを防止するようになっている。
【0040】
基板接続片部32は、固定片部30の一端より鉛直下向きに折り曲げた形状の下向き延出部45と、下向き延出部45の下縁より水平方向背面側に延出した接続部46とを備え、接続部46がモールド部材11の下面に露出され、実装基板に形成された接続パターンに半田付け等により接続されるようになっている。
【0041】
このように構成されたカードコネクタ1は、図7に示すように、治具挿通孔7を通してプローブ型の検査用治具8を降下させると、検査用治具8の下端が弾性基部40の上面に接触し、検査用治具8からの負荷により弾性接触片部5全体が撓む。
【0042】
そして、弾性接触片部5は、一定の撓み量を超えると、両支持用凸部44,44が各変形防止用受け部21,21に当て止めされるとともに、それと略同時に、補強用立ち上がり片の先端に弾性接触片部5の弾性基部40下面が接触する。
【0043】
これにより、弾性接触片部5に検査用治具8から過剰な負荷が作用しても、弾性接触片部5の下面が変形防止用受け部21,21に支持されるとともに、補強立ち上げ片34を介して固定片部30に支持されるので、弾性接触片部5がそれ以上押し下げられず、塑性変形が防止される。
【0044】
また、このカードコネクタ1では、弾性接触片部5の検査用治具8を接触させる治具接触部に外向きに張り出した支持用凸部44,44を備えたことにより、治具接触部(弾性基部40)の面積を広く確保できるので、図7(b)中に一点鎖線で示すように、検査用治具8の接触位置にずれが生じた場合であっても、そのずれを吸収することができるようになっている。
【0045】
尚、上述の実施例では、固定片部30の一端より折り返して固定片部30上に弾性接触片部5が配置されるように形成されたコンタクト6,6...を使用する例について説明したが、コンタクト6,6...の態様はこれに限定されず、例えば、弾性接触片部5がハウジング3に固定される部分から斜め上向きに延出した形状のものであってもよい。
【0046】
また、変形防止用受け部21の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、変形防止用受け部21をコンタクト収容溝20の片側のみに設けてもよく、弾性接触片部がハウジング3に固定される部分から斜め上向きに延出した形状のものの場合、弾性接触片部5の下面中央部を支持させるようにしたものであってもよい。
【0047】
また、上述の実施例では、固定片部30に切り起こし加工による補強立ち上げ片34を設けた例について説明したが、補強立ち上げ片34を設けずともよい。
【0048】
更に、上述の実施例では、治具挿通孔7を各コンタクト6,6...に対応する部分を一つに繋げた一つの長孔状に形成した例について説明したが、コンタクト6,6...毎にシールドカバー10天板部12の対応する位置に治具挿通孔7を設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
A カード
1 カードコネクタ
2 カード挿入部
3 ハウジング
4 接点部
5 弾性接触片部
6 コンタクト
7 治具挿通孔
8 検査用治具
10 シールドカバー
11 モールド部材
12 天板部
13 側板部
14 ストッパー板部
20 コンタクト収容溝
21 変形防止用受け部
22 突条
23 係止溝
30 固定片部
31 折り返し部
32 基板接続片部
33 係止突片
40 弾性基部
41 弾性動作部
42 下向き延長部
43 抜け出し規制部
44 支持用凸部
45 下向き延出部
46 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7