特開2015-162446(P2015-162446A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-162446光学レンズ、光源ユニット、および照明器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-162446(P2015-162446A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】光学レンズ、光源ユニット、および照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150811BHJP
   F21V 5/00 20150101ALI20150811BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20150811BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20150811BHJP
   G02B 19/00 20060101ALI20150811BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20150811BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150811BHJP
【FI】
   F21S2/00 100
   F21V5/00 510
   F21V17/00 200
   G02B3/00 A
   G02B19/00
   F21V5/04 200
   F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-39060(P2014-39060)
(22)【出願日】2014年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】小松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】石井 健吾
【テーマコード(参考)】
2H052
3K011
3K243
【Fターム(参考)】
2H052BA02
2H052BA09
3K011BA02
3K011BA10
3K243MA01
(57)【要約】
【課題】少ない光ロスでグレアを低減することのできる光学レンズ、光源ユニット、および照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、器具本体6と、この器具本体6に取り付けられる光源ユニット10と、を備える。光源ユニット取付部7には、光源ユニット10が取り付けられる。光源ユニット10は、LEDモジュール20と、このLEDモジュール20に取り付けられる光学部品30と、この光学部品30に接するように取り付けられる光拡散パネル40と、を備える。接続板32における光学レンズ34の配置は、光学部品30がLEDモジュール20に取り付けられたとき、LED24に光学レンズ34が一つずつ被さってこれらが一対の組となるように定められている。光源ユニット10は、光学レンズ34から光が出射されるとともに光拡散パネル40からも光が出射される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が実装された基板と、
前記発光素子の発光面側に設けられ、前記発光素子に被さる光学レンズと、
前記光学レンズが嵌まり込む開口部を備え前記開口部から前記光学レンズを露出させる光拡散パネルと、
を備える光源ユニット。
【請求項2】
前記光学レンズの外形は柱状であり、前記光拡散パネルの前記開口部が前記光学レンズの外周面を覆い、前記開口部が前記光学レンズの底面を露出させる請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記光学レンズは円柱形状である請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記光学レンズは、発光素子の光が入射する入射面と、入射された光を出射する出射面と、前記出射面の縁に沿って前記出射面を囲う外周面とを備え、
前記入射面は、平面部と、前記平面部から斜め方向かつ前記発光素子の側に広がる傾斜面とを備え、
前記傾斜面に入射した光が前記外周面から出射される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記発光素子および前記光学レンズが複数設けられ、
複数の前記光学レンズそれぞれが接続板に接続されて一つの光学部品が構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記光学レンズが複数設けられた光学部品を備え、
前記光拡散パネルの前記開口部は、前記光学部品の複数の光学レンズがそれぞれ嵌まり込むように複数個形成された請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記光学レンズが複数設けられた光学部品を備え、
前記光拡散パネルには、複数の開口部が形成され、
前記複数の開口部のうち一部の開口部に前記光学部品の前記光学レンズが嵌め込まれ他の開口部には前記光学部品の前記光学レンズが嵌め込まれない請求項1〜7のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
光源ユニットと、
前記光源ユニットが取り付けられる器具本体と、
を備え、
前記光源ユニットは、
発光素子が実装された基板と、
前記発光素子の発光面側に設けられ、前記発光素子に被さる光学レンズと、
前記光学レンズが嵌まり込む開口部を備え前記開口部から前記光学レンズを露出させる光拡散パネルと、
を備える照明器具。
【請求項9】
発光素子の光が入射する入射面と、入射された光を出射する出射面と、前記出射面の縁に沿って前記出射面を囲う外周面とを備え、
前記入射面は、平面部と、前記平面部から斜め方向かつ前記発光素子の側に広がる傾斜面とを備え、
前記傾斜面に入射した光が前記外周面から出射される光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ、光源ユニット、および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特開2012−64344号公報に記載されているように、サイドエミッタ方式のLEDを導光板の開口部42に嵌め込み、導光板を介してLEDの光を面発光させるようにして、不快グレアを低減する照明器具がある。
【0003】
また、例えば特開2011−146271号公報に記載されているように、従来の蛍光灯の照明器具と同様に、ルーバー部材を取り付けてグレアを軽減するものがある。
【0004】
また、例えば特開2013−258083号公報に記載されているように、レンズユニットをレンズ、レンズホルダー、シート及びレンズカバーで構成し、これらの部品を透明または透光性の部材とすることで、レンズの周囲から出射された光が強調されずに眩しさ感を和らげるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−64344号公報
【特許文献2】特開2013−258083号公報
【特許文献3】特開2011−146271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の照明器具では、導光板を介してLEDの直下方向へと光が出射される。このため、LEDが発する光が導光板の内部で反射したり拡散したりすることによる光ロスが生じるという問題があった。また、ルーバー部材を取り付けてグレアを軽減する場合、ルーバによる反射ロスが生ずるという問題があった。また、レンズユニットをレンズ、レンズホルダー、シート及びレンズカバーで構成する上記従来技術では、積極的に拡散部に光をとばしていないので十分な輝度が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、少ない光ロスでグレアを低減することのできる光学レンズ、光源ユニット、および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる光源ユニットは、発光素子が実装された基板と、前記発光素子の発光面側に設けられ、前記発光素子に被さる光学レンズと、前記光学レンズが嵌まり込む開口部を備え前記開口部から前記光学レンズを露出させる光拡散パネルと、を備える。
【0009】
本発明にかかる照明器具は、光源ユニットと、前記光源ユニットが取り付けられる器具本体と、を備え、前記光源ユニットは、発光素子が実装された基板と、前記発光素子の発光面側に設けられ、前記発光素子に被さる光学レンズと、前記光学レンズが嵌まり込む開口部を備え前記開口部から前記光学レンズを露出させる光拡散パネルと、を備える。
【0010】
本発明にかかる光学レンズは、発光素子の光が入射する入射面と、入射された光を出射する出射面と、前記出射面の縁に沿って前記出射面を囲う外周面とを備え、前記入射面は、平面部と、前記平面部から斜め方向かつ前記発光素子の側に広がる傾斜面とを備え、前記傾斜面に入射した光が前記外周面から出射される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開口部からLEDの光を出射させつつその周囲で光拡散パネルによって光を拡散させることで、少ない光ロスでグレア感を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態にかかる照明器具の斜視図である。
図2】実施の形態にかかる照明器具の光源ユニットを示す斜視図である。
図3】実施の形態にかかる光源ユニットの部分断面図である。
図4】実施の形態にかかる光源ユニットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態にかかる照明器具1の斜視図である。照明器具1は、器具本体6と、この器具本体6に取り付けられる光源ユニット10と、を備える。器具本体6は、直方体形状の筐体2と、この筐体2の内部に取り付けられる点灯装置(図示せず)と、同じく筐体2の内部に取り付けられた電源端子台及び調光信号線用端子(いずれも図示せず)と、筐体2の長手方向の端部に取り付けられた器具取付部5と、筐体2の内部に設けられた光源ユニット取付部7とを備える。電源端子台及び調光信号線用端子(いずれも図示せず)には、筐体2の外部から電線を挿入可能とされている。器具取付部5は、天井などに設けられるバー(図示せず)に係合する。光源ユニット取付部7には、光源ユニット10が取り付けられる。
【0014】
図2は、実施の形態にかかる照明器具の光源ユニット10を示す斜視図である。図3は、実施の形態にかかる光源ユニット10の部分断面図であり、図2の仮想平面Aに沿って切断した切り口を図示したものである。光源ユニット10は、LEDモジュール20と、このLEDモジュール20に取り付けられる光学部品30と、この光学部品30に接するように取り付けられる光拡散パネル40と、を備える。
【0015】
LEDモジュール20は、プリント基板22と、このプリント基板22に実装される12個のLED24と、を備える。LED24はプリント基板22に等間隔に2列に並べられている。
【0016】
図4は、実施の形態にかかる光源ユニット10の分解斜視図である。光学部品30は、LED24が発する光を拡散または集光する12個の光学レンズ34と、これら複数の光学レンズ34それぞれと接続する接続板32とを備える。光学レンズ34は、接続板32の表面に等間隔で並べて設けられている。接続板32における光学レンズ34の配置は、光学部品30がLEDモジュール20に取り付けられたとき、LED24に光学レンズ34が一つずつ被さってこれらが一対の組となる(LED24と光学レンズ34が同軸上(同心円)に位置する)ように定められている。光学レンズ34は、入射面341と、入射面341と対向する出射面342と、これらの入射面341および出射面342を結ぶ外周面343を備えている。外周面343は、出射面342の縁に沿って出射面342を囲うように設けられている。光学レンズ34の外形は柱状であり、より具体的には円柱であり、出射面342はこの円柱の底面である。光学レンズ34は、外周面343が斜めとなるテーパ状であってもよく、このテーパ状は出射面342側にいくほど直径が小さくなってもよい。図3の断面図にあるとおり、光学レンズ34の内部側(LED24と対面する側)にはすり鉢状に凹んだ凹部38が設けられており、この凹部38の表面が入射面341である。入射面341は、平面部3411と傾斜面3412を備えている。本実施の形態では、平面部3411を、その輪郭が光学レンズ34と同じ円形である平坦な面としており、傾斜面3412を、平面部3411から斜め方向に広がりかつLED24の側を向く平坦な面としている。凹部38の直径は、凹部38の出口にいくほど徐々にかつ連続的に増加している。傾斜面3412に入射した光が外周面343から出射される。
【0017】
光拡散パネル40は、光学レンズ34が嵌まり込む12個の開口部42が形成されている。光学レンズ34が嵌め込まれたとき、開口部42の内面が光学レンズ34の外周面343に近接し、好ましくは開口部42の内面が外周面343と隙間無く当接する。出射面342は、開口部42から露出する。
【0018】
次に、この実施の形態における光学部品30の機能について説明する。LED24が発する光は、光学レンズ34の凹部38から入射し、光学レンズ34の光学特性に応じて、屈折、反射をしながら、光学レンズ34から出射される光の配光が制御される。光学レンズ34に入射された光は、外周面343によって反射される光と、外周面343で反射されずに外周面343から出射される光に分けられる。これは、例えば、外周面343に当たる光の角度によって、全反射される光と、全反射されずに屈折して外部に出射される光に分かれるためである。
【0019】
光学レンズ34の外周面343から出射された光は、開口部42の端面から光拡散パネル40内に入射される。光拡散パネル40内に光が入射されると、光拡散パネル40内を乱反射しながら光が伝播するとともに、光拡散パネル40の外表面から光拡散パネル40の外部に光が出射される。
【0020】
このように、本実施の形態における光源ユニット10は、光学レンズ34の出射面342および外周面343から光が出射されるとともに光拡散パネル40からも光が出射されるので、光学レンズ34と光拡散パネル40との間の輝度差を少なくできる。光学レンズ34と光拡散パネル40の輝度差が少ないので、グレア(まぶしさ)を感じ難くすることができる。
【0021】
また、光学レンズ34の円周部に沿って拡散するようにしているので、光学レンズ34をどの角度から見ても、グレア感を軽減することができる。例えば、従来の蛍光灯器具のように、ルーバー片を用いていた場合にあっては、そのルーバー片による遮光が得られる場合、グレア感を軽減できるものの、見る角度が変わると、ルーバー片による遮光が行なえないという欠点があった。しかしながら、本実施の形態にかかる光源ユニット10においては、前述のように、光学レンズ34の外形が円柱形状であり、この光学レンズ34の周囲を光拡散パネル40によって光を拡散するので、光学レンズ34の全周囲に渡って輝度差が少なくなり、光学レンズ34をどの角度から見ても、グレア感を軽減することができる。
【0022】
さらに詳細に説明すると、光学レンズ34によってLED24から出射される光の遮光角を決定して、従来のルーバー片のような遮光機能を実現している。その一方で、光拡散パネル40によって光学レンズ34の周囲を拡散光で照らして明るくし、光学レンズ34の周囲との輝度差を少なくしている。これにより、従来のルーバー片のように遮光されない範囲(例えば、光源ユニット10の直下から見上げたとき)におけるグレアを軽減することができる。
【0023】
なお、本実施の形態にかかる光源ユニット10は12個のLED24および12個の光学レンズ34を備えるものとしたが、本発明はこれに限られず、必要に応じて個数および平面方向位置を変更して、1つ以上の所望数のLED24および光学レンズ34を有する光源ユニットを提供すればよい。
【0024】
また、本実施の形態では光拡散パネル40の開口部42に光学レンズ34がそれぞれ嵌められるようにしているが、本発明はこれに限られない。全ての開口部42に光学レンズ34を嵌めることなく、選択的に嵌めるようにしてもよい。つまり、複数の開口部42のうち一部の開口部42には光学レンズ34が嵌めこまれ、他の開口部42には光学レンズ34がはめ込まれておらずLED24が露出するかあるいはLED24も設けない状態としてもよい。
【0025】
また、本実施の形態では、一つの光学部品30に対して、一つの光拡散パネル40が取り付けられる場合について説明したが、2つの光学部品30に対して、一つの光拡散パネル40が取り付けられるようにしてもよいし、その他の組合せであっても構わない。なお光拡散パネル40を重ねて2枚以上設けても良い。
【0026】
なお、本実施の形態では、好ましい形態として光学レンズ34を円柱形状としたが、本発明はこれに限られない。光学レンズ34の柱形状の底面が角を有してもよく、例えば外形が角柱状、典型的には三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、その他の角柱としてもよく、角柱の底面形状は内角の等しい正多角形に限定されない。また、楕円柱としてもよく、底面の輪郭が曲面を有する様々な柱としてもよく、複数の円が繋がった図形を底面とする柱としてもよい。
【0027】
LED24と光学レンズ34を一対一で対応させたが、本発明はこれに限られず、1つの光学レンズ34が複数のLED24に被せられるようにしてもよい。なお、発光素子としてLED24の代わりに有機EL素子を用いても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 照明器具、2 筐体、5 器具取付部、6 器具本体、7 光源ユニット取付部、10 光源ユニット、20 モジュール、22 プリント基板、30 光学部品、32 接続板、34 光学レンズ、38 凹部、40 光拡散パネル、42 開口部、341 入射面、342 出射面、343 外周面、3411 平面部、3412 傾斜面
図1
図2
図3
図4